JP2007268663A - シンクロスリーブ内径ブローチ加工ジグ - Google Patents

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Abstract

【課題】初工程で加工したワークの荒内径スプラインの内径円周上のスライドキー溝の位相を検出し、仕上げブローチ加工において検出したスライドキー溝の位相に対して一定の位置関係がある結合歯(いわゆる欠歯)又は歯厚薄歯の正確なワークの位相位置を、位置決めできるシンクロスリーブ内径ブローチ加工ジグを提供。
【解決手段】基準金16上にワーク15を取り付けるとき、1箇所のガイド7aの検出凸部9aが板ばね14で押されスライドキー溝13に嵌合する位置に押されているときは、スライドキー溝13の位相に対する、仕上げブローチ加工において加工する歯が正確なワークの位相位置にあるとし、1箇所のガイド7aの検出凸部9aがスライドキー溝13と嵌合せず荒内径スプライン17のスプラインランド12に当たっている位置にあるときは検出凸部9aはブローチ側に傾き、ブローチ 1がプルヘッド22に挿入されたときストッパ21に当たるようにされる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、シンクロスリーブ内径スプライン仕上げブローチ加工において、初工程で加工したワークの荒内径スプラインの内径円周上のスライドキー溝の位相を検出し、仕上げブローチ加工において検出したスライドキー溝の位相に対して一定の位置関係がある加工する結合歯(いわゆる欠歯)又は歯厚薄歯の正確なワークの位相位置を、位置決めできるシンクロスリーブ内径ブローチ加工ジグに関する。
従来の自動車変速機部品のブローチ加工技術としては、例えば特許文献1では、バリエータ部品を、インデクステーブルでワークを2回旋回させて3回の動力伝達用溝3対のブローチ加工を行うものが記載されている。通常 100mm程度といった大径のシンクロスリーブ内径ブローチ加工では、ワークは旋盤で下穴加工が行われ、初工程で内径ブローチ加工で荒内径スプラインが形成され、次にローリング加工して荒内径スプラインにまるみをつけ、荒内径スプラインの内径円周上の3箇所に位置する荒内径スプライン部のほぼ中間に凹部であるスプライン溝と同じ深さのスライドキー溝をフライス加工で切り、その後で、2回目の仕上げブローチ加工を行いひづみとバリをとる。この仕上げブローチ加工では、初工程で加工した荒内径スプラインの内径円周上の3箇所に位置するスライドキー溝の位相を検出し、仕上げブローチ加工において検出したスライドキー溝の位相に対して一定の位置関係がある結合歯(いわゆる欠歯)又は歯厚薄歯の正確なワークの位相位置を、位置決めしなければならない。
特開2004−19874号公報
従来はひづみとバリをとる2回目の仕上げブローチ加工において、初工程で加工した荒内径スプラインの内径円周上のスライドキー溝の位相を作業者の目視で、仕上げブローチ加工において加工する歯の位相位置に位置決めしていたが、検出したスライドキー溝の位相に対して一定の位置関係がある結合歯(いわゆる欠歯)又は歯厚薄歯の正確なワークの位相位置決めは、面倒で時間もかかり、対応する1箇所の歯のみを合わせるだけでは、正確な位置決めができず、正確な仕上げブローチ加工ができず、ワークをロスしたり、ブローチを破損することがあった。自動でスライドキー溝の位相を測定器を使用して検出することは、溝の位相を検出しワークを位置決めする複雑で高価な装置となり、実用化が困難であった。
本発明の課題は、シンクロスリーブ内径スプライン仕上げブローチ加工において、初工程で加工したワークの荒内径スプラインの内径円周上のスライドキー溝の位相を検出し、仕上げブローチ加工において検出したスライドキー溝の位相に対して一定の位置関係がある結合歯(いわゆる欠歯)又は歯厚薄歯の正確なワークの位相位置を、位置決めできるシンクロスリーブ内径ブローチ加工ジグを提供することにある。
このため本発明は、プルヘッドにブローチの回り止めをする方向決めピンを設け、ブローチシャンクに該ピンと補合するフラット面を設け、該ブローチシャンクに該フラット面を基準にした3角形の各中央辺を形成する3面の切り欠きを設け、該プルヘッド上部に該3面の切り欠きの中央に嵌合可能な3個のガイドを固定し、該ガイドの内2個は初工程で加工したワークの荒内径スプラインと嵌合可能な案内歯部をもち、該ガイドの内1個は該ワークの荒内径スプラインの内径円周上の3箇所に位置するスライドキー溝と嵌合可能な検出凸部をもち、該3個のガイドはブローチがプルヘッドに挿入されたとき、該検出凸部が基準金上に配置された該ワークの3箇所のスライドキー溝と嵌合する該ブローチシャンク上の位置に固定され、該1箇所のガイドの該検出凸部はガイド本体に、該スライドキー溝に嵌合する位置と該スライドキー溝と嵌合せず該荒内径スプラインのスプラインランドに当たっている位置との間を、回転軸を介して回転可能に支持されかつ該スライドキー溝に押しつけられるよう板ばねで押されており、検出凸部がスライドキー溝と嵌合せず該荒内径スプラインのスプラインランドに当たっているときは、ブローチがプルヘッドに挿入されたとき該1箇所のガイドの該検出凸部上端と当接可能にブローチシャンク上部に固定したストッパに該案内歯部上端が当たるようにされたことを特徴とするシンクロスリーブ内径ブローチ加工ジグを提供することにより上記本発明の課題を解決した。
かかる構成により、本発明はプルヘッドにブローチの回り止めをする方向決めピンを設け、ブローチシャンクに該ピンと補合するフラット面を設け、該ブローチシャンクに該フラット面を基準にした3角形の各中央辺を形成する3面の切り欠きを設け、該プルヘッド上部に該3面の切り欠きの中央に嵌合可能な3個のガイドを固定し、該ガイドの内2個は初工程で加工したワークの荒内径スプラインと嵌合可能な案内歯部をもち、該ガイドの内1個は該ワークの荒内径スプラインの内径円周上の3箇所に位置するスライドキー溝と嵌合可能な検出凸部をもち、該3個のガイドはブローチがプルヘッドに挿入されたとき、該検出凸部が基準金上に配置された該ワークの3箇所のスライドキー溝と嵌合する該ブローチシャンク上の位置に固定され、該1箇所のガイドの該検出凸部はガイド本体に、該スライドキー溝に嵌合する位置と該スライドキー溝と嵌合せず該荒内径スプラインのスプラインランドに当たっている位置との間を、回転軸を介して回転可能に支持されかつ該スライドキー溝に押しつけられるよう板ばねで押されており、検出凸部がスライドキー溝と嵌合せず該荒内径スプラインのスプラインランドに当たっているときは、ブローチがプルヘッドに挿入されたとき該1箇所のガイドの該検出凸部上端と当接可能にブローチシャンク上部に固定したストッパに該案内歯部上端が当たるようにしたので、ブローチがプルヘッドに挿入されたとき初工程で加工したワークの荒内径スプラインの内径円周上のスライドキー溝の位相に対する、仕上げブローチ加工において検出したスライドキー溝の位相に対して一定の位置関係がある結合歯(いわゆる欠歯)又は歯厚薄歯の正確なワークの位相位置を容易に検出でき、ワークの正確な位置決めができるシンクロスリーブ内径ブローチ加工ジグを提供するものとなった。
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1(a)は本発明の実施の形態のシンクロスリーブ内径ブローチ加工ジグの要部断面図で、プルヘッドにブローチの挿入が完了した状態で示し、(b)は(a)のプルヘッドにブローチ挿入するとき異常が発生した状態を示し、(c)は(a)のC−C断面図である。図1(c)のワーク15は、通常 100mm程度といった大径のシンクロスリーブで、ワークは旋盤で下穴加工が行われ、初工程で内径ブローチ加工で荒内径スプラインが形成され、次にローリング加工して荒内径スプラインにまるみをつけ、荒内径スプラインの内径円周上の3箇所に位置する荒内径スプライン部のほぼ中間に凹部であるスプライン溝と同じ深さのスライドキー溝をフライス加工で切り、その後で、ひづみとバリをとる、2回目の仕上げ内径ブローチ加工される前の状態で示す。
本発明の実施形態のシンクロスリーブ内径ブローチ加工ジグは、図1(a)に示すように、プルヘッド22にブローチの回り止めをする方向決めピン 2を設け、ブローチシャンク 3にピン 2と補合するフラット面 4を設け、ブローチシャンク 3にフラット面 4を基準にした3角形の各中央辺を形成する3面の切り欠き 6を設け、プルヘッド22上部に3面の切り欠き 6の中央に嵌合可能な3個のガイド 7、7 、7aを固定し、該ガイドの内2個 7、7 は初工程で加工したワーク15の荒内径スプライン17と嵌合可能な案内歯部 8、8 をもち、該ガイドの内1個7aはワーク15の荒内径スプライン17の内径円周上の3箇所に位置するスライドキー溝13と嵌合可能な検出凸部9aをもち、3個のガイド 7、7 、7aはブローチ 1がプルヘッド22に挿入されたとき、検出凸部9aがブローチ盤テ−ブル19に位置する基準金16上に配置されたワーク15の3箇所のスライドキー溝13と嵌合するプルヘッド22上の位置に固定され、1箇所のガイドの検出凸部9aはガイド本体11に、スライドキー溝13に嵌合する位置とスライドキー溝13と嵌合せず荒内径スプライン17のスプラインランド12に当たっている位置との間を、回転軸10を介して回転可能に支持されかつスライドキー溝13に押しつけられるよう板ばね14で押されており、検出凸部9aがスライドキー溝13と嵌合せず荒内径スプライン17のスプラインランド12に当たっているときは、ブローチ 1がプルヘッド22に挿入されたとき1箇所のガイド7aの検出凸部上端と当接可能にブローチシャンク上部3aに固定したストッパ21に該案内歯部上端20が当たるようにした。
作動においては、ブローチ盤テ−ブル19に位置する基準金16上に配置されたワーク15を取り付けるとき、プルヘッド22上部から基準金16上に突出する、3個のガイド 7、7 、7aにワーク15をセットした時点で、スライドキー溝13の検知が完了する。あとはブローチ 1がプルヘッド22に挿入できるかできないかとなる。1箇所のガイド7aの検出凸部9aが回転軸10を介して、板ばね14で押されスライドキー溝13に嵌合する位置に押されているときは、仕上げブローチ加工において、初工程で加工したワークの荒内径スプラインの内径円周上のスライドキー溝13位相に対して一定の位置関係がある結合歯(いわゆる欠歯)又は歯厚薄歯が、正確なワークの位相位置にあるとして、ブローチ盤テ−ブル19が上昇、又はプルヘッド22が下降し、ひづみとバリをとる、2回目の仕上げ内径ブローチ加工が行われる。
ワーク15が基準金16上に、初工程で加工したワークの荒内径スプラインの内径円周上のスライドキー溝13の位相に対応する正しい位相に取り付けられていないときは、ワーク15が1箇所のガイド7aの検出凸部9aがスライドキー溝13と嵌合せず荒内径スプライン17のスプラインランド12にに当たっている位置にあり、図1(b)に示すように1箇所のガイド7aの検出凸部9aはブローチ 1側に傾き、3個所のガイド 7、7 、7aの内接円径が小さくなり、ブローチ 1がプルヘッド22に挿入されるときブローチシャンク上部3aに固定したストッパ21が検出凸部9a上端20が当たり、プルヘッド22にブローチ 1を挿入するときに異常が発生した状態となり、ブローチ 1の挿入が中止され、この後、ブローチ 1が図示しないリトリュウビングヘッドで引き上げられ、ブローチ加工が中止される。このため、正確な仕上げブローチ加工ができず、ワークをロスしたり、ブローチを破損することがない。
〔本発明の実施形態の効果〕本発明の実施形態では、プルヘッドにブローチの回り止めをする方向決めピンを設け、ブローチシャンクに該ピンと補合するフラット面を設け、該ブローチシャンクに該フラット面を基準にした3角形の各中央辺を形成する3面の切り欠きを設け、該プルヘッド上部に該3面の切り欠きの中央に嵌合可能な3個のガイドを固定し、該ガイドの内2個は初工程で加工したワークの荒内径スプラインと嵌合可能な案内歯部をもち、該ガイドの内1個は該ワークの荒内径スプラインの内径円周上の3箇所に位置するスライドキー溝と嵌合可能な検出凸部をもち、該3個のガイドはブローチがプルヘッドに挿入されたとき、該検出凸部が基準金上に配置された該ワークの3箇所のスライドキー溝と嵌合する該ブローチシャンク上の位置に固定され、該1箇所のガイドの該検出凸部はガイド本体に、該スライドキー溝に嵌合する位置と該スライドキー溝と嵌合せず該荒内径スプラインのスプラインランドに当たっている位置との間を、回転軸を介して回転可能に支持されかつ該スライドキー溝に押しつけられるよう板ばねで押されており、検出凸部がスライドキー溝と嵌合せず該荒内径スプラインのスプラインランドに当たっているときは、ブローチがプルヘッドに挿入されたとき該1箇所のガイドの該検出凸部上端と当接可能にブローチシャンク上部に固定したストッパに該案内歯部上端が当たるようにしたので、ブローチがプルヘッドに挿入されたとき初工程で加工したワークの荒内径スプラインの内径円周上のスライドキー溝の位相に対する、仕上げブローチ加工において検出したスライドキー溝の位相に対して一定の位置関係がある結合歯(いわゆる欠歯)又は歯厚薄歯の正確なワークの位相位置を容易に検出でき、ワークの正確な位置決めができるシンクロスリーブ内径ブローチ加工ジグを提供するものとなった。
(a)は本発明の実施の形態のシンクロスリーブ内径ブローチ加工ジグの要部断面図で、プルヘッドにブローチの挿入が完了した状態で示し、(b)は(a)のプルヘッドにブローチ挿入するとき異常が発生した状態を示し、(c)は(a)のC−C断面図である。
符号の説明
1:ブローチ、2:方向決めピン、3:ブローチシャンク、3a:ブローチシャンク上部
4:フラット面、6:切り欠き、7、7、7a:ガイド、8、8:案内歯部
9a:検出凸部、10:回転軸、12:スプラインランド、13:スライドキー溝
14:板ばね、15:ワーク、20:案内歯部上端、21:ストッパ、22:プルヘッド

Claims (1)

  1. プルヘッドにブローチの回り止めをする方向決めピンを設け、ブローチシャンクに該ピンと補合するフラット面を設け、該ブローチシャンクに該フラット面を基準にした3角形の各中央辺を形成する3面の切り欠きを設け、該プルヘッド上部に該3面の切り欠きの中央に嵌合可能な3個のガイドを固定し、該ガイドの内2個は初工程で加工したワークの荒内径スプラインと嵌合可能な案内歯部をもち、該ガイドの内1個は該ワークの荒内径スプラインの内径円周上の3箇所に位置するスライドキー溝と嵌合可能な検出凸部をもち、該3個のガイドはブローチがプルヘッドに挿入されたとき、該検出凸部が基準金上に配置された該ワークの3箇所のスライドキー溝と嵌合する該ブローチシャンク上の位置に固定され、該1箇所のガイドの該検出凸部はガイド本体に、該スライドキー溝に嵌合する位置と該スライドキー溝と嵌合せず該荒内径スプラインのスプラインランドに当たっている位置との間を、回転軸を介して回転可能に支持されかつ該スライドキー溝に押しつけられるよう板ばねで押されており、検出凸部がスライドキー溝と嵌合せず該荒内径スプラインのスプラインランドに当たっているときは、ブローチがプルヘッドに挿入されたとき該1箇所のガイドの該検出凸部上端と当接可能にブローチシャンク上部に固定したストッパに該案内歯部上端が当たるようにされたことを特徴とするシンクロスリーブ内径ブローチ加工ジグ。
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