JP2007256924A - 液晶装置、液晶装置の製造方法、及び電子機器 - Google Patents

液晶装置、液晶装置の製造方法、及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶が変質した際の配向膜の劣化を抑えることで、長期に渡って優れた配向特性が得られる耐久性に優れた、液晶装置、該液晶装置の製造方法、及び前記液晶装置を備えた電子機器を提供する。
【解決手段】フッ素系置換基を導入した液晶分子を含む液晶層50と、液晶層50を挟持する一対の基板10,20と、一対の基板10,20における液晶層50側にそれぞれ配置された一対の電極9,21と、を備えた液晶装置である。一対の電極9,21の少なくとも一方を覆う酸化珪素からなる配向膜40,60と、配向膜40,60の液晶層50側における表面形状に倣うように成膜された酸化アルミニウムからなる侵食防止膜41,61と、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、液晶装置、液晶装置の製造方法、及び電子機器に関する。
液晶プロジェクタ等の投射型表示装置に搭載される光変調手段や、携帯電話等に搭載される直視型表示装置として用いられる液晶装置は、対向配置された一対の基板間に液晶層を挟持し、該液晶層に電圧を印加するための電極を具備したものである。また、液晶装置を構成する一対の基板の液晶層側には、各々、電圧無印加時における液晶分子の配列を制御する配向膜が形成されて、電界無印加時における液晶分子の配向状態を規制することが可能となっている。
ところで、このような液晶装置は基板間のギャップ(セルギャップ)が不均一になると、色ムラ、表示ムラ等によって表示品位の劣化が生じてしまう。そのため、基板間にはセルギャップを規定するためのスペーサを設けるようにしている。このようなスペーサを形成する方法として、例えばフォトリソグラフィ工程が用いられている。
しかしながら、前記スペーサを形成する際に用いられるエッチング液によって配向膜がダメージを受け、配向膜の配向規制力が低下し液晶分子の配向状態が乱れることで液晶装置の表示品質を低下させてしまう。そこで、ギャップ材をエッチングによって形成する際に配向膜上に侵食防止膜を形成することにより、エッチング液による配向膜の劣化を防止した技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。このように液晶装置においては、配向膜の劣化防止は非常に重要な課題となっている。
ところで近年、例えば液晶プロジェクタの光変調手段として液晶装置を用いる場合には、耐熱性及び耐光性を備えた無機材料、例えば酸化珪素(SiO)からなる配向膜を用いることで、光源からの強い光や熱による上述したような配向膜の劣化を防止することが知られている。また、このような液晶装置の液晶層を構成する液晶としては、例えばフッ素系置換基を導入したものが用いられている。
特開平6−59228号公報
しかしながら、光変調素子として用いられた液晶装置は長時間光を照射され続けると、経時的に液晶層が変質しフッ化水素(フッ素イオン)が生成される。このような変質した液晶(光分解物)から生成されたフッ化水素は、上記配向膜を構成する酸化珪素と反応してこれを侵食し、配向不良を引き起こす。したがって、液晶装置の表示品位が低下することで、その信頼性も低下するといった問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、液晶が変質した際の配向膜の劣化を抑えることで、長期に渡って優れた配向特性が得られる耐久性に優れた、液晶装置、該液晶装置の製造方法、及び前記液晶装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
本発明の液晶装置は、フッ素系置換基を導入した液晶分子を含む液晶層と、該液晶層を挟持する一対の基板と、該一対の基板における前記液晶層側にそれぞれ配置された一対の電極と、を備えた液晶装置であって、
前記一対の電極の少なくとも一方を覆う酸化珪素からなる配向膜と、該配向膜の前記液晶層側における表面形状に倣うように成膜された、酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化マグネシウムのうちの少なくとも一種からなる侵食防止膜と、を備えたことを特徴とする。
本発明の液晶装置によれば、少なくとも一方の配向膜上に、フッ化水素(フッ素イオン)との反応性が乏しい(低い)酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化マグネシウムのうちの少なくとも一種からなる侵食防止膜が形成されているので、該侵食防止膜が配向膜と液晶層との間に介在した状態となり、液晶層が変質した際に生成されたフッ化水素による配向膜の侵食が抑制される。よって、フッ化水素による配向膜の侵食を抑えることで配向膜の変形に起因する配向不良を防止できる。
したがって、長期に渡って優れた配向特性が得られる耐久性に優れたものとなる。
また、上記液晶装置においては、前記侵食防止膜は、原子層堆積法により成膜されてなるのが好ましい。
このようにすれば、前記侵食防止膜が、1原子層毎の成膜を可能とする原子層堆積法により形成されているので、前記配向膜の表面における凹凸形状の間の隙間が埋め込まれることなく前記表面形状に倣った状態となり、配向膜における配向特性を損なうことがない。また、原子層堆積法により形成された侵食防止膜は緻密性が高いものとなるので、前記配向膜が上述したフッ化水素(フッ素イオン)に曝されるのを確実に防止することができる。
また、上記液晶装置においては、前記電極と前記配向膜との間には、前記電極からの不純物の拡散を防止する拡散防止膜が設けられているのが好ましい。
このようにすれば、電極と配向膜との間に設けられた拡散防止膜によって、例えば液晶装置を駆動した際の熱等によって前記電極から金属元素や金属イオン等が液晶層側に拡散されるのを防止できる。このように、前記不純物による液晶層の劣化を防止し、液晶装置における信頼性をより向上させることができる。
本発明の液晶装置の製造方法は、フッ素系置換基を導入した液晶分子を含む液晶層と、該液晶層を挟持する一対の基板と、該一対の基板における前記液晶層側にそれぞれ配置された一対の電極と、を備えた液晶装置の製造方法であって、
前記一対の電極の少なくとも一方を覆うようにして酸化珪素からなる配向膜を前記基板上に形成する工程と、
前記配向膜の前記液晶層側における表面形状に倣うようにして、酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化マグネシウムのうちの少なくとも一種からなる侵食防止膜を形成する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の液晶装置の製造方法によれば、少なくとも一方の配向膜上に、フッ化水素(フッ素イオン)との反応性が乏しい(低い)酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化マグネシウムのうちの少なくとも一種からなる侵食防止膜を形成し、該侵食防止膜を配向膜と液晶層との間に介在させた状態としているので、液晶層が変質した際に生成されたフッ化水素による配向膜の侵食を抑制することができる。よって、フッ化水素による配向膜の侵食を抑え、配向膜の変形に起因する配向不良を防止できる。
したがって、長期に渡り優れた配向特性を得る耐久性に優れた液晶装置を提供することができる。
また、上記液晶装置においては、前記浸食防止膜の形成を、原子層堆積法を用いて行うのが好ましい。
このようにすれば、前記したように侵食防止膜を、前記配向膜の表面における凹凸形状の間の隙間を埋め込むことなく前記表面形状に倣った状態に形成することができ、したがって、配向膜の配向特性を損なうことがない。また、原子層堆積法により形成された侵食防止膜は緻密性が高いものとなるので、前記配向膜が上述したフッ化水素(フッ素イオン)に曝されるのを確実に防止することができる。
また、この液晶装置においては、前記原子層堆積法で前記配向膜上に前駆体層を形成した後、100℃以上の温度でのアニール処理を行い、その後、水蒸気酸化処理を行うことにより、前記侵食防止膜を得るのが好ましい。
このようにすれば、特に原子層堆積法による成膜に、原料として金属アルコキシド等の有機金属を用いた場合に、原料に由来する有機基が形成した前駆体層に残っていても、前記のアニール処理によってこの有機基を前駆体層から除去することができる。また、その後水蒸気酸化処理を行うことにより、前駆体層中の金属間が酸素を介して結合するようになり、酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化マグネシウムといった安定した金属酸化物からなる侵食防止膜となる。
本発明の電子機器は、上記の液晶装置を備えたことを特徴とする。
本発明の電子機器によれば、上記液晶装置を備えているので、長期に渡って良好な表示性能が得られる耐久性に優れたものとなる。
以下、本発明の実施形態を例に挙げて説明する。なお、以降の説明では図面を用いて各種の構造を例示するが、これらの図面に示される構造は特徴的な部分を分かり易く示すために実際の構造に対して寸法を異ならせて示す場合がある。
また、本実施の形態では、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;TFT)を画素スイッチング素子として備えたアクティブマトリクス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば投射型表示装置のライトバルブ(光変調手段)として好適に用いることができる。
(液晶装置の概略構成)
まず、本実施形態に係る液晶装置100の構成について説明する。図1は、本発明の液晶装置の製造方法により製造された液晶装置を示す図である。図1(a)は、同液晶装置の平面構成図、(b)は(a)図のH−H’線に沿う断面構成図である。図2は本実施形態の液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に配置された複数の画素におけるスイッチング素子、信号線等の等価回路図である。図3はデータ線、走査線、画素電極等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の構造を示す平面図である。図4は本実施形態の液晶装置の構造を示す断面図であって、図2のA−A’線断面図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、本実施形態の液晶装置100は、TFTアレイ基板10と、対向基板20とが平面視略矩形枠状のシール材52を介して貼り合わされ、このシール材52に囲まれた領域内に液晶層50を封入してなる構成を備えている。シール材52内周側に沿って平面視矩形枠状の周辺見切り53が形成され、この周辺見切りの内側の領域が画像表示領域10aとなっている。シール材52の外側の領域には、データ線駆動回路101及び外部回路実装端子102がTFTアレイ基板10の1辺(図示下辺)に沿って形成されており、この1辺に隣接する2辺に沿ってそれぞれ走査線駆動回路104,104が形成されて周辺回路を構成している。
TFTアレイ基板10の残る1辺(図示上辺)には、画像表示領域10aの両側の走査線駆動回路104,104間を接続する複数の配線105が設けられている。また、対向基板20の各角部においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間の電気的導通をとるための基板間導通材106が配設されている。本実施形態の液晶装置100は、透過型の液晶装置として構成され、TFTアレイ基板10側に配置された光源(図示略)からの光を変調し、対向基板20側から表示光として射出するようになっている。
図1(b)に示すように、TFTアレイ基板10の内面側(液晶層側)に、複数の画素電極9が配列形成されており、これら画素電極9を覆うように無機配向膜40が形成されている。対向基板20の内面側には、周辺見切り53及び遮光膜23が形成され、表示領域となる画素領域の全面に、共通電極となる対向電極21が形成されている。そして、対向電極21を覆うように無機配向膜60が形成されている。
なお、上記TFTアレイ基板10及び対向基板20の内面側にそれぞれ設けられた無機配向膜40,60は従来から公知である斜方蒸着法を用いることで形成されたもので、これら無機配向膜40,60上には、後述するように原子層堆積法により成膜された金属酸化物からなる侵食防止膜41,61が形成されている。
本実施形態の液晶装置において、図2に示すように、画像表示領域を構成するマトリクス状に配置された複数の画素には、画素電極9と当該画素電極9を制御するためのスイッチング素子であるTFT素子30がそれぞれ形成されており、画像信号が供給されるデータ線6aが当該TFT素子30のソースに電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給されるか、あるいは相隣接する複数のデータ線6aに対してグループ毎に供給される。
また、走査線3aがTFT素子30のゲートに電気的に接続されており、複数の走査線3aに対して走査信号G1、G2、…、Gmが所定のタイミングでパルス的に線順次で印加される。また、画素電極9はTFT素子30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT素子30を一定期間だけオンすることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snを所定のタイミングで書き込む。
画素電極9を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、後述する共通電極との間で一定期間保持される。液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能にする。ここで、保持された画像信号がリークすることを防止するために、画素電極9と共通電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70が付加されている。
(平面構造)
次に、図3に基づいて、本実施形態の液晶装置100の平面構造について説明する。
図3に示すように、TFTアレイ基板上に、インジウム錫酸化物(以下、「ITO」と略す。)等の透明導電性材料からなる矩形状の画素電極9(点線部9Aにより輪郭を示す)が複数、マトリクス状に設けられており、画素電極9の縦横の境界に各々沿ってデータ線6a、走査線3a及び容量線3bが設けられている。本実施形態において、各画素電極9及び各画素電極9を囲むように配設されたデータ線6a、走査線3a、容量線3b等が形成された領域が画素であり、マトリクス状に配置された画素毎に表示を行うことが可能な構造になっている。
データ線6aは、TFT素子30を構成する例えばポリシリコン膜からなる半導体層1aのうち、後述のソース領域にコンタクトホール5を介して電気的に接続されており、画素電極9は、半導体層1aのうち、後述のドレイン領域にコンタクトホール8を介して電気的に接続されている。また、半導体層1aのうち、後述のチャネル領域(図中左上がりの斜線の領域)に対向するように走査線3aが配置されており、走査線3aはチャネル領域に対向する部分でゲート電極として機能する。
容量線3bは、走査線3aに沿って略直線状に伸びる本線部(すなわち、平面的に見て、走査線3aに沿って形成された第1領域)と、データ線6aと交差する箇所からデータ線6aに沿って前段側(図中上向き)に突出した突出部(すなわち、平面的に見て、データ線6aに沿って延設された第2領域)とを有する。そして、図3中、右上がりの斜線で示した領域には、複数の第1遮光膜11aが設けられている。
より具体的には、第1遮光膜11aは、各々、半導体層1aのチャネル領域を含むTFT素子30をTFTアレイ基板側から見て覆う位置に設けられており、さらに、容量線3bの本線部に対向して走査線3aに沿って直線状に伸びる本線部と、データ線6aと交差する箇所からデータ線6aに沿って隣接する後段側(すなわち、図中下向き)に突出した突出部とを有する。第1遮光膜11aの各段(画素行)における下向きの突出部の先端は、データ線6a下において次段における容量線3bの上向きの突出部の先端と重なっている。この重なった箇所には、第1遮光膜11aと容量線3bとを相互に電気的に接続するコンタクトホール13が設けられている。すなわち、本実施形態では、第1遮光膜11aは、コンタクトホール13により前段あるいは後段の容量線3bに電気的に接続されている。
(断面構造)
次に、図4に基づいて、本実施形態の液晶装置の断面構造について説明する。図4に示すように、本実施形態の液晶装置においては、TFTアレイ基板10と、これに対向配置される対向基板20との間に液晶層50が挟持されている。TFTアレイ基板10は、石英等の透光性材料からなる基板本体10Aとその液晶層50側表面に形成された画素電極9、TFT素子30、無機配向膜40を主体として構成されており、対向基板20はガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体20Aとその液晶層50側表面に形成された対向電極21と無機配向膜60とを主体として構成されている。
より詳細には、TFTアレイ基板10において、基板本体10Aの液晶層50側表面には画素電極9が設けられ、各画素電極9に隣接する位置に、各画素電極9をスイッチング制御する画素スイッチング用TFT素子30が設けられている。
画素スイッチング用TFT素子30は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜2、データ線6a、半導体層1aの低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを備えている。
また、上記走査線3a上、ゲート絶縁膜2上を含む基板本体10A上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール5、及び高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール8が開孔した第2層間絶縁膜4が形成されている。つまり、データ線6aは、第2層間絶縁膜4を貫通するコンタクトホール5を介して高濃度ソース領域1dに電気的に接続されている。さらに、データ線6a上及び第2層間絶縁膜4上には、高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール8が開孔した第3層間絶縁膜7が形成されている。つまり、高濃度ドレイン領域1eは、第2層間絶縁膜4及び第3層間絶縁膜7を貫通するコンタクトホール8を介して画素電極9に電気的に接続されている。
また、本実施形態では、ゲート絶縁膜2を走査線3aに対向する位置から延設して誘電体膜として用い、半導体膜1aを延設して第1蓄積容量電極1fとし、更にこれらに対向する容量線3bの一部を第2蓄積容量電極とすることにより、蓄積容量70が構成されている。
また、TFTアレイ基板10の基板本体10Aの液晶層50側表面において、各画素スイッチング用TFT素子30が形成された領域には、TFTアレイ基板10を透過し、TFTアレイ基板10の図示下面(TFTアレイ基板10と空気との界面)で反射されて、液晶層50側に戻る光が、少なくとも半導体層1aのチャネル領域1a’及び低濃度ソース、ドレイン領域(LDD領域)1b、1cに入射することを防止するための第1遮光膜11aが設けられている。また、第1遮光膜11aと画素スイッチング用TFT素子30との間には、画素スイッチング用TFT素子30を構成する半導体層1aを第1遮光膜11aから電気的に絶縁するための第1層間絶縁膜12が形成されている。また、図3に示したように、TFTアレイ基板10に第1遮光膜11aを設けるのに加えて、コンタクトホール13を介して第1遮光膜11aは、前段あるいは後段の容量線3bに電気的に接続するように構成されている。
また、TFTアレイ基板10の液晶層50側最表面には、画素電極9及び画素電極9が形成されていない領域の第3層間絶縁膜7を覆うように、電圧無印加時における液晶層50内の液晶分子の配向を制御するための無機配向膜40が形成されている。
本実施形態においては、前記無機配向膜40はSiO(酸化珪素)を用いて形成されたものである。具体的に本実施形態では、SiOを主とする珪素酸化物を、従来公知の斜方蒸着することで無機配向膜40を形成している。なお、前記無機配向膜40の製造には、イオンビームスパッタ法やマグネトロンスパッタ法等のスパッタ法を採用することも可能である。
また、前記無機配向膜40は、図5に示すように無数の柱状構造物40aから構成され、柱状構造物40aの一部は隣接する柱状構造物との間に間隙を有して形成されている。
また、これらの柱状構造物40aは斜方蒸着法により形成されるため、柱状構造物40aのそれぞれは基板本体10Aの面に対し所定の傾斜角度θで配列されている。これにより、無機配向膜40上に配置される液晶の配向制御を行うことができるようになっている。
なお、液晶層50を構成する液晶材料としては、ネマチック液晶、スメクチック液晶など配向し得るものであればいかなる液晶材料を用いても構わないが、TN型液晶パネルの場合、ネマチック液晶を形成させるものが好ましい。ネマチック液晶としては、例えば、フェニルシクロヘキサン誘導体液晶、ビフェニル誘導体液晶、ビフェニルシクロヘキサン誘導体液晶、テルフェニル誘導体液晶、フェニルエーテル誘導体液晶、フェニルエステル誘導体液晶、ビシクロヘキサン誘導体液晶、アゾメチン誘導体液晶、アゾキシ誘導体液晶、ピリミジン誘導体液晶、ジオキサン誘導体液晶、キュバン誘導体液晶等が挙げられ、これらネマチック液晶の分子にモノフルオロ基、ジフルオロ基、トリフルオロ基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基などのフッ素系置換基を導入した液晶分子も含まれる。このように、液晶材料がフッ素系置換基を導入した液晶分子を含む場合、アクティブマトリクスに適切な高い電圧保持特性と、低駆動電圧を実現する高い誘電率異方性が得られるため好ましい。
ところで、従来、特にフッ素系置換基を導入した液晶分子を含んだ液晶層を含む液晶装置を液晶プロジェクタの光変調素子として用いた場合、液晶装置に長時間光が照射され続けることにより、前記液晶層が変質してしまう。具体的には、可視光領域の波長の光(赤色;700nm、緑色;546.1nm、青色;435.8nm)が液晶装置に長時間照射され続けることにより、液晶層の液晶分子から光分解物が生じ、該光分解物からフッ化水素(フッ素イオン)が生成する。すると、フッ化水素がSiOからなる無機配向膜と反応することでこれを侵食し、これにより無機配向膜の配向状態を変化させて配向不良を生じさせ、表示品位を低下させてしまう。
そこで、本実施形態に係る液晶装置100は、前記無機配向膜40上に該無機配向膜40の表面形状に倣うようにして成膜された、侵食防止膜41を有している。この侵食防止膜41は、原子層堆積(Atomic Layer Deposition)法、「以下、ALD法」と略す。)によって成膜された、Al等のAlOx膜(酸化アルミニウム膜)、La等のLaOx膜(酸化ランタン膜)、MgO等のMgOx膜(酸化マグネシウム膜)から選択された、一種あるいは複数種からなる金属酸化膜より形成されたものである。
このALD法とは、1原子層毎の成膜を可能とするため、非常に薄い膜を形成する場合に適しており、高精度の膜厚制御や組成制御を可能とする成膜方法である。そのため、ALD法によって成膜された侵食防止膜41は、緻密性及び均一性に優れたものとなる。なお、上述したように無機配向膜40は、柱状構造物を多数備えて構成されており(図5参照)、隣接する柱状構造物間に空隙を有したものとなっている。
したがって、前記侵食防止膜41は、前記無機配向膜40の表面における凹凸形状の隙間を埋め込むことなく、前記表面形状に倣った状態となっている。よって、無機配向膜40は、その表面の凹凸形状が保持されていることから、侵食防止膜41によって配向特性が損なわれることはない。また、ALD法により成膜された侵食防止膜41は、緻密性が高いものとなっているので、前記無機配向膜40が上述したフッ化水素(フッ素イオン)に曝されるのを確実に防止するようになっている。
一方、対向基板20には、基板本体20Aの液晶層50側表面であって、データ線6a、走査線3a、画素スイッチング用TFT素子30の形成領域に対向する領域、すなわち各画素部の開口領域以外の領域に、入射光が画素スイッチング用TFT素子30の半導体層1aのチャネル領域1a’や低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1cに侵入することを防止するための第2遮光膜23が設けられている。さらに、第2遮光膜23が形成された基板本体20Aの液晶層50側には、そのほぼ全面に渡って、ITO等からなる対向電極21が形成されている。
また、対向基板20の液晶層50側最表面には、電圧無印加時における液晶層50内の液晶分子の配向を制御するための無機配向膜60が形成されている。そして、前記TFTアレイ基板10側と同様に無機配向膜60上には、該無機配向膜60の表面形状に倣うようにして、上述したALD法により成膜された侵食防止膜61が形成されている。これにより、上記TFTアレイ基板10側と同様に、液晶層50の変質によって生成されたフッ化水素(フッ素イオン)に無機配向膜60が曝されるのが防止されている。
また、両基板10、20の外側(液晶層50と反対側の表面)には、ポリビニルアルコール(PVA)にヨウ素をドープした材料等からなる偏光板15,25が配置されている。各偏光板15,25は、その吸収軸方向の直線偏光を吸収し、透過軸方向の直線偏光を透過する機能を有する。また、TFTアレイ基板10側の偏光板15は、その透過軸が無機配向膜40の配向規制方向と略一致するように配置され、対向基板20側の偏光板25は、その透過軸が無機配向膜60の配向規制方向と略一致するように配置されている。
ところで、一般に液晶装置を駆動すると、パネル内部の熱等により液晶層に電圧を印加する電極から金属元素や金属イオン等が液晶層側に拡散して不純物となる。特に、無機配向膜は上述したように柱状構造を有していることから隙間が多く、前記不純物が無機配向膜中を通り抜けて液晶層中に拡散し、液晶層が劣化し液晶装置の表示品質が低下させるおそれがある。
そこで、前記一対の電極9,21と前記無機配向膜40,60との間に、前記電極9,21からの不純物の拡散を防止する拡散防止膜を設けるようにしてもよい。これにより、前記電極9,21から金属元素や金属イオン等が液晶層50側に拡散されるのを防止でき、前記不純物による液晶層50の劣化を防止した信頼性の高い液晶装置100とすることができる。
なお、本実施形態では、一対の電極を覆う配向膜の両方とも侵食防止膜によって覆う構成としたが、前記電極の一方のみが酸化珪素からなる配向膜で覆われている場合には、この配向膜上に侵食防止膜を設ければ十分である。
本実施形態に係る液晶装置100によれば、無機配向膜40,60上に、後述する原子層堆積法により成膜された、フッ化水素(フッ素イオン)との反応性が乏しい(低い)、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化ランタン(LaOx)、酸化マグネシウム(MgOx)のうちの少なくとも一種からなる侵食防止膜41,61を備えているので、該侵食防止膜41,61が無機配向膜40,60と液晶層50との間に介在した状態となり、液晶層50が変質した際に生成されたフッ化水素(フッ素イオン)による無機配向膜40,60の侵食が抑制される。よって、フッ化水素による無機配向膜40,60の侵食が抑えることで無機配向膜40,60の変形に起因する配向不良が防止される。したがって、長期に渡って優れた配向特性が発揮される、耐久性に優れた液晶装置100となる。
(液晶装置の製造方法)
次に、本発明の液晶装置の製造方法の一実施形態として、上記液晶装置100を製造する工程について説明する。特に、本実施形態の液晶装置は、上述したように無機配向膜40,60の下層に設けられた画素電極9及び対向電極21を覆って侵食防止膜41,61を備えた構造を特徴としている。
一対の基板をなす、TFTアレイ基板10及び対向基板20を製造する。ここでは、TFTアレイ基板10を製造する場合を例に挙げて説明する。
はじめに、基板本体10Aの表面に、第1遮光膜11a、TFT素子30、層間絶縁膜(第1層間絶縁膜12、第2層間絶縁膜4、第3層間絶縁膜7)等を公知の方法によって形成する。そして、図3に示したように、前記第3層間絶縁膜7にコンタクトホール8を形成し、該コンタクトホール8を介して前記TFT素子30に接続するITOからなる画素電極9をスパッタ法やCVD法等の公知の方法を用いることで形成する。
次に、前記画素電極9が形成された基板本体10Aに対して、所定の方向、すなわち、図5(a)中に示した基板本体10Aの面に所定の傾斜角度θなす方向から、酸化珪素(SiO)の無機材料を斜方蒸着することにより、特定の方向に傾斜して配列した多数の柱状構造物40aを具備する無機配向膜40を形成する。なお、無機配向膜40を形成する際の傾斜角度θを制御することにより、電圧無印加時の液晶のプレチルト角を制御することができる。
具体的には、蒸着源(図示しない)から飛散した上記無機材料を基板本体10Aに対して略一定の入射角度(傾斜角度θ)で連続入射させる。すると、基板本体10Aには図5に示したように配向膜材料が斜め柱状に堆積し、これによって無機材料(珪素酸化物)の柱状構造体40aが形成される。そして、この柱状構造体40aが基板本体10Aの表面に無数に形成されたことにより、無機配向膜40が形成される。このように柱状構造体40aが所定の傾斜角度で形成され、これによって無機配向膜40が形成されると、液晶装置100では、柱状構造体40aに沿って液晶分子が配向することにより、液晶分子にプレチルト角が付与される。すなわち、前述したように液晶分子は、非選択電圧印加時に、無機配向膜40によって所定方向に配向規制されるようになる。
本実施形態では、蒸着角度(蒸着方向と基板法線Lとのなす角)を40〜65°として、無機配向膜40を形成することが好ましい。
このように、斜方蒸着により配向膜を形成することにより、ラビング処理等を行うことなく、無機配向膜40によって液晶分子にプレチルト角を良好に付与することが可能となる。また、無機配向膜40が無機材料から構成され、耐熱性及び耐光性を備えたものとなるので、後述するように、この無機配向膜40を備えた液晶装置100を特にプロジェクタの光変調素子として好適に採用することができる。
その後、前記無機配向膜40を覆うようにして侵食防止膜41を前記基板本体10A上に成膜する。なお、前記侵食防止膜41を形成する方法としては、ALD法(原子層堆積法)を用いている。
具体的には、原料としてアルミニウムプロポキシド(Al[OC)、ランタンプロポキシド(La[OC)、マグネシウムエトキシド(Mg[OC)等の金属アルコキシドを用い、これらを気化(昇華)させることで原料ガスとする。
また、このような原料ガスについては、予め窒素やヘリウム、アルゴン等の不活性雰囲気、あるいは酸素雰囲気、乾燥空気雰囲気に調整した反応室内に導入し、または該反応室内で発生させることにより、前記基板本体10Aの無機配向膜40に接触させる。
また、反応室の圧力については、100Paから大気圧の範囲で行うものとする。
さらに、その際の雰囲気中(反応室中)の湿度(水蒸気濃度)としては、該雰囲気の露点が−50℃以下(例えば−50℃以下で−70℃以上の範囲)となるように調整しておくのが好ましい。これは、特に露点が−50℃以下となるように雰囲気中の水分量を調整しておくことにより、得られる原子層堆積膜からなる侵食防止膜41がむらなくより均一な膜となるからである。
このように、原料ガスを被蒸着体(無機配向膜40)の表面上に流してこれに接触させることにより、無機配向膜40を構成しているSiOの表面におけるOH基と原料ガスとが反応し、前駆体層が形成される。この前駆体層は、前記アルコキシド中の金属の一つの結合手(価)が、前記SiOの表面のOH基に結合したことにより、該金属を含む分子層によって形成されたものである。したがって、この前駆体層には、該前駆体層の形成条件によっても異なるものの、通常はこれを構成する金属に、原料に由来する有機基(アルコキシ基)が化学的に結合した状態で残っている。
また、このように金属に化学的に結合した状態で残っている有機基とは別に、原料に由来した有機基が、一部、前駆体層に物理的に吸着して残ってしまっている。
そこで、この浸食防止膜41の形成においては、前駆体層を形成した後、100℃以上の温度でアニール処理を行う。このアニール処理により、前記の物理的に吸着した原料由来の有機基を前駆体層から除去することができる。
その後、水蒸気酸化処理を10℃以上200℃以下の温度範囲で行うことにより、無機配向膜40の液晶層50側における表面に、1原子層のAlOx(酸化アルミニウム)、酸化ランタン(LaOx)、酸化マグネシウム(MgOx)のうちの少なくとも一種からなる侵食防止膜41を形成する。すなわち、水蒸気酸化処理を行うことにより、前記前駆体層から原料由来のアルコキシ基が除去され、さらに該前駆体層中の金属間が酸素を介して結合するようになり、これによって酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化マグネシウムといった安定した金属酸化物からなる侵食防止膜41が得られる。
なお、上記の水蒸気酸化処理を含む一連のALD法に関する処理については、200℃以下で行うのが、基板10(20)に対するダメージを抑制するうえで好ましい。したがって、この侵食防止膜41の成膜工程に用いられる原料としては、前記したような200℃以下の温度で気化又は昇華するアルミアルコキシド、例えばアルミニウムプロポキシド(Al[OC)、ランタンプロポキシド(La[OC)、マグネシウムエトキシド(Mg[OC)等の金属アルミアルコキシドが、好適に用いられる。
以上の工程により、侵食防止膜41が画素電極9を覆った状態に基板本体10Aの前面に形成される。なお、上記各ステップを繰り返すことで複数層が積層された侵食防止膜41を形成してもよい。
本実施形態では、上述したように1原子層毎の成膜を可能とするALD法を用いることで、図5(b)に示したように無数の柱状構造物40aから構成された無機配向膜40の表面の凹凸形状に倣って侵食防止膜41が形成される。このとき、前記侵食防止膜41は、1原子層或いは数原子層のAlOx(酸化アルミニウム)、酸化ランタン(LaOx)、酸化マグネシウム(MgOx)のうちの少なくとも一種から構成されていることで厚みが非常に薄いため、隣接する柱状構造物40a間の隙間を埋め込んでしまい、配向特性を低下させることがない。
よって、液晶層50と無機配向膜40との間には侵食防止膜41が介在した状態となる。すなわち、無機配向膜40上にはフッ化水素との反応性が乏しい前記金属酸化物からなる侵食防止膜41が形成されているので、該侵食防止膜41によりフッ化水素が侵食されるのが防止される。また、原子層堆積法により形成された侵食防止膜41は緻密性が高いものとなるので、前記無機配向膜40が上述したフッ化水素に曝されるのが防止される。
以上のようにして、偏光板15以外の必要な要素が形成されたTFTアレイ基板10を製造できる。
そして、上述したTFTアレイ基板10を製造する工程と同様に、基板本体20A上にITOからなる対向電極21を公知の方法により形成した後、対向電極21を覆うようにして多数の柱状構造物を具備する無機斜方蒸着膜からなる無機配向膜60を製造する。そして、この無機配向膜60の液晶層50側における表面形状に倣うようにして、上記侵食防止膜61を形成する。
このようにして、偏光板25以外の必要な要素が形成された対向基板20を製造できる。このようにして得られたTFTアレイ基板10及び対向基板20間に液晶層50を挟持するとともに、シール材52を介して両基板10,20を貼り合わせることで液晶装置100を製造することができる。
本実施形態に係る液晶装置100の製造方法によれば、無機配向膜40,60上に、フッ化水素(フッ素イオン)との反応性が乏しい(低い)AlOx(酸化アルミニウム)、酸化ランタン(LaOx)、酸化マグネシウム(MgOx)のうちの少なくとも一種からなる侵食防止膜41,61を形成し、該侵食防止膜41,61が無機配向膜40,60と液晶層50との間に介在した状態となっているので、液晶層50が変質した際に生成されたフッ化水素による無機配向膜40,60の侵食を抑制することができる。よって、フッ化水素による無機配向膜40,60の侵食を抑え、無機配向膜40,60の変形に起因する配向不良を防止できる。
したがって、長期に渡り優れた配向特性を得る耐久性に優れた液晶装置100を提供することができる。
(電子機器)
次に、本発明の電子機器の一実施形態としてのプロジェクタについて、図6を用いて説明する。図6は、プロジェクタの要部を示す概略構成図である。このプロジェクタは、前記実施形態に係る液晶装置100を光変調手段として備えたものである。
図6において、810は光源、813、814はダイクロイックミラー、815、816、817は反射ミラー、818は入射レンズ、819はリレーレンズ、820は出射レンズ、822、823、824は本発明の液晶装置からなる光変調手段、825はクロスダイクロイックプリズム、826は投射レンズである。光源810は、メタルハライド等のランプ811とランプの光を反射するリフレクタ812とからなる。
ダイクロイックミラー813は、光源810からの白色光に含まれる赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する。透過した赤色光は反射ミラー817で反射されて、赤色光用光変調手段822に入射される。また、ダイクロイックミラー813で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー814によって反射され、緑色光用光変調手段823に入射される。さらに、ダイクロイックミラー813で反射された青色光は、ダイクロイックミラー814を透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ818、リレーレンズ819及び出射レンズ820を含むリレーレンズ系からなる導光手段821が設けられている。この導光手段821を介して、青色光が青色光用光変調手段824に入射される。
各光変調手段822、823、824により変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム825に入射する。このクロスダイクロイックプリズム825は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ826によってスクリーン827上に投影され、画像が拡大されて表示される。
この投射型表示装置には、上記各実施形態の液晶装置100が採用されているので、高強度の光照射を行なっても、長期に渡って良好な表示性能が得られる。
なお、上記実施形態では3板式の投射型表示装置(プロジェクタ)を例にして説明したが、単板式の投射型表示装置や直視型表示装置に本発明を適用することも可能である。
また、本発明の液晶装置を、プロジェクタ以外の電子機器に適用することも可能である。その具体例として、携帯電話を挙げることができる。この携帯電話は、前述した各実施形態又はその変形例に係る液晶装置を表示部に備えたものである。また、その他の電子機器としては、例えばICカード、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、さらに表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのファインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイ等が挙げられる。
(a),(b)は、液晶装置の概略構成を示す模式図である。 液晶装置における等価回路図である。 複数の画素群の構造を示す平面図である。 液晶装置の構造を示す断面図である。 (a)は配向膜の概略構成、(b)は侵食防止膜の構成を示す図である。 プロジェクタの要部を示す概略構成図である。
符号の説明
9…画素電極(電極)、10…TFTアレイ基板(基板)、20…対向基板(基板)、21…対向電極(電極)、40…配向膜、41…侵食防止膜、50…液晶層、60…配向膜、61…侵食防止膜、100…液晶装置

Claims (7)

  1. フッ素系置換基を導入した液晶分子を含む液晶層と、該液晶層を挟持する一対の基板と、該一対の基板における前記液晶層側にそれぞれ配置された一対の電極と、を備えた液晶装置であって、
    前記一対の電極の少なくとも一方を覆う酸化珪素からなる配向膜と、該配向膜の前記液晶層側における表面形状に倣うように成膜された、酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化マグネシウムのうちの少なくとも一種からなる侵食防止膜と、を備えたことを特徴とする液晶装置。
  2. 前記侵食防止膜は、原子層堆積法により成膜されてなることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  3. 前記電極と前記配向膜との間には、前記電極からの不純物の拡散を防止する拡散防止膜が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶装置。
  4. フッ素系置換基を導入した液晶分子を含む液晶層と、該液晶層を挟持する一対の基板と、該一対の基板における前記液晶層側にそれぞれ配置された一対の電極と、を備えた液晶装置の製造方法であって、
    前記一対の電極の少なくとも一方を覆うようにして酸化珪素からなる配向膜を前記基板上に形成する工程と、
    前記配向膜の前記液晶層側における表面形状に倣うようにして、酸化アルミニウム、酸化ランタン、酸化マグネシウムのうちの少なくとも一種からなる侵食防止膜を形成する工程と、を備えることを特徴とする液晶装置の製造方法。
  5. 前記浸食防止膜の形成は、原子層堆積法を用いて行うことを特徴とする請求項4記載の液晶装置の製造方法。
  6. 前記原子層堆積法で前記配向膜上に前駆体層を形成した後、100℃以上の温度でのアニール処理を行い、その後、水蒸気酸化処理を行うことにより、前記侵食防止膜を得ることを特徴とする請求項5記載の液晶装置の製造方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶装置、あるいは請求項4〜6のいずれか一項に記載の製造方法によって得られた液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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