JP2007257907A - 有機el素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】色変換フィルタ層と、パッシベーション層と、有機EL層とを少なくとも備える有機EL素子であって、欠陥が少なく、水分の拡散も低い優れたパッシベーション性を備えるパッシベーション層を有する、ダークスポットや輝度劣化の少ない長寿命の有機EL素子を提供する。
【解決手段】パッシベーション層が、窒化物、酸化物及び酸窒化物から選ばれる少なくとも1つを含む層と、フッ化物を含む層とを積層したものである有機EL素子とする。パッシベーション層中に、窒化物等を含む層とフッ化物を含む層との界面を1つ、あるいは2つ以上含む構成とする。
【選択図】なし

Description

本発明は有機EL素子に関し、優れたパッシベーション性を示すパッシベーション層を有する有機EL素子に関する。
液晶表示素子等に対して視野角依存性および高速応答性などに優れた、有機分子の薄膜積層構造を有し、印加電圧10Vで、1000cd/m以上の高輝度で発光する積層型有機エレクトロルミネセンス(以下、有機ELと称する)素子が、Tangらによって報告されて以来、有機EL素子は実用化に向けての研究が活発に行われている(例えば、非特許文献1参照。)。
1997年11月にパイオニア社によって、車搭載用の緑色モノクロ有機EL素子が製品化されて以来、多様化する社会のニーズに応えるべく、長期安定性および高速応答性を有し、多色表示または高精細なフルカラー表示が可能な有機EL素子の実用化が急がれている。
有機EL素子のマルチカラー化またはフルカラー化の方法の1例は、赤、緑、青(以下、RGBと略す。)の3原色の発光体をマトリクス状に分離配置し、それぞれを発光させる方法である。RGBの3色を発光させるためにはカラーフィルタないし色変換層(以下、あわせて色変換フィルタ層という。)をフォトプロセスで形成する。
色変換フィルタ層は、樹脂中に色変換用の色素を分散したものである。ここで、混合する色素の熱安定性の問題から200℃を超える温度での色変換フィルタ層の乾燥を行えず、色変換フィルタ層中に、塗布液中に含有される水分またはパターン形成工程中に混入した水分が含有される可能性が高い。
また、色変換層を形成する際、RGB各色の色変換フィルタ層は有機EL層からの光をそれぞれの色に効率よく変換するために12μm程度の厚さにする必要がある。また、色のにじみを防止するために、各色変換フィルタ層間の重なりがないようにする必要がある。例えば、70dpiの場合、RGBのサブピクセル(RGBの各単色の画素)は120μm間隔で並ぶことになり、色のにじみを防止するためにRGBの各色変換フィルタ層を約10μm離して形成する必要がある。その結果、サブピクセル間に幅10μm、深さ12μmの溝が形成される。
この上に透明電極や有機EL層を形成するために、この溝を埋めて平坦化する平坦化層が設けられる。平坦化層はアクリル樹脂などの透明な有機樹脂が用いられている。
この平坦化層も、色変換フィルタ層における色素の熱安定性の問題から、その形成過程で充分高温で乾燥することができず、水分を含有する可能性が高い。
有機EL素子は、一定期間の駆動により電流−輝度特性が低下するという課題を有している。
この発光特性の低下原因の代表的なものは、ダークスポット(発光欠陥点)やダークエリアの成長である。駆動時および保存中に酸化が進むとダークスポット等の成長が進み、発光面全体に広がる。このダークスポットは、素子中の酸素または水分により、素子を構成する積層材料の酸化または凝集によるものと考えられている。その成長は、通電中はもちろん、保存中にも進行し、特に素子の周囲に存在する酸素または水分により加速されると考えられている。
上述の色変換フィルタ層や平坦化層に残留している微量の水分や溶剤が有機EL層へ拡散するとダークスポット等の発生原因となる。これを防止するため、これらの層と有機EL層との間に厚さ200〜300nmのパッシベーション層が設けられる。
パッシベーション層としては、可視光領域で十分な透過率を有する、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の透明無機酸化物からなる膜(例えば、特許文献1参照。)、窒化酸化ケイ素等の無機酸窒化物からなる膜(例えば、特許文献2参照。)や窒化ケイ素等の無機窒化物からなる膜(例えば、特許文献3参照。)等をスパッタ法やCVDで形成したものが用いられている。また、フッ化カルシウム等の無機フッ化物からなる膜を用いる例も知られている(例えば、特許文献4,5参照。)。これら無機材料からなる膜と有機樹脂を積層して用いることもある。
特開平8−279394号公報 特開2003−297551号公報 特開2002−134268号公報 特開平8−167475号公報 特開2003−151761号公報 C. W. Tang, S.A. VanSlike, Appl. Phys. Lett. 51, 913 (1987)
パッシベーション層を浸透する水分は、(1)パッシベーション層をスパッタリング等で成膜する際のパーティクルに起因する、膜を貫通する微小欠陥を経路として、あるいは、(2)膜自体の内部を拡散して有機EL層に達する。微小欠陥を経路として浸透する水分は、比較的短時間で有機EL層に達し、ダークスポット等の点欠陥を発生させる。一方、膜内部を拡散する水分は、均質に長時間かけて有機EL層に達し、輝度劣化の原因となる。
前者(1)の場合、パッシベーション層を積層体とすることにより微少欠陥の連続性を積層界面で遮断し、拡散経路をなくして膜のパッシベーション性を向上させることができる。一方、後者(2)の場合、膜内部の水分の拡散は材料とその製法によって決まるので、材料や製法の改善が必要である。
後者(2)に関し、パッシベーション層の材料として従来から用いられてきた酸化ケイ素は水分や酸素との親和性が高く、パッシベーション性が劣る。酸化ケイ素に比べ、酸窒化ケイ素や窒化ケイ素は水分の浸透を防ぎ、優れたパッシベーション性を有するが、有機EL素子に適用する場合、高温での成膜ができないことから、材料本来のパッシベーション性を発揮させることは困難である。また、アルカリ土類のフッ化物は水との親和性が低く、水分の透過性が低いため本質的にはパッシベーション性の優れた材料である。しかし、形成した膜に微小欠陥を有し、これを水分が拡散するので、単層で高いパッシベーション性の膜を形成することが難しい。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、欠陥が少なく、水分の拡散も低い優れたパッシベーション性を備えるパッシベーション層を有し、ダークスポットや輝度劣化の少ない長寿命の有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明の目的は、1つまたは複数種の色変換フィルタ層と、パッシベーション層と、有機EL層とを少なくとも備える有機EL素子であって、前記パッシベーション層が、窒化物、酸化物及び酸窒化物から選ばれる少なくとも1つを含む層と、フッ化物を含む層とを積層したものである有機EL素子により達成される。
このパッシベーション層の構成は、窒化物、酸化物及び酸窒化物から選ばれる少なくとも1つを含む第1の層と、フッ化物を含む層と、窒化物、酸化物及び酸窒化物から選ばれる少なくとも1つを含む第2の層とをこの順に積層する構成か、あるいは、フッ化物を含む第3の層と、窒化物、酸化物及び酸窒化物から選ばれる少なくとも1つを含む層と、フッ化物を含む第4の層とをこの順に積層する構成とすることが好ましい。
パッシベーション層中に、窒化物等を含む層とフッ化物を含む層との界面を1つ、好ましくは2つ以上含むことにより優れたパッシベーション性が得られる。
上記のパッシベーション層は、ボトムエミッション型、トップエミッション型いずれの有機EL素子にも適用できる。前者では色変換フィルタ層が透明基板上に設けられ、パッシベーション層が色変換フィルタ層を覆う平坦化層上に形成され、後者では有機EL層が基板上に設けられ、前記パッシベーション層が該有機EL層を覆う構造となる。
本発明によれば、窒化物、酸化物及び酸窒化物から選ばれる少なくとも1つを含む層と、フッ化物を含む層とを積層するパッシベーション層を用いることにより、有機EL素子の発光特性低下の原因となる色変換フィルタ層等から有機EL層への水分および酸素の移動を抑制して、長期にわたって安定した発光特性を維持することができるカラー有機EL素子を提供できる。
本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態である、ボトムエミッション型の有機EL素子を示す模式的断面図である。図2は、本発明の第2の実施形態である、トップエミッション型の有機EL素子を示す模式的断面図である。
なお、両図では、簡単化のため、有機EL素子が一画素を備える場合を表しているが、本発明のパッシベーション層は複数画素を備える有機EL素子にも適用できる。
図1に示すボトムエミッション型の有機EL素子100は、透明基板102上に設けられたブラックマトリックス106および色変換フィルタ層104B、104G、104Rを有する。これらの層は、平坦化層110およびパッシベーション層112により被覆される。パッシベーション層上には、発光部が設けられる。発光部は、少なくとも、ストライプ状に形成された透明な第1電極114と、有機EL層116と、第1電極と垂直なストライプパターンの第2電極126から構成される。なお、図1では示していないが、本発明の有機EL素子は、封止基板および外周封止層などにより封止される。
図2はトップエミッション型の有機EL素子200を示す。この素子は基板201と透明基板202とを封止部220により貼り合せて作製される。基板201上には、薄膜トランジスタ203(以下「TFT」と称す。)、第2電極226、有機EL層216、第1電極214とパッシベーション層212が設けられる。透明基板202上には、色変換フィルタ層204、ブラックマトリックス206が形成される。
以下に本発明の有機EL素子の各構成要素について主に図1を参照して説明する。図2に示す構成要素についても図1と名称の同じものには同じ材料、製法を適用することができる。なお、以下の説明では、図1に示されていない任意要素についても説明する。
(透明基板)
透明基板102は、可視光(波長400〜700nm)に対して透明であり、積層される層の形成に用いられる条件(溶媒、温度等)に耐えるものであり、寸法安定性に優れていることが好ましい。好ましい透明基板は、ガラス基板、およびポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレートを含む)、ポリカーボネート樹脂、またはポリイミド樹脂などの樹脂で形成された剛直性の樹脂基板を含む。あるいはまた、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレートを含む)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレートを含む)、ポリカーボネート樹脂、またはポリイミド樹脂などから形成される可撓性フィルムを、透明基板として用いてもよい。
(色変換フィルタ層)
色変換フィルタ層104は、カラーフィルタ層、色変換層、またはカラーフィルタ層と色変換層との積層体から構成される。透明基板102上には、所定のパターンを有する3種(赤色、緑色および青色)の色変換フィルタ層(R,G,B)が形成され、それら3種の色変換フィルタ層が一組となってマトリクス状に配置される。
カラーフィルタ層は、色変換の機能を持たず、選択される範囲の波長の光を透過させて、出力される光の色純度を向上させる層である。カラーフィルタ層と色変換層との積層体を使用する場合、通常は透明基板と色変換層との間にカラーフィルタ層が配置される。カラーフィルタ層は、液晶ディスプレイなどにおいて用いられている材料など当該技術において知られている任意の材料を用いて形成することができる。
色変換層は、色変換色素とマトリクス樹脂からなる層である。色変換色素は、入射光の波長分布変換を行って、異なる波長域の光を放射する色素であり、好ましくは有機発光層122からの近紫外光または青色〜青緑色の光の波長分布変換を行って、所望の波長域の光(例えば、青色、緑色または赤色)を放射する色素である。
本発明における色変換色素は、発光層122から発せられる近紫外領域ないし可視領域の光、特に青色ないし青緑色領域の光を吸収して異なる波長の可視光を蛍光として発光するものである。好ましくは、少なくとも赤色領域の蛍光を発する蛍光色素の1種類以上を用い、さらに緑色領域の蛍光を発する蛍光色素の1種類以上と組み合わせてもよい。
すなわち、光源として青色ないし青緑色領域の光を発光する有機発光層122を用いる場合、該発光層からの光を単なる赤色フィルタに通して赤色領域の光を得ようとすると、元々赤色領域の波長の光が少ないために極めて暗い出力光になってしまう。これに対して、該発光層からの青色ないし青緑色領域の光を、赤色変換層中の色変換色素によって赤色領域の光に変換することにより、十分な強度を有する赤色領域の光の出力が可能となる。したがって、本発明において、赤色変換フィルタ層104Rは、好ましくは色変換層から構成され、さらに好ましくはカラーフィルタ層と色変換層との積層体から構成される。
一方、緑色領域の光は、赤色領域の光と同様に、該発光層からの光を別の色変換色素によって緑色領域の光に変換させて出力してもよい。あるいはまた、該発光層の発光が緑色領域の光を十分に含むならば、該素子からの光を単に緑色フィルタを通して出力してもよい。このように緑色変換フィルタ層104Gの構成は、発光層が発光する緑色領域の光の強度等により適宜選択することができる。
さらに、青色領域の光に関しては、有機EL素子の光を単なる青色フィルタに通して出力させることが可能である。したがって、青色フィルタにより青色変換フィルタ層104Bを構成することができる。
発光層122から発せられる青色から青緑色領域の光を吸収して、赤色領域の蛍光を発する蛍光色素としては、例えばローダミンB、ローダミン6G、ローダミン3B、ローダミン101、ローダミン110、スルホローダミン、ベーシックバイオレット11、ベーシックレッド2などのローダミン系色素、シアニン系色素、1−エチル−2−[4−(p−ジメチルアミノフェニル)−1,3−ブタジエニル]−ピリジニウムパークロレート(ピリジン1)などのピリジン系色素、あるいはオキサジン系色素などが挙げられる。さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も蛍光性があれば使用することができる。
発光層122から発せられる青色ないし青緑色領域の光を吸収して、緑色領域の蛍光を発する蛍光色素としては、例えば3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン6)、3−(2’−ベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン7)、3−(2’−N−メチルベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノ−クマリン(クマリン30)、2,3,5,6−1H,4H−テトラヒドロ−8−トリフルオロメチルキノリジン(9,9a,1−gh)クマリン(クマリン153)などのクマリン系色素、あるいはクマリン色素系染料であるベーシックイエロー51、さらにはソルベントイエロー11、ソルベントイエロー116などのナフタルイミド系色素などが挙げられる。さらに、各種染料(直接染料、酸性染料、塩基性染料、分散染料など)も蛍光性があれば使用することができる。
なお、本発明に用いる色変換色素を、ポリメタクリル酸エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、アルキッド樹脂、芳香族スルホンアミド樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂およびこれらの樹脂混合物などに予め練り込んで顔料化して、有機色変換顔料としてもよい。また、これらの色変換色素や有機色変換顔料(本明細書中で、前記2つを合わせて色変換色素と総称する)は単独で用いてもよく、蛍光の色相を調整するために2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いる色変換色素は、色変換層に対して、該色変換層の重量を基準として0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜2質量%含有される。もし色変換色素の含有量が0.01質量%未満ならば、十分な波長変換を行うことができず、あるいは含有量が5%を越えるならば、濃度消光等の効果により色変換効率の低下をもたらす。
本発明の色変換層に用いられるマトリクス樹脂は、光硬化性または光熱併用型硬化性樹脂(レジスト)を光および/または熱処理して、ラジカル種またはイオン種を発生させて重合または架橋させ、不溶不融化させたものであり、通常、有機EL素子の色変換層に用いられるものであればいずれも用いることができる。
(平坦化層)
赤、緑、青各色の色変換フィルタ層104は、有機EL層116からの光をそれぞれの色に効率よく変換するために12μm程度の厚さにする必要がある。また、色のにじみを防止するために各色変換層間の重なりがないようにする必要がある。例えば、70dpiの場合、RGBのサブピクセルは120μm間隔で並ぶことになり、色のにじみを防止するためにRGBの各色変換層を約10μm離して形成する必要がある。その結果、色変換フィルタ層の間に幅10μm、深さ12μmの溝が形成される。
平坦化層110は、その上に透明電極や有機EL層を形成するため、色変換フィルタ層の間の溝を埋め、平坦化するために形成される。
平坦化層は、色変換フィルタ層の機能を損なうことなく形成することができ、かつ適度な弾力性を有する材料から形成される。好ましい材料は、可視域における透明性が高く(400〜800nmの範囲で透過率50%以上)、表面硬度が鉛筆硬度2H以上であり、100℃以上のガラス転移温度を有し、色変換フィルタ層上に平滑な塗膜を形成することができ、色変換層の機能を低下させないポリマー材料である。
このようなポリマー材料の例としては、アクリル樹脂、イミド変性シリコーン樹脂、無機金属化合物(TiO、Al、SiO等)をアクリル、ポリイミド、シリコーン樹脂等の中に分散した材料、アクリレートモノマー/オリゴマー/ポリマーの反応性ビニル基を有した樹脂、レジスト樹脂、フッ素系樹脂などの熱硬化性樹脂を挙げることができる。
平坦化層のパッシベーション層112が接する側の表面は、パッシベーション層成膜前に紫外線処理されていることが好ましい。この紫外線処理により、酸素含有雰囲気中で紫外線を照射して平坦化層を形成している有機樹脂の表面の炭素原子と水素の結合を切断し、雰囲気中の酸素と反応させて、平坦化層表面の炭素原子に酸素ないし水酸基を結合させた状態にする。
この紫外線処理としては、酸素含有雰囲気で低圧水銀ランプ、あるいはエキシマランプを用いて紫外線を照射する方法を例示できる。
(パッシベーション層)
本発明では、この平坦化層110の上にパッシベーション層112が形成される。パッシベーション層は、窒化物、酸化物及び酸窒化物から選ばれる少なくとも1つを主材料として含む層と、フッ化物を主材料として含む層とをこの順、又は逆順に積層するものである。好ましくは、窒化物、酸化物及び酸窒化物から選ばれる少なくとも1つを含む第1の層と、フッ化物を含む層と、窒化物、酸化物及び酸窒化物から選ばれる少なくとも1つを含む第2の層とをこの順に積層するか、あるいは、フッ化物を含む第3の層と、窒化物、酸化物及び酸窒化物から選ばれる少なくとも1つを含む層と、フッ化物を含む第4の層とをこの順に積層するものである。窒化物等を含む層とフッ化物を含む層との界面を1つだけ有する2層構造よりも、この界面を2つ以上有する3層以上の積層構造とすることが好ましい。例えば、窒化物/フッ化物/窒化物、あるいはフッ化物/窒化物/フッ化物等の3層構造が挙げられる。
窒化物、酸化物及び酸窒化物から選ばれる少なくとも1つを含む層は、30nm〜500nmの厚さが好ましい。また、フッ化物層も30nm〜500nmの厚さが好ましい。これらを積層するパッシベーション層の厚さは60nm以上1.2μm以下が好ましい。パッシベーション層が厚くなると、隣接するサブピクセルへの光のクロスリークが無視できなくなるからである。
窒化物としては、窒化ケイ素、窒化チタン、又は窒化ケイ素と窒化チタンとの混合物が、酸化物としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、又は酸化ケイ素、酸化チタン及び酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも2つ以上を含む混合物が、酸窒化物としては、酸窒化ケイ素、酸窒化アルミニウム、又は酸窒化ケイ素と酸窒化アルミニウムとの混合物が好ましい。また、フッ化物としては、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、又はフッ化カルシウムとフッ化マグネシウムとの混合物が好ましい。
窒化物、酸化物又は酸窒化物を含む層は、スパッタ法あるいはCVD(化学気相堆積)法で成膜される。
窒化物あるいは酸化物を含む層は、スパッタ法では金属系のターゲットを使用して反応性スパッタで形成することができる。この場合、ターゲットとしてシリコン、チタン、アルミニウムの各ターゲットを使用する。また、酸化物あるいは窒化物のターゲットを用意して酸化物あるいは窒化物の膜を形成することもできる。この場合、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化アルミニウムなどの各ターゲットを使用することができる。
なお、窒化チタンは光の透過性能が劣るので、色変換フィルタ層や平坦化層と、有機EL層との間など、外部への光の経路にあたる部分には使用できない。しかし、窒化ケイ素等と同じく優れたパッシベーション性を有することから、有機EL層上の光の経路にあたらない部分を被覆するパッシベーション層の材料として適用できる。
酸窒化物を含む層は、酸素ガスを混合したスパッタガスで窒化物ターゲットをスパッタするか、あるいは窒素ガスを混合したスパッタガスで酸化物ターゲットをスパッタすることにより形成できる。
CVD法では色変換フィルタ層のダメージを防ぐため基板温度を220℃以下に抑え、低温での成膜ができるようにプラズマCVD法を用いる。シリコンの原料ガスにはモノシラン、ジシランなどの無機系シランや有機系のシランを使用する。アルミニウムの原料ガスにはトリメチルアルミニウムやトリエチルアルミニウムなどの有機金属系の原料を使用する。チタン系の原料ガスには塩化チタン、テトラキスジメチルアミノチタンやテトラキスジエチルアミノチタンなどを使用する。酸素源としてNOを使用し、窒素源にはアンモニアや窒素ガス、又はその混合ガスを使用する。
フッ化物を含む層は、スパッタ法ないし蒸着法によって作製する。スパッタ法ではターゲットはフッ化カルシウムあるいはフッ化マグネシウムを使用する。蒸着法では電子ビームないしレーザビームを用いて蒸着する。
なお、パッシベーション層の積層体はひとつのチャンバーで作製してもよい。また、別々のチャンバーで作製する場合にはチャンバー間で基板を移動する際、真空を破らずに行えるようにするのが好ましい。
(第1電極)
パッシベーション層112上には第1電極114が形成され、発光部と外部駆動回路とを電気的に接続する。第1電極は、波長400〜800nmの光に対して好ましくは50%以上、より好ましくは85%以上の透過率を有する透明電極とすることが好ましい。第1電極は、ITO(In−Sn酸化物)、NESA膜、Sn酸化物、In酸化物、IZO(In−Zn酸化物)、Zn酸化物、Zn−Al酸化物、Zn−Ga酸化物、またはこれらの酸化物に対してF、Sbなどのドーパントを添加した導電性透明金属酸化物を用いて形成することができる。特にIZOは室温成膜により比較的低抵抗で平滑な膜が得られ、かつ弱酸によるパターニングが可能となるので好ましい。
第1電極は、蒸着法、スパッタ法(反応性スパッタ法を含む)または化学気相堆積(CVD)法を用いて形成され、好ましくはスパッタ法(反応性スパッタ法を含む)を用いて形成される。第1電極は、通常50nm以上、好ましくは50nm〜1μm、より好ましくは100nm〜300nmの範囲内の厚さを有することが望ましい。パターニングされた複数の部分電極からなる第1電極が必要になる場合には、所望の形状を与えるマスクを用いて複数の部分電極からなる透明電極を形成してもよい。あるいは、逆テーパー状の断面形状を有する分離隔壁を用いて複数の部分電極からなる透明電極を形成してもよい。分離隔壁はパッシベーション層上に、アクリレート等のネガ型のフォトレジストやノボラック樹脂等のネガ型フォトレジストを用いて形成される。
第1電極の表面には酸素プラズマ処理や紫外線/オゾン処理が施される。この紫外線/オゾン処理にはエキシマランプや低圧水銀ランプを用いる。IZOやITOで形成した電極表面にこれらの処理を施すとレジスト残渣は分解除去され、その仕事関数は5.1eV程度に深くなる。
透明電極は陽極または陰極のいずれとしても用いることが可能である。透明電極を陰極として用いる場合、有機EL層との界面にバッファ層を設けて、電子注入効率を向上させることが望ましい。バッファ層の材料としては、Li、Na、K、またはCsなどのアルカリ金属、Ba、Srなどのアルカリ土類金属またはそれらを含む合金、希土類金属、あるいはそれら金属のフッ化物などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。バッファ層の膜厚は、駆動電圧および透明性等を考慮して適宜選択することができるが、通常の場合には10nm以下であることが好ましい。
(有機EL層)
有機EL層116は、少なくとも有機発光層122を含み、必要に応じて正孔注入層118、正孔輸送層120、電子輸送層124および/または電子注入層(図示せず)を含む。これらの各層は、それぞれにおいて所望される特性を実現するのに充分な膜厚を有して形成される。例えば、下記のような層構成からなるものが採用される。
(1)有機発光層
(2)正孔注入層/有機発光層
(3)有機発光層/電子注入層
(4)正孔注入層/有機発光層/電子注入層
(5)正孔輸送層/有機発光層/電子注入層
(6)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子注入層
(7)正孔注入層/正孔輸送層/有機発光層/電子輸送層/電子注入層
上記の各層構成では、陽極として機能する電極が構成の先頭側の最表面に接続され、陰極として機能する電極が反対側の最表面に接続される。陽極および陰極のうち少なくとも色変換フィルタ層104側にあるものは、有機EL層116の発する光の波長域において透明であることが望ましい。図1では、有機EL層から出た光は、透明な第1電極、パッシベーション層と平坦化層を通り、色変換フィルタ層で波長を調整されて有機EL素子の外部へ出る。
有機発光層122の材料としては、任意の公知の材料を用いることができる。例えば、青色から青緑色の発光を得るためには、例えば縮合芳香環化合物、環集合化合物、金属キレート化オキソニウム化合物、金属錯体(Alqのようなアルミニウム錯体など)、スチリルベンゼン系化合物(4,4’−ビス(ジフェニルビニル)ビフェニル(DPVBi)など)、ポルフィリン系化合物、ベンゾチアゾール系、ベンゾイミダゾール系、べンゾオキサゾール系などの蛍光増白剤、芳香族ジメチリディン系化合物などの材料が好ましく使用される。あるいは、ホスト化合物にドーパントを添加することによって、種々の波長域の光を発する有機発光層を形成してもよい。ホスト化合物としては、ジスチリルアリーレン系化合物(例えば出光興産製IDE−120など)、N,N’−ジトリル−N,N’−ジフェニルビフェニルアミン(TPD)、アルミニウムトリス(8−キノリノラート)(Alq)等を用いることができる。ドーパントとしては、ペリレン(青紫色)、クマリン6(青色)、キナクリドン系化合物(青緑色〜緑色)、ルブレン(黄色)、4−ジシアノメチレン−2−(p−ジメチルアミノスチリル)−6−メチル−4H−ピラン(DCM、赤色)、白金オクタエチルポルフィリン錯体(PtOEP、赤色)などを用いることができる。
正孔注入層118の材料としては、Pc類(CuPcなどを含む)またはインダンスレン系化合物などを用いることができる。正孔輸送層120は、トリアリールアミン部分構造、カルバゾール部分構造、オキサジアゾール部分構造を有する材料を用いて形成することができる。用いることができる材料は、好ましくは、TPD、α−NPD、MTDAPB(o−,m−,p−)、m−MTDATAなどを含む。
電子輸送層124の材料としては、Alqのようなアルミニウム錯体;PBD、TPOBのようなオキサジアゾール誘導体;TAZのようなトリアゾール誘導体;トリアジン誘導体;フェニルキノキサリン類;BMB−2Tのようなチオフェン誘導体などを用いることができる。電子注入層の材料としては、Alqのようなアルミニウム錯体、あるいはアルカリ金属ないしアルカリ土類金属をドープしたアルミニウムのキノリノール錯体などを用いることができる。
有機EL層116を構成するそれぞれの層は、蒸着(抵抗加熱または電子ビーム加熱)などの当該技術において知られている任意の手段を用いて形成することができる。
(第2電極)
第2電極126は、高反射率の金属、アモルファス合金、微結晶性合金を用いて形成されることが好ましい。高反射率の金属は、Al、Ag、Mo、W、Ni、Crなどを含む。高反射率のアモルファス合金は、NiP、NiB、CrPおよびCrBなどを含む。高反射率の微結晶性合金は、NiAlなどを含む。
第2電極となる反射電極を、陰極として用いてもよいし、陽極として用いてもよい。反射電極を陰極として用いる場合には、反射電極と有機EL層との界面に、前述のバッファ層を設けて有機EL層に対する電子注入の効率を向上させてもよい。あるいは、反射電極を陰極として用いる場合、前述の高反射率金属、アモルファス合金または微結晶性合金に対して、仕事関数が小さい材料であるリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類金属を添加して合金化し、電子注入効率を向上させることができる。反射電極を陽極として用いる場合には、反射電極と有機EL層との界面に、前述の導電性透明金属酸化物の層を設けて有機EL層に対する正孔注入の効率を向上させてもよい。
反射電極は、用いる材料に依存して、蒸着(抵抗加熱または電子ビーム加熱)、スパッタ、イオンプレーティング、レーザーアブレーションなどの当該技術において知られている任意の手段を用いて形成することができる。パターニングされた複数の部分電極からなる反射電極が必要になる場合には、所望の形状を与えるマスクを用いて複数の部分電極からなる反射電極を形成してもよい。あるいは、逆テーパー状の断面形状を有する分離隔壁を用いて複数の部分電極からなる反射電極を形成してもよい。分離隔壁は、前述のネガ型フォトレジストを用いて形成される。
(封止部材)
有機EL層116等が水分や酸素と接触しないように、封止部材として、本発明のパッシベーション層や、あるいは酸化ケイ素や酸窒化ケイ素等の無機材料を、有機EL層等を覆うように形成するとよい。あるいは、ガラス基板、SUS缶、ポリカーボネート等のフィルム基板で有機EL層等を覆い、紫外線硬化樹脂等によりガラス基板等と透明基板102とを接着してもよい。
(基板とTFT)
図2に示す基板201と薄膜トランジスタ(TFT)203について説明する。基板はガラスやプラスチックなどからなる絶縁性基板、または、半導電性や導電性基板に絶縁性の薄膜を形成した基板である。この上にTFTがマトリックス状に配置され、そのソース電極が各画素に対応した第2電極226(陽極)に接続される。
TFT203は、ゲート電極をゲート絶縁膜の下に設けたボトムゲートタイプで、能動層として多結晶シリコン膜を用いた構造である。第2電極226は、TFT上に形成された平坦化絶縁膜上に形成される。電極には前述の各種材料を用いることができる。
なお、本発明の有機EL素子は、アクティブマトリクス駆動でもよいし、パッシブマトリクス駆動であってもよい。
アクティブマトリクス駆動を行う場合、図2に示すように、基板201側の第2電極(例えば陽極)を発光部ごとに分割し、基板上に設けたTFT203のソースに接続する構成とすればよい。透明基板202側の第1電極(例えば陰極)は一様電極とすることができる。ここで、第2電極を陰極に、第1電極を陽極として、TFTとの接続を取ってもよい。一方、パッシブマトリクス駆動を行う場合には、図1に示すように、第2電極126と第1電極114とを互いに直交するラインパターンとする構成を採用することができる。
(封止部)
図2における封止部220について説明する。封止部は、例えば接着剤221と、この接着剤、基板201、透明基板202によって画定される内部空間に注入剤222を充填して形成される。
接着剤221は、基板201と透明基板202とを接着するために用いられる。例えば、紫外線硬化型接着剤を用いることが好ましい。特に好ましいものは、100mW/cmの紫外線を照射した際に、10〜60秒以内に硬化する紫外線硬化型接着剤である。この時間範囲内で硬化させることにより、紫外線照射による他の構成要素への悪影響をもたらすことなしに、紫外線硬化型接着剤が充分に硬化して適切な接着強さを提供することが可能となる。また、生産工程の効率の観点からも、前述の時間範囲内であることが好ましい。
また、接着剤221は、スペーサとして直径20〜60μm、好ましくは直径35〜55μmのガラスビーズ、シリカビーズなどを含んでもよい。これらのビーズ類は、有機EL層の形成された基板と色変換フィルタ層の形成された透明基板とを貼り合わせる際、その間隔および後述する注入剤222の膜厚を規定するとともに、接着のために印加される圧力を負担する。さらに、スペーサは有機EL素子駆動時に発生する応力(特に素子外周部における応力)も負担して、該応力による有機EL素子の劣化を防止することにも有効である。
注入剤222の例は、紫外線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、フッ素系不活性液体、およびフッ素系オイルなどを含む。熱硬化性樹脂には、加熱によってゲル化が進行するシリコーン系樹脂を含む。本発明におけるより好ましい充填剤は、フッ素系不活性液体を含む。
注入剤は有機EL素子の光取り出し経路に位置するので、波長400〜800nmの光に対して20%〜95%、好ましくは60%〜95%の可視光透過率を有するべきである。そのような可視光透過率を有することにより、注入剤を通して有機EL層の光を効率よく取り出すことが可能となる。また、本発明の注入剤は1.2〜2.5の屈折率を有することが望ましい。
あるいはまた、注入剤として内部空間にN、He、Ne、Ar、Xeなどの不活性ガスを充填してもよい。充填される不活性ガスは、50ppm以下、好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下の水分濃度、および50ppm以下、好ましくは10ppm以下、より好ましくは1ppm以下の酸素濃度を有することが望ましい。このような水分濃度および酸素濃度を有する不活性ガスを用いることによって、内部空間の光透過率を向上させ光取り出し効率の増大を図ると同時に、有機EL層を保護することが可能となる。
(実施例)
透明基板としてのコーニングガラス(200mm×200mm×0.7mm)上に、常法によりそれぞれ幅0.1mm、ピッチ0.33mm、および膜厚5μmの複数のストライプからなる青色変換フィルタ層、緑色変換フィルタ層、赤色変換フィルタ層を形成した。
RGB各色の色変換フィルタ層が形成された基板の上に、紫外線硬化型樹脂(エポキシ変性アクリレート)をスピンコート法にて塗布し、色変換フィルタ層上の平坦化層の厚みが5μmとなるように平坦化層を形成した。この際、各色の色変換フィルタ層のパターンの変形はなく、かつ平坦化層の上面は平坦であった。この平坦化層の表面に185nmの波長で、150mJ/cmの紫外線を低圧水銀ランプで照射して表面改質を行った。
紫外線照射後速やかに基板を成膜装置に戴置し、平坦化層上にパッシベーション層を形成した。基板温度を130℃に保持してプラズマCVD法でSiNx(xは約1.3)層を厚さが100nmとなるよう成膜した後、電子ビーム蒸着装置にて、基板の加熱は積極的には行わずに、弗化カルシウム(CaF)層を厚さが50nmとなるよう成膜した。再び、基板をプラズマCVD装置に戻して基板温度を130℃に保持してSiNx層を厚さが100nmとなるよう成膜した。この後、常法により陽極、有機EL層と陰極を作製し、ガラスで封止した。
(比較例1)
パッシベーション層として、基板温度を130℃に保持してプラズマCVD法でSiNx層のみを厚さが250nmとなるように成膜した他は実施例と同じ条件で有機EL素子を作製した。
(比較例2)
パッシベーション層として、基板温度を130℃に保持してプラズマCVD法でSiNx層を100nm厚、SiOy(yは約2.0)層を50nm厚、続いてSiNx層を100nm厚となるように積層した他は実施例と同じ条件で有機EL素子を作製した。
こうして得られた素子の信頼性を評価した。80℃、150cd/mの条件で1000時間の高温通電寿命試験をした素子のダークスポットの発生状況を表1に示す(300ピクセルの平均値)。比較例1と比較例2を比較すると積層化によりダークスポットが減少したが、更に実施例ではCaF層の効果によりダークスポットが1/100以下に激減した。なお、CaF単層の場合は膜にクラックなどが入り十分なパッシベーション性を確保することができなかった。
本発明の有機EL素子の実施形態を示す模式的断面図である。 本発明の有機EL素子の他の実施形態を示す模式的断面図である。
符号の説明
100,200 有機EL素子
201 基板
102,202 透明基板
203 薄膜トランジスタ
104B 青色変換フィルタ層
104G 緑色変換フィルタ層
104R 赤色変換フィルタ層
106,206 ブラックマトリックス
110 平坦化層
112,212 パッシベーション層
114,214 第1電極
116,216 有機EL層
118 正孔注入層
120 正孔輸送層
122 有機発光層
124 電子輸送層
126,226 第2電極

Claims (12)

  1. 色変換フィルタ層と、パッシベーション層と、有機EL層とを少なくとも備える有機EL素子であって、前記パッシベーション層が、窒化物、酸化物及び酸窒化物から選ばれる少なくとも1つを含む層と、フッ化物を含む層とを積層したものであることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記パッシベーション層が、窒化物、酸化物及び酸窒化物から選ばれる少なくとも1つを含む第1の層と、フッ化物を含む層と、窒化物、酸化物及び酸窒化物から選ばれる少なくとも1つを含む第2の層とをこの順に有する請求項1記載の有機EL素子。
  3. 前記パッシベーション層が、フッ化物を含む第3の層と、窒化物、酸化物及び酸窒化物から選ばれる少なくとも1つを含む層と、フッ化物を含む第4の層とをこの順に有する請求項1記載の有機EL素子。
  4. 前記窒化物が、窒化ケイ素、又は窒化ケイ素と窒化チタンとの混合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  5. 前記窒化物が窒化チタンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  6. 前記酸化物が、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アルミニウム、又は酸化ケイ素、酸化チタン及び酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも2つ以上を含む混合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  7. 前記酸窒化物が、酸窒化ケイ素、酸窒化アルミニウム、又は酸窒化ケイ素と酸窒化アルミニウムとの混合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  8. 前記フッ化物が、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、又はフッ化カルシウムとフッ化マグネシウムとの混合物である請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  9. 前記色変換フィルタ層が透明基板上に設けられ、前記パッシベーション層が前記色変換フィルタ層を覆う平坦化層上に形成される請求項1〜8のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  10. 前記パッシベーション層上に前記有機EL層を有する請求項9記載の有機EL素子。
  11. 前記有機EL層が基板上に設けられ、前記パッシベーション層が該有機EL層を覆う請求項1〜8のいずれか一項に記載の有機EL素子。
  12. 前記パッシベーション層上に前記色変換フィルタ層を有する請求項11記載の有機EL素子。
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