JP2007254934A - 中性金属合紙および合紙による金属面保護方法 - Google Patents

中性金属合紙および合紙による金属面保護方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結露による合紙の破れや金属への貼り付きを防止し、合紙抜き取り作業を円滑にする。
【解決手段】金属中間品または製品の金属面を保護するために用いられる中性金属合紙において、サイズ剤無添加の中性紙に、乾燥紙力増強剤が0.2〜2.0重量%、湿潤紙力増強剤が0.1〜2.0重量%の割合で含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐水性を有する中性金属合紙および合紙による金属面保護方法に関する。更に詳しくは、金属コイルの工程合紙や製品合紙に用いた場合、金属コイルの冷却時に発生する結露によって合紙が破れたり金属に貼り付いたりすることなく、合紙抜き取り作業を円滑に、且つ、金属コイルのロスを防止することができる耐水性を有する中性金属合紙に関する。
合紙は、金属の表面の保護するために金属面と金属面の間に介在させる紙である。例えば、金属を圧延した金属板の場合、金属の圧延工程で巻き取りをするときに金属面同士が接触して傷が付かないように、合紙を金属板と金属板の間にはさんでいる。この種の合紙は、最近では、金属板や金属板コイルのほか、リードフレームなどに代表される電子部品の金属面や金属メッキ面を保護するために利用されている。
一般的に合紙の品質としては、金属を変色・腐食させたりすることがないことが要求される。そのため、特に金属の変色・腐食を防ぐことを考慮して、抄紙薬品の使用を極力少なくし、抄紙薬品添加後の原料pHを中性域にして中性紙として抄造する(特許文献1)。こうして抄造した合紙はその後の検査で紙質や塩素イオン濃度(ppm)、硫酸イオン濃度(ppm)を測定して金属に対して影響のない範囲であることを確認している。
また、合紙の品質として、金属表面に打痕を与えたり付着したりするようなチリ、突起物、付着性物質が含まれないことも要求される。従来、合紙の用途に用いられる無塵紙では、金属薄板との摩擦により表面が毛羽だったり、パルプ繊維がちぎれ塵埃となって分離し、金属薄板の表面に付着して傷つけるのを防止するため、紙の両面にある種の樹脂を紙に塗工することが提案されている(特許文献2)。
特開2005−154979号公報 特開2000−303383号公報
従来の合紙は、主として、圧延された金属薄板の金属表面保護を目的としているため、水に濡れることをまったく想定しておらず、このため、水に対しての抵抗が非常に弱いという欠点がある。具体的には圧延工程を経た合紙挿入済みの金属コイルは熱を帯びているものもあり、このような金属コイルは次の圧延工程へ供されるまでの保管時、あるいは製品として出荷されるまでの保管時の自然冷却によって結露が発生することがある。このとき合紙は結露水を吸収し、耐水性のない合紙は繊維間の結合が緩められ、結果として紙力、特に引張強度等が著しく低下し、次工程での合紙抜き取り作業において破れたり、金属表面から剥がせず、合紙抜き取り作業が円滑に行えなかったり、合紙が貼り付いた金属部分がロスになるという問題が生じる。
この結露対策に関しては、鉄鋼メーカーにおいて圧延後の製品や中間品を除湿設備のある倉庫内などで保管・冷却すれば金属コイルの結露を防止できる。しかし、その倉庫への入出庫などのハンドリングが複雑になることや、除湿設備の稼動費用、改めて設備する場合は新たにその費用がかかるが、このような保管環境の面からの改善は莫大な費用と労力を必要とすることが予測される。そのため、結露によって破れたり、金属に貼り付かない合紙を安定して抄造する方法が要望されている。
また、金属の合紙という用途では、金属板への異物付着は金属板の価値を著しく落とすものであり、特許文献2のような合紙への樹脂等の塗工は樹脂等の脱落や付着の危険性を増す。また、金属合紙のうち製品合紙として使用されるものについては、その平滑性の高さから片面艶仕上げの合紙が好んで使用されるが、樹脂等の塗工はこの艶を損なってしまう。
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、金属コイルの合紙として用いた場合、金属コイルの冷却によって発生する結露による合紙の破れや金属への貼り付きを防止し、合紙抜き取り作業を円滑に、且つ、金属コイルのロスの発生を防止することができる耐水性を有する中性金属合紙を提供することにある。
前記の目的を達成するために、本発明は、金属中間品または製品の金属面を保護するために用いられる中性金属合紙において、サイズ剤無添加の中性紙に、乾燥紙力増強剤が0.2〜2.0重量%、湿潤紙力増強剤が0.1〜2.0重量%の割合で含有されたことを特徴とするものである。
また、本発明は、圧延金属板の金属コイル表面を保護する合紙として、乾燥紙力増強剤が0.2〜2.0重量%、湿潤紙力増強剤が0.1〜2.0重量%の割合で含有されたサイズ剤無添加の中性紙を用いることを特徴とするものである。 従来の中性金属合紙では、紙力強化のために乾燥紙力増強剤が添加されているのが普通である。これは、本来の製紙工程で生成されるパルプ繊維同士の水素結合をより促進して、紙力を強化するためである。従来の中性金属合紙は、金属面と直接接触する点に注目して、金属の変色、腐食等を防止する性質を付加することに重点がおかれてきた。そして、圧延コイルで用いられる合紙の場合、圧延された金属板をコイルに巻くときには、圧延工程で使われる油を吸い込むことは想定されているが、合紙が水に濡れることはまったく想定されていない。圧延コイルから合紙を抜き出す作業の場合、コイルに結露が生じ、それが合紙にしみこんで破れたり、張り付いたりする問題を解決できない。
これに対して、本発明者は、合紙に従来から添加されていた乾燥紙力増強とともに湿潤紙増強剤を所定の割合で配合して抄紙することにより、松脂等を主原料として水を滲み込み難くするサイズ剤が無添加でありながら耐水性を付加することができるのを見いだした。
本発明の合紙に添加される乾燥紙力増強剤とは、天然物、あるいは石油系原料を合成した高分子化合物である。紙は本来、製造工程中で搾水、脱水、乾燥を重ねていく中で発生するパルプ繊維同士の水素結合で紙層が形成されるが、用途によっては更なる乾燥紙力強度の向上を求められる場合があり、その際に乾燥紙力増強剤を添加して紙力の向上を図る。
水溶性である乾燥紙力増強剤はアニオン性、カチオン性、両方を併せ持つ両性の3種類があり、アニオン性は硫酸バンド等の定着剤とともに、カチオン性、両性は自己定着によってアニオン性であるパルプ繊維に水素結合によって定着する。これにより、前述のパルプ繊維同士の水素結合に、乾燥紙力増強剤による水素結合が加わることで水素結合数が増し、乾燥紙力増強に至ると考えられている。中性金属合紙の製造に関しては、乾燥紙力増強剤の定着剤である硫酸バンドの添加に限界があるため、カチオン性あるいは両性の乾燥紙力増強剤の使用が望ましいといえる。
中性金属合紙中の乾燥紙力増強剤の添加量は0.2重量%未満では十分な紙力が得られない。
また、乾燥紙力増強剤を2.0重量%を超えて添加しても効果は飽和状態となり、それ以上の効果は得られず、抄紙系内や抄紙用具の汚れの要因となる。よって乾燥紙力増強剤は0.2〜2.0重量%含有することが望ましいが、さらに好ましくは0.4〜1.0重量%含有されるものである。
本発明において、好適な乾燥紙力増強剤としては、デンプン、CMC(カルボキシルメチルセルロース)、PVA(ポリビニルアルコール)、ポリアクリルアマイド、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミン樹脂、ポリエチレンイミン等公知のものが使用できる。これら乾燥紙力剤を上記添加量で添加することによって紙の引張強度や表面強度が向上するのみならず紙粉発生の抑制の効果も期待できる。
本発明の中性金属合紙に添加される湿潤紙力増強剤とは、石油系原料を合成した高分子化合物が一般的である。紙は水素結合を主体として形成されているが、これは水分が付与されることで結合が崩れる。紙が水を吸収して破れやすくなるのはこのためであるが、用途によっては水を吸収しても破れにくい、つまり耐水性を求められる場合があり、その際に湿潤紙力増強剤を添加して紙力の向上を図る。定着機構については乾燥紙力剤とほぼ同様といえる。熱硬化性である湿潤紙力増強剤を原料へ添加し、抄紙機ドライヤーで乾燥すると湿潤紙力増強剤は熱硬化する。一度熱硬化した湿潤紙力増強剤はその後水に溶けなくなり、よって湿潤時の紙力強度の向上に至るものである。湿潤紙力増強剤もアニオン性、カチオン性、両方を併せ持つ両性の3種類があるが、乾燥紙力増強剤と同様の理由から、カチオン性あるいは両性の湿潤紙力増強剤の使用が望ましいといえる。
中性金属合紙中の湿潤紙力増強剤の添加量は0.1重量%未満では十分な耐水性が得られず、水に濡れた場合簡単に破れてしまう。また、2.0重量%を超えて添加しても効果は飽和状態となり、それ以上の効果が得られないばかりかピッチトラブルやプレス汚れが発生し、操業トラブルを招く要因になるので0.1〜2.0重量%含有することが望ましい。さらに好ましくは0.3〜1.0重量%含有されるものである。
本発明において、湿潤紙力増強剤としてはポリアミド樹脂、ポリアミド−エピクロルヒドリン樹脂、ポリアミド−ポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂、ポリエチレンイミン樹脂、アルデヒドデンプン、ケトンアルデヒド樹脂等が挙げられ、必要に応じて2種類以上を併用することも可能である。中でも、ポリアミドーエピクロルヒドリン樹脂やポリアミド−ポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂が特に好ましく用いられる。これら湿潤紙力剤を上記添加量で添加することによって湿潤時の紙の引張強度が向上し、さらに紙が吸湿した際にありがちな紙表面からの繊維の剥離防止効果も期待できる。
一方、尿素―ホルムアルデヒド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド−ポリ尿素―ホルムアルデヒド樹脂の湿潤紙力増強剤は少量ながらもホルマリンを含有しており、環境衛生上の問題が懸念されることから、使用することは好ましくない。
本発明の中性金属合紙中に含まれる塩素の含有割合が塩素イオン濃度換算で100ppm以下、硫酸アルミニウムが硫酸イオン濃度換算で150ppm以下であることが好ましい。この塩素イオン濃度が100ppm、硫酸イオン濃度が150ppmを超えると、合紙を金属コイルの工程合紙又は製品合紙として用いた際に、金属の、特に銅や銀の場合はより顕著な形で腐蝕或いは変質させることがある。
尚、本発明において中性紙とは、紙面のpHが、6〜8の範囲であるものをいう。
本発明の中性金属合紙は片面が艶仕上げである。このことは金属の中でも軟材に属する金属コイルの合紙として使用した場合、金属板の大きな価値を示す鏡面を損ねることがなく、ひいては金属板の価値向上に繋がるものである。
本発明によれば、本発明の耐水性を有する中性金属合紙を金属コイルの工程合紙や製品合紙に用いた場合、金属コイルの冷却時に発生する結露によって合紙が破れたり金属に貼り付いたりすることなく合紙抜き取り作業を円滑に、且つ、金属コイルのロスの発生を防止することができる。また、片面艶仕上げであることから金属面の鏡面を損なうことなく合紙として使用することができる。
以下、本発明による中性金属合紙の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
本発明の中性金属合紙を製造する工程は、原料パルプを調整する工程と、抄紙工程と、乾燥、艶出しを同時に行う乾燥工程とからなる。
まず、原料パルプの調整工程では、原料パルプの濾水度を所定 の範囲になるよう原料パルプを叩解する。原料パルプとしては、主に模造古紙、新聞古紙、雑誌古紙などの古紙を脱墨処理した脱墨パルプや、クラフトパルプ等の木材パルプを用いることができる。なお、一般的に金属合紙の品質としては、金属表面に打痕を与えたり付着したりするようなチリ、突起物、付着性物質が含まれないことや、金属を変色・腐食させたりすることがないことが要求される。よって上記原料パルプにおいてもチリ、突起物、付着性異物が含まれていないものや、金属を変色・腐食させたりしないパルプの使用が好ましい。
原料パルプの水スラリーには、乾燥紙力増強剤と湿潤資力増強剤を所定の割合で添加する。乾燥紙力増強剤と湿潤紙力増強剤の配合割合は、上述した通りであるので省略する。また、硫酸バンドを添加し、抄紙後の製品合紙の紙面pHが6〜8の範囲になるようする。
抄紙工程では、上記のように調整した原料パルプの水スラリーを、例えばプラスチックワイヤーとエンドレスフェルトとを備えた抄紙機にて抄紙して湿紙を得る。
続く乾燥工程では、表面が鏡面に仕上げられた加熱シリンダーに湿紙を密着させ、艶仕上げとともに乾燥させて乾燥合紙を得る。
更に乾燥工程では、密着する金属ロール間を通し、乾燥合紙の平滑性、厚さの均一化を図るカレンダー加工を施す。得られた中性金属合紙は、巻き取りリールにてロール状に巻き取られる。
次に、以上のように製造した中性金属合紙は、圧延工程を経た金属板をコイル状に巻き取るときに、次のようにして金属板といっしょに巻き取りながら金属面に装着し、圧延コイルの合紙として利用する。
図1において、参照番号10は、帯状に圧延された金属板を示す。圧延工程を経た金属板は、コイルの巻芯11を用いてコイル状に巻き取られる。図1において、参照番号12は、上述した中性金属合紙のロールを示している。図1に示すように、金属板10を巻き取るのと同時に、中性金属合紙12も巻き取られていき、金属板の金属面同士の間に合紙がはさみこまれていく。中性金属合紙12の片面は艶仕上げ面12aになっており、この艶仕上げ面12aが、金属板10の鏡面10aに密着するようになっている。したがって、艶仕上げ面12aにより金属板10において重要な価値をもつ鏡面10aが艶仕上げ面12aにより傷や異物の付着から保護される。
このような圧延金属コイルは、巻き取り後、外気との熱交換で冷やされて、空気中の水蒸気が結露して中性金属合紙12にしみ込むことがある。結露した水は、従来の合紙であれば、合紙を金属面に貼り付かせるとともに、紙強度を低下させはがすときに破れる原因となる。これに対して、本実施形態の中性金属合紙10では、上述したように、十分な耐水性が付加されているため、結露が生じたとしても金属面に貼り付いたまま破れることなく合紙抜き取り作業を円滑に行うことができる。
なお、以上は本発明を圧延金属コイルの合紙に適用した実施形態であるが、本発明の中性金属合紙は、金属面や金属メッキ面を有する金属基材にも適用することが可能である。この金属面や金属メッキ面を有する基材としては、例えば、電子部品用基材のリードフレームを挙げることができる。
次に、実施例をあげて本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
実施例1では、原料パルプとして、NBKPとLBKPを用い、濾水度が200ml(CSF)となるよう叩解し、原料パルプの水スラリー(パルプ濃度3重量%)を調成した。この水スラリー中に、乾燥紙力増強剤としてポリアクリルアマイドを1.0重量%、湿潤紙力増強剤としてポリアミドーエピクロルヒドリン樹脂を0.3重量%添加し、抄紙後の紙面pHが7.0になるように硫酸アルミニウムを添加してヤンキー抄紙機にて抄紙して片面艶仕上げの中性金属合紙を製造した。
[実施例2]
実施例2では、濾水度を300ml(CSF)、乾燥紙力増強剤としてポリアクリルアマイドを2.0重量%、湿潤紙力増強剤としてポリアミドーエピクロルヒドリン樹脂を0.5重量%添加、合紙中の塩素含有割合を塩素イオン濃度換算で100ppm以下、硫酸アルミニウム含有割合を硫酸イオン濃度換算で150ppm以下とした以外は実施例1に同様で中性金属合紙を製造した。
[実施例3]
実施例3では、片面を艶仕上げとした以外は実施例1に同様で中性金属合紙を製造した。
次に、以上のような実施例1乃至3に対する比較例を製造した。
[比較例1]
乾燥紙力増強剤としてポリアクリルアマイドを1.0重量%、湿潤紙力増強剤を無添加とした以外は実施例1に同様で中性金属合紙を製造した。
[比較例2]
濾水度を300ml(CSF)、乾燥紙力増強剤としてポリアクリルアマイドを2.0重量%、湿潤紙力増強剤としてポリアミドーエピクロルヒドリン樹脂を4.0重量%添加、合紙中の塩素含有割合を塩素イオン濃度換算で100ppm以上、硫酸アルミニウム含有割合を硫酸イオン濃度換算で150ppm以下とした以外は実施例1に同様で中性金属合紙を製造した。
[比較例3]
両面を更仕上げとした以外は実施例1に同様で中性金属合紙を製造した。
以上のような実施例1乃至3、比較例1乃至3について、硫酸イオン濃度、塩素イオン濃度、金属表面の変質、耐水性を試験して評価した。
Figure 2007254934
実施例における各評価は、以下の方法で測定、評価した。
[硫酸イオン濃度]
合紙中の硫酸イオン濃度を以下の試験方法により測定した。
(1)試験用試料5gを秤量し、10mm角以下に小さく切る。
(2)この試料を500ml冷却管付三角フラスコに入れた後、イオン交換樹脂により精製した純水 250mlを加える。
(3)95〜100℃のウォーターバスに冷却管付三角フラスコを入れ、60分間熱水抽出を行う。その後冷水にて23℃±5℃に冷却する。
(4)三角フラスコ内の試料液をろ紙でろ過し、ろ液100ml程度を分析用サンプルとする。
(5)イオンクロマトアナライザを使用して分析する。
(6)分析によって得られた硫酸イオンの液濃度から対紙濃度を算出する。
硫酸イオン対紙濃度(ppm)=A×(250/1000)×(1000/5)
A:硫酸イオンの液濃度(ppm)
[塩素イオン濃度]
合紙中の塩素イオン濃度を以下の試験方法により測定した。
(1)分析用サンプルを得るまでの作業は、[硫酸イオン濃度]の測定方法(1)〜(4)までに同様。
(2)イオンクロマトアナライザを使用して分析する。
(3)分析によって得られた塩素イオンの液濃度から対紙濃度を算出する。
塩素イオン対紙濃度(ppm)=B×(250/1000)×(1000/5)
B:塩素イオンの液濃度(ppm)
[金属表面の変質]
合紙と銅板とを交互に10枚重ね合わせプレス(圧力100g/m、温度100℃、時間24Hr)する。その後プレスから取り出し、合紙とステンレス板とを剥がし、その状態を評価した。
○:銅板に変色が認められない。
△:銅板に変色がややあり。
×:銅板に変色が顕著に認められる。
[耐水性の評価]
合紙に水を6g/mスプレーし、この合紙とステンレス板とを交互に10枚重ね合わせてプレス(圧力100g/m、温度23℃、時間24Hr)する。その後プレスから取り出し、合紙とステンレス板とを剥がし、その状態を評価した。
○:ステンレス板より合紙が剥がれ、ステンレス板の表面に付着物がない。
△:ステンレス板より合紙は剥がれるが、ステンレス板の表面に合紙由来の紙粉が付着物している。
×:紙が破れ、且つステンレス板に貼り付き、剥がすことができない。
表1の結果からも明らかなように、実施例1乃至3の中性金属合紙は、金属コイルの結露によっても破れたり貼り付いたりすることの無い十分な耐水性を有し、また、金属を変色、腐食せしめることのない優れたものであることが判明した。
これに対して、湿潤紙力増強剤の添加されていない比較例1では、紙が破れてしまい耐水性が低い。また、塩素イオン濃度が150ppmと高い比較例2では、金属表面に腐食による変色がみられた。また、実施例1と比較例3とでは、違いは前者が片面艶仕上げであるのに対して、後者は両面とも更仕上げである点のみで異なるが、耐水性の点では同じであるが、比較例3のように艶仕上げをしていないと、鏡面に仕上げられた金属の表面性が損なわれる。このことから、片面艶仕上げを施すことで、鏡面に仕上げられた金属表面を保護する効果があることがわかる。
本発明による中性金属合紙を圧延コイルの合紙として金属板といっしょに巻き取る工程の説明図。
符号の説明
10 金属板
10a 鏡面
11 巻芯
12 中性金属合紙
12a 艶仕上げ面

Claims (6)

  1. 金属中間品または製品の金属面を保護するために用いられる中性金属合紙において、サイズ剤無添加の中性紙に、乾燥紙力増強剤が0.2〜2.0重量%、湿潤紙力増強剤が0.1〜2.0重量%の割合で含有されたことを特徴とする中性金属合紙。
  2. 前記中性金属合紙中に含まれる塩素の含有割合が、塩素イオン濃度換算で100ppm以下であり、硫酸アルミニウムの含有割合が硫酸イオン濃度換算で150ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の中性金属合紙。
  3. 前記中性金属合紙の片面が艶仕上げであることを特徴とする請求項1または2に記載の中性金属合紙。
  4. 圧延金属板の金属表面を保護する合紙として、乾燥紙力増強剤が0.2〜2.0重量%、湿潤紙力増強剤が0.1〜2.0重量%の割合で含有されたサイズ剤無添加の中性紙を用いることを特徴とする合紙による金属面保護方法。
  5. 前記合紙として用いる中性紙は、圧延工程を経た金属板をコイル状に巻き取るときに、金属板といっしょに巻き取りながら金属表面に装着することを特徴とする請求項4に記載の合紙による金属面保護方法。
  6. 前記中性紙の片面には艶仕上げが施されていることを特徴とする請求項5に記載の合紙による金属面保護方法。
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JP2017075422A (ja) * 2015-10-15 2017-04-20 日本製紙株式会社 金属合紙およびその製造方法

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