JP2007263775A - 角速度センサ素子 - Google Patents
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Abstract
【目的】小型化を促進して、検出感度を高めた角速度センサ素子を提供する
【構成】音叉基部から一対の音叉腕が延出した音叉状水晶片を備え、前記音叉腕の幅Wと厚みTとの辺比W/Tに起因した、音叉腕の幅方向となる音叉振動の振動周波数fdに対する音叉腕の厚み方向となる垂直振動の振動周波数fsの離調周波数Δfは、振動周波数fdに対して±4%以内とし、垂直振動の検出感度を高めた角速度センサ素子において、音叉基部は音叉腕の根元部を結合して底面を平坦とする音叉底部と、音叉底部の底面から突出して音叉底部よりも幅狭とした基部連結部と、基部連結部に接続して音叉底部の底面及び側面を囲む水平部及び両端側に垂直部を有するコ字状枠部とからなり、音叉基部の高さHと音叉腕の長さLとの寸法比H/Lを0.45以下とし、前記コ字状枠部の水平部は機械的な非拘束状態とし、前記コ字状枠部の両端側の垂直部を保持した構成とする。
【選択図】図1
【構成】音叉基部から一対の音叉腕が延出した音叉状水晶片を備え、前記音叉腕の幅Wと厚みTとの辺比W/Tに起因した、音叉腕の幅方向となる音叉振動の振動周波数fdに対する音叉腕の厚み方向となる垂直振動の振動周波数fsの離調周波数Δfは、振動周波数fdに対して±4%以内とし、垂直振動の検出感度を高めた角速度センサ素子において、音叉基部は音叉腕の根元部を結合して底面を平坦とする音叉底部と、音叉底部の底面から突出して音叉底部よりも幅狭とした基部連結部と、基部連結部に接続して音叉底部の底面及び側面を囲む水平部及び両端側に垂直部を有するコ字状枠部とからなり、音叉基部の高さHと音叉腕の長さLとの寸法比H/Lを0.45以下とし、前記コ字状枠部の水平部は機械的な非拘束状態とし、前記コ字状枠部の両端側の垂直部を保持した構成とする。
【選択図】図1
Description
本発明はコ字状枠部を音叉基部に有する音叉型水晶振動子を用いた角速度センサ素子を技術分野とし、特に、小型化しても角速度の検出感度を良好に維持した角速度センサ素子に関する。
(発明の背景)
角速度センサ素子は車の誘導装置(カーナビ)やカメラの手振れ防止等に適用され、需要も拡大の方向にある。このようなものの一つに、例えば本出願人による二枚の音叉状水晶片3を直接接合によって張り合わせたものがある(特許文献1)。
角速度センサ素子は車の誘導装置(カーナビ)やカメラの手振れ防止等に適用され、需要も拡大の方向にある。このようなものの一つに、例えば本出願人による二枚の音叉状水晶片3を直接接合によって張り合わせたものがある(特許文献1)。
(従来技術の一例)
第6図は一従来例を説明する図で、同図(a)は角速度センサ素子の外観図、同図(b)は結線関係を示す同上面図である。
第6図は一従来例を説明する図で、同図(a)は角速度センサ素子の外観図、同図(b)は結線関係を示す同上面図である。
角速度センサ素子は、音叉基部1とこれから延出した一対の音叉腕2(ab)とからなり、Zカットとした音叉状水晶片3を備える。音叉状水晶片3は、結晶軸(XYZ)におけるX軸の±方向を逆向きとした二枚の水晶片3(ab)を直接接合してなる。音叉状水晶片3の音叉腕2(ab)には駆動電極(D±)、センサ電極(S±)及びモニタ電極(M)を有する。
駆動電極(D±)のうちの(D−)は一方の音叉腕2aの一両主面及び他方の音叉腕2bの他主面に形成されて共通接続され、(D+)は一方の音叉腕2aの他主面に形成される。そして、駆動電極(D±)には図示しない発振回路からの互いに逆相の交番電圧V1、V2が印加される。
センサ電極(S±)は各音叉腕2(ab)の両側面に形成され、一対の内側面同士を(S+)、外側面同士を(S−)として共通接続する。そして、図示しない電荷検出回路に接続して、基準電圧Eo(直流)に設定される。モニタ電極(M)は他方の音叉腕2bの一主面に形成される。
これらの駆動電極(D±)、センサ電極S(±)及びモニタ電極(M)は、音叉基部1の一主面の引出端子4に図示しない配線路によって接続する。そして、音叉基部1の他主面を図示しない接着剤によって例えば角速度センサのパッケージに固着し、ワイヤーボンディング等によって一主面の引出端子4を外部に導出する。
このようなものでは、駆動電極(D±)は基準電位Eoとしてのセンサ電極S(±)との間で生ずる実線で示す電界によって、音叉腕2(ab)の幅方向となる音叉振動(水平振動)を励起する。センサ電極S(±)は、コリオリの力に伴う、音叉腕2(ab)の厚み方向となる垂直振動(板面に対する垂直方向への変位)によって生じる点線で示す電界に基づく電荷を検出する。
なお、直接接合による2枚の水晶片3(ab)はX軸の±方向が逆向きなので、各音叉腕2(ab)の内側面及び外側面には同符号の電荷が発生する。また、音叉振動及び垂直振動はそれぞれ一対の音叉腕2(ab)間では互いに逆方向となる。モニタ電極(M)は音叉振動による電荷を検出し、図示しないAGC回路等に接続して音叉振動の出力レベルを一定にする。これにより、コリオリの力に基づく角速度の検出感度を一定にする。
通常では、角速度の検出感度は、音叉振動の振動周波数(駆動周波数)fdに対する垂直振動の振動周波数(センサ周波数)fsが接近するほど高くなる「第7図(a)」。すなわち、駆動周波数fdに対するセンサ周波数fsの離調周波数Δf(fd−fs、但し、絶対値)が小さいほど検出感度が高い。この傾向は、駆動周波数fdに対し離調周波数Δfが±4%以下になると顕著になる。±3%以下になるとさらに顕著になる。
ただし、±0.5%以下になると音叉振動と垂直振動の独立性が低下し、角速度センサの安定性が低下して好ましくない。したがって、駆動周波数fdに対し離調周波数Δfが絶対値でいって0.5〜4%の範囲、好ましくは0.5〜3%の範囲となるように水晶片を設計するのが良い。なお、検出感度は1秒あたりの回転角1度に対する検出電圧(mV/度/秒)で表される。
このことから、例えば音叉振動の駆動周波数fdが17KHzの場合は、垂直振動のセンサ周波数fsを16.3〜16.9KHz程度として接近させ、離調周波数Δfを100〜600Hz程度にしていた。この場合、駆動周波数fd及びセンサ周波数fsは、音叉腕2(ab)の長さLと幅W及び厚みTとの辺比W/L2及び辺比T/L2を支配的として決定されるので、幅Wと厚みTとの辺比W/Tは概ね0.85〜1.15、すなわち概ね1になる。
特開2005−241606号公報「第4図(ab)」
特開2004−343541号公報「第7図(b)」
(従来技術の問題点)
しかしながら、上記構成の角速度センサ素子では、角速度の検出感度を高めるため、前述した離調周波数Δfを小さくすべく、音叉腕2(ab)の幅Wと厚みTとをほぼ同一にする「寸法関係は第7図(b)参照」。この場合、寸法比W/T比が1に接近するほど、音叉振動を駆動すると、斜め振動「第7図(c)の矢印A方向」を生じやすくなる。これにより、音叉振動は、実質的に、水平成分(水平振動、矢印B)と垂直成分(垂直振動、矢印C)とを含む斜め振動になる。
しかしながら、上記構成の角速度センサ素子では、角速度の検出感度を高めるため、前述した離調周波数Δfを小さくすべく、音叉腕2(ab)の幅Wと厚みTとをほぼ同一にする「寸法関係は第7図(b)参照」。この場合、寸法比W/T比が1に接近するほど、音叉振動を駆動すると、斜め振動「第7図(c)の矢印A方向」を生じやすくなる。これにより、音叉振動は、実質的に、水平成分(水平振動、矢印B)と垂直成分(垂直振動、矢印C)とを含む斜め振動になる。
ここで、水平振動(純粋な音叉振動)と垂直振動とを比較すると、水平振動は一対の音叉腕2(ab)が音叉溝底部を中心(支点)として、互いに逆方向の水平方向に振動する。したがって、音叉基部1の長さ(高さ)Laが比較的に短くても、音叉基部1の底端側には水平振動による振動変位は生じにくい。これに対し、垂直振動は一対の音叉腕2(ab)が単に互いに逆方向の垂直方向に振動する。したがって、音叉基部1の高さLaを大きくしないと、音叉基部1の底端側にも垂直振動による振動変位を生ずる。
これらのことから、音叉基部1の高さを同一として、音叉基部1の底端側を保持(拘束)すると、水平振動(音叉振動)への影響は少なく、垂直振動への影響は大きくなる。したがって、音叉振動が斜め振動となった場合は、斜め振動による駆動周波数fdも変化するものの、垂直振動によるセンサ周波数fsの変化はさらに大きくなる。
これらにより、従来では、音叉状水晶片3の全長Lを短縮して小型化するに際し、音叉基部1の高さLaが小さくなる程、角速度の検出感度を高めるための、駆動周波数fdに対する垂直振動fsの離調周波数Δfの制御を困難にする。そして、離調周波数Δf及びこれによる検出感度が均一化せずにバラツキが大きくなる問題があった。また、駆動周波数fdとなる斜め振動の振動エネルギーが音叉基部1の底端側(固着部)から外部に漏洩するので、クリスタルインピーダンスも大きくなる問題があった。
さらに、音叉振動(斜め振動)の駆動時には、コリオリの力が作用しなくても、斜め振動の垂直成分によって、センサ電極S(±)に電荷が検出される。したがって、これが雑音成分となるので検出精度を低下させる。通常では、斜め振動が極力少なくなるように音叉形状を機械的に調整するが、例えば落下衝撃を含めた外部衝撃等があった場合は、垂直振動の変位部である保持部の底端側に直接的に影響を及ぼして、センサ電極S(±)に電荷を生じさせて衝撃雑音となる問題もあった。
なお、音叉基部1の高さLaが大きいほど、水平成分及び垂直成分のいずれも減衰して、音叉基部1の底端側を保持する影響は排除できる。しかし、この場合は、音叉状水晶片3の長さLも大きくなって小型化を阻害する。したがって、現実には、音叉基部1の高さは極力小さく設定せざるを得ない。
また、角速度センサ素子に及ぶコリオリの力Fcは「Fc=2mvω」で示されるように、音叉腕2(ab)の質量mに依存する(但し、vは音叉腕2(ab)の水平方向の振動速度、ωは角速度である)。したがって、小型化を促進すべく音叉状水晶片3を短くした上で、検出感度を高めるために音叉腕2(ab)の長さLbを極力長くして質量を大きくすることが求められる。もちろん、腕(2ab)の幅を広くして駆動周波数fdを高くする(速度vを早くする)ことを併用するのが好ましい。
(発明の目的)
本発明は小型化を促進して、検出感度を高めた角速度センサ素子を提供することを目的とする。
本発明は小型化を促進して、検出感度を高めた角速度センサ素子を提供することを目的とする。
(発想及び本発明の想到)
本発明は特許文献2で示されるようなコ字状枠部を有する音叉状水晶片を発想し、有限要素法によって検証した音叉振動時の変位分布に基づき、本発明を想到した。すなわち、有限要素法での変位分布によれば、コ字状枠部の両端側の垂直部では殆ど無変位となることが検証され、このことからコ字状枠部の垂直部を固定端(保持部)とすることを想到した。
本発明は特許文献2で示されるようなコ字状枠部を有する音叉状水晶片を発想し、有限要素法によって検証した音叉振動時の変位分布に基づき、本発明を想到した。すなわち、有限要素法での変位分布によれば、コ字状枠部の両端側の垂直部では殆ど無変位となることが検証され、このことからコ字状枠部の垂直部を固定端(保持部)とすることを想到した。
(解決手段)
本発明は、特許請求の範囲(請求項1)に示したように、音叉基部から一対の音叉腕が延出した音叉状水晶片を備え、前記音叉腕の幅Wと厚みTとの辺比W/Tに起因した、前記音叉腕の幅方向となる音叉振動の振動周波数fdに対する前記音叉腕の厚み方向となる垂直振動の振動周波数fsの離調周波数Δfは、前記振動周波数fdに対し±4%以内とし、前記垂直振動の検出感度を高めた角速度センサ素子において、前記音叉基部は前記音叉腕の根元部を結合して底面を平坦とする音叉底部と、前記音叉底部の底面から突出して前記音叉底部よりも幅狭とした基部連結部と、前記基部連結部に接続して前記音叉底部の底面及び側面を囲む水平部及び両端側に垂直部を有するコ字状枠部とからなり、前記音叉基部の高さLaと前記音叉腕の長さLbとの寸法比La/Lbを0.45以下とし、前記コ字状枠部の水平部は機械的な非拘束状態とし、前記コ字状枠部の両端側の垂直部を保持した構成とする。
本発明は、特許請求の範囲(請求項1)に示したように、音叉基部から一対の音叉腕が延出した音叉状水晶片を備え、前記音叉腕の幅Wと厚みTとの辺比W/Tに起因した、前記音叉腕の幅方向となる音叉振動の振動周波数fdに対する前記音叉腕の厚み方向となる垂直振動の振動周波数fsの離調周波数Δfは、前記振動周波数fdに対し±4%以内とし、前記垂直振動の検出感度を高めた角速度センサ素子において、前記音叉基部は前記音叉腕の根元部を結合して底面を平坦とする音叉底部と、前記音叉底部の底面から突出して前記音叉底部よりも幅狭とした基部連結部と、前記基部連結部に接続して前記音叉底部の底面及び側面を囲む水平部及び両端側に垂直部を有するコ字状枠部とからなり、前記音叉基部の高さLaと前記音叉腕の長さLbとの寸法比La/Lbを0.45以下とし、前記コ字状枠部の水平部は機械的な非拘束状態とし、前記コ字状枠部の両端側の垂直部を保持した構成とする。
このような構成であれば、音叉振動のfdに対する離調周波数Δfが±4%以内なので、垂直振動の周波数fsは音叉振動の振動周波数(駆動周波数)fdに接近する。但し、好ましく絶対値でいって0.5〜4%以内、より好ましくは0.5〜3%以内とする。また、音叉基部の高さLaと音叉腕の長さLbとの寸法比La/Lbを0.45以下とするので、音叉状水晶片の長さを短くしても、音叉腕の長さを大きくして質量を大きくできる。したがって、角速度の検出感度を基本的に高められる。
ここで、音叉基部の高さLaと音叉腕の長さLbとの寸法比La/Lbを0.45以下とした理由は、この比がこれ以上大きいと音叉の全長を小さくする実効が得にくい。この比を可能な限り小さくし(例えば、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.38以下、さらに好ましくは0.35以下にし)音叉の全長を小型化するためである。
この場合、離調周波数Δfを小さくするので、音叉腕の幅Wと厚みTとの辺比W/Tはほぼ0.85〜1.15すなわち概ね1になり、前述したように音叉振動は垂直成分を含んだ斜め振動になる。したがって、音叉基部の底端側では、水平振動のみの場合に比較して振動変位が大きくなる。しかし、ここでは、音叉基部にコ字状枠部7を設けて、コ字状枠部の垂直部を保持するので、水平及び垂直成分を含む斜め振動系への影響を軽減できる。
すなわち、本発明の着目点で示したように、有限要素法による解析によれば、音叉腕の幅Wと厚みTとの寸法比W/T比をほぼ1として音叉振動(斜め振動)させると、コ字状枠部の水平部に斜め振動による変位が生じても、コ字状枠部の垂直部には変位は殆ど生じない。したがって、コ字状枠部の垂直部を保持しても、水平及び垂直成分を含む斜め振動系への影響を軽減できる。
要するに、斜め振動中の水平成分は、音叉溝部を支点として水平方向の反対方向に振動するので、音叉底部では相殺されやすく、音叉底部での底面側での変位は小さい。したがって、水平成分は、コ字状枠部の基部連結部(幅狭部)によって、コ字状枠部への音響的結合が遮断される。これにより、コ字状枠部の水平部では水平成分による振動変位は殆ど生じない。
また、斜め振動中の垂直成分は、板面に対して垂直方向に振動するので、音叉底部では相殺されにくく、音叉底部での底面側での変位は大きい。したがって、垂直成分は基部連結部では音響的に充分に遮断されず、コ字状枠部の水平部に伝播する。しかし、垂直成分は幅広の水平部にて分散して吸収される。これにより、コ字状枠部の垂直部では垂直成分による振動変位は殆ど生じない。これらのことから、コ字状枠部の垂直部には、特に垂直成分を主とした斜め振動による変位は殆ど生じない。
したがって、本発明の構成によれば、コ字状枠部の水平部を非拘束状態として垂直部を保持するので、水平部での振動変位は分散・吸収して減衰することから、垂直部を保持しても振動系に与える影響も殆どない。これにより、音叉振動の駆動周波数fdを含め、特にセンサ周波数fsの変化を小さくできる。したがって、センサ周波数fsの離調周波数Δfを規格内に容易に制御でき、角速度の検出感度を高めてバラツキを小さくする。
そして、特に、基部連結部6及びコ字状枠部7によって斜め振動の変位を抑制できるので、音叉基部の高さを大きくすることなく、音叉基部の高さLaと音叉腕の長さLbとの寸法比La/Lbを0.45以下、さらには0.35以下にできる。すなわち、音叉状水晶片の全長に対して音叉腕をより長くし易くなるので、従来構造に比較して音叉腕の質量を大きくできる。
(実施態様項)
本発明の請求項2では、請求項1において、前記音叉底部と前記水平部との間に第1括れ部を有し、前記基部連結部と結合する水平部の中央部分から両側に第2括れ部を有する。これにより、第1括れ部P及び第2括れ部での音響的遮断及び分散・吸収によって斜め振動の減衰を大きくでき、請求項1での効果をさらに高める。
本発明の請求項2では、請求項1において、前記音叉底部と前記水平部との間に第1括れ部を有し、前記基部連結部と結合する水平部の中央部分から両側に第2括れ部を有する。これにより、第1括れ部P及び第2括れ部での音響的遮断及び分散・吸収によって斜め振動の減衰を大きくでき、請求項1での効果をさらに高める。
同請求項3では、請求項2において、前記第1括れ部及び第2括れ部は幅が除々に狭まる。これにより、例えば括れ部が直角状(I字状)とした場合に比較し、機械的強度を高める。この場合でも、第1及び第2括れ部での中央での最も幅狭部に音響的な遮断効果があるので、振動変位の伝播を抑制する。
同請求項4では、請求項1において、前記一対の音叉腕には少なくとも音叉振動の駆動電極と垂直振動のセンサ電極とを有し、前記駆動電極及び前記センサ電極は前記コ字状枠部の垂直部に設けられた引出端子と配配線路によって接続し、前記配線路を含む引出端子は前記音叉状水晶片を二等分する中心線に対して幾何学的に対称に配置される。
これにより、音叉状水晶片の対称性を維持するので機械的には斜め振動等の発生を抑制し、電気的にも対称性を維持するので、例えば配線路を同一として両音叉腕間でのインピーダンスを均一にして振動効率を高める。この場合、小型化が進行するほど、その効果が期待できる。
同請求項5では、請求項1において、前記音叉状水晶片はX軸方向を逆向きとして直接接合した2枚の水晶片からなり、前記一対の音叉腕のうちの一方の音叉腕の一主面及び他主面には駆動電極を、内側面及び外側面にはセンサ電極を有し、前記一対の音叉腕のうちの他方の音叉腕の一主面にはモニタ電極を、他主面には駆動電極を、両側面にはセンサ電極を有し、前記コ字状枠部の水平部の中央部には前記一対の音叉腕の内側面のセンサ電極と接続する引出端子を有し、前記コ字状枠部の一方の垂直部の上部には前記一方の音叉腕の他主面の駆動電極と接続する引出端子を、前記一方の垂直部の中央部には前記一方の音叉腕の外側面のセンサ電極と接続する引出端子を、前記一方の垂直部の下部には前記一方の音叉腕の一主面の駆動電極と接続する引出端子を有し、前記コ字状枠部の他方の垂直部の上部には前記他方の音叉腕の他主面の駆動電極と接続する引出端子を、前記他方の垂直部の中央部には前記他方の音叉腕の外側面のセンサ電極と接続する引出端子を、前記他方の垂直部の下部には前記他方の音叉腕の一主面の駆動電極と接続する引出端子を有する。
また、同請求項6では、請求項5において、前記一方の垂直部の中央部に設けられて前記一方の音叉腕の外側面のセンサ電極と接続する引出端子と、前記他方の垂直部の中央部に設けられて前記他方の音叉腕の外側面のセンサ電極と接続する引出端子とは、前記コ字状枠部の水平部を経て共通接続される。これらの請求項5及び6により、請求項4での構成をさらに明確にして具体的にする。
(第1実施形態)
第1図は本発明の第1実施形態を説明する角速度センサ素子の正面図である。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
第1図は本発明の第1実施形態を説明する角速度センサ素子の正面図である。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
角速度センサ素子は、前述したように、Zカットとした2枚の水晶片3(ab)を直接接合してなり「前第4図(a)参照」、一対の音叉腕2(ab)が音叉基部1から延出した音叉状水晶片3を備える。一対の音叉腕2(ab)は、音叉振動を励起する駆動電極(D±)、コリオリの力による角速度を検出するセンサ電極S(±)、及び音叉振動のレベルを検出するモニタ電極(M)を有する。そして、前述同様に結線される「前第4図(b)参照」。
音叉基部1は、音叉底部5と基部連結部6とコ字状枠部7とからなる。なお、図中の細線は区分を示し、実像ではない。音叉底部5は一対の音叉腕2(ab)の根元部を結合して底面を平坦とする領域を指す。基部連結部6は音叉底部5よりも幅狭とし、この例では音叉底部5の底面から延出して除々に幅が狭まる山状部の先端側に最小幅部を有する。最小幅部は山状部の先端側の最も狭い幅とし、コ字状枠部7と連結する。
コ字状枠部7は水平部7aと両端側の垂直部7bとからなり、音叉底部5及び側面を取り囲む。コ字状枠部7の水平部7aは音叉底部5と対向する上辺の中央領域に山状部を有し、中央部の両側には三角状の凹部(谷部)を有する。中央領域の山状部の先端となる中央部(最小幅部)は、基部連結部6の最小幅部に結合する。これにより、音叉底部5とコ字状枠部7の水平部7aとの間には、上下両端側から除々に幅が狭まる山状部を有する第1括れ部Pが形成される。
また、コ字状枠部7の水平部7aの下辺(底辺)には少なくとも上辺の谷部を対向する凹状とした長溝8を有する。これにより、水平部7aの中央部の両側に、上辺の谷部と下辺の長溝8とによって幅が除々に狭くなる第2括れ部Q(1、2)が形成される。コ字状枠部7の垂直部7bは水平部7aの両端側に結合して、音叉底部5の側面を越えて音叉腕2(ab)の外側面領域にまで延出する。
ちなみに、音叉状水晶片3の全長Lは2.2mm、音叉腕2(ab)の溝底面からの長さLbは1.56mm、音叉基部1の溝底面から基部底面の高さ(長さ)Laは0.64mmであり、各音叉腕2(ab)の幅Wは0.217mm、同厚みTは0.24mm、即ち辺比W/Tは0.90、第1括れ部の幅は0.32mm、第2括れ部の幅は0.21mm、駆動周波数は65.696KHz、センサ周波数は67.457KHz、離調周波数Δf(fd−fs)は−1761Hzである。よって、fdに対しΔfが−2.6%であり、La/Lbは、約0.41の水晶片である。
そして、コ字状枠部7の水平部7aの長さL1は0.97mm、同垂直部7bの長さL2は0.7mm、音叉状水晶片3の全幅L3は1.27mmである。なお、コ字状枠部7のこれ以外の寸法は省略する。また、上記中の音叉基部1等の形状は直線的に図示したが、これらは水晶ウェハのエッチング加工によって形成されるので、実製品においては必ずしも直線状にはならない。
第2図は上記素子寸法で作成した有限要素法モデルを音叉振動させて、有限要素法による解析結果である応力分布を示した図である。これにより、音叉振動で生じる応力は、コ字状枠部7の水平部7aまでで停止し、垂直部7bは振動の影響を受けていないことを理解できる。
このように振動漏れ等が抑制されるので、コ字状枠部7における両側の垂直部7bの一主面(裏面)を、例えば図示しない容器本体の内底面となる基板上に接着剤によって固着する。この場合、コ字状枠部7の水平部7aは固着せず、機械的には一主面が自由面となる非拘束状態とする。要するに、コ字状枠部7の垂直部7b以外は非拘束状態として自由面とし、一対の音叉腕2(ab)による音叉振動を固着部の影響を受けずに自由にする。
さらに、コ字状枠部7の他主面(表面)には、駆動電極(D±)、センサ電極S(±)及びモニタ電極(M)と接続する引出端子4が形成される。なお、これらの引出端子4の配置及び接続関係は、便宜的に第2実施形態で説明する。そして、図示しないワイヤーボンディングによる金線によって、外部に導出される。
このような構成であれば、発明の効果の欄で述べたように、離調周波数Δfを小さくして角速度の検出感度を高めるため、音叉腕2(ab)の幅Wと厚みHとの辺比W/T比をほぼ1にできる。したがって、前述したように、駆動周波数fdとしての音叉振動は、水平成分に垂直成分が付加された斜め振動となる。この場合、斜め振動の垂直成分は水平成分よりも音叉基部の底端側にまで変位が及ぶ。これにより、結果的に、斜め振動は純粋な音叉振動(水平振動)よりも音叉基部の底端側にまで変位が及ぶ。
しかし、ここでは、コ字状枠部7の両端側の垂直部7bのみを固着して拘束し、水平部7aは非拘束状態としている。また、基部連結部6とコ字状枠部7の水平部7aとの間には第1括れ部Pを、水平部7aには第2括れ部Q(1、2)有する。したがって、斜め振動は基本的に第1括れ部Pで音響的に遮断され、さらに中央部から両側に伝播した斜め振動は非拘束状態とした幅広の水平部7aにて分散・吸収される。
これにより、斜め振動はコ字状枠部7の垂直部7b以前で減衰し、垂直部7bには殆ど伝播されない。したがって、垂直部7bには斜め振動による変位を殆ど生じないので、ここを固着(保持)して拘束しても、駆動周波数fdとなる斜め振動の振動系には影響を与えない。
ここでは、コ字状枠部7の水平部7aの中央部に伝播した斜め振動は、第2括れ部Q(1、2)によってさらに音響的に遮断されて分散・吸収されるので、垂直部7bでの変位をさらに小さくして斜め振動の振動系に与える影響を少なくできる。また、垂直部7bは水平部7aの両端側で上方向のみならず下方向にも突出するので、斜め振動が上下方向にも伝播するので、分散・吸収されやすい。
したがって、本実施形態では、駆動周波数fdは勿論として、特に振動変位が基部底端に及んで固着時の影響が大きい垂直成分によるセンサ周波数fsの変化を防止できる。これにより、駆動周波数fdを含めて、固着時におけるセンサ周波数fsの変化を小さくするので、離調周波数Δfを初期の設定値内にして、その制御(調整作業)をも容易にする。
その結果、離調周波数Δfを初期設定の通りに小さくできるので、角速度の検出感度を高めるとともにバラツキを小さくできる。さらには、音叉振動ここでは斜め振動の振動エネルギーが固着部から外部に漏洩しないので、クリスタルインピーダンスを小さく維持でき、例えば発振回路の回路設計を容易にする。
ちなみに、水平部7aを固着して拘束したとすると、水平部7aに伝播した斜め振動の振動系に影響を与えて、特に垂直振動によるセンサ周波数fsを変化させる。したがって、離調周波数Δfの設計及び制御を困難にする。また、振動エネルギーが外部に漏洩するので、斜め振動による駆動周波数fdのクリスタルインピーダンスを大きくする。これは、音叉振動(斜め振動)による駆動周波数fdの発振を危うくするととともに、回路設計を複雑にする。
これらのことから、コ字状枠部7を有する音叉基部1によって斜め振動の底端側での変位を抑制できるので、音叉基部1の高さを大きくすることなく、音叉基部1の高さLaと音叉腕2の長さLbとの寸法比La/Lbを0.45以下にでき、全長Lに対する音叉腕2の長さLbの寸法比Lb/Lは0.71になる。これにより、音叉状水晶片3の全長Lを短縮しても、全長Lに対して音叉腕2(ab)を長くし、従来構造に比較して音叉腕2(ab)の質量を大きくできて、検出感度を高められる。
また、音叉基部1の第1括れ部P及び第2括れ部Q(1、2)は幅が除々に狭くなるので、例えば直角状として同一幅とした場合に比較し、機械的強度を高める。そして、第1及び第2括れ部Q(1、2)での中央部での最も幅狭部に音響的な遮断効果があるので、振動変位の伝播を抑制する。
(第2実施形態)
第3図は本発明の第2実施形態を説明する図で、同図(a)は角速度センサ素子の特に引出端子の配置及び接続関係を説明する平面図、同図(b)は裏面図である。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
第3図は本発明の第2実施形態を説明する図で、同図(a)は角速度センサ素子の特に引出端子の配置及び接続関係を説明する平面図、同図(b)は裏面図である。なお、前従来例と同一部分には同番号を付与してその説明は簡略又は省略する。
角速度センサ素子は、第1実施形態で説明した通り、音叉底部5、基部連結部6及びコ字状枠部7からなる音叉基部1を有し、一対の音叉腕2(ab)が延出する。一方の音叉腕2aには、従来例で示した通り、両主面に駆動電極(D±)を、両側面にセンサ電極S(±)を有する。また、他方の音叉腕2bには一方の主面にモニタ電極(M)を、他方の主面に駆動電極(D−)を有し、両側面にセンサ電極S(±)を有する。これらは前述のように結線され「前第4図(b)参照」、各電極と接続する引出端子4はいずれもコ字状枠部7の表面に形成される。
そして、第2実施形態では、一対の音叉腕2(ab)における内側面のセンサ電極(S+)と共通接続するセンサ引出端子4(S+)は、表面の配線路9を経てコ字状枠部7のコ字状枠部7(水平部7a)の中央部に設けられる。外側面のセンサ電極(S−)と共通接続するセンサ引出端子4(S−)は表面の配線路9を経てコ字状枠部7の両側の垂直部7bの中央部に設けられ、水平部7aの下辺側の配線路9を経て共通接続する。
一方の音叉腕2aの一主面の駆動電極(D−)と接続する駆動引出端子4(D−)は、コ字状枠部7の一方の垂直部7bの下部に設けられる。一方の音叉腕2aの他主面の駆動電極(D+)と接続する駆動引出端子4(D+)は、コ字状枠部7の裏面の配線路9及び側面を経て一方の垂直部7bの上部に設けられる。また、他方の音叉腕2(ab)の他主面の駆動電極(D−)と接続する駆動引出端子4(D−)はコ字状枠部7の裏面の配線路9及び側面を経てコ字状枠部7の他方の垂直部7bの上部に設けられる。
そして、一方の音叉腕2aの一主面と他方の音叉腕2bの他主面との駆動引出端子4(D−)は、ワイヤーボンディングによる金線によって外部に導出される。そして、図示しない基板側の回路端子に接続して共通接続される。他方の音叉腕2bの一主面のモニタ電極(M)と接続するモニタ引出端子4(M)は、表面の配線路9を経てコ字状枠部7の他方の垂直部7bの下部に設けられる。これらの各引出端子4は音叉状水晶片3を二等分する中心線に対して幾何学的に対称に配置される。
このような引出端子4の配置及び接続関係であれば、各引出端子4にはワイヤーボンディングによる金線が接続するので、基本的には金線のたわみ等によって斜め振動の振動系に与える影響は小さいものの、センサ引出端子4(S+)を除く各引出端子4を振動変位の殆どないコ字状枠部7の垂直部7bに設ける。したがって、ワイヤーボンディングの金線による音響的結合を防止し、これによる振動系への影響をさらに避けられる。
また、各音叉腕2(ab)の他主面の駆動電極D(±)は音叉基部の裏面を経て各垂直部7bの上部のセンサ引出端子4(D±)に接続し、一方の音叉腕2aの一主面と他方の音叉腕2bの他主面との駆動引出端子4(D−)はそれぞれ独立した駆動引出端子4(D−)とする。そして、両端側の垂直部7bのセンサ引出端子4(S−)は水平部7aの下辺側を経て共通接続する。したがって、各配線路9が交差することなく、コ字状枠部7の表面のみに各引出端子4を形成できる。そして、裏面を利用したことで、第1括れ部に配線が集中するのを低減できる。
また、一対の音叉腕2aの外側面のセンサ電極(S−)とを共通接続する垂直部7bの中央部のセンサ引出端子4(S−)は、いずれか一方からワイヤーボンディングによって金線を導出できるので、ワイヤーボンディング時の自由度が増す。なお、いずれか一方のセンサ端子4(S−)は単なる配線路9であってもよいことは勿論である。
さらに、これらの各引出端子7は、センサ引出端子4(S+)が位置して音叉状水晶片3を二等分する中心線に対し、幾何学的にほぼ対称に配置されるので、音叉状水晶片3の中心線に対する対称性を維持する。したがって、機械的には、両音叉腕2(ab)の非対称性による斜め振動等の発生を防止できる。また、配線路9を含めて、電気的な対称性をも維持するので、両音叉腕2(ab)間でのインピーダンスを均一にして、振動効率を高められる。
(他の事項)
上記実施形態ではコ字状枠部7の水平部7bの下辺に長溝8を設けるとしたが、第4図(a)に示したように、水平部7aの全長において幅を狭くしても同様である。また、同図(b)に示したように、水平部7bの下辺に谷部を設けて括れ部Q(1、2)を設けてもよい。要は、括れ部Q(1、2)の最小幅部が小さいほど効果は高まるが、これらは強度との観点から決定される。但し、いずれかい一方に谷部を設けて括れ部Q(1、2)とすることができる。
上記実施形態ではコ字状枠部7の水平部7bの下辺に長溝8を設けるとしたが、第4図(a)に示したように、水平部7aの全長において幅を狭くしても同様である。また、同図(b)に示したように、水平部7bの下辺に谷部を設けて括れ部Q(1、2)を設けてもよい。要は、括れ部Q(1、2)の最小幅部が小さいほど効果は高まるが、これらは強度との観点から決定される。但し、いずれかい一方に谷部を設けて括れ部Q(1、2)とすることができる。
また、他方の音叉腕2bにはモニタ電極(M)を設けたが、他の手段によって一定にする場合、音叉振動のレベルが安定な場合、規格が緩い場合等は必ずしも必要ではなく、この場合は駆動電極(D+)として適用してもよい。この場合は、音叉振動がさらに強勢になるので、振動効率が高まる。
また、音叉状水晶片3は直接接合による2枚の水晶片3(ab)から形成したが、単板であったとしても本発明のコ字状枠部7を有して垂直部7bのみを保持する構成は適用できる。但し、この場合は、各音叉腕2(ab)の内外側面に設けられるセンサ電極Sのうちの、いずれか一方例えば外側面では分割され(S±)となる。
また、一対の音叉腕2(ab)は根元部から先端側まで同一幅としたが、例えば第5図に示したようにしてもよい。すなわち、各音叉腕2(ab)の先端側にそれぞれ外方に向かう重錘としての突出部9を付加してもよい。
さらに、各引出端子4はワイヤーボンディングによって外部に導出したが、例えば超音波熱圧着によるフリップチップボンディングによって、基板に対して直接的に電気的・機械的に接続することもできる。そして、上記実施例では水晶音叉の例を挙げたが、音叉の構成材料はこれに限られない。例えば、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、圧電膜を設けたシリコン等、任意好適な材料であってもよい。
1 音叉基部、2 音叉腕、3 音叉状水晶片、4 引出端子、5 音叉底部、6 基部連結部、7 コ字状枠部、8 長溝、9 配線路、10 突出部。
Claims (6)
- 音叉基部から一対の音叉腕が延出した音叉状水晶片を備え、前記音叉腕の幅Wと厚みTとの辺比W/Tに起因した、前記音叉腕の幅方向となる音叉振動の振動周波数fdに対する前記音叉腕の厚み方向となる垂直振動の振動周波数fsの離調周波数Δfは、前記振動周波数fdに対し±4%以内とし、前記垂直振動の検出感度を高めた角速度センサ素子において、
前記音叉基部は前記音叉腕の根元部を結合して底面を平坦とする音叉底部と、前記音叉底部の底面から突出して前記音叉底部よりも幅狭とした基部連結部と、前記基部連結部に接続して前記音叉底部の底面及び側面を囲む水平部及び両端側に垂直部を有するコ字状枠部とからなり、
前記音叉基部の高さLaと前記音叉腕の長さLbとの寸法比La/Lbを0.45以下とし、前記コ字状枠部の水平部は機械的な非拘束状態とし、前記コ字状枠部の両端側の垂直部を保持したことを特徴とする角速度センサ素子。 - 請求項1において、前記音叉底部と前記水平部との間に第1括れ部を有し、前記基部連結部と結合する前記水平部の中央部分から両側に第2括れ部を有する角速度センサ素子。
- 請求項2において、前記第1括れ部及び第2括れ部は幅が除々に狭まる角速度センサ素子。
- 請求項1において、前記一対の音叉腕は少なくとも音叉振動の駆動電極と垂直振動のセンサ電極とを有し、前記駆動電極及び前記センサ電極は前記コ字状枠部の垂直部に設けられた引出端子と配線路によって接続し、前記配線路を含む引出端子は前記音叉状水晶片を二等分する中心線に対して幾何学的に対称に配置された構成とする。
- 請求項1において、前記音叉状水晶片はX軸方向を逆向きとして直接接合した2枚の水晶片からなり、
前記一対の音叉腕のうちの一方の音叉腕の一主面及び他主面には駆動電極を、内側面及び外側面にはセンサ電極を有し、前記一対の音叉腕のうちの他方の音叉腕の一主面にはモニタ電極を、他主面には駆動電極を、両側面にはセンサ電極を有し、
前記コ字状枠部の水平部の中央部には前記一対の音叉腕の内側面のセンサ電極と接続する引出端子を有し、
前記コ字状枠部の一方の垂直部の上部には前記一方の音叉腕の他主面の駆動電極と接続する引出端子を、前記一方の垂直部の中央部には前記一方の音叉腕の外側面のセンサ電極と接続する引出端子を、前記一方の垂直部の下部には前記一方の音叉腕の一主面の駆動電極と接続する引出端子を有し、
前記コ字状枠部の他方の垂直部の上部には前記他方の音叉腕の他主面の駆動電極と接続する引出端子を、前記他方の垂直部の中央部には前記他方の音叉腕の外側面のセンサ電極と接続する引出端子を、前記他方の垂直部の下部には前記他方の音叉腕の一主面の駆動電極と接続する引出端子を有する角速度センサ素子。 - 請求項5において、前記一方の垂直部の中央部に設けられて前記一方の音叉腕の外側面のセンサ電極と接続する引出端子と、前記他方の垂直部の中央部に設けられて前記他方の音叉腕の外側面のセンサ電極と接続する引出端子とは、前記コ字状枠部の水平部を経て共通接続された角速度センサ素子。
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