JP2007262962A - 燃料噴射量制御装置及び燃料増量制御方法 - Google Patents

燃料噴射量制御装置及び燃料増量制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 燃料増量中であっても目標空燃比となるように空燃比を制御し、3元触媒の劣化防止、燃費の向上を図った燃料噴射量制御装置を提供する。
【解決手段】 燃料増量時に補正値を用いて燃料噴射量を制御し、燃料増量後の実空燃比が目標空燃比から所定値以上離れた場合には、補正値の修正を行うエンジンECU12を備えている。従って、燃料増量中であっても空燃比を制御することができ、3元触媒の劣化防止、燃費の向上を図ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジンの排気から空燃比を検出し、コンピュータ制御によって燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御装置に関する。特に、燃料増量中の空燃比制御技術に関する。
一般に、エンジンに要求される空燃比はエンジンの回転速度、負荷状態等に応じて変化する。そこで、特許文献1のようにエンジンの排気から空燃比を検出して、コンピュータが燃料噴射装置を制御する、いわゆるフィードバック制御を行なっている。これにより、燃焼室に供給される燃料量を補正して、混合気の空燃比を調整する。この調整により、エンジンの各種運転条件に応じてエンジンの出力特性、排気特性及びドライバビリティ等の各種特性が最適化される。
特開平6−002591号公報
しかしながら、OTP(Over Temperature Protection)増量、パワー増量等の燃料増量制御中は、マップ等から求められる燃料増量係数に基づいて燃料噴射量が制御されるが、フィードバック制御が行われないため、空燃比が目標空燃比からズレるという問題が生じる。燃料増量制御中にフィードバック制御を行わない理由として、燃料増量中は目標空燃比が大きくズレるので、学習を行うと空燃比を誤学習してしまう可能性があり、フィードバック制御は行っていない。OTP増量の場合、空燃比が目標空燃比よりもリーン側にズレると、燃料の気化によって奪われる熱量が少なくなり、排気温度が上がる。このため、高温の排気が大量に三元触媒を通過することになるため、三元触媒が過熱して、三元触媒が劣化したり溶損したりするおそれがある。逆に、空燃比が目標空燃比よりもリッチ側にズレると、燃費の悪化につながる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、燃料増量中であっても目標空燃比となるように空燃比を制御し、3元触媒の劣化防止、燃費の向上を図った燃料噴射量制御装置及び燃料増量制御方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために本発明の燃料噴射量制御装置は、燃料増量の要求があった場合に燃料増量係数に基づいて燃料噴射量を制御する燃料増量制御手段を備える燃料噴射量制御装置であって、前記燃料増量制御手段は、前記燃料増量係数を補正する補正値を用いて燃料増量要求があった場合の燃料噴射量を制御するものであり、燃料増量の要求に応じて燃料増量を行った後に検出したエンジンの実空燃比が、目標空燃比から所定値以上離れている場合に、前記補正値を修正する構成を備えている。
このように本発明は、燃料増量時に補正値を用いて燃料噴射量を制御し、燃料増量後の実空燃比が目標空燃比から所定値以上離れた場合には、補正値の修正を行うことにより、燃料増量中であっても空燃比を制御することができ、3元触媒の劣化防止、燃費の向上を図ることができる。
本発明の燃料噴射量制御装置は、検出したエンジンの実空燃比が目標空燃比に近づくように基本燃料噴射量の学習値を学習する学習制御手段と、燃料増量の要求があった場合に前記基本燃料噴射量と前記学習値とに基づいた燃料噴射量を増量制御する燃料増量制御手段と、を備える燃料噴射量制御装置であって、前記燃料増量制御手段は、前記学習値を補正する補正値を用いて燃料増量要求があった場合の燃料噴射量を制御するものであり、燃料増量の要求に応じて燃料増量を行った後に検出したエンジンの実空燃比が、目標空燃比から所定値以上離れている場合に、前記補正値を修正する構成を備えている。
このように本発明は、燃料増量時に補正値を用いて燃料噴射量を制御し、燃料増量後の実空燃比が目標空燃比から所定値以上離れた場合には、補正値の修正を行うことにより、燃料増量中であっても空燃比を制御することができ、3元触媒の劣化防止、燃費の向上を図ることができる。
上記の燃料増量制御手段は、過渡時には前記補正値の修正を禁止するとよい。
従って、空燃比の誤学習を防止することができる。
本発明の燃料噴射量制御装置は、燃料増量の要求がない場合に検出したエンジンの実空燃比が目標空燃比に近づくように燃料噴射量を制御する空燃比フィードバック制御手段と、燃料増量の要求があった場合に燃料増量係数に基づいて燃料噴射量を制御する燃料増量制御手段と、を備える燃料噴射量制御装置であって、前記燃料増量制御手段は、燃料増量の要求があった場合に行う燃料増量制御を、検出したエンジンの実空燃比が目標空燃比に近づくように燃料噴射量をフィードバック制御するものであり、前記燃料増量時の目標空燃比を、前記空燃比フィードバック制御手段が制御に用いる目標空燃比と前記燃料増量係数とに基づいて設定する構成を備えている。
このように本発明は、燃料増量の要求があった場合に、燃料増量時の目標空燃比を最適な値に設定し、燃料噴射量のフィードバック制御を行うことで、燃料増量中であっても実空燃比が目標空燃比となるように空燃比を制御することができ、3元触媒の劣化防止、燃費の向上を図ることができる。
上記燃料噴射量制御装置において、前記燃料増量制御手段は、前記実空燃比と前記目標空燃比との定常的なずれを補正する空燃比学習値に、前記燃料増量時とそれ以外の通常時とでそれぞれ別々のものを使用して燃料噴射量を制御するとよい。
従って、燃料増量制御時と通常制御時とで、それぞれ最適な空燃比学習値を使用することができ、各制御で最適な燃料噴射量の制御ができる。
上記燃料噴射量制御装置において、前記燃料増量制御手段は、前記通常時の制御から前記燃料増量時の制御へ移行するときに、前記燃料増量時の前記空燃比学習値の学習が完了していなければ、使用していた前記通常時の前記空燃比学習値をそのまま使用して前記燃料増量時の燃料噴射量を制御するとよい。また、前記燃料増量制御手段は、前記燃料増量時の制御から前記通常時の制御へ移行するときに、前記通常時の前記空燃比学習値の学習が完了していなければ、使用していた前記燃料増量時の前記空燃比学習値をそのまま使用して前記通常時の燃料噴射量を制御するとよい。
従って、空燃比学習値を一から学習するよりも早く学習を完了させることができ、実空燃比を目標空燃比に追従させることができる。
上記燃料噴射量制御装置において、前記フィードバック制御手段は、燃料の増量によって前記目標空燃比が所定値以上変化した場合に、前記空燃比フィードバック制御の補正項を変更する、または前記空燃比フィードバック制御にオフセットを持たせて前記目標空燃比への収束時間を短縮させるとよい。
上記燃料噴射量制御装置において、前記燃料増量制御手段は、燃料の増量によって前記目標空燃比が所定値以上変化した場合に、前記空燃比学習値の更新を禁止するとよい。
このため、空燃比の誤学習を防止することができる。
本発明の燃料増量制御方法は、燃料増量の要求があった場合に、燃料増量係数に基づいて燃料噴射量を制御するステップと、燃料増量の要求に応じて燃料増量を行った後に検出したエンジンの実空燃比が、目標空燃比から所定値以上離れている場合に、前記燃料増量係数を補正するステップと、補正した燃料増量係数を用いて燃料増量時の燃料噴射量を制御するステップと、を有している。
このように本発明は、燃料増量時に補正値を用いて燃料噴射量を制御し、燃料増量後の実空燃比が目標空燃比から所定値以上離れた場合には、補正値の修正を行うことにより、燃料増量中であっても空燃比を制御することができ、3元触媒の劣化防止、燃費の向上を図ることができる。
本発明の燃料増量制御方法は、燃料増量の要求があった場合に、基本燃料噴射量と、エンジンの実空燃比を目標空燃比に近づけるための基本燃料噴射量の学習値とを用いて燃料噴射量を制御するステップと、燃料増量の要求に応じて燃料増量を行った後に検出したエンジンの実空燃比が、目標空燃比から所定値以上離れている場合に、前記基本噴射量の学習値を補正するステップと、補正した前記基本噴射量の学習値を用いて燃料増量時の燃料噴射量を制御するステップと、を有している。
このように本発明は、燃料増量時に補正値を用いて燃料噴射量を制御し、燃料増量後の実空燃比が目標空燃比から所定値以上離れた場合には、補正値の修正を行うことにより、燃料増量中であっても空燃比を制御することができ、3元触媒の劣化防止、燃費の向上を図ることができる。
本発明の燃料増量制御方法は、燃料増量の要求があった場合に、燃料増量時の目標空燃比を、前記空燃比フィードバック制御に用いる目標空燃比と前記燃料増量係数とに基づいて設定するステップと、前記燃料増量係数に基づいて燃料噴射量を増量し、エンジンの実空燃比が前記目標空燃比に近づくように燃料噴射量をフィードバック制御するステップと、を有している。
このように本発明は、燃料増量の要求があった場合に、燃料増量時の目標空燃比を最適な値に設定し、燃料噴射量のフィードバック制御を行うことで、燃料増量中であっても実空燃比が目標空燃比となるように空燃比を制御することができ、3元触媒の劣化防止、燃費の向上を図ることができる。
本発明は、燃料増量制御中であっても空燃比が目標空燃比となるように制御し、3元触媒の劣化防止、燃費の向上を図ることができる。
添付図面を参照しながら本実施例の最良の実施例を説明する。
図1には、本発明の燃料噴射量制御装置が適用されるエンジン10のシステム構成図を示す。図2は、クランク角センサプレート24の一実施例を示す図である。
エンジン10は、電子制御ユニット(以下、エンジンECUと称す)12によって制御される。エンジンECU12は、制御や診断にかかる各種処理を実行する中央処理装置(CPU)121、所定の制御プログラム等を予め記憶した読み出し専用メモリ(ROM)122、CPU121の演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)123、イグニッションオフ時にも電源の供給を受け、データを記憶するバックアップRAM124、及びタイマカウンタ125等と、これら各部121〜125と入出力回路(図1にはI/Oと略記する)126とをバスによって接続した論理演算回路として構成されている。
エンジンECU12は、読み出し専用メモリ(ROM)122から制御プログラムを読み出して、このプログラムに従った制御を行うことにより、燃料増量制御手段、学習制御手段、空燃比フィードバック制御手段等の本発明の各手段が構成される。
エンジン10は、シリンダブロック14を備えている。シリンダブロック14の壁中には、ウォータジャケット16が形成されている。シリンダブロック14の内部には、ピストン18およびコンロッド20が収納されている。コンロッド20には、クランクシャフト22が連結されている。
本例ではエンジン10は、4気筒式のエンジンであるとする。この場合、4つの気筒は、ピストン18の移動位相に基づいて2つのグループに分類される。以下、♯1気筒および♯4気筒を第1グループと、♯2気筒と♯3気筒を第2グループと称す。エンジン10は、同一のグループに属するピストン18が逆位相で移動するように構成されていると共に、異なるグループに属するピストン18が、π/2の位相を異ならせて移動するように構成されている。また、エンジン10は、同一のグループに属する気筒において、互いに360°CAの位相差を保って、吸気行程、圧縮行程、爆発(膨張)行程、および排気行程が実行されるように構成されている。
クランクシャフト22には、クランク角センサプレート24(図2参照)が固定されている。クランク角センサプレート24の外周には、図2に示すように、歯部26と欠歯部28とが形成されている。歯部26には、所定間隔毎に複数の歯30が形成されている。一方、欠歯部28には、所定長に渡って歯が形成されていない。
クランク角センサプレート24の近傍には、図1に示すように、その外周面と対向する位置に、ピックアップセンサ32が配設されている。クランク角センサプレート24が回転すると、クランク角センサプレート24の歯30がピックアップセンサ32に繰り返し近接し、離間する。ピックアップセンサ32は、歯30の近接・離間に合わせてパルス信号を出力する。以下、クランク角センサプレート24とピックアップセンサ32とを合わせてクランク角センサ34と称す。エンジンECU12は、クランク角センサ34の出力信号に基づいてエンジン10の回転数(以下、機関回転数NEと称す)を検出する。
シリンダブロック14の壁面には、水温センサ36が配設されている。水温センサ36は、ウォータジャケット16の内部を流れる冷却水の温度に応じた電気信号を出力する。水温センサ36の出力信号はエンジンECU12に供給されている。エンジンECU12は、水温センサ36の出力信号に基づいて、冷却水温を検出する。
シリンダブロック14の上部には、シリンダヘッド38が固定されている。シリンダヘッド38とピストン18との間には、燃焼室40が形成されている。シリンダヘッド38には、燃焼室40に連通する吸気ポートおよび排気ポートが形成されている。また、シリンダヘッド38には、吸気ポートを開閉する吸気弁46、排気ポートを開閉する排気弁48、および、その先端部を燃焼室40に露出させた点火プラグ50が組み込まれている。
点火プラグ50には、イグナイタ52が接続されている。エンジンECU12は、何れかの気筒で点火を行うべき時期に、イグナイタ52に対して点火信号を供給する。イグナイタ52は、エンジンECU12からの点火信号の供給タイミングに同期して、所定気筒の点火プラグ50に高圧の点火信号を供給する。
シリンダヘッド38の内部には、吸気弁46を駆動するためのカムシャフト54、および排気弁48を駆動するためのカムシャフト56が配設されている。カムシャフト54,56は、図示しないタイミングベルトを介してクランクシャフト22と連結されており、クランクシャフト22の1/2の回転速度で回転する。カムシャフト54,56には、各気筒の吸気弁46および排気弁48を適当なタイミングで開閉させるためのカムが形成されている。各気筒の吸気弁46および排気弁48は、カムシャフト54,56が1回転する毎に、すなわち、エンジン10のクランク角が720°変化する毎に1回の開閉動作を行う。
排気弁48を駆動するカムシャフト56には、ピックアップセンサ60が配設されている。カムポジションセンサは、カムシャフト56が1回転する毎に1つのパルス信号を出力すると共に、気筒確定用のパルス信号を出力する。カムポジションセンサの出力信号は、エンジンECU12に供給されている。エンジンECU12は、カムポジションセンサの出力信号(G信号)、および、クランク角センサ34の出力信号(10°CA信号)に基づいて、エンジン10のクランク角を検出する。
エンジン10の吸気ポートには、吸気マニホールド64が連通している。吸気マニホールド64には、インジェクタ66が配設されている。インジェクタ66には、図示しない燃料パイプを介して燃料が供給されている。インジェクタ66は、エンジンECU12から駆動信号が供給される期間だけ開弁状態となり吸気ポートに燃料を噴射する。
吸気マニホールド64は、吸気管70に連通している。吸気管70の内部には、アクセルペダルと連動して作動するスロットルバルブ72が配設されている。スロットルバルブ72の近傍には、スロットルバルブ72の開度に応じた電気信号を出力するスロットルセンサ74が配設されている。また、吸気管70には、スロットルバルブ72を迂回して同バルブ72の上流側と下流側とを連通するバイパス通路が設けられている。このバイパス通路の途中には、アイドル運転時に吸入空気量を調節するアイドルスピードコントロールバルブ(以下、ISCVという)82が設けられている。
吸気管70には、エアフロメータ76が設けられる。エアフロメータ76は、エアフィルタ79を通過して、その内部を流通する空気の質量重量に応じた電気信号を出力する。図示のエアフロメータ76は、ホットワイヤ式のエアフロメータであり、吸気管70を流通する空気の温度を検出する吸気温センサ69を内蔵する。吸気温センサ69の出力信号はエンジンECU12に供給されている。エンジンECU12は、吸気温センサ69の出力信号に基づいて、エンジン10に吸入される空気の温度、すなわち、吸気温を検出する。
エンジン10の排気ポートには、排気マニホールド78が連通している。排気マニホールド78には、A/Fセンサ77が配設されている。A/Fセンサ77は、排気マニホールド78の内部を流通する排気ガス中の酸素濃度に応じた電気信号を出力する。
またエンジンECU12には、図示しないが車速センサ、エアコンスイッチ、イグニションスイッチや、その他、アクセル開度センサ(アクセルポジションセンサ)、シフトポジションセンサ、ブレーキストロークセンサ(ブレーキ踏力センサ、マスタシリンダ圧センサ)、及び、ステアリングセンサ等が接続される。
上述の如く、エンジンECU12は、カムポジションセンサの出力信号、およびクランク角センサ34の出力信号に基づいてエンジン10のクランク角を検出する。また、エンジンECU12は、エンジン10のクランク角に基づいて、♯1気筒〜♯4気筒に対して燃料を噴射する時期を制御する。
また、図1に示すように本実施例では、燃料タンク(不図示)で発生する燃料蒸気(以下、ベーパという)を一時的に蓄えるキャニスタ80を備えている。キャニスタ80内の吸着剤に捕集された燃料ベーパは、適宜キャニスタ80からパージ通路及びパージVSV81を通じてエンジン10の吸気管70へとパージされ、エンジンに吸入された空気に混入される。そして、燃料ベーパは、インジェクタから噴射された燃料と共に、エンジン10の燃焼室内で燃焼される。パージ通路に設けられたパージVSV81は、吸気管70へパージされる燃料ベーパを含むガス(パージガス)の流量を調整する。
次に、一般的な燃料噴射量の制御手順について説明する。まず、エンジン回転数や吸入空気量等の運転状態パラメータに基づいて、基本となる基本燃料噴射量(時間)が算出され、その基本燃料噴射量(時間)に、燃料増量係数、空燃比学習値、パージ補正係数、壁面付着量、空燃比フィードバック補正係数等を加味して最終的な燃料噴射量(時間)が決定される。燃料噴射量の算出式を以下に示す。
燃料噴射量=基本噴射量×燃料増量係数×(空燃比学習値+パージ補正係数)+壁面付着量+空燃比フィードバック補正係数
バックアップRAM124には、例えば、図3に示すようにエンジン回転数やエンジン負荷率等の運転状態パラメータに基づいて決定されるエンジンの運転領域ごとに、燃料の基本噴射量を記録したマップが格納されている。エンジンECU12は、エンジン回転数や吸入空気量の情報をセンサ入力すると、これらのセンサデータからエンジンの運転領域を定め、燃料の基本噴射量を決定する。
燃料増量係数は、エンジンを高負荷で運転させるときや高速で回転させるときに、燃料噴射量を増量するための係数である。図3に示す運転領域のうちの高負荷領域のそれぞれに燃料増量係数が設定され、図4に示すマップとして記録されている。この燃料増量係数は、エンジン回転数とエンジン負荷率とで分けられる運転領域ごとに、3元触媒の温度を測定し、温度に基づくOTP増量係数として記録している。3元触媒は高温になり過ぎると故障する危険性があるので、模擬温度が3元触媒の耐久温度を超える高負荷領域では、3元触媒が耐久温度以下になるように燃料増量係数が設定されている。燃料をリッチにすることで気化熱によって排気ガスの温度を低下させ、3元触媒の温度を低下させることができる。
空燃比フィードバック補正係数は、前回の燃料噴射から検出された実空燃比の目標空燃比に対するずれ量に対応するものであり、今回の燃料噴射から検出される空燃比を目標空燃比により近似させるための補正係数である。
パージ補正係数は、蒸発燃料の吸気管70への導入による空燃比への影響を加味した補正係数であり、パージ率とベーパ濃度学習値とに基づいて算出される。パージ率とは、吸気管70内を流れる吸入空気の流量に対する同吸気管70内に導入される蒸発燃料の流量をいう。また、ベーパ濃度学習値とはベーパの濃度を反映する係数である。これら両係数を乗算したものをパージ補正係数として求め、これを空燃比の補正に用いる。また、壁面付着量は、吸気ポートの内壁や吸気弁46の上面などに付着している燃料の総量を示している。
空燃比学習値は、エンジン9の吸気系やインジェクタの経年変化や個体差等によって生じる偏差を吸収するための補正係数であり、フィードバック制御によって変更される空燃比フィードバック補正係数が1.0(補正率0%)を中心として変動するように設定される。この空燃比学習値は、図5(A)に示す吸入空気量又は図5(B)に示す吸気管圧力によって区分けされた複数の学習領域ごとに設定され、空燃比フィードバック制御の実行に伴って更新される。
エンジンECU12は、センサによってエンジン回転数と吸入空気量とが測定されると、吸入空気量とエンジン回転数とからエンジン負荷率を求める。そして、上述した算出式を用いて燃料噴射量を算出し、算出した燃料噴射量に従ってエンジンに噴射する燃料を制御する。
しかしながら、燃料増量時には、空燃比フィードバック制御が行われないので、実空燃比が目標空燃比からズレるという問題が生じる。そこで、本実施例は、図4に示す高負荷の運転領域ごとに設定された燃料増量係数に補正値を持たせ、この補正値を更新していくことでベース空燃比のズレを補正していく。ベース空燃比とは、補正を施さない状態で得られる空燃比である。
燃料増量係数の補正値の更新は、燃料増量制御中(すなわち、燃料増量係数を加味した燃料噴射量を決定する制御を行っている場合)であって、定常状態(加速、減速等の運転が不安定な過渡状態にない状態)のときに行う。実測した空燃比と目標空燃比との差からベース空燃比のズレを算出し、このズレ量から空燃比を目標空燃比に収束させる補正値を求める。なお、この補正値の書き換えは、エンジンの運転状態が定常状態のときに行い、過渡時(加減速中)には、誤学習の可能性があるため学習値の書き換えは行わない。
このように空燃比の学習を実施し、学習の結果を燃料増量係数に反映させることで、ベース空燃比のズレ量を補正し、3元触媒の劣化防止、燃費の向上を図ることができる。
また、燃料増量係数に補正値を持たせて、燃料増量係数を補正する方法の他に、空燃比学習値に補正値を持たせてベース空燃比のズレを補正することもできる。通常、図5(A)、(B)に示すように吸入空気量又は吸気管圧力で区切られた運転領域ごとに空燃比の学習値が記録されている。この空燃比学習値に補正値を持たせて、燃料増量制御中のベース空燃比のズレを補正していくことで、燃料増量制御中であっても精度のよい燃料制御を行うことができる。
なお、燃料増量係数や空燃比学習値の補正値は、補間演算によって実際に使用する補正値を求める。すなわち、図4、図5に示すマップには、各運転領域での基準となるデータしか記録されていないため、隣接する領域間の補正値で補間演算を行うことにより実際に使用する補正値を求めることができる。
さらに、図4に示すマップは、OTP増量が行われる高負荷領域の補正値だけを記録しているが、図3に示す全体領域について補正値を記録したマップとしたり、燃料増量の種類に応じて適宜マップの種類やマップ領域を変更することができる。例えば、図4に示すマップでは、エンジン回転数とエンジン負荷率とをパラメータとするマップであるが、その他のパラメータによって運転領域を区分けしたマップであってもよい。
図6に示すフローチャートを参照しながら本実施例の動作手順を説明する。
エンジンECU12は、まず、エンジン回転数、吸入空気量、アクセル開度等のセンサ信号を入力する(ステップS1)。次に、エンジンECU12は、これらのセンサ信号から燃料増量制御への移行であるか否かを判定する(ステップS2)。例えば、アクセル開度からアクセルが踏み込まれたと判定すると、燃料増量制御への移行と判断し(ステップS2/YES)、増量中フラグがオンではなかった場合に(ステップS5/NO)、増量フラグをオンさせる(ステップS6)。その後、上述した算出式により燃料増量時の噴射量を求める(ステップS7)。ここで使用する燃料増量係数は、図4に示すマップに記録された補正値を使用して求めたものである。燃料増量時の噴射量が求められると、算出した燃料噴射量で噴射制御が行われる。
燃料噴射制御の後に、エンジン10の実空燃比を測定し、測定した実空燃比が目標空燃比に追従しているか否かを判定する(ステップS9)。実空燃比が目標空燃比に追従している場合には(ステップS9/YES)、燃料増量制御中であるか否かを判定し(ステップS10)、増量制御中ではない場合には(ステップS10/NO)増量中フラグをオフにして、最初のステップS1に戻る。
また、測定した実空燃比が目標空燃比に追従していなかった場合には(ステップS9/NO)、燃料増量制御中であって定常運転の状態にあるか否かを判定する(ステップS12)。エンジン10の運転状態が定常状態にない、すなわち加速、減速等の運転が不安定な過渡状態にある場合には(ステップS12/NO)、現状の燃料噴射量補正量を燃料噴射量に反映させる(ステップS13)。
またエンジン10の運転状態が定常状態になると(ステップS12/YES)、エンジンECU12は、A/Fセンサ77により測定した実空燃比と、目標空燃比との差が所定値以上あるか否かを判定する(ステップS14)。実空燃比と、目標空燃比との差が所定値以上ない場合には(ステップS14/NO)、燃料噴射量に現状の噴射量補正値を反映させる(ステップS15)。また、実空燃比と、目標空燃比との差が所定値以上ある場合には(ステップS14/YES)、空燃比をA/Fセンサ77で測定した空燃比と目標空燃比との差を求めてベース空燃比のズレ量を測定する。そして、求めたベース空燃比のズレ量から、空燃比を目標空燃比に収束させるための補正値を更新する(ステップS16)。この更新した補正量を用いて燃料増量係数を決定し、燃料噴射量を算出する(ステップS17)。
このように本実施例は、燃料増量時に補正値を用いて燃料噴射量を制御し、燃料増量後の実空燃比が目標空燃比から所定値以上離れた場合には、補正値の修正を行うことにより、燃料増量中であっても空燃比を制御することができ、3元触媒の劣化防止、燃費の向上を図ることができる。
次に添付図面を参照しながら本発明の第2実施例について説明する。上述した実施例1では、燃料増量係数又は空燃比学習値に補正値を持たせて、燃料増量中のベース空燃比のズレを補正していた。本実施例では、燃料増量制御中にも空燃比のフィードバック制御を行って、空燃比を目標空燃比に近づける制御を行う。燃料増量制御時の目標空燃比は、エンジンECU12が制御に使用する通常時の目標空燃比と燃料増量係数とに基づいて設定される。本実施例では、燃料増量時の目標空燃比を、(通常時の目標空燃比)/(燃料増量係数)として求める。このような制御によって3元触媒の劣化を防止し、燃費を向上させることができる。なお、燃料増量時の目標空燃比の算出方法は、上述した方法に限定されるものではなく、通常時の目標空燃比と燃料増量係数とを用いるものであれば適宜適用することができる。
また、燃料増量時も空燃比のフィードバック制御を行うようにしたため、本実施例では通常時の空燃比学習値と、燃料増量時の空燃比学習値とをそれぞれ別々のマップとして記憶している。図7(A)には、吸入空気量で区分けされた通常時と燃料増量時の空燃比学習値のマップを示し、図7(B)には、吸気管圧力で区分けされた通常時と燃料増量時の空燃比学習値のマップが示されている。これらのマップは、図1に示すバックアップRAM124や、図示していないEEPROM等の不揮発性メモリに格納されている。なお、図7(A),(B)に示す記号A,B,C・・・は、空燃比学習値を示し、すでに学習が完了した領域を示す。また図中に示す「−」は、空燃比学習が未完了の状態を示している。
図8に示すフローチャートを参照しながら本実施例の動作手順を説明する。
エンジンECU12は、燃料噴射量の制御に変更があると(ステップS21/YES)、燃料の増量制御への移行であるか否かを判定する(ステップS23)。燃料の増量制御への移行ではない場合(ステップS23/NO)、燃料増量制御から通常制御への移行であると判定することができる。この場合、まず、通常制御でこれから使用する運転領域の空燃比学習値は学習済みであるか否かを判定する(ステップS24)。エンジンECU12は、エンジン10の運転状況から決定される学習領域の空燃比学習値を学習済みであるか否かを判定する(ステップS24)。通常制御時の空燃比学習値を記録したマップ(例えば、図7(A)の上段のマップ、又は図7(B)の上段のマップ)は、図1に示すバックアップRAM124に記録されている。使用する運転領域での空燃比学習値が学習済みであると判定すると(ステップS24/YES)、その運転領域での空燃比学習値を使用し(ステップS25)、目標空燃比を通常制御時の目標空燃比に設定する(ステップS10)。また、使用する運転領域での空燃比学習値が学習済みではなかった場合には(ステップS24/NO)、制御を変更する前の燃料増量制御時の空燃比学習値を使用する(ステップS26)。又どちらの空燃比学習値も未学習の場合に、予め設定された初期値をセットする(ステップS26)。さらに、目標空燃比に通常制御時の目標空燃比を設定する(ステップS27)。空燃比のフィードバック制御が開始されると、空燃比フィードバック制御の制御結果を逐次処理し、該当運転領域の空燃比学習値としてマップ上に記録する(ステップS28)。空燃比学習値は、各運転領域において得られた空燃比フィードバック係数の平均的な値に等しい。
またステップS23において、燃料増量制御への移行であると判定すると(ステップS23/YES)、これから燃料増量制御で使用する運転領域の空燃比学習値は学習済みであるか否かを判定する(ステップS29)。燃料増量制御中の空燃比学習値を記録したマップ((例えば、図7(A)の下段のマップ、又は図7(B)の下段のマップ)も、図1に示すバックアップRAM124に記録されている。エンジンECU12は、使用する学習領域での空燃比学習値が学習済みであると判定すると(ステップS29/YES)、燃料噴射量の算出に用いる空燃比学習値をその運転領域での空燃比学習値に設定する(ステップS30)。また、使用する運転領域での空燃比学習値が学習済みではなかった場合には(ステップS29/NO)、空燃比学習値として、制御を変更する前の通常制御時の空燃比学習値を用いる(ステップS31)。又どちらの空燃比学習値も未学習の場合には、予め設定された初期値をセットする(ステップS31)。
その後、目標空燃比を燃料増量時の目標空燃比に設定し(ステップS32)、空燃比フィードバック制御を開始する。なお、燃料増量時の目標空燃比は、通常時の目標空燃比を燃料増量係数で除算することで求められる。空燃比のフィードバック制御が開始されると、空燃比フィードバック制御の制御結果を逐次処理し、該当運転領域の空燃比学習値としてマップ上に記録する(ステップS33)。なお、ステップS28、33の各学習ステップは、目標空燃比と実空燃比とがほぼ一致する安定した(空燃比の変化がなくなった)状態で行うものであり、学習条件が満たされない場合には、このステップは実行されずに次のステップに移行する。
また、燃料噴射量の制御に変更がない場合には(ステップS21/NO)、現在使用中の目標空燃比をそのまま継続して使用し、空燃比フィードバック制御を実施する(ステップS22)。
このように本実施例は、燃料増量制御中であっても空燃比のフィードバック制御を行って、空燃比を目標空燃比に近づける制御を行う。これによって、3元触媒の劣化を防止したり、燃費を向上させることができる。
なお、図8に示すフローでは、各運転領域の学習が一度でも完了した場合には、その領域に記憶された学習値を用いる場合を説明した。その他に、各運転領域に学習の更新履歴情報や使用履歴情報を記憶しておいて、運転領域に記録した学習値が更新から時間が経過し古くなったと判定した場合には、燃料増量時でも通常時の学習値を用いる、又通常時でも燃料増量時の学習値を用いるようにしてもよい。
また、燃料増量時の目標空燃比は、通常制御時の目標空燃比を燃料増量係数で除算した値として求めているが、この目標空燃比が大きく変化する場合には、空燃比フィードバック制御の補正項を大きく変化させて、早急に目標の空燃比となるように補正することもできる。空燃比フィードバック制御の補正項は、PI制御の比例項や積分項を示している。また、PI制御によって算出される値にオフセット値を加算して燃料噴射量を算出することもできる。
また、燃料増量制御中に、空燃比フィードバック係数と、空燃比学習値との少なくとも一方が、これらの値の上限値又は下限値に一致(張り付く)し、その状態が所定期間以上継続するときには、エンジンECU12は、燃料供給系の機関の異常と判定してもよい。
上述した実施例は本発明の好適な実施例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
本発明の燃料噴射制御装置が適用されるエンジン10の一実施例のシステム構成図である。 クランク角センサプレートの一例を示す図である。 エンジンの負荷率と回転数とで区分けされた運転領域を示す図である。 燃料増量係数とその補正値とを有する運転領域を示す図である。 空燃比学習値を学習する運転領域を示す図である。 実施例1の動作手順を示すフローチャートである。 通常制御時と燃料増量時の空燃比学習値のマップを示す図である。 実施例2の動作手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10 エンジン
12 エンジンECU
14 シリンダブロック
16 ウォータジャケット
18 ピストン
20 コンロッド
22 クランクシャフト
24 クランク角センサプレート
26 歯部
28 欠歯部
34 クランク角センサ
36 水温センサ
38 シリンダヘッド
40 燃焼室
46 吸気弁
48 排気弁
50 点火プラグ
52 イグナイタ
54,56 カムシャフト
60 ピックアップセンサ
64 吸気マニホールド
66 インジェクタ
69 吸気温センサ
70 吸気管
72 スロットルバルブ
74 スロットルセンサ
76 エアフロメータ
78 排気マニホールド
79 エアフィルタ
80 A/Fセンサ
81 パージVSV
82 ISCV

Claims (12)

  1. 燃料増量の要求があった場合に燃料増量係数に基づいて燃料噴射量を制御する燃料増量制御手段を備える燃料噴射量制御装置であって、
    前記燃料増量制御手段は、前記燃料増量係数を補正する補正値を用いて燃料増量要求があった場合の燃料噴射量を制御するものであり、燃料増量の要求に応じて燃料増量を行った後に検出したエンジンの実空燃比が、目標空燃比から所定値以上離れている場合に、前記補正値を修正することを特徴とする燃料噴射量制御装置。
  2. 検出したエンジンの実空燃比が目標空燃比に近づくように基本燃料噴射量の学習値を学習する学習制御手段と、燃料増量の要求があった場合に前記基本燃料噴射量と前記学習値とに基づいた燃料噴射量を増量制御する燃料増量制御手段と、を備える燃料噴射量制御装置であって、
    前記燃料増量制御手段は、前記学習値を補正する補正値を用いて燃料増量要求があった場合の燃料噴射量を制御するものであり、燃料増量の要求に応じて燃料増量を行った後に検出したエンジンの実空燃比が、目標空燃比から所定値以上離れている場合に、前記補正値を修正することを特徴とする燃料噴射制御装置。
  3. 前記燃料増量制御手段は、過渡時には前記補正値の修正を禁止することを特徴とする請求項1または2記載の燃料噴射量制御装置。
  4. 燃料増量の要求がない場合に検出したエンジンの実空燃比が目標空燃比に近づくように燃料噴射量を制御する空燃比フィードバック制御手段と、燃料増量の要求があった場合に燃料増量係数に基づいて燃料噴射量を制御する燃料増量制御手段と、を備える燃料噴射量制御装置であって、
    前記燃料増量制御手段は、燃料増量の要求があった場合に行う燃料増量制御を、検出したエンジンの実空燃比が目標空燃比に近づくように燃料噴射量をフィードバック制御するものであり、前記燃料増量時の目標空燃比を、前記空燃比フィードバック制御手段が制御に用いる目標空燃比と前記燃料増量係数とに基づいて設定することを特徴とする燃料噴射制御装置。
  5. 前記燃料増量制御手段は、前記実空燃比と前記目標空燃比との定常的なずれを補正する空燃比学習値に、前記燃料増量時とそれ以外の通常時とでそれぞれ別々のものを使用して燃料噴射量を制御することを特徴とする請求項4記載の燃料噴射量制御装置。
  6. 前記燃料増量制御手段は、前記通常時の制御から前記燃料増量時の制御へ移行するときに、前記燃料増量時の前記空燃比学習値の学習が完了していなければ、使用していた前記通常時の前記空燃比学習値をそのまま使用して前記燃料増量時の燃料噴射量を制御することを特徴とする請求項5記載の燃料噴射量制御装置。
  7. 前記燃料増量制御手段は、前記燃料増量時の制御から前記通常時の制御へ移行するときに、前記通常時の前記空燃比学習値の学習が完了していなければ、使用していた前記燃料増量時の前記空燃比学習値をそのまま使用して前記通常時の燃料噴射量を制御することを特徴とする請求項5記載の燃料噴射量制御装置。
  8. 前記フィードバック制御手段は、燃料の増量によって前記目標空燃比が所定値以上変化した場合に、前記空燃比フィードバック制御の補正項を変更する、または前記空燃比フィードバック制御にオフセットを持たせて前記目標空燃比への収束時間を短縮させることを特徴とする請求項4から7のいずれか1項記載の燃料噴射量制御装置。
  9. 前記燃料増量制御手段は、燃料の増量によって前記目標空燃比が所定値以上変化した場合に、前記空燃比学習値の更新を禁止することを特徴とする請求項5記載の燃料噴射量制御装置。
  10. 燃料増量の要求があった場合に、燃料増量係数に基づいて燃料噴射量を制御するステップと、
    燃料増量の要求に応じて燃料増量を行った後に検出したエンジンの実空燃比が、目標空燃比から所定値以上離れている場合に、前記燃料増量係数を補正するステップと、
    補正した燃料増量係数を用いて燃料増量時の燃料噴射量を制御するステップと、
    を有することを特徴とする燃料増量制御方法。
  11. 燃料増量の要求があった場合に、基本燃料噴射量と、エンジンの実空燃比を目標空燃比に近づけるための基本燃料噴射量の学習値とを用いて燃料噴射量を制御するステップと、
    燃料増量の要求に応じて燃料増量を行った後に検出したエンジンの実空燃比が、目標空燃比から所定値以上離れている場合に、前記基本噴射量の学習値を補正するステップと、
    補正した前記基本噴射量の学習値を用いて燃料増量時の燃料噴射量を制御するステップと、
    を有することを特徴とする燃料増量制御方法。
  12. 燃料増量の要求があった場合に、燃料増量時の目標空燃比を、前記空燃比フィードバック制御に用いる目標空燃比と前記燃料増量係数とに基づいて設定するステップと、
    前記燃料増量係数に基づいて燃料噴射量を増量し、エンジンの実空燃比が前記目標空燃比に近づくように燃料噴射量をフィードバック制御するステップと、
    を有することを特徴とする燃料増量制御方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013142370A (ja) * 2012-01-12 2013-07-22 Toyota Motor Corp 内燃機関の空燃比制御装置

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