JP7479327B2 - ポンプの冷却液循環構造 - Google Patents
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Description
図1は、本開示の実施形態に係るポンプの冷却液循環構造10を適用した水中ポンプ1の縦断面構造を示している。この水中ポンプ1は、例えば下水道における揚水ポンプとして利用可能である。水中ポンプ1は、ポンプ部2およびポンプの冷却液循環構造10を備えている。ポンプの冷却液循環構造10は、ポンプ部2よりも上側に配置されている。
図1に示すように、ポンプ部2は、シャフト12の下端に取り付けられた羽根車3と、羽根車3を収容するポンプケーシング4と、を備えている。この水中ポンプ1は、遠心式の羽根車3を備えた遠心ポンプである。なお、羽根車3は、図例に限らず、各種の形式の羽根車を採用することができる。
図1に示すように、ポンプの冷却液循環構造10は、主に、モータ11、シャフト12、第1軸受13、第2軸受14、および、ケーシング体20により構成されている。
モータ11は、ステータ11aおよびロータ11bを有している。ロータ11bには、シャフト12が一体に設けられている。シャフト12は、上下方向に沿って延びている。シャフト12の下端部は、ケーシング体20の下部(後述する隔壁部25およびボトムカバー26)よりも下方に位置している。シャフト12は、第1軸受13および第2軸受14により回転自在に軸支されている。
第1軸受13(軸受)は、例えば2つのベアリングにより構成されている。第1軸受13は、シャフト12の、モータ11よりも下方に位置する中途部に取り付けられている。第1軸受13は、シャフト12の下端部付近を回転自在に軸支している。
第2軸受14(軸受)は、例えば1つのベアリングにより構成されている。第2軸受14は、シャフト12の上端部に取り付けられている。第2軸受14は、シャフト12の上端部を回転自在に軸支している。
図1に示すように、ケーシング体20は、主に、モータケーシング21、アウターケーシング22、第1軸受ケーシング23、下側ケーシング24、隔壁部25、ボトムカバー26、第2軸受ケーシング27、モーターカバー28、および、ヘッドカバー29により構成されている。
図1に示すように、モータケーシング21は、長手方向が上下方向に沿って延びる略円筒状を有している。モータケーシング21の上端部および下端部は、上下方向に開口している。モータケーシング21の内部には、モータ11およびシャフト12が格納されている。
図4に示すように、モータケーシング21の外周面には、リブ33a~33dが設けられている。リブ33aおよびリブ33bと、リブ33cおよびリブ33dとは、シャフト12を挟んで互いに対向している。リブ33a~33dの各々は、モータケーシング21の径方向外側に向かって突出している。リブ33a~33dの各々は、上下方向に沿って略板状に形成されていて、モータケーシング21の下端部から上端部に亘って延びている(図1および図2参照)。
図1、図2、および、図4に示すように、アウターケーシング22は、モータケーシング21の外周面を囲むように配置されている。アウターケーシング22は、モータケーシング21の外周面の外方において所定の間隙をあけて配置されている。アウターケーシング22は、長手方向が上下方向に沿って延びる略円筒状を有している。アウターケーシング22の上端部および下端部は、上下方向に開口している。
図1に示すように、第1軸受ケーシング23(軸受ケーシング)は、モータケーシング21の下端部に取り付けられている。第1軸受ケーシング23は、第1軸受13に外嵌された状態で第1軸受13を支持するように構成されている。
図1、図3、および図5に示すように、第1軸受ケーシング23は、複数の連通流路35を有している。各連通流路35は、第1軸受ケーシング23の厚み方向(上下方向)に貫通している。
図1および図5に示すように、下側ケーシング24は、第1軸受ケーシング23に取り付けられている。下側ケーシング24は、第1軸受ケーシング23よりもシャフト12の下端部寄りに配置されている。下側ケーシング24の下端部は開口している。下側ケーシング24の下部中央には、後述の往路用流路71と後述の復路用流路72との境界に位置する略円形状の開口部36が設けられている。
図1および図5に示すように、隔壁部25は、下側ケーシング24の下部に取り付けられている。ボトムカバー26は、隔壁部25に取り付けられている。隔壁部25およびボトムカバー26は、ポンプ部2とケーシング体20とを隔てるように構成されている。
図1および図5に示すように、シャフト12の下端部寄りの中途部には、循環羽根37が取り付けられている。循環羽根37は、下側ケーシング24の開口部36に位置している。すなわち、循環羽根37は、後述する往路用流路71と復路用流路72との境界に位置している。循環羽根37は、シャフト12の回転に応じて回転するように構成されている。
図1に示すように、ケーシング体20には、浸水溜まり室38が設けられている。図5および図6にも示すように、浸水溜まり室38は、第1軸受ケーシング23と下側ケーシング24とにより囲まれた空間であって、モータが収容された空間とポンプ部2との間に配置されている。浸水溜まり室38は、後述する冷却液循環流路70と隔てられた状態となっている。浸水溜まり室38は、冷却液循環流路70(特に第5流路85)からモータ11側に向かって浸水が生じたときに、その浸水した液体を溜めるための空間として機能する。図6に示すように、浸水溜まり室38には、浸水溜まり室38に溜まった液体(水)の水位を検知するための水位検知部39が設けられている。
図1に示すように、第2軸受ケーシング27(軸受ケーシング)は、モータケーシング21の上端部に取り付けられている。第2軸受ケーシング27は、第2軸受14に外嵌された状態で第2軸受14を支持するように構成されている。
図1に示すように、第2軸受ケーシング27の上端部には、モーターカバー28が取り付けられている。モーターカバー28の上端部には、ヘッドカバー29が取り付けられている。第2軸受ケーシング27、モーターカバー28、および、ヘッドカバー29により囲まれた空間には、モータ11の駆動を制御するための駆動制御部15が収納されている。第2軸受ケーシング27には、モータ11と駆動制御部15とを電気的に接続するリード線(図示せず)を配線するための配線孔41が設けられている。
図1に示すように、ケーシング体20には、冷却液循環流路70が設けられている。冷却液循環流路70は、ケーシング体20の内部空間においてモータ11、第1軸受13、および、第2軸受14を外方から囲む位置に配置されている。冷却液循環流路70は、往路用流路71と復路用流路72とに分かれている。
往路用流路71は、後述する第1流路81から第3流路83に亘って連通する流路により構成されている。具体的に、往路用流路71は、第1流路81、第2流路82、第1軸受ケーシング23の往路用連通流路35a、モータケーシング21の往路用貫通孔31、および、第3流路83という順序で連通するように構成されている。
復路用流路72は、後述する第4流路84から第5流路85に亘って連通する流路により構成されている。具体的に、復路用流路72は、第4流路84、モータケーシング21の復路用貫通孔32、第1軸受ケーシング23の復路用連通流路35b、および、第5流路85という順序で連通するように構成されている。
図1,図5および図6に示すように、第1流路81は、主に、下側ケーシング24、隔壁部25、およびボトムカバー26により囲まれた空間として構成されている。第1流路81は、冷却液が、循環羽根37により第5流路85から流れ込むように構成されている。具体的に、第1流路81には、モータ11の熱を吸収した高温の冷却液が第5流路85から流れ込む。
図1,図5および図6に示すように、第2流路82は、下側ケーシング24の内部に設けられている。第2流路82は、往路用流路71の一部として機能する。第2流路82は、第1流路81と連通している。また、第2流路82は、第1軸受ケーシング23の往路用連通流路35aと連通している。
図1,図5および図6に示すように、第3流路83は、モータケーシング21の外周面とアウターケーシング22の内周面との間に設けられている。第3流路83は、往路用流路71の一部として機能する。
図4に示すように、第4流路84は、モータケーシング21の外周面とアウターケーシング22の内周面との間に形成された空間において各第3流路83を除外した空間として構成されている。各第4流路84は、復路用流路72の一部として機能する(図1,図5および図6を参照)。
図1,図5および図6に示すように、第5流路85は、下側ケーシング24の内部に設けられている。第5流路85は、復路用流路72の一部として機能する。第5流路85は、第1軸受ケーシング23の復路用連通流路35bと連通している。また、第5流路85は、循環羽根37を介して第1流路81と連通している。
図1に示すように、第1軸受ケーシング23には、複数の第1分岐流路50(分岐流路)が設けられている。各第1分岐流路50は、冷却液循環流路70から分岐するように構成されている。
図1に示すように、第2軸受ケーシング27には、複数の第2分岐流路60(分岐流路)が設けられている。各第2分岐流路60は、冷却液循環流路70から分岐するように構成されている。各第2分岐流路60は、第2軸受ケーシング27において、冷却液循環流路70から第2軸受14が位置する側に向かって凹陥状に形成されている。
図7に示すように、第1軸受ケーシング23(軸受ケーシング)には、冷却液循環流路70から第1軸受13が位置する側に向かって凹陥状に形成され、冷却液循環流路70から分岐する第1分岐流路50が設けられている。かかる構成により、図7において冷却液の流れを模式的に示した矢印のように、冷却液循環流路70に循環する冷却液の一部が、第1分岐流路50に向かって流れ込むようになる。第1分岐流路50に流れ込んだ冷却液は、冷却液循環流路70の一部である連通流路35から第1軸受13が位置する側に向かって流れ込む。その結果、第1分岐流路50に流れ込んだ冷却液は、第1軸受13に発生した熱を、第1分岐流路50内における第1軸受13の近傍において効率よく受熱する。すなわち、第1分岐流路50を設けたことにより、冷却液が流れる位置と第1軸受13との距離が相対的に縮まることから、第1分岐流路50に流れる冷却液と第1軸受13との間において熱伝導が十分に行われるようになり、第1軸受13に発生した熱に対する冷却液の冷却効率が高められる。一方、冷却液循環流路70から第1分岐流路50に流れ込んだ冷却液の一部は、第1分岐流路50内で対流した後に、第1分岐流路50から冷却液循環流路70に向かって再び合流する。このため、冷却液循環流路70に循環する冷却液(特に第3流路83、第4流路84を流れる冷却液)の流量は減少しない。その結果、モータ11の発熱に対する冷却液の冷却効率が担保される。したがって、本開示の実施形態に係るポンプの冷却液循環構造10では、モータ11の発熱に対する冷却液の冷却効率を担保しつつ、第1軸受13の発熱に対する冷却液の冷却効率を高めることができる。また、本開示の実施形態に係るポンプの冷却液循環構造10では、第1分岐流路50の構造が比較的簡易であることから、製作性にも優れている。
上記実施形態では、縦断面視において、各第1分岐流路50を構成する下側壁部52の外周面と、上側壁部53の外周面とが略面一となる形態(例えば図5および図7参照)を示したが、この形態に限られない。すなわち、縦断面視において、下側壁部52の外周面と上側壁部53の外周面とが面一でなくてもよい。
上記実施形態では、複数の第1分岐流路50が互いに独立した非連通状態となる形態(図3参照)を示したが、この形態に限られない。例えば、図9に示した変形例2のように、互いに隣り合う第1分岐流路50,50同士を連通させてもよい。具体的に、変形例2の第1軸受ケーシング23では、内周流路54が設けられている。内周流路54は、第1軸受ケーシング23において第1軸受13の近傍に位置する内周寄りに配置されている。そして、内周流路54は、互いに隣り合う第1分岐流路50,50同士を連通させるように構成されている。
上記実施形態では、複数の第1分岐流路50を設けた形態を示したが、この形態に限られない。すなわち、少なくとも1つの第1分岐流路50が第1軸受ケーシング23に設けられていれば、上述した実施形態の作用効果を得ることができる。かかる場合において、熱交換室として機能する第1流路81において冷却された冷却液が往路用流路71に循環することに鑑みれば、1つの第1分岐流路50を往路用流路71に連通させた形態の方が、1つの第1分岐流路50を復路用流路72に連通させた形態よりも、第1軸受13の発熱に対する冷却液の冷却効率を高めるという点において有利となる。
10:冷却液循環構造
11:モータ
12:シャフト
13:第1軸受(軸受、下部軸受)
14:第2軸受(軸受、上部軸受)
20:ケーシング体
21:モータケーシング
22:アウターケーシング
23:第1軸受ケーシング(軸受ケーシング)
24:下側ケーシング
25:隔壁部
26:ボトムカバー
27:第2軸受ケーシング(軸受ケーシング)
28:モーターカバー
29:ヘッドカバー
31:往路用貫通孔
32:復路用貫通孔
33a~33d:リブ
34:第1軸受支持部
35:連通流路(貫通孔)
37:循環羽根
40:第2軸受支持部
50:第1分岐流路(分岐流路)
54:内周流路
60:第2分岐流路(分岐流路)
70:冷却液循環流路
71:往路用流路
72:復路用流路
81:第1流路
82:第2流路
83:第3流路
84:第4流路
85:第5流路
Claims (7)
- モータと、
前記モータの駆動により回転可能なシャフトと、
前記シャフトを支持する少なくとも1つの軸受と、
前記モータ、前記シャフト、および、前記軸受を収容するケーシング体と、を備え、
前記ケーシング体には、前記モータおよび前記軸受を冷却するための冷却液を、前記モータおよび前記軸受の周囲に循環させる冷却液循環流路が設けられており、
前記ケーシング体は、前記軸受に外嵌された状態で前記軸受を支持するように構成された軸受ケーシングを含み、
前記軸受ケーシングには、前記冷却液循環流路から前記軸受が位置する側に向かって凹陥状に形成され、前記冷却液循環流路から分岐する少なくとも1つの分岐流路が設けられている、ポンプの冷却液循環構造。 - 請求項1に記載のポンプの冷却液循環構造において、
前記分岐流路は、縦断面視の流路幅が、前記軸受が位置する側から前記冷却液循環流路に向かって大きくなるように構成されている、ポンプの冷却液循環構造。 - 請求項1または2に記載のポンプの冷却液循環構造において、
前記分岐流路は、横断面視の流路幅が、前記軸受が位置する側から前記冷却液循環流路に向かって大きくなるように構成されている、ポンプの冷却液循環構造。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載のポンプの冷却液循環構造において、
前記分岐流路は複数設けられており、
前記複数の分岐流路は、互いに独立した非連通状態となっている、ポンプの冷却液循環構造。 - 請求項1~3のいずれか1項に記載のポンプの冷却液循環構造において、
前記分岐流路は複数設けられており、
前記複数の分岐流路は、前記軸受ケーシングの周方向に間隔をあけて配置されており、
前記軸受ケーシングには、前記軸受の近傍に位置する内周寄りに配置され、互いに隣り合う前記分岐流路同士を連通させる内周流路が設けられている、ポンプの冷却液循環構造。 - 請求項1に記載のポンプの冷却液循環構造において、
前記軸受は、前記モータよりも上方において前記シャフトを支持する上部軸受を含んでいる、ポンプの冷却液循環構造。 - 請求項1に記載のポンプの冷却液循環構造において、
前記軸受は、前記モータよりも下方において前記シャフトを支持する下部軸受を含み、
前記下部軸受を支持する軸受ケーシングには該軸受ケーシングを上下に貫通し前記冷却液循環流路の一部を形成する貫通孔が形成されており、該貫通孔の側面に前記分岐流路が形成されている、ポンプの冷却液循環構造。
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