JP2007267843A - 医療用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】破断可能部の破断を行うことなく、輸液セットの薬剤排出用針を穿刺されることを極力少ないものとする医療用容器を提供する。
【解決手段】医療用容器1は、上端シール部21、下端シール部22および上端シール部21に設けられた懸垂孔25とを有する軟質バッグ2と、上端シール部21に固定された薬剤容器3と、懸垂孔25を閉塞する懸垂孔閉塞シール部材6と、薬剤容器3を被包するように軟質バッグ2に取り付けられた薬剤容器保護部材5とを備える。さらに、懸垂孔閉塞シール部材6は、懸垂孔25を閉塞する部分より軟質バッグ2の側部側に、薬剤容器3上を越えるようにもしくは薬剤容器3上に一端を有するように延び、かつ、剥離可能に軟質バッグ2に帖着されており、薬剤容器保護部材5は、薬剤容器3上に位置する懸垂孔閉塞シール部材6を被包している。
【選択図】図1

Description

本発明は、内部において輸液などの薬液に薬剤の調製や配合を行うことができる輸液用容器に関するものである。
患者に輸液を行うに先だって、輸液剤の入ったバイアル瓶やソフト軟質バッグ等に、予め輸液剤に配合することが困難な薬剤、例えば、ビタミン剤、抗生物質等の薬剤を混合、溶解させ、薬液を調整することが行われている。
このような薬液の調製を無菌的に、また、簡単な操作で行うため、薬液が収納された軟質バッグに薬液と混合する薬剤を収納した薬剤容器を取り付け、輸液の際、薬剤容器に設けられた開封用操作部を軟質バッグごしに折り曲げ切断することにより、薬剤容器と軟質バッグを連通させ薬剤と薬液とを混合するようにした輸液用容器が提案されている。
最近の製品では、隔壁の開通並びに薬剤容器を破断操作を促すための表示が、容器本体に印刷されている。そして、開通確認を促すためのシールが容器の懸垂口部分に貼付されている。しかし、現状では、薬剤容器の折り忘れが発生している。薬剤容器には、薬剤容器の使用時までの開通防止および収納する薬剤保護のために、薬剤容器保護カバーが設けられているケースが多く、この保護カバーがかえって薬剤容器の認識を阻害している。カバーもしくは容器には、カバーを外すことを促すシールもしくは表示がされているが、カバーを取り外したとしても、薬剤容器内の薬剤が、軟質バッグ内に流入するわけではなく、取り外す行為に続いて必要な連通操作を忘れることがある。
また、特開2005−218661号公報(特許文献1)では、掛吊穴と薬液取出口の少なくとも一方を使用不可能状態に保つ保持部材を備えて、保持部材は収納部に弱シール部が剥離して収納部どうしが連通する圧力が加わると使用不可能状態が解除されて掛吊穴と薬液取出口の両方が使用可能状態になる医療用複室容器が開示されている。
また、特開2005−245983号公報(特許文献2)では、薬剤の混合を促す表示を有する表示体を備えており、表示体は容器本体の掛吊穴を覆わない部分に貼付された貼付部と、貼付部に対して分離可能に接続され、且つ容器本体に貼付されていない状態で掛吊穴を覆う被覆部とから成る医療用複室容器が開示されている。
特開2005−218661号公報 特開2005−245983号公報
しかし、上述したものは、医療用容器において、弱シール部の連通忘れを防止するためのものであって、薬剤容器を備えた医療用容器に関するものではない。さらに、上述したものでは、連通もしくは破断する部位から離れた部位で操作者への注意喚起を行っており、より直接的に連通もしくは破断を促すことができる医療用容器が望まれる。
そこで、本発明は、軟質バッグと、この軟質バッグに取り付けられた薬剤容器ならびに薬剤容器の保護カバーを備える医療用容器であって、保護カバーの取り外し忘れ、薬剤容器の連通操作忘れの発生を実質的に防止でき、薬剤容器内の薬剤が軟質バッグ内の薬液に添加されることなく、軟質バッグ内の薬液のみが投与されることを防止する医療用容器を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 上端側に設けられた懸垂孔を有し、かつ、内部に薬液が収納された軟質バッグと、内部に薬剤が収納された薬剤収納部と開封用操作部と、前記薬剤収納部と前記開封用操作部間に設けられた破断可能部とを有し、該破断可能部の破断により前記薬剤収納部内の薬剤が前記軟質バッグ内に流入するように前記軟質バッグに固定された薬剤容器とを備える医療用容器であって、該医療用容器は、前記軟質バッグの前記懸垂孔を閉塞する剥離可能な懸垂孔閉塞シール部材と、前記薬剤容器を被包するように前記軟質バッグに離脱可能に取り付けられた薬剤容器保護部材とを備え、さらに、前記懸垂孔閉塞シール部材は、前記薬剤容器保護部材内に侵入するように延び、かつ、剥離可能に前記軟質バッグに帖着されている医療用容器。
(2) 前記軟質バッグは、上端シール部を備え、前記懸垂孔は、該上端シール部に設けられ、かつ、前記薬剤容器は、該上端シール部に固定されている上記(1)に記載の医療用容器。
(3) 前記懸垂孔閉塞シール部材は、前記軟質バッグの薬剤容器固定部上もしくは薬剤容器被包部上を越えるようにもしくは前記軟質バッグの薬剤容器固定部上もしくは薬剤容器被包部上に一端を有するように延び、前記薬剤容器保護部材は、前記軟質バッグの薬剤容器固定部上もしくは薬剤容器被包部上に位置する前記懸垂孔閉塞シール部材を被包している上記(1)または(2)に記載の医療用容器。
(4) 前記薬剤容器保護部材は、前記軟質バッグの薬剤容器固定部上もしくは薬剤容器被包部上に位置する前記懸垂孔閉塞シール部材を被包することにより、前記軟質バッグから前記保護部材を離脱する前における前記懸垂孔閉塞シール部材の剥離を阻害するものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の医療用容器。
(5) 前記懸垂孔閉塞シール部材は、一端に剥離開始部を有するものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の医療用容器。
(6) 前記懸垂孔閉塞シール部材は、前記懸垂孔を閉塞する部分より前記軟質バッグの側部側に延びた端部に前記剥離開始部を有するものである上記(5)に記載の医療用容器。
(7) 前記懸垂孔閉塞シール部材は、その一端が前記薬剤容器保護部材内に位置している上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の医療用容器。
(8) 前記懸垂孔閉塞シール部材は、前記破断可能部の破断を促す表示を有しているものである上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の医療用容器。
(9) 前記表示は、前記薬剤容器保護部材に被包される部分に設けられているものである上記(8)に記載の医療用容器。
(10) 前記薬剤容器保護部材は、前記破断可能部を保護する破断可能部保護部と、該薬剤容器保護部材を前記医療用容器に取り付けるための取付部を備えるものである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の医療用容器。
(11) 前記破断可能部保護部は、2つの部位からなり、かつ前記医療用容器を該破断可能部保護部で挟むものである上記(10)に記載の医療用容器。
本発明の医療用容器は、上端側に設けられた懸垂孔を有し、かつ、内部に薬液が収納された軟質バッグと、内部に薬剤が収納された薬剤収納部と開封用操作部と前記薬剤収納部と前記開封用操作部間に設けられた破断可能部とを有し、該破断可能部の破断により前記薬剤収納部内の薬剤が前記軟質バッグ内に流入するように前記軟質バッグに固定された薬剤容器とを備える医療用容器であって、該医療用容器は、前記軟質バッグの前記懸垂孔を閉塞する剥離可能な懸垂孔閉塞シール部材と、前記薬剤容器を被包するように前記軟質バッグに離脱可能に取り付けられた薬剤容器保護部材とを備え、さらに、前記懸垂孔閉塞シール部材は、前記薬剤容器保護部材内に侵入するように延び、かつ、剥離可能に前記軟質バッグに帖着されている。
この医療用容器では、懸垂孔を用いて医療用容器をスタンドに吊り下げるためには、懸垂口を閉塞する懸垂孔閉塞シール部材の離脱が必要となるが、懸垂孔閉塞シール部材は、薬剤容器保護部材内に侵入するように延び、かつ、剥離可能に軟質バッグに帖着されている。このため、薬剤容器保護部材の離脱が必要であることを作業者に認識させる。さらに、薬剤容器保護部材の離脱後、薬剤容器保護部材内に侵入していた部分の懸垂孔閉塞シール部材が、薬剤容器付近に存在するため、薬剤容器の存在を操作者に確実に認識させる。よって、薬剤容器の連通操作忘れの発生を実質的に防止でき、薬剤容器内の薬剤が軟質バッグ内の薬液に添加されることなく、軟質バッグ内の薬液のみが投与されることを防止できる。
以下、本発明の実施例の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の医療用容器の一実施例の正面図である。図2は、図1に示す医療用容器のA−A線断面図である。図3は、図2に示す医療用容器の上部の拡大図である。図4は、図1に示す医療用容器のB−B線拡大断面図である。図5は、図1に示す薬剤容器保護部材の平面図である。図6は、図1に示す薬剤容器保護部材の底面図である。図7は、図1に示す薬剤容器保護部材を離脱した後の状態を説明するための説明図である。図8ないし図14は、本発明の他の実施例の医療用容器を説明するための説明図である。
なお、図中の上側を「上端」、下側を「下端」として説明する。
本発明の医療用容器1は、上端側に設けられた懸垂孔25を有し、かつ、内部に薬液26が収納された軟質バッグ2と、内部に薬剤34が収納された薬剤収納部31と開封用操作部32と、薬剤収納部31と開封用操作部32間に設けられた破断可能部33とを有し、破断可能部33の破断により薬剤収納部31内の薬剤34が軟質バッグ2内に流入するように軟質バッグ2の上端シール部21に固定された薬剤容器3とを備える。さらに、医療用容器1は、軟質バッグ2の懸垂孔25を閉塞する剥離可能な懸垂孔閉塞シール部材6と、薬剤容器3を被包するように軟質バッグ2に離脱可能に取り付けられた薬剤容器保護部材5とを備える。さらに、懸垂孔閉塞シール部材6は、薬剤容器保護部材5内に侵入するように延び、かつ、剥離可能に軟質バッグ2に帖着されている。
図1に示す実施例の医療用容器1は、軟質バッグ2と、軟質バッグ2に取り付けられた薬剤容器3と、軟質バッグ2の下端に取り付けられた排出ポート4と、軟質バッグ2に離脱可能に取り付けられた薬剤容器保護部材5と、軟質バッグ2の上端シール部21に設けられた懸垂孔閉塞シール部材6とを備えている。
また、この実施例における軟質バッグ2は、図1に示すように、上端シール部21を備え、懸垂孔25は、上端シール部21に設けられ、かつ、薬剤容器3も、上端シール部21に固定されている。
また、この実施例における軟質バッグ2は、軟質バッグ2の上端に設けられた上端シール部21と、軟質バッグ2の下端に設けられた下端シール部22と、軟質バッグ2の上端シール部21に設けられた薬剤容器取付部23と、軟質バッグ2の下端シール部22に設けられた排出ポート取付部24と、軟質バッグ2の内部に充填された薬液26と、軟質バッグ2の上端シール部21に設けられた懸垂孔25とを備えている。
軟質バッグ2は、インフレーション成形法により筒状に成形されたものが好ましい。なお、軟質バッグ2は、例えばブロー成形法などの種々の方法により製造されたものであってもよい。また、軟質バッグ2は、筒状体の外周部の全周をシールしたもの、上下端のみをシールしたもの、1枚のシートを2つ折りにして、折り曲げ部以外の3辺をシールしたものなどの袋状物であってもよい。
すなわち、軟質バッグ2の上端部および下端部には、上端シール部21および下端シール部22が設けられている。上端シール部21、下端シール部22は、幅広強シール部となっている。また、軟質バッグ2の上端シール部21には、図1に示すように薬剤容器3を取り付けるための薬剤容器取付部23が、軟質バッグ2の下端側シール部22には、排出ポート4を取り付けるための排出ポート取付部24が設けられている。薬剤容器装着部23および排出ポート取付部24は、上端シール部21および下端シール部22の一部を軟質バッグ2内部と外部とが貫通(連通)するように、シールしないことにより形成されている。
軟質バッグ2は、水蒸気バリアー性を有することが好ましい。水蒸気バリアー性の程度としては、水蒸気透過度が、50g/m・24hrs・40℃・90%RH以下であることが好ましく、より好ましくは10g/m・24hrs・40℃・90%RH以下であり、さらに好ましくは1g/m・24hrs・40℃・90%RH以下である。この水蒸気透過度は、JIS K7129(A法)に記載の方法により測定される。
このように軟質バッグ2が水蒸気バリアー性を有することにより、医療用容器1の内部からの水分の蒸散が防止できる。その結果、充填される薬剤(具体的には、薬液)の減少、濃縮を防止することができる。また、医療用容器1の外部からの水蒸気の侵入も防止することができる。
このような軟質バッグ2の形成材料として、ポリオレフィン類が含有されるとき、本発明の有用性が大きいものとなる。したがって、本発明においては、軟質バッグ2の形成材料として、ポリオレフィン類を含むものであるのが好ましい。軟質バッグ2の形成材料として、特に好ましいものとして、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン類に、スチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体などのスチレン系熱可塑性エラストマーあるいはエチレン−プロピレン共重合体やエチレン−ブテン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体などのオレフィン系熱可塑性エラストマーをブレンドし柔軟化した軟質樹脂を用いてもよい。この材料は、高強度で柔軟性に富み、耐熱性(特に滅菌時の耐熱性)、耐水性が高い他、加工性が特に優れ、製造コストの低減を図ることができる点で好ましい。
さらに、上記のブレンド樹脂を用いる場合には、2種以上の融点の異なる材料を用いることになり、軟質バッグ2の上端シール部21や下端シール部22の各シール条件の設定、各シール部分の剥離強度の安定化を容易かつ良好に図ることができる。
また、軟質バッグ2は、上述したような材料よりなる単層構造のもの(単層体)であってもよいし、また種々の目的で、複数の層(特に異種材料の層)を重ねた多層積層体であってもよい。多層積層体の場合、複数の樹脂層を重ねたものであってもよいし、少なくとも1層の樹脂層に金属層を積層したものであってもよい。複数の樹脂層を重ねたものの場合、それぞれの樹脂の利点を併有することができ、例えば、軟質バッグ2の耐衝撃性を向上させたり、対ブロッキング性を付与したりすることができる。また、金属層を有するものの場合、軟質バッグ2のガスバリアー性などを向上させることができる。例えば、アルミ箔などのフィルムが積層された場合、ガスバリアー性の向上とともに、軟質バッグ2の透明性を維持することができ、内部の視認性を確保することができる。なお、軟質バッグ2が多層積層体である場合、その内表面部分を形成する材料が、前述した材料であるのが好ましい。
軟質バッグ2を構成するシート材料の厚さは、その層構成や用いる素材の特性(柔軟性、強度、水蒸気透過度、耐熱性など)に応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、通常は、100〜550μm程度であるのが好ましく、200〜400μm程度であるのがより好ましい。また、軟質バッグ2としては、引張弾性率で500MPa以下、好ましくは50〜300MPaの押出フィルムあるいはインフレーション成形したチューブを用いることが好ましい。
軟質バッグ2は、上記樹脂を用いてブロー成形することにより作製したもの、上記樹脂により形成された2枚のシートの周縁部を融着して形成したもの、上記樹脂により形成された1枚のシートを折り返すとともに周縁部を融着して形成したもの、上記樹脂を用いて押出成形により筒状に形成したものの開口周縁を融着することにより作製したものなどのいずれでもよい。
また、軟質バッグ2には、内部に薬液26が収納されている。薬液26としては、輸液剤(薬液)が収容されている。輸液剤としては、例えば生理食塩水、電解質溶液、リンゲル液、高カロリー輸液、ブドウ糖液、注射用水、アミノ酸電解質溶液等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
また、軟質バッグ2の上端シール部21には、ハンガーなどに吊り下げるための懸垂孔(吊り下げ部)25が設けられている。懸垂孔の大きさは、医療用容器1の大きさによっても相違するが、直径3〜15mm程度の真円もしくは楕円状の孔であることが好ましい。
排出ポート4は、図1に示すように、公知のものを使用することができる。例えば、筒状ポート部材とその開口を封止するとともに針管を挿通可能なシール部材を備えるものが好ましい。
また、排出ポート4は、軟質バッグ2の下端シール部22に形成された排出ポート取付部24に取り付けられている。排出ポート取付部24は、下端シール部22の中心に設けられている。排出ポート4は、高周波融着、熱融着、超音波融着などにより軟質バッグ2に取り付けられている。
本発明の薬剤容器3は、図1に示すように、軟質バッグ2の上端に位置する薬剤容器固定部21aに液密に固着されている。さらに、薬剤容器3は、薬剤収容部31と開封用操作部32を備え、開封用操作部32が、軟質バッグ2内に突出している。よって、軟質バッグ2は、薬剤容器固定部21aを有するとともに、薬剤収納部31の一部(言い換えれば、軟質バッグ2の内部空間を形成する部分)であるとともに、薬剤収納部31内に位置する薬剤容器の外面を被包する薬剤容器被包部を有するものとなっている。図1に示す実施例では、軟質バッグ2の薬剤容器取付部23の上部に形成された薬剤容器固定部21aにより、薬剤容器3は、軟質バッグ2に液密に固定されている。なお、薬剤容器固定部21aの両端は、軟質バッグ2の上端シール部21に到達するものとなっている。そして、軟質バッグ2のシート内面が薬剤容器3の外面に接触する可能性のある部分およびその付近が、薬剤容器被包部を形成している。具体的には、軟質バッグ2のシールされていない薬剤容器取付部23部分およびその下方の所定領域が薬剤容器被包部となっている。また、薬剤容器3は、薬剤収納部31と開封用操作部32間に設けられた破断可能部33を備えている。そして、開封用操作部32を軟質バッグ2の外部から押し曲げることにより、薬剤容器3は破断可能部33にて破断し、充填する薬剤34は、軟質バッグ2内に流入する。
薬剤容器3内に収納される薬剤としては、輸液剤に配合・溶解させるものであって、例えば抗生物質、ビタミン剤(総合ビタミン剤)、各種アミノ酸、ヘパリン等の抗血栓剤、インシュリン、抗腫瘍剤、鎮痛剤、強心剤、静注麻酔剤、抗パーキンソン剤、潰瘍治療剤、副腎皮質ホルモン剤、不整脈用剤、補正電解質、抗ウィルス薬、免疫賦活剤等が挙げられる。また、薬剤容器3内は、常圧でもよいが、減圧または真空状態としてもよい。
薬剤容器3の構成材料としては、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、環状ポリオレフィン[具体的には、ZEONEX(日本ゼオン株式会社製)、APEL(三井化学株式会社製)]、ポリプロピレンホモポリマー、高密度ポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド等の各種樹脂、あるいはこれらを任意に組み合わせたものが挙げられる。これらの中でも、安全性が高く、軟質バッグ2との密着性に優れるという点で、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルが好ましい。
薬剤容器保護部材5は、公知の形状のものを使用することができる。図1ないし図6に示した薬剤容器保護部材5は、一端が閉塞し、他端が開口した筒状体(好ましくは、円筒体)であり、開口端より所定長閉塞端側に延びる向かい合う一組のスリット53を有するものとなっている。そして、薬剤容器保護部材5は、図1ないし図6に示すように、取付部51と、取付部51の下端に設けられた破断可能部保護部52と、スリット53を備えている。取付部51は、薬剤容器保護部材5を、医療用容器1に取り付けるための部位である。なお、図1ないし図6に示す薬剤容器保護部材5は、円筒形となっているが、このような形に限られず、四角柱、半球形などであってもよい。また、薬剤容器保護部材5の一端は、上述した実施例のように閉塞していることが好ましいが、開口端であってもよい。そして、この薬剤容器保護部材5は、薬剤容器3の全体を被包しており、薬剤容器への外部からの衝撃伝達を阻害するとともに、薬剤容器3の直射光の受光も阻害している。
破断可能部保護部52は、破断可能部33を保護するための部位である。また、破断可能部保護部52は、図3ないし図6における薬剤容器保護部材5では、上記のスリット53により区分された2つの樋状部位である。そして、2つの破断可能部保護部52により、薬剤容器保護部材5は、医療用容器1に保持された状態となっている。しかし、破断可能部保護部52はこのような形状に限られず、破断可能部33を保護し、かつ、軟質バッグ2に取り付けることができるものであればよい。また、それらの働きを異なる部材が行ってもよい。また、破断可能部保護部52の長さは、開封用操作部32より長いことが好ましい。このようにすることにより、開封用操作部32を被包し、衝撃によって開封用操作部32に力が加わり運搬時に破断可能部33が破断されることを防止できる。
薬剤容器保護部材5は、薬剤容器3を被包するように軟質バッグ2に離脱可能に取り付けられている。また、薬剤容器保護部材5は、軟質バッグ2の薬剤容器固定部21aもしくは薬剤容器被包部上に位置する懸垂孔閉塞シール部材6を被包している。このため、薬剤容器保護部材5は、軟質バッグ2から薬剤容器保護部材5を離脱する前における懸垂孔閉塞シール部材6の剥離を阻害することができる。そのため、操作者に薬剤容器3を視認させ、薬剤容器3の破断操作を促すことができる。
薬剤容器保護部材5の形成材料としては、落下等の衝撃時における薬剤容器3の破断可能部33の破断を阻止できる程度の保形性を有するものであれば、どのようなものであってもよい。 薬剤容器保護部材5の形成材料としては、硬質紙、合成紙などの紙系材料、樹脂材料等が使用できる。特に、薬剤容器内の薬剤保護のために、紫外線遮光性素材であることが好ましい。このようなものとしては、紫外線遮光性物質を含有した硬質もしくは反硬質樹脂が好適であり、樹脂基材としては、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド(ナイロン)などが好ましい。
そして、本発明の医療用容器1は、懸垂孔閉塞シール部材6を備えている。
懸垂孔閉塞シール部材6は、軟質バッグ2の上端シール部21に設けられた懸垂孔25を閉塞する、軟質バッグ2に剥離可能に帖着されたシール部材である。
そして、懸垂孔閉塞シール部材6としては、懸垂孔25を閉塞する部分より軟質バッグ2の側部側に、軟質バッグ2の薬剤容器固定部21a上もしくは薬剤容器被包部上を越えるようにもしくは軟質バッグ2の薬剤容器固定部21a上もしくは薬剤容器被包部上に一端を有するように延び、かつ、剥離可能に軟質バッグ2に帖着されており、薬剤容器保護部材5は、軟質バッグ2の薬剤容器固定部21a上もしくは薬剤容器被包部上に位置する懸垂孔閉塞シール部材6を被包しているものであることが好ましい。
懸垂孔閉塞シール部材としては、基材シートとこの基材シート一面に付与され、形成された軟質バッグに対して付着性を備える付着剤を有するものが用いられる。基材シートとしては、紙、合成紙などの紙系材料、織布、網布、不織布などの布帛類、樹脂フィルム等が使用できる。好ましくは、樹脂フィルムであり、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド(ナイロン)、セロファンなどが好ましい。また、付着剤としては、懸垂孔閉塞シール部材の剥離後軟質バッグ側に残らないものが好ましい。このような付着剤としては、感圧性接着剤、ホットメルト系接着剤、エマルジョン系接着剤、各種溶剤系接着剤、変性オレフィン系接着剤等が使用可能である。特に、有機溶媒を実質的に含まないものが好ましい。このようなものとして、例えば、溶媒が水であるエマルジョン系接着剤が好ましく、特にアクリル系共重合体を主成分とするものが好ましい。アクリル系共重合体としては、例えば、アクリル酸アクリルエステル共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸アクリルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキルエステル−アクリル酸アルキルエステル共重合体等が挙げられる。
懸垂孔閉塞シール部材6は、一端に剥離開始部61を有することが好ましい。剥離開始部は、懸垂孔閉塞シール部材6の端部に形成された軟質バッグ2への非貼着部である。剥離開始部は、上述した付着剤の非付与部もしくは付着剤の付着性消失部により形成される。この剥離開始部を設けることにより、懸垂孔閉塞シール部材の剥離が容易となる。また、剥離開始部61は、懸垂孔25を閉塞する部分より軟質バッグ2の側部側に延びた一端部に位置することが好ましい。このようにすることにより、剥離開始部61から懸垂孔閉塞シール部材6を剥離する際に、薬剤容器保護部材5を離脱しない限り薬剤容器保護部材5が、剥離を阻害する。したがって、操作者に薬剤容器保護部材5の離脱の必要性を喚起し、その結果、薬剤容器3の破断可能部33を視認させ、破断を促すことができる。なお、剥離開始部61としては、図1に示すように、懸垂孔閉塞シール部材6の一端部の全幅かつ所定長他端側に延びるものとなっている。このようにすることが好ましいが、剥離開始部61は、懸垂孔閉塞シール部材6の一端の角部に形成されているものであってもよよい。
図1に示した医療用容器1では、懸垂孔閉塞シール部材6は、懸垂孔25を閉塞する部分より軟質バッグ2の側部側に、軟質バッグ2の薬剤容器被包部(具体的には、薬剤容器取付部23の一部)を越え、さらに、軟質バッグの側縁付近に一端を有するように延びている。なお、懸垂孔閉塞シール部材6は、軟質バッグ2の薬剤容器被包部ではなく、軟質バッグ2の薬剤容器固定部を越えるように延びるものであってもよい。
そして、この実施例のものでは、懸垂孔閉塞シール部材6は、図7に示すように、薬剤容器3の破断可能部33を破断することを促す表示62が設けられている。そして、この実施例では、表示62は、薬剤容器保護部材5に被包される部分に設けられている。なお、図7は、図1の医療用容器1より薬剤容器保護部材5を取り外した状態における医療用容器1の上部部分を示すものである。そして、この実施例における表示62は、折ることを促す文字表示となっている。具体的には、懸垂孔閉塞シール部材6は、薬剤容器上となる位置に、上記の表示62を有するものとなっており、この表示は、薬剤容器保護部材5に被包されている。このため、薬剤容器保護部材5を軟質バッグ2より離脱することにより、上記の表示は、初めて視認可能となるため、その注意喚起機能として有効である。また、この実施例では、図7に示すように、懸垂孔閉塞シール部材6の剥離開始部61は、薬剤容器保護部材5の取付部より、反懸垂孔側となる端部に設けられている。このため、医療用容器1の薬剤容器保護部材5を離脱するより先に懸垂孔閉塞シール部材6を剥離しようとすると、薬剤容器保護部材5によって懸垂孔閉塞シール部材6の剥離が阻害される。したがって、薬剤容器保護部材5の離脱が必須となり、薬剤容器3を操作者は確実に視認することになり、破断可能部33の破断を忘れることが減少する。
次に、本発明の他の実施例について説明する。
図8は、本発明の他の実施例の医療用容器を説明するための説明図である。なお、図8は、薬剤容器保護部材を離脱した後の状態を示している。
この実施例における医療用容器10と、上述した医療用容器1との相違は、懸垂孔閉塞シール部材63の構成のみである。以下、同一の部位については、同じ符号を付し、上述した記載を参照するものとし、相違点を中心に説明する。
医療用容器10は、図8に示すように、上端シール部21、および上端シール部21に設けられた懸垂孔25を有した軟質バッグ2と、内部に薬剤34が収納された薬剤収納部31と開封用操作部32と、薬剤収納部31と開封用操作部32間に設けられた破断可能部33とを有し、破断可能部33の破断により薬剤収納部31内の薬剤34が軟質バッグ2内に流入するように軟質バッグ2の上端シール部21に固定された薬剤容器3と、軟質バッグ2の懸垂孔25を閉塞する剥離可能な懸垂孔閉塞シール部材63と、薬剤容器3を被包するように軟質バッグ2に離脱可能に取り付けられた薬剤容器保護部材(図示せず)とを備えるものである。
懸垂孔閉塞シール部材63は、剥離可能に軟質バッグ2に帖着されている。そして、この実施例における懸垂孔閉塞シール部材63は、上述した実施例の医療用容器1と同様に、懸垂孔25を閉塞する部分より軟質バッグ2の側部側に、軟質バッグ2の薬剤容器被包部(具体的には、薬剤容器取付部23の一部)を越え、さらに、軟質バッグの側縁付近に一端を有するように延びている。さらに、この実施例における懸垂孔閉塞シール部材63は、図8に示すように、薬剤容器3の開封用操作部32上となる軟質バッグ2の薬剤容器被包部部分に位置する延出部63aを備えている。なお、延出部は、薬剤容器3の破断可能部33上となる軟質バッグ2の薬剤容器被包部部分に位置するものであってもよい。そして、この延出部63aに薬剤容器3の破断可能部33を破断することを促す表示62が設けられている。
具体的には、懸垂孔閉塞シール部材63は、略T字形となっており、懸垂孔25を閉塞する部分より軟質バッグ2の側部側に、軟質バッグ2の薬剤容器被包部を越えるように延びる部分と、薬剤容器被包部から分岐し、薬剤容器3の開封用操作部32の下端に向かって延びる部分を備えている。そして、薬剤容器3の開封用操作部32上となる懸垂孔閉塞シール部材63の延出部63aに上述した表示62が設けられている。そして、この実施例における表示62は、折ることを促す文字表示となっている。この実施例では、薬剤容器3の開封用操作部32上に、破断を促す表示62が位置するため、破断操作を促す注意喚起機能として有効である。
そして、この実施例の懸垂孔閉塞シール部材63においても、上記の表示62は、薬剤容器保護部材5に被包される部分に設けられている。このため、薬剤容器保護部材5を軟質バッグ2より離脱することにより、上記の表示を視認可能となるため、その注意喚起機能として有効である。また、懸垂孔閉塞シール部材63の剥離開始部61は、薬剤容器保護部材5の取付部より、反懸垂孔側となる端部に設けられている。このため、医療用容器1の薬剤容器保護部材5を離脱するより先に懸垂孔閉塞シール部材63を剥離しようとすると、薬剤容器保護部材5によって懸垂孔閉塞シール部材63の剥離が阻害される。
次に、本発明の他の実施例について説明する。
図9は、本発明の他の実施例の医療用容器を説明するための説明図である。なお、図9は、薬剤容器保護部材を離脱した後の状態を示している。
この実施例における医療用容器20と、上述した医療用容器1との相違は、懸垂孔閉塞シール部材64の構成のみである。以下、同一の部位については、同じ符号を付し、上述した記載を参照するものとし、相違点を中心に説明する。
医療用容器20は、図9に示すように、上端シール部21、および上端シール部21に設けられた懸垂孔25を有した軟質バッグ2と、内部に薬剤34が収納された薬剤収納部31と開封用操作部32と、薬剤収納部31と開封用操作部32間に設けられた破断可能部33とを有し、破断可能部33の破断により薬剤収納部31内の薬剤34が軟質バッグ2内に流入するように軟質バッグ2の上端シール部21に固定された薬剤容器3と、軟質バッグ2の懸垂孔25を閉塞する剥離可能な懸垂孔閉塞シール部材64と、薬剤容器3を被包するように軟質バッグ2に離脱可能に取り付けられた薬剤容器保護部材(図示せず)とを備えるものである。
懸垂孔閉塞シール部材64は、剥離可能に軟質バッグ2に帖着されている。そして、この実施例における懸垂孔閉塞シール部材64は、上述した実施例の医療用容器1と同様に、懸垂孔25を閉塞する部分より軟質バッグ2の側部側に、軟質バッグ2の薬剤容器被包部(具体的には、薬剤容器取付部23の一部)を越え、さらに、軟質バッグの側縁付近に一端を有するように延びている。さらに、この実施例における懸垂孔閉塞シール部材64は、図9に示すように、薬剤容器3の破断可能部33付近上もしくは破断操作部32上となる軟質バッグ2の薬剤容器被包部部分上に位置する突出部(延出部)64aを備えるとともに、この突出部64aに薬剤容器3の破断可能部33を破断することを促す表示62が設けられている。
具体的には、懸垂孔閉塞シール部材64は、薬剤容器3の破断可能部33付近上となる軟質バッグ2の薬剤容器被包部部分に位置する突出部64aを頂点とする略V字形となっている。そして、薬剤容器3の破断可能部33付近上となる懸垂孔閉塞シール部材64の延出部64aに上述した表示62が設けられている。そして、この実施例における表示62は、折ることを促す文字表示となっている。この実施例では、薬剤容器3の破断可能部もしくは破断用操作部上に、破断を促す表示62が位置するため、破断操作を促す注意喚起機能として有効である。
そして、この実施例の懸垂孔閉塞シール部材64においても、上記の表示62は、薬剤容器保護部材5に被包される部分に設けられている。このため、薬剤容器保護部材5を軟質バッグ2より離脱することにより、上記の表示を視認可能となるため、その注意喚起機能として有効である。また、懸垂孔閉塞シール部材64の剥離開始部61は、薬剤容器保護部材5の取付部より、反懸垂孔側となる端部に設けられている。このため、医療用容器1の薬剤容器保護部材5を離脱するより先に懸垂孔閉塞シール部材64を剥離しようとすると、薬剤容器保護部材5によって懸垂孔閉塞シール部材64の剥離が阻害される。
次に、本発明の他の実施例について説明する。
図10は、本発明の他の実施例の医療用容器を説明するための説明図である。なお、図10は、薬剤容器保護部材を離脱した後の状態を示している。
医療用容器30は、図9に示すものと実質的に同じであり、相違点は、剥離開始部61の位置のみである。そして、この実施例の医療用容器30のように、上述したすべての実施例において、懸垂孔閉塞シール部材65の剥離開始部61は、薬剤容器保護部材5に被包される部分に設けてもよい。
この実施例の医療用容器30の懸垂孔閉塞シール部材65は、図10に示すように、薬剤容器3の破断可能部33付近上もしくは破断操作部32上となる軟質バッグ2の薬剤容器被包部部分に位置する突出部65aを備えるとともに、この突出部65aに薬剤容器3の破断可能部33を破断することを促す表示62が設けられている。そして、この突出部65aよりさらに下方に突出するように、剥離開始部61が形成されている。そして、この剥離開始部61は、軟質バッグ2に装着される薬剤容器保護部材5に被包され、露出しない。このため、薬剤容器保護部材5の離脱前の懸垂孔閉塞シール部材65の剥離を実質的に不能なものとしている。
次に、本発明の他の実施例について説明する。
図11は、本発明の他の実施例の医療用容器を説明するための説明図である。なお、図11は、薬剤容器保護部材を離脱した後の状態を示している。
この実施例における医療用容器40と、上述した医療用容器1との相違は、懸垂孔閉塞シール部材66の構成のみである。以下、同一の部位については、同じ符号を付し、上述した記載を参照するものとし、相違点を中心に説明する。
医療用容器40は、図11に示すように、上端シール部21、および上端シール部21に設けられた懸垂孔25を有した軟質バッグ2と、内部に薬剤34が収納された薬剤収納部31と開封用操作部32と、薬剤収納部31と開封用操作部32間に設けられた破断可能部33とを有し、破断可能部33の破断により薬剤収納部31内の薬剤34が軟質バッグ2内に流入するように軟質バッグ2の上端シール部21に固定された薬剤容器3と、軟質バッグ2の懸垂孔25を閉塞する剥離可能な懸垂孔閉塞シール部材66と、薬剤容器3を被包するように軟質バッグ2に離脱可能に取り付けられた薬剤容器保護部材(図示せず)とを備えるものである。
この実施例における懸垂孔閉塞シール部材66は、その一端が薬剤容器保護部材内に位置している。具体的には、懸垂孔閉塞シール部材66は、剥離可能に軟質バッグ2に帖着されている。そして、この実施例における懸垂孔閉塞シール部材66は、懸垂孔25を閉塞する部分より軟質バッグ2の側部側に延び、一端が、軟質バッグ2の薬剤容器被包部(具体的には、薬剤容器取付部23の一部)上に位置するものとなっている。つまり、この懸垂孔閉塞シール部材66では、その一端が薬剤容器保護部材5に被包されるものとなっている。このため、薬剤容器保護部材5を離脱させないと懸垂孔閉塞シール部材66を実質的に剥離できない。したがって、薬剤容器保護部材5を離脱させることを促し、それによって薬剤容器3を操作者に視認させ、その結果、破断可能部33の破断忘れを防止するものとなっている。さらに、懸垂孔閉塞シール部材66は、軟質バッグ2の薬剤容器3の破断可能部もしくは破断用操作部上に位置する端部上に、薬剤容器3の破断可能部33を破断することを促す表示62が設けられている。この表示も薬剤容器保護部材5に被包されている。
次に、本発明の他の実施例について説明する。
図12は、本発明の他の実施例の医療用容器を説明するための説明図である。なお、図12は、薬剤容器保護部材を離脱した後の状態を示している。
図12は、本発明の医療用容器の他の実施例の部分図である。この実施例における医療用容器50と、上述した医療用容器1との相違は、懸垂孔閉塞シール部材67の構成のみである。以下、同一の部位については、同じ符号を付し、上述した記載を参照するものとし、相違点を中心に説明する。
医療用容器50は、図12に示すように、上端シール部21、および上端シール部21に設けられた懸垂孔25を有した軟質バッグ2と、内部に薬剤34が収納された薬剤収納部31と開封用操作部32と、薬剤収納部31と開封用操作部32間に設けられた破断可能部33とを有し、破断可能部33の破断により薬剤収納部31内の薬剤34が軟質バッグ2内に流入するように軟質バッグ2の上端シール部21に固定された薬剤容器3と、軟質バッグ2の懸垂孔25を閉塞する剥離可能な懸垂孔閉塞シール部材67と、薬剤容器3を被包するように軟質バッグ2に離脱可能に取り付けられた薬剤容器保護部材(図示せず)とを備えるものである。
この実施例における懸垂孔閉塞シール部材67は、その一端が薬剤容器保護部材内に位置している。具体的には、懸垂孔閉塞シール部材67は、剥離可能に軟質バッグ2に帖着されている。懸垂孔閉塞シール部材67は、懸垂孔25を閉塞する部分より軟質バッグ2の側部側に延びるとともに、一端が、軟質バッグ2の薬剤容器3の破断可能部もしくは破断用操作部上に位置するものとなっている。そして、この軟質バッグ2の薬剤容器3の破断可能部もしくは破断用操作部上に位置する端部上に、薬剤容器3の破断可能部33を破断することを促す表示62が設けられている。さらに、懸垂孔閉塞シール部材67は、上記の軟質バッグ2の薬剤容器3の破断可能部もしくは破断用操作部上に位置する端部に、剥離開始部61を有している。
そして、この懸垂孔閉塞シール部材67では、剥離開始部61は、軟質バッグ2に装着される薬剤容器保護部材5に被包され、露出しない。このため、薬剤容器保護部材5の離脱前の懸垂孔閉塞シール部材67の剥離を実質的に不能なものとしている。このため、薬剤容器保護部材5を離脱させないと懸垂孔閉塞シール部材67を実質的に剥離できない。したがって、薬剤容器保護部材5を離脱させることを促し、かつ、薬剤容器保護部材5を離脱させることにより、表示62を視認可能となるので、破断可能部33の破断忘れを防止することができる。
次に、本発明の他の実施例について説明する。
図13および図14は、本発明の他の実施例の医療用容器を説明するための説明図である。なお、図14は、図13より、薬剤容器保護部材を離脱した後の状態を示している。図15は、図13に示す医療用容器に用いられる表示の正面図である。
この実施例における医療用容器60と、上述した医療用容器1との相違は、吊下表示部材7の存在のみである。以下、同一の部位については、同じ符号を付し、上述した記載を参照するものとし、相違点を中心に説明する。
医療用容器60は、図13に示すように、上端シール部21、および上端シール部21に設けられた懸垂孔25を有した軟質バッグ2と、内部に薬剤34が収納された薬剤収納部31と開封用操作部32と、薬剤収納部31と開封用操作部32間に設けられた破断可能部33とを有し、破断可能部33の破断により薬剤収納部31内の薬剤34が軟質バッグ2内に流入するように軟質バッグ2の上端シール部21に固定された薬剤容器3と、軟質バッグ2の懸垂孔25を閉塞する剥離可能な懸垂孔閉塞シール部材6と、薬剤容器3を被包するように軟質バッグ2に離脱可能に取り付けられた薬剤容器保護部材5とを備えるものである。
吊下表示部材7は、図15に示すように、表示部71と、表示部71と連結した線状部72とを有している。表示部71は、図13ないし15に示した円形に限らず、どのような形であってもよい。また、線状部72は、吊下表示部材7を薬剤容器保護部材5および薬剤容器3に掛けるために用いられる。線状部72は、糸、紐、鎖、ワイヤなど公知のいずれのものでもよい。このような構成にすることにより、薬剤容器保護部材5の離脱および懸垂孔閉塞シール部材6の剥離をした後も、破断可能部33の破断を促すことができる。また、軟質バッグ2にそのような表示をする以上に操作者が視認しやすい。
そして、上述したすべての実施例において、医療用容器は、単室のものに限らず、例えば、図16に示す医療用容器70のように、仕切用弱シール部8を備えた複室型のものであってもよい。医療用容器70では、分離して保管したい3成分の薬剤を備えた医療用容器において、薬剤容器3の破断可能部33の折り忘れを防止することができる。
仕切用弱シール部8は、軟質バッグ2を横方向全体に横切るように設けられているとともに、その全体もしくは一部が、剥離可能な弱シール部となっている。弱シール部のシール強度(初期の剥離強度)は、特に限定されないが、0.1〜25N/10mm幅程度であるのが好ましく、0.3〜15N/10mm幅であるのがより好ましい。シール強度がこの範囲内であれば、輸送や保管中等に誤って仕切用弱シール部8が剥離することがなく、また、仕切用弱シール部8を剥離する作業も容易である。
そして、弱シール部は、熱シールにより形成することが好ましい。具体的には、加熱プレスにより行うことが好ましく、金型の温度は、軟質バッグ2の形成材料の溶融温度より10℃以上低い温度で行うことにより形成することができる。
そして、仕切用弱シール部8は、軟質バッグ2のシート材を帯状に融着することにより形成されている。この仕切用弱シール部8は、例えば、軟質バッグ2の第1の薬剤室27もしくは第2の薬剤室28の部分を手で押圧し、第1の薬剤室27もしくは第2の薬剤室28の内圧を高めること、また、医療用容器70をハンガーに掛けた状態で軟質バッグ2の第1の薬剤室27もしくは第2の薬剤28部分を手で絞ることにより、第1の薬剤室27もしくは第7の薬剤室28の内圧を高めたりすることにより剥離する程度のシール強度を備える。これにより、特別の器具等を用いず、簡単な作業で仕切用弱シール部8による遮断を解除し、第1の薬剤室27と第2の薬剤室28の薬剤同士を混合することができる。
また、医療用容器1の容積は、内部に収納する薬剤の種類等によって異なるが、通常は、第1の薬剤室の容積が、50〜3000mL程度であることが好ましく、第2の薬剤室の容積が、50〜3000mL程度であることが好ましい。
このように薬剤室を第1の薬剤室27と第2の薬剤室28の2つに区分することにより、反応等による変質、劣化を生じる物質を含有する液体を使用するまでは別々に保存でき、使用に際し、両液を混合することが好ましいとき等に適用することができる。それぞれの薬剤室に収納される薬剤としては、薬液、散剤などが考えられる。特に、本発明の医療用複室容器では、第1の薬剤は、薬液であることが好ましい。第2の薬剤は、薬液もしくは散剤いずれであってもよい。好ましくは、薬液である。第1の薬剤および第2の薬剤の組合せとしては、例えば、輸液剤では、メイラード反応による着色を防止するために、アミノ酸電解質液とブドウ糖液との組合せとしたり、他に、ブドウ糖液と重曹液等の組み合わせ、また、腹膜透析液剤としてブドウ糖が配合される側のpHを3〜5とし、他方の電解質液を混合後、投薬時にほぼ中性域のpHとなるように調整したものなどが挙げられる。
なお、本発明において、第1の薬剤および第2の薬剤は、特に限定されず、例えば、生理食塩水、電解質溶液、リンゲル液、高カロリー輸液、ブドウ糖液、アミノ酸輸液、脂肪輸液、注射用水、腹膜透析液、経口・経腸栄養剤等、いかなるものであってもよい。
また、上述したすべての実施例において、剥離開始部としては、懸垂孔閉塞シール部材6の端部の全幅かつ所定長他端側に延びるものであることが好ましい。しかし、剥離開始部61は、懸垂孔閉塞シール部材6の一端の角部に形成されているものであってもよい。
図1は、本発明の医療用容器の一実施例の正面図である。 図2は、図1に示す医療用容器のA−A線断面図である。 図3は、図2に示す医療用容器の上部の拡大図である。 図4は、図1に示す医療用容器のB−B線拡大断面図である。 図5は、図1に示す医療用容器に用いられる薬剤容器保護部材の平面図である。 図6は、図1に示す薬剤容器保護部材の底面図である。 図7は、図1に示す薬剤容器保護部材を離脱した後の状態を説明するための説明図である。 図8は、本発明の他の実施例の医療用容器を説明するための説明図である。 図9は、本発明の他の実施例の医療用容器を説明するための説明図である。 図10は、本発明の他の実施例の医療用容器を説明するための説明図である。 図11は、本発明の他の実施例の医療用容器を説明するための説明図である。 図12は、本発明の他の実施例の医療用容器を説明するための説明図である。 図13は、本発明の他の実施例の医療用容器を説明するための説明図である。 図14は、本発明の他の実施例の医療用容器を説明するための説明図である。 図15は、図13に示す医療用容器に用いられる表示の正面図である。 図16は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。
符号の説明
1 医療用容器
2 軟質バッグ
3 薬剤容器
4 排出ポート
5 薬剤容器保護部材
6 懸垂孔閉塞シール部材
21 上端シール部
22 下端シール部
25 懸垂孔

Claims (11)

  1. 上端側に設けられた懸垂孔を有し、かつ、内部に薬液が収納された軟質バッグと、内部に薬剤が収納された薬剤収納部と開封用操作部と、前記薬剤収納部と前記開封用操作部間に設けられた破断可能部とを有し、該破断可能部の破断により前記薬剤収納部内の薬剤が前記軟質バッグ内に流入するように前記軟質バッグに固定された薬剤容器とを備える医療用容器であって、該医療用容器は、前記軟質バッグの前記懸垂孔を閉塞する剥離可能な懸垂孔閉塞シール部材と、前記薬剤容器を被包するように前記軟質バッグに離脱可能に取り付けられた薬剤容器保護部材とを備え、さらに、前記懸垂孔閉塞シール部材は、前記薬剤容器保護部材内に侵入するように延び、かつ、剥離可能に前記軟質バッグに帖着されていることを特徴とする医療用容器。
  2. 前記軟質バッグは、上端シール部を備え、前記懸垂孔は、該上端シール部に設けられ、かつ、前記薬剤容器は、該上端シール部に固定されている請求項1に記載の医療用容器。
  3. 前記懸垂孔閉塞シール部材は、前記軟質バッグの薬剤容器固定部上もしくは薬剤容器被包部上を越えるようにもしくは前記軟質バッグの薬剤容器固定部上もしくは薬剤容器被包部上に一端を有するように延び、前記薬剤容器保護部材は、前記軟質バッグの薬剤容器固定部上もしくは薬剤容器被包部上に位置する前記懸垂孔閉塞シール部材を被包している請求項1または2に記載の医療用容器。
  4. 前記薬剤容器保護部材は、前記軟質バッグの薬剤容器固定部上もしくは薬剤容器被包部上に位置する前記懸垂孔閉塞シール部材を被包することにより、前記軟質バッグから前記保護部材を離脱する前における前記懸垂孔閉塞シール部材の剥離を阻害するものである請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用容器。
  5. 前記懸垂孔閉塞シール部材は、一端に剥離開始部を有するものである請求項1ないし4のいずれかに記載の医療用容器。
  6. 前記懸垂孔閉塞シール部材は、前記懸垂孔を閉塞する部分より前記軟質バッグの側部側に延びた端部に前記剥離開始部を有するものである請求項5に記載の医療用容器。
  7. 前記懸垂孔閉塞シール部材は、その一端が前記薬剤容器保護部材内に位置している請求項1ないし6のいずれかに記載の医療用容器。
  8. 前記懸垂孔閉塞シール部材は、前記破断可能部の破断を促す表示を有しているものである請求項1ないし7のいずれかに記載の医療用容器。
  9. 前記表示は、前記薬剤容器保護部材に被包される部分に設けられているものである請求項8に記載の医療用容器。
  10. 前記薬剤容器保護部材は、前記破断可能部を保護する破断可能部保護部と、該薬剤容器保護部材を前記医療用容器に取り付けるための取付部を備えるものである請求項1ないし9のいずれかに記載の医療用容器。
  11. 前記破断可能部保護部は、2つの部位からなり、かつ前記医療用容器を該破断可能部保護部で挟むものである請求項10に記載の医療用容器。
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