JP2007260956A - 積層シート - Google Patents

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Minchiro Kaneyuki
民治郎 兼行
Takanori Otohata
隆範 乙幡
Koichiro Hiroshige
浩一郎 広重
Noriko Kumazawa
納里子 熊澤
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Abstract

【課題】
基材との密着性に優れ美麗性が良好であるとともに、インキ乾燥性に優れ一般コート紙用インキを用いて印刷することができる積層シートを提供する。
【解決手段】
シート状基材の表面に1以上の熱可塑性樹脂層が積層された積層シートにおいて、その最外層が下記(A)の熱可塑性樹脂と下記(B)から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂とからなり、かつ下記(A)の熱可塑性樹脂を50重量%以上含有する積層シート。
(A)密度0.85〜0.92g/cm、メルトフローレート(MFR(JIS K6922−2))3〜20g/10minである低密度ポリエチレン
(B)ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−アクリレート共重合樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂

Description

本発明は、基材上に熱可塑性樹脂層を積層した耐水性を有する積層シート、特にオフセット印刷に適した積層シートに関する。
現在、耐水性を有する積層シートとしては、紙基材等に無機充填剤を含有する熱可塑性樹脂をラミネートした複合紙タイプの積層シートと、熱可塑性樹脂に無機充填剤や発泡剤を練り込んで延伸した合成紙タイプのものが知られ、ポスター、ラベル、配送伝票、冷凍・冷蔵食品の包装等、耐水性が要求される各種分野で用いられている。複合紙タイプの積層シートは、通常、押出しラミネーション法や共押出しラミネーション法、ドライラミネーション法等によって製造される。即ち、巻取りロールから繰出された基材の表面に、Tダイ製膜機から溶融した熱可塑性樹脂を押出し、または、2種以上の熱可塑性樹脂を共押出しし、クーリングロールとニップロール間で直ちに、基材とこの(これらの)熱可塑性樹脂層を押圧・圧着して積層、あるいは基材に製膜した熱可塑性樹脂フィルムを粘着剤等により貼合することにより製造される。しかし、これらの積層シートは、そのままでは表面にインキが殆ど染込まない。従って、これをオフセット印刷等の各種印刷に用いた場合、印刷されたインキはシート表面に滞留してそのまま乾燥し、そのため、印刷後のシートを擦ったりすると、乾燥したインキがシート表面から剥がれ落ちたり、シート表面で砕けて印刷面を汚したりすることとなる。
かかるトラブルを防止する方法の一つとして、シート表面に、より強固にインキ層を形成することが考えられる。例えば、市販の合成紙専用インキは、不飽和結合を多く含む植物油を主体とした溶剤を用い、酸化重合によってインキを固化させることで、シート表面のインキ層を強固なものとする。この合成紙専用インキは、合成紙のみならず複合紙にも用いることができ、これを用いれば、摩擦によっても消えたり汚れたりしない、優れた印刷面を得ることができる。一方、このインキは完全に固化するまでに非常に長い時間がかかり、印刷後、次工程に送るまでの待機時間を長く取らなければならない。この時間が不十分であると、印刷後のシートを積重ねて保存した場合に、シート表面のインキが、その上に積重ねられたシートの裏面に転移するという問題(裏付き)が発生する。また、このようなインキは、空気中の酸素と反応して固化するため、印刷中に固化が始まって印刷インキの粘度が上昇し、印刷機の安定的な操業を妨げることもある。
そこで、積層シートの印刷性改良のための別の方法として、インキ受理層としてシート表面に無機顔料等を含有する塗工層を設け、これにインキを吸収させるインキ受理層とすることが考えられる。この方法であれば、一般のコート紙用に従来から汎用されているオフセット印刷用等のインキも用いることができる。また、特許文献1には、最外層が石油樹脂、エチレン・α−オレフィン共重合樹脂、α−オレフィン同士の共重合樹脂、高圧法低密度ポリエチレン系樹脂及びポリスチレン系樹脂から選ばれる少なくとも1種および非帯電性アイオノマー樹脂を含む積層耐水シートが記載されており、最外層の熱可塑性樹脂として低密度ポリエチレン(LDPE:MFR11g/10min、密度0.916g/cm、メルトテンション1.3g)を70重量%含有した例が記載されている。引用文献2には、最外層の熱可塑性樹脂として低密度ポリエチレン(LDPE:MFR11g/10min、密度0.916g/cm)を80重量%含有した例が記載されている。
特開平7−68713号公報 特開平7−47642号公報
積層シートが使用される用途のうち、選挙用や商業用等の屋外ポスターなどでは、何よりも美麗性が重要視される。しかし、通常、積層シートの基材となる紙は、植物繊維等が複雑に絡み合って構成されているため、その表面には微小な凹凸が無数に存在し平坦ではなく、紙基材上に薄い膜状に押出された溶融樹脂は紙の凹凸に追従して積層され、積層シートの表面には微小な窪みが散在することとなる。そして、オフセット印刷等を施した場合には、この窪み部分にインキが転写されずいわゆる白抜けになってしまい、出来上がりの印刷物の美麗性を損ねてしまう問題がある。また、積層シートにおいては、基材と熱可塑性樹脂層間で層間剥離が起こらない程度に高い基材密着性を有することが必要であるが、基材と熱可塑性樹脂層の密着性は相溶性の悪い複数の樹脂を混合して使用したときに低下する傾向があり、外観を損なう原因ともなる。また、無機顔料等を含有する塗工層を設ける場合は、シート表面を高光沢とすることが難しいという問題がある。そのため、表面が低光沢のものであれば比較的良好なインキ乾燥を付与することが可能であるが、高光沢を維持しつつインキ乾燥性を付与することには限界がある。また、低光沢のものであってもより高度なインキ乾燥性が必要とされる場合がある。上記特許文献1、2で使用されている低密度ポリエチレンは、比較的軟らかい樹脂であり基材との密着性は良いものの、インキ乾燥性は十分とはいえない。
本発明はかかる問題点を踏まえ、基材との密着性に優れ美麗性が良好であるとともに、熱可塑性樹脂層自体に高いインキ吸収能を付与することにより、インキ乾燥性に優れ一般コート紙用インキを用いて印刷することができる積層シートを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究の結果、積層シートの最外層の熱可塑性樹脂層を、低密度ポリエチレンと特定の他の樹脂とを含有するものとすることにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。本発明の主な構成は次の通りである。
(1) シート状基材の表面に1以上の熱可塑性樹脂層が積層された積層シートにおいて、その最外層が下記(A)の熱可塑性樹脂と下記(B)から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂とからなり、かつ下記(A)の熱可塑性樹脂を50重量%以上含有することを特徴とする積層シート。
(A)密度0.85〜0.92g/cm、メルトフローレート(MFR(JIS K6922−2))3〜20g/10minである低密度ポリエチレン
(B)ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−アクリレート共重合樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂
(2) 熱可塑性樹脂(B)が、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン・メチルアクリレート共重合物(EMA)、エチレン・エチルアクリレート共重合物(EEA)、スチレン-ブタジエン共重合体(SBR)のいずれかであることを特徴とする(1)記載の積層シート。
(3) 前記最表層の上にインキ受理層を設けた(1)又は(2)記載の積層シート。
本発明によると、最外層の熱可塑性樹脂層において、低密度ポリエチレンを主成分とし特定の他の樹脂を混合することにより、基材密着性とインキ乾燥性のバランスに優れた積層シートが提供される。
本発明における積層シートは、シートの一方又は両方の最外層として熱可塑性樹脂層を有するものであればどのようなものであってもよい。即ち、シートの一方の最外層が熱可塑性樹脂層であれば、シートの他方は基材が露出していても、熱可塑性樹脂層が積層されていても、どちらでも構わない。シートの両方の最外層として熱可塑性樹脂層を有する場合には、これらの層が、それぞれ異なる種類・組成の熱可塑性樹脂で形成されていても構わない。また、熱可塑性樹脂層の面調は、低光沢から高光沢までどのような面調であっても構わない。なお、かかる基材と最外層の熱可塑性樹脂層との間に、他の熱可塑性樹脂層など別の層が存在していてもよい。また熱可塑性樹脂層表面は、その後の工程により塗工層を設けてあっても良いし、未塗工であっても良い。塗工層を設ける場合には、塗工層はいかなる組成のものであっても良い。
以下、本発明にについて具体的に説明する。
[熱可塑性樹脂層]
<(A)低密度ポリエチレン>
本発明において設けられる熱可塑性樹脂層のうち、最外層には、熱可塑性樹脂(A)として低密度ポリエチレン(LDPE)と、後述する特定の群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂(B)とが含有される。低密度ポリエチレンとしては、密度が0.85〜0.92g/cm、メルトフローレート(MFR(JIS K6922−2))が3〜20g/10minのものであれば良く、高圧法、触媒法等の製法は問わない。低密度ポリエチレンは最外層の熱可塑性樹脂層に対し50重量%以上含有され、50重量%より少ないと十分な基材密着性が得られない。好ましくは60重量%以上、より好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。
<(B)特定の熱可塑性樹脂>
前記した低密度ポリエチレンとともに含有される熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−アクリレート共重合樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂から選ばれる少なくとも1種が使用される。これらの樹脂の中には、基材密着性に劣るものもあるが、前記した低密度ポリエチレンとの混合層として形成されることにより良化する。また、本発明において、前記した低密度ポリエチレンとこれらの樹脂とからなる混合層は、海島構造をなした状態になっており、樹脂間の微細な空隙にもインキが吸収されて、インキ乾燥性を向上させると考えられる。特に直鎖状低密度ポリエチレンは、それ自体のインキ吸収能も高く好ましく用いられる。なお、本発明でいう海島構造とは、海とその海に点々と浮かぶ島のように、ある樹脂が、それとは異なる樹脂に周囲を取り巻かれるようにして散点状に分布した構造のことをいう。但し、「海」に対する「島」の分布は、樹脂の混合割合によっては必ずしも散点状にならず、密集した状態になることもある。
ポリエチレン系樹脂としては、前記した樹脂(A)の低密度ポリエチレンとは異なり、かつ、密度が0.85〜0.98g/cm、メルトフローレート(MFR(JIS K6922−2))が3〜20g/10minの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられる。高圧法、触媒法、気相法、溶液法等の製法は問わないが、直鎖状低密度ポリエチレンの中でも、シングルサイト系触媒で合成された直鎖状低密度ポリエチレン(SS−LLDPE)が好ましい。SS−LLDPEは、活性点が均一なシングルサイト系触媒により合成されるため、汎用されるチーグラー触媒を用いて合成された直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と比べ、シャープな分子量分布を示す。シングルサイト系触媒の代表的なものとしては、メタロセン系触媒を挙げることができる。これは、2個のシクロペンタジエン環に、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン又はタングステン等の遷移金属原子が、サンドイッチ状に挟まれた構造を有する触媒である。
ポリプロピレン系樹脂としては、密度が0.85〜0.93g/cmメルトフローレート(MFR(JIS K7210:1999))が15〜50g/10minの条件を満たすものが好ましく、かかる条件を満たせばホモタイプ、ブロック共重合体タイプ及びランダム共重合タイプ、メタロセン触媒法タイプのいずれも好適に使用することができる。
エチレン−アクリレート共重合樹脂としては、エチレン−メチルアクリレート共重合樹脂(EMA)、エチレン−エチルアクリレート共重合樹脂(EEA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合樹脂が好ましく、より好ましくはこれらのそれぞれメチルアクリレート含量、エチルアクリレート含量、ブチルアクリレート含量が5%以上であるものが良い。また、エチレン−メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー樹脂等も使用可能である。
<その他の樹脂>
その他、最外層には、本発明の所望の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、水素化系石油樹脂、テルペン系石油樹脂、水素化テルペン系石油樹脂、共重合系石油樹脂等の石油樹脂、エチレン・α−オレフィン共重合樹脂、プロピレン・α−オレフィン共重合樹脂を始めとするα−オレフィン同士の共重合樹脂、エチレン・カルボン酸ビニルエステル共重合樹脂、エチレン・α、β−不飽和カルボン酸エステル共重合樹脂、通常のアイオノマー樹脂を始めとする高圧法低密度ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリメチルペンテン樹脂などが使用可能である。例えば、上記樹脂ブレンドに接着性樹脂を添加することで、より高度な基材密着性を有する積層シートを製造することも可能である。
また、最外層を形成する熱可塑性樹脂と基材、あるいは熱可塑性樹脂層を2以上設けたとき樹脂層間の密着性が不良な場合には、基材に予め接着層を塗工又は積層することも可能であり、また、最外層あるいは他の層に使用する熱可塑性樹脂と接着性樹脂を共押出しラミネーションすることも可能である。
接着性樹脂としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、変性ポリオレフィン、アイオノマー等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。変性ポリオレフィンとしては、炭素原子数2〜20のα-オレフィンの単独重合体あるいは共重合体を極性基及びエチレン性二重結合を有するモノマーでグラフト変性した変性物を使用することができるが、これらに限定されるものではない。アイオノマーは、イオン含有高分子で、特に金属イオンあるいは第4級アンモニウムにより部分的にあるいは完全に中和された高分子であり、特にエチレン系高分子鎖に少量の(メタ)アクリル酸をグラフトし、その(メタ)アクリル酸の一部を、Na+、K+、Zn++、Mg++などで中和したものが好ましく使用できる。中でもZnを有すると光沢性が良好で好ましい。
さらに本発明では、上記した熱可塑性樹脂層の他に、熱可塑性樹脂層を適宜設けてもよい。このような層を形成する熱可塑性樹脂としては、特に限定されず、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルペンテン等、ラミネート加工可能な樹脂を挙げることができる。
[添加剤]
各熱可塑性樹脂層には、本発明の目的を害さない限り、帯電防止剤、耐ブロッキング剤(アクリルビーズ、ガラスビーズ、シリカ)等の添加剤を添加してもよい。また、酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、硫酸バリウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、ケイソウ土、磁性酸化鉄およびこれらの混合物などの無機充填剤が混合されていても良く、必要に応じ、カーボンブラック、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂等の有機充填剤を小量混合しても良く、さらに、無機充填剤の分散性を向上させる補助手段として脂肪酸塩、粘着付与剤、親水化ポリオレフィンワックス等を適宜加えたり、或いはこれらで無機充填剤の表面処理を行うこともできる。なお、使用される無機充填剤の平均粒径は、特に限定はないが樹脂層への分散性並びに無機充填剤が樹脂層に付与する筆記性および印刷適性の見地から、0.01〜10μmが好ましく、0.1〜5μmが更に好ましい。
[基材]
本発明において使用する基材は、薄物、厚物の各種の紙や合成樹脂フィルム、金属箔等を使用することができ、これらはシート状でありさえすればその厚みを問わない。
[積層方法]
本発明の積層シートは、上記の熱可塑性樹脂を、基材上に押出しラミネーション、共押出しラミネーション、ドライラミネーション、ウェットラミネーション等、公知の方法を用いて積層することにより製造できる。各樹脂層の厚さは最外層が2〜25μmであるのが好ましく、5μm〜20μmが更に好ましい。また熱可塑性樹脂層が2層以上からなる場合には、最外層以外の層はぞれぞれ3〜25μmであるのが好ましく、5〜20μmがさらに好ましい。
また、基材との密着を高めるために、押出しコーティング前の基材表面にフレーム(火炎)処理、コロナ放電処理、および予熱処理を施したり、または積層されるべき樹脂層の基材と接すべき面にオゾン処理等の処理を施したりするのが望ましい。その結果、低温接着性が良好になり、樹脂からの目ヤニ発生頻度が減少し、そして樹脂の劣化や引き裂き強度低下を防止することができる。
[インキ受理層」
本発明においては、少なくとも一方の熱可塑性樹脂層表面に、無機顔料とバインダーを主成分とするインキ受理層を設けることで、インキ乾燥性をより向上させることができる。さらに、最外層熱可塑性樹脂層の主成分として用いられる低密度ポリエチレンは、軟らかい樹脂であるため傷付きやすく、またブロッキングを引き起こしやすい。従って、インキ受理層を設けることは、熱可塑性樹脂層の保護となり、またブロッキングの防止にも役立ち有効である。
無機顔料としては、酸化チタン、炭酸カルシウム、クレー、タルク、カオリン、焼成カオリン、シリカ等があるが、これらに限定されるものではない。バインダーとしては、塗工紙分野等で一般的に使用されている種類のものを適宜使用できる。例えば、スチレン重合体、スチレン−ブタジエン系共重合体、スチレン−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などやその誘導体等、また、ソープフリーで製造されたアクリル系、スチレン−アクリル系の重合体または共重合体等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
無機顔料とバインダーとの混合比率は、バインダーの比率が多すぎると、インキ乾燥性の悪化やインキ受理層がベタつく原因となり、また、バインダーの比率が少なすぎると、インキ受理層の強度が弱くなり粉落ちなどの原因となることがあるため、95:5〜5:95が好ましい。特に好ましくは、80:20〜20:80である。
上記無機顔料とバインダー、そして必要に応じて帯電防止剤、滑剤、紫外線吸収剤等の添加剤を水系で分散させ、エアナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、ダイコーター等を用いて、熱可塑性樹脂層の表面に塗工することにより設けることができる。塗工量は、インキ乾燥性と経済性の観点から0.3〜10g/m(乾燥重量、以下同じ。)が好ましい。
以下に本発明の実施例および比較例を説明するが、本発明をこれら実施例に限定するものでないことは言うまでもない。なお、特にことわらない限り、部および%は重量部および重量%を表す。実施例1〜9及び比較例1〜15を表1に示す。
実施例および比較例で用いた樹脂組成物は次の通りである。また、実施例および比較例で得られた積層シートについて、下記の方法によって評価した。
<物性、性状>
低密度ポリエチレン(LDPE):MFR(JIS K6922−2)7.5g/10min、密度0.918g/cm
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE):MFR(JIS K6922−2)20g/10min、密度0.888g/cm
高密度ポリエチレン(HDPE):MFR(JIS K6922−2)17g/10min、密度0.967g/cm
ポリプロピレン(PP):MFR(JIS K7210:1999)24g/10min、密度0.91g/cm
エチレン・メチルアクリレート共重合物(EMA):MFR(JIS K7210:1999)6.0g/10min、密度0.930g/cm
エチレン・エチルアクリレート共重合物(EEA):MFR(JIS K6730)5.0g/10min、エチルアクリレート(EA)含有量25%
スチレン-ブタジエン共重合体(SBR):MFR(ASTM D297)3.5g/10min、密度0.89g/cm3
エチレン・αオレフィンコポリマー:MFR3.6g/10min、密度0.88g/cm、JIS−A表面硬度83
<基材密着性>
熱可塑性樹脂層の表面に、ニチバン社製透明粘着テープ(商品名セロテープ(登録商標))を強固に密着させ、この透明粘着テープを強制的に剥離して、次の基準で目視にて評価した。
5:テープ粘着面に何も付着しておらず熱可塑性樹脂層が基材層からまったく剥離しない。または、基材ごと破壊されているが、熱可塑性樹脂層と基材との間ではまったく剥離していない。
4:テープ粘着面に僅かに熱可塑性樹脂が付着している。または、基材破壊が起こっているが、部分的に熱可塑性樹脂層と基材の間で剥離が起こっている。
3:テープ粘着面の半分ほどの面積に熱可塑性樹脂が付着しており、基材破壊は起こっておらず、基材と熱可塑性樹脂層間で剥離している。
2:テープ粘着面のほぼ全面に熱可塑性樹脂が付着しており、テープ剥離時に抵抗がある。
1:テープ粘着面のほぼ全面に熱可塑性樹脂が付着しており、かつテープ剥離時にほとんど抵抗がない。
<インキ乾燥性試験>
得られた積層シートについて、汎用されているオフセット印刷用インキ(大日本インキ(株)製のバリウスG(紅))を用い、RI印刷機を使用してインキ盛量0.5ccで印刷を行った。印刷室の雰囲気は23℃、50%RHであった。印刷終了後、5分後、15分後、30分後に、印刷面にコート紙(日本製紙(株)製商品名オーロラコート)を重ね、重さ6.5kg、巾2.5cmのローラーで荷重を加えた後、コート紙に転写されたインキの転写濃度をGretag Macbeth濃度計にて測定した。その後、下記の計算方法に従って、インキの転写率を計算した。インキの転写率が低い、すなわち数値が小さいほど、積層シート表面におけるインキの乾燥が良いことを意味する。
転写率={(コート紙への転写濃度−白紙コート紙の濃度)/(印面濃度−白紙サンプルの濃度)}×100(%)
[実施例、比較例]
坪量81g/m2 、幅500mmの上質紙を基材として、この両面に表1に示す樹脂A、樹脂Bを混合したものを、Tダイより300℃の温度で押出して積層し、積層シートを得た。評価結果を表1に示す。
Figure 2007260956
実施例1〜9より明らかなように、樹脂Aとして低密度ポリエチレンを50重量%以上含有する本発明の積層シートは、基材密着性とインキ乾燥性の両方を満足する品質を示した。中でも、樹脂Aを90重量%ずつ含有する実施例1〜6の対比から、樹脂Bとしては直鎖状低密度ポリエチレン(実施例1)が、基材密着性はもちろんインキ乾燥性に最も優れており、好ましいことがわかる。
また、樹脂Aおよび樹脂Bを単独で含有する場合(比較例1〜7)は、基材密着性、インキ乾燥性のいずれかあるいは両方に劣り、バランスの良い品質の積層シートは得られなかった。樹脂Aの含有量が50重量%より少ない場合(比較例8〜14)も、同様であった。
さらに、本発明の樹脂Bとして選ばれる特定の熱可塑性樹脂群とは異なる樹脂を用いた場合(比較例15)は、インキ乾燥性が不十分であった。

Claims (3)

  1. シート状基材の表面に1以上の熱可塑性樹脂層が積層された積層シートにおいて、その最外層が下記(A)の熱可塑性樹脂と下記(B)から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂とからなり、かつ下記(A)の熱可塑性樹脂を50重量%以上含有することを特徴とする積層シート。
    (A)密度0.85〜0.92g/cm、メルトフローレート(MFR(JIS K6922−2))3〜20g/10minである低密度ポリエチレン
    (B)ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−アクリレート共重合樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂
  2. 熱可塑性樹脂(B)が、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン・メチルアクリレート共重合物(EMA)、エチレン・エチルアクリレート共重合物(EEA)、スチレン-ブタジエン共重合体(SBR)のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の積層シート。
  3. 前記最表層の上にインキ受理層を設けた請求項1又は2記載の積層シート。
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