JP2007259510A - 直流電動機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブラシ移動角(ブラシシフト)の設定を右回転用と左回転用とで共通化することにより、低コストでブラシ寿命を向上できる直流電動機を提供する。
【解決手段】整流子8の表面には、少なくともブラシ2が摺動する範囲内でブラシ2の摺動方向の複数本の溝10が形成され、ブラシ2との接触面が凹凸形状に設けられている。また、ブラシ2は、電機子1の回転方向に係わらず、移動角(ブラシシフト)が0°に設定されている。これにより、整流子8とブラシ2との摺動接触状態を大幅に安定させることができるので、ブラシ2の移動角(ブラシシフト)を0°に設定しているにも係わらず、電圧整流の効果を大きく活用できる。その結果、ブラシ2と整流子8との接触面における通電電流分布が、電機子1の回転方向に対するブラシ2の入口側へ偏り、ブラシ2の移動角(ブラシシフト)を遅らせたのと同様の整流改善効果を得ることができ、ブラシ寿命を向上できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、界磁に永久磁石を用いた直流電動機に関する。
従来、整流子を有する直流モータでは、例えば、特許文献1に示される様に、整流子の表面に回転方向に沿った複数本の溝を形成して、ブラシと整流子との摺動状態を安定化させることにより、モータ性能を向上させる技術が知られている。
特開昭62−118732号公報
ところで、整流子を有する直流モータでは、ブラシ寿命を向上するために、ブラシの移動角(ブラシシフト)を数度遅らせる、つまりブラシの位置を整流子の回転方向と反対方向にずらすことにより、電圧整流の効果を活用して整流改善を図るのが通例である。
この場合、ブラシの位置が整流子の回転方向にずれる、つまり進角した状態では、整流作用が悪くなり、ブラシ寿命の点で不利である。このため、右回転用と左回転用とでは、ブラシの位置を逆方向にずらす必要があり、部品の標準化ができないため、コストが増加するという問題があった。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、ブラシ移動角(ブラシシフト)の設定を右回転用と左回転用とで共通化することにより、低コストでブラシ寿命を向上できる直流電動機を提供することにある。
(請求項1の発明)
本発明は、磁気回路を形成するヨークと、このヨークの内周に配置される永久磁石と、整流子を有する電機子と、この電機子の回転に伴い整流子上を摺動するブラシとを備えた直流電動機において、整流子の表面には、ブラシとの接触面に摺動方向の複数の凹凸形状が設けられ、電機子の回転方向に係わらず、ブラシの移動角(ブラシシフト)が0°に設定されていることを特徴とする。
整流子を有する直流電動機では、整流を受ける直前のコイル起電力を利用して整流中のリアクタンス電圧を打ち消すことができる電圧整流の効果を活用して整流を改善することにより、ブラシ寿命を向上させる手法が知られている。ところが、従来の平滑面で構成される整流子、つまり表面に凹凸形状を有していない整流子では、ブラシとの摺動接触状態が不安定であるため、電圧整流の効果を活用してブラシ寿命を向上させるためには、ブラシの移動角(ブラシシフト)を数度遅らせる必要があった。
これに対し、本発明では、整流子の表面に凹凸形状を設けているので、ブラシと整流子との摺動接触状態を大幅に安定させることができ、ブラシの移動角(ブラシシフト)を0°に設定した場合でも、電機子反作用により生じる小さな磁界の歪み(電気的な中性軸のずれ)による、電圧整流の効果を大きく活用できる。これにより、ブラシと整流子との接触面における通電電流分布が電機子の回転方向に対するブラシの入口側へ偏り、ブラシ移動角(ブラシシフト)を遅らせたのと同様の整流改善効果を得ることができる。その結果、ブラシの移動角設定を右回転用と左回転用とで共通化できるので、構成部品の種類を増やすことなく、低コストでブラシ寿命を向上できる。
(請求項2の発明)
請求項1に記載した直流電動機において、ブラシは、摺動方向の中心位置が、永久磁石の周方向中心位置と同一に配置されていることを特徴とする。
電機子コイルと整流子との結線は、ブラシの中心位置を永久磁石の中心位置に合わせたときにブラシ移動角(ブラシシフト)が0°となるように結線するのが通例である。よって、ブラシの中心位置を永久磁石の中心位置に合わせることで、容易にブラシの移動角(ブラシシフト)を0°に設定できる。
(請求項3の発明)
請求項1または2に記載した直流電動機において、電機子の回転中心に対するブラシの内周側の開角度をXとし、永久磁石の内周側の開角度をYとすると、
X≧Y/4……………………………(1)
上記(1)式が成立することを特徴とする。
この場合、ブラシと整流子との接触面における通電電流分布が、電機子の回転方向に対するブラシの入口側に偏ったことによる磁界の歪みが大きくなるため、ブラシの移動角(ブラシシフト)をより大きく遅らせたのと同様の整流改善効果を得ることができる。
(請求項4の発明)
請求項1〜3に記載した何れかの直流電動機において、一対の電圧端子より試験片に電圧を印加して、試験片に流れる通電電流を測定し、下記の計算式(2)より試験片の固有抵抗を求める時に、
R=(V×S)/(I×L)………(2)
R:固有抵抗(Ωcm)
S:試験片の断面積(cm2
I:試験片に流れる通電電流(A)
L:電圧端子間隔(cm)
V:印加電圧(V)
上記の計算式(2)より算出されるブラシの固有抵抗が1800μΩcm以下であることを特徴とする。
この場合、ブラシの固有抵抗が1800μΩcm以下と低いことで、抵抗整流の効果が比較的低いため、電圧整流の影響が大きくなる。その結果、ブラシの移動角(ブラシシフト)をより大きく遅らせたのと同様の整流改善効果を得ることができる。
(請求項5の発明)
請求項4に記載した直流電動機において、ブラシは、抵抗値が異なる複数のブラシ材を積層した多層ブラシであり、最も抵抗値の低いブラシ材の固有抵抗が1800μΩcm以下であることを特徴とする。
この場合、最も抵抗値の低いブラシ材の固有抵抗が1800μΩcm以下と低いことで、抵抗整流の効果が比較的低いため、電圧整流の影響が大きくなる。その結果、ブラシの移動角(ブラシシフト)をより大きく遅らせたのと同様の整流改善効果を得ることができる。
(請求項6の発明)
請求項1〜5に記載した何れかの直流電動機において、永久磁石は、着磁されていない状態(消磁状態)でヨークの内周に組み付けられた後、右回転用と左回転用とに応じて、着磁工程でS極とN極とが反対に着磁されることを特徴とする。
この場合、右回転用と左回転用とでヨークアセンブリの構成部品を共通化できるので、部品の量産効果が高くなり、更なるコストダウンが可能である。
(請求項7の発明)
請求項1〜6に記載した何れかの直流電動機において、整流子上を摺動するブラシの摺動面は、ブラシが摩耗していない初期状態の時に、整流子の摺動方向の形状と略同等に形成されていることを特徴とする。
この場合、ブラシの初期状態において、整流子に対するブラシの摺動方向の接触長さを長くすることができる。更に、整流子の表面に設けられる凹凸形状の頂上部(凸部)のみがブラシの摺動面に接触するため、ブラシ面圧が大きく上昇する。その結果、整流子の凹凸形状にブラシが馴染む前の初期状態であっても、整流子とブラシとの摺動接触状態を安定させることができるため、電圧整流の効果を大きく活用できる。つまり、整流子の凹凸形状にブラシが馴染んだ後と同様の効果を得ることができる。これにより、ブラシが馴染む前の初期からブラシの移動角(ブラシシフト)を遅らせたのと同様の整流改善効果を得ることができる。また、整流子の凹凸形状にブラシが馴染んだ後は、請求項1の発明と同等の効果が得られる。
(請求項8の発明)
請求項1〜7に記載した何れかの直流電動機において、ブラシは、電機子の回転方向に対する入口側と出口側の両方に抵抗値の高いブラシ材を配置し、両者に挟まれた中央部に抵抗値の低いブラシ材を配置した3層ブラシであることを特徴とする。
低抵抗材と高抵抗材とを貼り合わせた通常の2層ブラシでは、逆方向の回転に使用できないが、本発明の3層ブラシであれば、左右のどちらの回転方向であっても、2層ブラシと同様の整流改善効果を得ることができる。これにより、構成部品の種類を増加することなく、更にブラシ寿命の向上を図ることができる。
(請求項9の発明)
請求項1〜8に記載した何れかの直流電動機において、整流子は、互いに絶縁された複数の整流子片から成り、この複数の整流子片が電機子軸の外周に円筒状に配置されていることを特徴とする。
この場合、電機子が回転している状態で、電機子軸に対して直角方向から刃具を当てることにより、円筒状の整流子に対し、複数本の凹凸形状が整流子の軸方向に所定の間隔(例えば等間隔)を保って容易に形成できる。
(請求項10の発明)
請求項1〜8に記載した何れかの直流電動機において、整流子は、互いに絶縁された複数の整流子片から成り、この複数の整流子片が電機子軸と直交する向きに配置されていることを特徴とする。
この場合、電機子が回転している状態で、電機子軸と平行方向から刃具を当てることにより、電機子軸と直交する整流子に対し、複数本の凹凸形状が整流子の同心円状に所定の間隔(例えば等間隔)を保って容易に形成できる。
(請求項11の発明)
請求項1〜10に記載した何れかの直流電動機は、内燃機関を始動するためのスタータモータであることを特徴とする。
スタータモータは、内燃機関のクランキング中に発生する振動が整流子及びブラシに伝わるため、整流子とブラシとの摺動接触状態が不安定になりやすい。これに対し、本発明では、整流子の表面に凹凸形状を設けているので、整流子とブラシの摺動接触状態を大幅に安定させることができる。その結果、電圧整流の効果を活用して整流改善を図ることができ、ブラシ寿命を向上できる。
本発明を実施するための最良の形態を以下の実施例により詳細に説明する。
この実施例1は、内燃機関を始動するためのスタータモータに本発明の直流電動機を適用した一例であり、図1にスタータモータの電機子1を示す。
スタータモータは、以下に説明する界磁と電機子1及びブラシ2を備える。
界磁は、磁気回路を形成する円筒形状のヨーク3(図2参照)と、このヨーク3の内周に固定される複数の永久磁石4(図2参照)とで構成される。
電機子1は、軸受(図示せず)を介して回転自在に支持される電機子軸5と、この電機子軸5の外周に圧入状態でセレーション嵌合する電機子コア6と、この電機子コア6に巻線される電機子コイル7と、電機子軸5の一方の端部に設けられる整流子8とで構成される。
整流子8は、電機子軸5の外周に絶縁材9を介して円筒状に配置される複数の整流子片によって構成され、各々の整流子片がそれぞれ電機子コイル7に機械的且つ電気的に接続されている。
整流子8の表面(整流子面と呼ぶ)には、図1に示す様に、少なくともブラシ2が摺動する範囲内でブラシ2の摺動方向、即ち整流子8に周方向の複数本の溝10が形成され、ブラシ2との接触面が凹凸形状に設けられている。
ブラシ2は、例えば、主体であるカーボンに銅粉を混合して焼結したカーボンブラシであり、整流子面上に配置されて、図示しないブラシスプリングにより整流子面に押圧されている。このブラシ2は、電機子1の回転方向に係わらず、移動角(ブラシシフト)が0°に設定されている。具体的構造としては、図2に示す様に、ブラシ2の摺動方向の中心位置が、永久磁石4の周方向中心位置と同一になる様に配置されている。
本実施例のスタータモータは、整流子面に凹凸形状を設けたことで、整流子8とブラシ2との摺動接触状態を大幅に安定させることができるので、ブラシ2の移動角(ブラシシフト)を0°に設定しているにも係わらず、電機子反作用により生じる小さな磁界の歪み(電気的な中性軸のずれ)による、電圧整流の効果を大きく活用できる。これにより、ブラシ2と整流子8との接触面における通電電流分布が、電機子1の回転方向に対するブラシ2の入口側へ偏り、ブラシ2の移動角(ブラシシフト)を遅らせたのと同様の整流改善効果を得ることができ、ブラシ寿命を向上できる。
また、右回転用と左回転用とでブラシ2の移動角(ブラシシフト)を変更する必要はなく、電機子1の回転方向に係わらず、永久磁石4とブラシ2との位置関係を同一に設定できるので、右回転用と左回転用とでヨークアセンブリの構成部品を共通化できる。つまり、永久磁石4は、着磁されていない状態(消磁状態)でヨーク3の内周に組み付けられた後、右回転用と左回転用とに応じて、着磁工程でS極とN極とを反対に着磁することができる。この場合、ヨークアセンブリの構成部品を右回転用と左回転用とで分ける必要はなく、回転方向に係わらず、共通化できるので、部品の量産効果が高くなり、更なるコストダウンが可能である。
図3はブラシ2と整流子8の軸方向平面図である。
この実施例2に示すブラシ2は、図3に示す様に、ブラシ2の電機子1の回転方向(図示矢印方向)に対する入口側と出口側の両方に抵抗値の高い高抵抗ブラシ材2aを配置し、両者に挟まれた中央部に抵抗値の低い低抵抗ブラシ材2bを配置して構成される3層ブラシ2である。
従来、抵抗値の異なる2種類のブラシ材(高抵抗ブラシ材と低抵抗ブラシ材)を貼り合わせた2層ブラシが公知であるが、この2層ブラシは、電機子1の回転方向に対し低抵抗ブラシ材と高抵抗ブラシ材との位置関係が特定される(入口側に低抵抗ブラシ材を配置し、出口側に高抵抗ブラシ材を配置する)ため、逆方向の回転に使用することはできない。これに対し、本実施例の3層ブラシ2であれば、左右どちらの回転方向であっても、ブラシ2の出口側に高抵抗ブラシ材2aが配置されるため、2層ブラシと同様の整流改善効果を得ることができる。また、右回転用と左回転用とでブラシ2を共通化できるので、低コストでブラシ寿命の向上を図ることができる。
図4はブラシ2と永久磁石4の開角度を示すスタータモータの軸方向平面図である。
本実施例のスタータモータは、図4に示す様に、電機子1の回転中心Oに対するブラシ2の内周側の開角度をXとし、永久磁石4の内周側の開角度をYとすると、
X≧Y/4……………………………(1)
上記(1)式が成立することを特徴とする。
この場合、ブラシ2と整流子8との接触面における通電電流分布が、ブラシ2の電機子1の回転方向に対する入口側に偏ったことによる磁界の歪みが大きくなるため、ブラシ2の移動角(ブラシシフト)をより大きく遅らせたのと同様の整流改善効果を得ることができ、ブラシ2の寿命向上に寄与する。
図5はブラシ2の固有抵抗値を求めるための方法を示す説明図である。
この実施例4に示すブラシ2は、固有抵抗値が1800μΩcm以下であることを特徴とする。
ブラシ2の固有抵抗値は、図5に示す様に、一対の電圧端子11より試験片12に電圧を印加して、試験片12に流れる通電電流を測定し、下記の計算式(2)より試験片12の固有抵抗を算出する。
R=(V×S)/(I×L)………(2)
R:固有抵抗(Ωcm)
S:試験片の断面積(cm2
I:試験片に流れる通電電流(A)
L:電圧端子間隔(cm)
V:印加電圧(V)
本実施例の場合、ブラシ2の固有抵抗が1800μΩcm以下と低いことで、抵抗整流の効果が比較的低いため、電圧整流の影響が大きくなる。その結果、ブラシ2の移動角(ブラシシフト)をより大きく遅らせたのと同様の整流改善効果を得ることができ、ブラシ2の寿命向上に寄与する。
なお、実施例2に示す3層ブラシ2の場合は、最も抵抗値の低いブラシ材(低抵抗ブラシ材2b)の固有抵抗が1800μΩcm以下である。
図6(a)はブラシ2と整流子8の接触部を示す軸方向平面図、同図(b)はブラシ2と整流子8の接触部を示す側面図である。
この実施例5に示すブラシ2は、図6(a)に示す様に、摩耗していない初期状態において、ブラシ2の摺動面にR面取りが施されている。つまり、電機子1の回転方向で整流子8に対するブラシ2の接触長さが略最大となる様に、ブラシ2の摺動面に整流子8の曲率半径と同一半径を有するR面取りが施されている。
上記の構成によれば、ブラシ2の初期状態において、整流子8に対するブラシ2の摺動方向の接触長さを長くすることができる。更に、ブラシ2の初期状態では、図6(b)に示す様に、整流子面に設けられた凹凸形状の頂上部(凸部)のみがブラシ2の摺動面に接触するため、ブラシ面圧が大きく上昇する。
上記の結果、整流子8の凹凸形状にブラシ2が馴染む前の初期状態であっても、整流子8とブラシ2との摺動接触状態を安定させることができるため、電圧整流の効果を大きく活用できるようになる。つまり、整流子8の凹凸形状にブラシ2が馴染んだ後と同様の効果を得ることができる。これにより、ブラシ2が馴染む前の初期からブラシ2の移動角(ブラシシフト)を大きく遅らせたのと同様の整流改善効果を得ることができる。また、整流子8の凹凸形状にブラシ2が馴染んだ後は、実施例1と同等の効果が得られる。
図7は電機子1の半断面図である。
実施例1〜5に示す整流子8は、複数の整流子片が電機子軸5の外周に円筒状に配置される構成であるが、この実施例6に示す整流子8は、複数の整流子片が電機子軸5と直交する向きに配置され、以下に説明する電機子コイル7の一部が整流子片として利用されている。
電機子コイル7は、電機子コア6の外周に形成されるスロットの数と同数の下層コイル体70と上層コイル体71とを有し、この下層コイル体70の直線部70aと上層コイル体71の直線部71aとを二層状態でスロットに挿入して電機子コア6に組み立てた後、互いに異なるスロットから取り出された下層コイル体70の端部と上層コイル体71の端部とを接合して形成される。
上層コイル体71は、スロットに挿入される直線部71aの一端から電機子コア6の端面と略平行に径方向内側へ延びるコイル端部71bが設けられ、そのコイル端部71bが整流子片として利用されている。
この整流子8の表面(整流子面)、つまりコイル端部71bの軸方向外側面には、軸方向よりブラシ2が当接して、図示しないブラシスプリングにより整流子面に押圧されている。また、整流子面(コイル端部71bの軸方向外側面)には、電機子軸5を中心とする同心円状に複数本の溝10が形成され、少なくともブラシ2が摺動する範囲内でブラシ2との接触面が凹凸形状に設けられている。
更に、ブラシ2は、電機子1の回転方向に係わらず、移動角(ブラシシフト)が0°に設定されている。具体的構造としては、ブラシ2の摺動方向の中心位置が、永久磁石4の周方向中心位置と同一になる様に配置されている(図8参照)。
この実施例6においても、実施例1と同等の効果を得ることができる。つまり、整流子面に凹凸形状を設けたことにより、ブラシ2の摺動接触状態を大幅に安定させることができるので、ブラシ2の移動角(ブラシシフト)を0°に設定しているにも係わらず、電圧整流の効果を大きく活用できる。その結果、ブラシ2の移動角(ブラシシフト)を遅らせたのと同様の整流改善効果を得ることができ、ブラシ寿命を向上できる。
また、ヨークアセンブリの構成部品を右回転用と左回転用とで分ける必要はなく、回転方向に係わらず、共通化できるので、部品の量産効果が高くなり、更なるコストダウンが可能である。
更に、実施例2と同様に、3層ブラシ2を用いることもできる。即ち、図8に示す様に、電機子1の回転方向(図示矢印方向)に対してブラシ2の入口側と出口側の両方に抵抗値の高い高抵抗ブラシ材2aを配置し、両者に挟まれた中央部に抵抗値の低い低抵抗ブラシ材2bを配置することにより、2層ブラシと同様の整流改善効果を得ることができる。また、右回転用と左回転用とでブラシ2を共通化できるので、低コストでブラシ寿命の向上を図ることができる。
また、実施例3〜5の構成を本実施例のブラシ2に適用することもできる。
(変形例)
実施例1では、本発明の直流電動機をスタータモータに適用した一例を説明したが、スタータモータに限定されるものではなく、永久磁石4を界磁として使用する直流電動機に広く適用できる。
実施例6に記載した電動機は、電機子コイル7の一部(上層コイル体71のコイル端部71b)を整流子片として利用しているが、電機子コイル7とは別部材によって整流子片を構成することもできる。
電機子の半断面図である(実施例1)。 ブラシと永久磁石の位置関係を示す軸方向平面図である(実施例1)。 ブラシと整流子の軸方向平面図である(実施例2)。 ブラシと永久磁石の開角度を示すスタータモータの軸方向平面図である(実施例3)。 ブラシの固有抵抗値を求める方法を示す説明図である(実施例4)。 (a)ブラシと整流子の接触部を示す軸方向平面図、(b)ブラシと整流子の接触部を示す側面図である(実施例5)。 電機子の半断面図である(実施例6)。 図7に示すブラシと整流子のA視図である(実施例6)。
符号の説明
1 電機子
2 ブラシ
2a 高抵抗ブラシ材(抵抗値の高いブラシ材)
2b 低抵抗ブラシ材(抵抗値の低いブラシ材)
3 ヨーク
4 永久磁石
5 電機子軸
8 整流子
10 溝

Claims (11)

  1. 磁気回路を形成するヨークと、
    このヨークの内周に配置される永久磁石と、
    整流子を有する電機子と、
    この電機子の回転に伴い前記整流子上を摺動するブラシとを備えた直流電動機において、
    前記整流子の表面には、前記ブラシとの接触面に摺動方向の複数の凹凸形状が設けられ、
    前記電機子の回転方向に係わらず、前記ブラシの移動角(ブラシシフト)が0°に設定されていることを特徴とする直流電動機。
  2. 請求項1に記載した直流電動機において、
    前記ブラシは、摺動方向の中心位置が、前記永久磁石の周方向中心位置と同一に配置されていることを特徴とする直流電動機。
  3. 請求項1または2に記載した直流電動機において、
    前記電機子の回転中心に対する前記ブラシの内周側の開角度をXとし、前記永久磁石の内周側の開角度をYとすると、
    X≧Y/4……………………………(1)
    上記(1)式が成立することを特徴とする直流電動機。
  4. 請求項1〜3に記載した何れかの直流電動機において、
    一対の電圧端子より試験片に電圧を印加して、前記試験片に流れる通電電流を測定し、下記の計算式(2)より前記試験片の固有抵抗を求める時に、
    R=(V×S)/(I×L)………(2)
    R:固有抵抗(Ωcm)
    S:試験片の断面積(cm2
    I:試験片に流れる通電電流(A)
    L:電圧端子間隔(cm)
    V:印加電圧(V)
    上記の計算式(2)より算出される前記ブラシの固有抵抗が1800μΩcm以下であることを特徴とする直流電動機。
  5. 請求項4に記載した直流電動機において、
    前記ブラシは、抵抗値が異なる複数のブラシ材を積層した多層ブラシであり、
    最も抵抗値の低いブラシ材の固有抵抗が1800μΩcm以下であることを特徴とする直流電動機。
  6. 請求項1〜5に記載した何れかの直流電動機において、
    前記永久磁石は、着磁されていない状態(消磁状態)で前記ヨークの内周に組み付けられた後、右回転用と左回転用とに応じて、着磁工程でS極とN極とが反対に着磁されることを特徴とする直流電動機。
  7. 請求項1〜6に記載した何れかの直流電動機において、
    前記整流子上を摺動する前記ブラシの摺動面は、前記ブラシが摩耗していない初期状態の時に、前記整流子の摺動方向の形状と略同等に形成されていることを特徴とする直流電動機。
  8. 請求項1〜7に記載した何れかの直流電動機において、
    前記ブラシは、前記電機子の回転方向に対する入口側と出口側の両方に抵抗値の高いブラシ材を配置し、両者に挟まれた中央部に抵抗値の低いブラシ材を配置した3層ブラシであることを特徴とする直流電動機。
  9. 請求項1〜8に記載した何れかの直流電動機において、
    前記整流子は、互いに絶縁された複数の整流子片から成り、この複数の整流子片が電機子軸の外周に円筒状に配置されていることを特徴とする直流電動機。
  10. 請求項1〜8に記載した何れかの直流電動機において、
    前記整流子は、互いに絶縁された複数の整流子片から成り、この複数の整流子片が電機子軸と直交する向きに配置されていることを特徴とする直流電動機。
  11. 請求項1〜10に記載した何れかの直流電動機は、内燃機関を始動するためのスタータモータであることを特徴とする直流電動機。
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