JP2007267975A - 内視鏡用洗浄消毒装置 - Google Patents

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尚武 三森
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雅之 川上
Kazuya Takeuchi
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Abstract

【課題】装置の大型化を抑えつつ、過酸系の排液を容易に分解処理できるようにする。
【解決手段】内視鏡用洗浄消毒装置10内の排液30a(過酢酸)を排液する排液路76の途中に、消毒液分解処理ユニット80を設ける。消毒液分解処理ユニット80のユニット本体82内に、黄銅等からなる銅コイル84と、銅粉を添着させた銅粉添着フィルタ85を設ける。排液30aがユニット本体80内に流入したときに、排液30aが黄銅等の銅系金属と接触して反応することで、排液30a中の薬剤成分が分解される。銅コイル84及び銅粉添着フィルタ85の銅粉と、排液30aとを所定時間接触させて、排液30aを環境に無害なレベルまで分解処理する。排液30aに銅系金属を接触させるだけでよいので、消毒液分解処理ユニット80を小型化できる。装置10の大型化を抑えつつ、過酸系の排液30aの分解処理を容易に行うことができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、内視鏡を洗浄・消毒する内視鏡用洗浄消毒装置に関するものである。
医療分野において、内視鏡を利用した医療診断が盛んに行われている。医療診断で使用された内視鏡は、看護師などによる予備(一次)洗浄後、内視鏡用洗浄消毒装置の洗浄槽内にて、洗浄、消毒、すすぎ、乾燥などの各種処理が施され、洗浄・消毒・滅菌される。
従来の内視鏡用洗浄消毒装置では、消毒処理に使用された消毒液を何も処理しないまま外部に排液していた。この消毒液としては、過酢酸などの過酸系の消毒液が良く用いられているので、未処理で排液することは環境にとって好ましくない。特に近年は環境問題が大きく取り上げられるようになり、未処理の消毒液をそのまま外部に排液することによる環境への影響が懸念されている。
そこで、内視鏡用洗浄消毒装置に、洗浄処理に使用した洗浄水(水道水)と消毒処理に使用された消毒液とを混合する液混合タンクを設けて、消毒液を洗浄水で希釈してから排液する方法が良く知られている(特許文献1参照)。この装置を用いることで、消毒液を環境に問題のないレベルまで希釈してから排液することができる。
特開平5−337080号公報(第3頁、第1図参照)
ところで、前記特許文献1記載のように、内視鏡用洗浄消毒装置内に洗浄水と消毒液とを混合可能な容量の液混合タンクを設けると、装置が大型化し、装置の製造コストも高くなるという問題が発生する。このため、例えば排液される消毒液に中和薬剤を添加して中和処理する方法も考えられるが、この場合には、中和薬剤の添加量を適切な量に調整しなければならない等の煩雑さが生じる。また、特に中和薬剤が液体の場合には、その寿命管理が必要になるため扱いづらいという問題もある。
本発明は上記問題を解決するためのものであり、装置の大型化を抑えつつ、過酸系の消毒液(排液)を容易に分解処理可能な内視鏡用洗浄消毒装置を提供することを目的とする。
本発明は、内視鏡を洗浄・消毒する内視鏡用洗浄消毒装置において、前記内視鏡の消毒処理に使用された消毒液を排液する排液路の途中に設けられ、前記排液路に排液された前記消毒液に銅または銅を主成分する銅系金属を接触させて、前記銅または前記銅系金属と前記消毒液とを反応させることで、前記消毒液を分解処理する消毒液分解ユニットを備えることを特徴とする。
前記消毒液は、過酸系の薬液であることが好ましい。また、前記消毒液分解ユニットは、前記排液路に着脱自在とされていることが好ましい。また、前記銅または前記銅系金属は、粉末状であることが好ましい。
前記消毒液分解ユニットの内部、または前記消毒液分解ユニットの消毒液排液方向上流側に、前記消毒液を加温する加温手段を備えることが好ましい。さらに、前記消毒液分解ユニット内に前記消毒液が流入されているか否かを検出する流入検出手段と、前記流入検出手段により前記消毒液の流入が検出されたときに、前記加温手段を作動させる加温制御手段とを備えることが好ましい。
前記消毒液を前記排液路に排液させる排液手段と、前記内視鏡の洗浄・消毒処理が行われない時間帯に、前記排液手段を作動させる排液制御手段と、前記消毒液分解ユニットを通過する前記消毒液の流速を抑制する流速抑制手段と、前記排液手段の作動時に、前記流速抑制手段を作動させる流速抑制御手段とを備えることが好ましい。さらに、前記排液制御手段は、前記消毒液分解ユニットが設けられている装置本体の電源スイッチがOFFされたときに、前記排液手段を作動させることが好ましい。
本発明の内視鏡用洗浄消毒装置は、前記内視鏡の消毒処理に使用された消毒液を排液する排液路の途中に消毒液分解ユニットを設けて、この消毒液分解ユニット内で銅を主成分する銅系金属を前記消毒液に接触させ、前記銅または前記銅系金属と前記消毒液とを反応させて、前記消毒液を分解処理するようにしたので、従来のように、前記消毒液を排液する際に洗浄水(水道水)を混合して希釈する必要が無くなる。その結果、希釈用の混合液タンクを装置内に設ける必要が無くなるので、装置の大型化及び製造コストの増加を抑えつつ、前記消毒液を環境に影響を与えないレベルまで分解処理することができる。また、消毒液分解ユニットとしては、銅や銅系金属を前記消毒液に接触させれば良いので複雑な構造ものは必要ない。さらに、銅や銅系金属も安価である。このため、ユニットの製造コストを抑えられるので、装置の製造コストの増加を抑えることができる。
また、前記消毒液を中和する中和薬剤よりも安価な銅や銅系金属を用いて前記消毒液を分解処理しているので、中和薬剤を用いる場合よりもランニングコストを下げることができる。さらに、銅や銅系金属(黄銅やりん青銅等)は、中和薬剤のように寿命管理が必要ないのでユーザの手間を省くことができるという利点がある。
また、前記消毒液分解ユニットは、前記排液路に着脱自在されているので、銅や銅系金属が劣化して分解処理能力が低下した場合には、ユーザがユニットを容易に交換することができる。
また、前記銅または前記銅系金属を粉末状にしたので、前記銅または前記銅系金属と前記消毒液との反応をより活性化させることができる。
また、前記消毒液分解ユニット内、または前記消毒液分解ユニットの消毒液排液方向上流側で前記消毒液を加温するようにしたので、同様に前記銅または前記銅系金属と前記消毒液との反応をより活性化させることができる。
内視鏡の洗浄・消毒処理が行われない時間帯に排液を行いつつ、前記消毒液が前記消毒液分解ユニットを通過する際の流速を抑制する、つまり、前記消毒液が前記消毒液分解ユニット内をゆっくりと流れるようにしたので、前記消毒液分解ユニットを小型化してその分解処理能力が低下したとしても、時間をかけて前記消毒液を分解処理することができる。この場合には、前記消毒液の排液・分解処理を夜間などに行うことができるので、前記消毒液の分解処理に時間がかかったとしても、ユーザが不便さを感じることはあまりない。また、前記消毒液分解ユニットを小型化できるので、装置を小型化することができる。
図1において、内視鏡用洗浄消毒装置10は、箱状の装置本体12と、装置本体12にヒンジで開閉自在に取り付けられた蓋14とから構成される。この内視鏡用洗浄消毒装置10は、装置本体12の上面に設けられた洗浄槽16に使用済みの内視鏡20(図2参照)を収容し、洗浄、消毒、すすぎ、乾燥などの各種処理を施して、内視鏡20を洗浄・消毒・滅菌するものである。
装置本体12の上面手前には、操作パネル22、および表示パネル24が配されている。操作パネル22は、内視鏡用洗浄消毒装置10の電源をON・OFFする電源スイッチ22a(図6参照)や、詳しくは後述する槽内排液スイッチ22b、タンク内排液スイッチ22c、排液待機スイッチ22d(図6参照)等の他に、上記各種処理の内容に関する設定や洗浄開始/停止、消毒液注入作業などを指示するための各種ボタンからなる。表示パネル24は、各種設定画面、処理の残り時間、トラブル発生時の警告メッセージなどを表示する。
蓋14は、洗浄槽16に使用済みの内視鏡20を収容する際や、消毒処理後の内視鏡20を取り出す際に開閉操作される。洗浄・消毒・滅菌処理を行っている際には、蓋14により洗浄槽16の開口部が覆われ、外部に洗浄水や消毒液が飛散しないようになっている。また、蓋14の上面は、透明なのぞき窓となっており、洗浄・消毒・滅菌処理の様子を視認することができる。
洗浄槽16内には、噴射器26と、洗浄水(図示せず)を供給する洗浄水給水口28と、消毒液30(図3参照)を供給する消毒液給水口32と、洗浄水や消毒液30を排出する排液口34とが設けられている。
噴射器26は、洗浄槽16の略中央に配されており、円筒状の回転体38と、回転体38の周面に複数設けられたノズル40とからなる。内視鏡20の洗浄時には、回転体38が回転されるとともに、ノズル40から洗浄水が噴射される。
図2に示すように、使用済みの内視鏡20は、手元操作部42が洗浄槽16の側面に設けられたカプラ44の近傍に載置され、回転体38の周辺に巻き回された状態で洗浄槽16内に収容される。カプラ44は、手元操作部42の吸引ボタンの装着口46、送気・送水ボタンの装着口48、及び鉗子口50にチューブ52を介して接続されている。このカプラ44からチューブ52を経由して、洗浄水や消毒液30が内視鏡20内部の送気・送水チューブ、吸引チューブ、および鉗子挿通用チューブに供給され、これにより内視鏡20の内部管路の洗浄・消毒・滅菌処理が行われる。
洗浄槽16の裏面には、超音波振動子54(図3参照)が固着されている。超音波振動子54は、洗浄槽16に洗浄水を貯めて内視鏡20が完全に洗浄水に浸漬された状態で作動され、洗浄水に超音波を放射して内視鏡20に付着した汚れを超音波洗浄する。
図3において、装置本体12の上部には、水道水の蛇口などの水供給源とホースなどで接続され、洗浄水給水口28に繋がる給水路56が配されている。給水路56は、その途中に配された第1電磁弁58によって開閉される。
第1電磁弁58が開かれると、給水路56に水供給源からの水(水道水)が流れ、この水道水が洗浄水給水口28から洗浄水として洗浄槽16に供給される。なお、図示は省略するが、給水路56には、図示しない電磁弁を介してノズル40やカプラ44(図2参照)が繋がれており、これらの箇所にも洗浄水が供給されるようになっている。
装置本体12の下部には、消毒液タンク60が配設されている。消毒液タンク60には、消毒液30(図3参照)が貯留される。消毒液30としては、過酢酸、電解酸性水、オゾン水等の過酸系の薬液が用いられる。
消毒液タンク60には、消毒液給水口32に繋がる消毒液供給路62と、排液口34に繋がる消毒液回収路64と、後述する外部排液口66に繋がる消毒液排液路68とが接続されている。消毒液供給路62の途中には、消毒液タンク60内の消毒液30を洗浄槽16に向けて吸い上げる第1ポンプ70が設けられている。
第1ポンプ70が作動されると、消毒液供給路62に第1ポンプ70によって吸い上げられた消毒液タンク60内の消毒液30が流れ、この消毒液30が消毒液給水口32から洗浄槽16に供給される。なお、図示はしていないが、消毒液供給路62には、給水路56と同様に、ノズル40やカプラ44が使用されている。
消毒液回収路64は、消毒処理に使用した消毒液30を消毒液タンク60内に回収するためのものである。この消毒液回収路64は、第2電磁弁72を介して、排液口34と外部排液口66とを繋ぐ排液路76に接続されている。消毒液回収路64及び排液路76は、第2電磁弁72によって開閉される。また、第2電磁弁72と消毒液タンク60との間の消毒液回収路64には、第2ポンプ77が設けられている。
第2電磁弁72は、洗浄処理(すすぎ処理)が終了したら、消毒液回収路64側が閉、排液路76側が開となるように作動される。そして、第2電磁弁72は、消毒処理が終了したら、消毒液回収路64側が開、排液路76側が閉となるように作動される。なお、予め規定された回数だけ消毒処理に使用され劣化した消毒液30(排液30a)は、消毒液タンク60に回収せずに、外部排液口66より排液する。この場合には、第2電磁弁72は、消毒液回収路64側が閉、排液路76側が開となるように作動される。
第2ポンプ77は、第2電磁弁72の消毒液回収路64側が開、排液路76側が閉となったときに作動される。これにより、排液口34から排出された消毒液30が消毒液タンク60に回収される。
消毒液排液路68は、排液路76に接続されている。この消毒液排液路68の途中には、第3電磁弁78が接続されている。第3電磁弁78は、消毒液タンク60内の消毒液30が劣化(寿命切れ)して排液30a(図4参照)となったときに、開となるように作動される。第3電磁弁78が開になると、消毒液排液路68及び排液路76を介して、消毒液タンク60内の排液30aが外部排液口66から外部に排液される。
上述したように、排液30a(消毒液30)は、過酢酸等の過酸系の薬液であるため、この排液30aを未処理のまま排液することは環境にとって好ましくはない。この際に、従来のように排液30aと洗浄水(水道水)を混合して希釈可能な容量の混合液タンク(特許文献1参照)を装置10内に設けると、装置10が大型化してその製造コストが高くなってしまう。また、中和薬剤を添加する場合には、その添加量の適切な調整する必要がある等の煩雑さが生じる。
そこで、本発明では、装置10の大型化を抑えつつ、排液30aを環境に負荷を与えないレベルまで容易に分解処理できるように、排液路76の途中に消毒液分解ユニット80及び排液バルブ81を接続する。消毒液分解ユニット80は、排液路76の消毒液排液路68との接続部の下流側に接続されており、詳しくは後述するが、排液30aを分解処理する。
排液バルブ81は、消毒液分解ユニット80の下流側で排液路76に接続されている。排液バルブ81は、上述の第1〜第3電磁弁58,72,78と基本的には同じものが用いられており、排液路76を開閉する。この排液バルブ81は、後述する消毒液分解ユニット80による分解処理時には閉じられ、それ以外のときは常時開かれている。なお、詳しくは後述するが、消毒液ユニット80が小型されて分解処理能力が低くなっている場合があり、この場合には、排液バルブ81は分解処理時に完全には閉じられない(図9参照)。
図4は、消毒液分解ユニット80の断面図である。この消毒液分解ユニット80は、大別して、筒状のユニット本体82と、接続路83a,83bと、銅コイル84と、銅粉添着フィルタ85と、ヒータ86と、液面センサ87と、温度センサ88とから構成される。
ユニット本体82は、排液30a(洗浄水)の液通路82aを有している。この液通路82aは、消毒液タンク60から排液される排液30aを一時的に貯留可能なだけの容量を有している。液通路82aは、ユニット本体82の両端部に一体形成された2つの接続路83a,83bを介して排液路76に接続されている。接続路83aは、上流側(第3電磁弁78側)の排液路76に接続され、接続路83bは、下流側(外部排液口66側)の排液路76に接続されている。
両接続路83a,83bは、排液路76の先端部が嵌合する嵌合部83cを有している。この嵌合部83cはネジ穴が形成されており、ネジ穴にネジ89を螺合させて締め付けることで、排液路76の先端部が両嵌合部83cに嵌合された状態で固定される。この際に、嵌合部83cの内面にはシール材90が設けられており、シール材90により嵌合部83cの内面と排液路76の外面との間がシールされる。そして、ネジ89を緩めることで排液路76の先端部を、両嵌合部83cから抜くことができる。従って、本実施形態のユニット本体82、つまり、消毒液分解ユニット80は、排液路76に着脱自在となっている。なお、接続路83a,83bとして、ワンタッチ着脱式のソケット等の各種留め具を用いることで、排液路76に消毒液分解ユニット80を着脱自在に接続するようにしてもよい。
銅コイル84は、銅または銅を主成分とする銅系金属(例えば黄銅やりん青銅)から形成されている。この銅コイル84は、ユニット本体82の内壁面に設けられたコイル保持部材84aにより液通路82a内に保持されている。従って、排液時に液通路82a内に流入した排液30aは、銅コイル84に接触する。この際に、上述したように消毒液30(排液30a)としては、過酢酸等の過酸系の薬液が用いられている。この過酢酸等の酸性系の液は、銅や銅系金属と接触して反応することで、薬剤成分が分解して消毒効果(抗菌活性)が低下することが確認されている(図5参照)。
図5は、消毒液30(排液30a)として用いられる過酢酸を、ステンレス、表面がアルマイト処理されたアルミニウム(アルマイト)、黄銅やりん青銅等の銅系金属の計3種類の金属に7日間接触させたときの、過酢酸の消毒効果の低下を比較したグラフである。また、比較例として、金属を接触させない場合の過酢酸の消毒効果の低下を「ブランク」としてグラフに載せた。なお、このグラフ中では消毒液30の消毒効果の低下を、消毒液30の過酸残存率(過酸濃度)の低下で表している。
図5に示すように、過酢酸を銅系金属に接触させた場合には、過酢酸の過酸残存率は2日でほぼ0%まで低下することが確認された。これに対して、他の2つの金属に接触させた場合には、過酢酸(消毒液30)の過酸残存率は7日目でも60%前後までしか低下せず、金属に接触させない「ブランク」の状態とあまり差が生じないことが確認された。これにより、黄銅等の銅系金属に過酸系の消毒液30(排液30a)を接触させることで、消毒液30(排液30a)の薬剤成分の分解処理が促進されることが確認された。
従って、図4に示すように、液通路82a内に流れ込んだ排液30aに銅コイル84を接触させることで、排液30aを分解処理することができる。この際には、排液30aと銅系金属等との接触面積が広いほど排液30aの分解処理を促進することができる。このため、本実施形態のように銅系金属をコイル状にして可能な限り接触面積を増やすことが好ましい。
銅粉添着フィルタ85は、排液30a中に含まれる異物を捕捉しつつ、上述の銅コイル84と同様に排液30aを分解処理する。この銅粉添着フィルタ85は、フィルタ本体85aと、フィルタ本体85aを液通路82a内に保持するフィルタ保持部材85bとから構成される。フィルタ本体85aは、例えば合成樹脂製の繊維素材を織り上げて形成した濾材に、黄銅等を粉末状にした銅粉を添着させたものである。なお、銅粉を添着させる代わりに、濾材の内部に銅粉を混入するようにしてもよい。また、本実施形態では、銅粉添着フィルタ85が銅コイル84の上流側に配置されているが、両者の配置は特に限定されるものではない。
排液30aは、銅粉添着フィルタ85を通過する際や、液通路82a内に貯留される際に、フィルタ本体85aに添着された銅粉と接触して反応することで同様に分解処理される。この際に、銅系金属を粉末状にした銅粉を排液30aに接触させているので、排液30aとの反応をより活性化させることができる。つまり、排液30aの分解処理をより促進することができる。
ヒータ86は、本発明の加温手段に相当するものであり、ユニット本体82の内壁面に設けられている。ヒータ86は、液通路83a内の排液30aを加温する。これにより、銅コイル84及び銅粉添着フィルタ85と、排液30aとの反応がより活性化される。そして、本実施形態では、排液30aの温度が銅コイル84等と排液30aとの反応が活性化する所定の活性化温度に維持されるように、ヒータ86により排液30aを加温させる。これにより、排液30aの分解処理がより促進される。
ヒータ86は、ユニット本体82内に取り付けられた液面センサ87及び温度センサ88からの検出信号に基づき作動される。具体的には、ヒータ86は、本発明の流入検出手段に相当する液面センサ87より液面検出信号が出力された時、つまり、液通路83a内に排液30aが流入された時に作動する。この液面センサ87としては、例えばフロートスイッチやイオンプローブ等が用いられる。そして、ヒータ86は、耐腐食性を有するサーミスタ等の温度センサ88から出力される温度信号に基づき、排液30aの温度を上述の活性化温度に調整する。
また、消毒液30(排液30a)として用いられる過酢酸等は、温められると高い消毒効果を発揮する一方で、温められた状態のまま放置しておくと、劣化(分解)してしまうという性質を有している。このため、ヒータ86で加温することにより、排液30aの分解処理をより促進することができる。
上述したように、消毒液タンク60より消毒液排液路68及び排液路76を介して排液30aが消毒液分解ユニット80内に流れ込んだ時、或いは、排液口34より消毒液回収路64及び排液路76を介して排液30aが消毒液分解ユニット80内に流入した時は、消毒液分解ユニット80の下流側の排液バルブ81は閉じられている。このため、排液30aは、ユニット本体82の液通路82aに一時的に貯留される。これにより、排液30aと、銅コイル84及び銅粉添着フィルタ85とが常時接触するため、排液30aが分解処理される。さらに、ヒータ86により排液30aが加温されるので、排液30aの分解処理が促進される。そして、この状態を一定時間維持することで、排液30aが環境に影響を及ぼさないレベルまで分解処理される。
排液30aを分解処理するのに必要な時間(分解処理時間)は、予め実験等を行うことで容易に求められる。そして、この分解処理時間が経過したら、排液バルブ81を開いて処理済の排液30aを外部排液口51より外部に排液する。
消毒液分解ユニット80は、排液30aの分解処理を何回も繰り返して行うと、銅コイル84や銅粉添着フィルタ85に添着された銅粉が劣化して、排液30aの分解処理能力が低下する。このため、分解処理能力が低下したら消毒液分解ユニット80を交換する。上述したように、消毒液分解ユニット80は排液路76に着脱自在となっているので、消毒液分解ユニット80の交換は容易に行うことができる。
図6は、内視鏡用洗浄消毒装置10の電気的構成を示すブロック図である。内視鏡用洗浄消毒装置10の各部の動作は、CPU92により制御される。このCPU92には、上述の内視鏡用洗浄消毒装置10の各部以外に、ROM94、RAM96、装置10の各部に動作電源を供給する電源ユニット102等が接続されている。
ROM94には、内視鏡用洗浄消毒装置10を動作させるために必要なプログラムやデータが記憶されている。CPU92は、このROM94から、プログラムやデータを作業用メモリであるRAM96に読み出し、各種処理に応じた制御を実行する。また、CPU92は、操作パネル22の操作入力に応じて各部を動作させ、表示パネル24に画面を表示させる。さらに、CPU92は、上述の各種センサ87,88等からの出力信号を受けて、これに応じた制御を各部に実行させる。このため、CPU92には、電磁弁制御部105と、バルブ制御部106と、ヒータ制御部107とが設けられている。なお、図面の煩雑化を防止するため、図示は省略しているが、CPU92には、他の各部を制御する制御部が設けられている。
電磁弁制御部105は、図示しない弁作動部を介して第1〜第3電磁弁58,72,78の作動を制御する。電磁弁制御部105は、操作パネル22の槽内排液スイッチ22bがONされた時に、第2電磁弁72を消毒液回収路64側が閉、且つ排液路76側が開となるように作動させる。また、電磁弁制御部105は、操作パネル22のタンク内排液スイッチ22cがONされた時に、第3電磁弁78を開となるように作動させる。これにより、洗浄槽16内、或いは消毒液タンク60内の排液30aが排液路76等を介して消毒液分解ユニット80に流入する。
バルブ制御部106は、図示しないバルブ作動部を介して排液バルブ81の開閉を制御する。バルブ制御部106は、排液スイッチ22b,22cが押圧された時に、排液バルブ81を閉じる。そして、例えばヒータ86がONされてから所定の分解処理時間が経過したら、排液バルブ81を開く。
ヒータ制御部107は、図示しないヒータドライバを介してヒータ86の作動を制御する。ヒータ制御部107は、液面センサ87より液面検出信号がCPU92に入力されたら、ヒータ86をONする。そして、ヒータ制御部107は、温度センサ82よりCPU92に入力される検出温度信号に基づき、排液30aの温度が上述の活性化温度に調整されるようにヒータ86を制御する。
次に、上記構成を有する内視鏡用洗浄消毒装置10による内視鏡20の洗浄・消毒・滅菌の処理手順を、図7のフローチャートを参照して説明する。内視鏡20による検査の終了後、ユーザは、まず、内視鏡用洗浄消毒装置10の電源をONする。また、ユーザは、使用済みの内視鏡20をシンクなどで軽く水洗い(一次洗浄)し、内視鏡20に付着している汚物などを洗い流す。この一次洗浄後に内視鏡20に穴があいているか否かを検査する漏水検査が行われる。
漏水検査後、ユーザは、手元操作部42がカプラ44の近傍に位置するように、内視鏡20を回転体38の周辺に巻き回して洗浄槽16内に収容する。次いで、ユーザは、吸引ボタンの装着口46、送気・送水ボタンの装着口48、及び鉗子口50にチューブ52を接続した後、蓋14を閉めて操作パネル22を操作し、洗浄・消毒・滅菌処理を開始させる。
洗浄・消毒・滅菌処理の開始が指示されると、CPU92の制御の下に、噴射器26、第1電磁弁58、ノズル40やカプラ44への洗浄水の供給を制御する電磁弁(図示せず)等が作動されて前洗浄が開始される。まず、噴射器26(回転体2)が回転しながらノズル40から水を噴射して、内視鏡20の外表面を洗浄する。また、カプラ44及びチューブ52を介して、内視鏡20の内部管路に水が導入され、内部管路が洗浄される。この洗浄で使用された水は、排液口34を介して外部排液口66に排水される。
次いで、CPU92により第1電磁弁58が作動されて、水供給源からの水道水が洗浄水給水口28から洗浄槽16に供給される。これにより、内視鏡20が完全に洗浄水(水道水)に浸漬された状態とされる。また、CPU92の制御の下に、図示しない機構により酵素洗剤が洗浄槽16内に投入される。そして、CPU92により超音波振動子54が作動され、洗浄水に超音波を放射して内視鏡20に付着した汚れを落とす。以上で内視鏡20の前洗浄が終了する。前洗浄で使用された水は、排液口34を介して外部排液口66に排水される。
前洗浄終了後、同様に、洗浄水で内部管路が洗浄された後、洗浄水給水口28から洗浄槽16に洗浄水が供給され、内視鏡20の外表面および洗浄槽16の汚れを洗い流すすすぎが行われる。すすぎに使用された水は、排液口34を介して外部排液口66に排水される。
すすぎ後に、CPU92の制御の下に、ノズル40やカプラ44から図示しない機構でエアが供給されて、内視鏡20がエア乾燥される。これにより、消毒処理時に供給される消毒液30が、内視鏡20に付着した残水により希釈されてしまうことが防止される。
エア乾燥後、CPU92により第1ポンプ70が作動されて、消毒液給水口32から洗浄槽16に消毒液30が供給される。これにより、内視鏡20が消毒液30に完全に浸漬された状態とされる。また、カプラ44及びチューブ52を介して、内視鏡20の内部管路にも消毒液30が導入され、内部管路が消毒される。内視鏡20が完全に洗浄水に浸漬された状態とされる。
内視鏡20を消毒液に所定時間(例えば5〜10分間)浸漬させた後、CPU92により第2電磁弁72が作動されて、排液路76側が閉、消毒液回収路64側が開となる。次いで、CPU92は、第2ポンプ77を作動させる。これにより、消毒液30は、排液口34・消毒液回収路64を経由して、消毒液タンク60に回収される。
消毒後、前洗浄後のすすぎと同様のすすぎが行われた後、上述のエア乾燥が行われる。次いで、CPU92の制御の下に、ノズル40やカプラ44から図示しない機構でアルコールが供給されて内視鏡20がアルコールフラッシュされる。エア乾燥とアルコールフラッシュにより、残水で洗浄槽16内の菌が内視鏡20内で繁殖することが防止される。なお、アルコールフラッシュを行うか否かは、操作パネル22でユーザが選択できるようになっている。以上で内視鏡20の洗浄・消毒・滅菌処理が終了する。
次に、消毒液タンク60内の排液30aを排液する手順について、図8のフローチャートを参照して説明する。ユーザが操作パネル22のタンク内排液スイッチ22cをONすると、CPU92のバルブ制御部106の制御の下に排液バルブ81が閉じられた後、電磁弁制御部105により第3電磁弁78が開かれる。これにより、消毒液タンク60内の排液30aが、消毒液排液路68及び排液路76を介して消毒液分解ユニット80内に流入する。なお、図示は省略するが、槽内排液スイッチ22bをONした場合には、第2電磁弁72が作動されて、洗浄槽16内の排液30aが同様に消毒液分解ユニット80内に流入される。
消毒液分解ユニット80内に流入した排液30aは、液通路82a内(接続路83b,排液路76の一部を含む)に一時的に貯留される。液通路82a内に貯留された排液30aは、銅粉添着フィルタ85に添着された銅粉、及び銅コイル84と接触して分解処理される。特に、銅粉添着フィルタ85では、銅系金属を粉末状にした銅粉を排液30aに接触させているので、排液30aの分解処理が促進される。
また、液通路82a内に排液30aが貯留されると、CPU92には、液面センサ87から出力された液面検出信号が入力される。また、CPU92には、温度センサ88より出力された検出温度信号が入力される。
CPU92のヒータ制御部107は、液面検出信号がCPU92に入力されたら、ヒータ86をONする。そして、ヒータ制御部107は、温度センサ88より入力される検出温度信号に基づき、排液30aの温度が上述の活性化温度になるようにヒータ86を制御する。これにより、銅コイル84や銅添着フィルタ85と排液30aとの反応が活性化され、排液30aの分解処理が促進される。そして、ヒータ86がONされてから上述の分解処理時間が経過すると、排液30aが環境に影響を与えないレベルまで分解処理される。
分解処理時間が経過したら、CPU92のヒータ制御部107によりヒータ86がOFFされる。次いで、CPU92のバルブ制御部106の制御の下に、排液バルブ81が開かれる。これにより、分解処理された排液30aが、外部排液口66より装置10外に排液される。
このように本実施形態では、過酸系の排液30aを銅コイル84や銅添着フィルタ85と接触させるようにしたので、従来のように排液30aと洗浄水(水道水)を混合して希釈可能な容量の混合液タンクを設ける必要がなくなる。その結果、内視鏡用分解消毒装置10の大型化及び製造コストの増加を抑えることができる。また、分解処理に使用される銅や銅系金属(黄銅やりん青銅等)は、排液30aを中和する中和薬剤よりも安価であるので、中和薬剤を用いる場合よりもランニングコストを下げることができる。さらに、銅や銅系金属(黄銅やりん青銅等)は、中和薬剤のように寿命管理が必要ないので扱いやすいという利点がある。
また、本実施形態では、消毒液分解ユニット80は排液路76に着脱自在となっているので、銅コイル84や銅添着フィルタ85の劣化により分解処理能力が低下した場合には、消毒液分解ユニット80の交換を容易に行うことができる。さらに、接続路83a,83bの径を変えるだけで、従来の内視鏡用洗浄消毒装置にも容易に取り付けることができる。
なお、上記実施形態では、銅または銅系金属と排液30aとの接触面積を増やすために、銅コイル84を消毒液分解ユニット80内に設けるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ユニット80内に複数枚の銅板を設けてもよい。また、メッシュ状の銅網、銅系金属で網状に形成された網状液通路、銅系金属で形成された細長の液通路を並列に複数並べたものをユニット80内に設けてもよい。さらに、銅系金属と排液30aとの接触面積を増やすために、消毒液分解ユニット80のユニット本体82を銅系金属で形成してもよい。
また、上記実施形態では、消毒液分解ユニット80内に銅コイル84と銅添着フィルタ85とを両方設けているが、本発明はこれに限定されるものではなく、両者のうちのいずれか一方だけを1つ或いは複数設けるようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、銅コイル84及び銅添着フィルタ85と、排液30aとの反応を活性化するために、消毒液分解ユニット80内にヒータ86を設けるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、排液30aの分解処理に時間が掛かっても良い場合にはヒータ86を設けなくともよい。この場合には、消毒液分解ユニット80の製造コストを抑えることができる。また、消毒液分解ユニット80のユニット本体82内にヒータ86を設けずに、例えばシートヒータでユニット本体82の外壁面を覆うようにしてもよい。
また、ヒータ86を消毒液分解ユニット80内に設ける代わりに、消毒液分解ユニット80の上流側、例えば、消毒液排液路68と消毒液分解ユニット80との間の液通路76の途中にヒータを設けて、消毒液分解ユニット80に流入する排液30aを加温するようにしてもよい。また、過酸系の消毒液30が最も高い消毒効果を発揮するように、消毒液30を加温するヒータが消毒液タンク60内や洗浄槽16内に設けられている場合には、排液30aを上述の活性化温度に温めてから排液するようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、液面センサ87より液面検出信号がCPU92に入力されてからヒータ92を作動させるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、タンク内排液スイッチ22bのON時や、第3電磁弁78が開となるように作動された時に、ヒータ92を作動させるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、図面の煩雑化を防止するため、消毒液分解ユニット80を消毒液タンク60の側方に配置させているが、本発明はこれに限定されるものではなく、装置本体12内の任意の場所、例えば消毒液タンク60の下方に配置してもよい。また、必要に応じて消毒液排液路68や排液路76の途中にポンプ等を設けて、排液30aを消毒液分解ユニット80内に強制的に送り込むようにしてもよい。
なお、上記実施形態では、消毒液分解ユニット80と排液バルブ81とが別々に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば接続路83bとユニット本体82との間に排液バルブ81を設けてもよい。
また、上記実施形態では、過酸系の排液30aを銅や銅系金属に接触させることで分解処理するようにしているが、銅や銅系金属の代わりに、遷移金属であって銅や銅系金属と同等の効果を有するもの、例えばFenton反応を進行させる2価の鉄などを用いてもよい。
なお、上記実施形態では、消毒液タンク60等から排液される排液30aを、消毒液分解ユニット80内に一時的に貯留して分解処理している。このため、消毒液分解ユニット80のユニット本体82は、消毒液タンク60から排液される排液30aを一時的に貯留可能なだけの容量を有している必要があるため、消毒液分解ユニット80及び内視鏡用洗浄消毒装置10の小型化には限界がある。逆に、消毒液分解ユニット80を小型化すると、上述の処理方法では1回に分解処理できる排液30aの量が限定されてしまう。その結果、分解処理を複数回繰り返して行う必要あり、制御が複雑になってしまう。また、消毒液分解ユニット80の小型化に応じて、銅コイル84及び銅添着フィルタ85も小型化されてしまうため、排液30aの分解処理能力が低下してしまう。
以下、消毒液分解処理ユニット80が小型化されている場合の排液30aの分解処理方法について説明を行う。なお、この方法は上記実施形態にも適用することができるので、上述の図3、図4、及び図6を用いて説明を行う。上述したように、消毒液分解ユニット80の小型化されると、排液30aの分解処理能力が低下するという問題がある。この際に、病院などに設置されている内視鏡用洗浄消毒装置10は、終日稼動されることはほとんど無く、診療時間外、特に夜間などには電源がオフされているのが通常である。
そこで、消毒液分解処理ユニット80が小型化されている場合には、洗浄・消毒・滅菌処理が行われない時間帯を利用して、時間をかけて排液30aの分解処理を行う。このため、本発明の排液手段に相当する第3電磁弁78、及び本発明の流速抑制手段に相当する排液バルブ81の制御を変える。
具体的には、本発明の排液制御手段に相当する電磁弁制御部105は、操作パネル22の排液待機スイッチ22d(図6参照)がONされ、且つ内視鏡20の洗浄・消毒・滅菌処理の行われない時間帯、具体的には電源スイッチ22aがOFFされた時に、第3電磁弁78を開となるように作動させる。これにより、消毒液タンク60内の排液30aが消毒液分解処理ユニット80に流入する。
また、本発明の流速抑制制御手段に相当するバルブ制御部106は、排液待機スイッチ22dがONされ、且つ電源スイッチ22aがOFFされた時に、全開状態の排液バルブ81を例えば全開時の開口面積の1/10の面積だけ開口させた流速抑制状態に切り替える。これにより、排液バルブ81により、液通路82a及び排液路76内を流れる排液30aの流速が抑制される。つまり、排液30aが、消毒液分解処理ユニット80の液通路82a内をゆっくり流れる。このため、消毒液分解処理ユニット80が小型化され、その分解処理能力が低下していても、時間はかかるが、排液30aを環境に影響を与えないレベルまで分解処理することができる。なお、流速抑制状態にある排液バルブ81の開口面積は、予め実験等を行って決めればよい。
なお、電源ユニット102は、電源スイッチ22aのON・OFFに関わらず、排液30aの排液・分解処理に必要な各部への動作電源の供給は継続する。このため、ユーザは、内視鏡用洗浄消毒装置10の電源スイッチ22aをOFFにしたまま帰宅することできる。そして、装置10を使用しない夜間等を利用して、時間をかけて排液30aの分解処理を行うことができる。
次に、消毒液分解ユニット80が小型化されている場合の排液30aを排液する手順について図9のフローチャートを用いて説明を行う。病院の診療時間が終了し、全ての内視鏡20の洗浄・消毒・滅菌処理が終了した後、消毒液タンク60内の排液30aを排液する場合には、ユーザは、操作パネル22の排液待機スイッチ22dをONする。次いで、ユーザは、電源スイッチ22aをOFFする。
電源スイッチ22aがOFFされると、CPU92のバルブ制御部106の制御の下に、排液バルブ81が全開状態から上述の流速抑制状態に切り替える。また、CPU92の電磁弁制御部105の制御の下に、第3電磁弁78が開となるように作動される。これにより、消毒液タンク60内の排液30aが、消毒液排液路68及び排液路76を介して消毒液分解処理ユニット80内に流入する。
排液バルブ81は流速抑制状態に切り替えられているため、排液30aは液通路82a内をゆっくり流れながら、銅コイル84や銅添着フィルタ85に接触して分解処理される。また、上述したように、CPU92のヒータ制御部107は、液面センサ87からの液面検出信号がCPU92に入力されたらヒータ86をONするとともに、排液30aの温度が上述の活性化温度になるようにヒータ86を制御して、銅コイル84及び銅添着フィルタ85と、排液30aとの反応を活性化させる。
排液30aは、液通路82aをゆっくり流れるので、消毒液分解処理ユニット80が低下していても液通路82aを通過する間に、環境に影響を与えないレベルまで分解処理される。そして、ほぼ全ての排液30aが、液通路82aを通過して外部排液口66より排出されると、液面センサ87より出力される液面検出信号がOFFになる。液面検出信号がOFFになったら、CPU92のヒータ制御部107によりヒータ86がOFFされる。次いで、CPU92のバルブ制御部106の制御の下に、排液バルブ81が全開状態に切り替えられ、残りの分解処理済みの排液30aも外部排液口66より排出される。
このように、消毒液分解処理ユニット80が小型化されて処理能力が低下していても、
液通路82a内を排液30aがゆっくり流れるようにすることで、時間はかかるが排液30aを環境に影響を与えないレベルまで分解処理することができる。上述したように、内視鏡用洗浄消毒装置10は終日稼動されることはほとんどない。このため、洗浄・消毒・滅菌処理が行われない夜間等の時間帯を利用して排液を行うことで、分解処理に時間がかかったとしてもユーザが不便さを感じることはあまりない。また、消毒液分解処理ユニット80を小型化できるので、内視鏡用洗浄消毒装置10を小型化して、且つその製造コストを下げることができるという利点がある。
なお、上記の消毒液分解処理ユニット80を小型化した実施形態(以下、単に第2実施形態という)では、第3電磁弁78を開閉する消毒液タンク60内の排液30aの排液・排液停止を切り替えるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば消毒液排液路68の途中にポンプを設けて、このポンプを作動・停止させることで、排液30aの排液・排液停止を切り替えるようにしてもよい。
また、上記の第2実施形態では、消毒液分解処理ユニット80の下流側に設けられた排液バルブ81を用いて、液通路82aを通過する排液30aの流速を抑制するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、排液路76内に退避可能に流速規制板等を突出させて、排液30aの流速を抑制するようにしてもよい。また、排液路76の途中にポンプ等が設けられている場合には、このポンプを制御して排液30aの流速を抑えるようにしてもよい。
なお、上記の第2実施形態では、排液待機スイッチ22dがONされ、且つ電源スイッチ22aがOFFされたときに排液を開始するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電源スイッチ22aがOFFされたとき以外でも排液を開始するようにしてもよい。例えば、上述のCPU92に排液開始時刻を設定可能なタイマーを接続しておく。そして、排液待機スイッチ22dがONされ、且つタイマーの時刻が排液開始時刻に達した時に、排液を開始するようにしてもよい。これにより、夜間等の時間帯を指定して排液を行うことができる。
また、上記の第2実施形態では、消毒液分解処理ユニット80の液通路82aの径が排液路76の径よりも大きく形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、両路76,82aの径が同じであってもよい。この場合には、排液路76の一部を銅系金属で形成したもの(銅配管)を、消毒液分解処理ユニット80として用いることができる。さらに、銅配管を消毒液分解処理ユニット80として用いる場合には、排液30aとの接触面積を増やすために、この銅配管を例えば螺旋状に巻いた形状にしてもよい。
本発明の内視鏡用洗浄消毒装置の外観斜視図である。 内視鏡が収容された洗浄槽の上面図である。 装置本体内部の構成を示す概略図である。 消毒液分解処理ユニットの断面図である。 消毒液を3種類の金属にそれぞれ接触された消毒液、及び金属に接触させない消毒液の過酸残存率(過酸濃度)の低下を比較したグラフである。 内視鏡用洗浄消毒装置の電気的構成を示すブロック図である。 洗浄・消毒・滅菌処理の手順を示すフローチャートである。 排液(消毒液)の排液手順を示すフローチャートである。 消毒液分解処理ユニットを小型化したときの排液(消毒液)の排液手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 内視鏡用洗浄消毒装置
16 洗浄槽
20 内視鏡
30 消毒液
30a 排液
60 消毒液タンク
80 消毒液分解ユニット
81 排液バルブ
82 ユニット本体
84 銅コイル
85 銅粉添着フィルタ
86 ヒータ
87 液面センサ
88 温度センサ
92 CPU
105 電磁弁制御部
106 バルブ制御部
107 ヒータ制御部

Claims (8)

  1. 内視鏡を洗浄・消毒する内視鏡用洗浄消毒装置において、
    前記内視鏡の消毒処理に使用された消毒液を排液する排液路の途中に設けられ、前記排液路に排液された前記消毒液に銅または銅を主成分する銅系金属を接触させて、前記銅または前記銅系金属と前記消毒液とを反応させることで、前記消毒液を分解処理する消毒液分解ユニットを備えることを特徴とする内視鏡用洗浄消毒装置。
  2. 前記消毒液は、過酸系の薬液であることを特徴とする請求項1記載の内視鏡用洗浄消毒装置。
  3. 前記消毒液分解ユニットは、前記排液路に着脱自在とされていることを特徴とする請求項1または2記載の内視鏡用洗浄消毒装置。
  4. 前記銅または前記銅系金属は、粉末状であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載の内視鏡用洗浄消毒装置。
  5. 前記消毒液分解ユニットの内部、または前記消毒液分解ユニットの消毒液排液方向上流側に、前記消毒液を加温する加温手段を備えることを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項記載の内視鏡用洗浄消毒装置。
  6. 前記消毒液分解ユニット内に前記消毒液が流入されているか否かを検出する流入検出手段と、
    前記流入検出手段により前記消毒液の流入が検出されたときに、前記加温手段を作動させる加温制御手段とを備えることを特徴とする請求項5記載の内視鏡用洗浄消毒装置。
  7. 前記消毒液を前記排液路に排液させる排液手段と、
    前記内視鏡の洗浄・消毒処理が行われない時間帯に、前記排液手段を作動させる排液制御手段と、
    前記消毒液分解ユニットを通過する前記消毒液の流速を抑制する流速抑制手段と、
    前記排液手段の作動時に、前記流速抑制手段を作動させる流速抑制御手段とを備えることを特徴とする請求項1ないし6いずれか1項記載の内視鏡用洗浄消毒装置。
  8. 前記排液制御手段は、前記消毒液分解ユニットが設けられている装置本体の電源スイッチがOFFされたときに、前記排液手段を作動させることを特徴とする請求項7記載の内視鏡用洗浄消毒装置。
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