JP2007262998A - ポンプ装置 - Google Patents

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雅史 井上
Shinichiro Araki
慎一郎 荒木
Hironori Hara
裕紀 原
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Abstract

【課題】ポンプ装置のメカニカルシールの耐久性向上や良好なシール性の維持が可能となるように、メカニカルシールの冷却効率を高めることができるポンプ装置を実現し、提供する。
【解決手段】本発明のポンプ装置では、メカニカルシール8のモータ側の摺動部89aおよび主ポンプ側の摺動部89bは、これらを冷却ポンプ用の冷却液7の通路に臨ませるように構成され、摺動部89aにおいて冷却ポンプ10が駆動されることに因る冷却液の流れを促進させるためのモータ側の冷却液案内手段63が装備され、摺動部89bにおいて冷却ポンプ10が駆動されることに因る冷却液7の流れを促進させるための主ポンプ側の冷却液案内手段64が装備されている。
【選択図】図3

Description

本発明はポンプ装置に係り、詳しくは、主軸を介してモータで駆動される流体吐出用の主ポンプと、モータと主ポンプとの間の主軸に設けられるメカニカルシールを収容するシール室と、モータを冷却すべく主軸によって駆動自在な状態でシール室に装備される冷却ポンプと、を有して成るポンプ装置に関する。
従来のポンプ装置は、特許文献1において開示されたもののように、装置下端部に配置される主ポンプが主軸を介して装置上部に配置されるモータで駆動される構造とされ、モータと主ポンプとの間には主軸を囲繞する状態のシール室が設けられている。シール室には、吐出流体がポンプ圧によってモータ側に及ぶのを阻止するためのメカニカルシールが収容されている。また、シール室には、モータを冷却するための冷却液を強制循環させる冷却ポンプが主軸によって駆動自在な状態で装備されている。前記特許文献1に示されたポンプ装置では、冷却ポンプの上下それぞれにメカニカルシールが装備されている。
実開昭59−43695号公報
メカニカルシールは回転環と静止環とを圧接させながら相対回転させる構造のシールであり、ほぼ完全に流体の漏れを阻止することが可能となるシール性に優れたものである。上記従来のポンプ装置においては、下側のメカニカルシールは主ポンプとシール室との間をシールし、上側のメカニカルシールはシール室とモータ室との間をシールするために装備されている。
前記特許文献1の第1図に示されるポンプ装置では、冷却ポンプの上下2ヶ所にメカニカルシールを備え、各メカニカルシールが冷却ポンプ用の冷却液に触れ得る状態で配置されている。しかしながら、各メカニカルシールは冷却液の主流からは離れた位置にあって、メカニカルシール部位では冷却液が淀んだ状態になるから、冷却液によるメカニカルシールの冷却効率は芳しいものではない。
従って、冷却液によるメカニカルシールの冷却が不十分になり、メカニカルシールの耐久性低下を招き易い問題が懸念される。また、その過熱状態での連続運転によってシール摺動面が荒れ、その荒れに起因してシール性が低下するというおそれもある。
本発明は、メカニカルシールの耐久性向上や良好なシール性の維持が可能となるように、メカニカルシールの冷却効率を高めることができるポンプ装置を実現し、提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、主軸を介してモータで駆動される流体吐出用の主ポンプと、前記モータと前記主ポンプとの間の前記主軸に設けられるメカニカルシールを収容するシール室と、前記モータを冷却すべく前記主軸によって駆動自在な状態で前記シール室に装備される冷却ポンプと、を有して成るポンプ装置であって、前記メカニカルシールの摺動部を、前記冷却ポンプ用の冷却液の通路に臨ませるとともに、前記冷却ポンプが駆動されることに因る冷却液の流れを前記摺動部の周囲において促進させるための冷却液案内手段が装備されることにより、上記目的が達成される。
請求項2に係る発明は、請求項1の発明において、前記冷却液の通路が、前記シール室に形成される前記冷却ポンプに対する吸込み空間であり、前記冷却液案内手段は、前記冷却ポンプに戻ってくる戻り冷却液を前記摺動部又はその付近を通してから前記冷却ポンプの吸込み口に向かわせる迂回路を形成するための仕切部材で構成されていることを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のポンプ装置において、前記仕切部材は、前記メカニカルシールの外径側に形成される前記吸い込み空間を、戻り冷却液が前記摺動部又はその付近を通らずに前記吸込み口に向う直行路と前記迂回路とに仕切る板材で構成されるとともに、前記直行路と前記迂回路との冷却液の流量比率を可変設定するための流量比調節機構が装備されていることを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のポンプ装置において、前記流量比調節機構は、前記吸込み空間において前記板材の取付け位置を可変設定できる位置調整機構によって構成されていることを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載のポンプ装置において、前記冷却ポンプは、前記主軸に一体回転状態で設けられ、かつ、主ポンプ側の前記吸込み空間に臨む主ポンプ側吸込み口と、モータ側の前記吸込み空間に臨むモータ側吸込み口とを備えた遠心羽根を有する両吸込み型のものに構成されるとともに、前記摺動部が前記主ポンプ側の前記吸込み空間に臨む状態で前記主ポンプと前記冷却ポンプとの間をシールすべく形成される主ポンプ側の前記メカニカルシールと、摺動部が前記モータ側の前記吸込み空間に臨む状態で前記モータと前記冷却ポンプとの間をシールすべく形成されるモータ側の前記メカニカルシールとが装備されており、前記冷却液案内手段は、前記主ポンプ側及び前記モータ側の吸込み空間の夫々に装備されていることを特徴とするものである。
請求項1に係る発明では、冷却ポンプ用の冷却液の通路にメカニカルシールの摺動部を臨ませる構成とし、かつ、冷却液案内手段が冷却液の流れをメカニカルシールの摺動部の周囲において促進させるので、冷却液が確実に摺動部を冷却する。その結果、十分にメカニカルシールの耐久性向上や良好なシール性の維持が可能となる改善されたポンプ装置を実現し、提供することができる。
請求項2に係る発明によれば、次のような作用、効果がある。冷却ポンプに対する吸込み空間は、冷却用配管等の他の冷却液の通路に比べて容積が大きく流れが遅くなる傾向があり、従ってその吸込み空間に摺動部が臨むメカニカルシールは、前記他の冷却液の通路に臨む場合よりも冷却の点では不利な状況にある。しかし、本請求項に係る発明によれば、その冷却液流れの遅い吸込み空間に、戻り冷却液を摺動部又はその付近を通すための迂回路を形成する仕切部材によって冷却液案内手段とするものであるから、摺動部又はその付近を通る冷却液流れを増速し、メカニカルシールの冷却効率を向上させることができ、請求項1の発明による効果を強化可能なポンプ装置を提供することができる。
請求項3に係る発明よれば、吸い込み空間における冷却液案内手段として、戻り冷却液が摺動部又はその付近を通らずに吸込み口に向う直行路と迂回路とに仕切る板材を設けるものであり、冷却液流量比率を可変設定できる流量比調節機構が装備されているので、次のような作用、効果がある。
冷却ポンプの単位時間当りの吐出量や、冷却液の流路断面積、長さといったモータ冷却システムにおける各種の諸元は、当然ながら設計時においてモータ出力(発熱)や主ポンプの出力等に応じた最適なものに設定されて製作されるのであるが、実際に組み上がって製品とされた状態では、寸法誤差や設計誤差等の要因により、定格運転時における冷却性能が過剰になったり過少になったりすることがある。また使用条件に応じてその諸元を変更する必要が生じたりする。そして冷却過剰になるとモータの効率を低下させることになり、また過少になるとモータが過熱され不具合を生じるおそれが高くなるので、適切に冷却特性を調整することが要求される場合がある。
そのため、一般的には、例えばモータを囲繞する冷却管の途中部分に流量調節弁を設けるといった具合に、冷却液の戻り経路に別部品であるバルブを設け、製品完成後にバルブを操作して冷却液の単位時間当り流量を微調整し、所望の冷却性能が得られるようにする手段が採られる。従って、製品出荷前に1回だけ行う流量微調整のためだけに、独立した部品であるバルブ、及びそれを冷却システム中に組み込むための接続構造等が必要であって、それによるコスト増加を招いているという問題があった。
そこで、本請求項3に係る発明によれば、直行路と迂回路との冷却液流量比率を調節することにより、メカニカルシールの摺動部の潤滑状態の調整ができるだけでなく、吸込み空間に戻ってくる冷却液の単位時間当りの流量自体も調節することが可能になる。従って、モータ冷却システムとして必要となる前記流量微調整のための構成を、冷却液案内手段と兼用化することができ、専用のバルブやその付属構造を不要として機能低下無くコストダウンすることができるようになった。
請求項4に係る発明では、流量比調節機構を、前記板材の取付位置を可変設定できる位置調整機構によって構成するので、構造が簡単であり、廉価に構成することができる利点がある。また、形状やサイズの変更にも対応し易いので、生産数量の多い少ないに拘らずに機種変更や仕様変更にも柔軟に対応できる便利さもある。
請求項5に係る発明では、主ポンプ側及びモータ側の吸い込み空間の夫々に冷却液案内手段が装備されるので、主ポンプ側のメカニカルシールの摺動部及びモータ側のメカニカルシールの摺動部についてそれぞれの冷却液の流れを促進して冷却作用を強化でき、請求項1〜4の発明による前記効果を夫々のメカニカルシールにおいて発揮させることができるようになる。
また、モータ側のメカニカルシールにおいては、摺動部の周囲に冷却液を積極的に流すことによって摺動部における冷却液を正圧(大気圧以上の圧)に維持することが可能になり、モータ室からシール室に空気が漏れ入る不都合を防止して、冷却液切れによる冷却不足や潤滑不足が解消される。主ポンプ側のメカニカルシールにおいては、摺動部に冷却液を積極的に流すことによって摺動部における冷却液圧を高め、ポンプ吐出圧との圧力差を少なくして主ポンプ側からシール室への流体漏れをより確実に防止することが可能である。尚、請求項1から請求項4の発明においても、摺動部の周囲に冷却液を積極的に流すことによって、摺動部における冷却液の圧力を高くすることができるのは言うまでもない。
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明にする。
図1は本実施形態であるポンプ装置の一例を示す縦断面図であり、図2は本実施形態であるポンプ装置のシール室およびその周辺の拡大断面図であり、図3は、本実施形態であるポンプ装置のメカニカルシールを説明する拡大断面図である。
本実施形態のポンプ装置は、図1,図2に示すように、主軸6を介してモータ1で駆動される流体吐出用の主ポンプ4と、モータ1と主ポンプ4との間の主軸6に設けられるメカニカルシール8を収容するシール室3と、モータ1を冷却すべく主軸6によって駆動自在な状態でシール室3に装備される冷却ポンプ10とを有し、メカニカルシール8のモータ側の摺動部89aおよび主ポンプ側の摺動部89bは、これらを冷却ポンプ用の冷却液7(例えば潤滑油または清水、蒸留水、あるいは有機酸からなる生物解性の不凍液など)の通路に臨ませることによって冷却可能に構成され、摺動部89aにおいて冷却ポンプ10が駆動されることに因る冷却液の流れを促進させるためのモータ側の冷却液案内手段63が装備され、摺動部89bにおいて冷却ポンプ10が駆動されることに因る冷却液7の流れを促進させるための主ポンプ側の冷却液案内手段64が装備されている。
主ポンプ4を駆動するモータ1はモータフレーム2に密封されており、このモータフレーム2の外周は冷却筒部14に取り囲まれている。主軸6はモータ1によって駆動される上下向きの立軸線Pを有している。主ポンプ4は、主軸6の下端部に取付けられた羽根車5と、羽根車5を収納し、かつシール室3の下側に位置するポンプケーシング4aとを有し、ポンピング対象流体Wをポンプケーシング4aの下部に設けられた吸い込み口45から吸い込み、ポンプケーシング4aの側部に設けられた吐出管41から吐出するように構成されている。
シール室3は、図2,図3に示すように、その外周部が上体部30と下体部31とからなり、上体部30には下向きに開口した環状の上部室30aが形成され、環状の上部室30aの下端開口部は環状仕切部9によって塞がれている。シール室3は、上部室30aより冷却ポンプ10のモータ側において上部室30aと区画壁32によって区画されたモータ側吸込み空間61と、冷却ポンプ10の主ポンプ側に形成された主ポンプ側吸込み空間62とからなる。
モータ側吸込み空間61および主ポンプ側吸込み空間62の夫々には、冷却液案内手段63,64が、冷却ポンプ10に戻ってくる戻り冷却液を摺動部89a,89b又はその付近を通してから冷却ポンプ10の吸込み口21a,21bに向かわせる迂回路61b,62bが形成されるための仕切部材63a,64aを設けて構成されている。冷却液案内手段63,64が冷却液の流れをメカニカルシール8の摺動部89a,89b又はその周囲において促進させるので、冷却液が確実に摺動部89a,89bを冷却し潤滑する。仕切部材63a,64aは、メカニカルシール8の外径側に形成されるモータ側吸込み空間61および主ポンプ側吸込み空間62の夫々を、戻り冷却液が摺動部89a,89b又はその付近を通らずに吸込み口に向う直行路61a,62aと迂回路61b,62bとに仕切る板材63a,64aで構成されるとともに、直行路と迂回路との冷却液の流量比率を可変設定できるように、板材63a,64aを吸い込み空間61,62において位置調整自在に設けることによる流量比調節機構63b,64bが装備されている。
流量比調節機構63b,64bは、板材63a,64aを、これらのシール室3に対する取付け位置が可変設定できる状態に螺着する構造によって構成されている。板材63a,64aは、ポンプ装置組立時において、具体的には次のように取付け位置に設定される。板材63a,64aは円環状で、板面に設けられた複数の挿通孔63c,64cを有する。モータ側の吸込み空間61を直行路61aと迂回路61bとに仕切る板材63aは、各挿通孔63cにモータ側吸込み空間61の天井壁3bに上下方向に打ち込まれた打ち込みネジ部材63dをナット部材63eおよび座金63fを外嵌させてから挿通させ、次いで、板材63aの下面からネジ部材63dに座金63gおよびナット部材63hを順次外嵌させることにより、シール室3に対して所望の取付け高さ位置に設定される。また、主ポンプ側の吸込み空間62を直行路62aと迂回路62bとに仕切る板材64は、各挿通孔64cに、六角ネジ部材64dを座金64eを外嵌させてから上向きに挿通させ、六角ネジ部材64dを環状溝90と対向する環状仕切部9の下面9aに上下方向に螺入させることにより、シール室3に対して所望の取付け高さ位置に設定される。板材63a,64aのシール室3に対する取付け高さ位置は座金の数量を変更することによって調整可能である。ただし、螺着構造による位置の可変設定に限定されるものではなく、適宜選定できることは言うまでもない。また流量調整機構は上記のような仕切板材の位置調整による機構に限定されるものではなく、冷却液の流動抵抗を増大させるじゃま板の設置による方法など適宜変更することができる。
モータ側吸込み空間61の天井壁3bはシール室3の最上部になるように形成され、このシール室3の最上部に主軸6の立軸線Pを挟んで両側の2箇所に、低温流路部であるモータ側吸込み空間61から高温流路部である上部室30aへと連通する上下向きの通気孔94が形成されている(高温流路部および低温流路部については後述する)。通気孔94の径寸法は、空気がその浮力によって移動できるに足りる値であれば良く、通気孔の径は空気の排気性と冷却特性を考慮して選定する。図2のようにモータ側冷却吸込み空間61の天井壁3bの外径側端となる位置に設けることが望ましい。また通気孔の断面は円形に限定されるものではない。
環状の上部室30aの下端開口部を塞いだ環状仕切部9は、環状の上部室30aと下体部31に設けた上向きに開口する下部室31aとを上下方向で区画している。また、環状仕切部9の内周面には環状溝90が形成されているとともに、環状の上部室30aと下部室31aとを連通させる第1連通路91が軸方向に貫通して設けられており、該第1連通路91の内周側には、モータ側吸込み空間61と連通するように第2連通路92を軸方向に貫通して設けてある。また、環状仕切部9を半径方向に貫通して環状溝90に連通する冷却液吐出通路93が形成されている。
シール室3の外周部の下体部31は、中心孔31Aを設けて階段状に軸方向下向きにのび、かつ、半径方向に拡径されるボス部31Bと、このボス部31Bの下端部に連設されて半径方向外側に向けて羽根車5の外周部までのびる放熱隔壁31Cと、この放熱隔壁31Cの外周縁部から立ち上がる周壁部31Dおよび該周壁部31Dの上端部から半径方向外側に張り出すフランジ部31Eとを有し、このフランジ部31Eと上体部30の下端部に設けた半径方向外側に張り出すフランジ部30Aとが結合されているとともに、下体部31におけるフランジ部31Eの下側にポンプケーシング4aの上端周縁部が結合されている。また、放熱隔壁31Cの上面には、円環突条からなる伝熱促進部31Fが形成されている。
メカニカルシール8は、図2,図3に示すように、ダブル型と称されるもので、モータ側のメカニカルシール8の摺動部89aがモータ側の吸込み空間61に臨む状態で、モータ1と冷却ポンプ10との間をシールすべく形成され、主ポンプ側のメカニカルシール8の摺動部89bが主ポンプ側の吸込み空間62に臨む状態で、主ポンプ4と冷却ポンプ10との間をシールすべく形成されている。メカニカルシール8は、シール室3の天井面3aに上向きに凹入形成された装着用円形凹み部3cに内嵌される円環状の支持リング85a、シール室3内の主軸6に遊外嵌され、かつ支持リング85aに上下スライド可能に内嵌された上側固定環80、シール室3内において主軸6と遊外嵌され、環状の受座33上側に円環状の支持リング85bによって内嵌された下側固定環81、シール室3内の主軸6に一体回転状態に外嵌され、かつ上側固定環80の下面に摺接してモータ側の摺動部89aを形成するようにコイルスプリング84によって上向きに押圧付勢される上側回転環82、シール室3内の主軸6に一体回転状態に外嵌され、かつ下側固定環81の上面に摺接して主ポンプ側の摺動部89bを形成するようにコイルスプリング84によって下向きに押圧付勢される下側回転環83などを備える。
支持リング85aは装着用円形凹み部3cに非接触の状態で、支持リング85aに外嵌したOリング87aを介して装着用円形凹み部3cに内嵌して支持されている。また支持リング85bは環状の受座33に非接触な状態でありながら、支持リング85bに外嵌したOリング87bを介して受座33に内嵌して支持されている。このように支持リング85a,85bを非接触状態で固定支持する構成により、上体部30および下体部31の加工において支持リング85a,85bに装着用円形凹み部3cおよび環状の受座33を密嵌させるような厳密な加工精度を要求しなくとも、支持リング85aは上側固定環80を固定し、支持リング85bは下側固定環81を固定できる。このため、上体部30および下体部31の加工に上記加工精度を要求しなくとも、メカニカルシール8のシール面(即ち上側固定環80と上側回転環82との摺動面および下側固定環81と下側回転環83との摺動面)を平坦維持することが可能になる。また摺動による発熱の熱膨張を吸収できるため、シール性が向上する。
上記環状の受座33はシール室3における下体部31のボス部31Bに設けた中心孔31Aに取付けられている。また、上記支持リング85aは、シール室3の天井面3aにおける装着用円形凹み部3cの周縁部下面3dに止着されるリング状の押え部材86によって支持されている。また、シール室3の天井面3aにおける装着用円形凹み部3cの周縁部下面3dの高さ位置は、周縁部下面3dの外径側に隣合せて形成されるモータ側吸込み空間61の天井壁3bの高さ位置よりも低く設定されている。
冷却ポンプ10は、主軸6に一体回転状態で設けられた遠心羽根(以下、冷却液循環羽根)10aを有する両吸込み型のものに構成されている。冷却液遠心羽根10aは、シール室3内の主ポンプ側の吸込み空間61に臨む主ポンプ側吸込み口21aと、シール室3内のモータ側に形成されたモータ側の吸込み空間に臨むモータ側吸込み口21bとを備える。冷却液循環羽根10aは、図3に示されるように、環状の互いに等しい2つの面板10b,10cと、これら2つの面板10b,10cの外周端どうしを液密状に連結し複数の吐出孔22を有する筒状の側周壁10dと、吸込み口21a,21bと吐出孔22とを互いに連通する断面横倒しT字状の冷却液流路10eとを有している。この冷却液循環羽根10aは、冷却液流路10eを介して吐出孔22から吐出された冷却液7が環状仕切部9の内周面の環状溝90に流れ込むように配置されている。なお冷却液流路は横倒しT字状に限定されるものではなく、横倒しY字状であってもよく、一方の面板の吸込み口と他方の面板の吸込み口とを連通する面板間流路と、面板間流路から分岐し、前記吐出孔とを連通する吐出流路を有しておれば良い。またスラスト荷重を抑制するために上下対称であることが望ましい。
一方、図2に示すように、シール室3の外周部の下部体31における下部室31aには区画部材11が設けられている。この区画部材11は、所定の間隔を隔てて下部室31aの階段状のボス部31Bを取り囲む階段状の筒部11aと、この階段状の筒部11aの下端部に連設されて半径方向外側に張り出すとともに、小さい間隔を隔てて放熱隔壁31Cの上側で対向するフランジ部11bとを備え、その上端部は環状仕切部9の下面に取付けられている。これにより、フランジ部11bの下面と放熱隔壁31C(熱交換手段の一例)の上面(表面)との間に放熱隔壁31Cに沿った通路断面積の小さい冷却液流路12が形成され、この冷却液流路12は、階段状のボス部31Bの表面と階段状の筒部11aの内面とで囲まれる階段状の冷却液流路15を介して、冷却液循環羽根10aの主ポンプ側吸込み空間62および環状仕切部9の第2連通路92に連通している。
シール室3およびその外周部は、冷却筒部14を通過した後の温度上昇した冷却液7が流れる上部室30aと第1連通路91から冷却通路12に至るまでの下部室31aとから構成される高温流路部と、熱交換後の冷却液7が流れる冷却液流路15と第2連通路92と冷却液循環羽根10aのモータ側吸込み空間61および主ポンプ側吸込み空間62と環状溝90と冷却液吐出通路93とから構成される低温流路部とを有することなり、高温流路部と低温流路部とは、上体部30において上部室30aとモータ側吸込み空間61とを区画する区画壁32と、環状仕切部9において第1連通路91と第2連通路92とを区画する区画壁34とで区画され、下体部31においては、区画部材11によって区画されている。
シール室3内に封入されている冷却液7は、冷却液循環羽根10aの回転によって冷却液循環系13を循環してモータ1を冷却する。すなわち、潤滑液循環系13は、環状仕切部9に設けた冷却液吐出通路93と、この冷却液吐出通路93とモータフレーム2の外周を取り囲んで設けた冷却筒部14とを互いに連通させる第1経路13Aと、冷却筒部14と上体部30における環状の上部室30aとを、上体部30に設けた導入通路30bを介して互いに連通させる第2経路13Bとを備えている。なお、図1中の16はドレイン管を示す。
冷却液循環羽根10aにおける冷却液7の流れを詳しく説明する。主軸6の回転により、メカニカルシール8の上側回転環82と下側回転環83および冷却液循環羽根10aが連動して回転する。冷却液循環羽根10aが回転すると、その上下の各面板10a,10bの吸込み口21から冷却液7が吸い込まれ、冷却液流路10eを通り、側周壁10dの吐出孔22から環状仕切部9の環状溝90内へと吐出されるのである。つまり、本ポンプ装置においては、冷却液循環羽根10aの上方に位置するモータ側吸込み空間61、及び下方に位置する主ポンプ側吸込み空間62の双方から冷却液7が吸込まれ、外径方向に吐出される構造の遠心ポンプに構成されている。
環状仕切部9の環状溝90内へと吐出された冷却液7は、環状仕切部9の環状溝90→環状仕切部9に設けた冷却液吐出通路93→第1経路13A→冷却筒部14→第2経路13B→導入通路30b→上体部30の環状の上部室30a→環状仕切部9の第1連通路91→下体部31の下部室31a→冷却液流路12→階段状の冷却液流路15→主ポンプ側吸込み空間62の直行路62aあるいは迂回路62b→冷却液循環羽根10bの面板10cまたは階段状の通路15→第2連通路92→モータ側吸込み空間61の直行路61aあるいは迂回路61b→冷却液循環羽根10aの面板10bの順路で循環して、モータフレーム2を取り囲んでいる冷却筒部14を通過する過程でモータフレーム2を冷却し、冷却されたモータフレーム2を介してモータ1を冷却する。
なお、冷却筒部14を流れる冷却液は、モータ1の上側軸受周辺を冷却するように配置され、冷却液7が冷却筒部14を通過することによってモータ1上側の軸受周辺が冷却されるように構成することが望ましい。また、モータフレーム2の上部を取り囲む冷却筒部14上側には空気収容空間(図示せず)が、冷却液7から生じた空気を収容でき、さらには冷却液7が温度上昇に伴って体積膨張した場合でも冷却液7を収容できるように形成されている。さらに冷却液をポンプ装置に充填する際に必ず空気収容空間が形成されるように冷却筒部の天井面より下に冷却液注入口102と空気抜き口103を設けることが望ましい。
前述のように、主軸6と連動して回転する冷却液循環羽根10aによって冷却液流路12を循環するシール室3内の冷却液7は、その循環の過程で放熱隔壁31Cを介してポンプケーシング4a内のポンピング対象流体Wとの間で熱交換がなされて冷却される。しかも、冷却液流路12の通路断面積が小さく設定されていることによって、冷却液流路12を通過する冷却液7の流速が速くなる。つまり、冷却液流路12を循環する放熱隔壁31C近傍の冷却液7の流速が増すことになり、冷却液7と放熱隔壁31Cの間の熱伝達率が大きくなり、冷却液7とポンピング対象流体Wとの熱交換効率が向上し、効果的にモータ1を冷却することができる。
また、冷却液循環羽根10aが冷却液流路12よりもモータフレーム2側に配置されていることによって、冷却液循環羽根10aの物理的な制限(すなわち上下方向の幅寸法)に影響されることなく、区画部材11のフランジ部11bを放熱隔壁31Cに接近させて、冷却液流路12の流路断面積をより一層小さく設定することができる。このため、放熱隔壁31C近傍における冷却液7の流速を大幅に増大させて、冷却液7と放熱隔壁31Cの間の熱伝達率が大きくなり、冷却液7とポンピング対象流体水Wとの熱交換効率を一層高くして、モータ1を効果的に冷却することができる。
さらに、冷却液循環羽根10aがメカニカルシール8の外周部に構成される構造となっているので、メカニカルシール8と冷却液循環羽根10aとを軸線方向に並べて配置されるような構成に比べて、冷却液循環羽根10aの設置によるポンプ軸方向の寸法を増大させることなく、配置することができる。
一方、放熱隔壁31Cの冷却液流路12側表面に、円環突条からなる伝熱促進部31Fが形成されているので、伝熱促進部31Fによって冷却液流路12を循環する冷却液7の流れを乱して、冷却液7と放熱隔壁31Cの間の熱伝達率をさらに大きくし、冷却液7とポンピング対象流体Wとの熱交換効率を高くして、モータ1を効果的に冷却するのに寄与することができる。
また、下体部31における下部室31aの階段状のボス部31Bを区画部材11の階段状の筒部11aで取り囲むことで、冷却液流路12に連続して階段状の冷却液流路15を形成していることにより、該階段状の冷却液流路15を循環する冷却液7の流れを乱して、冷却液7と放熱隔壁31Cへ向けて熱が流れる階段状のボス部31Bの間の熱伝達率を大きくし、冷却液7と階段状のボス部31Bの間の熱交換を促進して、モータ1を効果的に冷却するのに寄与することができる。
上記実施形態において、冷却ポンプは、主ポンプ側の吸込み空間に臨む主ポンプ側吸込み口と、モータ側の吸込み空間に臨むモータ側吸込み口とを備えた遠心羽根を有する両吸込み型のものに構成されているが、図4に示すような片吸込み型のもので構成されても良く、従って、冷却液案内手段がモータ側のメカニカルシールにのみ適用される構成でも、主ポンプ側のメカニカルシールにのみ適用される構成でも良い。例えば図4のポンプ装置では次のように主ポンプ側のメカニカルシール8aにのみ冷却液案内手段64が適用される。上記実施形態の参照符号と同一である図4の参照符号は上記実施形態の構成要素と機能が同一である構成要素を示す。図4のポンプ装置では、主ポンプ側吸込み空間62において、冷却液案内手段64を、冷却ポンプ10に戻ってくる戻り冷却液を主ポンプ側のメカニカルシール8aの摺動部又はその付近を通してから冷却ポンプ10の吸込み口21bに向かわせる迂回路62bが形成されるための仕切部材64aを設けて構成する。図4の仕切板64aの外周部は折り曲げられ、主ポンプ側吸込み空間62の天井壁段差部65に沿うように折り曲げ加工されている。冷却液案内手段64が冷却液の流れをメカニカルシール8aの摺動部又の周囲において促進させるので、冷却液が確実に摺動部を冷却し潤滑する。
本実施形態であるポンプ装置の一例を示す縦断面図である。 図1のポンプ装置のシール室およびその周辺の拡大断面図である。 図1のポンプ装置のメカニカルシールを説明する拡大断面図である。 本実施形態であるポンプ装置の他の実施例を示す縦断面図である。
符号の説明
1 モータ
4 主ポンプ
6 主軸
7 冷却液
8 メカニカルシール
10 冷却ポンプ
10a 遠心羽根(冷却液循環羽根)
61 モータ側吸込み空間
61a 直行路
61b 迂回路
62 主ポンプ側吸込み空間
62a 直行路
62b 迂回路
63 モータ側の冷却液案内手段
63a 仕切部材(板材)
63b 流量比調整機構
64 主ポンプ側の冷却液案内手段
64a 仕切部材(板材)
64b 流量比調整機構
89a モータ側の摺動部
89b 主ポンプ側の摺動部


Claims (5)

  1. 主軸を介してモータで駆動される流体吐出用の主ポンプと、前記モータと前記主ポンプとの間の前記主軸に設けられるメカニカルシールを収容するシール室と、前記モータを冷却すべく前記主軸によって駆動自在な状態で前記シール室に装備される冷却ポンプと、を有して成るポンプ装置であって、
    前記メカニカルシールの摺動部を、前記冷却ポンプ用の冷却液の通路に臨ませるとともに、前記冷却ポンプが駆動されることに因る冷却液の流れを前記摺動部の周囲において促進させるための冷却液案内手段が装備されているポンプ装置。
  2. 前記冷却液の通路が、前記シール室に形成される前記冷却ポンプに対する吸込み空間であり、前記冷却液案内手段は、前記冷却ポンプに戻ってくる戻り冷却液を前記摺動部又はその付近を通してから前記冷却ポンプの吸込み口に向かわせる迂回路を形成するための仕切部材で構成されている請求項1に記載のポンプ装置。
  3. 前記仕切部材は、前記メカニカルシールの外径側に形成される前記吸い込み空間を、戻り冷却液が前記摺動部又はその付近を通らずに前記吸込み口に向う直行路と前記迂回路とに仕切る板材で構成されるとともに、前記直行路と前記迂回路との冷却液の流量比率を可変設定するための流量比調節機構が装備されている請求項2に記載のポンプ装置。
  4. 前記流量比調節機構は、前記吸込み空間において前記板材の取付け位置を可変設定できる位置調整機構によって構成されている請求項3に記載のポンプ装置。
  5. 前記冷却ポンプは、前記主軸に一体回転状態で設けられ、かつ、主ポンプ側の前記吸込み空間に臨む主ポンプ側吸込み口と、モータ側の前記吸込み空間に臨むモータ側吸込み口とを備えた遠心羽根を有する両吸込み型のものに構成されるとともに、
    前記摺動部が前記主ポンプ側の前記吸込み空間に臨む状態で前記主ポンプと前記冷却ポンプとの間をシールすべく形成される主ポンプ側の前記メカニカルシールと、
    摺動部が前記モータ側の前記吸込み空間に臨む状態で前記モータと前記冷却ポンプとの間をシールすべく形成されるモータ側の前記メカニカルシールとが装備されており、
    前記冷却液案内手段は、前記主ポンプ側及び前記モータ側の吸込み空間の夫々に装備されている請求項1〜4の何れか一項に記載のポンプ装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019187476A1 (ja) * 2018-03-30 2019-10-03 本田技研工業株式会社 電動ポンプおよび鞍乗型電動車両

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