JP2007255764A - 冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機の運転効率を低下させずに、筐体の内部雰囲気を良好に冷却することができる冷却装置を提供すること。
【解決手段】冷媒を圧縮する圧縮機11と、冷媒を放熱させるガスクーラ12と、商品収容庫内に配設され、冷媒を蒸発させる蒸発器16と、供給された高圧冷媒を減圧させることによって蒸発器16より吐出された低圧冷媒を吸引し、該低圧冷媒を高圧冷媒と混合させて吐出するエジェクタ13と、供給された混合冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離し、気相冷媒を圧縮機11に帰還させる一方、液相冷媒を蒸発器16に供給する気液分離器14とを有した冷媒循環回路を備え、該冷媒循環回路で冷媒を循環させることにより商品収容庫の内部雰囲気を冷却する冷却装置10において、高圧冷媒の圧力と低圧冷媒の圧力との圧力差が予め決められた閾値以下の場合には、エジェクタ13の開度を小さくして低圧冷媒の圧力を低下させるようにしたものである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、冷却装置に関し、より詳細には、例えば自動販売機、冷蔵庫、冷凍/冷蔵ショーケース、あるいは飲料ディスペンサなどにおける断熱筐体の内部雰囲気を冷却する冷却装置に関する。
従来、例えば自動販売機、冷蔵庫、冷凍/冷蔵ショーケース、あるいは飲料ディスペンサなどにおける断熱筐体の内部雰囲気を冷却する冷却装置は、圧縮機、放熱器、蒸発器、エジェクタ、および気液分離器を主に備えて構成されている。
圧縮機は、供給された冷媒を圧縮して高温高圧の状態にするものである。放熱器は、圧縮機で高温高圧の状態にされ、該圧縮機から供給された冷媒を放熱させて液化するものである。蒸発器は、断熱筐体の内部に配設されており、断熱筐体が複数ある場合には断熱筐体ごとに配設されている。この蒸発器は、供給された冷媒を蒸発させるものである。エジェクタは、放熱器から供給された高圧の冷媒(高圧冷媒)を減圧させることによるエネルギーを利用して、蒸発器より吐出された低圧の冷媒(低圧冷媒)を吸引し、吸引した低圧冷媒を高圧冷媒と混合させ、該低圧冷媒を昇圧させた後に吐出するものである。気液分離器は、エジェクタから供給された混合冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離し、気相冷媒を圧縮機に帰還させる一方、液相冷媒を蒸発器に供給するものである。
上記圧縮機、放熱器、エジェクタ、および気液分離器が順次環状に接続され、かつエジェクタの低圧冷媒の吸入口と気液分離器の液相冷媒の吐出口との間に蒸発器が設けられることにより、冷媒循環回路が構成され、かかる冷媒循環回路で冷媒を相変化させながら循環させるようにしている。これにより、蒸発器の周辺領域は、冷媒が蒸発することにより熱を吸収するために冷却される。その結果、断熱筐体の内部雰囲気が冷却されることになる。ここに、冷媒は、地球環境などの観点から二酸化炭素が用いられている。
そのような冷却装置では、エジェクタにおいて、放熱器から供給された高圧冷媒を減圧させることによって蒸発器より吐出された低圧冷媒を吸引し、吸引した低圧冷媒を高圧冷媒と混合させ、該低圧冷媒を昇圧させて吐出するので、圧縮機に帰還される冷媒の圧力を高くすることができ、その結果、圧縮機の運転効率を向上させることができる。
しかしながら、放熱器から供給される高圧冷媒の圧力と、蒸発器より吐出された低圧冷媒の圧力との圧力差が小さいと、低圧冷媒の吸引および低圧冷媒を昇圧させるためのエネルギーを十分に得ることができず、これにより、蒸発器からの低圧冷媒を吸引できなくなる虞れがある。このように蒸発器からの低圧冷媒を吸引できなくなると、蒸発器に冷媒が循環せずに、結果として、断熱筐体の内部雰囲気を冷却できなくなってしまう。
そのような問題を解決するために、圧縮機で冷媒を臨界圧力以上(超臨界域)まで圧縮して、エジェクタに供給するようにした冷却装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−318019号公報
ところが、上記特許文献1に提案されているような冷却装置では、圧縮機で冷媒を臨界圧力以上まで圧縮しているため、圧縮機を駆動させるためのエネルギーが過大となり、結果として、圧縮機の運転効率を低下させてしまう虞れがある。
本発明は、上記実情に鑑みて、圧縮機の運転効率を低下させずに、筐体の内部雰囲気を良好に冷却することができる冷却装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1にかかる冷却装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機から供給された冷媒を放熱させる放熱器と、筐体内に配設され、供給された冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記放熱器から供給された高圧冷媒を減圧させることによって前記蒸発器より吐出された低圧冷媒を吸引し、該低圧冷媒を前記高圧冷媒と混合させて吐出するエジェクタと、前記エジェクタから供給された混合冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離し、気相冷媒を前記圧縮機に帰還させる一方、液相冷媒を前記蒸発器に供給する気液分離手段とを有した冷媒循環回路を備え、該冷媒循環回路で冷媒を循環させることにより前記筐体の内部雰囲気を冷却する冷却装置において、前記高圧冷媒の圧力と前記低圧冷媒の圧力との圧力差が予め決められた閾値以下の場合には、前記エジェクタの開度を小さくして前記低圧冷媒の圧力を低下させる開度調整手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項2にかかる冷却装置は、上述した請求項1において、前記高圧冷媒の圧力を検出する第1圧力検出手段と、前記低圧冷媒の圧力を検出する第2圧力検出手段とを備え、前記開度調整手段は、前記第1圧力検出手段により検出された前記高圧冷媒の圧力と、前記第2圧力検出手段により検出された前記低圧冷媒の圧力との圧力差が前記閾値以下の場合には、前記エジェクタの開度を小さくして前記低圧冷媒の圧力を低下させることを特徴とする。
また、本発明の請求項3にかかる冷却装置は、上述した請求項1において、前記開度調整手段は、前記蒸発器に供給される液相冷媒の温度と、予め設定され、かつ該温度に関連付けられた低圧冷媒圧力情報とから、前記低圧冷媒の圧力を算出する第1圧力算出手段と、前記蒸発器に供給される液相冷媒の温度、前記圧縮機の運転状況、外気温度および前記筐体の数と、予め設定され、かつこれらに関連付けられた高圧冷媒圧力情報とから、前記高圧冷媒の圧力を算出する第2圧力算出手段とを有してなり、前記第2圧力算出手段により算出された前記高圧冷媒の圧力と、前記第1圧力算出手段により算出された前記低圧冷媒の圧力との圧力差が前記閾値以下の場合には、前記エジェクタの開度を小さくして前記低圧冷媒の圧力を低下させることを特徴とする。
また、本発明の請求項4にかかる冷却装置は、上述した請求項1〜3のいずれか一つにおいて、前記開度調整手段は、前記圧力差が前記閾値を超える場合には、前記蒸発器に供給される液相冷媒の温度が予め設定された蒸発温度設定範囲内となる態様で前記エジェクタの開度を調整することを特徴とする。
また、本発明の請求項5にかかる冷却装置は、上述した請求項4において、前記開度調整手段は、前記蒸発器に供給される液相冷媒の温度が予め設定された蒸発温度設定範囲の上限値を超える場合には、前記エジェクタの開度を小さくする一方、前記蒸発器に供給される液相冷媒の温度が前記蒸発温度設定範囲の下限値を下回る場合には、前記エジェクタの開度を大きくすることを特徴とする。
また、本発明の請求項6にかかる冷却装置は、上述した請求項1〜3のいずれか一つにおいて、前記開度調整手段は、前記圧力差が前記閾値を超える場合には、前記冷却部位の温度と、前記蒸発器に供給される液相冷媒の温度との温度差が予め設定された温度設定範囲内となる態様で前記エジェクタの開度を調整することを特徴とする。
また、本発明の請求項7にかかる冷却装置は、上述した請求項6において、前記開度調整手段は、前記温度差が予め設定された温度設定範囲の下限値を下回る場合には、前記エジェクタの開度を小さくする一方、前記温度差が前記温度設定範囲の上限値を超える場合には、前記エジェクタの開度を大きくすることを特徴とする。
また、本発明の請求項8にかかる冷却装置は、上述した請求項1〜7のいずれか一つにおいて、前記冷媒が二酸化炭素であることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の冷却装置によれば、開度調整手段が、高圧冷媒の圧力と、低圧冷媒の圧力との圧力差が予め決められた閾値以下の場合には、エジェクタの開度を小さくして低圧冷媒の圧力を低下させるので、高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差を一定以上に制御することができる。これにより、圧縮機を駆動させるためのエネルギーが過大なものとならずに、蒸発器から吐出された冷媒がエジェクタに確実に吸引される結果、冷媒が冷媒循環回路(蒸発器)を循環する。従って、圧縮機の運転効率を低下させずに、筐体の内部雰囲気を良好に冷却することができるという効果を奏する。
また、本発明の請求項2に記載の冷却装置によれば、開度調整手段が、第1圧力検出手段により検出された高圧冷媒の圧力と、第2圧力検出手段により検出された低圧冷媒の圧力との圧力差が上記閾値以下の場合には、エジェクタの開度を小さくして低圧冷媒の圧力を低下させるので、高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差を一定以上に制御することができる。これにより、圧縮機を駆動させるためのエネルギーが過大なものとならずに、蒸発器から吐出された冷媒がエジェクタに確実に吸引される結果、冷媒が冷媒循環回路(蒸発器)を循環する。従って、圧縮機の運転効率を低下させずに、筐体の内部雰囲気を良好に冷却することができるという効果を奏する。
また、本発明の請求項3に記載の冷却装置によれば、開度調整手段が、蒸発器に供給される液相冷媒の温度と、予め設定され、かつ該温度に関連付けられた低圧冷媒圧力情報とから、低圧冷媒の圧力を算出する第1圧力算出手段と、蒸発器に供給される液相冷媒の温度、圧縮機の運転状況、外気温度および筐体の数と、予め設定され、かつこれらに関連付けられた高圧冷媒圧力情報とから、高圧冷媒の圧力を算出する第2圧力算出手段とを有してなり、第2圧力算出手段により算出された高圧冷媒の圧力と、第1圧力算出手段により算出された低圧冷媒の圧力との圧力差が上記閾値以下の場合には、エジェクタの開度を小さくして低圧冷媒の圧力を低下させるので、高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差を一定以上に制御することができる。これにより、圧縮機を駆動させるためのエネルギーが過大なものとならずに、蒸発器から吐出された冷媒がエジェクタに確実に吸引される結果、冷媒が冷媒循環回路(蒸発器)を循環する。従って、圧縮機の運転効率を低下させずに、筐体の内部雰囲気を良好に冷却することができるという効果を奏する。
また、本発明の請求項4に記載の冷却装置によれば、開度調整手段が、上記圧力差が上記閾値を超える場合には、蒸発器に供給される液相冷媒の温度が予め設定された蒸発温度設定範囲内となる態様でエジェクタの開度を調整するので、冷媒の蒸発温度をほぼ一定にすることができる。これにより、蒸発器での冷媒と、筐体の内部雰囲気との温度差を最適にでき、熱交換量が不足することもなく、また過度に内部雰囲気を冷却することもないので、運転効率の向上を図ることができるという効果を奏する。
また、本発明の請求項5に記載の冷却装置によれば、開度調整手段が、蒸発器に供給される液相冷媒の温度が予め設定された蒸発温度設定範囲の上限値を超える場合には、エジェクタの開度を小さくする一方、蒸発器に供給される液相冷媒の温度が蒸発温度設定範囲の下限値を下回る場合には、エジェクタの開度を大きくするので、必要に応じて冷媒の蒸発温度を下げたり、上げたりすることにより、冷媒の蒸発温度をほぼ一定にすることができる。これにより、蒸発器での冷媒と、筐体の内部雰囲気との温度差を最適にでき、熱交換量が不足することもなく、また過度に内部雰囲気を冷却することもないので、運転効率の向上を図ることができるという効果を奏する。
また、本発明の請求項6に記載の冷却装置によれば、開度調整手段が、上記圧力差が上記閾値を超える場合には、冷却部位の温度と、蒸発器に供給される液相冷媒の温度との温度差が予め設定された温度設定範囲内となる態様でエジェクタの開度を調整するので、冷媒の蒸発温度をほぼ一定にすることができる。これにより、蒸発器での冷媒と、筐体の内部雰囲気との温度差を最適にでき、熱交換量が不足することもなく、また過度に内部雰囲気を冷却することもないので、運転効率の向上を図ることができるという効果を奏する。
また、本発明の請求項7に記載の冷却装置によれば、開度調整手段が、上記温度差が予め設定された温度設定範囲の下限値を下回る場合には、エジェクタの開度を小さくする一方、上記温度差が温度設定範囲の上限値を超える場合には、エジェクタの開度を大きくするので、必要に応じて冷媒の蒸発温度を下げたり、上げたりすることにより、冷媒の蒸発温度をほぼ一定にすることができる。これにより、蒸発器での冷媒と、筐体の内部雰囲気との温度差を最適にでき、熱交換量が不足することもなく、また過度に内部雰囲気を冷却することもないので、運転効率の向上を図ることができるという効果を奏する。
また、本発明の請求項8に記載の冷却装置によれば、冷媒が二酸化炭素であるので、上述したような作用効果を奏しながら、環境にも優れたものになるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる冷却装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下においては、説明の便宜上、冷却装置は自動販売機に適用されるものとして説明する。
<実施の形態1>
図1および図2は、それぞれ本発明の実施の形態1における冷却装置が適用された自動販売機を模式的に示したものであり、図1は、正面断面図であり、図2は、断面側面図である。これら図1および図2において、自動販売機は、本体キャビネット1を備えている。
本体キャビネット1は、前面が開口した直方状の断熱体として形成したものである。この本体キャビネット1には、その前面に外扉2および内扉3a,3bが設けてあり、その内部に例えば2つの断熱仕切板4a,4bによって仕切られた3つの独立した商品収容庫(筐体)5a,5b,5cが左右に並んだ態様で設けてある。より詳細に説明すると、外扉2は、本体キャビネット1の前面開口を開閉するためのものであり、内扉3a,3bは、商品収容庫5a,5b,5cの前面を開閉するためのものである。この内扉3a,3bは、上下に分割してあり、上側の扉3aは、商品を補充する際に開閉するものである。商品収容庫5a,5b,5cは、缶入り飲料やペットボトル入り飲料などの商品Wを所望の温度に維持した状態で収容するためのものである。
商品収容庫5a,5b,5cには、それぞれ、商品収納ラック6、搬出機構7、および商品搬出シュータ8が設けてある。商品収納ラック6は、商品Wを上下方向に沿って並ぶ態様で収納するためのものである。搬出機構7は、商品収納ラック6の下部に設けてあり、この商品収納ラック6に収納された商品群のうち最下段にある商品Wを一つずつ搬出するためのものである。商品搬出シュータ8は、搬出機構7から搬出された商品Wを商品取出口3cに導くためのものである。
上記本体キャビネット1の内部において商品収容庫5a,5b,5cの外部となる機械室9には、冷却装置10が配設してある。
図3は、図1および図2に示した冷却装置を概念的に示した概念図である。この図3において、冷却装置10は、冷媒循環回路を有してなり、かかる冷媒循環回路は、圧縮機11と、ガスクーラ(放熱器)12と、エジェクタ13と、気液分離器(気液分離手段)14と、電子膨張弁15と、蒸発器16a,16b,16c(以下、単に蒸発器16ともいう)とを適宜接続して構成してある。この冷却装置10においては、不燃性、安全性、不腐食性を有し、かつオゾン層への影響が少ない二酸化炭素を冷媒として用いている。
圧縮機11は、冷媒(二酸化炭素)を圧縮して高温高圧の状態にするものである。この圧縮機11は、2回に分けて圧縮動作を行う二段式圧縮機である。より詳細に説明すると、圧縮機11は、1回目の圧縮動作を行う第1圧縮機111と、2回目の圧縮動作を行う第2圧縮機112とを有し、これらの間に中間熱交換器113を設けてある。中間熱交換器113は、第1圧縮機111による1回目の圧縮動作により圧縮された冷媒を冷却、すなわち放熱させて該冷媒を第2圧縮機112に送出するものである。ここに、中間熱交換器113は、例えばステンレスなどの金属製の配管と、アルミフィンとで構成したフィンチューブタイプのものを使用している。また、中間熱交換器113の近傍には、図には明示しないが、風量調整用の第1送風ファンが設置してある。
このように圧縮機11は、中間熱交換器113を介して2回の圧縮動作を実行することで、低消費電力で冷媒を所望の高温高圧の状態に圧縮することが可能になる。なお、本実施の形態1では、第1圧縮機111での1回目の圧縮によって冷媒を約4.9MPaに圧縮し、第2圧縮機112での2回目の圧縮によって冷媒を約9.8MPaに圧縮する。
また、図には明示しないが、圧縮機11にはオイルセパレータが接続してある。オイルセパレータは、圧縮機11(第2圧縮機112)から送出された冷凍機油を圧縮機11(第1圧縮機111)に戻すためのものである。冷凍機油は、圧縮機11の内部における摩擦や冷媒漏れなどを防止するためのものであるが、この冷凍機油を圧縮機11の内部で完全に封止することが困難である。特に、上述のように圧縮機11によって冷媒を高圧に圧縮しており、この圧力が従前の冷媒(例えばHFC(ハイドロフルオロカーボン))を使用したときと比較してはるかに高圧であるので、圧縮機11からの冷凍機油の送出量は多くなる。そこで、本実施の形態1では、第2圧縮機112の出口側と、第1圧縮機111の入口側との間にオイルセパレータを接続しており、第2圧縮機112から送出した冷凍機油を第1圧縮機111に戻すようにしている。
ここに、上記圧縮機11としては、レシプロ圧縮機、ロータリー圧縮機、スクロール圧縮機、あるいはこれらの圧縮能力を調整可能なインバータ圧縮機などを適用することができる。そして、冷却装置10を配設する対象、環境、あるいは装置全体に要するコストなどに見合う圧縮機を適宜適用すれば良い。
ガスクーラ12は、圧縮機11で高温高圧の状態に圧縮された冷媒を放熱させて液化するものである。本実施の形態1におけるガスクーラ12は、例えば銅などの金属製の配管と、アルミフィンとで構成したフィンチューブタイプのものを使用している。また、ガスクーラ12は、上述した中間熱交換器113と略等しい容積を有している。このガスクーラ12の近傍には、風量調整用の第2送風ファンF2(図2参照)が設置してある。
エジェクタ13は、詳細は後述するが、ガスクーラ12で放熱させた高圧の冷媒(高圧冷媒)を減圧させることによって、蒸発器16a,16b,16cより吐出された低圧の冷媒(低圧冷媒)を吸引し、該吸引した低圧冷媒をガスクーラ12からの高圧冷媒と混合させ、昇圧させた後に吐出するものである。本実施の形態1におけるエジェクタ13は、図4に示すように、二相流噴射型エジェクタであり、ノズル部131、混合部132、およびディフューザ部133を有してなる。
ノズル部131は、高圧冷媒入口134を通じて吸入されたガスクーラ12からの高圧冷媒を減圧して加速させる部位である。このように高圧冷媒を加速させることで、冷媒吸入口135を通じて、蒸発器16a,16b,16cより吐出された低圧冷媒を吸引することができる。このノズル部131には、ノズル弁131aが設けてある。ノズル弁131aは、高圧冷媒を減圧させるためのノズル径を調整するための弁体である。つまり、このノズル弁131aを駆動させることにより、エジェクタ13の開度を調整することができる。
混合部132は、ノズル部131で加速させた高圧冷媒と、冷媒吸入口135を通じて吸引した低圧冷媒とを混合させる部位である。
ディフューザ部133は、混合部132にて混合させた冷媒(混合冷媒)を昇圧させる部位である。昇圧された混合冷媒は、気液分離器14に向けて吐出されることになる。
気液分離器14は、エジェクタ13より吐出された混合冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離するものである。分離された気相冷媒は、圧縮機11(第1圧縮機111)に向けて吐出される一方、分離された液相冷媒は、電子膨張弁15に向けて吐出されることになる。
電子膨張弁15は、気液分離器14より吐出された液相冷媒を断熱膨張させる、すなわち該液相冷媒を減圧して低温低圧の状態に調整するものである。
蒸発器16a,16b,16cは、電子膨張弁15で低温低圧の状態に調整された冷媒(液相冷媒)を蒸発させるものである。この冷媒が蒸発することにより、蒸発器16a,16b,16cの周辺領域は、熱が奪われることになる結果、冷却される。本実施の形態1における蒸発器16a,16b,16cは、銅管と、アルミフィンとで構成したフィンチューブタイプのものを使用している。
上記蒸発器16a,16b,16cは、図2に示したように、複数の商品収容庫5a,5b,5cをそれぞれ独立して冷却するために、各商品収容庫5a,5b,5cの内部に配設してある。より詳細には、蒸発器16aは、商品収容庫5aの内部に配設してあり、蒸発器16bは、商品収容庫5bの内部に配設してあり、蒸発器16cは、商品収容庫5cの内部に配設してある。これら蒸発器16a,16b,16cは、電子膨張弁15から3方に分岐したそれぞれの経路に接続してある。また、それぞれの経路には、電磁弁17a,17b,17cが設けてある。そして、電磁弁17a,17b,17cを選択的に開成することで、対応する蒸発器16a,16b,16cに電子膨張弁15からの冷媒が送出されることになる。一方、各蒸発器16a,16b,16cの出口側の経路は、互いに集合してエジェクタ13の冷媒吸入口135に接続してある。これにより、蒸発器16a,16b,16cで蒸発した冷媒は、エジェクタ13に至ることになる。
各商品収容庫5a,5b,5cの内部における蒸発器16a,16b,16cの近傍には、ヒータH、庫内送風ファンF、および循環ダクトDなどが設けてある。ヒータHは、商品収容庫5a,5b,5cの空気(内部雰囲気)を加熱、すなわち商品収納ラック6に収納してある商品Wを加熱するためのものである。庫内送風ファンFは、蒸発器16a,16b,16cで冷却された空気(冷気)、あるいはヒータHで加熱された空気(暖気)を送風することにより、蒸発器16a,16b,16cからの冷熱、あるいはヒータHからの高熱を商品Wに熱伝達させるものである。庫内送風ファンFにより送風された空気は、循環ダクトDを通じて循環することになる。また、図2中の符号Sは、商品収容庫5a,5b,5c内の温度を検出する庫内温度センサである。この庫内温度センサSは、各商品収容庫5a,5b,5cごとに設けてある。
上述した圧縮機11(第1圧縮機111および第2圧縮機112)、ガスクーラ12、エジェクタ13、気液分離器14、電子膨張弁15、および蒸発器16を適宜接続して構成される冷媒循環回路には、図3に示したように、ガスクーラ12からエジェクタ13に至る経路には、第1圧力センサ18aが設けてあるとともに、蒸発器16a,16b,16cからエジェクタ13に至る経路には、第2圧力センサ18bが設けてある。第1圧力センサ18aは、高圧冷媒の圧力を検知するためのものであり、第2圧力センサ18bは、低圧冷媒の圧力を検知するためのものである。
また、上記冷媒循環回路には、電磁弁17a,17b,17cから蒸発器16a,16b,16cに至るそれぞれの経路には、すなわち各蒸発器16a,16b,16cの入口側経路には、第1蒸発温度センサ19a、第2蒸発温度センサ19b、および第3蒸発温度センサ19cが設けてある。第1蒸発温度センサ19aは、蒸発器16aに送出される冷媒の温度を検知するものであり、第2蒸発温度センサ19bは、蒸発器16bに送出される冷媒の温度を検知するものであり、第3蒸発温度センサ19cは、蒸発器16cに送出される冷媒の温度を検知するものであり、ここで検知される温度が冷媒の蒸発温度とされる。
図5は、本発明の実施の形態1における冷却装置の制御系を示すものである。この図5に示すように、冷却装置10は、冷却制御ユニット20を備えている。冷却制御ユニット20は、主制御部21と、圧縮機駆動処理部22と、送風ファン駆動処理部23と、電子膨張弁開度調整部24と、電磁弁開閉処理部25と、第1蒸発温度検出処理部26と、第2蒸発温度検出処理部27と、第3蒸発温度検出処理部28と、第1庫内温度検出処理部29と、第2庫内温度検出処理部30と、第3庫内温度検出処理部31と、エジェクタ開度調整部(開度調整手段)32と、第1圧力検出処理部33と、第2圧力検出処理部34と、圧力差算出部35と、温度差算出部36と、圧力差判定処理部37と、温度差判定処理部38とを備えて構成してある。
主制御部21は、メモリ39に予め格納してあるプログラムやデータに基づいて冷却制御ユニット20の動作を統括的に制御するものである。
圧縮機駆動処理部22は、圧縮機11(第1圧縮機111および第2圧縮機112)の駆動処理、すなわち、圧縮機11を駆動させたり、駆動停止させたりするものである。
送風ファン駆動処理部23は、第1送風ファンおよび第2送風ファンF2の駆動処理、すなわち、第1送風ファンおよび第2送風ファンF2を駆動させたり、駆動停止させたりするものである。
電子膨張弁開度調整部24は、電子膨張弁15の開度を調整するものである。電磁弁開閉処理部25は、各電磁弁17a,17b,17cの開閉処理、すなわち、各電磁弁17a,17b,17cを個別に開成させたり、閉成させたりするものである。
第1蒸発温度検出処理部26は、第1蒸発温度センサ19aにより検知された蒸発温度を検出処理するものである。第2蒸発温度検出処理部27は、第2蒸発温度センサ19bにより検知された蒸発温度を検出処理するものである。第3蒸発温度検出処理部28は、第3蒸発温度センサ19cにより検知された蒸発温度を検出処理するものである。
第1庫内温度検出処理部29は、庫内温度センサSにより検知された商品収容庫5aの庫内温度を検出処理するものである。第2庫内温度検出処理部30は、庫内温度センサSにより検知された商品収容庫5bの庫内温度を検出処理するものである。第3庫内温度検出処理部31は、庫内温度センサSにより検知された商品収容庫5cの庫内温度を検出処理するものである。
エジェクタ開度調整部32は、エジェクタ13の開度を調整、すなわち、ノズル弁131aを移動させてノズル部131のノズル径を調整するものである。
第1圧力検出処理部33は、第1圧力センサ18aにより検知された高圧冷媒の圧力を検出処理するものである。第2圧力検出処理部34は、第2圧力センサ18bにより検知された低圧冷媒の圧力を検出処理するものである。
圧力差算出部35は、第1圧力センサ18a検出処理部を通じて検出処理された高圧冷媒の圧力と、第2圧力センサ18b検出処理部を通じて検出処理された低圧冷媒の圧力との圧力差を算出するものである。
温度差算出部36は、第1庫内温度検出処理部29を通じて検出処理された商品収容庫5aの庫内温度と、第1蒸発温度検出処理部26を通じて検出処理された蒸発温度、すなわち該商品収容庫5aの内部に配設された蒸発器16aに送出される冷媒の温度との温度差を算出、第2庫内温度検出処理部30を通じて検出処理部された商品収容庫5bの庫内温度と、第2蒸発温度検出処理部27を通じて検出処理された蒸発温度、すなわち該商品収容庫5bの内部に配設された蒸発器16bに送出される冷媒の温度との温度差を算出、あるいは、第3庫内温度検出処理部31を通じて検出処理部された商品収容庫5cの庫内温度と、第3蒸発温度検出処理部28を通じて検出処理された蒸発温度、すなわち該商品収容庫5cの内部に配設された蒸発器16cに送出される冷媒の温度との温度差を算出するものである。
圧力差判定処理部37は、圧力差算出部35を通じて算出された圧力差が、メモリ39に予め格納された設定値(閾値)以下であるか否かを判定処理するものである。
温度差判定処理部38は、温度差算出部36を通じて算出された各温度差が、メモリ39に予め格納された温度設定範囲内にあるか否かを判定処理するものである。
以上のような構成を有する冷却装置10は、次のようにして自動販売機の商品収容庫5a,5b,5cの内部雰囲気を冷却することができる。ここでは、商品収容庫5aの内部雰囲気のみを冷却するものとして説明する。
冷却制御ユニット20の主制御部21は、電磁弁開閉処理部25を通じて、電磁弁17aを開成状態にする一方、他の電磁弁17b,17cを閉成状態にする。これにより、冷媒が蒸発器16b,16cを通過することはない。なお、商品収容庫5aの内部に配設されたヒータHはオフ状態になっている。
電磁弁開閉処理部25を通じて各電磁弁17a,17b,17cの開閉処理を行った主制御部21は、圧縮機駆動処理部22を通じて圧縮機11(第1圧縮機111および第2圧縮機112)を駆動させるとともに、送風ファン駆動処理部23を通じて各送風ファン(第1送風ファンおよび第2送風ファンF2)を駆動させる。また、主制御部21は、電子膨張弁開度調整部24を通じて、電子膨張弁15の開度を予め決められた大きさに調整するとともに、エジェクタ開度調整部32を通じて、エジェクタ13の開度を予め決められた大きさに調整する。
これにより、冷媒循環回路における冷媒は、圧縮機11で2回に分けて圧縮される。より詳細に説明すると、冷媒は、第1圧縮機111で圧縮(約4.9MPaに圧縮)され、その後、中間熱交換器113に送出される。中間熱交換器113に送出された冷媒は、該中間熱交換器113で放熱して冷却される。中間熱交換器113で冷却された冷媒は、再び第2圧縮機112に送出され、該第2圧縮機112で圧縮(約9.8MPaに圧縮)され、高温高圧の状態になる。この場合において、第2圧縮機112から冷媒とともに送出された冷凍機油は、オイルセパレータによって第1圧縮機111の入口側に戻ることになる。
高温高圧の状態の冷媒は、ガスクーラ12に送出され、該ガスクーラ12で放熱して冷却される。ガスクーラ12で冷却された冷媒(高圧冷媒)は、エジェクタ13に送出される。
エジェクタ13に送出された冷媒(高圧冷媒)は、高圧冷媒入口134を通じてノズル部131に進入し、減圧されて加速する。これにより、蒸発器16aを通過した冷媒(低圧冷媒)が冷媒吸入口135を通じて吸引されることになる。そして、該エジェクタ13の混合部132にて、加速された高圧冷媒と、吸引された低圧冷媒とが混合して混合冷媒となってディフューザ部133に至り、混合冷媒は、ディフューザ部133で昇圧された後吐出される。
エジェクタ13から吐出された混合冷媒は、気液分離器14に送出され、該気液分離器14で気相冷媒と、液相冷媒とに分離される。分離された気相冷媒は、圧縮機11(第1圧縮機111)に向けて吐出される。一方、分離された液相冷媒は、電子膨張弁15に向けて吐出され、該電子膨張弁15で減圧されて断熱膨張し、低温低圧の状態になる。
低温低圧の冷媒(液相冷媒)は、開成状態にある電磁弁17aを通じて蒸発器16aに送出される。蒸発器16aに送出された冷媒は、該蒸発器16aの周辺領域から熱を与えられて蒸発する。換言すると、蒸発器16aの周辺領域は、冷媒が蒸発することにより熱を奪われて冷却されて冷気が生成する。生成した冷気は、庫内送風ファンFの作用により図2中の矢印で示したように吹き出し、これにより、商品収容庫5aの内部雰囲気は冷却されることになる。このように商品収容庫5aの内部雰囲気が冷却されると、該商品収容庫5aの内部に配設された商品収納ラック6に収容された商品Wは、所望の温度状態(例えば、約5℃)に冷却されることになる。
蒸発器16aで蒸発した冷媒は、上記エジェクタ13において高圧冷媒が減圧されて加速されることによる吸引力により、該蒸発器16aから吐出されてエジェクタ13の冷媒吸入口135に至る。このようにして、冷媒は、冷媒循環回路を循環するサイクルを繰り返すことになる。
以上のように商品収容庫5aの内部雰囲気を冷却する冷却装置10では、予め設定された時間(例えば10秒間)間隔ごとに次のような動作を行う。ここで、図6は、図5に示した主制御部の処理内容を示したフローチャートである。この図6を適宜用いて説明する。
冷却制御ユニット20の主制御部21は、圧縮機駆動処理部22を通じて圧縮機11(第1圧縮機111および第2圧縮機112)が駆動しているか否かを確認し(ステップS101)、駆動していれば、第1圧力検出処理部33および第2圧力検出処理部34を通じて圧力の検出処理をしながら、第1蒸発温度検出処理部26および第1庫内温度検出処理部29を通じて温度(蒸発温度および庫内温度)を検出処理する(ステップS102,ステップS103)。より詳細に説明すると、主制御部21は、第1圧力検出処理部33を通じて、第1圧力センサ18aにより検知された高圧冷媒の圧力を検出処理する一方、第2圧力処理部を通じて、第2圧力センサ18bにより検知された低圧冷媒の圧力を検出処理する。また、主制御部21は、第1蒸発温度検出処理部26を通じて、第1蒸発温度センサ19aにより検知された蒸発温度を検出処理する一方、第1庫内温度検出処理部29を通じて、庫内温度センサSにより検知された商品収容庫5aの庫内温度を検出処理する。
温度を検出処理した主制御部21は、第1圧力検出処理部33により検出処理された高圧冷媒の圧力と、第2圧力検出処理部34により検出処理された低圧冷媒の圧力との圧力差ΔPを圧力差算出部35を通じて算出する(ステップS104)。
圧力差を算出した主制御部21は、圧力差判定処理部37を通じて、圧力差算出部35により算出された圧力差ΔPが、メモリ39に予め格納された設定圧力値(閾値)ΔPs以下であるか否かを判定処理する(ステップS105)。その結果、圧力差ΔPが設定圧力値ΔPs以下であれば、主制御部21は、エジェクタ開度調整部32を通じて、エジェクタ13の開度を小さくして、すなわちノズル弁131aを移動させてノズル径を小さくして(ステップS106)、今回の処理を終了する。このようにエジェクタ13の開度を小さくすることにより、低圧冷媒、すなわち電子膨張弁15から蒸発器16aを通じてエジェクタ13の冷媒吸入口135に至る冷媒の圧力を小さくすることができる。
一方、上記ステップS105において、圧力差ΔPが設定圧力値ΔPsより大きい場合には、主制御部21は、温度差算出部36を通じて、第1庫内温度検出処理部29により検出処理された商品収容庫5aの庫内温度と、第1蒸発温度検出処理部26により検出処理された蒸発温度、すなわち該商品収容庫5aの内部に配設された蒸発器16aに送出される冷媒の温度との温度差を算出する(ステップS107)。
温度差を算出した主制御部21は、温度差判定処理部38を通じて、温度差算出部36により算出された温度差ΔTが、メモリ39に予め格納された温度設定範囲の下限値ΔT1を下回るか否かを判定処理する(ステップS108)。その結果、温度差ΔTが温度設定範囲の下限値ΔT1を下回っていれば、主制御部21は、エジェクタ開度調整部32を通じて、エジェクタ13の開度を小さくして(ステップS109)、今回の処理を終了する。このようにエジェクタ13の開度を小さくするので、冷媒の蒸発温度を下げることができる。なお、ステップS109におけるエジェクタ13の開度を小さくする割合と、上記ステップS106におけるエジェクタ13の開度を小さくする割合とは、それぞれメモリ39などに個別に設定された大きさであり、必ずしも同じになるわけではない。
上記ステップS108において、温度差ΔTが温度設定範囲の下限値ΔT1を上回っている場合には、主制御部21は、温度差判定処理部38を通じて、温度差ΔTが、温度設定範囲の上限値ΔT2を上回るか否かを判定処理する(ステップS110)。その結果、温度差ΔTが温度設定範囲の上限値ΔT2を上回っていれば、主制御部21は、エジェクタ開度調整部32を通じて、エジェクタ13の開度を大きくして、すなわちノズル弁131aを移動させてノズル径を大きくして(ステップS111)、今回の処理を終了する。このようにエジェクタ13の開度を大きくするので、冷媒の蒸発温度を上げることができる。
上記ステップS110において、温度差ΔTが温度設定範囲の上限値T2を下回っている場合、すなわち、温度差ΔTが温度設定範囲内にある場合(ΔT1≦ΔT≦ΔT2)には、主制御部21は、エジェクタ13の開度を現状維持にして(ステップS112)、今回の処理を終了する。
温度差ΔTが温度設定範囲の下限値ΔT1を下回っている場合には、エジェクタ13の開度を小さくし(ステップS108,ステップS109)、温度差ΔTが温度設定範囲の上限値ΔT2を上回っている場合には、エジェクタ13の開度を大きくし(ステップS108,ステップS110およびステップS111)、温度差ΔTが温度設定範囲内にある場合には、エジェクタ13の開度を現状維持にする(ステップS108,ステップS110およびステップS112)ので、必要に応じて冷媒の蒸発温度を下げたり、上げたりすることにより、冷媒の蒸発温度をほぼ一定にすることができる。
上記冷却装置10において、冷却制御ユニット20による制御、具体的には圧力差判定処理部37および温度差判定処理部38の処理内容をまとめると図7に示すようになる。
以上説明したように、本発明の実施の形態1における冷却装置10では、高圧冷媒の圧力と、低圧冷媒の圧力との圧力差ΔPが予め決められた閾値ΔPs以下の場合には、エジェクタ13の開度を小さくして低圧冷媒の圧力を低下させるので、高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差を一定以上に制御することができる。これにより、圧縮機11を駆動させるためのエネルギーが過大なものとならずに、蒸発器16から吐出された冷媒がエジェクタ13に確実に吸引される結果、冷媒が冷媒循環回路(蒸発器16)を循環する。従って、圧縮機11の運転効率を低下させずに、商品収容庫5a(5b、5c)の内部雰囲気を良好に冷却することができる。
また、上記冷却装置10によれば、圧力差ΔPが上記閾値ΔPsを超える場合には、対象となる商品収容庫5aの庫内温度と、蒸発温度との温度差が予め設定された温度設定範囲内となる態様でエジェクタ13の開度を調整、すなわち、温度差ΔTが温度設定範囲の下限値ΔT1を下回っている場合には、エジェクタ13の開度を小さくし、温度差ΔTが温度設定範囲の上限値ΔT2を上回っている場合には、エジェクタ13の開度を大きくし、温度差ΔTが温度設定範囲内にある場合には、エジェクタ13の開度を現状維持にするので、冷媒の蒸発温度をほぼ一定にすることができる。これにより、蒸発器16a(16b,16c)での冷媒と、商品収容庫5a(5b,5c)の内部雰囲気との温度差を最適にでき、熱交換量が不足することもなく、また過度に内部雰囲気を冷却することもないので、運転効率の向上を図ることができる。
<実施の形態2>
以下に、本発明の実施の形態2における冷却装置について説明する。本発明の実施の形態2における冷却装置は、上述した実施の形態1において、図1および図2に示した自動販売機に適用されるものであり、実施の形態1における冷却装置10と同一の構成を有しており、制御系のみが異なるものである。従って、実施の形態1における冷却装置10と同一の構成を有するものについては、同一の符号を付して説明を省略する。
図8は、本発明の実施の形態2における冷却装置の制御系を示すものである。この図8に示すように、冷却装置は、冷却制御ユニット40を備えている。冷却制御ユニット40は、主制御部41と、圧縮機駆動処理部42と、送風ファン駆動処理部43と、電子膨張弁開度調整部44と、電磁弁開閉処理部45と、第1蒸発温度検出処理部46と、第2蒸発温度検出処理部47と、第3蒸発温度検出処理部48と、エジェクタ開度調整部(開度調整手段)49と、第1圧力検出処理部50と、第2圧力検出処理部51と、圧力差算出部52と、圧力差判定処理部53と、蒸発温度判定処理部54とを備えて構成してある。
主制御部41は、メモリ55に予め格納してあるプログラムやデータに基づいて冷却制御ユニット40の動作を統括的に制御するものである。
圧縮機駆動処理部42は、圧縮機11(第1圧縮機111および第2圧縮機112)の駆動処理、すなわち、圧縮機11を駆動させたり、駆動停止させたりするものである。
送風ファン駆動処理部43は、第1送風ファンおよび第2送風ファンF2の駆動処理、すなわち、第1送風ファンおよび第2送風ファンF2を駆動させたり、駆動停止させたりするものである。
電子膨張弁開度調整部44は、電子膨張弁15の開度を調整するものである。電磁弁開閉処理部45は、各電磁弁17a,17b,17cの開閉処理、すなわち、各電磁弁17a,17b,17cを個別に開成させたり、閉成させたりするものである。
第1蒸発温度検出処理部46は、第1蒸発温度センサ19aにより検知された蒸発温度を検出処理するものである。第2蒸発温度検出処理部47は、第2蒸発温度センサ19bにより検知された蒸発温度を検出処理するものである。第3蒸発温度検出処理部48は、第3蒸発温度センサ19cにより検知された蒸発温度を検出処理するものである。
エジェクタ開度調整部49は、エジェクタ13の開度を調整、すなわち、ノズル弁131aを移動させてノズル部131のノズル径を調整するものである。
第1圧力検出処理部50は、第1圧力センサ18aにより検知された高圧冷媒の圧力を検出処理するものである。第2圧力検出処理部51は、第2圧力センサ18bにより検知された低圧冷媒の圧力を検出処理するものである。
圧力差算出部52は、第1圧力検出処理部50を通じて検出処理された高圧冷媒の圧力と、第2圧力検出処理部51を通じて検出処理された低圧冷媒の圧力との圧力差を算出するものである。
圧力差判定処理部53は、圧力差算出部52を通じて算出された圧力差が、メモリ55に予め格納された設定値(閾値)以下であるか否かを判定処理するものである。
蒸発温度判定処理部54は、第1蒸発温度検出処理部46、第2蒸発温度検出処理部47または第3温度検出処理部を通じて検出処理された蒸発温度が、メモリ55に予め格納された蒸発温度設定範囲内にあるか否かを判定処理するものである。
以上のような構成を有する冷却装置は、次のようにして自動販売機の商品収容庫5a,5b,5cの内部雰囲気を冷却することができる。ここでは、商品収容庫5aの内部雰囲気のみを冷却するものとして説明する。
冷却制御ユニット40の主制御部41は、電磁弁開閉処理部45を通じて、電磁弁17aを開成状態にする一方、他の電磁弁17b,17cを閉成状態にする。これにより、冷媒が蒸発器16b,16cを通過することはない。なお、商品収容庫5aの内部に配設されたヒータHはオフ状態になっている。
電磁弁開閉処理部45を通じて各電磁弁17a,17b,17cの開閉処理を行った主制御部41は、圧縮機駆動処理部42を通じて圧縮機11(第1圧縮機111および第2圧縮機112)を駆動させるとともに、送風ファン駆動処理部43を通じて各送風ファン(第1送風ファンおよび第2送風ファンF2)を駆動させる。また、主制御部41は、電子膨張弁開度調整部44を通じて、電子膨張弁15の開度を予め決められた大きさに調整するとともに、エジェクタ開度調整部49を通じて、エジェクタ13の開度を予め決められた大きさに調整する。
これにより、冷媒循環回路における冷媒は、圧縮機11で2回に分けて圧縮される。より詳細に説明すると、冷媒は、第1圧縮機111で圧縮(約4.9MPaに圧縮)され、その後、中間熱交換器113に送出される。中間熱交換器113に送出された冷媒は、該中間熱交換器113で放熱して冷却される。中間熱交換器113で冷却された冷媒は、再び第2圧縮機112に送出され、該第2圧縮機112で圧縮(約9.8MPaに圧縮)され、高温高圧の状態になる。この場合において、第2圧縮機112から冷媒とともに送出された冷凍機油は、オイルセパレータによって第1圧縮機111の入口側に戻ることになる。
高温高圧の状態の冷媒は、ガスクーラ12に送出され、該ガスクーラ12で放熱して冷却される。ガスクーラ12で冷却された冷媒(高圧冷媒)は、エジェクタ13に送出される。
エジェクタ13に送出された冷媒(高圧冷媒)は、高圧冷媒入口134を通じてノズル部131に進入し、減圧されて加速する。これにより、蒸発器16aを通過した冷媒(低圧冷媒)が冷媒吸入口135を通じて吸引されることになる。そして、該エジェクタ13の混合部132にて、加速された高圧冷媒と、吸引された低圧冷媒とが混合して混合冷媒となってディフューザ部133に至り、混合冷媒は、ディフューザ部133で昇圧された後吐出される。
エジェクタ13から吐出された混合冷媒は、気液分離器14に送出され、該気液分離器14で気相冷媒と、液相冷媒とに分離される。分離された気相冷媒は、圧縮機11(第1圧縮機111)に向けて吐出される。一方、分離された液相冷媒は、電子膨張弁15に向けて吐出され、該電子膨張弁15で減圧されて断熱膨張し、低温低圧の状態になる。
低温低圧の冷媒(液相冷媒)は、開成状態にある電磁弁17aを通じて蒸発器16aに送出される。蒸発器16aに送出された冷媒は、該蒸発器16aの周辺領域から熱を与えられて蒸発する。換言すると、蒸発器16aの周辺領域は、冷媒が蒸発することにより熱を奪われて冷却されて冷気が生成する。生成した冷気は、庫内送風ファンFの作用により図2中の矢印で示したように吹き出し、これにより、商品収容庫5aの内部雰囲気は冷却されることになる。このように商品収容庫5aの内部雰囲気が冷却されると、該商品収容庫5aの内部に配設された商品収納ラック6に収容された商品Wは、所望の温度状態(例えば、約5℃)に冷却されることになる。
蒸発器16aで蒸発した冷媒は、上記エジェクタ13において高圧冷媒が減圧されて加速されることによる吸引力により、該蒸発器16aから吐出されてエジェクタ13の冷媒吸入口135に至る。このようにして、冷媒は、冷媒循環回路を循環するサイクルを繰り返すことになる。
以上のように商品収容庫5aの内部雰囲気を冷却する冷却装置では、予め設定された時間(例えば10秒間)間隔ごとに次のような動作を行う。ここで、図9は、図8に示した主制御部の処理内容を示したフローチャートである。この図9を適宜用いて説明する。
冷却制御ユニット40の主制御部41は、圧縮機駆動処理部42を通じて圧縮機11(第1圧縮機111および第2圧縮機112)が駆動しているか否かを確認し(ステップS201)、駆動していれば、第1圧力検出処理部50および第2圧力検出処理部51を通じて圧力の検出処理をしながら、第1蒸発温度検出処理部46を通じて蒸発温度を検出処理する(ステップS202,ステップS203)。より詳細に説明すると、主制御部41は、第1圧力検出処理部50を通じて第1圧力センサ18aにより検知された高圧冷媒の圧力を検出処理する一方、第2圧力処理部を通じて第2圧力センサ18bにより検知された低圧冷媒の圧力を検出処理する。また、主制御部41は、第1蒸発温度検出処理部46を通じて第1蒸発温度センサ19aにより検知された蒸発温度を検出処理する。
蒸発温度を検出処理した主制御部41は、第1圧力検出処理部50により検出処理された高圧冷媒の圧力と、第2圧力検出処理部51により検出処理された低圧冷媒の圧力との圧力差ΔPを圧力差算出部52を通じて算出する(ステップS204)。
圧力差を算出した主制御部41は、圧力差判定処理部53を通じて、圧力差算出部52により算出された圧力差ΔPが、メモリ55に予め格納された設定圧力値(閾値)ΔPs以下であるか否かを判定処理する(ステップS205)。その結果、圧力差ΔPが設定圧力値ΔPs以下であれば、主制御部41は、エジェクタ開度調整部49を通じて、エジェクタ13の開度を小さくして、すなわちノズル弁131aを移動させてノズル径を小さくして(ステップS206)、今回の処理を終了する。このようにエジェクタ13の開度を小さくすることにより、低圧冷媒、すなわち電子膨張弁15から蒸発器16aを通じてエジェクタ13の冷媒吸入口135に至る冷媒の圧力を小さくすることができる。
一方、上記ステップS205において、圧力差ΔPが設定圧力値ΔPsより大きい場合には、主制御部41は、蒸発温度判定処理部54を通じて、第1蒸発温度検出処理部46で検出処理された蒸発温度Teが、メモリ55に予め格納された蒸発温度設定範囲の上限値Te1を上回るか否かを判定処理する(ステップS207)。その結果、蒸発温度Teが蒸発温度設定範囲の上限値Te1を上回っていれば、主制御部41は、エジェクタ開度調整部49を通じて、エジェクタ13の開度を小さくして(ステップS208)、今回の処理を終了する。このようにエジェクタ13の開度を小さくするので、冷媒の蒸発温度を下げることができる。なお、ステップS208におけるエジェクタ13の開度を小さくする割合と、上記ステップS206におけるエジェクタ13の開度を小さくする割合とは、それぞれメモリ55などに個別に設定された大きさであり、必ずしも同じになるわけではない。
上記ステップS207において、蒸発温度Teが蒸発温度設定範囲の上限値Te1以下の場合には、主制御部41は、蒸発温度判定処理部54を通じて、蒸発温度Teが、蒸発温度設定範囲の下限値ΔTe2を下回るか否かを判定処理する(ステップS209)。その結果、蒸発温度Teが蒸発温度設定範囲の下限値Te2を下回っていれば、主制御部41は、エジェクタ開度調整部49を通じて、エジェクタ13の開度を大きくして、すなわちノズル弁131aを移動させてノズル径を大きくして(ステップS210)、今回の処理を終了する。このようにエジェクタ13の開度を大きくするので、冷媒の蒸発温度を上げることができる。
上記ステップS209において、蒸発温度Teが蒸発温度設定範囲の下限値Te2以上の場合、すなわち、蒸発温度Teが蒸発温度設定範囲内にある場合(Te2≦Te≦Te1)には、主制御部41は、エジェクタ13の開度を現状維持にして(ステップS211)、今回の処理を終了する。
蒸発温度Teが蒸発温度設定範囲の上限値Te1を上回っている場合には、エジェクタ13の開度を小さくし(ステップS207,ステップS208)、蒸発温度Teが蒸発温度設定範囲の下限値Te2を下回っている場合には、エジェクタ13の開度を大きくし(ステップS207,ステップS209およびステップS210)、蒸発温度Teが蒸発温度設定範囲内にある場合には、エジェクタ13の開度を現状維持にする(ステップS207,ステップS209およびステップS211)ので、必要に応じて冷媒の蒸発温度を下げたり、上げたりすることにより、冷媒の蒸発温度をほぼ一定にすることができる。
上記冷却装置において、冷却制御ユニット40による制御、具体的には圧力差判定処理部53および蒸発温度判定処理部54の処理内容をまとめると図10に示すようになる。
以上説明したように、本発明の実施の形態2における冷却装置では、高圧冷媒の圧力と、低圧冷媒の圧力との圧力差ΔPが予め決められた閾値ΔPs以下の場合には、エジェクタ13の開度を小さくして低圧冷媒の圧力を低下させるので、高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差を一定以上に制御することができる。これにより、圧縮機11を駆動させるためのエネルギーが過大なものとならずに、蒸発器16から吐出された冷媒がエジェクタ13に確実に吸引される結果、冷媒が冷媒循環回路(蒸発器16)を循環する。従って、圧縮機11の運転効率を低下させずに、商品収容庫5a(5b,5c)の内部雰囲気を良好に冷却することができる。
また、上記冷却装置によれば、圧力差ΔPが上記閾値ΔPsを超える場合には、対象となる蒸発器16aに至る冷媒の蒸発温度が予め設定された蒸発温度設定範囲内となる態様でエジェクタ13の開度を調整、すなわち、蒸発温度Teが蒸発温度設定範囲の上限値Te1を上回っている場合には、エジェクタ13の開度を小さくし、蒸発温度Teが蒸発温度設定範囲の下限値Te2を下回っている場合には、エジェクタ13の開度を大きくし、蒸発温度Teが蒸発温度設定範囲内にある場合には、エジェクタ13の開度を現状維持にするので、冷媒の蒸発温度をほぼ一定にすることができる。これにより、蒸発器16a(16b,16c)での冷媒と、商品収容庫5a(5b,5c)の内部雰囲気との温度差を最適にでき、熱交換量が不足することもなく、また過度に内部雰囲気を冷却することもないので、運転効率の向上を図ることができる。
<実施の形態3>
以下に、本発明の実施の形態3における冷却装置について説明する。図11は、本発明の実施の形態3における冷却装置を概念的に示した概念図である。本発明の実施の形態3における冷却装置10′は、上述した実施の形態1と同様に、図1および図2に示した自動販売機に適用されるものであり、冷媒循環回路を有してなる。かかる冷媒循環回路は、実施の形態1における冷媒循環回路に比して、第1圧力センサ18aおよび第2圧力センサ18bが配設されていない以外は同一の構成を有するものである。このように同一の構成を有するものには、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図12は、本発明の実施の形態3における冷却装置の制御系を示すものである。この図12に示すように、冷却装置10′は、冷却制御ユニット60を備えている。冷却制御ユニット60は、主制御部61と、圧縮機駆動処理部62と、送風ファン駆動処理部63と、電子膨張弁開度調整部64と、電磁弁開閉処理部65と、外気温度検出処理部66と、第1蒸発温度検出処理部67と、第2蒸発温度検出処理部68と、第3蒸発温度検出処理部69と、第1庫内温度検出処理部70と、第2庫内温度検出処理部71と、第3庫内温度検出処理部72と、エジェクタ開度調整部(開度調整手段)73と、低圧冷媒圧力算出部(第1圧力算出手段)74と、高圧冷媒圧力算出部(第2圧力算出手段)75と、圧力差算出部76と、温度差算出部77と、圧力差判定処理部78と、温度差判定処理部79とを備えて構成してある。
主制御部61は、メモリ80に予め格納してあるプログラムやデータに基づいて冷却制御ユニット60の動作を統括的に制御するものである。
圧縮機駆動処理部62は、圧縮機11(第1圧縮機111および第2圧縮機112)の駆動処理、すなわち、圧縮機11を駆動させたり、駆動停止させたりするものである。
送風ファン駆動処理部63は、第1送風ファンおよび第2送風ファンF2の駆動処理、すなわち、第1送風ファンおよび第2送風ファンF2を駆動させたり、駆動停止させたりするものである。
電子膨張弁開度調整部64は、電子膨張弁15の開度を調整するものである。電磁弁開閉処理部65は、各電磁弁17a,17b,17cの開閉処理、すなわち、各電磁弁17a,17b,17cを個別に開成させたり、閉成させたりするものである。
外気温度検出処理部66は、冷却装置10′が適用される自動販売機に配設された外気温度センサ(図示せず)により検知された外気温度を検出処理するものである。
第1蒸発温度検出処理部67は、第1蒸発温度センサ19aにより検知された蒸発温度を検出処理するものである。第2蒸発温度検出処理部68は、第2蒸発温度センサ19bにより検知された蒸発温度を検出処理するものである。第3蒸発温度検出処理部69は、第3蒸発温度センサ19cにより検知された蒸発温度を検出処理するものである。
第1庫内温度検出処理部70は、庫内温度センサSにより検知された商品収容庫5aの庫内温度を検出処理するものである。第2庫内温度検出処理部71は、庫内温度センサSにより検知された商品収容庫5bの庫内温度を検出処理するものである。第3庫内温度検出処理部72は、庫内温度センサSにより検知された商品収容庫5cの庫内温度を検出処理するものである。
エジェクタ開度調整部73は、エジェクタ13の開度を調整、すなわち、ノズル弁131aを移動させてノズル部131のノズル径を調整するものである。
低圧冷媒圧力算出部74は、冷媒の蒸発温度と、該蒸発温度に関連付けられた低圧冷媒圧力情報とから、冷媒循環回路における低圧冷媒の圧力を算出するものである。より詳細には、第1蒸発温度検出処理部67、第2蒸発温度検出処理部68または第3蒸発温度検出処理部69より検出処理された蒸発温度と、この蒸発温度に関連付けられた低圧冷媒圧力情報とから、冷媒循環回路における低圧冷媒の圧力を算出するものである。ここに、低圧冷媒圧力情報は、メモリ80に予め格納されており、実験的に求められたものである。
高圧冷媒圧力算出部75は、圧縮機11の運転状況、冷媒の蒸発温度、自動販売機の外気温度および商品収容庫5a,5b,5cの数と、これらに関連付けられた高圧冷媒圧力情報とから、冷媒循環回路における高圧冷媒の圧力を算出するものである。より詳細に説明すると、圧縮機11の運転状況は、圧縮機駆動処理部62にて駆動される圧縮機11の駆動周波数であり、冷媒の蒸発温度は、第1蒸発温度検出処理部67、第2蒸発温度検出処理部68または第3蒸発温度検出処理部69のそれぞれで検出処理された温度であり、自動販売機の外気温度は、外気温度検出処理部66により検出処理された温度であり、商品収容庫5a,5b,5cの数は、冷却対象となる商品収容庫5a,5b,5cの数である。高圧冷媒圧力情報は、図13に示すように、圧縮機11の運転状況、冷媒の蒸発温度、自動販売機の外気温度および商品収容庫5a,5b,5cの数と関連付けられたものであり、実験的に求められたものである。このような高圧冷媒圧力情報は、メモリ80に予め格納されている。
圧力差算出部76は、高圧冷媒圧力算出部75を通じて算出された高圧冷媒の圧力と、低圧冷媒圧力算出部74を通じて算出された低圧冷媒の圧力との圧力差を算出するものである。
温度差算出部77は、第1庫内温度検出処理部70を通じて検出処理された商品収容庫5aの庫内温度と、第1蒸発温度検出処理部67を通じて検出処理された蒸発温度、すなわち該商品収容庫5aの内部に配設された蒸発器16aに送出される冷媒の温度との温度差を算出、第2庫内温度検出処理部71を通じて検出処理部された商品収容庫5bの庫内温度と、第2蒸発温度検出処理部68を通じて検出処理された蒸発温度、すなわち該商品収容庫5bの内部に配設された蒸発器16bに送出される冷媒の温度との温度差を算出、あるいは、第3庫内温度検出処理部72を通じて検出処理部された商品収容庫5cの庫内温度と、第3蒸発温度検出処理部69を通じて検出処理された蒸発温度、すなわち該商品収容庫5cの内部に配設された蒸発器16cに送出される冷媒の温度との温度差を算出するものである。
圧力差判定処理部78は、圧力差算出部76を通じて算出された圧力差が、メモリ80に予め格納された設定値(閾値)以下であるか否かを判定処理するものである。
温度差判定処理部79は、温度差算出部77を通じて算出された各温度差が、メモリ80に予め格納された温度設定範囲内にあるか否かを判定処理するものである。
以上のような構成を有する冷却装置10′は、次のようにして自動販売機の商品収容庫5a,5b,5cの内部雰囲気を冷却することができる。ここでは、商品収容庫5aの内部雰囲気のみを冷却するものとして説明する。
冷却制御ユニット60の主制御部61は、電磁弁開閉処理部65を通じて、電磁弁17aを開成状態にする一方、他の電磁弁17b,17cを閉成状態にする。これにより、冷媒が蒸発器16b,16cを通過することはない。なお、商品収容庫5aの内部に配設されたヒータHはオフ状態になっている。
電磁弁開閉処理部65を通じて各電磁弁17a,17b,17cの開閉処理を行った主制御部61は、圧縮機駆動処理部62を通じて圧縮機11(第1圧縮機111および第2圧縮機112)を駆動させるとともに、送風ファン駆動処理部63を通じて各送風ファン(第1送風ファンおよび第2送風ファンF2)を駆動させる。また、主制御部61は、電子膨張弁開度調整部64を通じて、電子膨張弁15の開度を予め決められた大きさに調整するとともに、エジェクタ開度調整部73を通じて、エジェクタ13の開度を予め決められた大きさに調整する。
これにより、冷媒循環回路における冷媒は、圧縮機11で2回に分けて圧縮される。より詳細に説明すると、冷媒は、第1圧縮機111で圧縮(約4.9MPaに圧縮)され、その後、中間熱交換器113に送出される。中間熱交換器113に送出された冷媒は、該中間熱交換器113で放熱して冷却される。中間熱交換器113で冷却された冷媒は、再び第2圧縮機112に送出され、該第2圧縮機112で圧縮(約9.8MPaに圧縮)され、高温高圧の状態になる。この場合において、第2圧縮機112から冷媒とともに送出された冷凍機油は、オイルセパレータによって第1圧縮機111の入口側に戻ることになる。
高温高圧の状態の冷媒は、ガスクーラ12に送出され、該ガスクーラ12で放熱して冷却される。ガスクーラ12で冷却された冷媒(高圧冷媒)は、エジェクタ13に送出される。
エジェクタ13に送出された冷媒(高圧冷媒)は、高圧冷媒入口134を通じてノズル部131に進入し、減圧されて加速する。これにより、蒸発器16a,16b,16cを通過した冷媒(低圧冷媒)が冷媒吸入口135を通じて吸引されることになる。そして、該エジェクタ13の混合部132にて、加速された高圧冷媒と、吸引された低圧冷媒とが混合して混合冷媒となってディフューザ部133に至り、混合冷媒は、ディフューザ部133で昇圧された後吐出される。
エジェクタ13から吐出された混合冷媒は、気液分離器14に送出され、該気液分離器14で気相冷媒と、液相冷媒とに分離される。分離された気相冷媒は、圧縮機11(第1圧縮機111)に向けて吐出される。一方、分離された液相冷媒は、電子膨張弁15に向けて吐出され、該電子膨張弁15で減圧されて断熱膨張し、低温低圧の状態になる。
低温低圧の冷媒(液相冷媒)は、開成状態にある電磁弁17aを通じて蒸発器16aに送出される。蒸発器16aに送出された冷媒は、該蒸発器16aの周辺領域から熱を与えられて蒸発する。換言すると、蒸発器16aの周辺領域は、冷媒が蒸発することにより熱を奪われて冷却されて冷気が生成する。生成した冷気は、庫内送風ファンFの作用により図2中の矢印で示したように吹き出し、これにより、商品収容庫5aの内部雰囲気は冷却されることになる。このように商品収容庫5aの内部雰囲気が冷却されると、該商品収容庫5aの内部に配設された商品収納ラック6に収容された商品Wは、所望の温度状態(例えば、約5℃)に冷却されることになる。
蒸発器16aで蒸発した冷媒は、上記エジェクタ13において高圧冷媒が減圧されて加速されることによる吸引力により、該蒸発器16aから吐出されてエジェクタ13の冷媒吸入口135に至る。このようにして、冷媒は、冷媒循環回路を循環するサイクルを繰り返すことになる。
以上のように商品収容庫5aの内部雰囲気を冷却する冷却装置10′では、予め設定された時間(例えば10秒間)間隔ごとに次のような動作を行う。ここで、図14は、図12に示した主制御部の処理内容を示したフローチャートである。この図14を適宜用いて説明する。
冷却制御ユニット60の主制御部61は、圧縮機駆動処理部62を通じて圧縮機11(第1圧縮機111および第2圧縮機112)が駆動しているか否かを確認し(ステップS301)、駆動していれば、低圧冷媒圧力算出部74および高圧冷媒圧力算出部75を通じて、低圧冷媒および高圧冷媒の圧力を算出し、かつ、第1蒸発温度検出処理部67および第1庫内温度検出処理部70を通じて、温度(蒸発温度および庫内温度)を検出処理する(ステップS302,ステップS303)。より詳細に説明すると、主制御部61は、低圧冷媒圧力算出部74を通じて、第1蒸発温度検出処理部67により検出処理された蒸発温度と、メモリ80に格納された低圧冷媒圧力情報とから低圧冷媒の圧力を算出する一方、高圧冷媒圧力算出部75を通じて、運転対象となる商品収容庫5aの数と、圧縮機駆動処理部62により駆動される圧縮機11の駆動周波数と、第1蒸発温度検出処理部67より検出処理された蒸発温度と、外気温度検出処理部66により検出処理された自動販売機の外気温度と、メモリ80に格納された高圧冷媒圧力情報とから高圧冷媒の圧力を算出する。また、主制御部61は、第1蒸発温度検出処理部67を通じて第1蒸発温度センサ19aにより検知された蒸発温度を検出処理する一方、第1庫内温度検出処理部70を通じて庫内温度センサSにより検知された商品収容庫5aの庫内温度を検出処理する。
温度を検出処理した主制御部61は、高圧冷媒圧力算出部75により算出された高圧冷媒の圧力と、低圧冷媒圧力算出部74により算出された低圧冷媒の圧力との圧力差ΔPaを圧力差算出部76を通じて算出する(ステップS304)。
圧力差を算出した主制御部61は、圧力差判定処理部78を通じて、圧力差算出部76により算出された圧力差ΔPaが、メモリ80に予め格納された設定圧力値(閾値)ΔPs以下であるか否かを判定処理する(ステップS305)。その結果、圧力差ΔPaが設定圧力値ΔPs以下であれば、主制御部61は、エジェクタ開度調整部73を通じて、エジェクタ13の開度を小さくして、すなわちノズル弁131aを移動させてノズル径を小さくして(ステップS306)、今回の処理を終了する。このようにエジェクタ13の開度を小さくすることにより、低圧冷媒、すなわち電子膨張弁15から蒸発器16aを通じてエジェクタ13の冷媒吸入口135に至る冷媒の圧力を小さくすることができる。
一方、上記ステップS305において、圧力差ΔPaが設定圧力値ΔPsより大きい場合には、主制御部61は、温度差算出部77を通じて、第1庫内温度検出処理部70により検出処理された商品収容庫5aの庫内温度と、第1蒸発温度検出処理部67により検出処理された蒸発温度、すなわち該商品収容庫5aの内部に配設された蒸発器16aに送出される冷媒の温度との温度差を算出する(ステップS307)。
温度差を算出した主制御部61は、温度差判定処理部79を通じて、温度差算出部77により算出された温度差ΔTが、メモリ80に予め格納された温度設定範囲の下限値ΔT1を下回るか否かを判定処理する(ステップS308)。その結果、温度差ΔTが温度設定範囲の下限値ΔT1を下回っていれば、主制御部61は、エジェクタ開度調整部73を通じて、エジェクタ13の開度を小さくして(ステップS309)、今回の処理を終了する。このようにエジェクタ13の開度を小さくするので、冷媒の蒸発温度を下げることができる。なお、ステップS309におけるエジェクタ13の開度を小さくする割合と、上記ステップS306におけるエジェクタ13の開度を小さくする割合とは、それぞれメモリ80などに個別に設定された大きさであり、必ずしも同じになるわけではない。
上記ステップS308において、温度差ΔTが温度設定範囲の下限値ΔT1を上回っている場合には、主制御部61は、温度差判定処理部79を通じて、温度差ΔTが、温度設定範囲の上限値ΔT2を上回るか否かを判定処理する(ステップS310)。その結果、温度差ΔTが温度設定範囲の上限値ΔT2を上回っていれば、主制御部61は、エジェクタ開度調整部73を通じて、エジェクタ13の開度を大きくして、すなわちノズル弁131aを移動させてノズル径を大きくして(ステップS311)、今回の処理を終了する。このようにエジェクタ13の開度を大きくするので、冷媒の蒸発温度を上げることができる。
上記ステップS310において、温度差ΔTが温度設定範囲の上限値T2を下回っている場合、すなわち、温度差ΔTが温度設定範囲内にある場合(ΔT1≦ΔT≦ΔT2)には、主制御部61は、エジェクタ13の開度を現状維持にして(ステップS312)、今回の処理を終了する。
温度差ΔTが温度設定範囲の下限値ΔT1を下回っている場合には、エジェクタ13の開度を小さくし(ステップS308,ステップS309)、温度差ΔTが温度設定範囲の上限値ΔT2を上回っている場合には、エジェクタ13の開度を大きくし(ステップS308,ステップS310およびステップS311)、温度差ΔTが温度設定範囲内にある場合には、エジェクタ13の開度を現状維持にする(ステップS308,ステップS310およびステップS312)ので、必要に応じて冷媒の蒸発温度を下げたり、上げたりすることにより、冷媒の蒸発温度をほぼ一定にすることができる。
上記冷却装置10′において、冷却制御ユニット60による制御、具体的には圧力差判定処理部78および温度差判定処理部79の処理内容をまとめると図15に示すようになる。
以上説明したように、本発明の実施の形態3における冷却装置10′では、高圧冷媒の圧力と、低圧冷媒の圧力との圧力差ΔPaが予め決められた閾値ΔPs以下の場合には、エジェクタ13の開度を小さくして低圧冷媒の圧力を低下させるので、高圧冷媒と低圧冷媒との圧力差を一定以上に制御することができる。これにより、圧縮機11を駆動させるためのエネルギーが過大なものとならずに、蒸発器16から吐出された冷媒がエジェクタ13に確実に吸引される結果、冷媒が冷媒循環回路(蒸発器16)を循環する。従って、圧縮機11の運転効率を低下させずに、商品収容庫5a(5b,5c)の内部雰囲気を良好に冷却することができる。
また、上記冷却装置10′によれば、圧力差ΔPaが上記閾値ΔPsを超える場合には、対象となる商品収容庫5a(5b,5c)の庫内温度と、蒸発温度との温度差が予め設定された温度設定範囲内となる態様でエジェクタ13の開度を調整、すなわち、温度差ΔTが温度設定範囲の下限値ΔT1を下回っている場合には、エジェクタ13の開度を小さくし、温度差ΔTが温度設定範囲の上限値ΔT2を上回っている場合には、エジェクタ13の開度を大きくし、温度差ΔTが温度設定範囲内にある場合には、エジェクタ13の開度を現状維持にするので、冷媒の蒸発温度をほぼ一定にすることができる。これにより、蒸発器16a(16b,16c)での冷媒と、商品収容庫5a(5b,5c)の内部雰囲気との温度差を最適にでき、熱交換量が不足することもなく、また過度に内部雰囲気を冷却することもないので、運転効率の向上を図ることができる。
以上のように、本発明は、例えば自動販売機の商品収容庫のような断熱筐体の内部雰囲気を冷却するのに有用である。
本発明の実施の形態1における冷却装置が適用された自動販売機を模式的に示した正面断面図である。 本発明の実施の形態1における冷却装置が適用された自動販売機を模式的に示した断面側面図である。 図1および図2に示した冷却装置を概念的に示した概念図である。 図3に示したエジェクタを示した断面図である。 本発明の実施の形態1における冷却装置の制御系を示したブロック図である。 図5に示した主制御部の処理内容を示したフローチャートである。 図5に示した圧力差判定処理部および温度差判定処理部の処理内容を示した図表である。 本発明の実施の形態2における冷却装置の制御系を示したブロック図である。 図8に示した主制御部の処理内容を示したフローチャートである。 図8に示した圧力差判定処理部および温度差判定処理部の処理内容を示した図表である。 本発明の実施の形態3における冷却装置を概念的に示した概念図である。 本発明の実施の形態3における冷却装置の制御系を示したブロック図である。 図12に示したメモリに格納された高圧冷媒圧力情報を示した図表である。 図12に示した主制御部の処理内容を示したフローチャートである。 図12に示した圧力差判定処理部および温度差判定処理部の処理内容を示した図表である。
符号の説明
10,10′ 冷却装置
11 圧縮機
12 ガスクーラ
13 エジェクタ
14 気液分離器
15 電子膨張弁
16 蒸発器
18a 第1圧力センサ
18b 第2圧力センサ
19a 第1蒸発温度センサ
19b 第2蒸発温度センサ
19c 第3蒸発温度センサ

Claims (8)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    前記圧縮機から供給された冷媒を放熱させる放熱器と、
    筐体内に配設され、供給された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
    前記放熱器から供給された高圧冷媒を減圧させることによって前記蒸発器より吐出された低圧冷媒を吸引し、該低圧冷媒を前記高圧冷媒と混合させて吐出するエジェクタと、
    前記エジェクタから供給された混合冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離し、気相冷媒を前記圧縮機に帰還させる一方、液相冷媒を前記蒸発器に供給する気液分離手段と
    を有した冷媒循環回路を備え、該冷媒循環回路で冷媒を循環させることにより前記筐体の内部雰囲気を冷却する冷却装置において、
    前記高圧冷媒の圧力と前記低圧冷媒の圧力との圧力差が予め決められた閾値以下の場合には、前記エジェクタの開度を小さくして前記低圧冷媒の圧力を低下させる開度調整手段を備えたことを特徴とする冷却装置。
  2. 前記高圧冷媒の圧力を検出する第1圧力検出手段と、
    前記低圧冷媒の圧力を検出する第2圧力検出手段と
    を備え、
    前記開度調整手段は、前記第1圧力検出手段により検出された前記高圧冷媒の圧力と、前記第2圧力検出手段により検出された前記低圧冷媒の圧力との圧力差が前記閾値以下の場合には、前記エジェクタの開度を小さくして前記低圧冷媒の圧力を低下させることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  3. 前記開度調整手段は、
    前記蒸発器に供給される液相冷媒の温度と、予め設定され、かつ該温度に関連付けられた低圧冷媒圧力情報とから、前記低圧冷媒の圧力を算出する第1圧力算出手段と、
    前記蒸発器に供給される液相冷媒の温度、前記圧縮機の運転状況、外気温度および前記筐体の数と、予め設定され、かつこれらに関連付けられた高圧冷媒圧力情報とから、前記高圧冷媒の圧力を算出する第2圧力算出手段と
    を有してなり、
    前記第2圧力算出手段により算出された前記高圧冷媒の圧力と、前記第1圧力算出手段により算出された前記低圧冷媒の圧力との圧力差が前記閾値以下の場合には、前記エジェクタの開度を小さくして前記低圧冷媒の圧力を低下させることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
  4. 前記開度調整手段は、前記圧力差が前記閾値を超える場合には、前記蒸発器に供給される液相冷媒の温度が予め設定された蒸発温度設定範囲内となる態様で前記エジェクタの開度を調整することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の冷却装置。
  5. 前記開度調整手段は、前記蒸発器に供給される液相冷媒の温度が予め設定された蒸発温度設定範囲の上限値を超える場合には、前記エジェクタの開度を小さくする一方、前記蒸発器に供給される液相冷媒の温度が前記蒸発温度設定範囲の下限値を下回る場合には、前記エジェクタの開度を大きくすることを特徴とする請求項4に記載の冷却装置。
  6. 前記開度調整手段は、前記圧力差が前記閾値を超える場合には、前記冷却部位の温度と、前記蒸発器に供給される液相冷媒の温度との温度差が予め設定された温度設定範囲内となる態様で前記エジェクタの開度を調整することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の冷却装置。
  7. 前記開度調整手段は、前記温度差が予め設定された温度設定範囲の下限値を下回る場合には、前記エジェクタの開度を小さくする一方、前記温度差が前記温度設定範囲の上限値を超える場合には、前記エジェクタの開度を大きくすることを特徴とする請求項6に記載の冷却装置。
  8. 前記冷媒が二酸化炭素であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の冷却装置。
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