JP2007258805A - 受信機、ノイズ除去方法、及び、受信ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】他の機器の動作により生じるノイズの影響を軽減することができる受信機を提供する。
【解決手段】受信機110によれば、通信情報取込手段112aによって複数の機器10間で互いに送受信する通信情報を通信線2から取り込むと、該通信情報が有する要求データ、送信先データ等を監視する。そして、通信情報が有する要求データ等に基づいてノイズを発生する機器10の動作開始を検出すると、ノイズ除去手段114によって検出した機器10の動作に応じたノイズをアンテナ111で受信した伝送信号から除去する。そして、ノイズを除去された伝送信号は信号処理手段117によって信号処理される。
【選択図】図1
【解決手段】受信機110によれば、通信情報取込手段112aによって複数の機器10間で互いに送受信する通信情報を通信線2から取り込むと、該通信情報が有する要求データ、送信先データ等を監視する。そして、通信情報が有する要求データ等に基づいてノイズを発生する機器10の動作開始を検出すると、ノイズ除去手段114によって検出した機器10の動作に応じたノイズをアンテナ111で受信した伝送信号から除去する。そして、ノイズを除去された伝送信号は信号処理手段117によって信号処理される。
【選択図】図1
Description
本発明は、アンテナで伝送信号を受信する受信機、ノイズ除去方法、及び、受信ユニットに関するものである。
今日の車内の電子制御化、高度化によって車内環境は電波やモータによる不要輻射が多く存在している。一方で、車内の複雑な電気系統を整備すべく、CAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)によるシリアルデータ通信を用いた車内ローカルネットワーク化も実現されており、個別に制御されるセンサや電装品のデータを連係させてリアルタイムで精密な制御が行われている。
比較的高速で行われる車内ネットワークの通信では、その高調波成分がちょうどAMラジオ信号又はFMラジオ信号の周波数帯域と重なり、AM,FMラジオの受信に支障を来すことが知られていた。そこで、通信に伴って発生するノイズを低減可能なトランシーバ装置が提案されてきた(特許文献1参照)。
このトランシーバ装置は、通信バス上のデータ信号の変化率が実際の通信レートに応じた値に自動調整し、通信レートが低く設定された場合にはエッジ変化率も低下して、通信バスから放射されるノイズを低減するようにしてきた。
特開2005−39543号公報
また、近年では、上述した状況下の車両に地上デジタル受信機が搭載されつつあり、該地上デジタル受信機を用いた地上デジタル放送は、その特徴の一つとしてゴーストなどのノイズの無い美しい映像が挙げられる。しかしながら、車内の他の機器が動作したときに発生するノイズなどの影響を受けると、その地上デジタル受信機の感度を低下させ、最悪は映像を表示できないという問題があった。このような問題は、アナログによるテレビジョン受信機、AM/FMラジオ受信機においても同様に生じる問題である。本発明が解決しようとする課題は、上記した問題が一例として挙げられる。
よって本発明は、上述した問題点に鑑み、他の機器の動作により生じるノイズの影響を軽減することができる受信機、ノイズ除去方法、及び、受信ユニットを提供することを課題としている。
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1記載の受信機は、伝送信号を受信するアンテナと、該アンテナにて受信した伝送信号を信号処理して出力信号を生成する信号処理手段と、を有する受信機において、通信線に接続されるとともに、前記通信線に接続された複数の機器が互いに送受信する通信情報を取り込む通信情報取込手段と、前記通信情報取込手段が取り込んだ通信情報に基づいてノイズを発生する前記機器の動作開始を検出する動作開始検出手段と、前記動作開始検出手段が動作開始を検出した機器の動作に応じたノイズを前記伝送信号から除去するノイズ除去手段と、を有するとともに、前記信号処理手段が、前記ノイズ除去手段にてノイズを除去した伝送信号を信号処理するようにしたことを特徴とする。
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項3記載のノイズ除去方法は、周囲に設けられた機器の動作に応じて発生するノイズを、アンテナで受信した伝送信号から除去するノイズ除去方法であって、複数の機器が通信可能に接続された通信線から前記複数の機器が互いに送受信する通信情報を取り込み、該通信情報に基づいて前記機器の動作開始を検出したときに、前記機器の動作に応じてノイズを前記伝送信号から除去することを特徴とする。
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項4記載の受信ユニットは、請求項1〜3の何れか1項に記載の受信機と、前記受信機が生成した出力信号を出力する出力手段と、を有することを特徴とする。
以下、本発明に係る受信機、ノイズ除去方法、及び、受信システムの一最良の形態を、図1の図面を参照して説明する。なお、図1は本発明に係る回転制御装置及び情報処理装置の基本構成の一例を示す構成図である。
図1において、受信機110は、伝送信号を受信するアンテナ111と、該アンテナ111にて受信した伝送信号を信号処理して出力信号を生成する信号処理手段117と、を有する受信機110において、通信線2に接続されるとともに、前記通信線2に接続された複数の機器10が互いに送受信する通信情報を取り込む通信情報取込手段112aと、前記通信情報取込手段112aが取り込んだ通信情報に基づいてノイズを発生する前記機器10の動作開始を検出する動作開始検出手段112bと、前記動作開始検出手段112bが動作開始を検出した機器10の動作に応じたノイズを前記伝送信号から除去するノイズ除去手段114と、を有するとともに、前記信号処理手段117が、前記ノイズ除去手段114にてノイズを除去した伝送信号を信号処理するようにした。
この受信機110によれば、通信情報取込手段112aによって複数の機器10間で互いに送受信する通信情報を通信線2から取り込むと、該通信情報が有する要求データ、送信先データ等を監視する。そして、通信情報が有する要求データ等に基づいてノイズを発生する機器10の動作開始を検出すると、ノイズ除去手段114によって検出した機器10の動作に応じたノイズをアンテナ111で受信した伝送信号から除去する。そして、ノイズを除去された伝送信号は信号処理手段117によって信号処理される。
また、周囲に設けられた機器10の動作に応じて発生するノイズを、アンテナ111で受信した伝送信号から除去するノイズ除去方法であって、複数の機器10が通信可能に接続された通信線2から前記複数の機器10が互いに送受信する通信情報と取り込み、該通信情報に基づいて前記機器の動作開始を検出したときに、前記機器の動作に応じてノイズを前記伝送信号から除去する。
このノイズ除去方法によれば、周囲に設けられた機器10の動作に応じて発生するノイズを、アンテナ111で受信した伝送信号から除去するノイズ除去方法であって、複数の機器10が通信可能に接続された通信線から前記複数の機器が互いに送受信する通信情報と取り込み、該通信情報に基づいて前記機器10の動作開始を検出したときに、前記機器の動作に応じてノイズを前記伝送信号から除去する。
以上説明した受信機110及びノイズ除去方法によれば、通信線2に接続して該通信線2から複数の機器10間で互いに送受信する通信情報を取り込み、該通信情報に基づいてノイズを発生する機器10の動作開始を検出したときに、そのノイズを伝送信号から除去して信号処理を行うようにしたことから、周囲に設けられた機器から発生したノイズの影響を確実に除去することができる。また、種々のノイズの発生状況に応じたノイズの除去処理を行うことができるため、ノイズ除去手段114の構成を簡単化することができる。さらに、ノイズが発生していないときには、伝送信号をフィルタ等に通すノイズ除去を行う必要もなくなる。従って、ソフトウェアの制御によって他の機器の動作により生じるノイズの影響を軽減することができる。
また、受信機110は、前記通信情報取込手段112aが取り込んだ通信情報に基づいてノイズを発生する前記機器10の動作終了を検出する動作終了検出手段112cを有するとともに、前記ノイズ除去手段114は、前記動作終了検出手段112cにて動作終了を検出した機器に対応するノイズの除去を停止する。
この受信機110によれば、動作終了検出手段112cによって機器10の動作終了を検出すると、該機器10に対応したノイズ除去手段114によるノイズの除去を停止する。よって、機器10の動作停止に応じてノイズの発生が停止すると、ノイズの除去を速やかに停止するので、伝送信号に不要な信号処理が行われることを回避することができる。
また、受信ユニット100は、上述した受信機110と、前記受信機110が生成した出力信号を出力する出力手段120と、を有している。
この受信ユニット100によれば、ノイズを発生する機器10が動作を開始すると、受信機110はアンテナ111が受信した伝送信号からそのノイズを除去して信号処理した出力信号を生成する。そして、出力手段120は、該ノイズを除去した出力信号を出力する。よって、周囲に設けられた機器が発生したノイズの影響を受信機110で除去した出力信号を出力するので、ノイズを発生する機器10の近くに配置してもそのノイズが受信した伝送信号に悪影響を及ぼすことを回避することができるため、受信ユニット100の商品価値を向上させることができる。
次に、上述した受信機及び受信ユニットの実施例を、図2乃至図5の図面を参照して以下に説明する。なお、上述した図1に示す基本構成のところで説明したものと同一あるいは相当する部分には同一符号を付して説明する。
図2において、自動車、貨物自動車等の車両に搭載される車載システム1は、複数の機器10と、これらの機器10を制御するECU(Electronic Control Unit)20と、例えば、地上デジタル受信機等の受信ユニット100と、を有している。複数の機器10とECU20と受信ユニット100の各々は、通信線2に接続されており、該通信線2に接続された他の機器との間でCANの規格によるシリアルデータ通信が可能な構成となっている。
機器10は、図2示すように、インストルメントパネル(インパネ)10a、ライト10b、エアコン10c、エアバック10d、ワイパー10e、パワーウィンドウ10f、ステアリング10g、カーナビゲーション(カーナビ)10h、オーディオ10i、エンジン10j、ギア10k等の車両に搭載される周知の各種機器からなっている。
これらの機器10の各々は、スレーブノードとなっており、ECU20がマスターノードとなっている。機器10の各々には、ユニークな識別データ(ID)が割り振られており、該識別データを付加して通信情報(フレーム)を生成し、該通信情報を他の機器10及びECU20へ通信線2を介して送信することで、各ノード相互間で多重通信が可能な構成となっている。各機器10は、ECU20から受信する通信情報が有する各種要求データに対応する各種制御を行うことで、ECU20からの要求に応じた動作を行う。
また、パワーウィンドウ10fは、第2通信線3に接続されており、該第2通信線3を介して複数のモータ(図2中では4つ)30と通信可能に接続されている。そして、第2通信線3における通信はLINの規格によって行われる。モータ30の各々は、パワーウィンドウ10fから通信情報を受信すると、その通信情報が有する要求データに応じて駆動して窓を上方向又は下方向に移動させる。
ECU20は、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)を有しており、通信線2に接続された複数の機器10に対する各種制御を行う。具体的には、各機器10に対する動作を要求する通信情報を生成し、該通信情報を通信線2に送出することで、各機器10及び受信機100が通信情報を受信して参照可能なようになっている。
なお、通信情報は、周知であるように、ヘッダとデータフィールドとを有する。ヘッダは、送信先と送信元との識別データを有する。データフィールドは、例えば機器毎に予め定められた要求データを有する。そして、各機器10は、受信した通信情報のヘッダに基づいて該通信情報が自分宛のものである認識すると、そのデータフィールドを参照してECU20からの要求を認識し、該要求に応じた動作を行う。つまり、各機器10は、通信情報のヘッダとデータフィールドと参照することで、該通信情報の送信先とその要求を認識することができる構成となっている。
次に、受信ユニット100は、図3に示すように、受信機110と、出力部120と、を有している。受信機110は、アンテナ111と、制御部112と、フィルタ部113と、通信部113と、受信部113と、制御部113と、通信部114と、フィルタ部115と、デジタルフィルタ部116と、デコーダ部117と、を有している。
アンテナ111は、アナログ音声変調波信号とデジタル音声変調波信号とデジタル文字/画像変調波信号を含む電波である伝送信号を受信する。なお、本実施例では、アンテナ111が1本の場合について説明するが、複数本のアンテナを用いることもできる。
制御部112は、受信機110全体の制御を司る。制御部112は、周知であるマイクロプロセッサユニット、DSP(Digital Signal Processor)等が用いられる。そして、制御部112は、請求項中の通信情報取込手段、動作開始検出手段、及び、動作終了検出手段として機能するための各種プログラムを図示しない内蔵メモリに記憶している。制御部112は、通信部113とフィルタ部114と選択回路125とに接続している。
通信部113は、通信線2に接続される通信装置であり、通信線2に接続される各機器10との間で各種情報の送受信が可能な構成となっている。通信部113は、制御部112から入力される通信情報を通信線2に送出するとともに、通信線2から受信した通信情報を制御部112に出力する。
フィルタ部114は、請求項中のノイズ除去手段であり、アンテナ111と制御部112に接続している。フィルタ114は、アンテナ111から無線周波数信号である伝送信号を得る。フィルタ部114は、前記機器10が発生するノイズを前記伝送信号から除去する複数種類のn(任意の整数)個のフィルタ41(1)〜41(n)と、前記複数種類のフィルタ41(1)〜41(n)の中から制御部(前記動作開始検出手段112b)112が動作開始を検出した機器10のノイズに対応するフィルタ41に切り替える切替回路等からなるフィルタ切替手段42と、を有している。
フィルタ部114は、制御部(動作開始検出手段112b)112によって機器10の動作開始に応じて、該検出した機器10のノイズに対応するフィルタ41(1)〜41(n)に切り替えて伝送信号からノイズを除去する。
フィルタ41(1)〜41(n)の各々は、機器10の動作に応じて生じるノイズ周波数に対応するように設けられている。例えば、パワーウィンドウ10fのモータ30の場合は約30〜1000MHz、点火系(プラグ等)の場合は約200kHzであることが知られていることから、それらのノイズ周波数を除去するために、各フィルタ41(1)〜41(n)の周波数帯域を設定している。
なお、本実施例では、各フィルタ41(1)〜41(n)を機器10に対応させた場合について説明するが、機器10が発生するノイズ周波数帯が重なっている場合は、1つのフィルタ41を複数の機器10に対して用いることもできる。また、電圧印加等により制御する可変フィルタを1つ用いることによって、各々の機器10の動作に応じて生じるノイズ周波数に対応することもできる。このようにフィルタ部44の構成やフィルタ41の個数については、車載システム1のシステム環境、ノイズの発生状況等に応じて任意に設定される。
切替手段42は、アンテナ111と制御部112と受信部115に接続しており、制御部112からの切替要求に応じてアンテナ111から入力される伝送信号を通す信号線43を切り替えるとともに、その伝送信号をデジタルフィルタ部116に出力する。なお、本実施例では、信号線43には、上記フィルタ41を設けずに、信号線44(1)〜44(n)に上記フィルタ41(1)〜41(n)の各々を設ける場合について説明するが、信号線43にもフィルタ41を設けたりすることもできる。
切替手段42は、制御部112から切替要求を受けていない通常状態(ノイズが発生していない状態)では、伝送信号が信号線43のみを通るように切り替える。そして、制御部112から切替要求を受けると、該切替要求に対応したフィルタ41(1)〜41(n)の何れかを通るように伝送線44(1)〜44(n)を切り替える。
なお、本実施例では、フィルタ部114をアンテナ111の直後に設ける場合について説明するが、後述する受信部115の後に設けるなど種々異なる実施形態とすることができる。
受信部115は、フィルタ部114とデジタルフィルタ部116との間に介在している。受信部115は、フィルタ部114から得られる伝送信号を帯域制限するバンドパスフィルタ、アンプ(ともに図示せず)等を有しており、周波数帯域を制限した伝送信号をデジタルフィルタ116に出力する。
デジタルフィルタ部116は、受信部115から出力されてデジタル変換された伝送信号が入力されると、該伝送信号を周波数分解し、アナログ変調波信号をアナログ音声デコーダ73に出力し、デジタル変調波信号をデジタル音声デコーダ72および文字/画像デコーダ71に出力することによって、伝送信号を振り分ける。
デコーダ部117は、請求項中の信号処理手段として機能しており、文字/画像デコーダ71と、デジタル音声デコーダ72と、アナログ音声デコーダ73と、を有している。文字/画像デコーダ71は、デジタルフィルタ部116によって振り分けられた伝送信号に含まれているデジタル文字/画像変調波信号を入力する。そして、入力されたデジタル文字/画像変調波信号を文字/画像復調信号に復調する。
デジタル音声デコーダ72は、デジタルフィルタ部116によって振り分けられた伝送信号に含まれているデジタル音声変調波信号を入力する。そして、入力されたデジタル音声変調波信号をデジタル音声復調信号に復調する。また、アナログ音声デコーダ73は、デジタルフィルタ部116によって振り分けられた伝送信号のアナログ変調波信号を入力し、アナログ変調波信号をアナログ音声復調信号に復調する。
出力部120は、出力I/F(インタフェース)121と、表示器122と、選択回路125と、D/A変換器126と、スピーカ127と、を有している。
出力I/F121は、文字/画像デコーダ71に接続される。出力I/F121は、具体的には、たとえば、表示器122全体の制御をおこなうグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいて、表示器122を表示制御する制御ICなどによって構成される。表示器122は、出力I/F121に接続され、文字/画像データを表示する。表示器122は、具体的には、例えば、液晶ディスプレイやLEDなどによって構成される。この出力I/F121と表示器122は表示部を構成する。
選択回路125は、制御部112に接続しており、デジタル音声変調波信号を復調するデジタル音声デコーダ72と、アナログ変調波信号を復調するアナログ音声デコーダ73のうちいずれか一方のデコーダを制御部112からの選択要求に応じて選択する。
D/A変換器126は、選択回路125を介してデジタル音声デコーダ72またはアナログ音声デコーダ73に接続され、入力されたアナログ音声復調信号またはデジタル音声復調信号をD/A変換する。スピーカ127は、D/A変換器126から出力されるアナログ音声復調信号またはデジタル音声復調信号を音声出力する。このD/A変換器126およびスピーカ127は音声出力部を構成する。
上述した制御部112は、図4に示すように、ノイズを発生する機器10とフィルタ41との関係を示すフィルタテーブルを記憶している。フィルタテーブルは、機器10毎に対応した複数の機器情報を有している。機器情報は、機器10を識別する識別データと、該機器に対する動作開始及び動作終了を示す要求データと、その格納エリアと、を有している。
機器情報は、受信ユニット100が搭載されるシステム環境等を考慮して、ノイズを発生する機器10を予め設定している。そして、本実施例では、上述したように車載システム1の搭載される機器10に対応するようにフィルタテーブルを構成している。該フィルタテーブルは、エアコン10cがフィルタ41(1)、パワーウィンドウ41(2)がフィルタ41(2)、…、エンジン10jがフィルタ44(n)というようにそれぞれ関連付けている。制御部112は、通信線2から取り込んだ通信情報が動作開始を要求していると、その送信先等に基づいて機器10に対応するフィルタ41をフィルタテーブルから特定する。
次に、制御部112が実行するノイズ除去処制御処理の一例を図5のフローチャートを参照して以下に説明する。
図5に示すノイズ除去制御処理が実行されると、ステップS11(通信情報取込手段)において、通信部113による通信情報の受信に応じて該通信情報を取り込んで内蔵メモリに記憶し、ステップS12において、取り込んだ通信情報のヘッダ及びデータフィールドから送信先、要求等を解析し、それらを送信先データ、要求データとして内蔵メモリに記憶する。
ステップS13において、送信先データ及び要求データとフィルタテーブルの機器情報との比較結果に基づいて、ノイズ発生対象への開始要求であるか否かを判定する。開始要求であると判定すると(S13でY)、ステップS14において、そのノイズ発生対象の機器10に対応するフィルタ41をフィルタテーブルから特定し、ステップS15に進む。
ステップS15において、特定したフィルタ41への切り替えを要求する切替要求を切替手段42に出力することで、切替手段42は要求されたフィルタ41に伝送信号が流れるように伝送線44を切り替える。
また、ステップS13において開始要求ではないと判定した場合は(S13N)、ステップS16において、ステップS13と同様に取り込んだ通信情報がノイズ発生対象への終了要求であるか否かが判定される。終了要求ではないと判定したときは(S16でN)、ステップS11に戻り、通信部112による通信情報の受信に応じて一連の処理を繰り返す。一方、終了要求であると判定した場合は(S16でY)、ステップS17に進む。
ステップS17において、更新するフィルタ41、つまりノイズ発生対象の機器10に対応するフィルタ41をフィルタテーブルから特定し、ステップS18において、特定したフィルタ41の停止を要求する停止要求を切替手段42に出力することで、切替手段42は要求されたフィルタ41を切り替えて伝送信号がそのフィルタ41に流れることを停止させる。
次に、上述した受信ユニット100の動作(作用)について説明する。
受信ユニット100は、車載システム1として車両に搭載されると、通信線2にケーブル等を介して接続される。そして、起動されると、他の機器10間で送受信している通信情報を通信線2から受信すると、受信機110に取り込まれる。受信機110は、その通信情報を解析してノイズを発生する機器10の動作開始を検出していない状態では、アンテナ111から受信した伝送信号のノイズ除去処理を行わずに、デコーダ部117でそのデジタル伝送信号に対して各種復調処理(信号処理)を行い、出力部120に出力する。そして、出力部120から復調した伝送信号である出力信号を出力する。
その後、例えばECU20がエアコン10cに対して動作開始を要求する通信情報を通信線2に送出すると、全ての機器10a〜10k及び受信ユニット100がその通信情報を受信する。そして、エアコン10cは、受信した通信情報がECU20からの動作開始要求であることを認識して動作を開始する。
一方、受信ユニット100はその通信情報を受信すると、受信機110がその通信情報を解析し、ECU20からエアコン10cに対する動作開始要求であることを検出すると、図4に示すフィルタテーブルからエアコン10cに対応するフィルタ41(1)を特定し、フィルタ部114のフィルタ41(1)が有効となるように切り替える。そして、このフィルタ部114がアンテナ111にて受信した伝送信号からエアコン10cの動作に応じて発生するノイズを除去し、デコーダ部117でそのノイズ除去済みのデジタル伝送信号に対して各種復調処理(信号処理)を行い、出力部120に出力する。そして、出力部120から復調した伝送信号である出力信号を出力する。
その後、ECU20がエアコン10cに対して動作終了を要求する通信情報を通信線2に送出すると、全ての機器10a〜10k及び受信ユニット100がその通信情報を受信する。そして、エアコン10cは、受信した通信情報がECU20〜の動作終了要求であることを認識して動作を終了する。
一方、受信ユニット100はその通信情報を受信すると、受信機110がその通信情報を解析し、ECU20からエアコン10cに対する動作終了要求であることを検出すると、図4に示すフィルタテーブルからエアコン10cに対応するフィルタ41(1)を特定し、フィルタ部114のフィルタ41(1)が無効となるように切り替える。そして、アンテナ111から受信した伝送信号のノイズ除去処理を行わずに、デコーダ部117でそのデジタル伝送信号に対して各種復調処理(信号処理)を行い、出力部120に出力する。そして、出力部120から復調した伝送信号である出力信号を出力する。
なお、受信ユニット100の受信機110は、複数の機器10の動作開始を検出すると、それらの機器10の各々に対応したフィルタ41(1)〜(n)を有効とする。そして、それらのフィルタ41(1)〜(n)の各々の有効/無効の切り替えは、ECU20から各機器10に対する動作開始/終了の要求に応じて切り替えられる。
以上説明した受信ユニット100によれば、通信線2に接続して該通信線2から複数の機器10の間で互いに送受信する通信情報を取り込み、該通信情報に基づいてノイズを発生する機器10の動作開始を検出したときに、そのノイズを伝送信号から除去して信号処理を行うようにしたことから、周囲に設けられた機器から発生したノイズの影響を確実に除去することができる。また、種々のノイズの発生状況に応じたノイズの除去処理を行うことができるため、フィルタ部114の構成を簡単化することができる。さらに、ノイズが発生していないときには、伝送信号をフィルタ等に通すノイズ除去を行う必要もなくなる。よって、他の機器の動作により生じるノイズの影響を軽減することができる。
また、機器10の動作終了を検出すると、該機器10に対応したフィルタ114によるノイズの除去を停止する。よって、機器10の動作停止に応じてノイズの発生が停止すると、ノイズの除去を速やかに停止するので、伝送信号に不要な信号処理が行われることを回避することができる。
従って、受信ユニット100によれば、周囲に設けられた機器が発生したノイズの影響を受信機110で除去した出力信号を出力するので、ノイズを発生する機器10の近くに配置してもそのノイズが受信した伝送信号に悪影響を及ぼすことを回避することができるため、受信ユニット100の商品価値を向上させることができる。特に、受信ユニット100が地上デジタル受信機の場合、ゴーストなどのノイズのない美しい映像を確実に提供することができる。
なお、上述した本実施例では、受信ユニット100が地上デジタル受信機である場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、伝送信号を受信する機器10であれば、カーナビ10hやAM/FMラジオ等にも適用することができる。
また、上述した本実施例では、受信ユニット100を車載システム1に用いる場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、家庭内ネットワーク(例えば、ECHONET:Energy Conservation Homecare Network)等に用いることも可能であり、その場合は上述した通信部113に電力線モデムを用いることで対応することができる。
さらに、その他、本発明の実施の際の具体的な構造および手順は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造などに適宜変更できる。
1 車載システム
2 通信線
10 機器
100 受信ユニット
110 受信機
111 アンテナ
112a 通信情報取込手段(制御部)
112b 動作開始検出手段(制御部)
112c 動作終了検出手段(制御部)
114 ノイズ除去手段(フィルタ部)
117 信号処理手段(デコーダ部)
120 出力手段(出力部)
2 通信線
10 機器
100 受信ユニット
110 受信機
111 アンテナ
112a 通信情報取込手段(制御部)
112b 動作開始検出手段(制御部)
112c 動作終了検出手段(制御部)
114 ノイズ除去手段(フィルタ部)
117 信号処理手段(デコーダ部)
120 出力手段(出力部)
Claims (4)
- 伝送信号を受信するアンテナと、該アンテナにて受信した伝送信号を信号処理して出力信号を生成する信号処理手段と、を有する受信機において、
通信線に接続されるとともに、前記通信線に接続された複数の機器が互いに送受信する通信情報を取り込む通信情報取込手段と、
前記通信情報取込手段が取り込んだ通信情報に基づいてノイズを発生する前記機器の動作開始を検出する動作開始検出手段と、
前記動作開始検出手段が動作開始を検出した機器の動作に応じたノイズを前記伝送信号から除去するノイズ除去手段と、
を有するとともに、
前記信号処理手段が、前記ノイズ除去手段にてノイズを除去した伝送信号を信号処理するようにしたことを特徴とする受信機。 - 前記通信情報取込手段が取り込んだ通信情報に基づいてノイズを発生する前記機器の動作終了を検出する動作終了検出手段を有するとともに、
前記ノイズ除去手段は、前記動作終了検出手段にて動作終了を検出した機器に対応するノイズの除去を停止するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の受信機。 - 周囲に設けられた機器の動作に応じて発生するノイズを、アンテナで受信した伝送信号から除去するノイズ除去方法であって、
複数の機器が通信可能に接続された通信線から前記複数の機器が互いに送受信する通信情報を取り込み、該通信情報に基づいて前記機器の動作開始を検出したときに、前記機器の動作に応じてノイズを前記伝送信号から除去することを特徴とするノイズ除去方法。 - 請求項1又は2に記載の受信機と、前記受信機が生成した出力信号を出力する出力手段と、を有することを特徴とする受信ユニット。
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