JP2007258657A - 面発光レーザ装置、受光装置及びそれを用いた光通信システム - Google Patents

面発光レーザ装置、受光装置及びそれを用いた光通信システム Download PDF

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俊一 大西
Tetsuzo Ueda
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Abstract

【課題】部品点数が少なく且つ複雑な調整工程を必要とすることなく偏波多重光信号を出射可能な面発光レーザ装置を実現できるようにする。
【解決手段】面発光レーザ装置は、1枚の基板に形成された発光部11A、発光部11B、発光部11C及び発光部11Dの4つの発光部からなる。各発光部はそれぞれ、独立した上部電極を備えており、互いに独立して駆動することができる。発光部11Aにおける開口部45の配列方向に対して、発光部11B、発光部11C及び発光部11Dのそれぞれにおける開口部45の配列方向は、時計回り方向に45度、90度及び135度回転した方向となっている。これにより、発光部11Aからの出射光に対して発光部11Bでは45度、発光部11Cでは90度及び発光部11Dでは135度回転した直線偏光方向を有する光をそれぞれ得ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、偏波多重方式の光通信に用いる面発光レーザ装置、受光装置及びそれを用いた光通信システムに関する。
近年の急増する情報通信需要に応じて、通信速度の高速化及び通信容量の大容量化が急務となっている。このため、送信部のレーザ装置及び受信部のフォトディテクタ等の電気信号と光信号とを相互に変換する個別素子の変調帯域の拡大を図ると共に、波長多重及び偏波多重等の通信方式を採用することによる伝送容量の向上が図られている。このうち相異なる偏波状態の光信号を1本の光ファイバを用いて同時に伝送する偏波多重方式は、偏波状態の数だけチャネルを増やすことができ、通信容量を増大させることを可能とする。
偏波多重光信号を発生させる手段としては以下のような例が特許文献1に記載されている。図19に示すように2つのレーザ装置の出力を偏波保持光ファイバとそれぞれ結合し、2本の偏波保持光ファイバを互いに偏波が90度異なる方向となるようにして偏波多重プリズム201の入力側に接続する。偏波多重プリズム201の出力側から光ファイバに取り出された信号は、互いに偏波が90度異なる2つの偏波状態の光信号を含む偏波多重光信号となる。
特開2003−124913号公報
しかしながら従来の構成によれば、偏波多重光信号を発生させる手段として、偏波多重プリズムと、入力側に設けられた2本の偏波保持光ファイバと、出力側に設けられた1本の偏波保持光ファイバとが必要となるため、部品点数が増大し、システムが大型化すると共に、コストが増大するという問題がある。
さらに、プリズムと光ファイバとを結合させる結合部が必要となるため、結合ロスにより長距離通信が困難になる。また、2本の光ファイバを互いに偏波が90度異なる方向となるように光ファイバをプリズムと結合させなければならず、光ファイバの位置及び光ファイバとプリズムとの結合角度等を調整する工数が必要となるため、低コスト化が困難となるという問題がある。
また、多チャネルの偏波多重光信号を受信する場合は、偏波多重光信号に含まれる偏波状態の数だけ検光子及び受光装置を設ける必要があり、受信側を簡略化することも求められている。さらに、偏波多重信号をプリズム等により分割する必要があり、その結果信号強度が低下するため、S/N比が悪化する等の問題もある。
本発明は前記従来の問題を解決し、部品点数が少なく且つ複雑な調整工程を必要とすることなく偏波多重光信号を出射可能な面発光レーザ装置、偏波多重光信号に含まれる複数チャネルの信号を検出する受光装置及び偏波多重の光通信システムを実現できるようにすることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は面発光レーザ装置を、互いに偏波方向が異なる複数のレーザ光を出射する構成とする。
具体的に本発明に係る面発光レーザ装置は、基板に互いに近接して形成され且つ直線偏光方向が互いに異なるレーザ光を出射する複数の発光部を備えていることを特徴とする。
本発明の面発光レーザ装置によれば、直線偏光方向が互いに異なるレーザ光を出射する複数の発光部を備えているため、部品を追加することなく直線偏光方向が異なる複数のレーザ光を得ることができる。また、複数の発光部が互いに近接して形成されているため、各発光部からのレーザ光を1本の光ファイバに直接結合することができる。従って、偏波多重プリズム等を用いることなく、偏波多重光信号光を得ることができるので、光ファイバとプリズムとの間における結合ロスが生じない。また、光ファイバとプリズムとの結合角度を調整する必要がない。その結果、部品点数が少なく、複雑な調整を必要としない、偏波多重の光通信に用いることができる面発光レーザ装置を実現することができる。
本発明の面発光レーザ装置において、複数の発光部は、径が100μmの領域内に形成されていることが好ましい。このような構成とすることにより、各発光部から出射されたレーザ光を、一般的な通信用の光ファイバと直接結合することができる。
本発明の面発光レーザ装置において、各発光部はそれぞれ、該各発光部のレーザ光の出射面側に設けられ且つ金属層を含む金属ホールアレイを有し、各金属層は、それぞれが長手方向と直交する方向の幅がレーザ光の発振波長以下である開口形状を有し且つ長手方向と直交する方向を所定の方向にそろえて周期的に形成された複数の開口部を有し、各金属ホールアレイ同士は、長手方向と直交する方向が互いに異なっていることが好ましい。
このような構成であれば、開口部が周期的に配置されているため、レーザ光と金属層との間で表面プラズモン共鳴が生じ、金属層を介してレーザ光を外部に出射することが可能となる。また、開口面の形状が異方性を有するため、表面プラズモン共鳴効果に方向依存性が生じ、一方向における光透過率のみを高くすることができる。従って、所定の直線偏光方向を有する出射光を得ることができる。さらに、各開口部は、発光部ごとに短軸を所定の方向にそろえて配置されており、所定の方向は、発光部ごとに異なっているため、各発光部から互いに異なった直線偏光方向の出射光を得ることが可能となる。
本発明の面発光レーザ装置において、各開口部の開口形状は楕円形状又は方形状であることが好ましい。このような構成とすることにより、偏光比が高く、高出力の出射光を得ることができる。
本発明の面発光レーザ装置において、複数の開口部は正方格子状に配置され、開口部の格子間隔をP、金属層の誘電率をε、金属層の上面又は下面と接する媒質の誘電率をε、レーザ光の発振波長をλ、i及びjを負でない整数としたときに、Pが0.9×P≦λ×(i+j1/2/(εε/(ε+ε))1/2≦1.1×Pの関係を満たすことが好ましい。このような構成とすることにより、金属層において確実に表面プラズモン共鳴を生じさせることが可能となる。
本発明の面発光レーザ装置において、複数の開口部は金属層ごとに格子状に配置されており、格子の方向は長手方向と一致していることが好ましい。また、格子の方向は長手方向と直交する方向と一致していてもよい。この場合において、各開口部の開口形状は楕円形状又は方形状であり、格子は六方格子であることが好ましい。このような構成とすることにより、開口部の長手方向又は長手方向と直交する方向と開口部の配列方向とが一致する方向に直線偏光方向を制御することができるので、特に高い偏光比を有する出射光を得ることができる。
本発明の面発光レーザ装置において各発光部はそれぞれ、該各発光部のレーザ光の出射面側に設けられ且つレーザ光の発振波長以下の径を有する複数の開口部が周期的に形成された金属層を含む金属ホールアレイを有し、複数の開口部の配置は、互いに長さが異なる2つの格子間隔を有する長方格子状であり、長方格子の格子方向は、金属ホールアレイごとに異なっていることが好ましい。
この場合において、2つの格子間隔のうちのいずれか一方の長さは、レーザ光に対して表面プラズモン共鳴条件を満たしていることが好ましい。また、2つの格子間隔のうちのいずれか一方の長さをPと、金属層の誘電率をε、金属層の上面又は下面と接する媒質の誘電率をε、レーザ光の発振波長をλ、i及びjを負でない整数としたときに、Pが0.9×P≦λ×(i+j1/2/(εε/(ε+ε))1/2≦1.1×Pの関係を満たすことが好ましい。このような構成とすることにより、各発光部から表面プラズモン共鳴条件を満たす方向に直線偏波した出射光を得ることができる。さらに開口部の配列方向が発光部ごとに異なっているため、各発光部から互いに異なった直線偏光方向の出射光を得ることが可能となる。
本発明の面発光レーザ装置において各発光部はそれぞれ、各発光部のレーザ光の出射面側に設けられ且つレーザ光の発振波長以下の開口幅を有するストライプ状の複数の開口部が周期的に形成された金属層を含む金属ホールアレイを有し、ストライプが延びる方向は、金属ホールアレイごとに互いに異なっていることが好ましい。このような構成とすることで、各発光部からストライプが延びる方向と垂直な方向に直線偏光した出射光を得ることができる。さらに発光部ごとにストライプ方向が異なるため、異なる直線偏光方向の出射光を近接した領域から得ることが可能となる。
本発明の面発光レーザ装置において基板は半絶縁性であり、各発光部は基板に形成された溝部によって互いに電気的に分離された領域にそれぞれ形成されていることが好ましい。この場合において各発光部は、それぞれ基板の上に形成された複数の半導体層からなる半導体層積層体と、半導体層積層体に電圧を印加する2つの電極とを有し、2つの電極は、基板の一の面の側にいずれも形成されていることが好ましい。このような構成とすることで素子間の電気的なクロストークを防止し、発光部ごとに偏波面の安定した面発光レーザ装置を得ることができる。
本発明に係る受光装置は、基板に互いに近接して形成され、受光面に入射した光のうちの互いに異なる直線偏光方向を有する光を検出光としてそれぞれ検出する複数の受光部を備えていることを特徴とする。
本発明の受光装置によれば、受光面に入射した光のうちの互いに異なる直線偏光方向を有する光を検出光としてそれぞれ検出するする複数の受光部を備えているため、1つの受光装置により多チャネルの偏波多重光信号の各チャネルの信号を検出することができる。また、複数の受光部が近接して形成されているため、光ファイバと直接結合することができる。従って、偏波多重光通信システムの受信機の構成を簡略化することができる。
本発明の受光装置において、複数の受光部は径が100μmの領域内に形成されていることが好ましい。このような構成とすることにより、受光装置を光ファイバと直接結合することが可能となる。
本発明の受光装置において、各受光部はそれぞれ、該各受光部の受光面側に設けられ且つ金属層を含む金属ホールアレイを有し、各金属層は、それぞれが長手方向と直交する方向の幅がレーザ光の発振波長以下である開口形状を有し且つ長手方向と直交する方向を所定の方向にそろえて周期的に形成された複数の開口部を有し、各金属ホールアレイ同士は、長手方向と直交する方向が互いに異なっていることが好ましい。このような構成とすることにより、各受光部が異なった直線偏光方向を有する光を検出することが可能となる。また、金属ホールアレイが光の波長に対するフィルタとして機能するため、信号以外の不要な光の影響を受けることがなく、高精度な光通信システムを実現することができる。
本発明の受光装置において、各開口部の開口形状は楕円形状又は方形状であることが好ましい。
本発明の受光装置において、複数の開口部は正方格子状に配置され、開口部の格子間隔をP、金属層の誘電率をε、金属層の上面又は下面と接する媒質の誘電率をε、検出光の波長をλ、i及びjを負でない整数としたときに、Pが0.9×P≦λ×(i+j1/2/(εε/(ε+ε))1/2≦1.1×Pの関係を満たすことが好ましい。このような構成とすることにより、表面プラズモン共鳴効果を利用することができるので、装置を高感度化又は小型化することが可能となる。
本発明の受光装置において、複数の開口部は金属層ごとに格子状に配置されており、格子の方向は長手方向と一致していることが好ましい。また、格子の方向は長手方向と直交する方向と一致していてもよい。
本発明の受光装置において、各開口部の開口形状は楕円形状又は方形状であり、格子は六方格子であることが好ましい。
本発明の受光装置において、各受光部はそれぞれ、各受光部の受光面側に設けられ且つレーザ光の発振波長以下の径を有する複数の開口部が周期的に形成された金属層を含む金属ホールアレイを有し、複数の開口部の配置は、互いに長さが異なる2つの格子間隔を有する長方格子状であり、長方格子の格子方向は、金属ホールアレイごとに異なっていることが好ましい。
この場合において、2つの格子間隔のうちのいずれか一方の長さは、検出光に対して表面プラズモン共鳴条件を満たしていることが好ましい。また、2つの格子間隔のうちのいずれか一方の長さをPと、金属層の誘電率をε、金属層の上面又は下面と接する媒質の誘電率をε、レーザ光の発振波長をλ、i及びjを負でない整数としたときに、Pが0.9×P≦λ×(i+j1/2/(εε/(ε+ε))1/2≦1.1×Pの関係を満たすことが好ましい。
本発明の受光装置において各受光部はそれぞれ、受光面側に設けられ且つ検出光の波長以下の開口幅を有するストライプ状の複数の開口部が周期的に形成された金属層を含む金属ホールアレイを有し、ストライプが延びる方向は、金属ホールアレイごとに互いに異なっていることことが好ましい。
本発明の受光装置において基板は半絶縁性であり、各受光部は基板に形成された溝部によって互いに電気的に分離された領域にそれぞれ形成されていることが好ましい。この場合において各受光部は、基板の上に形成され、2つの電極を有するフォトダイオードであり、2つの電極は基板の一の面の側にいずれも形成されていることが好ましい。このような構成とすることにより受光装置を高速に動作させることが可能となる。
本発明に係る光通信システムは、本発明の面発光レーザ装置を含み、面発光レーザ装置の各発光部から出射された互いに直線偏光方向が異なる複数のレーザ光からなる多チャネルの偏波多重光信号を出力する送信機と、多チャネルの偏波多重光信号を、各チャネルに分離して検出する受信機とを備えていることを特徴とする。
本発明の光通信システムによれば、面発光レーザ装置を含み、面発光レーザ装置の各発光部から出射された互いに直線偏光方向が異なる複数のレーザ光の各々をチャネルとする偏波多重光信号を出力する送信機を備えているため、簡単な構成で偏波多重通信が可能となり、大容量のデータ通信を低コストで実現できる。
本発明の光通信システムにおいて、受信機は、本発明の受光装置を含むことが好ましい。このような構成とすることにより、受信機の構成も簡略化することができる。
本発明の光通信システムにおいて、受信機は回転可能に設けられ回転角度に応じて所定の直線偏光方向を有するの光のみを透過させる検光子と、検光子を透過した光を検出する受光部とを含むことが好ましい。このような構成とすることにより、簡単な構成で時分割の偏波多重光通信が実現できる。この場合において、検光子は、長手方向と直交する方向の幅が偏波多重光信号の波長以下であり、長手方向と直交する方向を一方向にそろえて形成された複数の開口部を有する金属膜を含む金属ホールアレイを含むことが好ましい。
本発明の光通信システムは、偏波多重光信号の直線偏光方向を保持して受信機に伝送する光ファイバをさらに備えていることが好ましい。この場合において、光ファイバは、各発光部から出射された複数のレーザ光が直接結合されることが好ましい。このような構成とすることにより、光ファイバとプリズムとの間における結合ロスが生じない。また、光ファイバとプリズムとの結合角度を調整する必要がない。
本発明の光通信システムにおいて、偏波多重光信号は、空間伝送方式により受信機に伝送することが好ましい。このような構成とすることにより、見通し距離であれば、簡単に偏波多重光通信が可能となる。また、光ファイバを用いた場合と異なり、空間的な方向が変化することがないので、送信機と受信機との対応関係を容易に規定することができる。
この場合において、送信機から出力された偏波多重光信号を集光するレンズをさらに備えていることが好ましい。このような構成とすることにより、出射光が空間的に広がることを抑制し、通信距離を伸ばすことが可能となる。
本発明に係る面発光レーザ装置及び受光装置によれば、部品点数が少なく且つ複雑な調整工程を必要とすることなく偏波多重光信号を出射可能な面発光レーザ装置、偏波多重光信号に含まれる複数チャネルの信号を検出する受光装置及び偏波多重の光通信システムを実現できる。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は第1の実施形態に係る面発光レーザ装置の平面構成を示し、図2は図1の2点差線枠内を拡大して示している。なお、図2における両矢印は各発光部から出射されるレーザ光の直線偏光の方向を示している。
本実施形態の面発光レーザ装置は、図1に示すように基板10に形成された発光部11A、発光部11B、発光部11C及び発光部11Dの4つの発光部からなる。各発光部は、上部電極12A、上部電極12B、上部電極12C及び上部電極12Dをそれぞれ備えており、互いに独立に駆動することができる。
また、また、図2に示すように各発光部から出射されるレーザ光は、互いに異なった直線偏光方向を有している。このため、4系統の電気信号をそれぞれ直線偏光方向が異なるレーザ光信号に変換することができる。
図3は第1の実施形態に係る面発光レーザ装置を用いた光通信システムを示している。図3に示すように各発光部は近接して形成されているため、各発光部からの出射光を1本の光ファイバ26に直接結合することができる。本実施形態においては、隣接する発光部の間隔が30μmに設定されているため、コア径が50μmの一般的なマルチモードファイバにすべての発光部を直接結合させることが可能である。すなわち、4種類の互いに直線偏光方向が異なるレーザ光信号を、1本の光ファイバに直接結合し偏波多重状態で送信することが可能となる。なお、図3における矢印は、各発光部から出射されたレーザ光を示している。
本実施形態の面発光レーザ装置によれば、各発光部から出射されたレーザ光を光ファイバに結合する際に、プリズム等の光学素子を用いる必要がないため、結合ロスがほとんどない。また、プリズムと光ファイバとの結合角度の調整等も不要である。
次に、本実施形態の面発光レーザ装置の構造と動作原理について詳細に説明する。図4は図2のIV−IV線における断面構成を示している。図4に示すように、第1の実施形態に係る面発光レーザ装置は、n型のガリウムヒ素(GaAs)からなる基板10の上に、n型下部多層膜反射鏡31が形成されている。n型下部多層膜反射鏡31は、n型のAl0.12Ga0.88As層とn型のAl0.90Ga0.10As層が交互に積層された多層膜である。各層の膜厚はλ/4n(但し、λはレーザ発振波長であり、nは媒質の屈折率である。)であり、34.5周期積層されている。なお、n型不純物としてシリコンがドーピングされている。
n型下部多層膜反射鏡31の上には、Al0.30Ga0.70Asからなる下部スペーサ層32と、量子井戸層33と、Al0.30Ga0.70Asからなる上部スペーサ層34とが積層され、量子井戸活性層が形成されている。量子井戸層33は、ノンドープのGaAsからなる井戸層と、Al0.30Ga0.70Asからなる障壁層とが交互に積層されて形成されており、井戸層の数は3周期である。量子井戸活性層全体の膜厚はλ/nである。
量子井戸活性層の上には、p型のAl0.98Ga0.02As層35aと、AlGaAs酸化物層35bとからなる電流狭窄層35が形成されており、電流狭窄層35の上にはp型上部多層膜反射鏡36が形成されている。
p型上部多層膜反射鏡36は、厚さがそれぞれλ/4nのp型のAl0.12Ga0.88As層とp型のAl0.90Ga0.10As層とが交互に12周期積層された多層膜であり、p型不純物としてカーボンがドーピングされている。
p型上部多層膜反射鏡36の上にはp型のGaAsからなるp型コンタクト層37が形成されており、p型コンタクト層37には上部電極との接触抵抗を低減するためにp型不純物であるカーボンが1×1019cm−3以上の濃度でドーピングされている。
p型コンタクト層37、p型上部多層膜反射鏡36、電流狭窄層35、量子井戸活性層及びn型下部多層膜反射鏡31の一部は、n型下部多層膜反射鏡31の一部が露出するまで選択的に除去されて形成された凹部によって他の領域と隔てられ、直径が20μmのメサ部が形成されている。
メサ部を囲む凹部の底面及び側壁には、SiOからなる第1の保護層38が形成され、第1の保護層38が形成された凹部を埋めるようにBCB樹脂膜39が形成されている。BCB樹脂膜39の上面と、メサ部の上面とは段差なく平坦に接続されている。BCB樹脂膜39の上とメサ部の上面の一部とを覆うようにSiOからなる第2の保護層40が形成されている。
メサ部においてp型コンタクト層37の上には金属反射鏡である金属ホールアレイ13が形成されており、金属ホールアレイ13は、膜厚が113nmのSiOからなる中間層41と、膜厚が200nmの銀(Ag)からなる金属層42と、膜厚が200nmのSiNからなるキャップ層43とから構成されている。本実施形態において金属ホールアレイ13の直径は5μmとした。
金属層42には、長軸の長さが250nmで短軸の長さが150nmの楕円形状の開口形状を有する開口部45が、525nmの周期で正方格子状に形成されている。また、各開口部45は、開口の向きを一方向にそろえて配置されている。なお、開口部45の開口形状は、幅が長さよりも短く且つ幅が出射光の波長よりも短い異方性を有する形状であればよい。例えば、長円形状、長方形状又は菱形状等であってもよく、この場合には短軸の長さが出射光の波長よりも短ければよい。また、三角形状又は四辺形状等の一軸に対称又は対称軸を有さない形状であってもよく、この場合には、長手方向と直交する方向の幅が出射光の波長よりも短ければよい。
p型コンタクト層37の上には、金属ホールアレイ13が形成された領域を除いて、上部電極12が形成されており、基板10の裏面には、下部電極44が形成されている。
以下に、本実施形態の面発光レーザ装置の動作について、図4を再度参照しながら説明する。上部電極12、下部電極44にバイアス電圧が印加されると、上部電極12からp型コンタクト層37及びp型上部多層膜反射鏡36を介して電流が流れる。電流は電流狭窄層35においてp型Al0.98Ga0.02As層35aに狭窄された後、量子井戸層33に注入され、量子井戸層33においてキャリアの再結合が生じる。その結果、量子井戸層33において発光が生じ、n型下部多層膜反射鏡31と、p型上部多層膜反射鏡36及び金属ホールアレイ13とにより構成された共振器内において発振し、波長が850nmのレーザ発振が生じる。
本実施形態においては、金属ホールアレイ13には開口部45が525nmの周期で正方格子状に設けられた金属層42が設けられている。開口部45の格子間隔Pは式(1)に示す表面プラズモン共鳴条件を満たしている。
0.9×P≦λ×(i+j1/2/(εε/(ε+ε))1/2≦1.1×P・・式(1)
ここで、λはレーザ光の波長、i及びjは負でない整数(0、1、2、・・・)、εは金属層42の誘電率、εは金属層42の上面又は下面と接する媒質の誘電率である。
本実施形態においては、レーザ光の発光波長λは850nmであり、Agからなる金属層42の誘電率εは−32であり、金属層42の下面はSiOと接しているため誘電率εは2.25であり、(i+j)=1とすると、表面プラズモン共鳴条件を満たす開口部45の格子間隔Pの範囲は、式(1)から495nm〜605nmとなる。従って、本実施形態の開口部45の格子間隔は、表面プラズモン共鳴条件を満たしている。
このように金属層42に表面プラズモン共鳴条件を満たすように開口部45を配置することにより、共振器内において発振した850nmの光が、金属層42の表面において表面プラズモンに効率良く変換される。また変換された表面プラズモンは金属層42のキャップ層43側で再び光に変換され共振器外部に出射される。
さらに、本実施形態においては開口部45の開口形状を楕円形状としているため、金属ホールアレイ13を透過するレーザ光の透過率はレーザ光の直線偏光方向に依存する。図5はガラス基板上に金属ホールアレイ13を形成した試料において、楕円の短軸に平行な方向の直線偏光光と長軸に平行な方向の直線偏光光とを入射させて透過光の強度をそれぞれ測定した結果を、強度比として示している。但し、開口部45の格子間隔Pは550nmとした。
図5に示すように開口部45の形状に異方性を持たせることにより、偏波の方向によって異なる透過率が得られた。また、図5から主となる偏波の方向は入射光の波長に依存することがわかる。図5に示すように、長軸方向の光透過率に対する短軸方向の光透過率が最大となるのは波長890nmの場合であり、このことは波長890nmの無偏光の光を金属ホールアレイ13に入射させると、楕円の短軸方向の直線偏光が支配的な出射光に効率良く変換できることを示している。
金属ホールアレイ13の表面において光の表面プラズモン共鳴が生じる光の波長と格子間隔とは比例関係にある。従って、本実施形態のように格子間隔Pを550nmの0.95倍である525nmとすることにより、レーザ発振波長である850nmにおいて短軸方向の直線偏光が支配的となり、短軸方向に偏波制御された出射光が得られる。なお、開口部45の周期を調整することで長軸方向に偏波制御された出射光を得ることも可能である。
以上のことから発光部11A、発光部11B、発光部11C及び発光部11Dの金属ホールアレイ13のそれぞれにおいて、開口部45の配列方向を互いに異なった方向とすることにより、各発光部から互いに方向が異なった直線偏光光を出射させることが可能となる。
図6は本実施形態の面発光レーザ装置の金属層部分のみを拡大してそれぞれ示している。図6に示すように、発光部11Aの金属層42Aにおける開口部45の配列方向dに対して、発光部11B、発光部11C及び発光部11Dの各金属層における開口部45の配列方向d、配列方向d及び配列方向dは、それぞれ時計回り方向に45度、90度及び135度回転した方向となっている。これにより、発光部11Aからの出射光に対して発光部11Bでは45度、発光部11Cでは90度及び発光部11Dでは135度回転した方向の直線偏光光をそれぞれ得ることができる。
先に述べたように発光部11A、発光部11B、発光部11C及び発光部11Dは、上部電極12A、上部電極12B、上部電極12C及び上部電極12Dによりそれぞれ独立に駆動することができるので、各発光部から直線偏光方向が互いに異なるレーザ光を同時に出射させることができる。さらに、各発光部は互いに近接するように配置されているので、プリズム等を用いることなく出射光を1本の光ファイバに結合し、偏波多重光信号として送信することが可能となる。
本実施形態の面発光レーザ装置は、発光部に設ける金属層の開口部の配列方向を変えることのみによって、互いに異なった直線偏光方向を有する複数のレーザ光を得ることができる。金属層に設ける開口部の配列方向は、既知のフォトリソグラフィ法等を用いることにより精度良く制御することが可能である。従って、直線偏光方向の制御が容易であり、調整も不要となる。また、互いに直線偏光方向が異なったレーザ光を出射する複数の発光部を狭い領域に形成することができるため、光ファイバにレーザ光を直接結合することが可能となる。これにより、装置を小型化できるだけでなく、光ファイバに結合するまでに直線偏光方向がずれてしまうといった問題の発生を防止することができる。なお、光ファイバにレーザ光を直接結合する場合には、各発光部を光ファイバのコアの径以内の領域に形成することが好ましい。
(第1の実施形態の第1変形例)
図7は本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る面発光レーザ装置の金属層部分を拡大して示している。図7に示すように本変形例の面発光レーザ装置は、各金属層に設けられた開口部45が六方格子状に配置されている。
また、本変形例においても、発光部11Aの金属層42Aにおける開口部45の配列方向dに対して、発光部11B、発光部11C及び発光部11Dのそれぞれにおける開口部45の配列方向d、配列方向d及び配列方向dは、時計回り方向に45度、90度及び135度回転した方向となっている。これにより、発光部11Aからの出射光に対して発光部11Bでは45度、発光部11Cでは90度及び発光部11Dでは135度回転した方向の直線偏光光をそれぞれ得ることができる。
さらに、本変形例においては、平面楕円状の開口部45の短軸と開口部45が形成する六方格子の格子の方向とが一致し、且つ配列の周期は式(1)に示す表面プラズモン共鳴条件を満たしている。一方、楕円の長軸と格子の方向とは一致していないので、各発光部から出射されるレーザ光は、開口部45の短軸方向に偏波が強く制御される。従って、特に高い偏光比を有する出射光を得ることができる。
(第1の実施形態の第2変形例)
図8は本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る面発光レーザ装置の金属層部分を拡大して示している。図8に示すように本変形例の面発光レーザ装置は、各金属層に設けられた開口部45の開口形状が円形状であり、開口部の径は発光波長よりも短い。また、開口部45が長方格子状に配置されており、開口部45の格子間隔P及びPのうち、一方の格子間隔Pは式(1)に示す表面プラズモン共鳴条件を満たすが、他方の格子間隔Pは表面プラズモン共鳴条件を満たさないように配置されている。
例えば、本変形例の場合、開口部45の直径を200nmとし、格子間隔Pを550nm、格子間隔Pを750nmとした。これにより、波長850nmのレーザ光に対してPの方向では式(1)に示す表面プラズモン共鳴条件を満たすが、Pの方向では表面プラズモン共鳴条件を満たさないため、Pの方向の直線偏光を有するレーザ光が出射される。
また、開口部45が配置された格子の方向は、発光部ごとに異なっている。本変形例においては、発光部11Aにおける格子の方向dに対して、発光部11B、発光部11C及び発光部11Dのそれぞれにおける格子の方向d、格子の方向d及び格子の方向dは、時計回り方向に45度、90度及び135度回転した方向となっている。これにより、発光部11Aからの出射光に対して発光部11Bでは45度、発光部11Cでは90度及び発光部11Dでは135度回転した方向の直線偏光光をそれぞれ得ることができる。
(第1の実施形態の第3変形例)
図9は本発明の第1の実施形態の第3変形例に係る面発光レーザ装置の金属層部分を拡大して示している。図9に示すように本変形例の面発光レーザ装置は、各金属層にストライプ状の開口部46が周期的に形成されている。
本変形例においては、ストライプの幅を200μm、ストライプの周期を550nmとした。これにより、波長550nmのレーザ光において、ストライプが延びる方向と垂直な方向の直線偏光光は、表面プラズモン共鳴条件を満たすため、金属ホールアレイ13を透過する。
本変形例においても、発光部11Aの金属層42Aにおける開口部46の配列方向dに対して、発光部11B、発光部11C及び発光部11Dのそれぞれにおける開口部46の配列方向d、配列方向d及び配列方向dは、時計回り方向に45度、90度及び135度回転した方向となっている。これにより、発光部11Aからの出射光に対して発光部11Bでは45度、発光部11Cでは90度及び発光部11Dでは135度回転した方向の直線偏光光をそれぞれ得ることができる。
(第1の実施形態の第4変形例)
図10(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態の第4変形例に係る面発光レーザ装置であり、(a)は平面構成を示し、(b)は(a)のXb−Xb線における断面構成を示している。図10において図4と同一の構成要素については同一の符号を附すことにより説明を省略する。
図10に示すように本変形例の面発光レーザ装置は、半絶縁性の基板50の上に形成された4つの発光部からなる。発光部11A、発光部11B、発光部11C及び発光部11Dは、基板50に形成された溝部51によって互いに電気的に絶縁された領域52A、領域52B、領域52C及び領域52Dにそれぞれ形成されている。
図10(b)に示すように各領域において、基板50の上にはn型のGaAs層55が形成されている。GaAs層55の上には、互いに間隔をおいてメサ状の共振器と、n側電極54が形成されている。また、GaAs層55の上面を覆う絶縁性の保護層56が形成されている。このような構成とすることにより、発光部ごとにn側電極54を独立させることができる。従って、発光部間の電気的なクロストークを防止し、発光部ごとに偏波面が安定した面発光レーザ装置を得ることができる。
本変形例においては、メサ部が段差を有している構成を示したが、他の変形例と同様にメサ部を囲む凹部がBCB樹脂膜で埋められた構造としてもよい。
なお、第1の実施形態及び各変形例において、発光部が4つの場合について説明したが、発光部の数はこれに限らない。発光部の数を多くすると伝送容量の向上が可能となる。一方発光部の数を少なくすると偏波間のクロストークが低減され通信品質が向上する。
また、金属層42の材料は銀(Ag)に代えて金(Au)又はアルミニウム(Al)等の他の材料を用いても構わない。半導体層を構成する材料は、アルミニウムガリウムヒ素(AlGaAs)に代えてインジウムリン(InP)系や窒化ガリウム(GaN)系の材料等を用いてもよい。p型上部多層膜反射鏡36の周期は12周期として説明したが、金属ホールアレイ13の反射率は開口部45の直径等の構造パラメータにより変化するので、それに応じてp型上部多層膜反射鏡36の周期を適切に設定すればよい。具体的には多層膜の周期を9周期以上22周期以下にして、出射側の反射鏡全体の反射率を99%程度に設定することが好ましい。また、基板側にn型層が配置される構成について説明したが、これに限らず基板側にp型層が配置された構成としてもよい。
なお、第1の実施形態及び各変形例においては、p型上部多層膜反射鏡36及び金属反射鏡である金属ホールアレイ13の反射率を高く設定し、すべての直線偏光方向の発光光をレーザ発振させ、そのうちの特定の直線偏光方向を有するレーザ光を透過させることにより、直線偏光方向を制御する例を示した。一方、p型上部多層膜反射鏡の周期を小さくする等して、出射側の反射鏡全体の反射率を低く設定することにより、光透過率の高い直線偏光方向においてレーザ発振を生じにくくし、特定の直線偏光方向を有する発光光のみをレーザ発振させ、これを取り出すことにより直線偏光方向を制御してもよい。
(第1の実施形態の第5変形例)
以下に、本発明の第1の実施形態の第5変形例について図面を参照して説明する。本変形例に係る面発光レーザ装置は、図8に示す開口部45の開口面の形状が円形状の金属層42を備えている。第1の実施形態及び他の変形例と同様に本変形例の面発光レーザ装置の発光波長は850nmであり、金属ホールアレイ13は、SiNからなるキャップ層43と、Agからなる金属層42と、SiOからなる中間層41とにより形成されている。
本実施形態における開口部45の格子間隔Pは375nmとし、格子間隔Pは525nmとした。式(1)における誘電率εを金属層の上面と接するSiNの誘電率4とし、(i+j)=1とした場合に、格子間隔Pは表面プラズモン共鳴条件を満たし、格子間隔Pは表面プラズモン共鳴条件を満たしていない。
図11は透明基板上に形成した本変形例の金属ホールアレイ13の光の透過特性を示している。図11に示すように実線で示した直線偏光方向が金属層42のPの方向と一致している光の場合には、波長が800nm〜1000nmの付近において光が透過しており、830nmには強いピークが認められる。しかし、破線で示した偏光方向がPの方向と一致している光の場合には、波長が800nm〜1000nmの付近において光の強度が減衰しており、特に900nm付近の波長の光はほとんど透過しない。
図12は偏光方向がPの方向と一致した光とPの方向と一致した光との透過光強度の比を示している。図12において実線で示した格子間隔Pが375nmで格子間隔Pが525nmの金属ホールアレイ13の場合には、900nm付近において強度比が最大となり、850nmにおいても高い偏光方向の選択性を示している。一方、破線で示した格子間隔P及び格子間隔Pが共に550nmであり、表面プラズモン共鳴条件を満たさない金属ホールアレイ13の場合には、いずれの波長においても偏光方向による、透過光強度の依存性は認められなかった。
以上のように、金属膜の下面と接する誘電体膜に対して表面プラズモン共鳴条件を満たす場合だけでなく、金属膜の上面と接する誘電体膜に対して表面プラズモン共鳴条件を満たす場合にも偏光方向を制御する金属ホールアレイが実現できる。
図13(a)及び(b)は実際に作成した本変形例に係る面発光レーザ装置を電子顕微鏡により観察した結果であり、(a)は図2に相当する平面を示しており、(b)は図4に相当する断面を示している。なお、本実施形態においては図13(a)に示すように、格子方向がdのホールアレイ42Bを有する発光部11Bの位置と、格子方向がdのホールアレイ42Dを有する発光部11Dの位置とが図2と逆になっている。
このようにして形成した面発光レーザ装置の、各発光部の偏光特性を図14(a)及び(b)を用いて以下に説明する。各発光部の出力を偏光板にそれぞれ入射させて、偏光板を回転させた場合の偏光板の角度θと偏光板を透過した光の強度との相関を測定することにより、各発光部の偏光特性を評価した。この場合において偏光板の角度θは、図14(a)に示すように発光部11Aの金属ホールアレイ42Aの格子方向dと一致する方向を基準(0°)として、基準に対して偏光板を時計回り回転させた際の角度とした。
図14(b)は偏光板の角度θと各発光部の出力との相関を示しており、縦軸は偏光板を透過した光の強度を示し、横軸は偏光板の角度θを示している。図14(b)に示すように格子方向がdの金属ホールアレイ42Aを有する発光部11A、格子方向がdの金属ホールアレイ42Bを有する発光部11B、格子方向がdの金属ホールアレイ42Cを有する発光部11C及び格子方向がdの金属ホールアレイ42Dを有する発光部11Dのそれぞれから出射された光の強度は、偏光板の角度が45度ずつ異なる点においてそれぞれ最大となっている。従って、本変形例の面発光レーザ装置から、偏光方向が異なる4つのレーザ光を同時に生成できることが明らかである。
なお、本変形例においても中間層、金属膜及びキャップ層の材質は、第1の実施形態及び他の変形例と同様に変更してよい。
(第2の実施形態)
以下に本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。図15は第2の実施形態に係る受光装置の平面構成を示し、図16は図15のXVI−XVI線における断面構成を示している。
本実施形態の受光装置は、図15に示すように基板60に形成された受光部61A、受光部61B、受光部61C及び受光部61Dの4つの受光部からなる。各受光部は第1電極62が独立して形成されており、互いに独立に駆動することができる。
図16に示すように第2の実施形態に係る各受光部は、n型のガリウムヒ素(GaAs)からなる基板60の上に形成されたフォトダイオード71と金属ホールアレイ81とを備えている。
フォトダイオード71は、n型のGaAsからなる半導体層72と、アンドープのGaAsからなる光吸収層73と、p型のAlGaAsからなる窓層74と、p型のGaAsからなるコンタクト層75とからなるPIN構造のフォトダイオードである。コンタクト層75の上には、第1電極62が形成され、基板60の裏面には第2電極76が形成されている。
コンタクト層75、窓層74、光吸収層73及び半導体層72の一部は、半導体層72の一部が露出するまで選択的に除去されて形成された凹部によって他の領域と隔てられ、直径が20μmのメサ部が形成されている。
メサ部を囲む凹部の底面及び側壁には、SiOからなる第1の保護層77が形成され、第1の保護層77が形成された凹部を埋めるようにBCB樹脂膜78が形成されている。BCB樹脂膜78の上面と、メサ部の上面とは段差なく平坦に接続されている。BCB樹脂膜78の上とメサ部の上面の一部とを覆うようにSiOからなる第2の保護層79が形成されている。
メサ部においてp型のコンタクト層75の上には金属ホールアレイ81が形成されている。金属ホールアレイ81は、第1の実施形態に係る面発光レーザ装置の金属ホールアレイと同一の構造を有しており、SiOからなる中間層82と、銀(Ag)からなり周期的に配列された複数の開口部86を有する金属層83と、SiNからなるキャップ層84とから構成されている。
金属ホールアレイ81は、金属層83に形成された開口部86の配列方向によって決まる特定の直線偏光方向を有する光のみを透過する。各受光部は、入射した光のうちの特定の直線偏光方向を有する光のみを検出することができる。本実施形態の受光装置においても、第1の実施形態の面発光レーザ装置と同様に、受光部61Aにおいて金属層83に形成された開口部86の配列方向に対して、受光部61B、受光部61C及び受光部61Dにおいて金属層83に形成された開口部86の配列方向は、それぞれ時計回り方向に45度、90度及び135度回転した方向となっている。これにより、受光部61Aが検出する光の直線偏光方向に対して受光部61Bでは45度、受光部61Cでは90度及び受光部61Dでは135度回転した直線偏光方向を有する光をそれぞれ検出できる。
開口部86の開口形状及び配列は、第1の実施形態において示した構成と同様の構成とすればよい。例えば、第1の実施形態と同様に、開口部86の開口形状を幅が長さよりも短く且つ幅が検出する光の波長よりも短い異方性を有する長円形状とし、各開口部86の向きをそろえて正方格子状に配置すればよい。また、第1の実施形態の各変形例において示したような構成としてもよい。
また、開口部86の格子間隔が式(1)に示す表面プラズモン共鳴条件を満たすようにすることにより、金属ホールアレイ81において表面プラズモン増強効果が生じるため、金属ホールアレイ81における光の透過率は、金属層83の開口率から単純に求められる透過率と比べて大きくなる。従って、受光部の面積を小さくすることができ、素子容量が低減できるので、高速動作が可能な受光装置が得られる。この場合、波長λは検出する光の波長とする。
本実施形態の受光装置における金属ホールアレイは、金属層83に形成された開口部86のサイズに対応する波長の光のみを透過させる。従って、本実施形態の受光装置を光通信システムの受信機に用いる場合には、信号光以外の波長の光をカットするフィルタを設ける必要がない。
なお、光ファイバを伝送経路として用いる光通信システムの受信機とする場合には、光ファイバから出射される光が照射される範囲内に、各受光部を配置することが好ましい。例えば、コアの径が100μmの一般的な光ファイバの場合には、直径100μm以内の領域に各受光部を配置する。このようにすれば、光ファイバと受光装置とを直接結合することが可能となる。
本実施形態の受光装置は、メサ部を囲む凹部がBCB膜により埋められた構造であるが、第1の実施形態の第4変形例に示した面発光レーザ装置と同様に、メサ部が段差を有する構造としてもよい。また、半絶縁性の基板に溝部を形成し、電気的に絶縁された領域を形成することにより受光部ごとに第2電極を独立させて基板の上面に形成してもよい。
なお、受光部が4つの場合を示したが、受光部の数はこれに限らない。本実施形態の受光装置と複数の発光部を有する面発光レーザ装置と組み合わせて光通信システムを構成する場合には、受光装置が面発光レーザ装置の発光部の数と同数の受光部を有していることが好ましい。
(第3の実施形態)
以下に、本発明の第3の実施形態について図面を参照して説明する。図17は第3の実施形態に係る光通信システムを示している。図17に示すように本実施形態の光通信システムは、第1の実施形態に係る面発光レーザ装置を有する送信機91と、第2の実施形態に係る受光装置を有する受信機92と、送信機91と受信機92とを接続する信号伝送経路である偏波保持光ファイバ93とを備えている。
送信機91は、互いに直線偏光方向が異なるレーザ光を射出する4つの発光部を有する面発光レーザ装置からなるため、4チャネルの偏波多重信号光を出力することができる。また、各発光部は近接して設けられているため、プリズム等を用いることなく送信機91と光ファイバ93とを直接結合することが可能である。
光ファイバ93中を伝送された偏波多重光信号は、直線偏光方向を保ったまま受信機92側の端部から出射される。出射された偏波多重信号光は、受信機92を構成する受光装置に設けられた各受光部に入射する。受光装置の各受光部は、面発光レーザ装置の対応する発光部と同一構成の金属ホールアレイをそれぞれ有している。従って、各受光部は、偏波多重信号光に含まれる直線偏光方向が互いに異なる4つのレーザ光のうちの対応する直線偏光方向を有するレーザ光を検出することができる。各受光部は近接して設けられているため、受信機92と光ファイバ93との結合にもプリズム等を用いる必要がない。
本実施形態の光通信システムは、1つの面発光レーザ装置と1つの受光装置とを用いて4チャネルの偏波多重信号を用いて光通信を行うことができる。また、送信機及び受信機と光ファイバとの結合にプリズム等を用いる必要がない。このため、非常に簡単に光通信システムを実現することができる。なお、面発光レーザ装置の発光部の数及び受光装置の受光部の数を変更することによりチャネル数を変更することが可能である。
本実施形態の光通信システムは、送信機と受信機との間における光信号の伝送に偏波保持光ファイバを用いた。しかし、見通し可能な場合には光ファイバを用いず、送信機と受信機とを対向して配置し、空間伝送方式としてもよい。この場合には、送信側及び受信側の少なくとも一方にレンズを設けることにより通信距離を広げることができる。
光ファイバを用いた場合には、光ファイバのねじれ等により空間的な方向が変化するため、一旦信号のやりとりを行わなければ発光部と受光部との対応を明確にすることができない。しかし、空間伝送方式の場合には、空間的な方向が変化することがないため、目視により発光部と受光部とを対応付けることが可能である。
(第3の実施形態の一変形例)
以下に、本発明の第3の実施形態の一変形例について図面を参照して説明する。図18は第3の実施形態の一変形例に係る光通信システムを示している。図18に示すように本変形例の光通信システムは、第1の実施形態に係る面発光レーザ装置を有する送信機91と、回転可能に配置された検光子95を有する受信機94とを備えている。本変形例の光通信システムは、送信機91と受信機94とを対向して配置し、送信機91から出射された互いに直線偏光方向が異なるレーザ光からなる偏波多重光信号を受信機94の受光部に直接照射する空間伝送方式の光通信システムである。本変形例においては、偏波多重光信号を集光するためのレンズ96を設けているが、送信機91と受信機94との距離が近い場合にはレンズ96を設けなくてもよい。
本変形例の受信機94は、受光部を1つしか備えていない。このため、偏波多重信号光のうちの検光子95を透過する1つのチャネルしか検出することができない。しかし、検光子95は回転可能に配置されているため、検光子95を回転させ時分割で各チャネルを検出することができる。
なお、検光子95は一般的な検光子をそのまま用いることができる。また、金属板に第1の実施形態及びその変形例において示した金属ホールアレイと同様の開口部を形成したものを用いてもよい。例えば、径が2インチの透明な基板の上に、厚さが113nmのSiOからなる中間層と、厚さが200nmのAgからなり、周期的に形成された開口部を有する金属層と、厚さが200nmのSiNからなるキャップ層とを順次形成した金属ホールアレイを適当なサイズに切り出したものを用いればよい。
本変形例は、空間伝送方式の光通信システムを示しているが、第3の実施形態と同様の光ファイバを用いた光通信システムとしてもよい。
本発明の面発光レーザ装置、受光装置及びそれを用いた光通信システムは、部品点数が少なく且つ複雑な調整工程を必要とすることなく偏波多重光信号を出射可能な面発光レーザ装置、偏波多重光信号に含まれる複数チャネルの信号を検出する受光装置及び偏波多重の光通信システムを実現できるという効果を有し、偏波多重方式の光通信に用いる面発光レーザ装置、受光装置及びそれを用いた光通信システム等として有用である。
本発明の第1の実施形態に係る面発光レーザ装置を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る面発光レーザ装置の要部を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る面発光レーザ装置を用いた光通信システムを示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る面発光レーザ装置を示し、図2のVI−VI線における断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る面発光レーザ装置に用いる金属ホールアレイの光透過率の測定結果を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る面波高レーザ装置の金属層部分を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る面発光レーザ装置の金属層部分を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る面発光レーザ装置の金属層部分を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態の第3変形例に係る面発光レーザ装置の金属層部分を示す平面図である。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態の第4変形例に係る面発光レーザ装置を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)のXa−Xa線における断面図である。 本発明の第1の実施形態の第5変形例に係る面発光レーザ装置に用いた金属ホールアレイの光透過特性を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態の第5変形例に係る面発光レーザ装置に用いた金属ホールアレイの光透過特性を示すグラフである。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態の第5変形例に係る面発光レーザ装置を示す電子顕微鏡写真であり、(a)は図2に相当する平面を撮影したものであり、(b)は図4に相当する断面を撮影したものである。 (a)及び(b)は本発明の第1の実施形態の第5変形例に係る面発光レーザ装置における各発光部の偏光特性を説明するための図であり、(a)は偏光特性を測定する際の偏光板の角度を説明する概略図であり、(b)は測定結果を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係る受光装置を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る受光装置を示し、図15のXVI−XVI線における断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る光通信システムを示す模式図である。 本発明の第3の実施形態の一変形例に係る光通信システムを示す模式図である。 従来の偏波多重手段を示すブロック図である。
符号の説明
10 基板
11A 発光部
11B 発光部
11C 発光部
11D 発光部
12 上部電極
12A 上部電極
12B 上部電極
12C 上部電極
12D 上部電極
13 金属ホールアレイ
26 光ファイバ
31 n型下部多層膜反射鏡
32 下部スペーサ層
33 量子井戸層
34 上部スペーサ層
35 電流狭窄層
35a p型Al0.98Ga0.02As層
35b AlGaAs酸化物層
36 p型上部多層膜反射鏡
37 p型コンタクト層
38 第1の保護層
39 BCB樹脂膜
40 第2の保護層
41 中間層
42 金属層
42A 金属層
42B 金属層
42C 金属層
42D 金属層
43 キャップ層
44 下部電極
45 開口部
46 開口部
50 基板
51 溝部
52A 領域
52B 領域
52C 領域
52D 領域
54 n側電極
55 GaAs層
56 保護層
60 基板
61A 受光部
61B 受光部
61C 受光部
61D 受光部
62 第1電極
71 フォトダイオード
72 半導体層
73 光吸収層
74 窓層
75 コンタクト層
76 第2電極
77 第1の保護層
78 BCB樹脂膜
79 第2の保護層
81 金属ホールアレイ
82 中間層
83 金属層
84 キャップ層
86 開口部
91 送信機
92 受信機
93 光ファイバ
94 受信機
95 検光子

Claims (36)

  1. 基板に互いに近接して形成され且つ直線偏光方向が互いに異なるレーザ光を出射する複数の発光部を備えていることを特徴とする面発光レーザ装置。
  2. 前記複数の発光部は、径が100μmの領域内に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザ装置。
  3. 前記各発光部はそれぞれ、該各発光部の前記レーザ光の出射面側に設けられ且つ金属層を含む金属ホールアレイを有し、
    前記各金属層は、それぞれが長手方向と直交する方向の幅が前記レーザ光の発振波長以下である開口形状を有し且つ前記長手方向と直交する方向を所定の方向にそろえて周期的に形成された複数の開口部を有し、
    前記各金属ホールアレイ同士は、前記長手方向と直交する方向が互いに異なっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の面発光レーザ装置。
  4. 前記各開口部の開口形状は楕円形状又は方形状であることを特徴とする請求項3に記載の面発光レーザ装置。
  5. 前記複数の開口部は正方格子状に配置され、
    前記開口部の格子間隔をP、前記金属層の誘電率をε、前記金属層の上面又は下面と接する媒質の誘電率をε、前記レーザ光の発振波長をλ、i及びjを負でない整数としたときに、Pが
    0.9×P≦λ×(i+j1/2/(εε/(ε+ε))1/2≦1.1×P
    の関係を満たすことを特徴とする請求項3又は4に記載の面発光レーザ装置。
  6. 前記複数の開口部は前記金属層ごとに格子状に配置されており、
    前記格子の方向は、前記長手方向と一致していることを特徴とする請求項3に記載の面発光レーザ装置。
  7. 前記複数の開口部は前記金属層ごとに格子状に配置されており、
    前記格子の方向は、前記長手方向と直交する方向と一致していることを特徴とする請求項3に記載の面発光レーザ装置。
  8. 前記各開口部の開口形状は楕円形状又は方形状であり、
    前記格子は六方格子であることを特徴とする請求項6又は7に記載の面発光レーザ装置。
  9. 前記各発光部はそれぞれ、該各発光部の前記レーザ光の出射面側に設けられ且つ前記レーザ光の発振波長以下の径を有する複数の開口部が周期的に形成された金属層を含む金属ホールアレイを有し、
    前記複数の開口部の配置は、互いに長さが異なる2つの格子間隔を有する長方格子状であり、
    前記長方格子の格子方向は、前記金属ホールアレイごとに異なっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の面発光レーザ装置。
  10. 前記2つの格子間隔のうちのいずれか一方の長さは、前記レーザ光に対して表面プラズモン共鳴条件を満たしていることを特徴とする請求項9に記載の面発光レーザ装置。
  11. 前記2つの格子間隔のうちのいずれか一方の長さをP、前記金属層の誘電率をε、前記金属層の上面又は下面と接する媒質の誘電率をε、前記レーザ光の発振波長をλ、i及びjを負でない整数としたときに、Pが
    0.9×P≦λ×(i+j1/2/(εε/(ε+ε))1/2≦1.1×P
    の関係を満たすことを特徴とする請求項9又は10に記載の面発光レーザ装置。
  12. 前記各発光部はそれぞれ、各発光部の前記レーザ光の出射面側に設けられ且つ前記レーザ光の発振波長以下の開口幅を有するストライプ状の複数の開口部が周期的に形成された金属層を含む金属ホールアレイを有し、
    前記ストライプが延びる方向は、前記金属ホールアレイごとに互いに異なっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の面発光レーザ装置。
  13. 前記基板は半絶縁性であり、
    前記各発光部は前記基板に形成された溝部によって互いに電気的に分離された領域にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の面発光レーザ装置。
  14. 前記各発光部は、それぞれ前記基板の上に形成された複数の半導体層からなる半導体層積層体と、前記半導体層積層体に電圧を印加する2つの電極とを有し、
    前記2つの電極は、前記基板の一の面の側にいずれも形成されていることを特徴とする請求項13に記載の面発光レーザ装置。
  15. 基板に互いに近接して形成され、受光面に入射した光のうちの互いに異なる直線偏光方向を有する光を検出光としてそれぞれ検出する複数の受光部を備えていることを特徴とする受光装置。
  16. 前記複数の受光部は、径が100μmの領域内に形成されていることを特徴とする請求項15に記載の受光装置。
  17. 前記各受光部はそれぞれ、該各受光部の前記受光面側に設けられ且つ金属層を含む金属ホールアレイを有し、
    前記各金属層は、それぞれが長手方向と直交する方向の幅が前記レーザ光の発振波長以下である開口形状を有し且つ前記長手方向と直交する方向を所定の方向にそろえて周期的に形成された複数の開口部を有し、
    前記各金属ホールアレイ同士は、前記長手方向と直交する方向が互いに異なっていることを特徴とする請求項15又は16に記載の受光装置。
  18. 前記各開口部の開口形状は楕円形状又は方形状であることを特徴とする請求項17に記載の受光装置。
  19. 前記複数の開口部は正方格子状に配置され、
    前記開口部の格子間隔をP、前記金属層の誘電率をε、前記金属層の上面又は下面と接する媒質の誘電率をε、前記検出光の波長をλ、i及びjを負でない整数としたときに、Pが
    0.9×P≦λ×(i+j1/2/(εε/(ε+ε))1/2≦1.1×P
    の関係を満たすことを特徴とする請求項17又は18に記載の受光装置。
  20. 前記複数の開口部は前記金属層ごとに格子状に配置されており、
    前記格子の方向は、前記長手方向と一致していることを特徴とする請求項17に記載の受光装置。
  21. 前記複数の開口部は前記金属層ごとに格子状に配置されており、
    前記格子の方向は、前記長手方向と直交する方向と一致していることを特徴とする請求項17に記載の受光装置。
  22. 前記各開口部の開口形状は楕円形状又は方形状であり、
    前記格子は六方格子であることを特徴とする請求項20又は21に記載の受光装置。
  23. 前記各受光部はそれぞれ、各受光部の前記受光面側に設けられ且つ前記レーザ光の発振波長以下の径を有する複数の開口部が周期的に形成された金属層を含む金属ホールアレイを有し、
    前記複数の開口部の配置は、互いに長さが異なる2つの格子間隔を有する長方格子状であり、
    前記長方格子の格子方向は、前記金属ホールアレイごとに異なっていることを特徴とする請求項15又は16に記載の受光装置。
  24. 前記2つの格子間隔のうちのいずれか一方の長さは、前記検出光に対して表面プラズモン共鳴条件を満たしていることを特徴とする請求項23に記載の受光装置。
  25. 前記2つの格子間隔のうちのいずれか一方の長さをP、前記金属層の誘電率をε、前記金属層の上面又は下面と接する媒質の誘電率をε、前記レーザ光の発振波長をλ、i及びjを負でない整数としたときに、Pが
    0.9×P≦λ×(i+j1/2/(εε/(ε+ε))1/2≦1.1×P
    の関係を満たすことを特徴とする請求項23又は24に記載の面発光レーザ装置。
  26. 前記各受光部はそれぞれ、前記受光面側に設けられ且つ前記検出光の波長以下の開口幅を有するストライプ状の複数の開口部が周期的に形成された金属層を含む金属ホールアレイを有し、
    前記ストライプが延びる方向は、前記金属ホールアレイごとに互いに異なっていること
    ことを特徴とする請求項15又は16に記載の受光装置。
  27. 前記基板は半絶縁性であり、
    前記各受光部は前記基板に形成された溝部によって互いに電気的に分離された領域にそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項15から26のいずれか1項に記載の受光装置。
  28. 前記各受光部は、前記基板の上に形成され、2つの電極を有するフォトダイオードであり、前記2つの電極は、前記基板の一の面の側にいずれも形成されていることを特徴とする請求項27に記載の受光装置。
  29. 請求項1から14のいずれか1項に記載の面発光レーザ装置を含み、前記面発光レーザ装置の各発光部から出射された互いに直線偏光方向が異なる複数のレーザ光からなる多チャネルの偏波多重光信号を出力する送信機と、
    前記多チャネルの偏波多重光信号を、各チャネルに分離して検出する受信機とを備えていることを特徴とする光通信システム。
  30. 前記受信機は、請求項15から28のいずれか1項に記載の受光装置を含むことを特徴とする請求項29に記載の光通信システム。
  31. 前記受信機は、
    回転可能に設けられ回転角度に応じて所定の直線偏光方向を有するの光のみを透過させる検光子と、
    前記検光子を透過した光を検出する受光部とを含むことを特徴とする請求項29に記載の光通信システム。
  32. 前記検光子は、長手方向と直交する方向の幅が前記偏波多重光信号の波長以下であり、前記長手方向と直交する方向を一方向にそろえて形成された複数の開口部を有する金属膜を含む金属ホールアレイを含むことを特徴とする請求項31に記載の光通信システム。
  33. 前記偏波多重光信号の直線偏光方向を保持して前記受信機に伝送する光ファイバをさらに備えていることを特徴とする請求項29に記載の光通信システム。
  34. 前記光ファイバは、前記各発光部から出射された複数のレーザ光が直接結合されることを特徴とする請求項33に記載の光通信システム。
  35. 前記偏波多重光信号は、空間伝送方式により前記受信機に伝送することを特徴とする請求項29に記載の光通信システム。
  36. 前記送信機から出力された前記偏波多重光信号を集光するレンズをさらに備えていることを特徴とする請求項35に記載の光通信システム。
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