JP2007261560A - 車両用空気質成分供給装置 - Google Patents

車両用空気質成分供給装置 Download PDF

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Abstract

【課題】装置全体として大きさを小型化した車両用空気質成分供給装置を提供する。
【解決手段】車両用空気質成分供給装置20は、所定の空気質成分を有する成分保有チャンバ21と、空気の固まりが車内2に向けて放出される放出口24と、放出口24に連通する空気質チャンバ22と、成分保有チャンバ21と空気質チャンバ22を連通させる連通部26と、空気質チャンバ22内の空気質成分を含んだ気体を圧縮して空気の固まりを放出する圧縮手段23と、を備えている。そして、装置本体内部には、成分保有チャンバ21と空気質チャンバ22が圧縮手段23を介在して配置され、成分保有チャンバ21内の空気質成分は、圧縮手段23が動作することにより、連通部26を介して空気質チャンバ22へ送られる構成とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、所定の空気質成分を含有させた空気の固まりを車内に放出して当該空気質成分を拡散させる車両用空気質成分供給装置に関する。
従来、この種の車両用空気質成分供給装置としては、ケース内の空気に振動を与えて圧縮する空気圧縮手段と、芳香成分が貯蔵されている芳香ユニットと、芳香成分をケース内に注入するために芳香ユニットとケースの間に介在させた注入ダクトと、を備え、空気圧縮手段により、ケース内に芳香成分とともに溜められた空気を圧縮して空気放出口から空気の固まりを放出する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−298607号公報(図1参照)
しかしながら、上記従来の車両用空気質成分供給装置においては、空気圧縮手段と芳香ユニットが注入ダクトによって接続された別ユニットの形態で設けられているため、装置全体が大型化してしまうという問題があった。また、芳香ユニット内の芳香成分を空気圧縮手段により圧縮される空気に混合させるためには、流入経路である注入ダクトや電磁弁の制御を必要としなければならない。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、装置全体として大きさを小型化した車両用空気質成分供給装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、以下に記載の技術的手段を採用する。すなわち、第1の発明は、空気質成分を含有した空気の固まりを車内(2)に供給する車両用空気質成分供給装置であって、所定の空気質成分を有する成分保有チャンバ(21、31)と、空気の固まりが車内(2)に向けて放出される放出口(24、33)と連通する空気質チャンバ(22、32)と、成分保有チャンバ(21、31)と空気質チャンバ(22、32)を連通させる連通部(26、35)と、空気質チャンバ(22、32)内の空気質成分を含んだ気体を圧縮して空気の固まりを放出する圧縮手段(23、34、54)と、前記圧縮手段(23、34、54)の動作を制御する制御手段(100)と、を備えている。
さらに、装置本体(20、30、40、50)の内部には、成分保有チャンバ(21、31)と空気質チャンバ(22、32)が圧縮手段(23、34、54)を介在して配置され、制御手段(100)は、圧縮手段(23、34、54)の動作を制御することにより、空気質成分を連通部(26、35)を介して空気質チャンバ(22、32)に流入させる。
第1の発明によれば、成分保有チャンバと空気質チャンバが圧縮手段を介在して装置本体内部に配置されていることにより、装置を小型化することができる。また、圧縮手段が動作することにより、成分保有チャンバ内の空気質成分が連通部を介して空気質チャンバへ送られるので、空気質成分を空気質チャンバ内に供給する機構を別途必要とせず、装置を構成する部品数を低減することができる。
第2の発明は、第1の発明において、さらに圧縮手段(23、34、54)が空気質チャンバ(22、32)内の気体を圧縮するときに、空気質チャンバ(22、32)内の気体が連通部(26、35)を介して成分保有チャンバ(21、31)に移動することを阻止しようとする逆流防止手段(25、34、36、37、55、56)を備えていることが好ましい。
第2の発明によれば、空気質チャンバ内の気体の漏れを防ぎ、空気質チャンバ内の圧力が適切に高められるので、車内に向けて空気の固まりを確実に放出することができる。
第3の発明は、第2の発明において、さらに逆流防止手段(25)は、圧縮手段(23)に設けられた逆流防止ドア(25)で構成されることが好ましい。第3の発明によれば、逆流防止手段を圧縮手段と一体的に設けることができるので、配置スペースの有効化が図れ、装置をより小型にすることができる。
第4の発明は、第3の発明において、さらに圧縮手段(23)が成分保有チャンバ(21)内の空気質成分を含んだ気体を圧縮したとき、逆流防止ドア(25)は連通部(26)を開放して空気質成分を前記成分保有チャンバ(21)から前記空気質チャンバ(22)へ流入させることが好ましい。
第4の発明によれば、逆流防止ドアは、空気質チャンバの気体の圧縮時に当該気体の漏れを防ぐことに加えて、成分保有チャンバの気体の圧縮時に所定の空気質成分を空気質チャンバへ供給する働きを実施することができる。
第5の発明は、第2の発明において、さらに連通部(35)は、成分保有チャンバ(31)に臨む第1開口(36)と、空気質チャンバ(32)に臨む第2開口(37)とを有し、制御手段(100)は、圧縮手段(34)の動作を制御することにより、第1開口(36)および第2開口(37)の開口面積が同時に全開状態とならないように調節することが好ましい。
第5の発明によれば、このような圧縮手段と第1開口および第2開口の関係により、空気質チャンバの気体の圧縮時に当該気体の漏れを防いで空気の固まりを放出することや、成分保有チャンバの気体の圧縮時に所定の空気質成分を空気質チャンバへ供給することを適切に実施することができる。
さらに、第5の発明において、圧縮手段(34)が成分保有チャンバ(31)内の空気質成分を含んだ気体を圧縮したとき、気体は第1開口(36)から連通部(35)に流入し、第2開口(37)から流出して空気質チャンバ(32)に移動することが好ましい。
この発明によれば、成分保有チャンバ内の気体を圧縮すると同時に、次の空気の固まりを放出するために、成分保有チャンバが保有する所定の空気質成分を空気質チャンバ内に供給することができる。
さらに、第2の発明において、逆流防止手段(55、56)は、圧縮手段(54)が成分保有チャンバ(31)内の気体を圧縮するときには連通部(35)の流通を開放し、空気質チャンバ(32)内の気体を圧縮するときには連通部(35)の流通を閉鎖する開閉ドア(55、56)で構成されることが好ましい。
この発明によれば、成分保有チャンバの気体の圧縮時に所定の空気質成分を空気質チャンバへ供給することや、空気質チャンバの気体の圧縮時に当該気体の漏れを防いで空気の固まりを放出することを適切に実施することができる。
さらに、上記すべての発明のいずれかにおいて、圧縮手段(34)が成分保有チャンバ(31)内の空気質成分を含んだ気体を圧縮して空気質成分が成分保有チャンバ(31)から空気質チャンバ(22)に流入された後、当該空気質成分が外部に流出しないように放出口(33)を閉鎖するシャッタ(41)を設けることが好ましい。
この発明によれば、補充された空気質成分が空気質チャンバから外部に漏れることを低減することができる。
第6の発明は、空気質成分を含有した空気の固まりを車内(2)に供給する車両用空気質成分供給装置であって、所定の当該空気質成分を有する成分保有チャンバ(61、71)と、空気の固まりが車内(2)に向けて放出される放出口(63、73)と、放出口(63、73)から空気の固まりとして放出される当該空気質成分を含んだ気体を内蔵する空気質チャンバ(62、72)と、成分保有チャンバ(61、71)と空気質チャンバ(62、72)を連通させる連通部(80、82)と、装置本体(60、70)の内部を、成分保有チャンバ(61、71)と空気質チャンバ(62、72)に分けるように配置されるとともに、空気質チャンバ(62、72)側に移動して空気質チャンバ(62、72)の容積を圧縮したり、成分保有チャンバ(61、71)側に移動して成分保有チャンバ(61、71)の容積を圧縮したりする動作部(64、74)と、を備えている。
さらに、当該動作部(64、74)が成分保有チャンバ(61、71)側に移動することにより、成分保有チャンバ(61、71)内の当該空気質成分が、連通部(80、82)を通って空気質チャンバ(62、72)に供給される。
この発明によれば、装置を小型化することができる。さらに、動作部が放成分保有チャンバ側に移動することにより、成分保有チャンバ内の空気質成分が連通部を介して空気質チャンバへ送られるので、空気質成分を空気質チャンバ内に供給する機構を別途必要とせず、装置を構成する部品数を低減することができる。
第7の発明は、第6の発明において、動作部(64、74)は、装置本体(60、70)の内部に設けられたコイル(67、77)と磁石(68、78)によって発生する電磁力を駆動力として磁石(68、78)の周囲を移動するとともに、当該磁石(68、78)と動作部(64、74)との間に形成された間隙(80、82)を連通部(80、82)とすることが好ましい。
この発明によれば、連通部を磁石と動作部との間に形成された間隙に設けることにより、配置スペースの有効化が図れ、装置をより小型にすることができる。
さらに、第7の発明において、動作部(64、74)は、磁石(68、78)の周囲を取り巻くように配置されていることが好ましい。この発明によれば、動作部が磁石の周囲に配置されることにより、電磁力の働きによる動作部の移動をより安定したものにすることができる。
さらに第6発明以下の上記発明のいずれかにおいて、連通部(80、82)は、装置本体(60、70)の内部において、放出口(63、73)側から見て、略中央部に設けられていることが好ましい。この発明によれば、連通部が装置全体の略中央に配置されることにより、成分保有チャンバから連通部を通って供給される空気質成分を空気質チャンバ全体に行き渡らせることができる。
さらに第6発明以下の上記発明のいずれかにおいて、連通部(80、82)は、放出口(63、73)と対向する位置に設けられていることが好ましい。この発明によれば、連通部と放出口が対向する位置関係にあることにより、連通部から流入した空気質成分をより確実に放出口近くに集めることができ、安定した空気質成分濃度を有する空気の固まりを提供することができる。
さらに第6発明以下の上記発明のいずれかにおいて、連通部(82)を閉塞可能とするシール部(83)を備え、シール部(83)は、車内(2)への空気の固まりの放出を停止している状態において、空気質チャンバ(72)と成分保有チャンバ(71)の連通を閉鎖することが好ましい。
この発明によれば、車内へ空気の固まりを放出しない状態のときに、空気質チャンバと成分保有チャンバの連通を閉鎖することにより、成分保有チャンバ内の所定の空気質成分が、装置本体の外部に漏れることを低減できる。また、保有する空気質成分を無駄に使用することがないので、空気質成分を補充したり、空気質成分内蔵のカートリッジなどを交換したりすることを低減することができる。
さらに第7の発明において、連通部(82)を閉塞可能とするシール部(83)を備え、車内(2)への空気の固まりの放出を停止している状態において、シール部(83)を磁石(78)に接触させて連通部(82)を閉塞することによって、空気質チャンバ(72)と成分保有チャンバ(71)の連通を閉鎖することが好ましい。この発明によれば、シール部を例えば弁のような簡単な形状によって構成することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態の具体的手段との対応関係を示す一例である。
(第1実施形態)
以下に、本発明の第1実施形態を図1〜図3を用いて説明する。図1は、本実施形態における車両用空気質成分供給装置10、11、12を車内に配置する箇所を示した概念図である。図2は、本実施形態における車両用空気質成分供給装置20を制御する構成を示したブロック図である。図3(a)は、車両用空気質成分供給装置20において空気の固まりが放出された時の内部状態を示した概念図であり、図3(b)は、空気質成分が空気質チャンバ22に供給されたときの内部状態を示した概念図である。
本実施形態における空気の固まりは、空気質チャンバ22に貯められた流体が圧縮されることにより、空気質チャンバ22に形成された放出口24から押し出されて流体の塊となって放出されるものを意図している。空気の固まりの形態としては、例えば、渦輪状、球体状などの形状の塊となって放出されるもの全般をいう。また、この空気の固まりは、所定の空気質成分が含有された状態でその空気質成分を感知させたい車内の乗員、または空間に向けて放出される。そして、車内の乗員、または空間にいる乗員の感知可能な範囲内で空気の固まりを拡散させることにより、所定の空気質成分を乗員に提供するものである。
このように、車内の乗員に対して所定の空気質成分を保持させた空気の固まりを放出して供給することにより、車内特有のエアコン装置による空調気流の影響を受けにくい空気質成分の搬送が行われる。さらに、乗員特有の環境である、例えば、渋滞、信号待ちなどの交通状況、高速走行、市街地走行などの運転状況、これらの状況に起因する乗員の感情や心理などに応じた空気質成分の搬送が、実施されることになる。
図1に示す車両用空気質成分供給装置10、11、12は、自家用または業務用の車両に広く用いられ、所定の空気質成分を空気の固まりに含有させ、乗員に対してこの空気の固まりを供給するものである。そして、車両用空気質成分供給装置10、11、12の内部構成は図3に示す車両用空気質成分供給装置20と同様である。図1に示すように、車両用空気質成分供給装置10、11、12は、自動車1の車内2に存在する乗員3および4に対して空気の固まりを的確に放出できる位置に設けられている。
車両用空気質成分供給装置10の装置本体は、空気の固まりを車内2に向けて放出可能なようにインストルメントパネル13内に設けられている。なお、車両用空気質成分供給装置10は、インストルメントパネル13内に通常配置されているエアコン装置(図示せず)に近接して設けてもよいし、エアコン装置と一体化するように構成してもよい。
車両用空気質成分供給装置10の放出口から放出された空気の固まりは、インストルメントパネル13に形成されたグリル吹出口を経由して前席5に座っている乗員3の顔付近に向けて放出される。そして、この空気の固まりが乗員3の顔や肩などに当たると、空気の固まりが崩れるとともに含有されていた空気質成分が拡散領域7を形成するように拡散されて乗員3の鼻や口から吸入され体内に取り込まれる。
車両用空気質成分供給装置11の装置本体は、車内2の前席側天井部分に形成されるオーバーヘッドモジュール9内に設けられている。この車両用空気質成分供給装置11の放出口から放出された空気の固まりは、オーバーヘッドモジュール9に形成された吹出口を経由して前席5に座っている乗員3の顔付近に向けて放出される。そして、この空気の固まりが乗員3の顔や頭などに当たると、空気の固まりが崩れるとともに含有されていた空気質成分が拡散領域7を形成するように拡散されて乗員3の鼻や口から吸入され体内に取り込まれる。
車両用空気質成分供給装置12の装置本体は、車内2の後席側天井部に設けられている。この車両用空気質成分供給装置12の放出口から放出された空気の固まりは、後席6に座っている乗員4の顔付近に向けて放出される。そして、この空気の固まりが乗員4の顔や頭などに当たると、空気の塊が崩れるとともに含有されていた空気質成分が拡散領域8を形成するように拡散されて乗員4の鼻や口から吸入され体内に取り込まれる。
本実施形態においては、供給する所定の空気質成分は、乗員に対して快適性や覚醒効果を感じさせる因子である、例えば、水分を揮発させた湿度成分、香料を揮発させた芳香成分、酸素成分、アロマ成分、コラーゲン成分、抗アレルゲン成分、イオン成分、冷気成分、暖気成分などを採用することができる。このような空気質成分のうちの少なくとも一つは、装置本体の成分保有チャンバ21にあらかじめ保有されているものとする。
空気質成分として湿度成分を使用した場合は、乗員は、鼻腔内の粘膜の乾燥や、のどの粘膜の乾燥が改善されることになる。また、空気質成分として芳香成分、アロマ成分、またはイオン成分を使用した場合は、乗員は、鼻から当該成分を吸い込むことでリラックスした気分になることが予測できる。
また、空気質成分として芳香成分、酸素成分、冷気成分を使用した場合は、乗員は、鼻からこれらの成分を吸い込むことで眠気が解消されたり、覚醒効果を得られたりすることができる。また、乗員は、寒いときや暑いときに空気質成分としての冷気成分や暖気成分を吸い込むと、局所的に暖房効果や冷房効果を得る。また、他の空気質成分として、化粧水などを揮発化して空気の固まりに含有させて放出する構成とした場合は、湿度成分と同様に肌の保湿を促し、乗員の健康、美容に効果を発揮することになる。
なお、車両用空気質成分供給装置10、11、12の装置本体を構成する筐体は、扁平状に形成されることにより、インストルメントパネル13内、オーバーヘッドモジュール9内、および車内2の天井部内などの狭い空間に配することが可能である。
このように車内2に配置された車両用空気質成分供給装置は、図2に示すような構成により制御されている。車両用空気質成分供給装置10、11、12および20は、制御手段としての空気質成分供給ECU100により各種信号に基づいて制御されている。空気質成分供給ECU100は、車両統合ECU102や操作手段101からの信号に対して種々の解析を行い、空気の固まりを放出するタイミング、空気の固まりの放出速度などの放出条件を決定するものである。
この空気質成分供給ECU100は、車両用空気質成分供給装置20に対してこの決定に基づいた制御を行う。この制御は、圧縮手段23の動作の制御であり、例えば、成分保有チャンバ21に含有されている所定の空気質成分を空気質チャンバ22に送り込むタイミングや、空気質チャンバ22に貯えられた空気質成分を含有した気体を圧縮して放出口24から押し出すタイミングの制御である。
また、空気質成分供給ECU100は、車両用空気質成分供給装置20の圧縮手段23に対して、空気質チャンバ22内の空気を圧縮する圧縮力の大きさ、圧縮力の起動を制御する。例えば、圧縮力の大きさを制御することで、空気の固まりをどの乗員に向けて放出するか、どこまで空気の固まりを届かせるかを制御し、圧縮力の起動を制御することで、空気の固まりを連続的に放出するか、所定時間の間隔をあけて間欠的に放出するか、などを制御することができる。
また、図1に示すように車内2に車両用空気質成分供給装置が複数個配置されている場合には、どの車両用空気質成分供給装置を起動するか、または複数の車両用空気質成分供給装置を同時に起動させるかを制御することができる。
車両統合ECU102は、車両の各機能部品の作動情報を入手して空気質成分供給ECU100に通信する機能を有している。各機能部品の作動情報としては、例えば、車速情報、ブレーキ情報、車間センサ情報、ウィンドウの開閉情報などである。車両統合ECU102は、これらの情報を空気質成分供給ECU100に送信する。
空気質成分供給ECU100は、車速が所定値以下のときや、単位時間当たりのブレーキング回数が所定値以上のときや、車間センサによる先行車両との間隔が所定値以下のときなどの情報を認識したときは、渋滞しているとみなして、前述のように、覚醒効果を供給するために空気質成分として成分保有チャンバ21にあらかじめ充填しておいた芳香成分、酸素成分、または冷気成分を含有させた空気の固まりを運転者に向かって放出する制御を行ったり、リラックス効果を与えるために空気質成分としてあらかじめ成分保有チャンバ21に充填しておいた芳香成分、アロマ成分、イオン成分を含有させた空気の固まりを運転者に向かって放出する制御を行ったりする。
また、車両統合ECU102により車速情報として、例えば80km以上の値が所定時間以上継続して得られた場合には、空気質成分供給ECU100は、高速道路などを走行しているとみなして、居眠り運転の未然防止のため、空気質成分としてあらかじめ成分保有チャンバ21に充填しておいた覚醒効果のある芳香成分、酸素成分、または冷気成分を所定分量、空気質チャンバ22に送り込み、空気の固まりに含有させて運転者に向かって放出する制御を行う。
また、車両統合ECU102がウィンドウ開閉情報としてウィンドウが開放された状態であることを空気質成分供給ECU100に送信すると、空気質成分供給ECU100は、車内に外風が吹き込んでいると認識して、所定時間またはウィンドウが閉状態であるという情報を入手するまで、空気の固まりの放出を停止するインターロック制御を行う。ウィンドウが開状態であるときは、車内2に外風が舞っているため、空気の固まりを放出しても所定の乗員または空間に向けて拡散させることが難しいので、積極的にその放出を制限するものである。
この操作手段101は、乗員自らが所定の空気質成分を得たいと思ったときに、強制的に車両用空気質成分供給装置を起動させるためのものであり、例えば、インストルメントパネル13の乗員が操作しやすい場所にスイッチ、またはボタンの形態で構成されている。操作手段101は、車両空気質成分供給装置20の起動、空気質チャンバ22内の空気を圧縮する圧縮力の大きさの制御、車内2のどの空間、またはどの乗員に向けて空気の固まりを放出するかの制御を命令することができる手段を有する構成である。
次に、車両用空気質供給装置20の内部構成について図3(a)および(b)を用いて説明する。図3(a)および(b)に示すように、車両用空気質成分供給装置20は、装置本体を構成する筐体内の一方側の端面に空気の固まりの放出口24を有し、放出口24と連通するように筐体内の一方側に設けられた空気質チャンバ22と、他方側に設けられ所定の空気質成分を有する成分保有チャンバ21と、成分保有チャンバ21と空気質チャンバ22を連通させる連通部26と、空気質チャンバ22の容積を押し縮めて空気の固まりを放出する圧縮手段23と、を備えた構成である。
装置本体の内部には、成分保有チャンバ21と空気質チャンバ22が圧縮手段23を介在して配置されている。成分保有チャンバ21内に保有されている空気質成分は、圧縮手段23が動作することにより、連通部26を介して空気質チャンバ22へ送られる構成とする。なお、装置本体の材質は、特に限定するものでないが、充満される空気質成分が漏れないように樹脂、金属など気密性をある程度保持できる材質とすることが好ましい。
成分保有チャンバ21は、所定の空気質成分があらかじめ貯蔵されている空間であり、圧縮手段23によってその容積は可変するように構成されている。空気質成分は揮発性の状態で成分保有チャンバ21内に充満しており、通常は、圧縮手段23によって成分保有チャンバ21内に閉じ込められている。
空気質チャンバ22は、放出口24から取り込んだ車内2の空気が充満されている空間であり、その容積は圧縮手段23によって可変され、容積内の気体が圧縮されると、放出口24から車内2に向けて空気の固まりが放出されることになる。圧縮手段23の動作によっては、所定の空気質成分が成分保有チャンバ21から連通部26を通じて空気質チャンバ22内に流入する。
圧縮手段23は、前後に移動する板状部材を備えており、空気質成分供給ECU100によりこの板状部材が成分保有チャンバ21側または空気質チャンバ22に移動されることによって、成分保有チャンバ21内の気体または空気質チャンバ22内の気体を圧縮するものである。また、圧縮手段23は、一端が枢支され、連通部26を開閉する逆流防止ドア25を備えている。
連通部26は、圧縮手段23に設けられた開口によって成分保有チャンバ21と空気質チャンバ22が連通するような形態で構成されており、逆流防止ドア25によってその開口面積が調整自在である。
逆流防止ドア25は、圧縮手段23が空気質成分供給ECU100により空気質チャンバ22内の気体を圧縮しようと図3(a)に示す一点鎖線の矢印の向き、つまり、放出口24に向かう向きに移動されるときに、空気質チャンバ22内の空気質成分を含む気体が連通部26を介して成分保有チャンバ21に移動することを阻止するために、連通部26を閉鎖する逆流防止手段である。
このとき、空気質チャンバ22内の気体は、その容積の瞬間的な減少によって放出口24から空気の固まりとなって車内2に向けて放出される(以上、図3(a)参照)。なお、逆流防止ドア25は、圧縮手段23に対して空気質チャンバ22側に配置され、開くときはドア本体が空気質チャンバ22側に移動するように構成されている。
次に、空気の固まりを放出した後には、圧縮手段23は、空気質成分供給ECU100により成分保有チャンバ21内の気体を圧縮するために図3(b)に示す一点鎖線の矢印の向きに移動する。このとき、成分保有チャンバ21内の圧力が高くなり、それとともに逆流防止ドア25は枢支軸を中心としてドア本体が空気質チャンバ22側に移動するように開かれ、連通部26が開通することになる。そして、成分保有チャンバ21内に保有された所定の空気質成分は、図3(b)に示す破線の矢印の向きのように開通された連通部26を通って成分保有チャンバ21内から空気質チャンバ22内に流入することになる(以上、図3(b)参照)。
車両用空気成分供給装置20は、以上のような図3(a)と図3(b)のそれぞれで示した圧縮手段23の制御を繰り返し行うことにより、空気質成分を空気質チャンバ22内に供給する機構を別途必要としない簡潔な構成でありながら、乗員に対する空気の固まりの供給を継続的に実施することができる。
このように本実施形態の車両用空気質成分供給装置は、装置本体の内部に、成分保有チャンバ21と空気質チャンバ22が圧縮手段23を介在して配置され、成分保有チャンバ21内に保有されている空気質成分は、圧縮手段23が動作することにより、連通部26を介して空気質チャンバ22へ送られる構成である。
この構成によれば、成分保有チャンバ21、空気質チャンバ22、および圧縮手段23が本体内部で一体化されることにより、装置を小型化することができ、高さ方向寸法や横方向の寸法に制限がある場所である、インストルメントパネル13内、オーバーヘッドモジュール9内、または車内2の後席側天井部に設置する上で有用である。また、圧縮手段の動作により、成分保有チャンバ21内の空気質成分が連通部26を介して空気質チャンバ22へ送られるので、空気質成分を空気質チャンバ22内に供給する機構を別途必要とせず、構成部品を低減することができる。
また、圧縮手段23が空気質チャンバ22内の気体を圧縮するときに、空気質チャンバ22内の気体が連通部26を介して成分保有チャンバ21に移動することを阻止しようとする逆流防止ドア25を備えていることが好ましい。この構成を採用した場合には、空気質チャンバ22内の気体の漏れを防ぐとともに、空気質チャンバ22内の圧力を適切に高めることができ、安定した空気の固まりの放出を提供できる。
また、逆流防止ドア25を圧縮手段23に設ける構成とすることが好ましい。この構成を採用した場合には、配置スペースの有効化が図れ、装置本体をより小型にすることができる。
また、圧縮手段23が成分保有チャンバ21内の空気質成分を含んだ気体を圧縮したとき、逆流防止ドア25は、空気質成分を成分保有チャンバ21から空気質チャンバ22へ流入させるように連通部26を開放することが好ましい。この構成を採用した場合には、空気質チャンバ22の気体の圧縮時に当該気体の漏れを防ぐことに加えて、成分保有チャンバ21の気体の圧縮時に空気質成分を空気質チャンバ22へ供給する働きを有する逆流防止ドア25を提供できる。
(第2実施形態)
第2実施形態の車両用空気質供給装置30の内部構成について図4(a)、(b)、(c)、および(d)を用いて説明する。なお、車両用空気質成分供給装置30の車内2における配置箇所は、図1を用いた第1実施形態における説明と同様である。また、車両用空気質成分供給装置30の制御構成についても、図2を用いた第1実施形態における説明と同様である。
図4の各図に示すように、車両用空気質成分供給装置30は、装置本体を構成する筐体内の一方側の端面に空気の固まりの放出口33を有し、放出口33と連通するように筐体内の一方側に設けられた空気質チャンバ32と、他方側に設けられ所定の空気質成分を有する成分保有チャンバ31と、成分保有チャンバ31と空気質チャンバ32を連通させる連通部35と、空気質チャンバ32の容積を押し縮める圧縮手段34と、を備えた構成である。
装置本体の内部には、成分保有チャンバ31と空気質チャンバ32が圧縮手段34を介在して配置されている。成分保有チャンバ31内に保有されている空気質成分は、圧縮手段34が動作することにより、連通部35を介して空気質チャンバ32へ送られる構成とする。
成分保有チャンバ31は、所定の空気質成分があらかじめ貯蔵されている空間であり、圧縮手段34によってその容積は可変するように構成されている。空気質成分は揮発性の状態で成分保有チャンバ31内に充満しており、通常は、圧縮手段34によって成分保有チャンバ31内に閉じ込められている。
空気質チャンバ32は、放出口33から取り込んだ車内2の空気が充満されている空間であり、その容積は圧縮手段34によって可変され、容積内の気体が圧縮されると、放出口33から車内2に向けて空気の固まりが放出されることになる。空気質チャンバ32内には、圧縮手段34の動作によっては、所定の空気質成分が成分保有チャンバ31から連通部35を通じて流入する。
圧縮手段34は、前後方向に所定の長さを有し、装置内部を前後方向に分断する横方向および縦方向寸法を有する前後に移動する筐体である。装置内部は、圧縮手段34によって前後に2分割され、前部に空気質チャンバ32が構成され、後部に成分保有チャンバ31が構成されている。この筐体が空気質成分供給ECU100により成分保有チャンバ31側または空気質チャンバ32側に移動されることによって、成分保有チャンバ31内の気体または空気質チャンバ32内の気体を圧縮するものである。
連通部35は、装置本体の外側に形成され成分保有チャンバ31と空気質チャンバ32とを連通させる通路であり、成分保有チャンバ31に臨む第1開口36と、空気質チャンバ32に臨む第2開口37とを有している。
図4(a)は、空気の固まりを放出した直後の車両用空気質成分供給装置30の内部状態を示した概念図であり、このとき、空気質チャンバ32は圧縮手段34によってその容積が最も小さい状態に圧縮されている。第1開口36は圧縮手段34によって閉塞されていないが、第2開口37は閉塞されているため、連通部35の流通は閉鎖されている状態である。
次に、圧縮手段34は、空気質成分供給ECU100による制御によって、成分保有チャンバ31内の気体を圧縮するために図4(b)に示す一点鎖線の矢印の向きに、つまり、第1開口36を閉塞する方向に移動する。このとき、成分保有チャンバ31内の圧力が高くなり、圧縮手段34は第1開口36および第2開口37のそれぞれの開口面積を全閉状態とならない程度に閉じるので、成分保有チャンバ31内の所定の揮発性を有する空気質成分は、破線の矢印の向きのように、第1開口36から連通部35に押し出され、連通部35を通って第2開口37から空気質チャンバ32内に流入することになる。
このようにして成分保有チャンバ31内の気体を圧縮すると同時に、成分保有チャンバ31が保有する所定の空気質成分を空気質チャンバ32内に供給して、次の空気の固まりを放出するために準備することができる。また、同時に、空気質チャンバ32内の圧力が低下するので、放出口33から装置本体の外部の空気(車内2の空気)が空気質チャンバ32内に取り込まれることになる(以上、図4(b)参照)。
図4(c)は、空気の固まりを放出する動作を行う前の内部状態を示した概念図であり、このとき、成分保有チャンバ31は圧縮手段34によってその容積が最も小さい状態に圧縮されている。第2開口37は圧縮手段34によって閉塞されていないが、第1開口36は閉塞されているため、連通部35の流通は閉鎖されている状態である。
さらに、圧縮手段34によって空気の固まりが放出された時の内部の状態を説明する。圧縮手段34は、空気質成分供給ECU100による制御によって、空気質チャンバ32内の気体を圧縮しようと図4(d)に示す一点鎖線の矢印の向き、つまり、放出口33に向かう向きに移動する。このとき、空気質チャンバ32内の気体は、その容積の瞬間的な減少によって放出口33から空気の固まりとなって車内2に向けて放出される。そして、空気の固まりは、車内2における空気の固まりを供給したい場所や乗員の付近で拡散した、所定の空気質成分が乗員に対して提供されることになる。このとき、第1開口36および第2開口37の開口面積は、ともに全開状態とならない程度にその一部が閉鎖される状態である。
車両用空気質成分供給装置30は、以上のような図4(a)〜(d)のそれぞれで示した圧縮手段34の制御を繰り返し行うことにより、空気質成分を空気質チャンバ32内に供給する機構を別途必要としない簡潔な構成でありながら、乗員に対する空気の固まりの供給を継続的に実施することができる。この一連の圧縮手段34の制御ステップにおいて、第1開口36および第2開口37の開口面積は、圧縮手段34の動作によって同時に全開状態とならないように調節されている。
次に、本実施形態におけるもう一つの車両用空気質供給装置40は、図5(a)、(b)、(c)、および(d)に示した内部構成を有しているが、その構成は、車両用空気質供給装置30に対して、放出口33の開口を開閉するシャッタ41を備えている点のみが相違している。
車両用空気質供給装置40は、図5(b)、(c)において、空気質成分が成分保有チャンバ31から流出して空気質チャンバ32に流入した状態の図4(b)、(c)に対して、空気の固まりの放出に必要な量の車内2の空気が空気質チャンバ32内に取り込まれた後に、空気が車内2に漏れないように、さらに放出口33をシャッタ41によって閉鎖する制御を行うものである。以下に、空気の固まりの放出における一連のステップの中で、車両用空気質供給装置30に対する相違点のみについて図5(b)、(c)を用いて説明する。
具体的には、図5(b)、(c)において、圧縮手段34は、空気の固まりを放出した後の状態(図5(a)参照)から、空気質成分供給ECU100によって成分保有チャンバ31内の気体を圧縮するために図5(b)に示す一点鎖線の矢印の向きに移動する。このとき、成分保有チャンバ31内の圧力が高くなり、圧縮手段34は第1開口36および第2開口37のそれぞれの開口面積を全閉状態とならない程度に閉じるので、成分保有チャンバ31内の所定の揮発性を有する空気質成分は、破線の矢印の向きのように、第1開口36から連通部35に押し出され、連通部35を通って第2開口37から空気質チャンバ32内に流入することになる。また、同時に、空気質チャンバ32内の圧力が低下するので、放出口33から装置本体の外部の空気(車内2の空気)が空気質チャンバ32内に取り込まれることになる。
さらに、空気質成分供給ECU100は、後の空気の固まりを放出するステップ(図5(d)参照)において必要とする空気の量が車内2から補充された時点でシャッタ41を動作させて放出口33を閉鎖する制御を行う(以上、図5(b)、(c)参照)。
このように本実施形態の空気質成分供給ECU100は、圧縮手段34の動作を制御することにより、連通部35の第1開口36および第2開口37の各開口を同時に全開状態とならないように調節することが好ましい。
この構成を採用した場合には、空気質チャンバ32の気体の圧縮時に当該気体の漏れを防いで空気の固まりを放出することや、成分保有チャンバ31の気体の圧縮時に所定の空気質成分を空気質チャンバ32へ供給することを適切に実施することができる。
また、空気質成分供給ECU100は、圧縮手段34が成分保有チャンバ31内の空気質成分を含んだ気体を圧縮して空気質成分が成分保有チャンバ31から空気質チャンバ22へ流入した後、空気質成分が外部に流出しないようにシャッタ41によって放出口33を閉鎖することが好ましい。この制御を採用した場合には、供給された空気質成分が空気質チャンバ32から漏れることを低減することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態の車両用空気質供給装置50の内部構成について図6(a)および(b)を用いて説明する。なお、車両用空気質成分供給装置50の車内2における配置箇所は、図1を用いた第1実施形態における説明と同様である。また、車両用空気質成分供給装置50の制御構成についても、図2を用いた第1実施形態における説明と同様である。
図6の各図に示すように、車両用空気質成分供給装置50は、装置本体を構成する筐体内の一方側の端面に空気の固まりの放出口33を有し、放出口33と連通するように筐体内の一方側に設けられた空気質チャンバ32と、他方側に設けられ所定の空気質成分を有する成分保有チャンバ31と、成分保有チャンバ31と空気質チャンバ32を連通させる連通部35と、空気質チャンバ32の容積を押し縮める圧縮手段54と、を備えた構成である。
装置本体の内部には、成分保有チャンバ31と空気質チャンバ32が圧縮手段54を介在して配置されている。成分保有チャンバ31内に保有されている空気質成分は、圧縮手段54が動作することにより、連通部35を介して空気質チャンバ32へ送られる構成とする。
成分保有チャンバ31は、所定の空気質成分があらかじめ貯蔵されている空間であり、圧縮手段54によってその容積は可変するように構成されている。空気質成分は揮発性の状態で成分保有チャンバ31内に充満しており、通常は、圧縮手段54によって成分保有チャンバ31内に閉じ込められている。
空気質チャンバ32は、放出口33から取り込んだ車内2の空気が充満されている空間であり、その容積は圧縮手段54によって可変され、容積内の気体が圧縮されると、放出口33から車内2に向けて空気の固まりが放出されることになる。空気質チャンバ32内には、圧縮手段54の動作によっては、所定の空気質成分が成分保有チャンバ31から連通部35を通じて流入する。
圧縮手段54は、装置本体の内部を横断する板状部材52と、この板状部材52に設けられる磁石51と、板状部材52および磁石51の周囲に取り巻くように設けられるコイル53と、から構成されており、例えば、ムービングコイル方式で作動される。磁石51とコイル53は、成分保有チャンバ31および空気質チャンバ32を形成する装置本体の樹脂部材によって絶縁されている。板状部材52は、例えば、硬質の材料からなる薄板で構成するのが望ましい。これらの材料で形成することで板状部材52の作動音を低減することができる。
磁石51は、この板状部材52に接着により固定されたり、あるいは板状部材52に埋め込まれて一体化されたりする構成としてもよい。このような圧縮手段54の構成では、板状部材52とともに磁石51を可動させるようにしているので、反復される往復運動に対して強い耐久性に優れた可動構成物を得ることができる。
装置内部は、板状部材52によって前後に2分割され、前部に空気質チャンバ32が構成され、後部に成分保有チャンバ31が構成されている。板状部材52が、空気質成分供給ECU100の制御により磁力と電磁力の働きで成分保有チャンバ31側または空気質チャンバ32側に移動することによって、成分保有チャンバ31内の気体または空気質チャンバ32内の気体を圧縮することができる。
圧縮手段54の動作について説明する。車載バッテリなどから圧縮手段54に電圧を印加されると、電流がコイル52に流れて板状部材52を前後方向のいずれかに押し出す電磁力が働く。さらに印加する電圧を適切に制御することにより、板状部材52を瞬間的に前後方向に移動させることができる。この板状部材52の移動により、空気質チャンバ32の容積は瞬間的に小さくなるので、この容積内に充満していた空気質成分を含んだ気体は圧縮されて放出口33から外部に瞬時に放出されることになる。この一連の動作を瞬時に起こすことで、放出口33から放出される空気質成分を含んだ空気は、流体の塊、例えば、渦輪、球体状の塊、となって車内2に放出されることになる。
連通部35は、装置本体の外側に形成され成分保有チャンバ31と空気質チャンバ32とを連通させる通路であり、成分保有チャンバ31に臨む第1開口36と、空気質チャンバ32に臨む第2開口37とを有している。また、開閉ドア55および56は逆流防止手段であり、開閉ドア55は第1開口36を開閉し、開閉ドア56は第2開口37を開閉する。
次に、車両用空気質成分供給装置50の動作について説明する。圧縮手段54は、空気質成分供給ECU100による制御によって、空気の固まりを放出する前に、成分保有チャンバ31内の気体を圧縮するために図6(a)に示す一点鎖線の矢印の向きに移動する。このとき、成分保有チャンバ31内の圧力が高くなり、それとともに開閉ドア36および37は枢支軸を中心として開かれ、第1開口36および第2開口37がともに開放し、連通部35が開通することになる。そして、成分保有チャンバ31内に保有された所定の空気質成分は、図6(a)に示す破線の矢印の向きのように開通された連通部35を通って成分保有チャンバ31内から空気質チャンバ32内に流入することになる(以上、図6(a)参照)。
次に、空気の固まりを放出するときの車両用空気質成分供給装置50の動作を説明する。空気圧縮手段54が、空気質成分供給ECU100による制御によって、空気質チャンバ32内の気体を圧縮しようと図6(b)に示す一点鎖線の矢印の向き、つまり、放出口33に向かう向きに移動すると、空気質チャンバ32内の気体は、その容積の瞬間的な減少によって放出口33から空気の固まりとなって車内2に向けて放出される。そして、空気の固まりは、車内2における空気の固まりを供給したい場所や乗員の付近で拡散した、所定の空気質成分が乗員に対して提供されることになる。さらにこのとき、開閉ドア36および37は、空気質チャンバ32内の空気質成分を含む気体が連通部35を介して成分保有チャンバ31に移動することを阻止するために、第1開口36および第2開口37をともに閉鎖するように制御される(以上、図6(b)参照)。
車両用空気質成分供給装置50は、以上のような図6(a)と図6(b)を用いて説明した圧縮手段54の制御を繰り返し行うことにより、空気質成分を空気質チャンバ32内に供給する機構を別途必要としない簡潔な構成で、乗員に対する空気の固まりの供給を継続的に実施することができる。また、車両用空気質成分供給装置50は、電磁力を用いて圧縮手段を駆動するので、空気の固まりの連続的な発生や、発生タイミングのより細かな制御を実施することができる。
このように本実施形態の車両用空気質成分供給装置50は、圧縮手段54が成分保有チャンバ31内の気体を圧縮するときには連通部35の流通を開放し、空気質チャンバ32内の気体を圧縮するときには連通部35の流通を閉鎖する開閉ドア55、56を備えている。
この構成を採用した場合には、成分保有チャンバ31の気体の圧縮時に所定の空気質成分を空気質チャンバ32へ必要量供給することや、空気質チャンバ32の気体の圧縮時に当該気体の漏れを防いで空気の固まりを確実に放出することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態の車両用空気質供給装置60の内部構成について図7(a)、(b)、(c)および図8を用いて説明する。なお、車両用空気質成分供給装置60の車内2における配置箇所は、第1実施形態における図1を用いた説明と同様である。また、車両用空気質成分供給装置60の制御構成についても、図2を用いた第1実施形態における説明と同様である。
図7の各図に示すように、車両用空気質成分供給装置60は、装置本体を構成する筐体内の一方側の端面に空気の固まりの放出口63を有し、放出口63と連通するように筐体内の一方側に設けられた空気質チャンバ62と、他方側に設けられ所定の空気質成分を有する成分保有チャンバ61と、成分保有チャンバ61と空気質チャンバ62を連通させる連通部としての間隙80と、空気質チャンバ62の容積を押し縮めるように制御される板状の動作部64と、を備えた構成である。
装置本体の内部には、成分保有チャンバ61と空気質チャンバ62が圧縮手段54を介在して配置されている構成である。言い換えれば、装置本体の内部は、動作部64によって成分保有チャンバ61と空気質チャンバ62とに大きく分けられている。
この動作部64は、空気質成分供給ECU100による制御によって、放出口63寄りに移動して空気質チャンバ62の容積を圧縮したり、放出口63から離れる方向に移動して成分保有チャンバ61の容積を圧縮したりする。そして、動作部64が放出口63から離れる方向に移動することにより、成分保有チャンバ61内に保有されている空気質成分は、連通部35を介して空気質チャンバ32へ送られる。動作部64が放出口63寄りに移動することにより、空気質チャンバ62内の気体は、空気質チャンバ62から押し出されて放出口63を通って車内2に放出される。
成分保有チャンバ61は、所定の空気質成分があらかじめ貯蔵されている空間であり、動作部64が空気質チャンバ62側や成分保有チャンバ61側に移動することによってその容積は可変するように構成されている。所定の空気質成分は、カートリッジなどで構成される保有部69に保有されており、この保有部69から徐々に流出して揮発性の状態で成分保有チャンバ61内に充満している。なお、この保有部69は、空気質成分の減少度合いに応じて交換することによって補充することができるように構成されている。
空気質チャンバ62は、放出口63から取り込んだ車内2の空気が充満されている空間であり、動作部64が空気質チャンバ62側や成分保有チャンバ61側に移動することによってその容積は可変され、容積内の気体が圧縮された場合は、放出口63から車内2に向けて空気の固まりが放出されることになる。空気質チャンバ62内には、動作部64が放出口63から離れる方向に移動することにより、成分保有チャンバ61内の空気質成分が、間隙80を通って供給される。
空気質チャンバ62および成分保有チャンバ61の容積を圧縮する圧縮手段は、装置本体の内部を横断するように配置され、弾性変形部65および動作部64から構成される板状部材と、磁力を発生する磁石68と、この板状部材に設けられ、磁石68の周囲を取り巻くようにパイプ状部材66に巻回されているコイル67と、から構成されており、例えば、ムービングコイル方式の圧縮手段である。
磁石68の周囲には、パイプ状部材66がその内筒面と磁石68の外筒面とに間に所定の間隙80を設けて、筐体内部の一部を縦断するように配置されている。この間隙80は、パイプ状部材66がコイル67と磁石68によって発生する電磁力によって磁石68の周囲をその外筒面に沿うように移動するときでも、維持されるものであり、空気質チャンバ62と成分保有チャンバ61とを連通する連通部として機能する。
このパイプ状部材66は、樹脂製部材であり、例えばポリカーボネートで構成してもよい。コイル67は、電流が流れる素材で構成され、例えばエナメル材料で構成してもよい。磁石68は、筐体の内壁面に接着により固定されたり、あるいは筐体の内壁に埋め込まれて一体化されたりする構成としてもよい。
動作部64は、磁石68の周囲を取り巻くように外側に伸長する形態で配置されている。この動作部64は、パイプ状部材66の空気質チャンバ62側の端部と一体化して空気質チャンバ62および成分保有チャンバ61の境界を形成し、装置本体の筐体内部を横断するように配されている。
図8に示すように、動作部64の外側には、動作部64と一体化した弾性変形部65が設けられ、弾性変形部65は動作部64を支持するとともに筐体の内壁に固定されており、動作部64と同様に磁石68を取り巻くように配置されている。弾性変形部65は、動作部64の移動に応じて自身の形態を弾性変形させて、動作部64の動きを安定なものにしている。
動作部64は、例えば、硬質の材料からなる薄板で構成するのが望ましい。このよう材料で形成することによりその作動音を低減することができる。また、弾性変形部65は、動作部64よりもさらに硬質な材料で構成するのが好ましく、動作部64の動きをより安定したものにできる。
なお、図8に示すように、間隙80は、装置本体の筐体内部において、放出口63側から見て、略中央部に設けられていることが好ましく、また、放出口63と対向する位置に設けられていることが好ましい。また、車両用空気質成分供給装置60の外殻を構成する装置本体の筐体は、放出口63側から見て、略円形状であり、動作部64の移動方向、つまり、パイプ状部材66の移動方向において寸法が小さい扁平状であることが好ましい。また、装置本体の筐体は、軸方向高さが低く、薄型の円筒体であることが好ましい。
空気質成分供給ECU100の制御による圧縮手段の動作について説明する。車載バッテリなどから電圧を印加すると、電流がコイル67に流れてパイプ状部材66を磁石68の外筒面に沿った前後方向のいずれかに押し出す電磁力が働き、このパイプ状部材66の動きに伴って動作部64が空気質チャンバ62または成分保有チャンバ61を圧縮する方向に移動する。
さらに印加する電圧を適切に制御することにより、動作部64を瞬間的に前後方向に移動させることができる。この動作部64の移動により、空気質チャンバ62の容積は瞬間的に小さくなるので、この容積内に充満していた空気質成分を含んだ気体は圧縮されて放出口63から外部に瞬時に放出されることになる。この一連の動作を瞬時に起こすことで、放出口63から放出される空気質成分を含んだ空気は、流体の塊、例えば、渦輪、球体状の塊、となって車内2に放出されることになる。
次に、車両用空気質成分供給装置60の動作について説明する。空気質成分供給ECU100は、車内2の乗員に向けて空気の固まりを放出するときには、圧縮手段に対して空気質チャンバ62内の気体を圧縮する制御を実行する。具体的には、パイプ状部材66を放出口63寄り、つまり空気質チャンバ62寄りに瞬間的に移動させる電磁力が発生するようにコイル67に電流を流して、パイプ状部材66および動作部64を図7(b)に示す白抜き矢印の向き、つまり、放出口63に向かう向きに移動させる。
このとき、所定の空気質成分を含有した空気質チャンバ62内の気体は、その容積の瞬間的な減少によって放出口63から空気の固まりとなって車内2に向けて放出される(以上、図7(b)参照)。そして、空気の固まりは、車内2における空気の固まりを供給したい場所や乗員の付近で拡散した、所定の空気質成分が乗員に対して提供されることになる。
次に、空気質成分供給ECU100は、次の空気の固まりの放出に備えて空気質チャンバ62に車内2の空気および空気質成分を取り込むために、空気の固まりを放出した後に、成分保有チャンバ61内の気体を圧縮する制御を実行する。具体的には、パイプ状部材66を放出口63から離れる方向、つまり成分保有チャンバ61寄りに瞬間的に移動させる電磁力が発生するようにコイル67に電流を流して、パイプ状部材66および動作部64を図7(c)に示す白抜き矢印の向き、つまり、放出口63から離れる向きに移動させる。
このとき、成分保有チャンバ61内の空気質成分を含有した気体は、成分保有チャンバ61内の圧力が高くなることにより、連通部としての間隙80を通って空気質チャンバ62へ流入することになる。同時に、負圧状態となった空気質チャンバ62には、放出口63から車内2の空気が取り込まれる(以上、図7(c)参照)。
車両用空気質成分供給装置60は、以上のような図7(b)、図7(c)を用いて説明した圧縮手段の制御を繰り返し行うことにより、空気質成分を空気質チャンバ62内に供給する機構を別途必要としない簡潔な構成で、乗員に対する空気の固まりの供給を継続的に実施することができる。また、車両用空気質成分供給装置60は、電磁力を用いて圧縮手段を駆動するので、空気の固まりの連続的な発生や、発生タイミングのより細かな制御を実施することができる。
このように本実施形態の車両用空気質成分供給装置60は、所定の空気質成分を有する成分保有チャンバ61と、放出口63から空気の固まりとして放出される空気質成分を含んだ気体を内蔵する空気質チャンバ62と、成分保有チャンバ61と空気質チャンバ62を連通させる連通部としての間隙80と、を備え、さらに、装置本体の筐体内部を、成分保有チャンバ61と空気質チャンバ62とに分けるように配置されるとともに、放出口63寄りに移動して空気質チャンバ62の容積を圧縮したり、放出口63から離れる方向に移動して成分保有チャンバ61の容積を圧縮したりする動作部64と、を備えたものである。そして、動作部64が放出口63から離れる方向に移動することにより、成分保有チャンバ61内の空気質成分が、間隙80を通って空気質チャンバ62に供給される構成としている。
この構成によれば、装置を小型化することができ、さらに、空気質成分を空気質チャンバ62内に供給する機構を別途必要とせず、装置を構成する部品数を低減することができる。
また、動作部64は、装置本体の筐体内部に設けられたコイル67と磁石68によって発生する電磁力を駆動力として磁石68の周囲を移動するとともに、連通部を磁石68と動作部との間に形成された間隙に設ける構成を採用した場合には、連通部や圧縮手段の配置スペースの有効化が図れ、装置をより小型にすることができる。
また、動作部64は、磁石68の周囲を取り巻くように配置されていることが好ましく、この構成を採用した場合には、電磁力の働きによる動作部64の移動をより安定させることができる。
また、動作部64を弾性変形部65などにより支持する構成とした場合には、磁石68と動作部64との間に形成された間隙寸法をより安定させることができ、空気質チャンバ62と成分保有チャンバ61との間に気体の流通を安定したものにできる。
また、間隙80は、装置本体の筐体内部において、放出口63側から見て、略中央部に設けられていることが好ましい。この構成を採用した場合には、連通部が筐体内部の略中央に配置されることにより、空気質成分を空気質チャンバ62全体に効率よく行き渡らせることができる。
また、間隙80は、放出口63と対向する位置に設けられていることが好ましい。この構成を採用した場合には、連通部と放出口63が対向する位置関係にあることにより、連通部から流入した空気質成分をより確実に放出口63近くに集めることができる。
(第5実施形態)
第5実施形態の車両用空気質供給装置70の内部構成について図9(a)、(b)、(c)および図10を用いて説明する。本実施形態の車両用空気質成分供給装置70は、第4実施形態において説明した車両用空気質成分供給装置60に対して、連通部を閉塞可能とするシール部83を有している点が異なっており、さらに、空気の固まりの放出を停止している状態において、シール部83により連通部を閉塞する点が異なっている。なお、その他の部品の構成や制御については、第4実施形態の車両用空気質成分供給装置60と同様である。
図9(a)は、車両用空気質成分供給装置70において、空気の固まりの放出動作停止時の内部状態を示した概念図である。図9(b)は、空気の固まりが放出された時の内部の状態を示した概念図であり、図9(c)は、空気質成分が空気質チャンバ72に供給されたときの内部状態を示した概念図である。また、図10は、図9(a)のY−Y断面における矢視図である。
図9の各図および図10に示すように、車両用空気質成分供給装置70は、磁石78とパイプ状部材76との間に形成された間隙82を閉塞可能とするシール部83を備えている。このシール部83は、パイプ状部材76と動作部74とが結合するパイプ状部材76の放出口73側部位において、磁石78の放出口73側の端部78aの前方を覆うように設けられている。この端部78aは、円筒状の磁石78の軸方向に略垂直な端面を構成し、パイプ状部材76およびシール部83の移動する方向に対して略垂直な端面である。また、シール部83には、間隙82と空気質チャンバ72とを連通する小孔81が設けられている。また、シール部83は、空気質成分供給ECU100の制御により、車内2への空気の固まりの放出を停止している状態において空気質チャンバ72と成分保有チャンバ71の連通を閉鎖するように構成されている。
また、車両用空気質成分供給装置70は、間隙82を閉塞するときには、このシール部83を磁石78に接触させて間隙82を閉塞することによって、空気質チャンバ72と成分保有チャンバ71の連通を閉鎖する構成である。なお、シール部83は、シール効果の高い軟性の材料で構成するものとし、例えば、ウレタン、エラストマーなどで構成する。
なお、図10に示すように、間隙82および小孔81は、装置本体の筐体内部において、放出口73側から見て、略中央部に設けられていることが好ましく、また、放出口73と対向する位置に設けられていることが好ましい。
なお、車両用空気質成分供給装置70におけるシール部83および間隙82を除く各構成部品は、第4実施形態の車両用空気質成分供給装置60の各構成部品に対して、その名称は同様であり、その符号は、十の位の数字を6から7に置き換えたようにしている。例えば、第4実施形態における成分保有チャンバ61および空気質チャンバ62は、第5実施形態では、成分保有チャンバ71および空気質チャンバ72としている。その他の構成部品の放出口73、動作部74、弾性変形部75、パイプ状部材76、コイル77、磁石78、保有部79についても同様である。
以下に、車両用空気質成分供給装置70の動作について説明する。空気質成分供給ECU100は、車内2の乗員に向けて空気の固まりを放出するときには、圧縮手段に対して空気質チャンバ72内の気体を圧縮する制御を実行する。具体的には、パイプ状部材76を放出口73寄り、つまり空気質チャンバ72寄りに瞬間的に移動させる電磁力が発生するようにコイル77に電流を流して、パイプ状部材76および動作部74を図9(b)に示す白抜き矢印の向き、つまり、放出口73に向かう向きに移動させる。
このとき、所定の空気質成分を含有した空気質チャンバ72内の気体は、その容積の瞬間的な減少によって放出口73から空気の固まりとなって車内2に向けて放出される(以上、図9(b)参照)。そして、空気の固まりは、車内2における空気の固まりを供給したい場所や乗員の付近で拡散した、所定の空気質成分が乗員に対して提供されることになる。
次に、空気質成分供給ECU100は、次の空気の固まりの放出に備えて空気質チャンバ72に車内2の空気および空気質成分を取り込むために、空気の固まりを放出した後に、成分保有チャンバ71内の気体を圧縮する制御を実行する。具体的には、パイプ状部材76を放出口73から離れる方向、つまり成分保有チャンバ71寄りに瞬間的に移動させる電磁力が発生するようにコイル77に電流を流して、パイプ状部材76および動作部74を図9(c)に示す白抜き矢印の向き、つまり、放出口73から離れる向きに移動させる。
このとき、成分保有チャンバ71内の空気質成分を含有した気体は、成分保有チャンバ71内の圧力が高くなることにより、間隙82、さらには小孔81を通って空気質チャンバ72へ流入することになる。同時に、負圧状態となった空気質チャンバ72には、放出口73から車内2の空気が取り込まれる(以上、図9(c)参照)。
さらに、空気質成分供給ECU100は、車内2への空気の固まりの放出を停止している状態、言い換えれば、空気の固まりを放出した後、次に空気の固まりを放出するまでの間隔が所定時間あいた状態においては、図9の(c)に示す状態よりもさらに、パイプ状部材76を成分保有チャンバ71側に移動させるように制御する。
この制御により、シール部83は、パイプ状部材76の移動とともに、磁石78の放出口73側の端部78aに押し付けられることになり、端部78aとシール部83の裏面との間の空間がなくなって空気質チャンバ72と成分保有チャンバ71の連通が完全に閉鎖されることになる。
車両用空気質成分供給装置70は、以上のような図9(b)、(c)および(a)を用いて説明した圧縮手段の制御を行うことにより、空気質成分を空気質チャンバ72内に供給する機構やそのシール機能を別途必要としない簡潔な構成で、乗員に対する空気の固まりの供給を継続的に実施することができる。
このように本実施形態の車両用空気質成分供給装置70は、間隙82を閉塞可能とするシール部83により、車内2への空気の固まりの放出を停止している状態において、空気質チャンバ72と成分保有チャンバ71の連通を閉鎖するものである。
この構成によれば、車内2へ空気の固まりを放出しない状態のときに、成分保有チャンバ71内の所定の空気質成分が装置本体の外部に漏れることを低減できる。また、保有する空気質成分を無駄に使用することがないので、空気質成分を補充したり、空気質成分内蔵のカートリッジなどを交換したりすることを低減することができる。
また、車内2への空気の固まりの放出を停止している状態において、シール部83を磁石78に接触させて空気質チャンバ72と成分保有チャンバ71の連通を閉塞することが好ましい。この構成を採用した場合には、シール部83を例えば弁のような簡単な形状によって構成することができる。
また、シール部83が、シール部83の移動する方向に対して略垂直な端面に接触して空気質チャンバ72と成分保有チャンバ71の連通を閉塞する構成を採用した場合には、シール部83の移動方向と、磁石などをシールするために力がかかる方向とが同じ方向となるので、高いシール性能を有した車両用空気質成分供給装置70を提供できる。また、シール部83のシール面と動作部74の空気を圧縮する面がほぼ同じ方向を向く構成を採用しているので、筐体内部の気体を圧縮するエネルギーロスが少なく、かつシール性能に優れた車両用空気質成分供給装置70を提供できる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において以下のように種々変形して実施することが可能である。
例えば、上述の実施形態における空気質成分供給ECU100は、車両用空気質成分供給装置の制御を行う専用の制御手段であってもよいが、エアコンECUの一部として組み込まれる構成で、その中で車両用空気質成分供給装置の制御を担当する制御手段として機能するものであってもよい。
また、本発明の圧縮手段の構成および動作方法は、上記実施形態に記載のものに限定されず、成分保有チャンバ側と空気質チャンバ側を往復運動することが可能な構成であればよい。例えば、蛇腹機構やカム機構を備えるものでもよい。
第1、第2、および第3実施形態における車両用空気質成分供給装置を車内に配置する箇所を示した概念図である。 第1、第2、および第3実施形態における車両用空気質成分供給装置の制御構成を示したブロック図である。 (a)は、第1実施形態の車両用空気質成分供給装置20において空気の固まりが放出された時の内部状態を示した概念図であり、(b)は、空気質成分が空気質チャンバ22に供給されたときの内部状態を示した概念図である。 (a)は、第2実施形態の車両用空気質成分供給装置30において空気の固まりの放出直後の内部状態を示した概念図であり、(b)は、空気質成分が空気質チャンバ32に供給されたときの内部状態を示した概念図である。(c)は、空気の固まりを放出する動作を行う前の内部状態を示した概念図であり、(d)は、空気の固まりが放出された時の内部の状態を示した概念図である。 (a)は、第2実施形態の車両用空気質成分供給装置40において空気の固まりの放出直後の内部状態を示した概念図であり、(b)は、空気質成分が空気質チャンバ32に供給されたときの内部状態を示した概念図である。(c)は、空気の固まりを放出する動作を行う前の内部状態を示した概念図であり、(d)は、空気の固まりが放出された時の内部の状態を示した概念図である。 (a)は、第3実施形態の車両用空気質成分供給装置50において空気の固まりを放出する動作を行う前の内部状態を示した概念図であり、(b)は、空気の固まりが放出された時の内部の状態を示した概念図である。 (a)は、第4実施形態の車両用空気質成分供給装置60において、空気の固まりを放出した後または放出動作停止時の内部状態を示した概念図である。(b)は、空気の固まりが放出された時の内部の状態を示した概念図であり、(c)は、空気質成分が空気質チャンバ62に供給されたときの内部状態を示した概念図である。 図7(a)のX−X断面における矢視図である。 (a)は、第5実施形態の車両用空気質成分供給装置70において、空気の固まりの放出動作停止時の内部状態を示した概念図である。(b)は、空気の固まりが放出された時の内部の状態を示した概念図であり、(c)は、空気質成分が空気質チャンバ72に供給されたときの内部状態を示した概念図である。 図9(a)のY−Y断面における矢視図である。
符号の説明
2・・・・車内、20、30、40、50、60、70・・・・車両用空気質成分供給装置(装置本体)、21、31、61、71・・・・成分保有チャンバ、22、32、62、72・・・・空気質チャンバ、23、34、54・・・・圧縮手段、24、33、63、73・・・・放出口、25・・・・逆流防止ドア(逆流防止手段)、26、35・・・・連通部、34・・・・圧縮手段(逆流防止手段)、36・・・・第1開口(逆流防止手段)、37・・・・第2開口(逆流防止手段)、41・・・・シャッタ、55、56・・・・開閉ドア(逆流防止手段)、64、74・・・・動作部、67、77・・・・コイル、68、78・・・・磁石、80、82・・・・間隙(連通部)、83・・・・シール部、100・・・・空気質成分供給ECU(制御手段)

Claims (15)

  1. 空気質成分を含有した空気の固まりを車内(2)に供給する車両用空気質成分供給装置であって、
    所定の前記空気質成分を有する成分保有チャンバ(21、31)と、
    前記空気の固まりが前記車内(2)に向けて放出される放出口(24、33)と、
    前記放出口(24、33)に連通する空気質チャンバ(22、32)と、
    前記成分保有チャンバ(21、31)と前記空気質チャンバ(22、32)を連通させる連通部(26、35)と、
    前記空気質チャンバ(22、32)内の前記空気質成分を含んだ気体を圧縮して空気の固まりを放出する圧縮手段(23、34、54)と、
    前記圧縮手段(23、34、54)の動作を制御する制御手段(100)と、を備え、
    装置本体(20、30、40、50)の内部には、前記成分保有チャンバ(21、31)と前記空気質チャンバ(22、32)が前記圧縮手段(23、34、54)を介在して配置され、
    前記制御手段(100)は、前記圧縮手段(23、34、54)の動作を制御することにより、前記成分保有チャンバ(21、31)内の前記空気質成分を前記連通部(26、35)を介して前記空気質チャンバ(22、32)に流入させることを特徴とする車両用空気質成分供給装置。
  2. 前記圧縮手段(23、34、54)が前記空気質チャンバ(22、32)内の前記気体を圧縮するときに、前記空気質チャンバ(22、32)内の気体が前記連通部(26、35)を介して前記成分保有チャンバ(21、31)に移動することを阻止しようとする逆流防止手段(25、34、36、37、55、56)を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用空気質成分供給装置。
  3. 前記逆流防止手段(25)は、前記圧縮手段(23)に設けられた逆流防止ドア(25)で構成されることを特徴とする請求項2に記載の車両用空気質成分供給装置。
  4. 前記圧縮手段(23)が前記成分保有チャンバ(21)内の前記空気質成分を含んだ気体を圧縮したとき、前記逆流防止ドア(25)は前記連通部(26)を開放して前記空気質成分を前記成分保有チャンバ(21)から前記空気質チャンバ(22)へ流入させることを特徴とする請求項3に記載の車両用空気質成分供給装置。
  5. 前記連通部(35)は、前記成分保有チャンバ(31)に臨む第1開口(36)と、前記空気質チャンバ(32)に臨む第2開口(37)とを有し、
    制御手段(100)は、前記圧縮手段(34)の動作を制御することにより、前記第1開口(36)および前記第2開口(37)の開口面積が同時に全開状態とならないように調節することを特徴とする請求項2に記載の車両用空気質成分供給装置。
  6. 前記圧縮手段(34)が前記成分保有チャンバ(31)内の前記空気質成分を含んだ気体を圧縮したとき、前記気体は前記第1開口(36)から前記連通部(35)に流入し、前記第2開口(37)から流出して前記空気質チャンバ(32)に移動することを特徴とする請求項5に記載の車両用空気質成分供給装置。
  7. 前記逆流防止手段(55、56)は、前記圧縮手段(54)が前記成分保有チャンバ(31)内の前記気体を圧縮するときには前記連通部(35)の流通を開放し、前記空気質チャンバ(32)内の気体を圧縮するときには前記連通部(35)の流通を閉鎖する開閉ドア(55、56)で構成されることを特徴とする請求項2に記載の車両用空気質成分供給装置。
  8. 前記圧縮手段(34)が前記成分保有チャンバ(31)内の前記空気質成分を含んだ気体を圧縮して前記空気質成分が前記成分保有チャンバ(31)から前記空気質チャンバ(22)に流入された後、前記空気質成分が外部に流出しないように前記放出口(33)を閉鎖するシャッタ(41)を設けることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の車両用空気質成分供給装置。
  9. 空気質成分を含有した空気の固まりを車内(2)に供給する車両用空気質成分供給装置であって、
    所定の前記空気質成分を有する成分保有チャンバ(61、71)と、
    前記空気の固まりが前記車内(2)に向けて放出される放出口(63、73)と、
    前記放出口(63、73)から空気の固まりとして放出される前記空気質成分を含んだ気体を内蔵する空気質チャンバ(62、72)と、
    前記成分保有チャンバ(61、71)と前記空気質チャンバ(62、72)を連通させる連通部(80、82)と、
    装置本体(60、70)の内部を、前記成分保有チャンバ(61、71)と前記空気質チャンバ(62、72)とに分けるように配置されるとともに、前記空気質チャンバ(62、72)側に移動して前記空気質チャンバ(62、72)の容積を圧縮したり、前記前記成分保有チャンバ(61、71)側に移動して前記成分保有チャンバ(61、71)の容積を圧縮したりする動作部(64、74)と、を備え、
    前記動作部(64、74)が前記成分保有チャンバ(61、71)側に移動することにより、前記成分保有チャンバ(61、71)内の前記空気質成分が、前記連通部(80、82)を通って前記空気質チャンバ(62、72)に供給されることを特徴とする車両用空気質成分供給装置。
  10. 前記動作部(64、74)は、前記装置本体(60、70)の内部に設けられたコイル(67、77)と磁石(68、78)によって発生する電磁力を駆動力として前記磁石(68、78)の周囲を移動するとともに、
    前記磁石(68、78)と前記動作部(64、74)との間に形成された間隙(80、82)を前記連通部(80、82)とすることを特徴とする請求項9に記載の車両用空気質成分供給装置。
  11. 前記動作部(64、74)は、前記磁石(68、78)の周囲を取り巻くように配置されていることを特徴とする請求項10に記載の車両用空気質成分供給装置。
  12. 前記連通部(80、82)は、前記装置本体(60、70)の内部において、前記放出口(63、73)側から見て、略中央部に設けられていることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の車両用空気質成分供給装置。
  13. 前記連通部(80、82)は、前記放出口(63、73)と対向する位置に設けられていることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の車両用空気質成分供給装置。
  14. 前記連通部(82)を閉塞可能とするシール部(83)を備え、前記シール部(83)は、前記車内(2)への空気の固まりの放出を停止している状態において、前記空気質チャンバ(72)と前記成分保有チャンバ(71)の連通を閉鎖することを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の車両用空気質成分供給装置。
  15. 前記連通部(82)を閉塞可能とするシール部(83)を備え、前記車内(2)への空気の固まりの放出を停止している状態において、前記シール部(83)を前記磁石(78)に接触させて前記連通部(82)を閉塞することによって、前記空気質チャンバ(72)と前記成分保有チャンバ(71)の連通を閉鎖することを特徴とする請求項10に記載の車両用空気質成分供給装置。
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JP2018115837A (ja) * 2017-01-20 2018-07-26 パナソニックIpマネジメント株式会社 渦輪発生装置
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