JP2004266664A - 車両内通信方法、車両内通信システム、通信装置及び接続装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電動機器から生じるノイズの影響を回避して車載機器間で安定した通信を行う。
【解決手段】車両内ネットワークシステム1の制御系ネットワーク2及び情報系ネットワーク3を接続するゲートウェイ装置10は、制御系ネットワーク2が有する各電動機器4〜6より動作状態に係る帯域信号を受信する。ゲートウェイ装置10は受信した帯域信号に基づき通信可能な周波数帯域に係る帯域信号を情報系ネットワーク3へ送信する。情報系ネットワーク3の送信側となる車載機器7〜9は帯域信号を受信すると共に、受信した帯域信号の周波数帯域に基づき送信対象の信号を変調処理して送信することにより、制御系ネットワーク2の電動機器4〜6の動作に伴い発生するノイズの影響を防止した通信を可能にする。
【選択図】 図1
【解決手段】車両内ネットワークシステム1の制御系ネットワーク2及び情報系ネットワーク3を接続するゲートウェイ装置10は、制御系ネットワーク2が有する各電動機器4〜6より動作状態に係る帯域信号を受信する。ゲートウェイ装置10は受信した帯域信号に基づき通信可能な周波数帯域に係る帯域信号を情報系ネットワーク3へ送信する。情報系ネットワーク3の送信側となる車載機器7〜9は帯域信号を受信すると共に、受信した帯域信号の周波数帯域に基づき送信対象の信号を変調処理して送信することにより、制御系ネットワーク2の電動機器4〜6の動作に伴い発生するノイズの影響を防止した通信を可能にする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載機器間の通信に関し、車両に搭載された電動機器が発生するノイズの影響を回避して安定した通信を行う車両内通信方法、車両内通信システム、通信装置及び接続装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両内に通信システムを構築する場合、各機器及び装置の特性に応じた通信規格のネットワークを複数形成し、各ネットワークを接続装置であるゲートウェイ装置で接続して全体的なシステムが形成されることが多い。
【0003】
ネットワークの種類として情報系ネットワーク及びボディ系ネットワーク等があり、情報系ネットワークにはナビゲーション機器及びオーディオ機器等の情報系に属する車載機器が含まれる。また、ボディ系ネットワークには制御用のECUを備えたパワーウインド装置、ワイパー装置及びエアコン装置のような車体に取り付けられる各種電動機器が含まれる。
【0004】
ボディ系ネットワークの各電動機器は自身の機能を達成するためにモータを有している。例えばパワーウインド装置であればウインドの昇降のためにモータを有する。このようなモータは駆動に伴い電磁的なノイズを発生し、発生したノイズは情報系ネットワークで通信される信号に重畳することがある。
【0005】
具体的には、各車載機器をメタル通信線で接続して情報系ネットワークが構築されている場合、電動機器から生じたノイズがメタル通信線で通信される信号に重畳し、通信される信号の波形がノイズの影響で歪むことがある。従来、このような歪みに対しては、信号からノイズ除去を行う装置を車載機器毎に設けて対処することがあった。
なお、車載機器の接続に関しては、下記の特許文献1でも開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−152244号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
電動機器のノイズの発生状況は、各電動機器の動作具合に依存するため一様でなく、従来のノイズ除去の装置では充分にノイズ成分を除去できない場合があった。例えば、モータの回転が変化する電源スイッチのオン・オフ時は、ノイズ発生状況も変動するため、従来のノイズ除去の装置では変動するノイズに対応した除去処理を行えず、安定した通信を確保できないと云う問題がある。
【0008】
また、複数の電動機器が同時に動作を行う場合、個々に発生するノイズが重なって複雑なノイズ成分が通信される信号に重畳するため、このような状況に対しても従来の装置では充分にノイズを除去できなかった。特に、車両内では限られたスペース内に各車載機器を接続するメタル通信線が配索されるため、上述したノイズ重畳に対する各種要因が複雑に入り交じった状況になり、高精度なノイズ除去性能が要求されると云う実情がある。
【0009】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、接続装置が周波数帯域に係る帯域信号を車載機器に通知して、各車載機器が帯域信号に基づき変調した信号を送信することにより、安定した通信を確保できる車両内通信方法、車両内通信システム、通信装置及び接続装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、接続装置が電動機器のノイズの周波数帯域に係る帯域信号を車載機器に通知して、各車載機器がノイズと干渉しない周波数帯域で信号を変復調することにより、ノイズの影響を回避した通信を行う車両内通信方法及び車両内通信システムを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、送信対象の信号を多値変調することで、通信の安定性を確保した上で、通信速度の向上を図った車両内通信システムを提供することを目的とする。
【0011】
さらに、また、本発明は、多値変調した信号を逆フーリエ変換することにより通信の信頼性を向上させた車両内通信システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、接続装置にも変復調を行う手段を設けることにより、接続装置の送受信に対しても安定性を確保した車両内通信システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る車両内通信方法は、接続装置に接続してあるネットワークが有する送信側車載機器及び受信側車載機器の間で通信を行う車両内通信方法において、前記接続装置は、通信の周波数帯域に係る帯域信号を前記送信側車載機器へ送信し、前記送信側車載機器は、受信した帯域信号に基づいて送信対象の信号を変調し、変調した信号を前記受信側車載機器へ送信し、前記受信側車載機器は、受信した信号を復調することを特徴とする。
【0013】
第2発明に係る車両内通信方法は、電動機器を有する第1ネットワークに接続装置で接続してある第2ネットワークが有する送信側車載機器及び受信側車載機器の間で通信を行う車両内通信方法において、前記電動機器は、動作状態を通知する通知信号を前記接続装置へ送信し、前記接続装置は、前記電動機器の動作により生じるノイズの周波数帯域に係る帯域信号を記憶する記憶手段を備えており、前記通知信号を受信した場合、該通知信号が通知する動作状態に応じた帯域信号を前記記憶手段から読み出し、読み出した帯域信号を前記送信側車載機器へ送信し、前記送信側車載機器は、受信した帯域信号に基づいて送信対象の信号を変調し、変調した信号を前記受信側車載機器へ送信し、前記受信側車載機器は、受信した信号を復調することを特徴とする。
【0014】
第3発明に係る車両内通信システムは、接続装置に接続してあるネットワークが有する送信側車載機器及び受信側車載機器の間で通信を行う車両内通信システムにおいて、前記接続装置は、通信の周波数帯域に係る帯域信号を前記送信側車載機器へ送信する帯域信号送信手段を備え、前記送信側車載機器は、受信した帯域信号に基づいて送信対象の信号の変調を行う変調手段と、該変調手段が変調を行った信号を前記受信側車載機器へ送信する送信手段とを備え、前記受信側車載機器は、受信した信号を復調する復調手段を備えることを特徴とする。
【0015】
第4発明に係る車両内通信システムは、電動機器を有する第1ネットワークと、送信側車載機器及び受信側車載機器を有する第2ネットワークとを接続装置で接続してある車両内通信システムにおいて、前記電動機器は、動作状態を通知する通知信号を前記接続装置へ送信する信号送信手段を備え、前記接続装置は、前記電動機器の動作により生じるノイズの周波数帯域に係る帯域信号を記憶する記憶手段と、前記通知信号を受信した場合、該通知信号が通知する動作状態に応じた帯域信号を前記記憶手段から読み出す信号読出手段と、該信号読出手段が読み出した帯域信号を前記送信側車載機器へ送信する帯域信号送信手段とを備え、前記送信側車載機器は、受信した帯域信号に基づいて送信対象の信号の変調を行う変調手段と、該変調手段が変調を行った信号を前記受信側車載機器へ送信する送信手段とを備え、前記受信側車載機器は、受信した信号を復調する復調手段を備えることを特徴とする。
【0016】
第5発明に係る車両内通信システムは、前記変調手段は、送信対象の信号を多値変調する手段を備えることを特徴とする。
第6発明に係る車両内通信システムは、前記変調手段は更に、多値変調した信号を逆フーリエ変換する手段を備えることを特徴とする。
【0017】
第7発明に係る車両内通信システムは、前記接続装置は、送信用の信号を変調する信号変調手段と、該信号変調手段が変調した変調信号を前記受信側車載機器へ送信する変調信号送信手段とを備えることを特徴とする。
第8発明に係る車両内通信システムは、前記接続装置は、前記送信側車載機器が送信した信号を受信する信号受信手段と、該信号受信手段が受信した信号を復調する信号復調手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
第9発明に係る通信装置は、ネットワーク用の車載機器に取り付けられて通信を行う通信装置において、外部から通信の周波数帯域に係る帯域信号を受信する帯域信号受信手段と、該帯域信号受信手段が受信した帯域信号に基づいて送信対象の信号を変調する変調手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
第10発明に係る接続装置は、複数のネットワーク間の接続を行う接続装置において、外部から信号を受信する受信手段と、周波数帯域に係る帯域信号を記憶する記憶手段と、前記受信手段が受信した信号に基づいて帯域信号を前記記憶手段から読み出す信号読出手段と、該信号読出手段が読み出した帯域信号を外部へ送信する帯域信号送信手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
第1発明及び第3発明にあっては、接続装置より送信される周波数帯域に係る帯域信号に基づき送信側車載機器が送信対象の信号を変調して送信するので、接続装置で送信側車載機器の送信に係る周波数帯域を指定することが可能となる。よって、接続装置が状況に応じた周波数帯域を指定することで送信側車載機器及び受信側車載機器の間で安定した通信を行うことができる。なお、接続装置は情報系及びボディ系等の各種ネットワークの接続を行うので、各種ネットワークが有する機器の状況を認識可能となり、認識した内容に応じた帯域信号を送信できる。
【0021】
第2発明及び第4発明にあっては、第1ネットワークの電動機器が自身の動作状態を接続装置へ通信するので、接続装置は動作に応じたノイズの発生状況を認識できる。即ち、各電動機器が動作状態を接続装置に通知することで、1台の電動機器のみが動作しているのか、複数の電動機器が動作しているのか、各電動機器の動作状態は電源スイッチのオン・オフ時であるかなどを接続装置が認識できる。
【0022】
また、接続装置は各種動作により生じたノイズの周波数帯域に係る帯域信号を予め記憶しておくと共に、認識した状況に応じた帯域信号を読み出して送信側車載機器へ伝達することで、送信側車載機器はノイズに干渉しない周波数帯域で変調した信号を受信側車載機器へ送信できる。これにより各電動機器の動作に伴いノイズが生じても、接続装置が動作状態を認識すると共に、認識した内容に応じて各車載機器が通信を行うことで安定したノイズの影響を受けず安定した通信を確保できる。
【0023】
第5発明にあっては、送信対象の信号を多値変調するので、1回の変調で複数ビットの信号が送信可能となり通信効率を向上できる。多値変調としては、周波数の振幅値及び位相差の値を変化させるQAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調を適用でき、さらにQAM変調の種類として4ビットの信号を送信する4QAM、16ビットの信号を送信する16QAM、64ビットの信号を送信する64QAM等が適用できる。
【0024】
なお、他の多値変調としてはPSK(Phase Shift Keying)が適用できると共に、FSK(Frequency Shift Keying)又はASK(Amplitude Shift Keying)のような変調も適用できる。
【0025】
第6発明にあっては、多値変調した信号を逆フーリエ変換するので、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重)信号を生成でき、通信の効率性及び信頼性等を向上できる。例えば、複数ビットを逆フーリエ変換した全体ビットの中のいずれかを周波数保証に用いることで、通信の信頼性を高めることが可能になる。
【0026】
第7発明にあっては、接続装置が送信用の信号を変調する手段を備えるので、接続装置が各車載機器へ信号を送信する場合も信号を変調して送信でき、接続装置及び車載機器の間の通信信頼性も向上できる。なお、接続装置の変調にも上述した送信側車載機器の変調方式を適用することが好適である。また、接続装置が車載機器へ送信する信号には各種制御信号及び帯域信号等がある。
第8発明にあっては、接続装置が受信した信号を復調する手段を備えるので、各車載機器から接続装置へ信号を送信する場合にも、各車載機器は信号を変調して送信でき、電動機器から生じるノイズの影響を回避した通信を行うことができる。
【0027】
第9発明にあっては、ネットワーク対応の車載機器に取り付けられる通信装置が、受信した帯域信号に基づき送信対象の信号を変調するので、状況に応じた周波数帯域での変調処理が可能となり、種々の状況の中でも安定した通信を行うことができる。
第10発明にあっては、接続装置が記憶する帯域信号の中から状況に応じたものを送信するので、外部の機器に対して通信に適切な周波数帯域に係る情報を提供でき、車両内に構築されたネットワークシステムに本発明の接続装置を好適に利用できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両内通信システム1の全体的な構成を示している。車両内通信システム1は、第1ネットワークに相当するボディ系ネットワーク2及び第2ネットワークに相当する情報系ネットワーク3を接続装置であるゲートウェイ装置10で接続した構成にしている。なお、ボディ系ネットワーク2と、情報系ネットワーク3の通信規格は相異しており、情報系ネットワーク3の方が高速で通信が行われる。
【0029】
ボディ系ネットワーク2は電動機器としてパワーウインド装置4、ワイパー装置5及びエアコンディショナ6を有しており、情報系ネットワーク3は車載機器としてモニタ7、ナビゲーション機器8及びオーディオ機器9を有している。なお、モニタ7、ナビゲーション機器8及びオーディオ機器9は信号の送信方向に応じて送信側車載機器及び受信側車載機器の両方になり得る。また、ゲートウェイ装置10及び各車載機器7〜9は夫々2本のメタル通信線3a、3b〜3e、3fによりツリー構造で接続されている。
【0030】
ボディ系ネットワーク2ではパワーウインド装置4、ワイパー装置5及びエアコンディショナ6を通信線2aで接続しており、各電動機器4〜6は自己の機能を行うためにモータ及びコンプレッサ等を有し、モータ及びコンプレッサ等を駆動させることで電磁的なノイズが発生する。また、ノイズの発生する程度及びノイズの周波数帯域等は各電動機器4〜6のモータ及びコンプレッサ等の形式及び出力等が異なることより夫々相異している。
【0031】
また、各電動機器4〜6は自己の機能に係る動作の制御を行うECU4a〜6aを夫々設けている。ECU4a〜6aは各種制御を行うMPU、このMPUの制御用プログラムを記憶するROM、制御処理中のデータ等を記憶するRAM及び通信線2aに対する通信インタフェース等を内蔵している。また、本実施形態のECU4a〜6aは、各電動機器4〜6の動作状態をMPUで随時検知しており、動作状態が変化した場合、MPUは変化した動作状態を通知する通知信号を生成してゲートウェイ装置10へ送信する信号送信手段として機能している。
【0032】
動作状態の変化とは、電源スイッチ(図示せず)のオン・オフ操作により、バッテリーから給電開始となった時及び給電終了となった時が該当すると共に、ワイパー装置5及びエアコンディショナ6では、ワイパーの動作速度及び送風する風量等が変更された場合が該当する。各電動機器4〜6のMPUは、このような動作状態を検知して「パワーウインド装置」が「受電開始」、「ワイパー装置」が「高速動作」、「エアコンディショナ」が「風量弱」と云うような変化後の各電動機器4〜6の動作状態を通知する通知信号を送信する制御を行う。
【0033】
一方、ゲートウェイ装置10は、図2に示すように、制御側通信インタフェース10a、MPU10b、ROM10c、RAM10d及びネットワーク通信部10eを有している。制御側通信インタフェース10aはボディ系ネットワーク2の通信線2aとの接続用インタフェースであり、ボディ系ネットワーク2が有する各電動装置4〜6のECU4a〜6a及びゲートウェイ装置10との間で信号の送受信を行う。制御側通信インタフェース10aが各ECU4a〜6aより受信する信号としては、上述した動作状態を通知する通知信号がある。
【0034】
ROM10cは記憶手段に相当し、MPU10bの制御用プログラム及び図4に示す第1テーブル20等を記憶している。第1テーブル20は、ボディ系ネットワーク2が有する各電動機器4〜6の動作状態、帯域番号及び通信可能周波数帯域を夫々対応させた内容になっている。
【0035】
第1テーブル20の通信可能周波数帯域は、対応する電動機器4〜6が動作している場合、電動機器4〜6から発生させるノイズの周波数帯域と干渉しない周波数帯域を示すものである。即ち、電動機器4〜6が動作する場合に生じるノイズの周波数帯域は、実験又はシミュレーション等により予め特定できるため、この特定した周波数帯域と重複しない周波数帯域を通信可能周波数帯域として規定している。
【0036】
例えば、パワーウインド装置4の電源スイッチがオンされて給電開始となった場合、モータの回転に伴い生じるノイズの周波数帯域は、60MHz以上であると実験又はシミュレーション等により予め特定されると、図4の第1テーブル20は、60MHz以上と干渉しない0〜50MHzの範囲を通信可能周波数帯域として規定する。
【0037】
なお、第1テーブル20は、各電動機器4〜6の動作状態に対応した通信可能周波数帯域を規定しており、動作状態には図4に記載していないが各電動機器4〜6の中の複数が同時に動作した場合の通信可能周波数帯域も規定されている。また、第1テーブル20の中の帯域番号は、規定される通信可能周波数帯域ごとに付される番号であり、各帯域番号の各数値が後述する帯域信号に該当する。
【0038】
図2に示すゲートウェイ装置10のRAM10dは、MPU10bの処理に係るデータ及びファイル等を一時的に記憶すると共に、通信に係る信号をバッファ的に記憶することも行う。
【0039】
MPU10bは、ゲートウェイ装置10の全体的な処理を行うものであり、本実施形態では信号読出手段としても機能している。即ち、MPU10bは各電動機器4〜6のECU4a〜6aからゲートウェイ装置10が通知信号を受信した場合、通知信号が通知する動作状態に応じた帯域番号を帯域信号としてROM10cに記憶されている第1テーブル20より読み出す処理を行う。
【0040】
なお、MPU10bは、通知信号に含まれる動作状態を第1テーブル20の検索の手掛かりとして使用することにより対応する帯域番号を読み出している。また、MPU10bは読み出した帯域番号をネットワーク通信部10eより情報系ネットワーク3の各車載機器7〜9へ送信する制御を行う帯域信号送信手段としても機能している。
【0041】
ゲートウェイ装置10のネットワーク通信部10eは、情報系ネットワーク3との通信インタフェースとして機能しており、6本のメタル通信線3a〜3fと接続されてゲートウェイ装置10及び各車載機器7〜9との間で通信を行う。よって、ネットワーク通信部10eは、MPU10bが読み出した帯域信号を情報系ネットワーク3が有する送信側となる車載機器7〜9へ送信する処理を、MPU10bの制御に基づき行う。また、ネットワーク通信部10eは、情報系ネットワーク3の車載機器7〜9の間で信号が通信される場合は、信号を通過させる処理も行う。
【0042】
次に、情報系ネットワーク3が有する各車載機器7〜9の構成を説明する。各車載機器7〜9の通信に係る構成は基本的に同一であるため、以降、オーディオ機器9で代表して説明する。
図3は、オーディオ機器9の通信に係る内部構成を示している。オーディオ機器9は、通信LSI(PHY/LINK)9c及びオーディオ機器9に内蔵されて通信に係る処理を行う通信装置に該当する変復調回路部19を有している。
【0043】
通信LSI9cは情報系ネットワーク3の通信規格に応じた処理を送受信する信号に対して行うものである。本実施形態の通信LSI9cは、送信する信号を「0」及び「1」のビットが連続するデータ列の信号に変換すると共に、受信した信号を内部処理用の形態に変換する処理を行う。なお、通信LSI9cには、オーディオ機器9の機能に係る処理を行う各処理部(図示せず)が接続されている。
【0044】
変復調回路部19は、送信用コネクタ9a及び受信用コネクタ9bと接続されており、デジタル処理LSI19a、D/A変換部19b、送信用LPF(ローパスフィルタ)19c、送信用増幅器19d、受信用増幅器19e、受信用LPF19f、A/D変換部19g及びROM19hを備えている。
【0045】
デジタル処理LSI19aは、変調手段として送信する信号の変調処理を行うと共に復調手段として受信した信号の復調処理を行う。また、変調処理に対してデジタル処理LSI19aは、前処理としてゲートウェイ装置10からオーディオ機器9が受信した帯域信号に基づいて通信に係る周波数を特定してから変調処理を行う。なお、変復調回路部19における帯域信号の受信に関しては、受信用増幅器19e、受信用LPF19f及びA/D変換部19gが帯域信号受信手段として機能する。
【0046】
デジタル処理LSI19aは、前処理の周波数特定にROM19hで記憶される図5に示す第2テーブル21を用いている。
第2テーブル21は、図4に示す第1テーブル20から動作状態の欄を削除したものであり、帯域番号及び通信可能周波数帯域を夫々対応させた内容になっている。よって、デジタル処理LSI19aは、ゲートウェイ装置10から帯域信号を受信した場合、受信した帯域信号が通知する帯域番号を手掛かりにして対応する通信可能周波数帯域を第2テーブル21より決定する。
【0047】
例えば、ゲートウェイ装置19から帯域番号が(2)である帯域信号を受信した場合、帯域番号の(2)に対応する0〜60MHzを通信可能周波数帯域としてデジタル処理LSI19aが決定することになる。よって、デジタル処理LSI19aは、上述したように決定した通信可能周波数帯域内における所要の周波数で送信を行うように変調処理を行う。
【0048】
具体的には、デジタル処理LSI19aは、送信に係る処理として送信対象となる通信LSI9cから伝送されるビットが連続するデジタル信号を複数組のビット列信号に分割する処理を行う。この分割する数は、情報系ネットワーク3の通信規格の通信周期に分割数を乗じた値が、上述した第2テーブル21に基づき決定された通信可能周波数帯域内に収まるように特定される。
【0049】
例えば、デジタル処理LSI19aが、受信した帯域信号に基づき0〜60MHzを通信可能周波数帯域として決定すると共に、情報系ネットワーク3の通信周期が44.1kHzであり、通信LSI9cが1024ビット単位でビットが連続するデジタル信号をデジタル処理LSI19aに伝送する場合を想定する。情報系ネットワーク3の通信周波数は、通信周期に通信する信号数を乗じた数で決まるため、上述した場合、デジタル処理LSI19aは、通信可能周波数帯域内に通信周波数が収まるように、デジタル信号を256組の4ビット列に分割する。
【0050】
このように分割することで、送信される信号の周波数は、通信周期の44.1kHzに分割数の256を乗じた結果の11.2MHzとなり、0〜60MHzの通信可能周波数帯域内に含まれるため、現在、発生しているノイズの影響を受けることなく安定した通信が可能になる。
【0051】
また、デジタル処理LSI19aは分割した数の信号を通信するため、分割した数の信号を多値変調する処理を行う。上述した例で説明すると、デジタル処理LSI19aは、分割した各組の4ビットを計256個の周波数f1〜f256の信号とみなして多値変調処理を行う。この多値変調処理には、本実施形態のデジタル処理LSI19aは通信用搬送波の振幅値及び位相差の値を変化させるQAM変調を用いている。
【0052】
QAM変調は一度の送信で多ビットの信号を送信でき、信号のビット当たりの占有周波数を抑えて効率的な通信を可能にする。また、QAM変調により、デジタル信号を周波数軸に係る信号に変更でき、例えば、計256組の分割信号をQAM変調すると、図6に示すように、各分割信号が、周波数軸に対して各分割信号に応じた振幅値及び位相差の値を有する各周波数f1、f2〜f255、f256に変換されたグラフになる。
【0053】
さらに、デジタル処理LSI19aは、QAM変調された複数の搬送波の周波数成分の信号を逆フーリエ変換(IFFT)することにより各信号成分が直交する位置関係となる正弦波の時系列信号(OFDM信号)を生成する処理を行う。なお、逆フーリエ変換は、情報系ネットワーク3の通信規格で規定される通信周期と同一の周期で行うようにして、信号の通信周期と同期を取っている。上述したように、周波数成分の信号を時系列信号に変換することで、多ビットの信号を並列状態で通信可能となり、通信効率を高めて所要の通信速度を確保できる。さらに、また、デジタル処理LSI19aは、生成した時系列信号のヘッダとなる部分に決定した通信可能周波数帯域を載せる処理も行う。
【0054】
このように生成された時系列信号は、デジタル処理LSI19aより、図3に示すようにD/A変換部19bへ送出されてアナログ信号に変換された後、送信用LPF19cでアナログ信号の高周波成分を除去されて、送信用増幅器19dで適正な電圧レベルに増幅されて送信用コネクタ9aからメタル通信線3eを通じて送信されている。なお、この送信に係る処理では、D/A変換部19b、送信用LPF19c及び送信用増幅器19dが送信手段として機能する。
【0055】
また、変復調回路部19が受信用コネクタ9bより時系列信号を受信する処理に対しては、受信した時系列信号を受信用増幅器19eで適正な電圧レベルに増幅して受信用LPF19fで高周波成分を除去し、A/D変換部19gへ伝送している。
【0056】
A/D変換部19gは伝送されたアナログの時系列信号を情報系ネットワーク10の通信周期に同期させてサンプリング処理を行う。なお、1回当たりのサンプリング時間は、情報系ネットワーク3の通信周期に信号の分割数の2倍以上の数値をかけた値の逆数時間になる。また、A/D変換部19gはサンプリングしたアナログ信号をデジタル信号に変換して、このデジタルの時系列信号をデジタル処理LSI19aへ伝送している。
【0057】
デジタル処理部LSI19aは、復調に係る処理として、伝送されたデジタルの時系列信号に対しフーリエ変換(FFT)を行い、時系列信号を256組の周波数f1〜f256の周波数成分の信号に戻している。さらに、デジタル処理LSI19aは、複数の周波数成分の信号を元の分割信号に復調してから、各分割信号を統合して分割前のビットが連続したデジタル信号を生成している。このように生成されたデジタル信号の中で、受信した信号のヘッダに載せられた通信可能周波数帯域に含まれる信号が、デジタル処理LSI19aより通信LSI9cへ伝送されて、変復調回路部9の受信処理が終了する。
【0058】
上述した変復調回路部19の送受信に係る変復調処理を具体的な数値を用いて説明すると、例えば、情報系ネットワーク3の通信周期が44.1kHzであり、1組当たり6ビットで計256組の分割信号を作成した場合、理論上、1秒間に送信できるデータは44100×256×6=約64Mbitになる。
【0059】
なお、実際にデータを通信する場合は、分割信号の複数の搬送波の周波数のいずれかを誤り訂正等に用いて通信の信頼性を高めることが好ましい。よって、上述した通信条件で1秒間に最大64Mbitのデータを通信できる場合でも、実際に通信するデータは50Mbps程度に設定するのが好適である。
【0060】
次に、上述した構成の車両内通信システム1において、ワイパー装置5が動作を開始した状態で、図7に示すようにナビゲーション機器8からモニタ7へ信号を送信する場合の車両内通信方法に係る一連の処理を図8のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、ワイパー装置5が操作スイッチのオンにより動作を開始したとき(S1)、ワイパー装置5のECU5aが動作開始を検知して、ワイパー装置5が動作開始状態である旨を通知する通知信号をゲートウェイ装置10へ送信する(S2)。
【0061】
ゲートウェイ装置10は、受信した通知信号に伴い対応する帯域信号を第1テーブル20より読み出して(S3)情報系ネットワーク3へ送信する(S4)。送信された帯域信号は、情報系ネットワーク3のナビゲーション機器8が受信し、デジタル処理LSI18aが帯域信号に含まれる帯域番号を手掛かりにしてROM18hに記憶される第2テーブル21より通信可能周波数帯域を決定する(S5)。
【0062】
通信可能周波数帯域の決定後、ナビゲーション機器8のデジタル処理LSI18aは、通信LSI8cから伝送されるビットが連続するデジタル信号を、通信可能周波数帯域に通信周波数が含まれるように複数組のビット列で分割してからQAM変調及び逆フーリエ変換を行ってOFDM信号を生成し、このOFDM信号をD/A変換部18b及び送信用LPF18c等の処理を経てモニタ7へ送信する(S6)。
【0063】
送信された信号はゲートウェイ装置10を通過してモニタ7で受信され、受信用増幅部17e及び受信用LPF17f等の処理を経てデジタル処理LSI17aでフーリエ変換等の復調処理が行われ、元のデジタル信号に戻される(S7)。元に戻されたデジタル信号はデジタル処理LSI17aより通信LSI7cへ伝送されてモニタ7の表示に係る処理が行われる。
【0064】
よって、本発明の車両内通信方法では、車両Sに搭載された電動機器4〜6からノイズが生じても、車載機器7〜9はノイズに干渉しない通信周波数で通信を行うので安定した通信を確保できると共に、QAM変調及び逆フーリエ変換等による処理で通信の高速化及び効率化も同時に達成している。
【0065】
なお、本発明は上述した形態に限定されるものではなく、種々の変形例の適用が可能である。例えば、各車載機器7〜9でのQAM変調には、さらに多くの複数ビットに変調する16QAM、64QAM、128QAM及び256QAM等を使用することも可能である。また、QAM変調以外の多値変調にはPSK変調の適用が可能であり、他の変調方式であるFSK、ASKのような変調も適用できる。
【0066】
また、第1テーブル20及び第2テーブル21に記憶する周波数帯域は、ノイズに干渉しない通信可能周波数帯域を規定するのではなく、ノイズの周波数を含む通信不能周波数帯域を規定するようにしてもよい。この場合、各車載機器7〜9は、帯域信号の受信に応じてノイズにより通信に不適な周波数帯域を特定でき、この特定した周波数帯域に含まれない周波数帯域で通信を行うように変調処理を行うことになる。
【0067】
さらに、第1テーブル20は、帯域番号の規定を省略することも可能であり、この場合は、通知信号により通知された動作状態に対応する通信可能周波数帯域又は通信不能周波数帯域を帯域信号として各車載機器7〜9に送信することになる。また、各車載機器7〜9は帯域信号の受信により通信可能周波数帯域又は通信不能周波数帯域を認識できるので、第2テーブルの記憶を不要にできる。
【0068】
さらに、また、ゲートウェイ装置10から各車載機器7〜9へ各種信号を送信することがあるシステムでは、図2に示すネットワーク通信部10eに、図7のナビゲーション機器8の変復調回路部18における送信系処理用のデジタル処理LSI18aの変調処理に係る部分及びD/A変換部18b等を信号変調手段及び変調信号送信手段として設け、送信対象の信号に変調処理を行うと共に変調した変調信号を送信するようにしてもよい。このようにすることで、ゲートウェイ装置10から信号が送信される場合もノイズに影響されることなく安定した通信を確保できる。なお、ゲートウェイ装置10に設ける各変調処理部にも上述した各種変形例の適用が可能である。
【0069】
また、ゲートウェイ装置10が各車載機器7〜9からのゲートウェイ装置10宛の信号を受信することがあるシステムでは、ネットワーク通信部10eに、図7のモニタ7の変復調回路部17における受信系処理用のデジタル処理LSI17aの復調処理に係る部分及びA/D変換部17g等を信号復調手段及び信号受信手段として設け、受信した信号を元の信号の復調処理を行うようにしてもよい。このようにすることで、ゲートウェイ装置10が受信する場合もノイズに影響されることがなくなる。
【0070】
なお、情報系ネットワーク3は、ツリー構造でネットワークを構築する以外に、リング構造又はデイジーチェーン構造等で構築することも可能である。
【0071】
【発明の効果】
以上に詳述した如く、第1発明及び第3発明にあっては、接続装置からの帯域信号に基づき送信側車載機器が送信対象の信号を変調して送信するので、送信側車載機器は接続装置が伝達する状況に応じた周波数帯域で安定した通信を行うことができる。
第2発明及び第4発明にあっては、第1ネットワークの電動機器が自身の動作状態を接続装置へ通信するので、接続装置は動作に応じたノイズの発生状況を認識できると共に、認識したノイズの周波数帯域に係る帯域信号を送信側車載機器へ伝達するので、送信側車載機器はノイズに干渉しない周波数帯域で変調した信号を受信側車載機器へ送信できる。
【0072】
第5発明にあっては、送信対象の信号を多値変調するので、1回の変調で複数ビットの信号が送信して通信効率を向上できる。
第6発明にあっては、多値変調した信号を逆フーリエ変換するので、OFDM信号を生成して通信の効率性及び信頼性等を向上できる。
【0073】
第7発明にあっては、接続装置が送信用の信号を変調する手段を備えるので、接続装置が各車載機器へ送信する信号を変調して送信でき、接続装置及び車載機器の間の通信信頼性を向上できる。
第8発明にあっては、接続装置が信号を復調する手段を備えるので、各車載機器から接続装置へ変調した信号を送信する場合にも、接続装置は受信した信号を復調することで、電動機器の動作に基づく影響を回避した通信を行うことができる。
【0074】
第9発明にあっては、ネットワーク対応の車載機器に取り付けられる通信装置が、受信した帯域信号に基づき送信対象の信号を変調するので、状況に応じた周波数帯域で変調処理を行って通信の安定性を確保できる。
第10発明にあっては、接続装置が記憶する帯域信号の中から状況に応じた帯域信号を送信するので、外部の通信を行うネットワーク用の機器に対して通信に適切な周波数帯域に係る情報を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両内通信システムの全体構成図である。
【図2】ゲートウェイ装置の内部構成図である。
【図3】オーディオ機器の通信に係る内部構成図である。
【図4】第1テーブルの図表である。
【図5】第2テーブルの図表である。
【図6】周波数軸における分割信号のグラフである。
【図7】ナビゲーション機器からモニタへの通信に係る構成の概略図である。
【図8】車両内通信方法に係るフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両内通信システム
2 ボディ系ネットワーク
3 情報系ネットワーク
3a〜3f メタル通信線
4〜6 電動機器(パワーウインド装置、ワイパー装置等)
4a〜6a ECU
7〜9 車載機器(モニタ、ナビゲーション機器等)
10 ゲートウェイ装置
10b MPU
10c ROM
17、18、19 変復調回路部
17a、18a、19a デジタル処理LSI
20 第1テーブル
21 第2テーブル
S 車両
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載機器間の通信に関し、車両に搭載された電動機器が発生するノイズの影響を回避して安定した通信を行う車両内通信方法、車両内通信システム、通信装置及び接続装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両内に通信システムを構築する場合、各機器及び装置の特性に応じた通信規格のネットワークを複数形成し、各ネットワークを接続装置であるゲートウェイ装置で接続して全体的なシステムが形成されることが多い。
【0003】
ネットワークの種類として情報系ネットワーク及びボディ系ネットワーク等があり、情報系ネットワークにはナビゲーション機器及びオーディオ機器等の情報系に属する車載機器が含まれる。また、ボディ系ネットワークには制御用のECUを備えたパワーウインド装置、ワイパー装置及びエアコン装置のような車体に取り付けられる各種電動機器が含まれる。
【0004】
ボディ系ネットワークの各電動機器は自身の機能を達成するためにモータを有している。例えばパワーウインド装置であればウインドの昇降のためにモータを有する。このようなモータは駆動に伴い電磁的なノイズを発生し、発生したノイズは情報系ネットワークで通信される信号に重畳することがある。
【0005】
具体的には、各車載機器をメタル通信線で接続して情報系ネットワークが構築されている場合、電動機器から生じたノイズがメタル通信線で通信される信号に重畳し、通信される信号の波形がノイズの影響で歪むことがある。従来、このような歪みに対しては、信号からノイズ除去を行う装置を車載機器毎に設けて対処することがあった。
なお、車載機器の接続に関しては、下記の特許文献1でも開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−152244号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
電動機器のノイズの発生状況は、各電動機器の動作具合に依存するため一様でなく、従来のノイズ除去の装置では充分にノイズ成分を除去できない場合があった。例えば、モータの回転が変化する電源スイッチのオン・オフ時は、ノイズ発生状況も変動するため、従来のノイズ除去の装置では変動するノイズに対応した除去処理を行えず、安定した通信を確保できないと云う問題がある。
【0008】
また、複数の電動機器が同時に動作を行う場合、個々に発生するノイズが重なって複雑なノイズ成分が通信される信号に重畳するため、このような状況に対しても従来の装置では充分にノイズを除去できなかった。特に、車両内では限られたスペース内に各車載機器を接続するメタル通信線が配索されるため、上述したノイズ重畳に対する各種要因が複雑に入り交じった状況になり、高精度なノイズ除去性能が要求されると云う実情がある。
【0009】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、接続装置が周波数帯域に係る帯域信号を車載機器に通知して、各車載機器が帯域信号に基づき変調した信号を送信することにより、安定した通信を確保できる車両内通信方法、車両内通信システム、通信装置及び接続装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、本発明は、接続装置が電動機器のノイズの周波数帯域に係る帯域信号を車載機器に通知して、各車載機器がノイズと干渉しない周波数帯域で信号を変復調することにより、ノイズの影響を回避した通信を行う車両内通信方法及び車両内通信システムを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、送信対象の信号を多値変調することで、通信の安定性を確保した上で、通信速度の向上を図った車両内通信システムを提供することを目的とする。
【0011】
さらに、また、本発明は、多値変調した信号を逆フーリエ変換することにより通信の信頼性を向上させた車両内通信システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、接続装置にも変復調を行う手段を設けることにより、接続装置の送受信に対しても安定性を確保した車両内通信システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る車両内通信方法は、接続装置に接続してあるネットワークが有する送信側車載機器及び受信側車載機器の間で通信を行う車両内通信方法において、前記接続装置は、通信の周波数帯域に係る帯域信号を前記送信側車載機器へ送信し、前記送信側車載機器は、受信した帯域信号に基づいて送信対象の信号を変調し、変調した信号を前記受信側車載機器へ送信し、前記受信側車載機器は、受信した信号を復調することを特徴とする。
【0013】
第2発明に係る車両内通信方法は、電動機器を有する第1ネットワークに接続装置で接続してある第2ネットワークが有する送信側車載機器及び受信側車載機器の間で通信を行う車両内通信方法において、前記電動機器は、動作状態を通知する通知信号を前記接続装置へ送信し、前記接続装置は、前記電動機器の動作により生じるノイズの周波数帯域に係る帯域信号を記憶する記憶手段を備えており、前記通知信号を受信した場合、該通知信号が通知する動作状態に応じた帯域信号を前記記憶手段から読み出し、読み出した帯域信号を前記送信側車載機器へ送信し、前記送信側車載機器は、受信した帯域信号に基づいて送信対象の信号を変調し、変調した信号を前記受信側車載機器へ送信し、前記受信側車載機器は、受信した信号を復調することを特徴とする。
【0014】
第3発明に係る車両内通信システムは、接続装置に接続してあるネットワークが有する送信側車載機器及び受信側車載機器の間で通信を行う車両内通信システムにおいて、前記接続装置は、通信の周波数帯域に係る帯域信号を前記送信側車載機器へ送信する帯域信号送信手段を備え、前記送信側車載機器は、受信した帯域信号に基づいて送信対象の信号の変調を行う変調手段と、該変調手段が変調を行った信号を前記受信側車載機器へ送信する送信手段とを備え、前記受信側車載機器は、受信した信号を復調する復調手段を備えることを特徴とする。
【0015】
第4発明に係る車両内通信システムは、電動機器を有する第1ネットワークと、送信側車載機器及び受信側車載機器を有する第2ネットワークとを接続装置で接続してある車両内通信システムにおいて、前記電動機器は、動作状態を通知する通知信号を前記接続装置へ送信する信号送信手段を備え、前記接続装置は、前記電動機器の動作により生じるノイズの周波数帯域に係る帯域信号を記憶する記憶手段と、前記通知信号を受信した場合、該通知信号が通知する動作状態に応じた帯域信号を前記記憶手段から読み出す信号読出手段と、該信号読出手段が読み出した帯域信号を前記送信側車載機器へ送信する帯域信号送信手段とを備え、前記送信側車載機器は、受信した帯域信号に基づいて送信対象の信号の変調を行う変調手段と、該変調手段が変調を行った信号を前記受信側車載機器へ送信する送信手段とを備え、前記受信側車載機器は、受信した信号を復調する復調手段を備えることを特徴とする。
【0016】
第5発明に係る車両内通信システムは、前記変調手段は、送信対象の信号を多値変調する手段を備えることを特徴とする。
第6発明に係る車両内通信システムは、前記変調手段は更に、多値変調した信号を逆フーリエ変換する手段を備えることを特徴とする。
【0017】
第7発明に係る車両内通信システムは、前記接続装置は、送信用の信号を変調する信号変調手段と、該信号変調手段が変調した変調信号を前記受信側車載機器へ送信する変調信号送信手段とを備えることを特徴とする。
第8発明に係る車両内通信システムは、前記接続装置は、前記送信側車載機器が送信した信号を受信する信号受信手段と、該信号受信手段が受信した信号を復調する信号復調手段とを備えることを特徴とする。
【0018】
第9発明に係る通信装置は、ネットワーク用の車載機器に取り付けられて通信を行う通信装置において、外部から通信の周波数帯域に係る帯域信号を受信する帯域信号受信手段と、該帯域信号受信手段が受信した帯域信号に基づいて送信対象の信号を変調する変調手段とを備えることを特徴とする。
【0019】
第10発明に係る接続装置は、複数のネットワーク間の接続を行う接続装置において、外部から信号を受信する受信手段と、周波数帯域に係る帯域信号を記憶する記憶手段と、前記受信手段が受信した信号に基づいて帯域信号を前記記憶手段から読み出す信号読出手段と、該信号読出手段が読み出した帯域信号を外部へ送信する帯域信号送信手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
第1発明及び第3発明にあっては、接続装置より送信される周波数帯域に係る帯域信号に基づき送信側車載機器が送信対象の信号を変調して送信するので、接続装置で送信側車載機器の送信に係る周波数帯域を指定することが可能となる。よって、接続装置が状況に応じた周波数帯域を指定することで送信側車載機器及び受信側車載機器の間で安定した通信を行うことができる。なお、接続装置は情報系及びボディ系等の各種ネットワークの接続を行うので、各種ネットワークが有する機器の状況を認識可能となり、認識した内容に応じた帯域信号を送信できる。
【0021】
第2発明及び第4発明にあっては、第1ネットワークの電動機器が自身の動作状態を接続装置へ通信するので、接続装置は動作に応じたノイズの発生状況を認識できる。即ち、各電動機器が動作状態を接続装置に通知することで、1台の電動機器のみが動作しているのか、複数の電動機器が動作しているのか、各電動機器の動作状態は電源スイッチのオン・オフ時であるかなどを接続装置が認識できる。
【0022】
また、接続装置は各種動作により生じたノイズの周波数帯域に係る帯域信号を予め記憶しておくと共に、認識した状況に応じた帯域信号を読み出して送信側車載機器へ伝達することで、送信側車載機器はノイズに干渉しない周波数帯域で変調した信号を受信側車載機器へ送信できる。これにより各電動機器の動作に伴いノイズが生じても、接続装置が動作状態を認識すると共に、認識した内容に応じて各車載機器が通信を行うことで安定したノイズの影響を受けず安定した通信を確保できる。
【0023】
第5発明にあっては、送信対象の信号を多値変調するので、1回の変調で複数ビットの信号が送信可能となり通信効率を向上できる。多値変調としては、周波数の振幅値及び位相差の値を変化させるQAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調を適用でき、さらにQAM変調の種類として4ビットの信号を送信する4QAM、16ビットの信号を送信する16QAM、64ビットの信号を送信する64QAM等が適用できる。
【0024】
なお、他の多値変調としてはPSK(Phase Shift Keying)が適用できると共に、FSK(Frequency Shift Keying)又はASK(Amplitude Shift Keying)のような変調も適用できる。
【0025】
第6発明にあっては、多値変調した信号を逆フーリエ変換するので、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重)信号を生成でき、通信の効率性及び信頼性等を向上できる。例えば、複数ビットを逆フーリエ変換した全体ビットの中のいずれかを周波数保証に用いることで、通信の信頼性を高めることが可能になる。
【0026】
第7発明にあっては、接続装置が送信用の信号を変調する手段を備えるので、接続装置が各車載機器へ信号を送信する場合も信号を変調して送信でき、接続装置及び車載機器の間の通信信頼性も向上できる。なお、接続装置の変調にも上述した送信側車載機器の変調方式を適用することが好適である。また、接続装置が車載機器へ送信する信号には各種制御信号及び帯域信号等がある。
第8発明にあっては、接続装置が受信した信号を復調する手段を備えるので、各車載機器から接続装置へ信号を送信する場合にも、各車載機器は信号を変調して送信でき、電動機器から生じるノイズの影響を回避した通信を行うことができる。
【0027】
第9発明にあっては、ネットワーク対応の車載機器に取り付けられる通信装置が、受信した帯域信号に基づき送信対象の信号を変調するので、状況に応じた周波数帯域での変調処理が可能となり、種々の状況の中でも安定した通信を行うことができる。
第10発明にあっては、接続装置が記憶する帯域信号の中から状況に応じたものを送信するので、外部の機器に対して通信に適切な周波数帯域に係る情報を提供でき、車両内に構築されたネットワークシステムに本発明の接続装置を好適に利用できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る車両内通信システム1の全体的な構成を示している。車両内通信システム1は、第1ネットワークに相当するボディ系ネットワーク2及び第2ネットワークに相当する情報系ネットワーク3を接続装置であるゲートウェイ装置10で接続した構成にしている。なお、ボディ系ネットワーク2と、情報系ネットワーク3の通信規格は相異しており、情報系ネットワーク3の方が高速で通信が行われる。
【0029】
ボディ系ネットワーク2は電動機器としてパワーウインド装置4、ワイパー装置5及びエアコンディショナ6を有しており、情報系ネットワーク3は車載機器としてモニタ7、ナビゲーション機器8及びオーディオ機器9を有している。なお、モニタ7、ナビゲーション機器8及びオーディオ機器9は信号の送信方向に応じて送信側車載機器及び受信側車載機器の両方になり得る。また、ゲートウェイ装置10及び各車載機器7〜9は夫々2本のメタル通信線3a、3b〜3e、3fによりツリー構造で接続されている。
【0030】
ボディ系ネットワーク2ではパワーウインド装置4、ワイパー装置5及びエアコンディショナ6を通信線2aで接続しており、各電動機器4〜6は自己の機能を行うためにモータ及びコンプレッサ等を有し、モータ及びコンプレッサ等を駆動させることで電磁的なノイズが発生する。また、ノイズの発生する程度及びノイズの周波数帯域等は各電動機器4〜6のモータ及びコンプレッサ等の形式及び出力等が異なることより夫々相異している。
【0031】
また、各電動機器4〜6は自己の機能に係る動作の制御を行うECU4a〜6aを夫々設けている。ECU4a〜6aは各種制御を行うMPU、このMPUの制御用プログラムを記憶するROM、制御処理中のデータ等を記憶するRAM及び通信線2aに対する通信インタフェース等を内蔵している。また、本実施形態のECU4a〜6aは、各電動機器4〜6の動作状態をMPUで随時検知しており、動作状態が変化した場合、MPUは変化した動作状態を通知する通知信号を生成してゲートウェイ装置10へ送信する信号送信手段として機能している。
【0032】
動作状態の変化とは、電源スイッチ(図示せず)のオン・オフ操作により、バッテリーから給電開始となった時及び給電終了となった時が該当すると共に、ワイパー装置5及びエアコンディショナ6では、ワイパーの動作速度及び送風する風量等が変更された場合が該当する。各電動機器4〜6のMPUは、このような動作状態を検知して「パワーウインド装置」が「受電開始」、「ワイパー装置」が「高速動作」、「エアコンディショナ」が「風量弱」と云うような変化後の各電動機器4〜6の動作状態を通知する通知信号を送信する制御を行う。
【0033】
一方、ゲートウェイ装置10は、図2に示すように、制御側通信インタフェース10a、MPU10b、ROM10c、RAM10d及びネットワーク通信部10eを有している。制御側通信インタフェース10aはボディ系ネットワーク2の通信線2aとの接続用インタフェースであり、ボディ系ネットワーク2が有する各電動装置4〜6のECU4a〜6a及びゲートウェイ装置10との間で信号の送受信を行う。制御側通信インタフェース10aが各ECU4a〜6aより受信する信号としては、上述した動作状態を通知する通知信号がある。
【0034】
ROM10cは記憶手段に相当し、MPU10bの制御用プログラム及び図4に示す第1テーブル20等を記憶している。第1テーブル20は、ボディ系ネットワーク2が有する各電動機器4〜6の動作状態、帯域番号及び通信可能周波数帯域を夫々対応させた内容になっている。
【0035】
第1テーブル20の通信可能周波数帯域は、対応する電動機器4〜6が動作している場合、電動機器4〜6から発生させるノイズの周波数帯域と干渉しない周波数帯域を示すものである。即ち、電動機器4〜6が動作する場合に生じるノイズの周波数帯域は、実験又はシミュレーション等により予め特定できるため、この特定した周波数帯域と重複しない周波数帯域を通信可能周波数帯域として規定している。
【0036】
例えば、パワーウインド装置4の電源スイッチがオンされて給電開始となった場合、モータの回転に伴い生じるノイズの周波数帯域は、60MHz以上であると実験又はシミュレーション等により予め特定されると、図4の第1テーブル20は、60MHz以上と干渉しない0〜50MHzの範囲を通信可能周波数帯域として規定する。
【0037】
なお、第1テーブル20は、各電動機器4〜6の動作状態に対応した通信可能周波数帯域を規定しており、動作状態には図4に記載していないが各電動機器4〜6の中の複数が同時に動作した場合の通信可能周波数帯域も規定されている。また、第1テーブル20の中の帯域番号は、規定される通信可能周波数帯域ごとに付される番号であり、各帯域番号の各数値が後述する帯域信号に該当する。
【0038】
図2に示すゲートウェイ装置10のRAM10dは、MPU10bの処理に係るデータ及びファイル等を一時的に記憶すると共に、通信に係る信号をバッファ的に記憶することも行う。
【0039】
MPU10bは、ゲートウェイ装置10の全体的な処理を行うものであり、本実施形態では信号読出手段としても機能している。即ち、MPU10bは各電動機器4〜6のECU4a〜6aからゲートウェイ装置10が通知信号を受信した場合、通知信号が通知する動作状態に応じた帯域番号を帯域信号としてROM10cに記憶されている第1テーブル20より読み出す処理を行う。
【0040】
なお、MPU10bは、通知信号に含まれる動作状態を第1テーブル20の検索の手掛かりとして使用することにより対応する帯域番号を読み出している。また、MPU10bは読み出した帯域番号をネットワーク通信部10eより情報系ネットワーク3の各車載機器7〜9へ送信する制御を行う帯域信号送信手段としても機能している。
【0041】
ゲートウェイ装置10のネットワーク通信部10eは、情報系ネットワーク3との通信インタフェースとして機能しており、6本のメタル通信線3a〜3fと接続されてゲートウェイ装置10及び各車載機器7〜9との間で通信を行う。よって、ネットワーク通信部10eは、MPU10bが読み出した帯域信号を情報系ネットワーク3が有する送信側となる車載機器7〜9へ送信する処理を、MPU10bの制御に基づき行う。また、ネットワーク通信部10eは、情報系ネットワーク3の車載機器7〜9の間で信号が通信される場合は、信号を通過させる処理も行う。
【0042】
次に、情報系ネットワーク3が有する各車載機器7〜9の構成を説明する。各車載機器7〜9の通信に係る構成は基本的に同一であるため、以降、オーディオ機器9で代表して説明する。
図3は、オーディオ機器9の通信に係る内部構成を示している。オーディオ機器9は、通信LSI(PHY/LINK)9c及びオーディオ機器9に内蔵されて通信に係る処理を行う通信装置に該当する変復調回路部19を有している。
【0043】
通信LSI9cは情報系ネットワーク3の通信規格に応じた処理を送受信する信号に対して行うものである。本実施形態の通信LSI9cは、送信する信号を「0」及び「1」のビットが連続するデータ列の信号に変換すると共に、受信した信号を内部処理用の形態に変換する処理を行う。なお、通信LSI9cには、オーディオ機器9の機能に係る処理を行う各処理部(図示せず)が接続されている。
【0044】
変復調回路部19は、送信用コネクタ9a及び受信用コネクタ9bと接続されており、デジタル処理LSI19a、D/A変換部19b、送信用LPF(ローパスフィルタ)19c、送信用増幅器19d、受信用増幅器19e、受信用LPF19f、A/D変換部19g及びROM19hを備えている。
【0045】
デジタル処理LSI19aは、変調手段として送信する信号の変調処理を行うと共に復調手段として受信した信号の復調処理を行う。また、変調処理に対してデジタル処理LSI19aは、前処理としてゲートウェイ装置10からオーディオ機器9が受信した帯域信号に基づいて通信に係る周波数を特定してから変調処理を行う。なお、変復調回路部19における帯域信号の受信に関しては、受信用増幅器19e、受信用LPF19f及びA/D変換部19gが帯域信号受信手段として機能する。
【0046】
デジタル処理LSI19aは、前処理の周波数特定にROM19hで記憶される図5に示す第2テーブル21を用いている。
第2テーブル21は、図4に示す第1テーブル20から動作状態の欄を削除したものであり、帯域番号及び通信可能周波数帯域を夫々対応させた内容になっている。よって、デジタル処理LSI19aは、ゲートウェイ装置10から帯域信号を受信した場合、受信した帯域信号が通知する帯域番号を手掛かりにして対応する通信可能周波数帯域を第2テーブル21より決定する。
【0047】
例えば、ゲートウェイ装置19から帯域番号が(2)である帯域信号を受信した場合、帯域番号の(2)に対応する0〜60MHzを通信可能周波数帯域としてデジタル処理LSI19aが決定することになる。よって、デジタル処理LSI19aは、上述したように決定した通信可能周波数帯域内における所要の周波数で送信を行うように変調処理を行う。
【0048】
具体的には、デジタル処理LSI19aは、送信に係る処理として送信対象となる通信LSI9cから伝送されるビットが連続するデジタル信号を複数組のビット列信号に分割する処理を行う。この分割する数は、情報系ネットワーク3の通信規格の通信周期に分割数を乗じた値が、上述した第2テーブル21に基づき決定された通信可能周波数帯域内に収まるように特定される。
【0049】
例えば、デジタル処理LSI19aが、受信した帯域信号に基づき0〜60MHzを通信可能周波数帯域として決定すると共に、情報系ネットワーク3の通信周期が44.1kHzであり、通信LSI9cが1024ビット単位でビットが連続するデジタル信号をデジタル処理LSI19aに伝送する場合を想定する。情報系ネットワーク3の通信周波数は、通信周期に通信する信号数を乗じた数で決まるため、上述した場合、デジタル処理LSI19aは、通信可能周波数帯域内に通信周波数が収まるように、デジタル信号を256組の4ビット列に分割する。
【0050】
このように分割することで、送信される信号の周波数は、通信周期の44.1kHzに分割数の256を乗じた結果の11.2MHzとなり、0〜60MHzの通信可能周波数帯域内に含まれるため、現在、発生しているノイズの影響を受けることなく安定した通信が可能になる。
【0051】
また、デジタル処理LSI19aは分割した数の信号を通信するため、分割した数の信号を多値変調する処理を行う。上述した例で説明すると、デジタル処理LSI19aは、分割した各組の4ビットを計256個の周波数f1〜f256の信号とみなして多値変調処理を行う。この多値変調処理には、本実施形態のデジタル処理LSI19aは通信用搬送波の振幅値及び位相差の値を変化させるQAM変調を用いている。
【0052】
QAM変調は一度の送信で多ビットの信号を送信でき、信号のビット当たりの占有周波数を抑えて効率的な通信を可能にする。また、QAM変調により、デジタル信号を周波数軸に係る信号に変更でき、例えば、計256組の分割信号をQAM変調すると、図6に示すように、各分割信号が、周波数軸に対して各分割信号に応じた振幅値及び位相差の値を有する各周波数f1、f2〜f255、f256に変換されたグラフになる。
【0053】
さらに、デジタル処理LSI19aは、QAM変調された複数の搬送波の周波数成分の信号を逆フーリエ変換(IFFT)することにより各信号成分が直交する位置関係となる正弦波の時系列信号(OFDM信号)を生成する処理を行う。なお、逆フーリエ変換は、情報系ネットワーク3の通信規格で規定される通信周期と同一の周期で行うようにして、信号の通信周期と同期を取っている。上述したように、周波数成分の信号を時系列信号に変換することで、多ビットの信号を並列状態で通信可能となり、通信効率を高めて所要の通信速度を確保できる。さらに、また、デジタル処理LSI19aは、生成した時系列信号のヘッダとなる部分に決定した通信可能周波数帯域を載せる処理も行う。
【0054】
このように生成された時系列信号は、デジタル処理LSI19aより、図3に示すようにD/A変換部19bへ送出されてアナログ信号に変換された後、送信用LPF19cでアナログ信号の高周波成分を除去されて、送信用増幅器19dで適正な電圧レベルに増幅されて送信用コネクタ9aからメタル通信線3eを通じて送信されている。なお、この送信に係る処理では、D/A変換部19b、送信用LPF19c及び送信用増幅器19dが送信手段として機能する。
【0055】
また、変復調回路部19が受信用コネクタ9bより時系列信号を受信する処理に対しては、受信した時系列信号を受信用増幅器19eで適正な電圧レベルに増幅して受信用LPF19fで高周波成分を除去し、A/D変換部19gへ伝送している。
【0056】
A/D変換部19gは伝送されたアナログの時系列信号を情報系ネットワーク10の通信周期に同期させてサンプリング処理を行う。なお、1回当たりのサンプリング時間は、情報系ネットワーク3の通信周期に信号の分割数の2倍以上の数値をかけた値の逆数時間になる。また、A/D変換部19gはサンプリングしたアナログ信号をデジタル信号に変換して、このデジタルの時系列信号をデジタル処理LSI19aへ伝送している。
【0057】
デジタル処理部LSI19aは、復調に係る処理として、伝送されたデジタルの時系列信号に対しフーリエ変換(FFT)を行い、時系列信号を256組の周波数f1〜f256の周波数成分の信号に戻している。さらに、デジタル処理LSI19aは、複数の周波数成分の信号を元の分割信号に復調してから、各分割信号を統合して分割前のビットが連続したデジタル信号を生成している。このように生成されたデジタル信号の中で、受信した信号のヘッダに載せられた通信可能周波数帯域に含まれる信号が、デジタル処理LSI19aより通信LSI9cへ伝送されて、変復調回路部9の受信処理が終了する。
【0058】
上述した変復調回路部19の送受信に係る変復調処理を具体的な数値を用いて説明すると、例えば、情報系ネットワーク3の通信周期が44.1kHzであり、1組当たり6ビットで計256組の分割信号を作成した場合、理論上、1秒間に送信できるデータは44100×256×6=約64Mbitになる。
【0059】
なお、実際にデータを通信する場合は、分割信号の複数の搬送波の周波数のいずれかを誤り訂正等に用いて通信の信頼性を高めることが好ましい。よって、上述した通信条件で1秒間に最大64Mbitのデータを通信できる場合でも、実際に通信するデータは50Mbps程度に設定するのが好適である。
【0060】
次に、上述した構成の車両内通信システム1において、ワイパー装置5が動作を開始した状態で、図7に示すようにナビゲーション機器8からモニタ7へ信号を送信する場合の車両内通信方法に係る一連の処理を図8のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、ワイパー装置5が操作スイッチのオンにより動作を開始したとき(S1)、ワイパー装置5のECU5aが動作開始を検知して、ワイパー装置5が動作開始状態である旨を通知する通知信号をゲートウェイ装置10へ送信する(S2)。
【0061】
ゲートウェイ装置10は、受信した通知信号に伴い対応する帯域信号を第1テーブル20より読み出して(S3)情報系ネットワーク3へ送信する(S4)。送信された帯域信号は、情報系ネットワーク3のナビゲーション機器8が受信し、デジタル処理LSI18aが帯域信号に含まれる帯域番号を手掛かりにしてROM18hに記憶される第2テーブル21より通信可能周波数帯域を決定する(S5)。
【0062】
通信可能周波数帯域の決定後、ナビゲーション機器8のデジタル処理LSI18aは、通信LSI8cから伝送されるビットが連続するデジタル信号を、通信可能周波数帯域に通信周波数が含まれるように複数組のビット列で分割してからQAM変調及び逆フーリエ変換を行ってOFDM信号を生成し、このOFDM信号をD/A変換部18b及び送信用LPF18c等の処理を経てモニタ7へ送信する(S6)。
【0063】
送信された信号はゲートウェイ装置10を通過してモニタ7で受信され、受信用増幅部17e及び受信用LPF17f等の処理を経てデジタル処理LSI17aでフーリエ変換等の復調処理が行われ、元のデジタル信号に戻される(S7)。元に戻されたデジタル信号はデジタル処理LSI17aより通信LSI7cへ伝送されてモニタ7の表示に係る処理が行われる。
【0064】
よって、本発明の車両内通信方法では、車両Sに搭載された電動機器4〜6からノイズが生じても、車載機器7〜9はノイズに干渉しない通信周波数で通信を行うので安定した通信を確保できると共に、QAM変調及び逆フーリエ変換等による処理で通信の高速化及び効率化も同時に達成している。
【0065】
なお、本発明は上述した形態に限定されるものではなく、種々の変形例の適用が可能である。例えば、各車載機器7〜9でのQAM変調には、さらに多くの複数ビットに変調する16QAM、64QAM、128QAM及び256QAM等を使用することも可能である。また、QAM変調以外の多値変調にはPSK変調の適用が可能であり、他の変調方式であるFSK、ASKのような変調も適用できる。
【0066】
また、第1テーブル20及び第2テーブル21に記憶する周波数帯域は、ノイズに干渉しない通信可能周波数帯域を規定するのではなく、ノイズの周波数を含む通信不能周波数帯域を規定するようにしてもよい。この場合、各車載機器7〜9は、帯域信号の受信に応じてノイズにより通信に不適な周波数帯域を特定でき、この特定した周波数帯域に含まれない周波数帯域で通信を行うように変調処理を行うことになる。
【0067】
さらに、第1テーブル20は、帯域番号の規定を省略することも可能であり、この場合は、通知信号により通知された動作状態に対応する通信可能周波数帯域又は通信不能周波数帯域を帯域信号として各車載機器7〜9に送信することになる。また、各車載機器7〜9は帯域信号の受信により通信可能周波数帯域又は通信不能周波数帯域を認識できるので、第2テーブルの記憶を不要にできる。
【0068】
さらに、また、ゲートウェイ装置10から各車載機器7〜9へ各種信号を送信することがあるシステムでは、図2に示すネットワーク通信部10eに、図7のナビゲーション機器8の変復調回路部18における送信系処理用のデジタル処理LSI18aの変調処理に係る部分及びD/A変換部18b等を信号変調手段及び変調信号送信手段として設け、送信対象の信号に変調処理を行うと共に変調した変調信号を送信するようにしてもよい。このようにすることで、ゲートウェイ装置10から信号が送信される場合もノイズに影響されることなく安定した通信を確保できる。なお、ゲートウェイ装置10に設ける各変調処理部にも上述した各種変形例の適用が可能である。
【0069】
また、ゲートウェイ装置10が各車載機器7〜9からのゲートウェイ装置10宛の信号を受信することがあるシステムでは、ネットワーク通信部10eに、図7のモニタ7の変復調回路部17における受信系処理用のデジタル処理LSI17aの復調処理に係る部分及びA/D変換部17g等を信号復調手段及び信号受信手段として設け、受信した信号を元の信号の復調処理を行うようにしてもよい。このようにすることで、ゲートウェイ装置10が受信する場合もノイズに影響されることがなくなる。
【0070】
なお、情報系ネットワーク3は、ツリー構造でネットワークを構築する以外に、リング構造又はデイジーチェーン構造等で構築することも可能である。
【0071】
【発明の効果】
以上に詳述した如く、第1発明及び第3発明にあっては、接続装置からの帯域信号に基づき送信側車載機器が送信対象の信号を変調して送信するので、送信側車載機器は接続装置が伝達する状況に応じた周波数帯域で安定した通信を行うことができる。
第2発明及び第4発明にあっては、第1ネットワークの電動機器が自身の動作状態を接続装置へ通信するので、接続装置は動作に応じたノイズの発生状況を認識できると共に、認識したノイズの周波数帯域に係る帯域信号を送信側車載機器へ伝達するので、送信側車載機器はノイズに干渉しない周波数帯域で変調した信号を受信側車載機器へ送信できる。
【0072】
第5発明にあっては、送信対象の信号を多値変調するので、1回の変調で複数ビットの信号が送信して通信効率を向上できる。
第6発明にあっては、多値変調した信号を逆フーリエ変換するので、OFDM信号を生成して通信の効率性及び信頼性等を向上できる。
【0073】
第7発明にあっては、接続装置が送信用の信号を変調する手段を備えるので、接続装置が各車載機器へ送信する信号を変調して送信でき、接続装置及び車載機器の間の通信信頼性を向上できる。
第8発明にあっては、接続装置が信号を復調する手段を備えるので、各車載機器から接続装置へ変調した信号を送信する場合にも、接続装置は受信した信号を復調することで、電動機器の動作に基づく影響を回避した通信を行うことができる。
【0074】
第9発明にあっては、ネットワーク対応の車載機器に取り付けられる通信装置が、受信した帯域信号に基づき送信対象の信号を変調するので、状況に応じた周波数帯域で変調処理を行って通信の安定性を確保できる。
第10発明にあっては、接続装置が記憶する帯域信号の中から状況に応じた帯域信号を送信するので、外部の通信を行うネットワーク用の機器に対して通信に適切な周波数帯域に係る情報を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る車両内通信システムの全体構成図である。
【図2】ゲートウェイ装置の内部構成図である。
【図3】オーディオ機器の通信に係る内部構成図である。
【図4】第1テーブルの図表である。
【図5】第2テーブルの図表である。
【図6】周波数軸における分割信号のグラフである。
【図7】ナビゲーション機器からモニタへの通信に係る構成の概略図である。
【図8】車両内通信方法に係るフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両内通信システム
2 ボディ系ネットワーク
3 情報系ネットワーク
3a〜3f メタル通信線
4〜6 電動機器(パワーウインド装置、ワイパー装置等)
4a〜6a ECU
7〜9 車載機器(モニタ、ナビゲーション機器等)
10 ゲートウェイ装置
10b MPU
10c ROM
17、18、19 変復調回路部
17a、18a、19a デジタル処理LSI
20 第1テーブル
21 第2テーブル
S 車両
Claims (10)
- 接続装置に接続してあるネットワークが有する送信側車載機器及び受信側車載機器の間で通信を行う車両内通信方法において、
前記接続装置は、
通信の周波数帯域に係る帯域信号を前記送信側車載機器へ送信し、
前記送信側車載機器は、
受信した帯域信号に基づいて送信対象の信号を変調し、
変調した信号を前記受信側車載機器へ送信し、
前記受信側車載機器は、
受信した信号を復調することを特徴とする車両内通信方法。 - 電動機器を有する第1ネットワークに接続装置で接続してある第2ネットワークが有する送信側車載機器及び受信側車載機器の間で通信を行う車両内通信方法において、
前記電動機器は、
動作状態を通知する通知信号を前記接続装置へ送信し、
前記接続装置は、
前記電動機器の動作により生じるノイズの周波数帯域に係る帯域信号を記憶する記憶手段を備えており、
前記通知信号を受信した場合、該通知信号が通知する動作状態に応じた帯域信号を前記記憶手段から読み出し、
読み出した帯域信号を前記送信側車載機器へ送信し、
前記送信側車載機器は、
受信した帯域信号に基づいて送信対象の信号を変調し、
変調した信号を前記受信側車載機器へ送信し、
前記受信側車載機器は、
受信した信号を復調することを特徴とする車両内通信方法。 - 接続装置に接続してあるネットワークが有する送信側車載機器及び受信側車載機器の間で通信を行う車両内通信システムにおいて、
前記接続装置は、
通信の周波数帯域に係る帯域信号を前記送信側車載機器へ送信する帯域信号送信手段を備え、
前記送信側車載機器は、
受信した帯域信号に基づいて送信対象の信号の変調を行う変調手段と、
該変調手段が変調を行った信号を前記受信側車載機器へ送信する送信手段と
を備え、
前記受信側車載機器は、
受信した信号を復調する復調手段を備えることを特徴とする車両内通信システム。 - 電動機器を有する第1ネットワークと、送信側車載機器及び受信側車載機器を有する第2ネットワークとを接続装置で接続してある車両内通信システムにおいて、
前記電動機器は、
動作状態を通知する通知信号を前記接続装置へ送信する信号送信手段を備え、
前記接続装置は、
前記電動機器の動作により生じるノイズの周波数帯域に係る帯域信号を記憶する記憶手段と、
前記通知信号を受信した場合、該通知信号が通知する動作状態に応じた帯域信号を前記記憶手段から読み出す信号読出手段と、
該信号読出手段が読み出した帯域信号を前記送信側車載機器へ送信する帯域信号送信手段と
を備え、
前記送信側車載機器は、
受信した帯域信号に基づいて送信対象の信号の変調を行う変調手段と、
該変調手段が変調を行った信号を前記受信側車載機器へ送信する送信手段と
を備え、
前記受信側車載機器は、
受信した信号を復調する復調手段を備えることを特徴とする車両内通信システム。 - 前記変調手段は、送信対象の信号を多値変調する手段を備える請求項3又は請求項4に記載の車両内通信システム。
- 前記変調手段は更に、多値変調した信号を逆フーリエ変換する手段を備える請求項5に記載の車両内通信システム。
- 前記接続装置は、
送信用の信号を変調する信号変調手段と、
該信号変調手段が変調した変調信号を前記受信側車載機器へ送信する変調信号送信手段と
を備える請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の車両内通信システム。 - 前記接続装置は、
前記送信側車載機器が送信した信号を受信する信号受信手段と、
該信号受信手段が受信した信号を復調する信号復調手段と
を備える請求項3乃至請求項7のいずれかに記載の車両内通信システム。 - ネットワーク用の車載機器に取り付けられて通信を行う通信装置において、
外部から通信の周波数帯域に係る帯域信号を受信する帯域信号受信手段と、
該帯域信号受信手段が受信した帯域信号に基づいて送信対象の信号を変調する変調手段と
を備えることを特徴とする通信装置。 - 複数のネットワーク間の接続を行う接続装置において、
外部から信号を受信する受信手段と、
周波数帯域に係る帯域信号を記憶する記憶手段と、
前記受信手段が受信した信号に基づいて帯域信号を前記記憶手段から読み出す信号読出手段と、
該信号読出手段が読み出した帯域信号を外部へ送信する帯域信号送信手段と
を備える接続装置。
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- 2003-03-03 JP JP2003056212A patent/JP2004266664A/ja active Pending
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