JP2007265682A - 放電プラズマ生成補助装置 - Google Patents

放電プラズマ生成補助装置 Download PDF

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Abstract

【課題】放電開始電圧を低減でき且つ長寿命化を図れる放電プラズマ生成補助装置を提供する。
【解決手段】放電ガスが封入された気密容器1内においてカソード電極2aの近くに配置され放電ガス中へ電子を供給する電子源10と、放電プラズマのイオンから電子源10を保護する2つの保護部材21,22とを備えている。各保護部材21,22は、それぞれ導電性材料により形成されていて、電子源10から放出された電子の通る複数の開口部21a,22aが形成されている。第2の保護部材22の電位がアノード電極2bの電位よりも低く且つカソード電極2aの電位よりも高い電位に設定されており、各保護部材21,22、アノード電極2b、カソード電極2aの各電位は図示しない制御部によって制御される。
【選択図】図1

Description

本発明は、放電プラズマを利用する放電プラズマ装置に用いる放電プラズマ生成補助装置に関するものである。
従来の蛍光ランプは、透光性気密容器内に封入した水銀を含む放電媒体を放電により励起させて紫外線を発生させ、透光性気密容器の内面に被着した蛍光体層を励起させて発光させるものである。
これに対して、近年、地球の環境問題に対する関心が高まるにつれて、水銀を利用せずに例えばキセノンガスなどの希ガスを放電ガス(放電媒体)として用いた希ガス蛍光ランプのような無水銀蛍光ランプが各所で研究開発されている。
しかしながら、希ガス蛍光ランプは、水銀を利用した従来の蛍光ランプに比べて、効率が低く、従来の蛍光ランプと同等の輝度を得るためには、透光性気密容器内に配置された一対の放電用電極間により高い電圧を印加しなければならないという問題があった。
これに対して、放電ガスとしてキセノンガスが封入された透光性気密容器と、透光性気密容器内に配置された一対の放電用電極とを備えた放電プラズマ装置に用いる放電プラズマ生成補助装置として、電界放射型の電子源を透光性気密容器内における一対の放電用電極間の放電プラズマ生成空間の外に配置し、一対の放電用電極間に電圧を印加する前に電子源を駆動して電子を放出させることにより、放電開始電圧を低減する技術が提案されており(例えば、特許文献1参照)、放電開始電圧を半分程度まで低減できることが知られている。
ここにおいて、上述の放電プラズマ装置では、一対の放電用電極間の放電プラズマ生成空間の外に電子源を配置することで、放電プラズマに起因したダメージが電子源に発生するのを抑制していた。
特開2002−150944号公報
しかしながら、上述の放電プラズマ装置では、放電開始電圧を更に低減するためにより大きな電流を流すと、放電プラズマが電子源の電子放出面に達したり、放電用電極と電子源との間で放電が起こって、電子源の電子放出面にイオンが衝突することにより電子源に損傷が発生し、電子源の寿命が短くなって、結果的に放電プラズマ生成補助装置の寿命が短くなってしまうという懸念があった。
そこで、放電プラズマ生成補助装置に、電子源に対向配置され電子源を保護する保護部材として導電性材料により形成された網状体を設けることによって、電子源の電子放出面へのイオンの衝突を抑制することが考えられるが、電子源へのイオンの衝突を抑制するには網状体の網目のサイズを小さくする必要があり、電子源から放出された電子の一部が網状体に衝突したり捕らえられたりし、放電ガスであるキセノンガス中への電子の供給量が減少し、放電開始電圧が高くなってしまう。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、放電開始電圧を低減でき且つ長寿命化を図れる放電プラズマ生成補助装置を提供することにある。
請求項1の発明は、放電ガスが封入された気密容器と、気密容器内に配置されたアノード電極およびカソード電極とを備えた放電プラズマ装置に用いられ放電プラズマの生成を補助する放電プラズマ生成補助装置であって、気密容器内において放電プラズマ生成空間の外側でカソード電極の近くに配置され放電ガス中へ電子を供給する電子源と、電子源から放出された電子の通る開口部を有し且つ気密容器内で生成された放電プラズマのイオンから電子源を保護する2つの保護部材とを備え、両保護部材がそれぞれ導電性材料により形成されるとともに電子源の電子放出方向において離間して配置され、電子源に近い側の保護部材である第1の保護部材の電位が電子源よりも高電位となり且つ第1の保護部材と電子源から遠い側の保護部材である第2の保護部材との電位が互いに異なるように第1の保護部材と第2の保護部材との電位関係が設定され、第2の保護部材の電位が、アノード電極の電位よりも低く且つカソード電極の電位よりも高い電位に設定されてなることを特徴とする。
この発明によれば、電子源の電子放出方向において離間して配置された第1の保護部材および第2の保護部材それぞれが電子源から放出された電子の通る開口部を有しているので、第1の保護部材および第2の保護部材それぞれの開口率を適宜設定することで電子源へのイオンの衝突を抑制しつつ電子源から放出された電子が各保護部材に衝突したり捕らえられたりするのを抑制できて放電開始電圧を低減でき、しかも、第2の保護部材の電位がアノード電極の電位よりも低く且つカソード電極の電位よりも高い電位に設定されているので、第2の保護部材とアノード電極およびカソード電極との間それぞれでの不要な放電プラズマが起こるのを防止することができるから、電子源に損傷が発生するのを抑制できて長寿命化を図れる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第2の保護部材の電位が前記第1の保護部材よりも低電位となるように前記電位関係が設定されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記第1の保護部材の開口部を通った電子が前記第2の保護部材に捕らえられるのを抑制しつつ、前記気密容器内において前記アノード電極と前記カソード電極との間で発生する放電プラズマのイオンに起因した前記電子源のダメージを低減することができる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記第2の保護部材は、前記第1の保護部材よりも開口率が低いことを特徴とする。
この発明によれば、前記気密容器内において前記アノード電極と前記カソード電極との間で発生する放電プラズマのイオンに起因した前記電子源のダメージをより低減できる。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記第1の保護部材は、前記開口部が前記電子源の電子放出面に対応する形状に開口されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記電子源から放出された電子を前記第1の保護部材と前記電子源との間の電界によって加速しつつ、前記電子源から放出された電子が前記第1の保護部材に捕獲される確率を低減することができる。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、前記第2の保護部材は、前記カソード電極との距離をd、前記カソード電極との間の空間での電子増倍率をα、前記気密容器内で発生する放電プラズマのイオンによる二次電子放出係数をγとするとき、
γ≦1/(eαd−1)
の関係を満たす材料により形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記第2の保護部材と前記カソード電極との間で不要な放電プラズマが発生するのを防止することができ、前記電子源の長寿命化を図れる。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項4の発明において、前記第2の保護部材は、前記カソード電極との距離をd、前記カソード電極との間の空間での電子増倍率をα、前記気密容器内で発生する放電プラズマのイオンによる二次電子放出係数をγとするとき、
α≦ln{(1/γ)+1}/d
の関係を満たすように電位が設定されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記第2の保護部材と前記カソード電極との間で不要な放電プラズマが発生するのを防止することができ、前記電子源の長寿命化を図れる。
請求項1の発明では、放電開始電圧を低減でき且つ長寿命化を図れるという効果がある。
本実施形態における放電プラズマ装置は、図1(a)に示すように、放電ガス(ここでは、Xeガス)が封入された気密容器1と、気密容器1内に配置されたアノード電極2bおよびカソード電極2aとを有する放電ランプLaを備えている。なお、放電ガスはXeガスに限らず、例えば、Arガス、Heガス、Neガス、Krガス、Nガス、COガス、Hg蒸気やそれらの二種以上からなる混合ガスなどを放電プラズマ装置の用途などに応じて適宜採用すればよい。
また、本実施形態における放電プラズマ装置は、放電プラズマの生成を補助する放電プラズマ生成補助装置として、図1(a),(b)に示すように、気密容器1内においてアノード電極2bとカソード電極2aとの間の所望の放電プラズマ生成空間3の外側でカソード電極2aの近くに配置され放電ガス中へ電子を供給する電子源10と、気密容器1内の放電プラズマ生成空間3で生成された放電プラズマのイオンから電子源10を保護する2つの保護部材21,22とを備えている。ここにおいて、各保護部材21,22は、それぞれ導電性材料により形成されていて電子源10から放出された電子を加速するためのグリッド電極を兼ねており、電子源10の電子放出方向において離間して配置されている。また、各保護部材21,22は、電子源10から放出された電子の通る複数の開口部21a,22aが形成されている。
本実施形態における放電ランプLaは、直管形の放電ランプであり、気密容器1が透光性材料(例えば、ガラス、透光性セラミックなど)により円筒状に形成され、気密容器1の長手方向の一端部(図1における左端部)にアノード電極2bが配置され、上記長手方向の他端部(図1における右端部)にカソード電極2aが配置されている。また、放電ランプLaは、上述の放電プラズマ生成補助装置が、カソード電極2aの近くでカソード電極2aに対してアノード電極2b側とは反対側に配置されている(要するに、電子源10および各保護部材21,22は、気密容器1内において放電プラズマ生成空間3の外に配置されている)。
電子源10は、図1(a),(b)に示すように、矩形板状の絶縁性基板(例えば、絶縁性を有するガラス基板、絶縁性を有するセラミック基板など)14の一表面上に金属膜(例えば、タングステン膜など)からなる下部電極15が形成され、下部電極15上に強電界ドリフト層16が形成され、強電界ドリフト層16上に導電性薄膜(例えば、金薄膜)よりなる表面電極17が形成されている。なお、表面電極17を構成する導電性薄膜の膜厚は10〜15nm程度に設定することが望ましいが、当該導電性薄膜は単層膜に限らず多層膜でもよい。
本実施形態における電子源10では、強電界ドリフト層16が電子通過層を構成しており、下部電極15と電子通過層たる強電界ドリフト層16と表面電極17とで表面電極17を通して電子を放出する電子源素子10aを構成している。
電子源素子10aの強電界ドリフト層16は、図2に示すように、少なくとも、下部電極15の表面側に列設された柱状の多結晶シリコンのグレイン(半導体結晶)51と、グレイン51の表面に形成された薄いシリコン酸化膜52と、グレイン51間に介在する多数のナノメータオーダのシリコン微結晶(半導体微結晶)63と、各シリコン微結晶63の表面に形成され当該シリコン微結晶63の結晶粒径よりも小さな膜厚の絶縁膜である多数のシリコン酸化膜64とから構成されている。ここに、各グレイン51は、下部電極15の厚み方向に延びている(つまり、絶縁性基板14の厚み方向に延びている)。
上述の電子源素子10aから電子を放出させるには、表面電極17が下部電極15に対して高電位側となるように表面電極17と下部電極15との間に駆動電圧を駆動電源(図示せず)から印加すれば、下部電極15から強電界ドリフト層16へ注入された電子が強電界ドリフト層16をドリフトし表面電極17を通して放出される。
ここに、本実施形態における電子源素子10aでは、表面電極17と下部電極15との間に印加する駆動電圧を10〜20V程度の低電圧としても電子を放出させることができる。なお、本実施形態の電子源素子10aは、電子放出特性の真空度依存性が小さく且つ電子放出時にポッピング現象が発生せず安定して電子を高い電子放出効率で放出することができるという特徴を有している。
本実施形態における電子源素子10aの基本構成は周知であり、次のようなモデルで電子放出が起こると考えられる。すなわち、表面電極17と下部電極15との間に表面電極17を高電位側として電圧を印加することにより、下部電極15から強電界ドリフト層16へ電子eが注入される。一方、強電界ドリフト層16に印加された電界の大部分はシリコン酸化膜64にかかるから、注入された電子eはシリコン酸化膜64にかかっている強電界により加速され、強電界ドリフト層16におけるグレイン51の間の領域を表面に向かって図2中の矢印の向き(図2における上向き)へドリフトし、表面電極17をトンネルし放出される。しかして、強電界ドリフト層16では下部電極15から注入された電子がシリコン微結晶63でほとんど散乱されることなくシリコン酸化膜64にかかっている電界で加速されてドリフトし、表面電極17を通して放出され(弾道型電子放出現象)、強電界ドリフト層16で発生した熱がグレイン51を通して放熱されるから、電子放出時にポッピング現象が発生せず、安定して電子を放出することができる。
なお、上述の電子源10では、表面電極17が電子放出部を構成している。また、上述の強電界ドリフト層16では、シリコン酸化膜64が絶縁膜を構成しており絶縁膜の形成に酸化プロセスを採用しているが、酸化プロセスの代わりに窒化プロセスないし酸窒化プロセスを採用してもよく、窒化プロセスを採用した場合には各シリコン酸化膜52,64がいずれもシリコン窒化膜となり、酸窒化プロセスを採用した場合には各シリコン酸化膜52,64がいずれもシリコン酸窒化膜となる。
また、上述の各保護部材21,22は、上記導電性材料(例えば、ニッケル、アルミニウム、ステンレスなど)により網状の形状に形成されており、該網状の各網目それぞれの部分が電子源10から放出された電子の通る開口部21a,22aを構成している。なお、本実施形態では、各保護部材21,22を網状の形状に形成してあるが、各保護部材21,22は、網状の形状に限らず、例えば、平板状の導電性基材に開口部21a,22aを設けたものでもよい。
本実施形態の放電プラズマ生成補助装置では、上記駆動電源から電子源10の表面電極17と下部電極15との間に例えば14V程度の直流電圧を印加するとともに、第1の加速用電源(図示せず)から第1の保護部材21と表面電極17との間に例えば100V程度の直流電圧を印加し、第2の加速用電源(図示せず)から第2の保護部材22と表面電極17との間に例えば90V程度の直流電圧を印加することにより、電子源10から放出された電子が第1の保護部材21および第2の保護部材22それぞれで加速されてアノード電極2bとカソード電極2aとの間の放電プラズマ生成空間3へ供給される。ここで、放電プラズマ生成補助装置を駆動する際の各構成要素の電位は、第1の保護部材21と第2の保護部材22との電位が互いに異なるように第1の保護部材21と第2の保護部材22との電位関係が設定され、第2の保護部材22の電位が、アノード電極2bの電位よりも低く且つカソード電極2aの電位よりも高い電位に設定されている。ここにおいて、第2の保護部材22の電位は、第2の保護部材22とアノード電極2bとの間の電位差(以下、第1の電位差と称す)が第2の保護部材22とアノード電極2bとの間の放電開始電圧よりも小さく、且つ、第2の保護部材22とカソード電極2aとの間の電位差(以下、第2の電位差と称す)が第2の保護部材22とカソード電極2aとの間の放電開始電圧よりも小さくなるように設定するのが望ましく、上記各電位差それぞれを放電開始電圧よりも低い放電維持電圧よりも小さくなるように設定するのがより望ましい。
なお、本実施形態では、アノード電極2bとカソード電極2aとの間に電圧を印加する電源VAK、上記駆動電源、上記第1の加速用電源、上記第2の加速用電源それぞれの出力電圧を例えばマイクロコンピュータからなる制御部(図示せず)によって制御しており、各保護部材21,22、アノード電極2b、カソード電極2aそれぞれの電位を上記制御部によって制御することで、上記電位関係を満足させるようにしてある。
以上説明した本実施形態の放電プラズマ生成補助装置によれば、電子源10の電子放出方向において離間して配置された第1の保護部材21および第2の保護部材22それぞれが電子源10から放出された電子の通る開口部21a,22aを有しているので、第1の保護部材21および第2の保護部材22それぞれの開口率を適宜設定することで電子源10へのイオンの衝突を抑制しつつ電子源10から放出された電子が各保護部材21,22に衝突したり捕らえられたりするのを抑制できて放電開始電圧を低減でき、しかも、第2の保護部材22の電位がアノード電極2bの電位よりも低く且つカソード電極2aの電位よりも高い電位に設定されているので、第2の保護部材22とアノード電極2bおよびカソード電極2aとの間それぞれでの不要な放電プラズマが起こるのを防止することができるから、電子源10に損傷が発生するのを抑制できて長寿命化を図れる。また、第2の保護部材22の電位が第1の保護部材21よりも低電位となるように上記電位関係が設定されているので、第1の保護部材21の開口部21aを通った電子が第2の保護部材22に捕らえられるのを抑制しつつ、気密容器1内においてアノード電極2bとカソード電極2aとの間で発生する放電プラズマのイオンに起因した電子源10のダメージを低減することができる。
また、本実施形態の放電プラズマ生成補助装置では、第2の保護部材22の開口率を第1の保護部材21の開口率よりも低くしてあるので、気密容器1内においてアノード電極2bとカソード電極2aとの間で発生する放電プラズマのイオンに起因した電子源10のダメージをより低減できる。ここにおいて、第1の保護部材21の開口部21aを電子源10の電子放出面に対応する形状に開口しておけば、電子源10から放出された電子を第1の保護部材21と電子源10との間の電界によって加速しつつ、電子源10から放出された電子が第1の保護部材21に捕獲される確率を低減することができる。
ところで、アノード電極2bとカソード電極2aとの間で放電プラズマが発生するのは、アノード電極2bとカソード電極2aとの間の距離をd、電子増倍率をα、カソード電極2aのイオンによる二次電子放出係数をγとすると、
γ>1/(eαd−1)
の関係を満たしたときであり、カソード電極2aにイオンが衝突して二次電子を発生させることでアノード電極2bとカソード電極2aとの間で放電が維持されるが、この原理はカソード電極2aと第2の保護部材22との間でも同様である。
そこで、第2の保護部材22とカソード電極2aとの距離をd、第2の保護部材22とカソード電極2aとの間の空間での電子増倍率をα、気密容器1内で発生する放電プラズマのイオンによる二次電子放出係数をγとするとき、第2の保護部材22の材料を、
γ≦1/(eαd−1)
の関係を満たす材料により形成すれば、第2の保護部材22とカソード電極2aとの間で不要な放電プラズマが発生するのを防止することができ、電子源10の長寿命化を図れる。
ここにおいて、γを低くするには、イオンに対する二次電子放出効率の低い材料を用いればよく、この種の材料としては、例えば、Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,C,Si,Mo,Tc,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,In,Sn,Sb,Te,Re,Os,Ir,Pt,Au,Hg,Tl,Pb,Bi,Poなどや、これらの酸化物、窒化物、炭化物などを用いることが望ましい。
また、第2の保護部材22の材料として、上述の材料以外の材料を用いても、αが、
α≦ln{(1/γ)+1}/d
の関係を満たすように第2の保護部材22の電位を設定することで、第2の保護部材22とカソード電極2aとの間で不要な放電プラズマが発生するのを防止することができ、電子源10の長寿命化を図れる。ここで、第2の保護部材22は、イオンに対する二次電子放出効率が低い方が望ましいが、放電プラズマ生成補助装置からの電子放出効率を向上させるためには、電子に対する二次電子放出効率が高い方が望ましい。
上述の実施形態における電子源10は、弾道型電子放出現象により電子を放出する電子源であって弾道電子面放出型電子源(Ballistic electron Surface-emitting Device:BSD)と呼ばれている。ここにおいて、電子源10はBSDに限らず、例えば、上述の電子通過層として強電界ドリフト層16に代えて絶縁体層を採用したMIM(Metal-Insulator-Metal)型の電子源、上述の電子通過層として強電界ドリフト層16に代えて下部電極15側の半導体層と表面電極17側の絶縁体層とを採用したMIS(Metal-Insulator-Semiconductor)型の電子源、スピント型の電子源、SCE(Surface Conduction Electron emitter)型の電子源、カーボンナノチューブエミッタを用いた電子源などを用いてもよいが、電子源10としてBSDを用いれば放電ガス中でも安定して電子を放出することができるので、電子源10としてBSDを用いることが望ましい。
実施形態を示し、(a)は放電プラズマ装置の概略構成図、(b)は放電プラズマ生成補助装置の概略断面図である。 同上に用いる電子源の動作説明図である。
符号の説明
1 気密容器
2a カソード電極
2b アノード電極
3 放電プラズマ生成空間
10 電子源
21 第1の保護部材
21a 開口部
22 第2の保護部材
22a 開口部
La 放電ランプ

Claims (6)

  1. 放電ガスが封入された気密容器と、気密容器内に配置されたアノード電極およびカソード電極とを備えた放電プラズマ装置に用いられ放電プラズマの生成を補助する放電プラズマ生成補助装置であって、気密容器内において放電プラズマ生成空間の外側でカソード電極の近くに配置され放電ガス中へ電子を供給する電子源と、電子源から放出された電子の通る開口部を有し且つ気密容器内で生成された放電プラズマのイオンから電子源を保護する2つの保護部材とを備え、両保護部材がそれぞれ導電性材料により形成されるとともに電子源の電子放出方向において離間して配置され、電子源に近い側の保護部材である第1の保護部材の電位が電子源よりも高電位となり且つ第1の保護部材と電子源から遠い側の保護部材である第2の保護部材との電位が互いに異なるように第1の保護部材と第2の保護部材との電位関係が設定され、第2の保護部材の電位が、アノード電極の電位よりも低く且つカソード電極の電位よりも高い電位に設定されてなることを特徴とする放電プラズマ生成補助装置。
  2. 前記第2の保護部材の電位が前記第1の保護部材よりも低電位となるように前記電位関係が設定されてなることを特徴とする請求項1記載の放電プラズマ生成補助装置。
  3. 前記第2の保護部材は、前記第1の保護部材よりも開口率が低いことを特徴とする請求項1または請求項2記載の放電プラズマ生成補助装置。
  4. 前記第1の保護部材は、前記開口部が前記電子源の電子放出面に対応する形状に開口されてなることを特徴とする請求項3記載の放電プラズマ生成補助装置。
  5. 前記第2の保護部材は、前記カソード電極との距離をd、前記カソード電極との間の空間での電子増倍率をα、前記気密容器内で発生する放電プラズマのイオンによる二次電子放出係数をγとするとき、
    γ≦1/(eαd−1)
    の関係を満たす材料により形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の放電プラズマ生成補助装置。
  6. 前記第2の保護部材は、前記カソード電極との距離をd、前記カソード電極との間の空間での電子増倍率をα、前記気密容器内で発生する放電プラズマのイオンによる二次電子放出係数をγとするとき、
    α≦ln{(1/γ)+1}/d
    の関係を満たすように電位が設定されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の放電プラズマ生成補助装置。
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