JP2007259629A - 電動機駆動用電源装置および空気調和装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】直流母線電圧脈動検出手段11は、インバータ主回路16に使用している直流平滑コンデンサ8の脈動電圧を検出し、PWM演算手段14は、上記脈動電圧値からリプル電流による芯温度上昇値を推定し、脈動電圧または推定した芯温度をある閾値以内に抑えるように逆変換器9を駆動して圧縮機1の電動機を制御する。
【選択図】図1
Description
またコンデンサの電圧が脈動するため、運転状態によっては圧縮機を安定に駆動できず異常停止してしまうという課題があった。
整流器、直流リアクトル、直流平滑コンデンサ、及び逆変換器等を具備し、電動機を制御するインバータ主回路と、
このインバータ主回路の直流母線電圧を検出する直流母線電圧検出手段と、
前記直流母線電圧の脈動電圧を検出する直流母線電圧脈動検出手段と、
前記インバータ主回路の出力電流を検出する出力電流検出手段と、
前記インバータ主回路の出力周波数を設定する出力周波数設定手段と、
前記直流母線電圧検出手段の検出値と前記直流母線電圧脈動検出手段の検出値と前記出力電流検出手段の検出値と前記出力周波数設定手段の設定値に基づいてPWM信号を生成するPWM演算手段と、
前記PWM演算手段からのPWM信号に応じて前記逆変換器を駆動する逆変換器駆動手段と、を備え、
前記PWM演算手段は、前記直流母線電圧脈動検出手段で検出した脈動電圧と所定の値(以下、閾値という)を比較し、前記脈動電圧値が前記閾値を超えないように前記電動機の出力を制御するものである。
図1は、この発明の実施の形態1における空気調和装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、空気調和装置の冷媒回路は、圧縮機1と、凝縮器2と、絞り手段3と、蒸発器4とが冷媒配管で順次環状に接続されて構成されている。
また、インバータ制御装置の主回路(PWMインバータ16)は、ダイオード等により構成され、商用交流電源5から供給される交流を直流に変換する整流器6と、整流器6の出力の内、高調波電流成分が後段に流出するのを抑制する直流リアクトル7と、この直流リアクトル7から出力された直流の脈動成分を平滑する平滑直流平滑コンデンサ8と、逆変換器9とから構成されている。
なお、上記PWM演算手段14は、直流母線電圧検出手段10、直流母線電圧脈動検出手段11、直流母線出力電流検出手段12、出力周波数設定手段13からの信号に基づいて、圧縮機1に印加すべき出力電圧、位相、周波数を公知の数式を用いて算出し、この指令信号に基づいてPWM制御することで、空気調和装置の所要空調能力、圧縮機駆動時の所要駆動トルクが出せるようにPWMインバータ16を駆動するためのPWM信号を生成する。また、逆変換器駆動手段15は、逆変換器9を駆動するためのPWM演算手段14から出力されたPWM信号を増幅する。
PWM演算手段14は、予めシミュレーション等により、脈動電圧(ΔV)とリプル電流の関係を求め、図示しない記憶手段に上記脈動電圧とリプル電流を対応させたテーブルを登録しておくことにより、直流母線電圧脈動検出手段11から入力した脈動電圧(ΔV)から対応するリプル電流を上記テーブルを用いて取得し、このリプル電流に基づいて直流平滑コンデンサの芯温度上昇分△Tを以下の数式(1)を用いて推定する。
T(℃) = (I2 × R ) / ( β × A )・・・・・・・(1)
ここで、
I:リプル電流(Arms)
R : コンデンサ等価直列抵抗(ESR) ( Ω )
R=tan δ / ( ω C )
δ:インピーダンス平面上の抵抗成分とリアクタンス成分との比(角度に
よる表現)
ω = 2πf
C:コンデンサ容量(Farad)
β:放熱定数(W/℃cm2)
A:表面積(cm2)
即ち、リプル電流Iから温度上昇分(ΔT)を計算により推定可能となる。
PWM演算手段14は、脈動電圧(ΔV)値と予め設定されている閾値(許容限界値)とを比較し、図2に示すように脈動電圧(ΔV)値が閾値を超えた場合にPWM演算手段14にてインバータの出力周波数を低下させることで脈動電圧(ΔV)値が閾値以内に収まるように負荷を抑制する。これにより、リプル電流も許容範囲内に抑制されるので、コンデンサの芯温度上昇分が規定範囲内に抑えられ、直流平滑コンデンサの寿命を確保した運転ができる。
なお、閾値として、図2に示すように不感帯(閾値A、B)を設け負荷抑制制御が過敏に反応しないように制御する。
したがって、直流平滑コンデンサの容量を低減できる。
また脈動電圧(ΔV)を一定値以下に抑える制御となるため、圧縮機駆動においても安定性が向上する。
なお、室外機のマイクロコンピュータは制御手段を構成する。
また、高圧圧力を低下させる別の方法として、以下の方法が考えられる。
(a)室外機のマイクロコンピュータの制御により、室外ファンを増速し風量を上げることで、高圧圧力を低下させる。
(b)室外機のマイクロコンピュータの制御により、熱交換器の容量を周波数変更以外の方法で切り替えることで、高圧圧力を低下させる。
このように高圧圧力を低下させることで負荷を抑制し、コンデンサの芯温度上昇分を規定範囲内に抑えることで直流平滑コンデンサの寿命を確保した運転ができる。
したがって、直流平滑コンデンサの容量を低減できる。
図3は、この発明の実施の形態2における空気調和装置の構成を示すブロック図である。図1からの変更点は、直流平滑コンデンサ周囲温度検出手段17、芯温度検出手段18を追加したことである。
芯温度検出手段18は、直流母線電圧脈動検出手段11の脈動電圧(ΔV)からリプル電流に基づいて直流平滑コンデンサの芯温度上昇分を実施の形態1で示した数式(1)を適用することで推定し、この推定値に直流平滑コンデンサ周囲温度検出手段17により検出した直流平滑コンデンサの周囲温度を加算することで、直流平滑コンデンサの芯温度を推定する。PWM演算手段14は、芯温度検出手段18からの直流平滑コンデンサの芯温度を入力して、予め記憶手段などに設定してある閾値と比較して、直流平滑コンデンサの芯温度が上記閾値を超えた場合に、PWM演算手段14がインバータの出力周波数を低下させ負荷を抑制する。これにより、リプル電流が許容範囲内に抑えられるのでコンデンサの芯温度を規定範囲内に抑えることができ、直流平滑コンデンサの寿命を確保した運転が可能になる。また芯温度が閾値を越えた場合に実施の形態1と同様にして高圧圧力を低下させるように運転制御することで負荷を抑制し、コンデンサの芯温度を規定範囲内に抑えることで直流平滑コンデンサの寿命を確保した運転ができる。
以上により、直流平滑コンデンサの容量を低減できる。
図4は、この発明の実施の形態3における空気調和装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1および実施の形態2に対して、出力電力演算手段19および電源欠相判定手段20を追加したものである。次に、実施の形態3の動作について図4を用いて説明する。出力電力演算手段19では、直流母線電圧脈動検出手段11が検出した脈動電圧(ΔV)がある閾値を超えた場合、PWM演算手段14内の出力電圧指令値と出力電流検出手段12の検出値からインバータ出力電力を演算する(P=√3*V*I*cosΘ)。電源欠相判定手段20は、出力電力演算手段19で求めたインバータ出力電力と予め記憶手段などに設定されている閾値を比較し、インバータの出力電力が上記閾値よりも小さければ電源欠相と判断し、例えば、リモコンなどの出力手段にランプ表示や画面表示あるいはブザー音や音声メッセージ出力などによりメンテナンス通報する。この通報により、運転者は電源欠相を確認できるので、迅速な対応が可能になる。
また、実施の形態1および2で説明したように、電源欠相判定手段20は、メンテナンス通報があってもこれを無視し、空気調和装置の運転制御を継続することで異常停止させずに可能な範囲で運転を継続することができる。
Claims (12)
- 整流器、直流リアクトル、直流平滑コンデンサ、及び逆変換器等を具備し、電動機を制御するインバータ主回路と、
このインバータ主回路の直流母線電圧を検出する直流母線電圧検出手段と、
前記直流母線電圧の脈動電圧を検出する直流母線電圧脈動検出手段と、
前記インバータ主回路の出力電流を検出する出力電流検出手段と、
前記インバータ主回路の出力周波数を設定する出力周波数設定手段と、
前記直流母線電圧検出手段の検出値と前記直流母線電圧脈動検出手段の検出値と前記出力電流検出手段の検出値と前記出力周波数設定手段の設定値に基づいてPWM信号を生成するPWM演算手段と、
前記PWM演算手段からのPWM信号に応じて前記逆変換器を駆動する逆変換器駆動手段と、を備え、
前記PWM演算手段は、前記直流母線電圧脈動検出手段で検出した脈動電圧と所定の値(以下、閾値という)を比較し、前記脈動電圧値が前記閾値を超えないように前記電動機の出力を制御することを特徴とする電動機駆動用電源装置。 - 前記PWM演算手段は、脈動電圧が前記閾値を越えた場合、電動機のインバータ出力周波数を低下させること特徴とする請求項1記載の電動機駆動用電源装置。
- 請求項1または請求項2に記載の電動機駆動用電源装置と、
圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び蒸発器が冷媒配管で順次環状に接続された冷媒回路とを備え、
前記電動機は前記圧縮機の電動機であることを特徴とする空気調和装置。 - さらに室外機の制御手段を備え、この制御手段は、PWM演算手段が脈動電圧が前記閾値を越えたと判断した場合、前記膨張弁を絞って冷媒回路を循環する冷媒量を減少させ、圧縮機吐出側の高圧圧力を低下させることを特徴とする請求項3記載の空気調和装置。
- さらに室外機の制御手段と室外ファンとを備え、前記制御手段は、PWM演算手段が脈動電圧が前記閾値を越えたと判断した場合、前記室外ファンを増速し、風量を上げることで、圧縮機吐出側の高圧圧力を低下させることを特徴とする請求項3記載の空気調和装置。
- 整流器、直流リアクトル、直流平滑コンデンサ、及び逆変換器を具備し、電動機を制御するインバータ主回路と、
このインバータ主回路の直流母線電圧を検出する直流母線電圧検出手段と、
前記直流母線電圧の脈動電圧を検出する直流母線電圧脈動検出手段と、
前記インバータ主回路の出力電流を検出する出力電流検出手段と、
前記インバータ主回路の出力周波数を設定する出力周波数設定手段と、
直流平滑コンデンサの周囲温度を検出する直流平滑コンデンサ周囲温度検出手段と、
前記直流母線電圧脈動検出手段と前記直流平滑コンデンサ周囲温度測定手段の検出値に基づいて直流平滑コンデンサの芯温度を演算する芯温度演算手段と、
前記直流母線電圧検出手段の検出値と前記出力電流検出手段の検出値と前記芯温度演算手段の演算値と前記出力周波数設定手段の設定値に基づいてPWM信号を生成するPWM演算手段と、前記PWM演算手段からのPWM信号に応じて前記逆変換器を駆動する逆変換器駆動手段と、を備え、
前記PWM演算手段は、前記直流母線電圧脈動検出手段の検出値と前記直流平滑コンデンサ周囲温度検出手段の検出値から前記直流平滑コンデンサの芯温度を演算し、前記芯温度と所定の値(以下、閾値という)を比較し、前記芯温度が前記閾値を超えないように前記電動機を制御することを特徴とする電動機駆動用電源装置。 - 前記PWM演算手段は、前記芯温度が前記閾値を越えた場合、前記電動機のインバータ出力周波数を低下させること特徴とする請求項6記載の電動機駆動用電源装置。
- 請求項6または請求項7に記載の電動機駆動用電源装置と、
圧縮機、凝縮器、膨張弁、及び蒸発器が冷媒配管で順次環状に接続された冷媒回路とを備え、
前記電動機は前記圧縮機の電動機であることを特徴とする空気調和装置。 - さらに室外機の制御手段を備え、この制御手段は、PWM演算手段により芯温度が前記閾値を越えたと判断された場合、前記膨張弁を絞って冷媒回路を循環する冷媒量を減少させ、圧縮機吐出側の高圧圧力を低下させることを特徴とする請求項8記載の空気調和装置。
- さらに室外機の制御手段と室外ファンとを備え、前記制御手段は、PWM演算手段により芯温度が前記閾値を越えたと判断された場合、前記室外ファンを増速し、風量を上げることで、圧縮機吐出側の高圧圧力を低下させることを特徴とする請求項8記載の空気調和装置。
- さらに電源欠相判定手段を備え、この電源欠相判定手段は、前記PWM演算手段内の出力電圧指令値と前記出力電流検出手段の検出値からインバータの出力電力を演算し、インバータの出力電力と前記閾値とは別の所定の値とを比較し、インバータの出力電力が前記所定の値よりも小さい場合は電源欠相と判断し、外部にメンテナンス通報することを特徴とする請求項1または請求項6に記載の空気調和装置。
- さらに電源欠相判定手段を備え、この電源欠相判定手段は、前記PWM演算手段内の出力電圧指令値と前記出力電流検出手段の検出値からインバータの出力電力を演算し、インバータの出力電力と前記閾値とは別の所定の値とを比較し、インバータの出力電力が前記所定の値よりも小さい場合は電源欠相と判断するが、この場合には異常停止にせず、運転を継続することを特徴とする請求項1または請求項6に記載の空気調和装置。
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