JP2007266016A - 電子顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
エネルギー幅の小さい電子線を提供できるエネルギーフィルタ装置及び、試料面上の電子線プローブ径が小さい電子顕微鏡を提供すること。
【解決手段】
スリットの開口部中央から電子線がずれた場合、試料等から発生する2次電子の強度変化を基に、そのずれを高精度に補正する。スリットの開口部中央を透過した電子線を用いて試料を観察する。
【効果】
対物レンズの収差の影響を小さく抑えることができるため、空間分解能の高い電子顕微鏡像を観察することができる。
【選択図】図1
Description
電子顕微鏡には、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM),透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM),走査透過型電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscope:STEM)がある。
本発明の電子顕微鏡は、スリット上での電子線を周期的に移動させる、あるいはスリットの一方もしくは両方を周期的に移動させることにより電子線位置を制御できる。その制御方法とは、周期的な電子線位置の変化に対応して電子線が変化する様子(例えば電子線強度の周期や振幅)を測定し、その結果、得られるスリット開口部を透過した電子線の強度、もしくは透過した電子線が照射した試料等から発生する2次電子の強度から、詳細に電子線の位置を特定するものである。
図1は、本発明の実施例の、エネルギーフィルタを備えた走査型電子顕微鏡の主要部分の概略構成図である。電子線発生器1で発生した電子線2は、収束レンズ3で収束した後、エネルギーフィルタ5に入射される。エネルギーフィルタ5は電磁場を発生するエネルギーフィルタ6と、電子線の分散面に設置されたスリット7で構成されている。エネルギーフィルタ6を構成している磁石の磁場あるいは電極の電場は、図1の紙面に垂直な磁場あるいは電場空間を形成し、電子線2をエネルギー毎に分散させる。エネルギーフィルタ6は、前述のように電子線のエネルギーを分散させればよく、その形状は図1に示すものに限定するものではない。
上記のように、エネルギーフィルタを動作させず、電子線量の多い測定をすることにより、高コントラストの観察を行うことができる。まず、エネルギーフィルタ5を動作させない状態で電子顕微鏡の軸調整(101)を行う。エネルギーフィルタ5を動作させない場合、エネルギーフィルタ6では電磁場が印加されず、入射した電子線はエネルギーフィルタ5を直進して透過する。軸調整(101)が完了後、試料から発生する2次電子の強度(Is0)、またはエネルギーフィルタ電子線検出器11による電子線強度(If0)を測定する(102)。電子線強度(If0)を測定するためには、エネルギーフィルタ電子線検出器11に電子線が入射するように、センサ検出コイル9で電子線の軌道を制御する。
次に、エネルギーフィルタ5のスリット7の開口部の幅を初期設定値(w0)に設定する(103)。初期設定値には、例えばエネルギー分散した全ての電子線がスリット7の開口部を透過する程度まで幅を広げるように設定することができる。スリットの幅を初期設定値(w0)とし、2次電子線強度(Is1)、またはエネルギーフィルタ電子線検出器11で電子線強度(If1)を測定する(104)。測定された2次電子線強度(Is1)またはエネルギーフィルタ電子線検出器11で検出した電子線強度(If1)がゼロ以上であれば、スリット7の開口部の幅を所望の設定値(w1)に設定する(105)。もし、Is1がほぼゼロ、またはIf1がほぼゼロの場合、つまり、スリット7によって殆ど全ての電子線が遮断されエネルギーフィルタ5を透過する電子線が少ない場合には、エネルギーフィルタの粗い軸調整を行う(120)。
図3を用いて、エネルギーフィルタ5の粗い軸調整の調整方法の実施例を説明する。スリット7の上の電子線を移動させるか、またはスリット7の一方あるいは両方を移動させる(121)。移動の制御は周期(ω),振幅(A1)とする。そして、2次電子線強度(Is1(ω))、またはエネルギーフィルタ電子線検出器11で電子線強度(If1(ω))を測定し(122)、Is1(ω)またはIf1(ω)がゼロ以上になるまで移動制御の振幅を大きくし(123,125)、そのときの振幅をA2とする。電子線強度(Is1(ω)またはIf1(ω))を解析することにより、電子線がスリット7の上部スリット31もしくは下部スリット32のどちらに位置するかを判別する(126)。そして、スリット7の開口部の幅を設定値(w1)に設定する(127)。さらに、スリット7上の電子線位置をδxだけスリット7の開口部側にシフトさせる(128)。δxは次の条件で決める。スリット7上の電子線の位置からスリット7の開口部までの距離が、操作(127)によって変化ない場合δx=A2+w1/2。操作(127)によって距離が長くなる場合、例えば前記よりw0−w1だけ長くなる場合はδx=A2+w0−w1/2となる。最後に、スリット7上の電子線の振幅、またはスリット7の一方もしくは両方を移動させる振幅を2×w1と設定し(129)、粗い軸調整は完了する。
次に、本実施例を用いたスリット上の電子線の位置を高精度に制御する方法(150)の実施例を図4,図5を用いて述べる。
図5は、スリット7上の電子線位置を振幅;w1で1周期振動させたときの電子線の位置変化と、2次電子線の強度変化を示したものである。振動しない状態での電子線の位置がスリット7の開口部中央の場合(スリットの開口部の中央に電子線が位置する場合)(図5(a))、スリット7の開口部の端の場合(スリットの上部スリット端に電子線が位置する場合)(図5(b))、スリット7の開口部の端からw1/2だけ更にシフトした場合(スリットの上部スリット端からw1/2スリット側にずれた位置に電子線が位置する場合)(図5(c))、w1だけシフトした場合(スリットの上部スリット端からw1スリット側にずれた位置に電子線が位置する場合)(図5(d))を示す。図5から明らかなように、スリット7の開口部の中央に電子線が位置している場合のみ、2次電子の強度変化は2ωの周期である(図5(a))。それ以外では2次電子の周期はωとなる。
以上のようにして調整することにより、例えばエネルギーフィルタ6に入射する電子線の位置や入射角度が偏向コイル4によって変更された場合、その変更量を補償するようにセンサ検出コイル9を使って電子線位置や出射角度を調整する。
Claims (10)
- 電子線を発生する電子線発生源と、前記電子線をエネルギーにより分散するエネルギー分光器及び前記エネルギー分散された電子線を選択するスリットを備えたエネルギーフィルタと、対物レンズと、前記エネルギーフィルタによって選択された電子線の量を検出するエネルギーフィルタ電子線検出器とを有する電子顕微鏡であって、前記エネルギー分光器はオン・オフ切り替えが可能であり、前記スリットはエネルギー分散された電子線の軌道上に配置されており、エネルギー分光器がオフのとき電子線の軌道は前記スリット上にないことを特徴とする電子顕微鏡。
- 請求項1記載の電子顕微鏡において、前記エネルギー分光器がオンのときに前記スリット上の前記電子線が照射される位置を移動させ、前記エネルギーフィルタ電子線検出器からの信号に基づいて前記電子線の軌道位置または前記スリット位置を調整するエネルギーフィルタ制御装置を有することを特徴とする電子顕微鏡。
- 請求項1記載の電子顕微鏡において、前記エネルギーフィルタが電子線発生源と試料との間に配置される、もしくは試料より下流側に配置されており、前記エネルギーフィルタにより選択された電子線により試料を観察することを特徴とする電子顕微鏡。
- 電子線を発生する電子線発生源と、前記電子線をエネルギーにより分散するエネルギー分光器及び前記エネルギー分散された電子線を選択するスリットを備えたエネルギーフィルタと、対物レンズと、前記エネルギーフィルタによって選択された電子線の量を検出するエネルギーフィルタ電子線検出器とを有する電子顕微鏡であって、前記スリット上の前記電子線が照射される位置を移動させ、前記エネルギーフィルタ電子線検出器からの信号に基づいて前記電子線の軌道位置または前記スリット位置を調整するエネルギーフィルタ制御装置を有することを特徴とする電子顕微鏡。
- 請求項4に記載の電子顕微鏡において、前記エネルギーフィルタ制御装置は、前記スリット上の電子線の位置を移動させる電子線移動制御部と、前記電子線移動制御部からの出力信号と前記エネルギーフィルタ電子線検出器からの出力信号とに基づき前記スリット上での電子線位置を解析する信号解析部と、前記エネルギーフィルタの入射端と出射端での電子線位置を制御するエネルギーフィルタ偏向コイルを制御するエネルギーフィルタ偏向コイル制御部とを有することを特徴とする電子顕微鏡。
- 電子線を発生する電子線発生源と、エネルギーにより前記電子線を分散するエネルギー分光器とエネルギー分散された電子線を選択するスリットとを備えたエネルギーフィルタと、対物レンズと、前記エネルギーフィルタによって選択された試料による2次電子の量を検出するエネルギーフィルタ電子線検出器とを有する電子顕微鏡であって、前記エネルギー分光器はオン・オフ切り替えが可能であり、エネルギー分光器がオンのときに、前記スリット上の電子線の照射される位置を周期的に移動させ、前記エネルギーフィルタ電子線検出器からの信号に基づいて前記電子線の照射される位置を特定し、前記電子線の軌道位置または前記スリット位置を調整するエネルギーフィルタ制御装置を有することを特徴とする電子顕微鏡。
- 請求項6に記載の電子顕微鏡において、前記エネルギーフィルタ電子線検出器は出射口より下流側の電子線の軌道と重複しない位置に配置され、出射口から出射された電子線偏向コイルを備えたことを特徴とする電子顕微鏡。
- 電子線源から発生した電子線が試料に照射される前に、もしくは試料を透過した後、いずれかの電子線に対して、エネルギー分光部でエネルギーにより電子線を分光し、2つ以上の遮蔽板で構成されるスリットを備えたエネルギーフィルタで上記分光された電子線のうちいずれかのエネルギーを有する電子線を選択し、上記選択された電子線を観察する電子顕微鏡観察法において、前記スリット上の前記電子線が前記スリットの第一の遮蔽板で遮断される位置から、前記スリットの開口部を経て、前記スリットの第二の遮蔽板で遮断される位置まで移動させる操作を1回以上繰り返し、前記操作に対応して前記スリットを透過した電子線強度を検出し、前記スリットを透過した電子線の強度変化に基づき前記スリット上での前記電子線位置を制御するステップを有することを特徴とする電子顕微鏡観察法。
- 請求項8に記載した電子顕微鏡観察法において、複数の部材からなる前記スリットのそれぞれ若しくは全体を一回以上往復移動させ、前記スリットの移動距離に対応する前記スリットを透過した電子線を検出し、スリットの移動距離及び前記スリットを透過した電子線の強度変化量に基づいて、前記スリット上での前記電子線位置を制御することを特徴とする電子顕微鏡観察法。
- 請求項8に記載した電子顕微鏡観察法において、スリット上の電子線の照射位置をスリット幅以上の距離移動させ、前記電子線の移動距離に対応して前記スリットを透過した電子線を検出し、電子線の移動距離及び前記スリットを透過した電子線の強度変化量に基づいて、前記スリット上での前記電子線位置を制御することを特徴とする電子顕微鏡観察法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011129257A (ja) * | 2009-12-15 | 2011-06-30 | Jeol Ltd | モノクロメータのスリット位置制御方法及び装置並びに分析電子顕微鏡 |
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JPS54142979A (en) * | 1978-04-28 | 1979-11-07 | Hitachi Ltd | Automatic electron-beam axis adjuster |
WO1998006125A1 (en) * | 1996-08-07 | 1998-02-12 | Gatan, Inc. | Automated adjustment of an energy filtering transmissiion electron microscope |
JP2004171801A (ja) * | 2002-11-18 | 2004-06-17 | Hitachi Ltd | 電子顕微鏡 |
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