JP2007257014A - 温度制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】微小な被温度調節部の温度制御が容易であり、結露による温度調節部の故障が防止される温度制御装置を提供する。
【解決手段】被温度調節部の温度を制御する温度制御装置であって、ヒートシンクと、前記ヒートシンクとの間に閉空間を形成する空間形成部材と、前記ヒートシンクと前記空間形成部材とが形成する前記閉空間に収容され、前記空間形成部材の前記ヒートシンク側の端部に接し、前記空間形成部材を経由して前記被温度調節部の温度を調節する少なくとも一つのペルチェ式温度調節部を有する温度調節部と、前記閉空間の内部の湿度を低減する除湿手段と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】被温度調節部の温度を制御する温度制御装置であって、ヒートシンクと、前記ヒートシンクとの間に閉空間を形成する空間形成部材と、前記ヒートシンクと前記空間形成部材とが形成する前記閉空間に収容され、前記空間形成部材の前記ヒートシンク側の端部に接し、前記空間形成部材を経由して前記被温度調節部の温度を調節する少なくとも一つのペルチェ式温度調節部を有する温度調節部と、前記閉空間の内部の湿度を低減する除湿手段と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、被温度調節部の温度を制御する温度制御装置に関する。
従来、ペルチェモジュールを含むペルチェ式温度調節部を有する温度制御装置が公知である。温度調節部は、被温度調節部を加熱または冷却することにより、被温度調節部を所定の温度に調節している。
温度調節部にペルチェモジュールを有するペルチェ式温度調節部を用いる場合、温度調節部の温度は室温よりも低下する場合がある。この場合、温度調節部の温度が大気の露点以下に達すると、温度調節部には周囲の大気中の水蒸気が水滴となって結露する。温度調節部の周囲に結露した水分は、温度調節部およびペルチェモジュールの腐食や短絡を招くおそれがある。
そこで、温度調節部のペルチェモジュール近傍の防湿を図る技術が提案されている(特許文献1、2参照)。特許文献1には、ペルチェモジュールの周囲にエポキシ樹脂を充填することにより、ペルチェモジュールの防湿を図る発明が開示されている。また、特許文献2には、ペルチェモジュールの周囲に設置したオーリングを二枚の板部材で挟み込むことにより、ペルチェモジュールの防湿を図る発明が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されている発明の場合、エポキシ樹脂をペルチェモジュールの周囲に充填することにより、液体の水滴の浸入は防止することができるものの、気体の水蒸気の浸入を防止することは困難である。また、エポキシ樹脂は、時間の経過とともに劣化する。そのため、長期的な防湿性能の安定性は低い。
また、特許文献2に開示されている発明の場合、二枚の板部材の間にオーリングを挟み込むため、二枚の板部材を接続するねじ部材およびオーリングを経由して熱の移動を招く。そのため、冷却効率が低下し、消費電力が増大してしまう。
そこで、本発明の目的は、結露による温度調節部の故障が防止される温度制御装置を提供することにある。
(1)本発明の温度制御装置では、被温度調節部の温度を制御する温度制御装置であって、ヒートシンクと、前記ヒートシンクとの間に閉空間を形成する空間形成部材と、前記ヒートシンクと前記空間形成部材とが形成する前記閉空間に収容され、前記空間形成部材の前記ヒートシンク側の端部に接し、前記空間形成部材を経由して前記被温度調節部の温度を調節する少なくとも一つのペルチェ式温度調節部を有する温度調節部と、前記閉空間の内部の湿度を低減する除湿手段と、を備える。
これにより、ヒートシンクと、空間形成部材との間には、閉空間が形成される。温度調節部は、形成された閉空間に収容される。そのため、温度調節部が収容される閉空間は、密閉され外気が流入しない。そして、閉空間は、除湿手段によって湿度が低減される。その結果、密閉された閉空間の内部に存在する水蒸気は低減される。したがって、温度調節部への結露が低減され、温度調節部の故障を防止することができる。
(2)本発明の温度制御装置では、前記除湿手段は、前記閉空間に連通する通路を形成する通路部材と、前記通路部材を経由して前記閉空間へ乾燥気体を供給する気体供給部と、を有する。
これにより、閉空間には通路部材が形成する通路を経由して乾燥気体が供給される。そのため、閉空間には常に乾燥した大気が充填され、長期間の使用による閉空間の湿度の上昇は抑えられる。したがって、温度調節部への結露が防止され、温度調節部の故障を防止することができる。
これにより、閉空間には通路部材が形成する通路を経由して乾燥気体が供給される。そのため、閉空間には常に乾燥した大気が充填され、長期間の使用による閉空間の湿度の上昇は抑えられる。したがって、温度調節部への結露が防止され、温度調節部の故障を防止することができる。
(3)本発明の温度制御装置では、前記除湿手段は、前記閉空間を減圧する減圧手段を有する。
閉空間を減圧手段で減圧することにより、乾燥気体は迅速に閉空間へ充填される。これにより、閉空間に存在する水蒸気を含む大気は迅速に乾燥気体に置換される。したがって、被温度調節部の温度制御を開始するまでに要する期間を短縮することができる。
閉空間を減圧手段で減圧することにより、乾燥気体は迅速に閉空間へ充填される。これにより、閉空間に存在する水蒸気を含む大気は迅速に乾燥気体に置換される。したがって、被温度調節部の温度制御を開始するまでに要する期間を短縮することができる。
(4)本発明の温度制御装置では、前記除湿手段は、前記閉空間に連通し前記閉空間の外部に前記閉空間の大気が循環する循環通路を形成する循環通路部材と、前記循環通路の途中に設けられ前記循環通路を流れる大気を冷却する冷却部と、を有する。
閉空間に存在する大気は閉空間の外部に設けられた循環通路を経由して循環する。循環通路の途中には冷却部が設けられている。そのため、閉空間から循環通路を流れる大気に含まれる水蒸気は、冷却部において結露する。これにより、閉空間に存在する大気中に含まれる水蒸気は、閉空間とは別の冷却部において除去される。したがって、閉空間には常に乾燥した大気が供給され、温度調節部の故障を防止することができる。
閉空間に存在する大気は閉空間の外部に設けられた循環通路を経由して循環する。循環通路の途中には冷却部が設けられている。そのため、閉空間から循環通路を流れる大気に含まれる水蒸気は、冷却部において結露する。これにより、閉空間に存在する大気中に含まれる水蒸気は、閉空間とは別の冷却部において除去される。したがって、閉空間には常に乾燥した大気が供給され、温度調節部の故障を防止することができる。
(5)本発明の温度制御装置では、前記除湿手段は、前記ヒートシンクまたは前記空間形成部材を貫いて前記閉空間に突出する吸熱部と、前記吸熱部を前記温度調節部よりも低温に冷却する冷却部とを有する。
これにより、温度調節部の周囲に存在する大気に含まれる水蒸気は、吸熱部に結露する。吸熱部に結露した水分を除去することにより、閉空間の湿度は低下する。したがって、温度調節部への結露が防止され、温度調節部の故障を防止することができる。
これにより、温度調節部の周囲に存在する大気に含まれる水蒸気は、吸熱部に結露する。吸熱部に結露した水分を除去することにより、閉空間の湿度は低下する。したがって、温度調節部への結露が防止され、温度調節部の故障を防止することができる。
(6)本発明の温度制御装置では、前記除湿手段は、前記閉空間に連通し前記閉空間の外部に前記空間の大気が循環する循環通路を形成する循環通路部材と、前記循環通路の途中に設けられ前記循環通路を流れる大気に含まれる水蒸気を吸着する吸着剤が充填されている吸着部とを有する。
閉空間に存在する大気は閉空間の外部に設けられた循環通路を経由して循環する。循環通路の途中には吸着部が設けられている。そのため、閉空間から循環通路を流れる大気に含まれる水蒸気は、吸着部において吸着剤に吸着される。これにより、閉空間に存在する大気中に含まれる水蒸気は、閉空間とは別の吸着部において除去される。したがって、閉空間には常に乾燥した大気が供給され、温度調節部の故障を防止することができる。
(7)本発明の温度制御装置では、前記除湿手段は、前記循環通路に乾燥気体を供給する気体供給部を有する。
これにより、閉空間には乾燥した大気が迅速に供給される。したがって、閉空間には常に乾燥した大気が供給され、被温度調節部の温度制御を開始するまでに要する期間を短縮することができる。
これにより、閉空間には乾燥した大気が迅速に供給される。したがって、閉空間には常に乾燥した大気が供給され、被温度調節部の温度制御を開始するまでに要する期間を短縮することができる。
(8)本発明の温度制御装置では、前記空間形成部材は、伝熱性の材料からなり前記温度調節部の前記ヒートシンクとは反対側の端部および前記被温度調節部に接している天板部と、断熱性の材料からなり前記ヒートシンクと前記天板部との間に設けられ前記閉空間の外縁を形成する枠部と、を有する。
空間形成部材は天板部と枠部とを有しているため、天板部と枠部とを別部材で形成することができる。そのため、天板部を伝熱性の材料で形成すると、天板部を挟んで配置される温度調節部から被温度調節部への熱伝導を促進することができる。一方、枠部を断熱性の材料で形成すると、天板部からヒートシンクへの熱伝導を低減することができる。
以下、本発明の温度制御装置の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による温度制御装置の概略を示す断面図である。また、図2は図1のII−II線における断面図であり、図3は図1のIII−III線における断面図である。
温度制御装置10は、図1に示すように上方にマイクロチップ50が搭載される。本実施形態では、被温度調節部としてマイクロチップ50を適用する例について説明する。温度制御装置10は、ヒートシンク11、温度調節部12および空間形成部材13を備えている。ヒートシンク11と空間形成部材13とは、相互の間に閉空間14を形成している。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による温度制御装置の概略を示す断面図である。また、図2は図1のII−II線における断面図であり、図3は図1のIII−III線における断面図である。
温度制御装置10は、図1に示すように上方にマイクロチップ50が搭載される。本実施形態では、被温度調節部としてマイクロチップ50を適用する例について説明する。温度制御装置10は、ヒートシンク11、温度調節部12および空間形成部材13を備えている。ヒートシンク11と空間形成部材13とは、相互の間に閉空間14を形成している。
マイクロチップ50は、例えばガラス、シリコン、セラミックス、金属、プラスチック、シリコンゴムなどのゴム、あるいはこれらの複合材料によって任意の形状に形成されている。なお、マイクロチップ50は、単一の部材に限らず、例えば基板とカバーなどの二以上の部材から形成してもよい。本実施形態のマイクロチップ50は、図1および図2に示すように複数の槽部51、槽部52、槽部53と、各槽部の間を接続する通路部54、通路部55と、これらの槽部51、52、53および通路部54、55へ試料を供給する供給部56と、槽部51、52、53および通路部54、55から試料を排出する排出部57とを有している。マイクロチップ50の槽部51、52、53では、例えば細胞や微生物の培養が行われたり、化学物質の分離や化学反応が行われる。マイクロチップ50に供給される試料としては、例えば培養液や反応物質を溶解した溶液などが適用される。
温度調節部12は、図1に示すようにペルチェ式温度調節部20ペルチェ式温度調節部30およびペルチェ式温度調節部40を有している。ペルチェ式温度調節部20、30、40は、それぞれペルチェモジュール22、32、42を有している。ペルチェ式温度調節部20、30、40は、図示しない温度検出部を有している。温度検出部は、例えばサーミスタ、熱電対あるいは白金抵抗体などを有しており、各ペルチェ式温度調節部20、30、40の温度を検出する。温度検出部は、検出した温度を信号として図示しない制御部に出力する。なお、温度調節部12に設置するペルチェ式温度調節部の数および位置などは、適用するマイクロチップ50に応じて任意に変更することができる。温度検出部は、ペルチェ式温度調節部20、30、40にそれぞれ設置してもよいし、ペルチェ式温度調節部20、30、40の少なくともいずれか一つに設置してもよい。また、温度検出部は、空間形成部材13に設置してもよい。なお、図示していないが、ペルチェ式温度調節部20、30、40には、電力を供給するリード線が接続しており、このリード線は図示しない電源および制御部に接続している。
ペルチェモジュール22、32、42は、空間形成部材13のマイクロチップ50とは反対側の面に接している。ペルチェモジュール22、32、42と空間形成部材13とは、例えば接着剤、ハンダ材またはろう材により接着してもよいし、強固に固定するのではなく例えばグリスなどを介在させて接着してもよい。ペルチェモジュール22、32、42は、通電することにより一方の面が発熱し他方の面が吸熱する。ペルチェモジュール22、32、42は、印加される電流の向きによって一方の端面から熱を吸収し、他方の端面に排熱する。これにより、ペルチェモジュール22、32、42に印加する電流の向きおよび大きさを制御することにより、空間形成部材13に接するマイクロチップ50は加熱または冷却される。その結果、空間形成部材13に接するマイクロチップ50は、所定の温度に制御される。ペルチェ式温度調節部20、30、40は、図示しない制御部によって制御される。制御部は、図示しない温度検出部で検出された温度に基づいて、ペルチェモジュール22、32、42に供給する電流の向きおよび大きさ、または電流の供給の断続を制御する。
ヒートシンク11は、例えば銅、アルミニウムまたは各種の金属の合金など、熱伝導体により形成されている。ヒートシンク11は、温度調節部12を挟んでマイクロチップ50の反対側に設置されている。ヒートシンク11は、熱伝導率の大きな熱伝導体で形成することにより、ペルチェ式温度調節部20、30、40からの排熱を放熱する。なお、ヒートシンク11には、例えば図示しないファンなどから送風してもよい。これにより、ヒートシンク11の放熱は促進される。ペルチェモジュール22、32、42とヒートシンク11とは、例えば接着剤、ハンダ材またはろう材により接着してもよいし、強固に固定するのではなく例えばグリスなどを介在させて接着してもよい。
空間形成部材13は、天板部15および枠部17を有している。天板部15は、例えば銅、アルミニウムまたは各種の合金など、伝熱性の材料により形成されている。天板部15は、金属に限らず例えば熱伝導性を有するセラミックスや樹脂などで形成してもよい。天板部15は、一方の面がマイクロチップ50に接し、他方の面が温度調節部12のペルチェ式温度調節部20、30、40に接している。
枠部17は、図3に示すように温度調節部12の周囲を囲んでヒートシンク11に固定されている。枠部17は、断熱性の樹脂などの材料により形成され、例えば断熱性の接着剤などによりヒートシンク11および天板部15に固定されている。枠部17は、図1に示すようにヒートシンク11と反対側の端部に天板部15を支持する。
空間形成部材13をヒートシンク11に固定することにより、ヒートシンク11と空間形成部材13との間には閉空間14が形成される。形成された閉空間14には、温度調節部12のペルチェ式温度調節部20、30、40が収容される。これにより、枠部17は、ヒートシンク11と天板部15との間で閉空間14の外縁を形成している。
マイクロチップ50を挟んで温度制御装置10の反対側には、蓋部材60を設置してもよい。蓋部材60は、マイクロチップ50と接し、マイクロチップ50の温度制御装置10とは反対側を覆う。蓋部材60を設置することにより、マイクロチップ50は蓋部材60およびマイクロチップ50の自重によって空間形成部材13の天板部15へ押し付けられる。これにより、マイクロチップ50は空間形成部材13の天板部15に密着する。また、蓋部材60は例えば図示しない錘や弾性部材などによりマイクロチップ50へ押し付けてもよい。蓋部材60をマイクロチップ50に押し付けることにより、マイクロチップ50と天板部15との密着度が高められ、天板部15からマイクロチップ50への熱伝導効率を高めることができる。
温度制御装置10は、除湿手段としての除湿装置70をさらに備えている。除湿装置70は、気体供給部71と、通路部材72、73とを有している。気体供給部71には、乾燥気体が蓄えられている。乾燥気体は、例えば乾燥窒素、乾燥空気や乾燥アルゴンなどである。通路部材72および通路部材73は、ヒートシンク11を経由してヒートシンク11と空間形成部材13との間に形成される閉空間14に連通する通路74、および通路75を形成している。通路74にはバルブ76が設置され、通路75にはバルブ77が設置されている。バルブ76は通路74を開閉し、バルブ77は通路75を開閉する。
通路部材72が形成する通路74は、一方の端部がヒートシンク11と空間形成部材13との間に形成される閉空間14に連通し、他方の端部が気体供給部71に連通している。これにより、温度制御装置10にマイクロチップ50が搭載されたとき、気体供給部71に蓄えられている乾燥気体は、通路部材72が形成する通路74を経由して閉空間14へ供給される。
通路部材73が形成する通路75は、一方の端部がヒートシンク11と空間形成部材13との間に形成される閉空間14に連通し、他方の端部が大気に開放されている。これにより、温度制御装置10にマイクロチップ50が搭載されたとき、気体供給部71から閉空間14へ乾燥気体が供給されると、閉空間14に存在する大気は通路部材73が形成する通路75を経由して閉空間14の外側へ排出される。
ヒートシンク11には、湿度検出手段である湿度センサ16が設置されている。湿度センサ16は、温度制御装置10とマイクロチップ50との間においてヒートシンク11と空間形成部材13との間に形成される閉空間14の湿度を検出する。湿度センサ16は、図示しない制御部に接続している。図示しない制御部は、湿度センサ16で検出した湿度に基づいてバルブ76またはバルブ77を開閉する。これにより、制御部は、閉空間14の湿度を調整する。
次に、第1実施形態による温度制御装置10を用いたマイクロチップ50の温度制御の手順について説明する。
マイクロチップ50は、温度制御装置10から着脱可能である。そのため、マイクロチップ50の温度制御を行う場合、温度制御装置10の上方にマイクロチップ50が搭載される。マイクロチップ50は、空間形成部材13の天板部15の上方に搭載される。マイクロチップ50は、底面すなわち温度制御装置10側の面が天板部15と接する。温度制御装置10にマイクロチップ50が搭載されると、マイクロチップ50の上方すなわちマイクロチップ50を挟んで温度制御装置10と反対側に蓋部材60が設置される。蓋部材60を設置することにより、マイクロチップ50は温度制御装置10側へ押し付けられる。その結果、マイクロチップ50と空間形成部材13の天板部15との密着性が向上する。
マイクロチップ50は、温度制御装置10から着脱可能である。そのため、マイクロチップ50の温度制御を行う場合、温度制御装置10の上方にマイクロチップ50が搭載される。マイクロチップ50は、空間形成部材13の天板部15の上方に搭載される。マイクロチップ50は、底面すなわち温度制御装置10側の面が天板部15と接する。温度制御装置10にマイクロチップ50が搭載されると、マイクロチップ50の上方すなわちマイクロチップ50を挟んで温度制御装置10と反対側に蓋部材60が設置される。蓋部材60を設置することにより、マイクロチップ50は温度制御装置10側へ押し付けられる。その結果、マイクロチップ50と空間形成部材13の天板部15との密着性が向上する。
マイクロチップ50が搭載されると、図示しない制御部はバルブ76およびバルブ77を開放し、気体供給部71から閉空間14へ乾燥気体の供給を開始する。制御部は、湿度センサ16からの出力によって閉空間14の湿度を検出する。
制御部は、閉空間14の湿度が所定値以下になるまで閉空間14へ乾燥気体を供給する。ここで、湿度の所定値とは、閉空間14における大気の露点がペルチェ式温度調節部20、30、40によって制御する最低温度以下となるときの湿度である。閉空間14の湿度が所定値以下になると、制御部はバルブ76およびバルブ77を閉鎖し、気体供給部71から閉空間14への乾燥気体の供給を停止する。
なお、結露を確実に抑えるため、閉空間14における大気の露点は、ペルチェ式温度調節部20、30、40によって制御する最低温度よりも3℃低い温度が望ましく、より好ましくは5℃以上低いことが望ましい。
なお、結露を確実に抑えるため、閉空間14における大気の露点は、ペルチェ式温度調節部20、30、40によって制御する最低温度よりも3℃低い温度が望ましく、より好ましくは5℃以上低いことが望ましい。
乾燥気体の供給を停止すると、制御部はペルチェ式温度調節部20、30、40に通電し、マイクロチップ50の温度制御を開始する。ペルチェ式温度調節部20、30、40が収容されている閉空間14には乾燥気体が充填されている。そのため、ペルチェ式温度調節部20、30、40を最低温度に制御するときでも、閉空間14に含まれる水蒸気はペルチェ式温度調節部20、30、40に結露しない。したがって、ペルチェ式温度調節部20、30、40の破壊を防止することができる。
マイクロチップ50の温度制御が終了すると、マイクロチップ50は温度制御装置10から取り外される。マイクロチップ50を交換し、新たに温度制御を開始する場合、制御部は湿度センサ16で検出した閉空間14の湿度に基づいて、閉空間14への乾燥気体の供給の要否を判断する。ペルチェ式温度調節部20、30、40に結露が生じる可能性があるとき、制御部は閉空間14に乾燥気体を供給する。
また、マイクロチップ50の温度制御を長期間実施する場合、閉空間14にはヒートシンク11と空間形成部材13との間などから水蒸気を含む外部の大気がわずかに流入するおそれがある。そこで、制御部は、湿度センサ16が検出する閉空間14の湿度が上記の所定値付近に達すると、バルブ76およびバルブ77を開放し、閉空間14へ乾燥気体を供給する。これにより、閉空間14の内部は常に所定の湿度以下に保持される。また、マイクロチップ50の温度制御を実施する間、乾燥気体は気体供給部71から閉空間14へ常に供給してもよい。したがって、長期間の温度制御を実施する場合でも、ペルチェ式温度調節部20、30、40への結露が防止され、ペルチェ式温度調節部20、30、40の破壊を防止することができる。なお、乾燥気体としては、例えば空気、窒素あるいはアルゴンなどを適用することができる。
(変形例)
上述した第1実施形態の変形例を図4に示す。図4は、本発明の第1実施形態による温度制御装置の変形例の概略を示す断面図である。
第1実施形態の変形例の場合、ペルチェ式温度調節部20、30、40は、それぞれ伝熱部21、伝熱部31、伝熱部41を有している。これにより、ペルチェ式温度調節部20、30、40の場合、ペルチェモジュール22、32、42の熱は伝熱部21、31を経由して天板部15へ伝達される。
上述した第1実施形態の変形例を図4に示す。図4は、本発明の第1実施形態による温度制御装置の変形例の概略を示す断面図である。
第1実施形態の変形例の場合、ペルチェ式温度調節部20、30、40は、それぞれ伝熱部21、伝熱部31、伝熱部41を有している。これにより、ペルチェ式温度調節部20、30、40の場合、ペルチェモジュール22、32、42の熱は伝熱部21、31を経由して天板部15へ伝達される。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による温度制御装置を図5に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図5は、本発明の第2実施形態による温度制御装置の概略を示す断面図である。第2実施形態では、温度制御装置10は減圧手段としての減圧装置80を備えている。減圧装置80は、通路部材81および減圧部82を有している。通路部材81は、ヒートシンク11を貫いてヒートシンク11と空間形成部材13との間に形成される閉空間14に連通する減圧通路83を形成している。減圧通路83は、一方の端部が閉空間14となるヒートシンク11と空間形成部材13との間に連通し、他方の端部が減圧部82に連通している。減圧部82は、例えば吸引ポンプあるいは真空ポンプなどを有しており、ヒートシンク11と空間形成部材13との間に形成される閉空間14を減圧する。減圧装置80は、減圧通路83を開閉するバルブ84を有している。
本発明の第2実施形態による温度制御装置を図5に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図5は、本発明の第2実施形態による温度制御装置の概略を示す断面図である。第2実施形態では、温度制御装置10は減圧手段としての減圧装置80を備えている。減圧装置80は、通路部材81および減圧部82を有している。通路部材81は、ヒートシンク11を貫いてヒートシンク11と空間形成部材13との間に形成される閉空間14に連通する減圧通路83を形成している。減圧通路83は、一方の端部が閉空間14となるヒートシンク11と空間形成部材13との間に連通し、他方の端部が減圧部82に連通している。減圧部82は、例えば吸引ポンプあるいは真空ポンプなどを有しており、ヒートシンク11と空間形成部材13との間に形成される閉空間14を減圧する。減圧装置80は、減圧通路83を開閉するバルブ84を有している。
第2実施形態では、温度制御装置10にマイクロチップ50が搭載されると、気体供給部71からの乾燥気体の供給に先立って、減圧装置80はヒートシンク11と空間形成部材13との間に形成された閉空間14を減圧する。すなわち、制御部は、温度制御装置10にマイクロチップ50が搭載されると、減圧装置80を作動させる。そして、閉空間14の圧力が所定値まで低下すると、制御部はバルブ84を閉じ減圧装置80を停止する。これとともに、制御部は、バルブ76を開放し、気体供給部71から減圧された閉空間14へ乾燥気体を供給する。
第2実施形態では、乾燥気体の供給に先立って閉空間14を減圧することにより、気体供給部71から閉空間14の内部を、水蒸気を含む大気から乾燥気体へ迅速に置換することができる。これにより、ペルチェ式温度調節部20、30、40による温度制御を開始するまでに必要な時間は短縮することができる。また、閉空間14を減圧することにより、閉空間14に残留する水蒸気は低減する。したがって、ペルチェ式温度調節部20、30、40への結露をさらに確実に防止することができる。なお、閉空間14の減圧と乾燥気体の供給とを繰り返すことにより、閉空間14の内部を、水蒸気を含む大気から乾燥気体に置換してもよい。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による温度制御装置を図6に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図6は、本発明の第3実施形態による温度制御装置の概略を示す断面図である。第3実施形態では、除湿装置の構成が第1実施形態と異なっている。第3実施形態では、除湿装置90は、循環通路部材91、冷却部92、循環ポンプ93、および脱水部94を有している。循環通路部材91は、温度制御装置10のヒートシンク11の外側に循環通路95を形成している。循環通路95は、ヒートシンク11を貫いてヒートシンク11と空間形成部材13との間に形成される閉空間14に連通している。これにより、閉空間14の大気は、閉空間14の外側に形成される循環通路95を循環する。
本発明の第3実施形態による温度制御装置を図6に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図6は、本発明の第3実施形態による温度制御装置の概略を示す断面図である。第3実施形態では、除湿装置の構成が第1実施形態と異なっている。第3実施形態では、除湿装置90は、循環通路部材91、冷却部92、循環ポンプ93、および脱水部94を有している。循環通路部材91は、温度制御装置10のヒートシンク11の外側に循環通路95を形成している。循環通路95は、ヒートシンク11を貫いてヒートシンク11と空間形成部材13との間に形成される閉空間14に連通している。これにより、閉空間14の大気は、閉空間14の外側に形成される循環通路95を循環する。
循環通路95の途中には冷却部92が設置されている。冷却部92は、循環通路95を形成する循環通路部材91の一部を冷却する。冷却部92は、例えばペルチェ式温度調節部などを有している。冷却部92が循環通路部材91を冷却することにより、循環通路95を流れる大気に含まれる水蒸気は冷却部92において循環通路部材91に結露する。
循環ポンプ93は、循環通路95の途中に設置されている。循環ポンプ93は、循環通路95に大気の流れを形成する。これにより、循環ポンプ93が作動すると、閉空間14と循環通路95との間に大気の流れが形成される。
冷却部92において循環通路部材91に結露した水は、循環通路部材91の内壁にそって脱水部94へ流入する。脱水部94には、排出バルブ96が設置されている。これにより、冷却部92によって結露した水は、脱水部94において外部へ排出される。冷却部92は、循環通路部材91を温度調節部12のペルチェ式温度調節部に設定されている最低温度以下に冷却する。なお、冷却部92は、ペルチェ式温度調節部に限らず、例えば冷凍サイクルを適用したヒートポンプなどを適用してもよい。
なお、結露を確実に抑えるため、閉空間14における大気の露点は、ペルチェ式温度調節部20、30、40によって制御する最低温度よりも3℃低い温度が望ましく、より好ましくは5℃以上低いことが望ましい。
冷却部92において循環通路部材91に結露した水は、循環通路部材91の内壁にそって脱水部94へ流入する。脱水部94には、排出バルブ96が設置されている。これにより、冷却部92によって結露した水は、脱水部94において外部へ排出される。冷却部92は、循環通路部材91を温度調節部12のペルチェ式温度調節部に設定されている最低温度以下に冷却する。なお、冷却部92は、ペルチェ式温度調節部に限らず、例えば冷凍サイクルを適用したヒートポンプなどを適用してもよい。
なお、結露を確実に抑えるため、閉空間14における大気の露点は、ペルチェ式温度調節部20、30、40によって制御する最低温度よりも3℃低い温度が望ましく、より好ましくは5℃以上低いことが望ましい。
第3実施形態では、温度制御装置10にマイクロチップ50が搭載されると、制御部は循環ポンプ93を作動させる。これにより、温度制御装置10とマイクロチップ50との間に形成された閉空間14に存在する大気は、閉空間14と循環通路95との間を循環する。循環通路95を流れる大気に含まれる水蒸気は、冷却部92を通過する際に冷却された循環通路部材91に接することにより結露する。そのため、冷却部92を通過した大気に含まれる水蒸気は低減される。その結果、閉空間14と循環通路95との間を循環する大気の湿度は低下する。
制御部は、閉空間14に存在する大気すなわち循環する大気の湿度が所定値以下となると、ペルチェ式温度調節部20、30、40に通電し、マイクロチップ50の温度制御を開始する。
第3実施形態では、閉空間14の大気は外部の循環通路95において除湿される。これにより、ペルチェ式温度調節部20、30、40の結露が防止される。したがって、ペルチェ式温度調節部20、30、40の破壊を防止することができる。
第3実施形態では、閉空間14の大気は外部の循環通路95において除湿される。これにより、ペルチェ式温度調節部20、30、40の結露が防止される。したがって、ペルチェ式温度調節部20、30、40の破壊を防止することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態による温度制御装置を図7に示す。第4実施形態は、第3実施形態の変形である。そのため、第3実施形態と実質的に同一の構成部位の説明は省略する。
図7は、本発明の第4実施形態による温度制御装置の概略図である。第4実施形態では、除湿装置90は循環通路95の途中に大気を蓄える気体供給部97を有している。冷却部92で冷却することにより除湿された大気は、気体供給部97に蓄えられる。閉空間14には、循環通路95に設置されたバルブ98を経由して気体供給部97から乾燥した大気が供給される。
第4実施形態による温度制御装置を図7に示す。第4実施形態は、第3実施形態の変形である。そのため、第3実施形態と実質的に同一の構成部位の説明は省略する。
図7は、本発明の第4実施形態による温度制御装置の概略図である。第4実施形態では、除湿装置90は循環通路95の途中に大気を蓄える気体供給部97を有している。冷却部92で冷却することにより除湿された大気は、気体供給部97に蓄えられる。閉空間14には、循環通路95に設置されたバルブ98を経由して気体供給部97から乾燥した大気が供給される。
第4実施形態では、気体供給部97に乾燥した大気が蓄えられる。そのため、大気を循環することにより除湿する場合と比較して、閉空間14の湿度を迅速に低下させることができる。また、気体供給部97から閉空間14へ大気を供給する前に、図示しない減圧装置によって閉空間14を減圧する構成としてもよい。これにより、さらに迅速に閉空間14に湿度を低減することができる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態による温度制御装置を図8に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図8は、本発明の第5実施形態による温度制御装置の概略を示す断面図である。図9は、図8のIX部分を拡大した拡大図である。
本発明の第5実施形態による温度制御装置を図8に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図8は、本発明の第5実施形態による温度制御装置の概略を示す断面図である。図9は、図8のIX部分を拡大した拡大図である。
除湿装置100は、吸熱部101および冷却部102を有している。吸熱部101は、ヒートシンク11を貫いて閉空間14に突出している。吸熱部101は、図9に示すように柱部103と、柱部103から突出する複数のフィン104と、フィンの下方に設置されている貯水部105とを有している。吸熱部101は、熱伝導率の大きな金属によって形成されている。冷却部102は、温度制御装置10の外部において柱部103のマイクロチップ50とは反対側の端部に接続している。冷却部102は、例えばペルチェ式温度調節部や冷凍サイクルのヒートポンプなどを有している。柱部103とヒートシンク11との間には、シール部材106が設置されている。シール部材106は、柱部103とヒートシンク11との間を断熱するとともに、気密にシールしている。
冷却部102は、柱部103の端部を冷却する。これにより、吸熱部101は冷却部102によって全体が冷却される。ヒートシンク11と空間形成部材13との間には閉空間14が形成される。吸熱部101は、冷却部102と反対側の端部が閉空間14に突出している。吸熱部101が冷却部102によって冷却されると、閉空間14に突出する吸熱部101も冷却される。そのため、吸熱部101には、閉空間14に存在する大気に含まれる水蒸気が水滴となって結露する。結露した水滴は、吸熱部101の貯水部105に蓄えられる。
吸熱部101は、ペルチェ式温度調節部20、30、40に設定されている最低温度以下に冷却される。これにより、閉空間14に存在する大気に含まれる水蒸気は、ペルチェ式温度調節部20、30、40ではなく吸熱部101に結露する。そのため、閉空間14の湿度は低下し、ペルチェ式温度調節部20、30、40への結露が防止される。したがって、ペルチェ式温度調節部20、30、40の破壊を防止することができる。なお、本実施形態では、吸熱部101は、ヒートシンク11を貫いているが、空間形成部材13を貫くことにより閉空間14に突出する構成としてもよい。
なお、結露を確実に抑えるため、閉空間14における大気の露点は、ペルチェ式温度調節部20、30、40によって制御する最低温度よりも3℃低い温度が望ましく、より好ましくは5℃以上低いことが望ましい。
なお、結露を確実に抑えるため、閉空間14における大気の露点は、ペルチェ式温度調節部20、30、40によって制御する最低温度よりも3℃低い温度が望ましく、より好ましくは5℃以上低いことが望ましい。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態による温度制御装置を図10に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図10は、本発明の第6実施形態による温度制御装置の概略を示す断面図である。第6実施形態では、除湿装置110の構成が第1実施形態と異なっている。第6実施形態では、除湿装置110は、循環通路部材111、吸着部112および循環ポンプ113を有している。循環通路部材111は、温度制御装置10のヒートシンク11の外側に循環通路114を形成している。循環通路114は、ヒートシンク11を貫いてヒートシンク11と空間形成部材13とが形成する閉空間14に連通している。これにより、閉空間14の大気は、閉空間14の外側に形成される循環通路114を循環する。
本発明の第6実施形態による温度制御装置を図10に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図10は、本発明の第6実施形態による温度制御装置の概略を示す断面図である。第6実施形態では、除湿装置110の構成が第1実施形態と異なっている。第6実施形態では、除湿装置110は、循環通路部材111、吸着部112および循環ポンプ113を有している。循環通路部材111は、温度制御装置10のヒートシンク11の外側に循環通路114を形成している。循環通路114は、ヒートシンク11を貫いてヒートシンク11と空間形成部材13とが形成する閉空間14に連通している。これにより、閉空間14の大気は、閉空間14の外側に形成される循環通路114を循環する。
循環通路114の途中には吸着部112が設置されている。吸着部112は、例えばシリカゲル、酸化カルシウム、あるいは塩化カルシウムなどの吸着剤115が充填されている。循環ポンプ113は、循環通路114の途中に設置されている。循環ポンプ113は、循環通路114に大気の流れを形成する。これにより、循環ポンプ113が作動すると、閉空間14と循環通路114との間に大気の流れが形成される。
第6実施形態では、温度制御装置10にマイクロチップ50が搭載されると、制御部は循環ポンプ113を作動させる。これにより、温度制御装置10とマイクロチップ50との間に形成された閉空間14に存在する大気は、閉空間14と循環通路114との間を循環する。循環通路114を流れる大気に含まれる水蒸気は、吸着部112を通過する際に吸着剤115によって吸着される。そのため、吸着部112を通過した大気に含まれる水蒸気は低減される。その結果、閉空間14と循環通路114との間を循環する大気の湿度は低下する。したがって、ペルチェ式温度調節部20、30、40の結露が防止され、ペルチェ式温度調節部20、30、40の破壊を防止することができる。
第6実施形態においても、上述の第4実施形態と同様に循環通路114の途中に気体供給部97を設置してもよい。
第6実施形態においても、上述の第4実施形態と同様に循環通路114の途中に気体供給部97を設置してもよい。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態による温度制御装置を図11に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図11は、本発明の第7実施形態による温度制御装置の概略を示す断面図である。第7実施形態では、温度制御装置10は保温庫120を冷却または加熱する。保温庫120は、断熱材121によって外部と断熱された保温室122を形成している。第7実施形態の場合、保温室122は被温度調節部である。保温室122には、フィン123が露出している。フィン123は、例えば銅、アルミニウムまたは各種の合金など、伝熱性の材料により形成されている。フィン123は、金属に限らず例えば熱伝導性を有するセラミックスや樹脂などで形成してもよい。フィン123は、保温室122とは反対側の端面が天板部15に接している。これにより、温度調節部12によって天板部15が加熱または冷却されると、その熱がフィン123を経由して保温室122に伝えられる。なお、第7実施形態では、温度の制御効率を高めるために、保温室122の内部に空気を循環させるファンを設置してもよい。
本発明の第7実施形態による温度制御装置を図11に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図11は、本発明の第7実施形態による温度制御装置の概略を示す断面図である。第7実施形態では、温度制御装置10は保温庫120を冷却または加熱する。保温庫120は、断熱材121によって外部と断熱された保温室122を形成している。第7実施形態の場合、保温室122は被温度調節部である。保温室122には、フィン123が露出している。フィン123は、例えば銅、アルミニウムまたは各種の合金など、伝熱性の材料により形成されている。フィン123は、金属に限らず例えば熱伝導性を有するセラミックスや樹脂などで形成してもよい。フィン123は、保温室122とは反対側の端面が天板部15に接している。これにより、温度調節部12によって天板部15が加熱または冷却されると、その熱がフィン123を経由して保温室122に伝えられる。なお、第7実施形態では、温度の制御効率を高めるために、保温室122の内部に空気を循環させるファンを設置してもよい。
第7実施形態では、温度制御装置10を保温庫120に適用することができる。したがって、保温庫120を冷却するときでも、温度制御装置10の温度調節部12が結露せず、破壊を防止することができる。
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態による温度制御装置を図12に示す。第8実施形態による温度制御装置は、第4実施形態の変形であり、第4実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図12は、本発明の第8実施形態による温度制御装置の概略を示す断面図である。第8実施形態では、温度制御装置10は、被温度調節部であるシリコンウェーハ130を冷却または加熱する。シリコンウェーハ130は、天板部15に搭載される。これにより、シリコンウェーハ130は、温度調節部12から天板部15を経由して冷却または加熱される。半導体の製造プロセスにおいて、温度調節装置10でシリコンウェーハ130の温度を調整することにより、シリコンウェーハ130は均一に温度が調整される。したがって、作成されるシリコンウェーハ130の特性を均一化し、半導体の性能を均一にすることができる。
なお、第8実施形態は、第4実施形態の変形例として説明したが、第1実施形態から第3実施形態、第5実施形態または第6実施形態のいずれかを変形して適用してもよい。
本発明の第8実施形態による温度制御装置を図12に示す。第8実施形態による温度制御装置は、第4実施形態の変形であり、第4実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図12は、本発明の第8実施形態による温度制御装置の概略を示す断面図である。第8実施形態では、温度制御装置10は、被温度調節部であるシリコンウェーハ130を冷却または加熱する。シリコンウェーハ130は、天板部15に搭載される。これにより、シリコンウェーハ130は、温度調節部12から天板部15を経由して冷却または加熱される。半導体の製造プロセスにおいて、温度調節装置10でシリコンウェーハ130の温度を調整することにより、シリコンウェーハ130は均一に温度が調整される。したがって、作成されるシリコンウェーハ130の特性を均一化し、半導体の性能を均一にすることができる。
なお、第8実施形態は、第4実施形態の変形例として説明したが、第1実施形態から第3実施形態、第5実施形態または第6実施形態のいずれかを変形して適用してもよい。
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態による温度制御装置を図13に示す。第9実施形態による温度制御装置は、第5実施形態の変形であり、第5実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図13は、本発明の第9実施形態による温度制御装置の概略を示す断面図である。第9実施形態では、温度制御装置10は被温度調節部であるビーカー140を冷却または加熱する。ビーカー140は、天板部15に搭載される。これにより、ビーカー140は、温度調節部12から天板部15を経由して冷却または加熱される。ビーカー140には、例えば化学反応を行うための試薬、あるいは培養を行うための細胞や細菌などが蓄えられている。化学反応や培養を行う場合、試薬を含む溶液や培養液を一定の温度に保持する必要がある。温度制御装置10を用いることにより、ビーカー140に入った試薬や培養液を容易に一定温度に保持することができる。
本発明の第9実施形態による温度制御装置を図13に示す。第9実施形態による温度制御装置は、第5実施形態の変形であり、第5実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
図13は、本発明の第9実施形態による温度制御装置の概略を示す断面図である。第9実施形態では、温度制御装置10は被温度調節部であるビーカー140を冷却または加熱する。ビーカー140は、天板部15に搭載される。これにより、ビーカー140は、温度調節部12から天板部15を経由して冷却または加熱される。ビーカー140には、例えば化学反応を行うための試薬、あるいは培養を行うための細胞や細菌などが蓄えられている。化学反応や培養を行う場合、試薬を含む溶液や培養液を一定の温度に保持する必要がある。温度制御装置10を用いることにより、ビーカー140に入った試薬や培養液を容易に一定温度に保持することができる。
なお、被温度調節部は、ビーカー140に限らず、例えばフラスコや培養槽など、任意の容器を用いることができる。
また、第9実施形態は、第5実施形態の変形例として説明したが、第1実施形態から第4実施形態または第6実施形態のいずれかを変形して適用してもよい。
また、第9実施形態は、第5実施形態の変形例として説明したが、第1実施形態から第4実施形態または第6実施形態のいずれかを変形して適用してもよい。
(その他の実施形態)
第1実施形態から第9実施形態では、湿度センサをヒートシンクに設置する例について説明した。しかし、湿度センサは、空間形成部材に設置してもよい。
また、第1実施形態から第9実施形態では、空間形成部材と別部材の天板部と枠部とを一体に組み付ける例について説明した。しかし、空間形成部材の天板部と枠部とは、例えばインサート成形などにより一体に成形してもよく、単一の材料により一体に成形してもよい。
また、第1実施形態から第4実施形態および第6実施形態から第8実施形態では、通路部材をヒートシンクに設置する例について説明した。しかし、通路部材は、空間形成部材に設置してもよい。
さらに、第2実施形態では、減圧通路部材をヒートシンクに設置する例について説明した。しかし、減圧通路部材は、空間形成部材や他の通路部材に設置してもよい。
第1実施形態から第9実施形態では、湿度センサをヒートシンクに設置する例について説明した。しかし、湿度センサは、空間形成部材に設置してもよい。
また、第1実施形態から第9実施形態では、空間形成部材と別部材の天板部と枠部とを一体に組み付ける例について説明した。しかし、空間形成部材の天板部と枠部とは、例えばインサート成形などにより一体に成形してもよく、単一の材料により一体に成形してもよい。
また、第1実施形態から第4実施形態および第6実施形態から第8実施形態では、通路部材をヒートシンクに設置する例について説明した。しかし、通路部材は、空間形成部材に設置してもよい。
さらに、第2実施形態では、減圧通路部材をヒートシンクに設置する例について説明した。しかし、減圧通路部材は、空間形成部材や他の通路部材に設置してもよい。
(実験例)
次に、上記の実施形態による温度制御装置10を用いた実験例について説明する。
ここでは、上述の図1に示す第1実施形態による温度制御装置10、図5に示す第2実施形態による温度制御装置10、図6に示す第3実施形態による温度制御装置10を用いて実験を行った。各温度制御装置10において、ペルチェ式温度調節部20、30、40の温度を10℃に設定した。温度制御装置10は、いずれも気温30℃、湿度50%の大気中に設置した。ここで、気温30℃のとき湿度50%の空気には、1m3あたり15.2gの水蒸気が含まれている。
次に、上記の実施形態による温度制御装置10を用いた実験例について説明する。
ここでは、上述の図1に示す第1実施形態による温度制御装置10、図5に示す第2実施形態による温度制御装置10、図6に示す第3実施形態による温度制御装置10を用いて実験を行った。各温度制御装置10において、ペルチェ式温度調節部20、30、40の温度を10℃に設定した。温度制御装置10は、いずれも気温30℃、湿度50%の大気中に設置した。ここで、気温30℃のとき湿度50%の空気には、1m3あたり15.2gの水蒸気が含まれている。
マイクロチップ50は、幅24mm×長さ64mm×厚さ1mmに設定した。また、温度制御装置10とマイクロチップ50との間に形成される閉空間14は、幅20mm×長さ60mm×高さ3mmに設定した。
実験は、次の手順で行った。
(1)温度30℃で湿度が22%のとき、露点は5℃となる。そこで、マイクロチップ50を搭載した後、閉空間14の内部の露点が上記のペルチェ式温度調節部20、30、40の設定温度以下である5℃以下となるように、閉空間14の湿度を22%以下になるまで除湿した。
(1)温度30℃で湿度が22%のとき、露点は5℃となる。そこで、マイクロチップ50を搭載した後、閉空間14の内部の露点が上記のペルチェ式温度調節部20、30、40の設定温度以下である5℃以下となるように、閉空間14の湿度を22%以下になるまで除湿した。
(2)温度調節部12のペルチェ式温度調節部20、30、40に通電し、上述の設定温度にした。
(3)ペルチェ式温度調節部20、30、40を設定温度に調節した後、ペルチェ式温度調節部20、30、40の結露の様子を観察した。
ここで、比較例として、図1に示す第1実施形態による温度制御装置10において、空間形成部材13を設けず、ペルチェ式温度調節部20、30、40が大気中に露出しているものを用いた。
(3)ペルチェ式温度調節部20、30、40を設定温度に調節した後、ペルチェ式温度調節部20、30、40の結露の様子を観察した。
ここで、比較例として、図1に示す第1実施形態による温度制御装置10において、空間形成部材13を設けず、ペルチェ式温度調節部20、30、40が大気中に露出しているものを用いた。
その結果、表1に示すように、本発明を適用した第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態による温度制御装置10では、ペルチェ式温度調節部20、30、40のいずれにも結露が生じなかった。一方、比較例では、ペルチェ式温度調節部に結露が生じた。これにより、本発明を適用した各実施形態の温度制御装置10は、ペルチェ式温度調節部20、30、40の結露防止に有効であることが証明された。
また、第2実施形態の温度制御装置では、閉空間14を減圧することにより、他の実施形態と比較して湿度の低下が迅速であることが証明された。
以上説明した複数の実施形態では、本発明を各実施形態ごとに適用する例について説明した。しかし、本発明は、複数の実施形態を組み合わせて適用してもよい。
以上説明した複数の実施形態では、本発明を各実施形態ごとに適用する例について説明した。しかし、本発明は、複数の実施形態を組み合わせて適用してもよい。
10:温度制御装置、11:ヒートシンク、12:温度調節部、13:空間形成部材、14:閉空間、15:天板部、17:枠部、20、30、40:ペルチェ式温度調節部、50:マイクロチップ(被温度調節部)、70:除湿装置(除湿手段)、71:気体供給部、72:通路部材、73:通路部材、80:減圧装置(減圧手段)、90:除湿装置(除湿手段)、91:循環通路部材、92:冷却部、97:気体供給部、100:除湿装置、101:吸熱部、102:冷却部、110:除湿装置、111:循環通路部材、112:吸着部、115:吸着剤、122:保温室(被温度調節部)、130:シリコンウェーハ(被温度調節部)、140:ビーカー(被温度調節部)
Claims (8)
- 被温度調節部の温度を制御する温度制御装置であって、
ヒートシンクと、
前記ヒートシンクとの間に閉空間を形成する空間形成部材と、
前記ヒートシンクと前記空間形成部材とが形成する前記閉空間に収容され、前記空間形成部材の前記ヒートシンク側の端部に接し、前記空間形成部材を経由して前記被温度調節部の温度を調節する少なくとも一つのペルチェ式温度調節部を有する温度調節部と、
前記閉空間の内部の湿度を低減する除湿手段と、
を備える温度制御装置。 - 前記除湿手段は、前記閉空間に連通する通路を形成する通路部材と、前記通路部材を経由して前記閉空間へ乾燥気体を供給する気体供給部と、を有する請求項1記載の温度制御装置。
- 前記除湿手段は、前記閉空間を減圧する減圧手段を有する請求項2記載の温度制御装置。
- 前記除湿手段は、前記閉空間に連通し前記閉空間の外部に前記閉空間の大気が循環する循環通路を形成する循環通路部材と、前記循環通路の途中に設けられ前記循環通路を流れる大気を冷却する冷却部と、を有する請求項1記載の温度制御装置。
- 前記除湿手段は、前記ヒートシンクまたは前記空間形成部材を貫いて前記閉空間に突出する吸熱部と、前記吸熱部を前記温度調節部よりも低温に冷却する冷却部とを有する請求項1記載の温度制御装置。
- 前記除湿手段は、前記閉空間に連通し前記閉空間の外部に前記空間の大気が循環する循環通路を形成する循環通路部材と、前記循環通路の途中に設けられ前記循環通路を流れる大気に含まれる水蒸気を吸着する吸着剤が充填されている吸着部とを有する請求項1記載の温度制御装置。
- 前記除湿手段は、前記循環通路に乾燥気体を供給する気体供給部を有する請求項4または6記載の温度制御装置。
- 前記空間形成部材は、伝熱性の材料からなり前記温度調節部の前記ヒートシンクとは反対側の端部および前記被温度調節部に接している天板部と、断熱性の材料からなり前記ヒートシンクと前記天板部との間に設けられ前記閉空間の外縁を形成する枠部と、を有する請求項1から7のいずれか一項記載の温度制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006076830A JP2007257014A (ja) | 2006-03-20 | 2006-03-20 | 温度制御装置 |
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