JP2007255085A - 軽量気泡コンクリートパネル及びその取付構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 軽量気泡コンクリートパネルの内部に該軽量気泡コンクリートパネル下端の小口面にほぼ直交するようにパイプ材が埋設されてなり、該パイプ材の一端が前記軽量気泡コンクリートパネル下端の小口面に開口している軽量気泡コンクリートパネルを使用して、前記パイプ材の中空部に、棒部と平板部からなる取付金物の棒部を挿入して、平板部は建物躯体に溶接固定する軽量気泡コンクリートパネルの取付構造でとする。
【選択図】 図8
Description
特に、軽量気泡コンクリートパネルのベランダ壁の取り付けに適し、詳しくは軽量気泡コンクリートパネルを十分な取付強度を持って取り付けることができ、且つ少ない部材で容易に取り付けることが出来るベランダ壁としての軽量気泡コンクリートパネルの取付構造に関する。
図10に示すように、ALCパネルPは長さ方向の下側と、下側よりの中間部であって幅方向の略中心部でそれぞれ1箇所づつ取付部材16,17に取り付けられている。また、ALCパネルPの取付部にはあらかじめ雌ネジ材18が付属したアンカー部材19が埋設されており、そのアンカー部材19と挿通部20が設けられた取付金物21及び雄ネジ材22を用いて、ALCパネルPを取付部材16,17に固定している。ALCパネルPは、梁24に補強鋼材23で固定された下側取付部材17に載置され、自重が支持されている(例えば、特許文献1参照。)。
a)ALCパネルに埋設されたアンカー部材19に付属する雌ネジ材18を建築現場でドリル等で掘り返す際、ドリルで雌ネジ材18の先端を傷つけてしまい、雌ネジ材18に雄ネジ材22を螺合しにくくなるケースがある。
b)ALCパネルを製造する際、雌ネジ材18の先端をあらかじめ紙やテープで被覆しているアンカー部材19を使用しているが、製造工程で原料スラリーを流し、発泡させる過程で蓋が破損し、雌ネジ材18の内部にスラリーが充填されてしまい、建築現場で雄ネジ材22を螺合できず取り付けが不可能になるケースがある。
c)ALCパネルを立上がり壁に用いるケースでは、取付金物の締結作業および溶接作業は室内側から行うことになる。よって、室内側のスラブに脚立を立てて作業することになるため、パネル1〜2枚おきに脚立を移動する手間があり、且つ安全面においても気を配る必要があった。
また、図13に示すように、躯体である梁24のせい(b)が高くなると、雄ネジ材22が梁24の下側フランジ26に重なってしまい梁24とALCパネル裏面のわずかな隙間で取付金物21の締結作業や溶接作業をする必要があるため、作業が困難となる。
逆に各階の間の階高(H)が決まっている場合に、梁24の下側で作業するためには、作業空間を確保するために梁24の下側フランジ26からALCパネル下端Paまでの距離(a)をある程度大きく確保する必要がある。その場合には図14に示すように開口高さ(h)が低くなり、採光面積が大きい方が望ましい窓を設置する場合のベランダ壁においては、採光面積が十分に確保できない難点がある。
本発明の軽量気泡コンクリートパネルにおいては、前記パイプ材が前記軽量気泡コンクリートパネルの主筋またはクロス筋の少なくとも一方に、直接固定されていることが好ましい。また、前記パイプ材がプレート材又は鉄筋を介して前記軽量気泡コンクリートパネルの主筋またはクロス筋の少なくとも一方に、直接固定されていても良い。
本発明においては、軽量気泡コンクリートパネルが立上がり壁であることが好ましい。
また、従来技術では雌ネジ材が一体化されたアンカー部材、雄ネジ部材、取付金物と3種類の部材が必要であったが、取付金物を被取付部材や躯体に直接溶接で取り付けることが可能であるため、部品点数が少なくて済み、且つボルト締め作業が省ける分施工コストの削減もでき、トータルで大幅なコスト削減が期待できる。
先ず、本発明のALCパネルについて説明する。図1は本発明のALCパネルPの透視斜視図の一部である。本発明のALCパネルPは内部に主筋及びクロス筋からなる補強鉄筋を埋め込んだものであり、ALCパネル下側短辺小口面P−aのほぼ中央部には、下側短辺小口面P−aにほぼ直交するようにパイプ材1が埋設してある。パイプ材1の一端は前記下側短辺小口面P−aに開口させてある。
本発明において、パイプ材1は図1に示すように、ALCパネルの下側短辺小口面P−aにほぼ直交するように配置する。
パイプ材1は、ALCパネル内部の補強鉄筋と緊結せずに埋設しても良いが、パイプ材1の埋設位置をあらかじめ決めた位置に精度よく設置するためには、ALCパネル内部の主筋やクロス筋などの補強鉄筋に固定しておくことが望ましい。
また、取付金物11の棒部7と平板部8との形成方法には、図6に示すような方法を採用することができる。図6(a)に示す取付金物11−bは、断面円形の棒鋼からなる棒部7の片方の端部を押し潰して平板部8を形成し、途中に90度の曲げ加工を施して製作したものである。図6(b)に示す取付金物11−aは、断面円形の棒鋼からなる棒部7の片方の端部を鋼板からなる平板部8の表面に鉛直に立てて溶接固定したものである。図6(c)に示す取付金物11−cは、長方形断面の鋼片をL字型に折り曲げ、棒部7および同じ断面形状の平板部8を形成したものである。
図8は本発明の軽量気泡コンクリートパネルの取付構造の一例を示す断面図であって、例えばH型鋼等からなる建物躯体15にALCパネルPを取り付ける例を示している。
建物躯体15に補強ピース14を介して補強鋼板13を取り付け、この補強鋼板13の下端所定位置にALCパネルPの荷重を受けるための受けアングル12が溶接固定してある。取付金物11はその平板部8をALCパネル受けアングル12に固定する。その際、
図8の例では、平板部8は受けアングル12の下面12−aに押し当てて、取付金物11の周囲を溶接する方法を採用している。
ALCパネルPを所定位置に建て込んで、ALCパネルPの底面木口に開口するパイプ材1に取付金物11の棒部7を挿入し、嵌合させる。
このような取付構造をとることにより、ALCパネルは高さ方向の下部で、ALCパネル下側短辺小口を固定するため、パネル裏面のわずかな隙間での取付金物の締結作業や溶接作業は要求されず、容易に施工が可能である。また、取付金物を建物躯体に直接溶接で取り付けることが可能であるため、部品点数が少なくて済み、大幅なコスト削減が期待できる。
図8に示すような取付構造にした場合、受けアングル12の下側に見切り材などの仕上げを施さないと、取付金物11の平板部8が露出してしまう。このため図9の例では平板部8を受けアングル12の上面12−bに載置して平板部8に接する受けアングル12の刃12−cの部分を溶接する方法を採用した。この方法によれば、取付金物11の露出面積が小さく、見切り材などの仕上げを施さない場合においても見栄えが良く防水上も好ましい。
本発明の軽量気泡コンクリートパネルの取付構造は、ベランダ等の立上がり壁を構築する際に、十分な取付強度を容易に持たせる事が出来、しかも少ない部材を使用して見栄えも良く仕上げることが可能となる。
また、従来技術では雌ネジ材が一体化されたアンカー部材、雄ネジ部材、取付金物と3種類の部材が必要であったが、取付金物を被取付部材や躯体に直接溶接で取り付けることが可能であるため、部品点数が少なくて済み、且つボルト締結作業が省ける分施工コストの削減もでき、トータルで大幅なコスト削減が期待できる。
1−a 丸パイプ、
1−b 断面正方形の角パイプ、
1−c 断面長方形の角パイプ
2 主筋、
3 クロス筋、
4 溶接スポット、
5,6 プレート材、
7 棒部、
7−a 丸棒、
7−b 角棒
8 平板部、
9 ゴム材、
10 突起、
11 取付金物、
12 受けアングル、
12−a 下面、
12−b 上面、
12−c 刃、
13 補強鋼材、
14 補強ピース、
15 建物躯体、
16 上側取付部材、
17 下側取付部材、
18 雌ネジ材、
19 アンカー部材、
20 挿通部、
21 取付金物、
22 雄ネジ材、
23 補強鋼材、
24 梁、
25 補強ピース
26 下側フランジ
P 軽量気泡コンクリートパネル、
P−a 下側短辺小口面、
Claims (6)
- 軽量気泡コンクリートパネル下側小口面の内部に、該軽量気泡コンクリートパネル下端の小口面にほぼ直交するようにパイプ材が埋設されてなり、該パイプ材の一端が前記軽量気泡コンクリートパネル下端の小口面に開口していることを特徴とする軽量気泡コンクリートパネル。
- 前記パイプ材が、前記軽量気泡コンクリートパネルの主筋またはクロス筋の少なくとも一方に、直接固定されていることを特徴とする請求項1に記載の軽量気泡コンクリートパネル。
- 前記パイプ材が、プレート材又は鉄筋を介して前記軽量気泡コンクリートパネルの主筋またはクロス筋の少なくとも一方に、直接固定されていることを特徴とする請求項2に記載の軽量気泡コンクリートパネル。
- 前記パイプ材の断面形状が円形又は方形であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の軽量気泡コンクリートパネル。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の、パイプ材の一端が軽量気泡コンクリートパネル下端の小口面に開口している軽量気泡コンクリートパネルを建物躯体の所定位置に載置し、該軽量気泡コンクリートパネルのパイプ材の中空部には、棒部と平板部からなる取付金物の棒部が挿入され、かつ取付金物の平板部は建物躯体あるいは建物躯体に取付けられた下地鋼材に溶接固定されてなることを特徴とする軽量気泡コンクリートパネルの取付構造。
- 前記軽量気泡コンクリートパネルが立上がり壁であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の軽量気泡コンクリートパネルまたは請求項5に記載の軽量気泡コンクリートパネルの取付構造。
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