JP2007269151A - 車輪用転がり軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスクパッドとディスクロータとを均一に面接触させることができ、制動性能の低下を防ぐことができる車輪用転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】外筒部材2が内軸部材1に対して回転する構造とされている。外筒部材2の外周部に複数の歯部が形成されている。ブレーキ用のディスクロータ5は、その内周部が前記複数の歯部と噛合した状態で、外筒部材2に取り付けられている。ディスクロータ5は、その内周側の側面が弾性部材10a,10bを介して軸方向両側から止め部材39と当接面31とによって挟まれた状態で、外筒部材2に取り付けられている。
【選択図】 図2

Description

この発明は、外筒部材が内軸部材に対して回転する車輪用転がり軸受装置に関する。
従来、自動車における車輪用の転がり軸受装置(ハブユニット)として知られているものに、車体側の懸架装置に固定される内軸部材と、この内軸部材の径方向外方に設けられ車輪が取り付けられる外筒部材と、内軸部材と外筒部材との間に転動自在に介在している複列の転動体とを備え、外筒部材が内軸部材に対して回転するものがある(例えば、特許文献1参照)。
この外筒部材には、車輪の他にディスクブレーキ用のディスクロータ(ブレーキディスク)が取り付けられている。前記特許文献1に記載されている転がり軸受装置において、ディスクロータの内周部に複数の歯が形成されており、外筒部材の外周面に突出部が複数形成されており、ディスクロータの歯が外筒部材の突出部の間に係合した状態とされている。これにより、ディスクロータは外筒部材に対して周方向に拘束された状態となる。さらに、ディスクロータは、その軸方向一方のカラーと他方のスナップリングとによって挟まれた状態とされており、ディスクロータは外筒部材に対して軸方向に位置固定されている。
特表2004−521012号公報(図2参照)
このような車輪用転がり軸受装置が車両に取り付けられ、使用されている状態において、制動時におけるディスクロータとブレーキパッドとの摩擦熱により、ディスクロータは発熱し熱膨張する。
特許文献1に記載の車輪用転がり軸受装置では、ディスクロータの外周寄り部分は熱膨張できるが、ディスクロータの内周寄り部は周方向と軸方向に拘束された状態で外筒部材に固定されているため、当該内周寄り部では熱膨張が抑えられる。この結果、ディスクロータが変形し、ディスクロータの摺接面が外筒部材の軸線と直交する平面に対して傾いてしまう。これにより制動時において、摺接面とブレーキパッドとの間で片当りが生じ、異音や振動が生じたり、制動性能が低下したりするおそれがある。
そこでこの発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、制動性能の低下を防ぐことができる車輪用転がり軸受装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するためのこの発明の車輪用転がり軸受装置は、車体側に固定される内軸部材と、この内軸部材の径方向外方に設けられ車輪が取り付けられると共に外周部に複数の歯部が形成された外筒部材と、前記内軸部材と前記外筒部材との間に転動自在に介在している複列の転動体と、内周部を前記複数の歯部に噛合させた状態で当該外筒部材に取り付けられたブレーキ用のディスクロータとを備え、前記外筒部材が前記内軸部材に対して回転する車輪用転がり軸受装置において、前記ディスクロータは、その内周側の側面が弾性部材を介して軸方向両側から固定手段によって挟まれた状態で、前記外筒部材に取り付けられているものである。
この構成によれば、ディスクロータが熱膨張しても、弾性部材が弾性変形することによって、ディスクロータの内周部における熱膨張を吸収できる。これにより、ディスクロータが拘束されることによって生じるディスクロータの傾きを抑えることができる。このため、ディスクパッドとディスクロータの摺接面との片当りを防止でき、制動時に異音や振動が生じたり、制動性能が低下したりすることを防ぐことができる。
なお、前記軸方向とは、車輪用転がり軸受装置の軸線に平行な方向である。
また、前記車輪用転がり軸受装置において、前記ディスクロータが前記外筒部材に対して傾動可能に取り付けられ、前記弾性部材が、制動時に前記ディスクロータの傾動を許容する弾性力で当該ディスクロータを押圧しているのが好ましい。
これにより、制動時においてディスクロータがブレーキパッドによって挟まれた際、ディスクロータは弾性部材の弾性力に抗して移動することができブレーキパッドに追従できる。これにより、ディスクロータが傾いた状態のままでブレーキパッドによって挟まれることを防止できる。このため、ディスクパッドとディスクロータの摺接面との片当りを防止でき、制動時に異音や振動が生じたり、制動性能が低下したりすることを、より一層効果的に防ぐことができる。
また、前記車輪用転がり軸受装置において、前記ディスクロータは、ブレーキパッドと摺接する摺接面部と、この摺接面部の径方向内側に形成された冷却用の凹凸部とを有しているのが好ましい。
これによれば、ディスクロータの摺接面部で生じた摩擦熱が径方向内方へ伝達されることを抑えることができる。
また、前記車輪用転がり軸受装置において、前記外筒部材の歯部がスプライン歯であり、このスプライン歯の一部は、前記外筒部材の回転数を検知するためのセンサによって計測されるパルサ部を構成しているのが好ましい、
これによれば、センサによって外筒部材の回転数を検出するための検出対象部とさせるパルサ部材を別途必要とせず、センサによって外筒部材の回転数を検出させるための構造が得られる。
本発明の車輪用転がり軸受装置によれば、弾性部材によって、ディスクロータの内周部の熱膨張が吸収され、ディスクロータがブレーキパッドに追従できることから、ディスクロータが拘束されることによって生じるディスクロータの傾きを抑えることができる。このため、ディスクパッドとディスクロータの摺接面との片当りを防止でき、制動時に異音や振動が生じたり、制動性能が低下したりすることを防ぐことができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明の車輪用転がり軸受装置の実施の一形態を示す断面図である。この車輪用転がり軸受装置(以下、単に転がり軸受装置ともいう)は、車体側に固定される内軸部材1と、この内軸部材1の径方向外方に設けられ車輪(図示せず)が取り付けられる外筒部材2と、これら内軸部材1と外筒部材2との間に転動自在に介在している複列の転動体3,4とを備えている。
内軸部材1は、内軸15とこの内軸15の一端部に外嵌された内輪部材16とを有し、内輪部材16は、内軸15の一端部に形成されたかしめ部12によって固定されている。内軸15の外周面の一部に軌道面13が形成され、内輪部材16の外周面に軌道面14が形成されている。
なお、図1の右側が転がり軸受装置の車両のアウタ側、図1の左側が車両のインナ側となる。内軸15のインナ側の端部に雄ネジ部18が形成されている。この雄ネジ部18が、車体側の懸架装置の取付部19に形成された取り付け孔19aに挿通し、雄ネジ部18にナット部材20が螺合される。このナット部材20と、雄ネジ部18の基端部に形成された軸線Cに直交する段付き面36との間に、懸架装置の取付部19が挟まれた状態とされ、転がり軸受装置が車体側の懸架装置に固定される。
外筒部材2は筒形状とされ、その内周面に複列の軌道面23,24が形成されている。そして、この外筒部材2の複列の軌道面23,24と、前記内軸部材1の複列の軌道面13,14との間に、転動体である玉3,4が転動自在に介在している。これにより、外筒部材2と内軸部材1とは同心に配置され、外筒部材2が内軸部材1に対して軸線Cを中心として回転することができる。
内軸部材1と外筒部材2との間の環状の隙間において、インナ側及びアウタ側には環状のシール部材30a,30bが介在している。これらシール部材30a,30bによって軸受部への異物の侵入を防止している。
この転がり軸受装置は、ディスクブレーキ用のディスクロータ(ブレーキディスク)5を更に備えている。ディスクロータ5は外筒部材2に取り付けられている。
外筒部材2は、車輪(タイヤ)取り付け用の円環平板状とされたフランジ21と、筒状とされた本体部17とを有している。本体部17の外周部にディスクロータ5を取り付けるための複数の歯部が形成されている。複数の歯部は周方向に離れて複数形成されており、この実施の形態ではスプライン(スプライン歯)22としている。フランジ21は、本体部17の軸方向アウタ側の部分から径方向外方へ向かって延伸している。スプライン22は、このフランジ21よりも軸方向インナ側の位置において、外筒部材2の本体部17の外周面全周にわたって形成されている。
図1において、フランジ21は本体部17と別部材で構成されているが、フランジ21は本体部17と一体回転する構造とされている。このように別部材とすることにより本体部17及びフランジ21のそれぞれの製造を容易としている。なお、図示しないが、フランジ部と本体部とを同じ部材から製造してもよい。
そして、フランジ21にボルト(ハブボルト)27が複数取り付けられており、このボルト27によって車輪(図示せず)が取り付けられる。
図2は前記スプライン22におけるディスクロータ5の取り付け構造を説明する断面図である。
ディスクロータ5は円環で板状とされており、その内周部は外筒部材2の前記スプライン22に噛み合うスプライン形状とされている。ディスクロータ5は、その内周部を外筒部材2のスプライン22に噛合させた状態で取り付けられており、ディスクロータ5は、外筒部材2の外周部に周方向に拘束された状態で外嵌している。外筒部材2のスプライン22は、本体部17の軸方向の略全長にわたって形成されている。ディスクロータ5の内周部のスプライン形状部6は、外筒部材2のスプライン22よりも軸方向寸法が小さくされている。そして、外筒部材2のスプライン22の軸方向の一部においてディスクロータ5のスプライン形状部6が噛み合っている。なお、ディスクロータ5は外筒部材2に対して傾動可能に取り付けられている。すなわち、ディスクロータ5と外筒部材2とは嵌合隙間を有しており、ディスクロータ5はその摺接面が倒れる方向に傾動可能となる。
さらに、ディスクロータ5は、その内周部において(内周側の側面が)弾性部材10a,10bを介して軸方向両側から固定手段によって挟まれた状態で、外筒部材2に取り付けられている。これを具体的に説明すると、外筒部材2(本体部17)の外周面は軸方向に段差がある段付き形状とされており、インナ側へ向く当接面31が形成されている。つまり、外筒部材2の本体部17の外周部は、外径寸法が大きいアウタ側の大径部17aと、外径寸法が小さいインナ側の小径部17bとを有しており、大径部17aと小径部17bとの間が当接面31とされている。この当接面31は軸線Cに直交する平面上に形成されている。そして、小径部17bに環状の凹溝38が形成されており、この凹溝38に止め部材(C型止め輪)39が嵌合して固定されている。この止め部材39と前記当接面31とは軸方向に所定間隔を有して設けられており、これらの間にディスクロータ5の内周部、及び、これを両側から挟む弾性部材10a,10bが配設されている。
さらに説明すると、外筒部材2(本体部17)の外周部にはスプライン22が形成されていることから、図2では、このスプライン22のアウタ側が大径部17aとされ、インナ側が小径部17bとされている。そして、ディスクロータ5の内周部のスプライン形状部6は、このうち小径部17bと嵌合している。
前記弾性部材10a,10bのそれぞれは、小径部17bに外嵌している環状の部材とされている。そして、前記止め部材39と当接面31とが、弾性変形している弾性部材10a,10bを介してディスクロータ5を軸方向両側から挟んでいる。弾性部材10a,10bが弾性変形して所定の軸方向寸法とされていることによって、弾性部材10a,10bはディスクロータ5を軸法奥両側から押圧している。これにより、止め部材39と当接面31とがディスクロータ5を軸方向について固定する固定手段とされている。
弾性部材10a,10bは弾性変形可能とされた部材とされており、ゴム製や金属製とすることができる。ゴム製の場合、耐泥水性に加え、耐熱性の高いものがよく、フッ素ゴムとするのが好ましい。これによれば、ディスクロータ5はディスクパッド32(図1参照)との接触によって200℃程度まで上昇することがあり、このディスクロータ5の内周部に弾性部材10a,10bは直接接触しているが、弾性部材10a,10bが耐熱性の高い材質とされることによって熱によって変質してしまうのを防止できる。また、金属製の場合、小径部17bに外嵌する皿バネ(図示せず)とすることができる。
そして、弾性部材10a,10bは、ディスクロータ5に対して所定の大きさの弾性力を作用させるだけ弾性変形した状態で、ディスクロータ5と止め部材39との間、及び、ディスクロータ5と当接面31との間にそれぞれ介在している。弾性部材10a,10bは、制動時にディスクロータ5の傾動を許容する弾性力で当該ディスクロータ5を押圧している。具体的には、ディスクロータ5と共に取り付けられた状態で、弾性部材10a,10bは、両側から挟むことでディスクロータ5の姿勢を保持させる所定の押圧力以上で押圧するとともに、ブレーキパッド32(図1参照)によるディスクロータ5への押付力未満となる弾性力を作用させるだけ弾性変形した状態とされている。
なお、ディスクロータ5の姿勢を保持させる所定の押圧力については、例えば、ディスクロータ5を外筒部材2に外嵌させ軸線Cに直交する平面から所定角度(例えば5°)だけ傾けた状態で、当該ディスクロータ5に作用する回転力(転倒トルク)に抗するだけの押圧力とすることができる。
これによれば、弾性部材10a,10bは、ディスクロータ5を両側から挟んで所定の押圧力以上で押圧することによって当該ディスクロータ5の姿勢を保持することができる。つまり、非制動時において、ディスクロータ5が倒れることを防止できる。さらに、弾性部材10a,10bは、ブレーキパッド32によるディスクロータ5への押付力未満となる弾性力でディスクロータ5を押圧している。これにより、制動時において、ブレーキパッド32がディスクロータ5を挟んだ際、ディスクロータ5は弾性部材10a,10bの前記弾性力に抗して移動することができブレーキパッド32に追従できる。
さらに、制動時においてディスクパッド32とディスクロータ5とが接触することで摩擦熱が生じ、ディスクロータ5が熱膨張しても、弾性部材10a,10bが弾性変形することによって、ディスクロータ5の内周部における熱膨張を吸収できる。これにより、ディスクロータ5が外筒部材2に拘束されることによって生じるディスクロータ5の傾きを抑えることができる。
さらに、制動時においてディスクロータ5がブレーキパッド32によって挟まれた際、そのディスクロータ5はブレーキパッド32に追従できる。これにより、ディスクロータ5が傾いた状態のままでブレーキパッド32によって挟まれることを防止できる。このため、ディスクパッドとディスクロータの摺接面とが片当りすることを防ぎ、均等な面圧となるように両者は面で接触することができる。この結果、制動時に異音や振動が生じることを防止でき、高い制動性能を維持させることができる。
なお、従来の構造では、図示しないが、ディスクロータの内周寄り部が周方向と軸方向に拘束された状態で外筒部材に固定されている。このため、ディスクロータ、及び、その取付部の寸法精度が低く、ディスクロータが傾いた状態にあると、制動時においてブレーキパッドがディスクロータを挟んだ際、ディスクロータは姿勢を変えることができないために、摺接面において片当りが生じるおそれがある。そして、ディスクロータの前記熱変形により摺接面が傾いてしまうことにより、摺接面における片当りが大きくなる。この結果、制動時に異音や振動が生じるおそれがある。
しかし、この発明の構造によれば、弾性部材10a,10bが弾性変形することによって、ディスクロータ5は移動することができ、制動時においてディスクロータ5がブレーキパッド32によって挟まれた際、そのディスクロータ5はブレーキパッド32に追従できる。
このように、ディスクロータ5は車輪取り付け用のフランジ21を介することなく外筒部材2に取り付けられる。そして、ディスクロータ5は軸方向について移動可能とされており、ディスクロータ5は外筒部材2に対して軸方向についてフローティング状態で取り付けられている構造となる。
図3はディスクロータを軸方向から見た図である。
ディスクロータ5は外径側に摺接面部5aが形成されており、この摺接面部5aにブレーキパッド32(図1参照)が接触する。そして、環状となる摺接面部5aの径方向内側に、表面積を大きくさせた冷却用の凹凸部5bが形成されている。凹凸部5bは、ディスクロータ5の本体部の表面から突出して形成された複数のフィン41によって形成されている。図3のフィン41は周方向に複数形成されており、放射状に配置されている。さらに、この凹凸部5はディスクロータ5の両側の面に形成されている。
なお、凹凸部5bは他の形態であってもよく、図示しないが、ディスクロータ5の本体部に別部材として取り付けられた冷却用の部材としてもよく、この部材によってディスクロータ5における熱を外部へ逃がす構造としてもよい。さらに、ディスクロータ5に空気を通過させるための孔が形成されているのが好ましい。
このように凹凸部5bが形成されていることによって、ディスクロータ5の摺接面部5bで生じた摩擦熱が径方向内方へ伝達されることを抑えることができる。これにより、弾性部材10a,10bの熱による劣化や、転動体3,4を有する軸受部の軸受性能の低下を防止できる。さらに、ディスクロータ5の内周部における熱膨張を抑えることができる。
図4は、車体側の懸架装置の取付部に車輪用転がり軸受装置が取り付けられた状態を示している図である。
外筒部材2の本体部17に形成されたスプライン22は、その歯部が、当該本体部17の外周部における軸方向インナ側端部からフランジ21があるアウタ側に向かって形成されている。そして、その軸方向の途中部において、ディスクロータ5のスプライン形状部6が噛み合った状態とされ、前記止め部材39及び当接面31による固定手段によってディスクロータ5は固定されている。
そして、スプライン22において、止め部材39よりも軸方向インナ側の端部についても歯部が延長して存在している。そこで、このスプライン22のうちの軸方向インナ側の端部37が、外筒部材2の回転(回転数)を検知するためのセンサ34によって計測されるパルサ部35を構成している。つまり、前記センサ34はABSセンサとされており、外筒部材2の外周部に形成したスプライン22の端部37における凹凸形状がそのままパルサ部35として用いられている。
センサ34は本体部34bにおいて懸架装置の取付部19に固定されており、センサ34の検出部34aが径方向外側から内方へ向かってスプライン22の端部37に接近した姿勢で設けられており、検出部34aがスプライン22の端部37の外周面に対向している。
このスプライン22の端部37が周方向で凹部と凸部とが交互に連続された構造とされていることによって、当該端部37はパルサ部35とされており、車輪(図示せず)と共に外筒部材2が回転することによって、この端部37における周期的な凹凸の変化をセンサ34は非接触で計測できる。これにより、車輪の回転の変化を検出できる。
これによれば、センサ34によって外筒部材2の回転を検出するための検出対象部とさせるパルサ部材を別途必要とせず、センサ34によって外筒部材2の回転を検出させるための構造が得られる。なお、センサ34としては、磁性材製の芯料にコイルを巻回した所謂パッシブ型センサや、ホールICと磁石を用いた所謂アクティブ型センサを用いることができる。
また、ディスクロータ5を外筒部材2のスプライン22に取り付け及び取り外しを可能とするために、内軸15において、スプライン21よりもインナ側端部の径方向寸法はディスクロータ5の内径寸法よりも小さくされている。この雄ネジ部18において転がり軸受装置は懸架装置の取付部19に取り付けられることから、この部分には車輪(図示せず)側と車体側との間の大きな力が作用する。このため、雄ネジ部18の径は十分な強度を有するように内軸15の本体部の外径と略同一程度が必要となる。そして、この雄ネジ部18に螺合するナット部材20の外径寸法は、外筒部材2の本体部17の外径寸法と略同一となる。これにより、ナット部材20の外径は、インナ側において内軸部材1と外筒部材2との間に設けられたシール部材30aの外径よりも大きくなり、さらに、このシール部材30aの軸方向インナ側の近傍位置には、懸架装置の取付部19を介してナット部材20が存在している。
従来において、前記のようなABSセンサを設ける場合、転がり軸受装置のインナ側において、内軸部材と外筒部材との間に設けられたシール部材を、前記ABSセンサが計測するパルサ部材として使用する構造が提案されている。この場合、ABSセンサをシール部材の軸方向インナ側に設ける構造となる。
しかし、図4に示したように、シール部材30aの軸方向インナ側の近傍位置には、懸架装置の取付部19及びナット部材20が存在しているため、ABSセンサを従来の構造にならって取り付けることができない。しかし、前記のとおり外筒部材2の外周部に形成されたスプライン22の軸方向インナ側の端部37が、ABSセンサ34のためのパルサ部材とされていることによって、この端部37の径方向外方にセンサ34の検出部34aを位置させることができる。
また、従来において、車輪(タイヤ)取り付け用のフランジに、ディスクロータを取り付ける構造とされた転がり軸受装置がある(図示せず)。この場合、ディスクロータをブレーキパッドの位置に対応させるために、当該ディスクロータを径方向途中で折れ曲がり部のある形状(ハット形)としている。このディスクロータは、環状の内径部と環状の外径部とがその板厚よりも大きな寸法で軸方向にずれるように折り曲げられている。このようにディスクロータがハット形であると、ディスクロータが熱膨張することで、摺接面が倒れる変形が生じやすい。
しかし、本発明では、外筒部材2において、車輪(タイヤ)取り付け用のフランジ21と、ディスクロータ5取り付け用の部分(スプライン22)とが別として形成されている。したがって、ディスクロータ5の軸方向取り付け位置をフランジ部21に関係なく自由に変更できる。すなわち、外筒部材2において、当接面31及び止め部材39による固定手段の軸方向位置を変更できるため、ブレーキパッド32(図1参照)の軸方向位置に対応した位置に、ディスクロータ5を設けることができる。これにより、従来のようにディスクロータを径方向途中で折れ曲がり部のある形状(ハット形)とする必要がなくなり、ディスクロータ5を、その板厚の範囲外で折れ曲がり部の無い平板形状とすることができる。この結果、平板形状のディスクロータ5が熱膨張しても摺接面が倒れる変形は生じにくく、ディスクロータ5の熱変形による制動性能の低下を防止できる。
また、本発明の車輪用転がり軸受装置は、図示する形態に限らずこの発明の範囲内において他の形態のものであっても良く、図2では弾性部材10a,10bの断面形状を矩形としているが、これ以外に円形や楕円形などとすることもできる。
この発明の車輪用転がり軸受装置の実施の一形態を示す断面図である。 ディスクロータの取り付け構造を説明する断面図である。 ディスクロータを軸方向から見た図である。 車体側の懸架装置の取付部に車輪用転がり軸受装置が取り付けられた状態を示している図である。
符号の説明
1 内軸部材
2 外筒部材
3 玉(転動体)
4 玉(転動体)
5 ディスクロータ
5a 摺接面部
5b 凹凸部
10a,10b 弾性部材
22 スプライン
31 当接面
32 ブレーキパッド
34 センサ
35 パルサ部
39 止め部材

Claims (4)

  1. 車体側に固定される内軸部材と、この内軸部材の径方向外方に設けられ車輪が取り付けられると共に外周部に複数の歯部が形成された外筒部材と、前記内軸部材と前記外筒部材との間に転動自在に介在している複列の転動体と、内周部を前記複数の歯部に噛合させた状態で当該外筒部材に取り付けられたブレーキ用のディスクロータと、を備え、前記外筒部材が前記内軸部材に対して回転する車輪用転がり軸受装置において、
    前記ディスクロータは、その内周側の側面が弾性部材を介して軸方向両側から固定手段によって挟まれた状態で、前記外筒部材に取り付けられていることを特徴とする車輪用転がり軸受装置。
  2. 前記ディスクロータが前記外筒部材に対して傾動可能に取り付けられ、
    前記弾性部材が、制動時に前記ディスクロータの傾動を許容する弾性力で当該ディスクロータを押圧している請求項1に記載の車輪用転がり軸受装置。
  3. 前記ディスクロータは、ブレーキパッドと摺接する摺接面部と、この摺接面部の径方向内側に形成された冷却用の凹凸部とを有している請求項1又は2に記載の車輪用転がり軸受装置。
  4. 前記外筒部材の歯部がスプライン歯であり、このスプライン歯の一部は、前記外筒部材の回転数を検知するためのセンサによって計測されるパルサ部を構成している請求項1〜3のいずれか一項に記載の車輪用転がり軸受装置。
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