JP2007262489A - 熱風供給装置,熱風供給方法 - Google Patents

熱風供給装置,熱風供給方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007262489A
JP2007262489A JP2006089003A JP2006089003A JP2007262489A JP 2007262489 A JP2007262489 A JP 2007262489A JP 2006089003 A JP2006089003 A JP 2006089003A JP 2006089003 A JP2006089003 A JP 2006089003A JP 2007262489 A JP2007262489 A JP 2007262489A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot
air
charging
blast furnace
hot stove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2006089003A
Other languages
English (en)
Inventor
Norimasa Shinoda
紀正 篠田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2006089003A priority Critical patent/JP2007262489A/ja
Publication of JP2007262489A publication Critical patent/JP2007262489A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Regulation And Control Of Combustion (AREA)

Abstract

【課題】目標の充風開始タイミングに遅延せずに熱風炉の充風を開始でき,充風量の増加速度を十分に確保可能な熱風供給装置を提供する。
【解決手段】本発明の熱風供給装置は,高炉送風機1と熱風炉2とを接続する送風配管4と;圧縮空気を供給可能な圧縮空気供給源20と;送風配管4の途中と圧縮空気供給源20とを接続する加送配管30と;加送配管30に設けられた加送弁31と;加送弁31の開閉を制御するコントローラ33と;を備える。そして,上記高炉送風機1は,送風配管4を介して一定風量を熱風炉2に送風するように定常運転する。また,熱風炉2のいずれかに充風するときには,高炉送風機1から送風配管4を介して一定風量を送風するとともに,コントローラ33により加送弁31を開放することで,加送配管30及び送風配管4を介して圧縮空気供給源20からの圧縮空気を充風用空気として熱風炉2に送風する。
【選択図】図2

Description

本発明は,熱風供給装置及び熱風供給方法に関し,特に,高炉に熱風を供給する熱風炉の充風制御を好適に実行できる熱風供給装置及び熱風供給方法に関する。
製鉄所等においては,高炉送風機から送風された空気を熱風炉で例えば千数百度にまで加熱し,この熱風炉から熱風を高炉に供給する熱風供給装置が設けられている。熱風炉は,一般的に複数台(例えば3台)設けられ,高炉送風機から送風された空気を複数台の熱風炉で交互に加熱して,高炉に熱風を供給する構成である。この場合,1台の熱風炉が熱風を高炉に送風する送風動作中であるときには,他の熱風炉では,バーナー等の燃焼により炉内に蓄熱する燃焼動作が行われている。そして,この熱風炉が燃焼動作から送風動作に切り替わるときには,送風動作に先立ち,熱風炉の内圧を高炉への送風圧力まで高める(即ち,充圧する)必要がある。この充圧のため,燃焼動作後には,熱風炉の入側の送風弁を開け,出側の熱風弁を閉めた状態で,高炉送風機からの空気を熱風炉内に充風する充風動作がなされる。かかる充風動作を行う場合には,他の熱風炉での送風動作に要する通常風量に,充風動作に要する充風量が加わるため,高炉送風機の全体送風量を増加させる制御を行っていた。
このような熱風炉の充風(充圧)動作を制御する手法として,例えば特許文献1には,高炉送風機と熱風炉の充圧弁との間に流量計及び流量調節弁を設置し,高炉送風機の設定吐出風量に充圧風量を加算して,高炉への送風量が一定となるように送風する技術が開示されている。また,特許文献2,3には,通常送風時に高炉へ送られる熱風の温度制御を行う混冷制御弁の下流側を,充圧弁を介して熱風炉の冷風入口にも連結しておき,熱風炉を蓄熱状態から送風状態に切替えるときに,混冷制御弁を所定の開度パターンで開放することで熱風炉を充圧し,高炉への送風圧力が一定となるように制御する技術が開示されている。
特開昭50−119703号公報 特開昭53−133507号公報 特開昭53−133508号公報
ところで,従来の高炉送風機としては,一般的に,高速回転する動翼と,回転しない静翼とを備え,静翼の角度を変更することにより送風量,風圧を調整可能なタイプの送風機が用いられている。しかしながら,このような静翼角度制御を利用して送風量を調整する高炉送風機を用いた場合,高炉送風機の送風量調整に依存した従来の充風制御方法では,熱風炉から要求される目標の充風開始タイミングに対し,実際の充風開始がどうしても遅延してしまうだけでなく,充風量の増加速度も遅いという問題があった(図5(a)参照)。このため,熱風炉の充風完了が遅れ,後続の燃焼(蓄熱)工程の時間を短縮せざるを得ず,この結果,燃焼工程で短期間に大量の燃料を投入して無駄に消費することとなり,熱損失が発生していた。
この点,上記特許文献1に記載の技術では,充風量を高炉送風機からの送風量で調整するが,この高炉送風機の送風量調整は上記のように時間遅延を生じるうえ,風量の変化速度も遅いので,充風量を好適に制御できなかった。また,上記特許文献2,3に記載の技術でも,熱風炉周りの弁制御を行ったとしても,高炉送風機の風量変化が追従しなければ,同様な理由で充風量を好適に制御できなかった。
そこで,本発明は,上記問題に鑑みてなされたものであり,本発明の目的とするところは,目標の充風開始タイミングに遅延せずに熱風炉の充風を開始できるとともに,充風量の増加速度を十分に確保することが可能な,新規かつ改良された熱風供給装置,熱風供給方法を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,高炉送風機から供給される空気を複数の熱風炉で交互に加熱して,熱風を高炉に供給する熱風供給装置が提供される。この熱風供給装置は,高炉送風機と熱風炉とを接続する送風配管と;圧縮空気を供給可能な圧縮空気供給源と;送風配管の途中と圧縮空気供給源とを接続する加送配管と;加送配管に設けられた加送弁と;熱風炉のいずれかに充風するときに,圧縮空気供給源からの圧縮空気が充風用空気として加送配管及び送風配管を介して熱風炉に送風されるように,加送弁の開閉を制御するコントローラと;を備え,高炉送風機が送風配管を介して熱風炉に送風する風量は一定風量であることを特徴とする。
かかる構成において,高炉送風機は,充風時または通常送風時にかかわらず,一定風量で定常運転して,送風配管を介して空気を熱風炉に送風する。また,熱風炉の充風時には,コントローラにより,加送弁を開放して,圧縮空気供給源からの圧縮空気を充風用空気として熱風炉に送風する。これにより,高炉送風機の送風量を増減させることなく,熱風炉への充風量を加送弁の開閉で制御できるので,目標の充風開始タイミングに遅延せずに熱風炉への充風を開始できるとともに,充風量の増加速度を十分に確保できる。
また,上記コントローラは,熱風炉から要求される目標充風パターンに従って,加送弁の開閉を制御するようにしてもよい。これにより,加送配管を流れる充風量を目標充風パターンに合致するように制御できる。
また,上記コントローラは,熱風炉から熱風炉の動作状態を表す熱風炉状態信号を受信し,当該熱風炉状態信号に基づき,熱風炉から要求される充風開始タイミングに先立ち加送弁を開放し始めるよう制御するようにしてもよい。これにより,コントローラは,熱風炉状態信号に基づき熱風炉の状態を把握して,加送弁の開放開始タイミングを熱風炉から要求される充風開始タイミングより前の適切なタイミングに設定できるので,当該充風開始タイミングに遅延せずに,熱風炉への充風を開始できる。
また,上記加送配管の流量を検出する加送流量計をさらに備え,上記コントローラは,熱風炉状態信号に基づき,加送弁の開放開始タイミングを熱風炉から要求される充風開始タイミングより前に設定し,当該設定された開放開始タイミングで加送弁を開放したときに,加送流量計により検出された実際の充風開始タイミングと,熱風炉から要求される充風開始タイミングとの偏差に基づき,加送弁の開放開始タイミングの設定を調整するようにしてもよい。これにより,実際の充風開始タイミングと,熱風炉から要求される充風開始タイミングとの間に偏差(時間ずれ)が合った場合には,当該時間ずれが補正されるように,加送弁の開放開始タイミングを設定調整して,実際の充風開始タイミングと,熱風炉から要求される充風開始タイミングとを合致させることができる。
また,上記熱風炉状態信号は,熱風炉の炉内温度信号,または,熱風炉のバーナー弁若しくは煙道弁の状態信号の少なくともいずれかを含むようにしてもよい。これにより,コントローラは,これらの信号の受信タイミングに基づき,要求される充風開始タイミングを予測して,当該充風開始タイミングより前に加送弁の開放開始タイミングを適切に設定できる。
また,上記加送弁は,開閉動作速度を調整可能であるようにしてもよい。これにより,加送弁の動作特性や加送配管内の流速等に応じて,加送弁の開閉動作速度を調整して,加送配管からの充風量を適切に制御できる。
また,上記圧縮空気供給源は,高炉の関連設備として既設されている空気圧縮機,または,必要充風量に満たない小容量の空気圧縮機により圧縮空気が貯蔵された空気貯蔵タンクであるようにしてもよい。これにより,製鉄所等において既設の空気圧縮機の圧縮空気を充風用空気として利用したり,或いは,小容量の空気圧縮機により空気貯蔵タンクに貯蔵された圧縮空気を充風用空気として利用したりできる。このため,圧縮空気供給源の設置に要する設備コストを低減できる。
また,上記課題を解決するために,本発明の別の観点によれば,高炉送風機から供給される空気を複数の熱風炉で交互に加熱して,熱風を高炉に供給する熱風供給方法が提供される。この熱風供給方法では,高炉送風機と熱風炉とを接続する送風配管の途中に,圧縮空気供給源からの圧縮空気を送風するための加送配管を接続し,送風配管を介して一定風量を熱風炉に送風するように高炉送風機を定常運転させる。そして,熱風炉のいずれかに充風するときには,高炉送風機から送風配管を介して一定風量を送風するとともに,加送配管に設けられた加送弁を開放することで,加送配管及び送風配管を介して圧縮空気供給源からの圧縮空気を充風用空気として熱風炉に送風する。
かかる構成により,充風時または通常送風時にかかわらず,高炉送風機を一定風量で定常運転させて,高炉送風機から送風配管を介して空気を熱風炉に送風する。また,熱風炉の充風時には,コントローラにより,加送弁を開放して,圧縮空気供給源からの圧縮空気を充風用空気として熱風炉に送風する。これにより,高炉送風機の送風量を増減させることなく,熱風炉への充風量を加送弁の開閉で制御できるので,目標の充風開始タイミングに遅延せずに熱風炉への充風を開始できるとともに,充風量の増加速度を十分に確保できる。
以上説明したように本発明によれば,熱風炉から要求される目標の充風開始タイミングに遅延せずに熱風炉の充風を開始できるとともに,充風量の増加速度を十分に確保できるので,目標充風パターンに合致するように充風量を好適に制御できる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
以下に,本発明の第1の実施形態にかかる高炉への熱風供給装置及び熱風供給方法について説明する。まず,図1及び図2を参照して,本実施形態にかかる熱風供給装置の全体構成について説明する。図1,図2は,本実施形態にかかる熱風供給装置の全体構成を示す概略図と設備構成図である。なお,図1では1台の熱風炉2のみを図示している。
図1及び図2に示すように,本実施形態にかかる熱風供給装置では,高炉送風機1と熱風炉2とが送風配管4を介して接続され,熱風炉2と高炉3とが熱風配管5を介して接続されている。
高炉送風機1は,送風配管4を介して熱風炉2に一定風量で空気を送風する。この際の高炉送風機1の送風量は,例えば8000〜9000Nm/minであり,風圧は例えば4〜5kg重/cm(ゲージ圧)である。この高炉送風機1は,駆動機1aの駆動力により送風動作を行う(図2参照)。かかる高炉送風機1としては,例えば,高速回転する動翼と回転しない静翼とを備え,静翼の角度を変更することにより送風量,風圧を調整可能なタイプの送風機を使用できる。しかし,かかる例に限定されず,高炉送風機1としは,一定の風量を継続的に送風可能なものであれば,任意のタイプの送風機を使用できる。また,送風配管4(後述する加送配管30の接続箇所よりも上流側の部分)には,高炉送風機1が吐出した送風量を検出する送風流量計15が設置されている(図2参照)。これにより,送風流量計15によって検出された送風量を高炉送風機1にフィードバックして,高炉送風機1の送風量が所望の送風量となるよう適切に制御することができる。
熱風炉2は,上記高炉送風機1から送風配管4を介して供給される空気を加熱して,高温(例えば1200〜1300℃)の熱風を,所定の送風圧力(例えば4〜5kg重/cm(ゲージ圧))で高炉3に送風する。図2に示すように,本実施形態では,例えば3台の熱風炉2(第1熱風炉2A,第2熱風炉2B,第3熱風炉2C)が設置されており,高炉送風機1から供給される空気を3台の熱風炉2で交互に加熱して熱風を生成し,この熱風を熱風配管5を介して高炉3に供給する構成である。このため,各熱風炉2の入側には,高炉送風機1からの送風配管4の分岐管がそれぞれ接続されており,各熱風炉2の出側の熱風配管5は1本の配管に合流して高炉3に接続されている。なお,熱風炉2は,2台または4台以上設置することも可能である。
かかる熱風炉2の入側には,高炉送風機1等から送風配管4を介して送風される空気の流入を制御するための送風弁6が設けられ,一方,熱風炉2の出側には,熱風配管5を介した高炉3への熱風の供給を制御するための熱風弁7が設けられている。また,熱風炉2には,バーナー燃焼用の燃料(例えば,高炉ガス(BFG),コークス炉ガス(COG)等)の供給を制御するため第1バーナー弁8と,バーナーファン10からのバーナー燃焼用の空気の供給を制御するための第2バーナー弁9とが設けられている。さらに,熱風炉2には,燃焼動作前に熱風炉2内の圧力を低下させるための排圧弁11と,燃焼動作時の排ガスを排風するための煙道弁12とが設けられ,これらの排圧弁11と煙道弁12は煙突13に連通している。また,熱風炉2には,炉内の温度を検出する炉内温度計14が設けられている。
高炉3は,上記熱風炉2から供給された熱風が下部側から吹き込まれ,かかる熱風を利用して上部のホッパ(図示せず。)から投入されたコークスと鉄鉱石とを酸化還元反応させる。このとき,高炉3の下部側から吹き込まれる熱風が,所定の圧力以上でなければ,コークス等が落下してしまう。このため,上記熱風炉2の出側の送風圧力を常に上記所定の圧力(例えば4〜5kg重/cm(ゲージ圧))以上にしなければならない。従って,熱風炉2では,燃焼(蓄熱)動作後にほぼ大気圧まで低下している炉内の圧力を,上記所定の圧力まで充圧してから,高炉3への熱風の送風動作を開始する必要がある。
なお,本実施形態にかかる熱風供給装置は,図2に示すように,圧縮空気を供給可能な圧縮空気供給源20と,送風配管4の途中(分岐前の箇所)と圧縮空気供給源20とを接続する加送配管30と,加送配管30に配設された加送弁31と,加送配管30の送風量を検出する加送流量計32と,加送弁31の開閉を制御するコントローラ33とを備えている点が特徴的であるが,これらの詳細については後述する。
次に,図3及び図4を参照して,上記構成の熱風供給装置における熱風炉2の動作について説明する。なお,図3は,本実施形態にかかる第1〜第3熱風炉2A〜2Cの動作を示すタイミングチャートである。図4は,図3の動作を行うときの第1熱風炉2Aの弁動作を示すタイミングチャートである。
図3に示すように,各熱風炉2は,それぞれ,送風動作,排風動作,燃焼(蓄熱)動作,充風動作という4つの動作を1つのサイクルとして繰り返し稼働する。そして,3台の熱風炉2が,高炉送風機1から送風された空気を交互に加熱して,高炉3に熱風を送風するようになっている。このとき,ある熱風炉2が送風動作中には,他の2つの熱風炉2は,送風動作を行わずに,排風動作,燃焼動作,充圧動作といった送風動作のための準備をしている。例えば,第1熱風炉2Aが送風動作中であるとき(0〜T3)には,第2熱風炉2Bは燃焼動作(0〜T2)と充風動作(T2〜T3)を行い,第3熱風炉2Cは排風動作(0〜T1)と燃焼動作(T1〜T3)を行っている。
これらの各動作時の弁動作を第1熱風炉2Aの例で説明すると,図4に示すように,高炉3への送風動作時(0〜T3,T9〜)には,入側の送風弁6及び出側の熱風弁7を開放した状態で,送風配管4から炉内に流入した空気を,先の燃焼動作時の蓄熱で加熱して,熱風を熱風配管5に送出する。次いで,排風動作時(T3〜T4)には,送風弁6及び熱風弁7を閉鎖し,排圧弁11を開放した状態で,炉内の圧力をほぼ大気圧にまで減少させる。さらに,燃焼動作時(T4〜T8)には,送風弁6及び熱風弁7を閉鎖したまま,排圧弁11を閉鎖し,第1バーナー弁8,第2バーナー弁9及び煙道弁12を開放した状態で,炉内にバーナー燃焼用の燃料と空気を導入して燃焼させるとともに排ガスを炉外に排出して,炉内に蓄熱する。その後,充風動作時(T8〜T9)には,入側の送風弁6を開放し,出側の熱風弁7,第1バーナー弁8,第2バーナー弁9及び煙道弁12を閉鎖した状態で,送風配管4から炉内に空気を充風して,炉内の圧力を上記高炉3への所定の送風圧力(例えば4〜5kg重/cm(ゲージ圧))まで充圧し,次工程の送風動作(T9〜)に備える。なお,熱風炉2における充風動作時間は,例えば4〜6分程度であり,燃焼動作時間(例えば80分程度)と比べて短い。
以上のような各動作を各熱風炉2が交互に順次行っている場合,図3に示すように,いずれの熱風炉2にも充風しないとき(0〜T2,T3〜T5,T6〜T8,T9〜)には,3つの熱風炉2全体で必要な送風量は,送風動作を行っている1台の熱風炉2から高炉3に送風される一定の送風量(例えば8000〜9000Nm/min,以下「通常操業時の送風量」若しくは「指定風量」という。)である。これに対し,いずれか1台の熱風炉2に充風するとき(T2〜T3,T5〜T6,T8〜T9)には,3つの熱風炉2全体で必要な送風量は,上記通常操業時の送風量に,熱風炉2の充風動作に必要な所定の送風量(例えば300〜500Nm/min。以下「充風量」という。)を加えたものとなる。この結果,3つの熱風炉2全体で必要な送風量は,図3に示すように,いずれかの熱風炉2が充風動作を行う度に矩形波状に増減する。
このように矩形波状に増減する必要送風量を熱風炉2に供給するため,従来では,図5(a)に示すように,充風動作タイミングごとに,高炉送風機1に対して矩形波状の充風信号を入力して,高炉送風機1の吐出する送風量を増減することで,充風量を制御していた。しかし,かかる従来の充風制御方法では,高炉送風機1が出力する実際の充風量(実線で示す。)が,熱風炉2から要求される矩形波状の目標充風パターン(破線で示す。)に対して充風開始タイミングが遅延するうえに,充風量の増加/減少速度も遅くなってしまうという問題があった。このように,従来では,高炉送風機1の実際の充風量が,目標充風パターンに対して迅速に追従せず,矩形波状ではなく緩慢な山形で増減していた。この結果,各熱風炉2での充風動作完了が遅延(例えば3分程度遅延)し,後続の燃焼動作の期間を短縮せざるを得なかった。
そこで,本実施形態では,高炉送風機1を,充風時,非充風時にかかわらず,熱風炉2から要求される一定の指定風量(上記「通常操業時の送風量」)で定常運転させる。この指定風量は,熱風炉2のコントローラ(図示せず。)から高炉送風機1に入力されてもよいし,作業員によって高炉送風機1に手動で入力されてもよい。
そして,熱風炉2の充風時には,高炉送風機1による上記指定風量での定常運転を継続しつつ,高炉送風機1以外の圧縮空気供給源20からの圧縮空気を充風用空気として熱風炉2に送風する構成を採用している。即ち,高炉3への送風動作に要する一定の指定風量については,高炉送風機2から継続的に供給し,一方,各熱風炉2の充風動作時にのみ必要な充風量(矩形波状に増減する風量)については,圧縮空気供給源20から一時的に供給して補充するようにしている。これにより,高炉送風機1の送風量を増減させる必要がなくなり,図5(b)に示すように,圧縮空気供給源20から供給される実際の充風量(実線)を,熱風炉2から要求される目標充風パターン(破線)に合致するように適切に供給することができる。なお,熱風炉2の充風量(例えば300〜500Nm/min)は,通常操業時の送風量(例えば8000〜9000Nm/min)と比べて少ないので,別途の圧縮空気供給源20で補充することが十分可能である。
ここで,かかる圧縮空気供給源20と,この圧縮空気供給源20からの送風系統について,上記図2を参照して詳細に説明する。
図2に示したように,上記圧縮空気供給源20としては,例えば,高炉3の関連設備として製鉄所に一般的に設置されている各種の空気圧縮機(酸素プラント用原料空気圧縮機21,所内用空気圧縮機22等)を利用できる。酸素プラント用原料空気圧縮機21は,原料空気から酸素を分離精製する酸素プラント(図示せず。)用の原料空気を圧縮する空気圧縮機である。また,所内用空気圧縮機22は,製鉄所内の各種の圧縮空気消費プラント24等に圧縮空気を供給する空気圧縮機であり,電動機23の駆動力により空気圧縮動作を行う。かかる既存の空気圧縮機21,22は,例えば,送風量3000〜4000Nm/min,風圧6〜8kg重/cm(ゲージ圧)で,圧縮空気を吐出可能である。このような既存の空気圧縮機21,22を圧縮空気供給源20として利用して,当該空気圧縮機が供給可能な圧縮空気の一部を充風用空気として利用することで,圧縮空気供給源20を新設しなくて済むので,設備コストを低減できる。
また,上記圧縮空気供給源20としては,例えば,必要充風量に満たない小容量の小型空気圧縮機25と,この小型空気圧縮機25により圧縮空気が貯蔵されるアキュムレータ26(空気貯蔵タンク)とからなる圧縮空気供給装置を利用できる。この圧縮空気供給装置は,例えば,上記熱風炉2の燃焼動作時間中に,小型圧縮機25によって圧縮空気をアキュムレータ26に貯蔵しておき,熱風炉2の充風動作時に,アキュムレータ26に貯蔵されている圧縮空気を,充風用空気として供給することができる。上記熱風炉2の燃焼動作時間(例えば80分程度)は充風動作時間(例えば4〜6分)に比べて十分長いので,上記小容量の小型空気圧縮機25であっても,かかる燃焼動作時間中に,充風動作時に必要な量の圧縮空気を十分に貯蔵できる。このような小型空気圧縮機25とアキュムレータ26とからなる圧縮空気供給装置は,比較的小容量で簡素な設備であるので,新設したとしても設備コストを抑制できる。
具体例を挙げると,この小型空気圧縮機25の能力(スペック)は,例えば,送風量:100Nm/min,風圧:4〜5kg重/cm(ゲージ圧)程度と,低レベルに抑制することができる。このスペックは次のような計算から求めることができる。例えば,熱風炉2の充風に必要な風量は,500Nm/min×6min=3,000Nmであるとする。また,熱風炉2の燃焼時間が80分とした場合,充風の頻度は40分間隔である。従って,小型空気圧縮機25は,40分間で3,000Nmの空気をアキュムレータ26に貯蔵する必要があるので,小型空気圧縮機25の送風量は少なくとも,3,000Nm/40min=75Nm/minが必要となり,余裕を見て100Nm/min程度が好適である。また,充風に必要な圧力は4〜5kg重/cm(ゲージ圧)であるので,小型空気圧縮機25の風圧も同程度にできる。なお,この小型空気圧縮機25の能力はあくまで一例であり,熱風炉2の仕様,設置数,充風時間等に応じて適宜設計変更可能である。
なお,図2の例では,弁27,28a,28b,28c,29の開閉を制御することで,酸素プラント用原料空気圧縮機21,所内用空気圧縮機22,小型空気圧縮機25及びアキュムレータ26という3つの供給源のうちの任意の供給源から,圧縮空気を選択的に供給可能に構成されているが,かかる例に限定されず,これらの供給源のうち一部のみを設置してもよい。また,圧縮空気供給源20としては上記例に限定されず,圧縮空気を供給可能なものであれば,小型の送風機など任意の装置を利用できる。
次に,以上のような圧縮空気供給源20からの送風系統について説明する。上記圧縮空気供給源20は,加送配管30により送風配管4の途中に接続されている。これにより,上記圧縮空気供給源20から圧縮空気を,加送配管30及び送風配管4を介して各熱風炉2に送風することができる。このとき,加送配管30が接続された部分より下流側の送風配管4では,高炉送風機1から供給された空気と,圧縮空気供給源20から供給された空気とが合流して,熱風炉2に向けて送風される。なお,上記加送配管30は,通常操業時の送風量(8000〜9000Nm/min)と比べて少量の充風量(300〜500Nm/min)の空気が流通するものであるので,加送配管30の口径(例えばφ400〜600mm)は,送風配管4の口径(例えばφ1800mm)よりも小さくすることができる。
このような加送配管30には,加送配管30内の空気流量を制御する加送弁31と,加送配管30の流量(充風量に相当)を検出する加送流量計32とが設けられている。さらに,熱風供給装置は,上記加送弁31の開閉を制御するコントローラ33を具備している。
加送弁31としては,例えば,弁の開閉動作速度を調整可能なバタフライ弁を使用することができる。バタフライ弁は,開閉動作速度が速く,開閉指示に対して迅速に反応できるので,加送配管30の流量を高速で制御できるようになる。従って,上記充風開始タイミングの遅延および風量変化速度の遅さ(図5(a)参照)を改善して,矩形波状の目標充風パターンに合致する充風量を迅速に供給開始/供給停止できるようになる(図5(b)参照)。さらに,バタフライ弁は,駆動源として,例えば,電動モータ,油圧若しくは空圧アクチュエータ等の多様な駆動装置を利用できるという利点もある。なお,加送弁31としては,開閉動作作速度が速いものであれば,上記バタフライ弁以外にも各種の弁を使用できる。
また,この加送弁31の開閉動作速度は,上記加送弁31の動作特性や加送配管30内の空気流速等を考慮して,熱風炉2から要求される目標充風パターンに最も一致するように決定される。加送弁31の開閉動作速度が速い方が,充風量の増加速度(立ち上がり)及び減少速度(立ち下がり)が速くなるので,上記矩形波状の目標充風パターンに追従しやすくなる。しかし,開閉動作速度が過度に速いと,弁が開閉しすぎるオーバーシュートが生じ,充風量が目標値を超えてしまう。そこで,加送弁31として開閉動作速度を調整可能な弁を使用し,その開閉動作速度を上記のように動作特性や使用環境等に応じて適切な速度に決定することが好ましい。
コントローラ33は,熱風炉2から要求される目標充風パターンに従って,加送弁31の開閉を制御し,上記熱風炉2の充風時に,上記圧縮空気供給源20から当該目標充風パターンに合致する充風量の空気が加送配管30に流れるように制御する。具体的には,このコントローラ33は,熱風炉2からの目標充風パターンが入力され,この目標充風パターンに対応する矩形波状の充風信号を加送弁31に入力して,加送弁31の開度を制御する。このとき,コントローラ33には,加送流量計32により検出された実際の流量(充風量)が入力されており,コントローラ33は,この実際の流量に基づき,加送弁31の開度が目標充風パターンに合致する適切な開度となるようにフィードバック制御することができる。
さらに,コントローラ33は,各熱風炉2のコントローラ(図示せず。)から,当該熱風炉2の動作状態を表す熱風炉状態信号を受信し,当該熱風炉状態信号の受信タイミングに基づいて,各熱風炉2から要求される充風開始タイミングに先立ち,充風信号を加送弁31に発信して,当該要求される充風開始タイミングより前に,加送弁31を開放し始めるよう制御する。
このような加送弁31の開放開始タイミングの前出し処理について説明する。上記加送弁31として,開閉動作速度が速いバタフライ弁を用いたとしても,充風量の立ち上がりは速くなるが,加送配管30に実際に空気が流れ始めるタイミング(以下,実際の充風開始タイミング)は,目標の充風開始タイミングよりも遅延してしまう場合がある。特に,熱風炉2と圧縮空気供給源20とが離隔しており,送風配管4が長距離にわたって延設されている場合には,実際の充風開始タイミングが遅延する可能性が高くなる。
ところが,熱風炉2の動作状態を把握し,熱風炉2で燃焼動作が終了して充風動作が開始するタイミング(即ち,熱風炉2から要求される目標の充風開始タイミング)を予測することができれば,当該目標の充風開始タイミングに先立ち充風信号を加送弁31に発信して,加送弁31の開放開始タイミングを早めることで,実際の充風開始タイミングを目標の充風開始タイミングに合致させることができるようになる。
そこで,コントローラ33は,燃焼動作状態にある熱風炉2から熱風炉状態信号を受信し,この熱風炉状態信号の受信タイミングに基づいて,当該熱風炉2での燃焼動作が終わるタイミングを予測する。この熱風炉状態信号は,例えば,熱風炉2の炉内温度計14により検出された炉内温度が所定の目標温度(例えば1200℃)以上に上昇したことを表す信号や,熱風炉2の第1バーナー弁8,第2バーナー弁9若しくは煙道弁12が閉鎖動作を開始したことを表す信号などである。熱風炉2の炉内温度が所定の目標温度以上になった場合や,第1バーナー弁8,第2バーナー弁9若しくは煙道弁12が閉動作を開始した場合には,熱風炉2の燃焼動作が間もなく終了して充風動作が開始すると判断できる。
従って,コントローラ33は,かかる熱風炉状態信号を受信することによって,熱風炉2の燃焼動作が終了して充風動作が開始されるタイミング(即ち,目標の充風開始タイミング)を予測でき,この予測した目標の充風開始タイミングより前に,加送弁31の開放開始タイミング(即ち,充風信号の発信タイミング)を設定できる。本実施形態では,コントローラ33は,タイマーを備えており,上記熱風炉状態信号の受信タイミングから所定の待機時間経過後のタイミングを,加送弁31の開放開始タイミングに設定する。この所定の待機時間は,加送弁31の開放開始タイミングが,予測した目標の充風開始タイミングより前になるような時間に設定される。例えば,目標の充風開始タイミングが熱風炉状態信号の受信タイミングから30秒後であると予測される場合には,上記所定の待機時間は10秒に設定され,この結果,加送弁31の開放開始タイミングは熱風炉状態信号の受信タイミングから10秒後に設定される。
例えば,大型弁である第1バーナー弁8,第2バーナー弁9若しくは煙道弁12は,閉動作を開始してから完全に閉鎖するまでは,ある程度の時間(例えば1分程度)がかかる(図4参照)。このため,これらの弁の閉動作が開始されたことを検知した後,充風動作が開始される前までの間に,加送弁31の開放開始タイミングを設定することは十分可能である。
さらに,コントローラ33は,上記設定した加送弁31の開放開始タイミングで加送弁31を開放したときの実際の充風開始タイミングと,熱風炉2から要求された目標の充風開始タイミングとを比較し,両者に偏差(時間ずれ)がある場合には,実際の充風開始タイミングが目標の充風開始タイミングに合致するように,上記所定の待機時間を延長/短縮して,加送弁31の開放開始タイミングの設定を調整する。
上記のようにして,コントローラ33は,加送弁31の開放開始タイミングを目標の充風開始タイミングより前の好適なタイミングに設定して,当該目標の充風開始タイミングに先立ち加送弁31の開放を開始することで,実際の充風開始タイミングの遅れを補正し,目標の充風開始タイミングに合致させることができる。
以上のように,コントローラ33は,加送流量計32の検出した流量と熱風炉状態信号とに基づき,熱風炉2から要求される目標の充風開始タイミングと実際の充風開始タイミングが合致するような最適な充風信号を計算し,この充風信号を加送弁31に発信することで,目標充風パターンに合うように加送弁31の開閉を制御する。
ここで,図6を参照して,本実施形態にかかるコントローラ33による加送弁31の開閉制御動作の具体例について詳細に説明する。図6は,本実施形態にかかるコントローラ33による加送弁31の開閉制御動作フローを示す説明図である。
図6に示すように,まず,コントローラ33は,燃焼動作中の熱風炉2のコントローラから,熱風炉状態信号を受信し(S1),当該熱風炉状態信号を受信したタイミングで,当該熱風炉状態信号を受信したことを表す信号(A)を,タイマー331に出力する(S2)。熱風炉状態信号は,上記のように例えば,熱風炉2の炉内温度が所定の目標温度以上に達したことを表す信号や,熱風炉2の第1バーナー弁8,第2バーナー弁9若しくは煙道弁12が閉動作を開始したことを表す信号など,複数種類の信号を使用できる。コントローラ33は,これら複数種類の熱風炉状態信号の中から,1又は2以上の信号を選択できるようになっており,この選択された信号を受信したタイミングで上記信号(A)を出力する。例えば,コントローラ33は,特定の1つの熱風炉状態信号を受信したときに信号(A)を出力するようにしてもよいし,或いは,特定の2つ以上の信号の全てを受信したときに信号(A)を出力するようにしてもよい。後者の場合には,熱風炉2の状態のうち2以上の条件が同時成立した場合(例えば,熱風炉2の炉内温度が目標温度以上になり,かつ,第1バーナー弁8が閉動作を開始した場合)に,信号(A)を出力するようになる。これにより,熱風炉2の燃焼動作が終了するか否かの判断を,より確実にできるようになる。
次いで,タイマー331は,上記信号(A)の入力時からの経過時間を計時し,当該信号(A)を受信してから上記所定の待機時間(例えば10秒)の経過後(即ち,タイマー時限後)に,信号(B)を反転回路332に出力する(S3)。反転回路332は,信号(B)を反転した信号(C)を生成する回路である。この反転回路332は,信号(B)が入力されないとき(信号(B)がOFFのとき)は,信号(C)としてON信号をスイッチ回路333に対して継続的に発信し,一方,上記タイマー331から信号(B)が入力される(信号(B)がONされる)と,信号(C)を切り,OFF信号をスイッチ回路333に出力する(S4)。このようにして信号(C)が切れると,スイッチ回路333がONとなり,設定充風パターンを表す矩形波信号である信号(E)が,スイッチ回路333を通過して信号(F)として進む(S5)。なお,上記信号(C)がONであるときには,スイッチ回路333はOFFであり,信号(E)はスイッチ回路333を通過しないので,信号(F)が出力されない。
上記信号(E)として出力される設定充風パターンは,充風量ΔQと充風時間ΔTとを含む情報であり,充風開始タイミングt1の情報は含まれていない。この設定充風パターンは,熱風炉2から要求される目標充風パターン(充風量ΔQと,充風時間ΔTと,充風開始タイミングt1と,充風終了タイミングt2の情報を有する。)に基づいて生成される。即ち,コントローラ33には,充風時に熱風炉2から目標充風パターンが信号(D)として入力されており,コントローラ33は,この目標充風パターンから,充風量ΔQと充風時間ΔTを抽出して,設定充風パターンを生成し,この設定充風パターンをメモリ等の記憶媒体(図示せず。)に保持している。そして,上記スイッチ回路333は,上記信号(C)が切れたタイミングで,この設定充風パターンを表す矩形波信号である信号(E)を通過させて,信号(F)として出力する。このようにして信号(E)がスイッチ回路333を通過して信号(F)が出力された時点から,充風パターンが開始され,以下のように加送弁の開閉が開始される。
次いで,コントローラ33は,上記設定充風パターンを表す信号(F)と,加送流量計32により検出された加送配管30の流量を表す信号(I)との偏差(G)を求め(S6),この偏差(G)をPI制御した値を充風信号(H)とし(S7),この充風信号(H)を加送弁31に発信する(S8)。なお,このPI制御のパラメータは,例えば手動で設定される。このようにしてコントローラ33から発信された充風信号(H)に基づき,加送弁31の開度が制御される。この結果,加送配管30内の流量(実際の充風量)が変化すれば,加送流量計32により当該流量(I)がコントローラ33にフィードバックされる。このようにして,コントローラ33は,(G)→(H)→(I)のループによるフィードバック制御により,加送配管30を流れる実際の充風量が,上記矩形波状の設定充風パターンに合致するような最適な充風信号(H)を生成して,加送弁31の開度を好適に制御できる。
以上説明したフローのように,コントローラ33は,充風量ΔQと充風時間ΔTを表す矩形波状の設定充風パターン(E,F)を保持し,この固定の設定充風パターン(E,F)を充風信号(H)として加送弁31に出力するタイミングを,上記熱風炉状態信号の受信タイミングに基づいて決定している。そして,熱風炉状態信号の受信タイミングから所定の待機時間(例えば10秒)経過後に,設定充風パターン(E,F)に応じた充風信号(H)を発信して,加送弁31の開放を開始する。これにより,熱風炉2から要求される目標充風パターン(D)の充風開始タイミングt1に先立ち,加送弁31の開放を開始して,実際の充風開始タイミングの遅れを防止できる。
次に,上記タイマー331の設定調整について説明する。上述したように,コントローラ33は,熱風炉状態信号を受信してから,タイマー331に設定された所定の待機時間経過後に,充風信号(H)を発信するようになっている。しかし,このタイマー331における所定の待機時間の設定が長すぎる/短すぎると,図6の充風結果に示すように,加送弁31の追従は良好であるものの,熱風炉2から要求される目標充風パターンに対し,設定充風パターン自体が遅れる/早まる場合(即ち,目標の充風開始タイミングt1及び目標の充風終了タイミングt2に対して,実際の充風開始タイミングt1’及び実際の充風終了タイミングt2’が,遅すぎる/早すぎる場合)がある。
そこで,かかる場合には,コントローラ33は,加送流量計32で検出した流量(I)に基づき得られる実際の充風結果(J)と,熱風炉2から要求される目標充風パターン(D)とを比較(パターンマッチング)して,双方の偏差(L)を求め(S9),この偏差(L)に基づいて,上記タイマー331の待機時間の設定を自動的に調整する(S10)。例えば,上記偏差(L)は,[目標の充風開始タイミングt1−実際の充風開始タイミングt1’]で算出でき,この算出した偏差(L)の分だけ,タイマー331の待機時間を延長/短縮するように設定調整することができる。なお,上記タイマー331の待機時間の設定は,手動(K)で調整することも可能である(S10)。
このようにして,コントローラ33は,実際の充風結果と目標充風パターンとのパターンマッチングを1又は複数回繰り返すことにより,タイマー331の待機時間を最適な時間に設定調整する。これにより,設定充風パターンの開始タイミング(充風信号の発信タイミング)を適切なタイミングに設定調整して,目標の充風開始タイミングt1と実際の充風開始タイミングt1’との時間ずれを補正できる。なお,コントローラ33は,タイマー331の適切な待機時間を一度設定して,メモリ等に保持してしまえば,それ以降は,当該待機時間を繰り返し使用して,加送弁31の開閉制御を好適なタイミングで実行できる。
次に,図7を参照して,本実施形態にかかる熱風供給装置を,高炉3の拡大改修時等に適用する例について説明する。なお,図7は,本実施形態にかかる熱風供給装置における送風能力の拡大を説明するためのグラフである。
図7(a)に示すように,高炉送風機1の新規建設時には,高炉送風機1の操業範囲(高炉送風機1の吐出圧力や吸込風量等の送風能力の範囲)は,熱風炉2に対して上記所定の指定風量を送風するときの通常操業点はもとより,熱風炉2を所定の充風量で充風するときの充風時操業点をもカバーできるように決定される。
しかし,図7(b)に示すように,高炉3の拡大改修等により必要送風量が増加した場合,通常操業点が高炉送風機1の操業範囲(運転範囲)を越えるケース(○点で示す。)や,通常操業点が高炉送風機1の運転範囲の上限近くに達し充風量を確保できないケース(●点で示す。)が発生することがある。これらのケースには,従来では,不足分の送風量及び充風量を確保するために,より高容量の高炉送風機1を新設する,或いは別途の高炉送風機を追加設置する必要があり,設備コストが嵩み経済的ではないという問題があった。
これに対し,本実施形態では,図2に示したように,高炉送風機1以外の圧縮空気供給源20(例えば,上記製鉄所内に既存の酸素プラント用原料空気圧縮機21や所内用空気圧縮機22,または小型空気圧縮機25とアキュムレータ26を具備する圧縮空気供給装置など)からの圧縮空気を,熱風炉2及び高炉3に供給可能に構成されている。これにより,上記図7(b)のようなケースであっても,高炉送風機1からの送風に加えて,圧縮空気供給源20からの圧縮空気を通常送風用空気または充風用空気として利用することで,図7(c)に示すように,上記高炉3の拡大改修等に伴う不足分の送風量及び充風量を確保できる。従って,高炉送風機1の新設や追加設置等を回避することができるので,設備コストを低減でき,経済的である。特に,圧縮空気供給源20として,既存の設備を有効利用する,或いは,小容量の小型空気圧縮機25等を新設するだけでよいので,設備コスト面で更に有益である。
以上,本実施形態にかかる熱風供給装置及び熱風供給方法について詳細に説明した。本実施形態によれば,充風時または通常操業時にかかわらず,高炉送風機1を一定の指定風量で定常運転させ,高炉送風機1から熱風炉2に一定の指定風量を継続的に送風するようにする。さらに,充風時には,コントローラ33によって加送弁31を目標充風パターンに合致するように適切に開閉制御して,高炉送風機1以外の圧縮空気供給源20からの圧縮空気を充風用空気として熱風炉2に供給する。これにより,高炉送風機1の送風量を増減させる必要が無く,かつ,開閉動作速度に優れた加送弁31により充風量の増減を迅速に制御できる。さらに,コントローラ33は,熱風炉2から要求される充風開始タイミングに先立ち,充風信号を発信して加送弁31の開放を制御する。
従って,熱風炉2から要求される充風開始タイミングに遅れずに,加送弁31を開放して充風を開始できるとともに,加送弁31の開閉速度が速いため,充風量の増加速度を十分に確保することができ,加送弁31の開放開始とほぼ同時に必要な充風量を供給開始できる。従って,熱風炉2での充風完了遅延を防止できるので,後続の燃焼(蓄熱)動作時間を規定通り確保でき,熱損失を回避できる。
また,高炉3の拡大改修等が原因で,高炉送風機1のみでは送風量または充風量が不足する場合であっても,圧縮空気供給源20からの圧縮空気を補充して,必要な送風量を確保できる。従って,高炉送風機1の新設や増設を回避でき,設備コストを節減できる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明の第1の実施形態にかかる熱風供給装置の全体構成を示す概略図である。 同実施形態にかかる熱風供給装置の全体構成を示す設備構成図である。 同実施形態にかかる第1〜第3熱風炉の動作を示すタイミングチャートである。 図3の動作を行うときの第1熱風炉の弁動作を示すタイミングチャートである。 従来の充風結果(a)と,同実施形態にかかる充風結果(b)を比較して示すグラフである。 同実施形態にかかるコントローラによる加送弁の開閉制御動作フローを示す説明図である。 同実施形態にかかる熱風供給装置における送風能力の拡大を説明するためのグラフである。
符号の説明
1 高炉送風機
2 熱風炉
2A 第1熱風炉
2B 第2熱風炉
2C 第3熱風炉
3 高炉
4 送風配管
5 熱風配管
6 送風弁
7 熱風弁
8 第1バーナー弁
9 第2バーナー弁
10 バーナーファン
11 排圧弁
12 煙道弁
13 煙突
14 炉内温度計
15 送風流量計
20 圧縮空気供給源
21 酸素プラント用原料空気圧縮機
22 所内用空気圧縮機
25 小型空気圧縮機
26 アキュムレータ
30 加送配管
31 加送弁
32 加送流量計
33 コントローラ

Claims (8)

  1. 高炉送風機から供給される空気を複数の熱風炉で交互に加熱して,熱風を高炉に供給する熱風供給装置であって:
    前記高炉送風機と前記熱風炉とを接続する送風配管と;
    圧縮空気を供給可能な圧縮空気供給源と;
    前記送風配管の途中と前記圧縮空気供給源とを接続する加送配管と;
    前記加送配管に設けられた加送弁と;
    前記熱風炉のいずれかに充風するときに,前記圧縮空気供給源からの圧縮空気が充風用空気として前記加送配管及び前記送風配管を介して前記熱風炉に送風されるように,前記加送弁の開閉を制御するコントローラと;
    を備え,
    前記高炉送風機が前記送風配管を介して前記熱風炉に送風する風量は一定風量であることを特徴とする,熱風供給装置。
  2. 前記コントローラは,前記熱風炉から要求される目標充風パターンに従って,前記加送弁の開閉を制御することを特徴とする,請求項1に記載の熱風供給装置。
  3. 前記コントローラは,前記熱風炉から前記熱風炉の動作状態を表す熱風炉状態信号を受信し,当該熱風炉状態信号に基づき,前記熱風炉から要求される充風開始タイミングに先立ち前記加送弁を開放し始めるよう制御することを特徴とする,請求項1または2に記載の熱風供給装置。
  4. 前記加送配管の流量を検出する加送流量計をさらに備え,
    前記コントローラは,前記熱風炉状態信号に基づき,前記加送弁の開放開始タイミングを前記熱風炉から要求される充風開始タイミングより前に設定し,当該設定された開放開始タイミングで前記加送弁を開放したときに,前記加送流量計により検出された実際の充風開始タイミングと,前記熱風炉から要求される充風開始タイミングとの偏差に基づき,前記加送弁の開放開始タイミングの設定を調整することを特徴とする,請求項3に記載の熱風供給装置。
  5. 前記熱風炉状態信号は,前記熱風炉の炉内温度信号,または,前記熱風炉のバーナー弁若しくは煙道弁の状態信号の少なくともいずれかを含むことを特徴とする,請求項3または4に記載の熱風供給装置。
  6. 前記加送弁は,開閉動作速度を調整可能であることを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の熱風供給装置。
  7. 前記圧縮空気供給源は,前記高炉の関連設備として既設されている空気圧縮機,または,必要充風量に満たない小容量の空気圧縮機により圧縮空気が貯蔵された空気貯蔵タンクであることを特徴とする,請求項1〜6のいずれかに記載の熱風供給装置。
  8. 高炉送風機から供給される空気を複数の熱風炉で交互に加熱して,熱風を高炉に供給する熱風供給方法であって:
    前記高炉送風機と前記熱風炉とを接続する送風配管の途中に,圧縮空気供給源からの圧縮空気を送風するための加送配管を接続し,
    前記送風配管を介して一定風量を前記熱風炉に送風するように前記高炉送風機を定常運転させ,
    前記熱風炉のいずれかに充風するときには,前記高炉送風機から前記送風配管を介して前記一定風量を送風するとともに,前記加送配管に設けられた加送弁を開放することで,前記加送配管及び前記送風配管を介して前記圧縮空気供給源からの圧縮空気を充風用空気として前記熱風炉に送風することを特徴とする,熱風供給方法。



JP2006089003A 2006-03-28 2006-03-28 熱風供給装置,熱風供給方法 Withdrawn JP2007262489A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006089003A JP2007262489A (ja) 2006-03-28 2006-03-28 熱風供給装置,熱風供給方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006089003A JP2007262489A (ja) 2006-03-28 2006-03-28 熱風供給装置,熱風供給方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007262489A true JP2007262489A (ja) 2007-10-11

Family

ID=38635749

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006089003A Withdrawn JP2007262489A (ja) 2006-03-28 2006-03-28 熱風供給装置,熱風供給方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007262489A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180073991A (ko) * 2016-12-23 2018-07-03 주식회사 포스코 고로의 노정 호퍼 압력제어장치 및 이를 포함하는 고로 설비
KR20190059093A (ko) * 2017-11-22 2019-05-30 현대제철 주식회사 고로용 열풍 공급장치
CN115109884A (zh) * 2022-07-13 2022-09-27 中冶京诚工程技术有限公司 热风炉换炉系统以及换炉方法
CN115357069A (zh) * 2022-08-30 2022-11-18 马鞍山钢铁股份有限公司 一种减小高炉烘炉时低风温阶段风温波动的控制方法
CN115786617A (zh) * 2022-11-15 2023-03-14 中钢设备有限公司 一种快速无扰动换炉装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180073991A (ko) * 2016-12-23 2018-07-03 주식회사 포스코 고로의 노정 호퍼 압력제어장치 및 이를 포함하는 고로 설비
KR101882447B1 (ko) * 2016-12-23 2018-07-26 주식회사 포스코 고로의 노정 호퍼 압력제어장치 및 이를 포함하는 고로 설비
KR20190059093A (ko) * 2017-11-22 2019-05-30 현대제철 주식회사 고로용 열풍 공급장치
KR102012099B1 (ko) * 2017-11-22 2019-08-19 현대제철 주식회사 고로용 열풍 공급장치
CN115109884A (zh) * 2022-07-13 2022-09-27 中冶京诚工程技术有限公司 热风炉换炉系统以及换炉方法
CN115357069A (zh) * 2022-08-30 2022-11-18 马鞍山钢铁股份有限公司 一种减小高炉烘炉时低风温阶段风温波动的控制方法
CN115357069B (zh) * 2022-08-30 2024-03-19 马鞍山钢铁股份有限公司 一种减小高炉烘炉时低风温阶段风温波动的控制方法
CN115786617A (zh) * 2022-11-15 2023-03-14 中钢设备有限公司 一种快速无扰动换炉装置
CN115786617B (zh) * 2022-11-15 2024-02-23 中钢设备有限公司 一种快速无扰动换炉装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007262489A (ja) 熱風供給装置,熱風供給方法
US7666345B2 (en) Method and apparatus for melting metal
CN112410483B (zh) 一种2500m3高炉烘炉操作方法
CN102269530A (zh) 一种炉温控制方法及炉温控制装置
JP6953327B2 (ja) 高炉シャフト吹込み装置および高炉シャフト吹込み装置の運転方法
US8707702B2 (en) Method and device for utilizing heat transported by a discontinuous flow of exhaust gases
US6276929B1 (en) Method for controlling kiln pressure
JP4495011B2 (ja) 熱風炉の制御方法
CN114350867A (zh) 一种高炉作业系统及助燃风机的切换方法
JP3962140B2 (ja) 熱風炉の操業方法
JP2005146347A (ja) 熱風炉における熱風温度制御方法
KR101175446B1 (ko) 제강 래들 배열을 이용한 래들 가열장치, 래들 가열 제어장치, 및 그 방법
KR100862812B1 (ko) 냉풍조절용밸브를 이용한 고로의 열풍로 균압 제어장치
KR100832995B1 (ko) 고로 송풍용 열풍의 온도 제어장치
JP2010060156A (ja) 加熱炉のNOx抑制制御装置
JPH08127811A (ja) 熱風炉の燃焼制御方法
KR101061967B1 (ko) 열풍로 균압 제어장치
CN206204346U (zh) 一种高炉热风管道保温装置
KR101790213B1 (ko) 제어 장치 및 제어 방법
RU2106411C1 (ru) Система автоматического регулирования давления колошникового газа доменной печи
JP2002294316A (ja) 熱風炉充圧制御方法
JPS5956508A (ja) 溶鉱炉用熱風炉における燃焼制御方法
JPS6024309A (ja) 冶金炉の連続熱風供給装置
JPH0726135B2 (ja) 熱風炉の温度制御装置
CN117452984A (zh) 一种热风解冻库库温自动调节方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20090602