JP2007254185A - レーザスクライブ方法、表示装置の製造方法、基板、表示装置、電子機器 - Google Patents

レーザスクライブ方法、表示装置の製造方法、基板、表示装置、電子機器 Download PDF

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JP2007254185A JP2006078252A JP2006078252A JP2007254185A JP 2007254185 A JP2007254185 A JP 2007254185A JP 2006078252 A JP2006078252 A JP 2006078252A JP 2006078252 A JP2006078252 A JP 2006078252A JP 2007254185 A JP2007254185 A JP 2007254185A
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Abstract

【課題】1回のレーザ照射に必要なレーザ光強度を低く抑えたスクライブが可能となるレ
ーザスクライブ方法、表示装置の製造方法、基板、表示装置、電子機器を提供する。
【解決手段】基板34の片面に膜35を形成する。レーザ光36を膜35の近傍に集光し
て、改質部37を形成する。改質部37は中心にクラック部38が形成され、その周囲に
光吸収部39が形成される。集光レンズ8と基板34とを相対移動して1層目の改質部3
7を形成する。1層目の改質部37の光吸収部39にレーザ光36を集光して2層目の改
質部37を形成する。順次繰り返し、改質部37の面を形成する。改質部37の面に沿っ
て、基板34の厚み方向に局所的な力を加えて基板34を分断する。
【選択図】図3

Description

本発明は、レーザスクライブ方法、表示装置の製造方法、基板、表示装置、電子機器に
関するものである。
光透過性のある基板を切断するためにレーザ光を基板に照射して基板内部に改質領域(
以下、改質部と称す。)を形成するレーザスクライブ方法が特許文献1に開示されている
。それによると、パルス幅が1μs以下のレーザ光を出射し、集光レンズで基板内部に集
光し、集光点におけるピークパワー密度が1×108(W/cm2)以上にする。これによ
り、加工対象物の内部に多光子吸収による改質部を形成するものである。
また、このレーザスクライブ方法において、加工対象物の内部に形成される改質部ある
いはこれを起点として形成される改質部の大きさは、集光レンズの特性と、レーザ光のピ
ークパワー密度に依存する。例えば、上記特許文献1に示されたガラス(厚さ700μm
)をYAGレーザを用いて切断する実施例では、集光レンズの開口数が0.55の場合、
ピークパワー密度がおよそ1×1011(W/cm2)では、改質部の大きさは、およそ1
00μmである。また、ピークパワー密度がおよそ5×1011(W/cm2)では、およ
そ250μmである。
特開2002−192370号公報
しかしながら、加工対象物の厚みが、改質部の大きさよりも相当に厚い場合は、改質部
を切断予定ラインを形成した後に、加工対象物を破断面が変形することなく割ることは困
難である。外部応力を加えたときに改質領域を起点としたクラックの成長方向がずれて切
断予定ラインに沿って割れず外形不良が生じるという課題がある。このような課題を改善
するには、加工対象物の厚みに対応して、改質領域が厚み方向に連続するように、繰り返
してレーザ光を照射する方法が考えられるが、レーザ光を照射する加工時間が長くなり生
産性が低下するという課題を有している。
レーザ光は、レーザ光の強度を高くするために、レーザ媒質にエネルギーを供給しパル
ス発光している。従来は、高いレーザ強度のレーザ光を照射しないと改質領域が形成でき
ない為、パルス発光の間隔を短くできず、加工速度を上げることができなかった。
本発明は、上記課題を考慮してなされたものであり、レーザ光の走査速度を速めるため
に、1回のレーザ照射に必要なレーザ光強度を低く抑えたスクライブが可能となるレーザ
スクライブ方法、表示装置の製造方法、基板、表示装置、電子機器を提供することを目的
とする。
上記課題を解決するために、本発明のレーザスクライブ方法では、基板の一面に膜を形
成する膜形成工程と、基板に対して透過性を有するレーザ光を、基板の膜が形成された面
と反対側の面から、膜の近傍に集光するように照射して、基板の切断予定面に沿って、基
板に改質部を形成する第1改質部形成工程と、を含むことを特徴とする。
これによれば、膜形成工程において、基板の一面には膜が形成される。次に、第1改質
部形成工程において、基板の膜が形成された面と逆側の面からレーザ光を膜の近傍に集光
するように照射する。レーザ光は基板を透過して膜を照射する。照射された膜は、レーザ
光のエネルギーを吸収して発熱する。発熱する膜の熱が基板に伝わり、基板が溶融もしく
は基板の組織構造が変化して、レーザ光を吸収し易くなる。レーザ光を吸収し易くなった
領域にレーザ光が集光され多光子吸収が生ずる。多光子吸収が生じた領域には、改質部が
形成される。従って、基板の一面に膜を形成しない場合に比べて、低いレーザ光強度で改
質部を形成することができる。
本発明のレーザスクライブ方法では、膜形成工程と第1改質部形成工程とが同時に実施
されることを特徴とする。
これによれば、膜形成工程と第1改質部形成工程とが同時に行なわれる。例えば、基板
に膜材料を塗布して膜を形成する塗布装置と、基板にレーザ光を照射して改質部を形成す
るスクライブ装置が一体化した複合装置を製造する。この複合装置により、膜形成工程と
第1改質部形成工程とを同時に行なうことができる。膜形成工程と第1改質部形成工程と
を別々に行なう場合に比べて、同時に行なった方が、製造に要する時間を短くすることが
できるので、生産性良く製造することができる。
本発明のレーザスクライブ方法では、膜形成工程では、基板と対向する位置に膜形成部
材を形成し、基板を透過して膜形成部材にレーザ光を照射して、膜形成部材を蒸発又は飛
散させて基板に膜を形成することを特徴とする。
これによれば、基板と対向する位置に膜形成部材が配置される。基板を通して膜形成部
材にレーザ光を照射する。レーザ光が照射された膜形成部材は蒸発又は飛散して基板に膜
を形成する。形成された膜の近傍に集光するようにレーザ光を照射することで、レーザ光
が集光する場所に改質部が形成され、改質部の一部にクラック部が形成される。レーザ光
は基板の膜が形成される端面の近傍に集光するように照射し、基板を透過したレーザ光が
膜形成材料に照射することで、膜の形成に用いたレーザ光を用いて改質部を形成すること
ができる。従って、基板と対向する位置に膜形成材料を配置して、レーザ光を照射するこ
とで、膜の形成と膜の近傍に改質部を形成することができる。その結果、レーザ光強度が
低いときにも改質部を形成することができる。
上記課題を解決するために、本発明のレーザスクライブ方法では、基板に対して透過性
を有するレーザ光を、基板の内部に集光して照射して、クラック部と光吸収部とを有する
改質部を、基板の切断予定面に沿って形成する第1改質部形成工程と、第1改質部形成工
程で形成された光吸収部にレーザ光を照射して、改質部の近傍に新たに改質部を、基板の
切断予定面に沿って形成し、基板の厚み方向に改質部を繰り返し形成し、改質部を複数形
成する第2改質部形成工程と、を含むことを特徴とする。
これによれば、第1改質部形成工程において、基板の内部にレーザを集光して照射して
改質部を形成する。改質部の中央には複数のクラックが含まれるクラック部が形成され、
クラック部の周囲には、レーザ光を吸収し易い光吸収部が基板の切断予定面に沿って形成
される。次に、第1改質部形成工程で形成された光吸収部に、第2改質部形成工程でレー
ザ光を集光して改質部を形成する。新たに形成された改質部の光吸収部にレーザ光が集光
する場所を移動して改質部を複数形成する。つまり、最初に改質部を形成し、次は、最初
の改質部の光吸収部にレーザ光を集光して新たに改質部を形成する。従って、改質部の光
吸収部にレーザ光を集光するときのレーザ光は、光吸収部がない基板に集光するときに比
べて低いレーザ光強度で改質部を形成できる。その結果、レーザ光強度が低いときにも改
質部を形成することができる。
本発明のレーザスクライブ方法では、第1改質部形成工程で形成された光吸収部にレー
ザ光を照射して、改質部の近傍に新たに改質部を、基板の切断予定面に沿って形成し、基
板の厚み方向に改質部を繰り返し形成し、改質部を複数形成する第2改質部形成工程と、
を含むことを特徴とする。
これによれば、第1改質部形成工程において、膜が形成された基板の膜の近傍にレーザ
光を集光して改質部を、切断予定面に沿って形成する。次に、第2改質部形成工程におい
て、第1改質部形成工程で形成した改質部の光吸収部に、レーザ光を集光して改質層を切
断予定面に沿って形成する。厚み方向に改質部を形成してスクライブする。従って、第1
改質部形成工程と第2改質部形成工程とにおいて、レーザ光強度が低いときにも改質部を
形成することができる。
本発明のレーザスクライブ方法では、基板は複数の基板が接着され積層されて形成され
ていることを特徴とする。
これによれば、基板は複数の基板が接着され、積層されて形成されていることから、レ
ーザ光が接着剤の層を通過する毎に、レーザ光が吸収されてレーザ光強度が低下する。上
述のスクライブ方法では、レーザ光強度が低いときにも改質部を形成することができる為
、接着剤の層を通過したレーザ光を用いて改質部を形成することができる。
上記課題を解決するために、本発明の表示装置の製造方法では、膜が形成された基板を
切断予定面に沿って切断する表示装置の製造方法であって、基板を切断予定面に対応する
領域に膜を形成する膜形成工程と、基板に対して透過性を有するレーザ光を、基板の膜が
形成された面と反対側の面から、膜の近傍に集光するように照射して、基板に改質部を切
断予定面に沿って形成する第1改質部形成工程と、第1改質部形成工程で形成された改質
部の一部である光吸収部にレーザ光を照射して、改質部の近傍に新たに改質部を切断予定
面に沿って形成し、基板の厚み方向に改質部を繰り返し形成する第2改質部形成工程と、
基板に外力を加えて、基板を改質部で分割する分割工程と、を含むことを特徴とする。
これによれば、表示装置は基板を備えている。膜形成工程において、基板の切断予定面
に対応する領域に膜を形成する。次に、第1改質部形成工程において、膜の近傍にレーザ
光を集光して改質部を形成する為、レーザ光強度が低いときにも改質部を形成することが
できる。次に、第2改質部形成工程において、光吸収部にレーザ光を照射して改質部を形
成する為、レーザ光強度が低いときにも改質部を形成することができる。次に、分割工程
で基板を分割することで、表示装置が分割される。従って、レーザ光強度が低いときにも
改質部を形成してスクライブすることができる。
本発明の表示装置の製造方法では、膜は、遮光膜であることを特徴とする。
これによれば、表示装置の基板に形成される膜は、遮光膜であることから、遮光膜を形
成するときに切断予定面に形成する膜を同時に形成することができる。従って、切断予定
面に形成する膜を、遮光膜を形成する工程とは別の工程で形成する場合と比べて、少ない
工程で形成することができる。その結果、生産性良く表示装置を製造することができる。
本発明の表示装置の製造方法では、膜は、電極膜であることを特徴とする。
これによれば、表示装置の基板に形成される膜は、電極膜であることから、電極膜を形
成するときに切断予定面に形成する膜を同時に形成することができる。従って、切断予定
面に形成する膜を、電極膜を形成する工程とは別の工程で形成する場合と比べて、少ない
工程で形成することができる。その結果、生産性良く表示装置を製造することができる。
上記課題を解決するために、本発明の基板は、上述のレーザスクライブ方法を用いてス
クライブし、分断して製造されたことを特徴とする。
これによれば、基板は上述のレーザスクライブ方法を用いて製造されたことから、レー
ザ光強度が低いときにも改質部を形成してスクライブされ、分断された基板とすることが
できる。
上記課題を解決するために、本発明の表示装置は、上述のレーザスクライブ方法又は、
上述の表示装置の製造方法を、用いて製造されたことを特徴とする。
これによれば、表示装置は基板を備え、基板を上述のスクライブ方法を用いて製造する
ときは、レーザ光強度が低いときにも基板に改質部を形成してスクライブできる。従って
、表示装置は、レーザ光強度が低いときにも基板に改質部を形成してスクライブできる基
板を備えた表示装置とすることができる。
表示装置が、上述の表示装置の製造方法を用いて製造するときにも、レーザ光強度が低
いときにも改質部を形成してスクライブできる。従って、表示装置は、レーザ光強度が低
いときにも改質部を形成してスクライブできる基板を備えた表示装置とすることができる
上記課題を解決するために、本発明の電子機器は、上述の表示装置を備えたことを特徴
とする。
これによれば、電子機器は表示装置を備え、当該表示装置は、レーザ光強度が低いとき
にも改質部を形成してスクライブできる基板を備えている。従って、この電子機器は、レ
ーザ光強度が低いときにも改質部を形成してスクライブできる基板を備えた表示装置を備
えた電子機器とすることができる。
以下、本発明を具体化した実施例について図面に従って説明する。
尚、各図面における各部材は、各図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各部材
毎に縮尺を異ならせて図示している。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るレーザスクライブ方法について図1〜図4に従って説明
する。
最初にレーザ照射装置について説明する。図1は、レーザ照射装置の構成を示す概略図
である。
図1に示すように、レーザ照射装置1は、レーザ光を出射するレーザ光源2と、出射さ
れたレーザ光をワークに照射する光学経路部3と、光学経路部3に対してワークを相対的
に移動させるテーブル部4と、動作を制御する制御装置5を主として構成されている。
レーザ光源2は、出射するレーザ光を加工対象物の内部に集光して多光子吸収による改
質部を形成できる光源であれば良い。例えば、レーザ光源2は、本実施形態において、L
D励起Nd:YAG(Nd:Y3Al5O12)のレーザ媒質からなり、第3高調波(波長:
355nm)のQスイッチパルス発振のレーザ光を出射する発光条件を採用した。パルス
幅はおよそ14ns(ナノ秒)、パルス周期は10kHz、出力はおよそ60μJ/パル
スのレーザ光を出射する発光条件を採用した。
光学経路部3はダイクロイックミラー6を備えている。ダイクロイックミラー6は、レ
ーザ光源2から照射されるレーザ光の光軸7上に配置されている。ダイクロイックミラー
6はレーザ光源2から照射されるレーザ光を反射して、光軸7の進行方向を変更する。ダ
イクロイックミラー6に反射したレーザ光が通過する光軸7上に集光レンズ8が配置され
ている。テーブル部4にはワーク9が配置され、集光レンズ8を通過したレーザ光がワー
ク9に照射されるようになっている。
集光レンズ8はレンズ支持部10により、レンズ移動機構11に支持されている。レン
ズ移動機構11は、図示しない直動機構を有し、集光レンズ8を光軸7方向に移動させて
、集光レンズ8を通過したレーザ光が集光する位置を移動可能としている。
直動機構は、例えばZ方向に延びるネジ軸(駆動軸)と、同ネジ軸と螺合するボールナ
ットを供えたネジ式直動機構であって、その駆動軸が所定のパルス信号を受けて所定のス
テップ単位で正逆転する図示しないZ軸モータに連結されている。そして、所定のステッ
プ数に相当する駆動信号がZ軸モータに入力されると、Z軸モータが正転又は反転して、
レンズ移動機構11が同ステップ数に相当する分だけ、光軸7方向に沿って往動又は復動
するようになっている。
集光レンズ8とダイクロイックミラー6とを通過する光軸7の延長線上にあって、ダイ
クロイックミラー6に対して集光レンズ8と反対側には、撮像装置12を備えている。撮
像装置12は、例えば、図示しない同軸落射型光源とCCD(Charge Coupled Device)
が組み込まれたものである。同軸落射型光源から出射した可視光は、集光レンズ8を透過
してワーク9を照射する。撮像装置12は、集光レンズ8とダイクロイックミラー6とを
通してワーク9を撮像することが可能となっている。
テーブル部4は、基台15を備えている。基台15の光学経路部3側には、レール16
が凸設して配置されており、レール16上にはX軸スライド17が配置されている。X軸
スライド17は、図示しない直動機構を備え、レール16上のX方向に移動可能となって
いる。直動機構は、レンズ移動機構11が備える直動機構と同様な機構であり、所定のス
テップ数に相当する駆動信号に対応してX軸スライド17が同ステップ数に相当する分だ
け、X方向に沿って往動又は復動するようになっている。
X軸スライド17の光学経路部3側にはレール18が凸設して配置されており、レール
18上にはY軸スライド19が配置されている。Y軸スライド19は、X軸スライド17
と同様な直動機構を備え、レール18上をY方向に移動可能となっている。
Y軸スライド19の光学経路部3側には、ステージ20が配置され、ステージ20の上
面には図示しない吸引式のチャック機構が設けられている。そして、ワーク9を載置する
と、チャック機構によって、ワーク9がステージ20の上面の所定の位置に位置決めされ
固定されるようになっている。
制御装置5は、メインコンピュータ24を備えている。メインコンピュータ24は内部
に図示しないCPU(Central Processing Unit)やメモリーを備えている。CPUはメ
モリー内に記憶されたプログラムソフトに従って、レーザ照射装置1の動作を制御するも
のである。
メインコンピュータ24は、図示しない入出力インターフェースを備え、入力装置25
、表示装置26、レーザ制御装置27、レンズ制御装置28、画像処理装置29、ステー
ジ制御装置30と接続されている。
入力装置25は、レーザ加工の際に用いられる各種加工条件のデータを入力する装置で
あり、表示装置26はレーザ加工時の各種情報を表示する装置である。CPUは、入力さ
れる各種加工条件とプログラムソフトとに従って、レーザ加工を行い、加工状況を表示装
置26に表示する。操作者が表示装置26に表示される各種情報を見て、レーザ加工状況
を確認して操作するようになっている。
レーザ制御装置27は、レーザ光源2を駆動するパルス信号のパルス幅、パルス周期、
出力の開始と停止、等を制御する装置であり、メインコンピュータ24の制御信号により
制御される。
レンズ制御装置28は、レンズ移動機構11の移動、停止を制御する装置である。レン
ズ移動機構11には、移動距離を検出可能な図示しない位置センサが内蔵されており、レ
ンズ制御装置28は、この位置センサの出力を検出することにより、集光レンズ8の光軸
7方向の位置を認識する。レンズ制御装置28は、レンズ移動機構11にパルス信号を送
信し、レンズ移動機構11を所望の位置に移動することができるようになっている。
画像処理装置29は、撮像装置12から出力される画像データを演算する機能を備えて
いる。ステージ20にワーク9を配置し、撮像装置12で撮像した画像を観察するとき、
レンズ移動機構11を操作して、集光レンズ8とワーク9との距離を変えることにより画
像が鮮明になるときとぼやけるときが存在する。集光レンズ8を移動して、ワーク9のス
テージ20側の面に焦点が合うときと、ワーク9の光学経路部3側の面に焦点が合うとき
に、撮像される画像が鮮明になる。一方、焦点が合っていないとき、撮像される画像は、
ぼやけた画像となる。
集光レンズ8を光軸7の方向に移動して、撮像装置12が撮像する画像が鮮明になる集
光レンズ8の位置を、内蔵する位置センサで検出することにより、ワーク9の厚みを測定
することが可能となる。
撮像装置12で撮像するときに焦点が合う合焦点位置と、レーザ光を照射したときに、
集光レンズ8により集光される集光位置との差の距離を計測することで、合焦点位置と集
光位置の差の距離であるオフセット距離を知ることができる。例えば、透明な2枚の基板
を重ねた物をワーク9としてステージ20に設置し、2枚の基板の接触部に撮像装置12
の焦点が合うように集光レンズ8を移動する。次に、レーザ光を照射して改質部を形成す
る。2枚の基板の接触部と改質部の距離を測定することでオフセット距離を計測すること
ができる。
集光レンズ8を光軸7方向に移動して、ワーク9の光学経路部3側の面に撮像装置12
の焦点を合わせる。レーザ光を照射したい位置とオフセット距離とで集光レンズ8の移動
距離を演算し、演算した移動距離と同じ距離分、集光レンズ8を移動させる。この方法で
ワーク9における所定の深さにレーザ光を集光することが可能となる。
ステージ制御装置30は、X軸スライド17とY軸スライド19との位置情報の取得と
移動制御を行なう。X軸スライド17とY軸スライド19とには図示しない位置センサが
内蔵されており、ステージ制御装置30は位置センサの出力を検出することにより、X軸
スライド17とY軸スライド19との位置を検出する。ステージ制御装置30は、X軸ス
ライド17とY軸スライド19との位置情報を取得し、メインコンピュータ24から指示
される位置情報とを比較し、差に相当する距離に対応して、X軸スライド17とY軸スラ
イド19とを駆動して移動する。ステージ制御装置30はX軸スライド17とY軸スライ
ド19とを駆動して、所望の位置にワーク9を移動することが可能となっている。
レーザ制御装置27がレーザ光源2を制御しレーザ光を発光させる。画像処理装置29
がワーク9の面の光軸方向の位置を検出する。レンズ制御装置28がレーザ光を集光する
光軸方向の位置を制御する。ステージ制御装置30がワーク9をXY方向に移動して、ワ
ーク9にレーザ光が照射される位置を制御する。上述した制御を行い所望の位置にレーザ
光を集光して照射することが可能となっている。
ここで、多光子吸収による改質部の形成について説明する。集光レンズ8によって集光
されたレーザ光は、ワーク9に入射する。そして、ワーク9がレーザ光を透過する材料で
あっても、材料の吸収バンドギャップEgよりも光子のエネルギーhνが非常に大きいと
き、ワーク9は光子エネルギーを吸収する。これを多光子吸収と言い、レーザ光のパルス
幅を極めて短くすることでエネルギーを高めて、多光子吸収をワーク9の内部に起こさせ
ると、多光子吸収のエネルギーが熱エネルギーに転化せずに、永続的な構造変化が誘起さ
れた領域が形成される。
本実施形態では、この構造変化領域を改質部と呼ぶ。改質部のうち、大きく構造変化し
た結果複数のクラックが形成された領域をクラック部と呼び、クラック部の周囲に形成さ
れ、レーザ光を吸収し易い構造に変化した領域を光吸収部と呼ぶ。
このような改質部を形成するためのレーザ光の照射条件は、加工対象物ごとにレーザ光
の出力やパルス幅、パルス周期、レーザスキャン速度等の設定が必要になる。特に、レー
ザ光源2が照射するレーザ光の出力は、ダイクロイックミラー6や集光レンズ8のような
光軸7上に配置される透過性物質による吸収で減衰することを考慮する必要がある。従っ
て、実際の加工対象物を用いた予備試験を実施して、最適な照射条件を導くことが望まし
い。
(レーザスクライブ方法)
次に本発明のレーザスクライブ方法について図2〜図4にて説明する。図2は、レーザ
スクライブ方法のフローチャートであり、図3及び図4はレーザスクライブ方法を説明す
る図である。
図2のフローチャートにおいて、ステップS1は膜形成工程に相当し、基板に膜を形成
する工程である。次にステップS2に移行する。ステップS2は、第1改質部形成工程に
相当し、基板の内部に1層目の改質部を形成する工程である。次にステップS3に移行す
る。ステップS3は、第2改質部形成工程に相当し、2層目以降の改質部を形成する工程
である。次にステップS4に移行する。ステップS4は、分断工程に相当し、ワーク9を
分断する工程である。
次に、図3及び図4を用いて、図2に示したステップと対応させて、製造方法を詳細に
説明する。
図3(a)はステップS1に対応する図である。図3(a)に示すように、基板34に
膜35を形成する。基板34はレーザ光の透過性を有する材料であれば良く、本実施形態
では石英ガラスを採用した。膜35の材質は、レーザ光を照射したときに基板34の材質
よりもレーザ光を吸収して変質し易い材質であれば良く、本実施形態では、アルミニウム
を採用した。アルミニウムの膜35を形成する方法としては、蒸着法やスパッタ法などの
公知の方法にて形成することができるので、説明を省略する。
図3(b)及び(c)はステップS2に対応する図である。
図3(b)は、基板34を膜35が形成された側の面から見た図である。図3(b)に
示すように、基板34を切断する予定の面を切断予定面34aとする。切断予定面34a
に沿って、レーザ光を照射してスクライブを進めていく。
図3(c)に示すように、基板34の膜35が形成されていない面からレーザ光36を
基板34の内部に照射する。集光レンズ8によりレーザ光36を膜35の近傍に集光させ
て照射する。レーザ光は基板34を透過して、膜35を照射する。照射された膜35の近
傍はレーザ光を吸収し易くなり改質部37を形成する。改質部37の中央部で最もレーザ
光が集光した領域には複数のクラックからなるクラック部38が形成される。クラック部
38の周囲には光吸収部39が形成される。
基板34に膜35が形成されていない場合には、改質部37を形成するのにレーザ光源
2から、およそ150μJ/パルスのレーザ光を出射する必要があった。一方、基板34
に膜35が形成されている場合には、レーザ光源2から、およそ60μJ/パルスのレー
ザ光を出射して改質部37を形成できることが確認されている。つまり、基板34に膜3
5が形成されていない場合に比べて、膜35が形成されている場合の方が低いエネルギー
のレーザ光36で改質部37を形成することができる。
その理由としては、次のように考えられる。膜35にレーザ光36が照射されたとき、
膜35はレーザ光のエネルギーを吸収して発熱する。発熱する膜35の熱が基板34に伝
わり、基板34が溶融もしくは基板34の組織構造が変化して、レーザ光を吸収し易くな
る。レーザ光を吸収し易くなった領域にレーザ光が集光され多光子吸収が生ずる。多光子
吸収が生じた領域に改質部37が形成される。
基板34と集光レンズ8とを相対的に移動し、改質部37を配列して形成する。
図3(d)に示すように、その結果、基板34の内部で膜35の近傍に改質部37が配
列して形成される。
図3(e)はステップS3に対応する図である。図3(e)に示すように、集光レンズ
8によりレーザ光36をステップ2で形成した光吸収部39に集光する。集光されたレー
ザ光を光吸収部39に照射することで、多光子吸収が生じて改質部37が形成される。
光吸収部39でない領域に集光して、改質部37を形成する場合、レーザ光源2から、
およそ150μJ/パルスのレーザ光を出射する必要があった。一方、光吸収部39の領
域に集光して、改質部37を形成する場合には、レーザ光源2から、およそ60μJ/パ
ルスのレーザ光を出射して改質部37を形成できることが確認されている。従って、低い
レーザ光強度で改質部37を形成することができる。
図3(f)に示すように、その結果、ステップS2で形成された改質部37の集光レン
ズ8側に改質部37を配列して形成される。
図4(a)に示すように、ステップS3で形成した改質部37の光吸収部39に、レー
ザ光36を集光して、改質部37を形成する。基板34と集光レンズ8とを相対的に移動
し、改質部37を配列して形成する。
図4(b)に示すように、その結果、基板34の切断予定面34aの全面に渡って改質
部37が形成される。
図4(c)に示すように、改質部37の中央にはクラック部38が形成されることから
、基板34の切断する予定の面の全面に渡ってクラック部38が配列される。
図4(d)はステップS4に対応する図である。図4(d)に示すように、基板34を
弾性のある台40の上に配置する。基板34の内部に配列して形成されたクラック部38
と対応する基板34上の位置に加圧部材41を配置し、加圧部材41を基板34方向に押
圧する。基板34は加圧部材41に押圧された場所が台40に沈み込み、膜35の形成さ
れた面に張力が作用する。クラック部38は張力がかかり、クラックを起点として破断が
進行し分断される。
図4(e)に示すように、その結果、基板34はクラック部38で分断され、二つに分
割される。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、膜形成工程において、基板34の一面に膜35が形成され
ている。次に、第1改質部形成工程において、基板34の膜35が形成された面と逆側の
面からレーザ光36を膜35の近傍に集光するように照射している。レーザ光36は基板
34を透過して膜に照射される。照射された膜35は、レーザ光36のエネルギーを吸収
して発熱する。発熱する膜35の熱が基板34に伝わり、基板34が溶融もしくは基板3
4の組織構造が変化して、レーザ光36を吸収し易くなる。レーザ光36を吸収し易くな
った領域にレーザ光36が集光され多光子吸収が生ずる。多光子吸収が生じた領域には、
改質部37が形成される。従って、基板の一面に膜35を形成しない場合に比べて、低い
レーザ光強度で改質部を形成することができる。
(2)本実施形態によれば、第1改質部形成工程において、基板34の内部にレーザ光
36を集光して照射し、改質部37を形成している。改質部37の中央には複数のクラッ
クが含まれるクラック部38が形成され、クラック部38の周囲には、レーザ光36を吸
収し易い光吸収部39が形成される。次に、第1改質部形成工程で形成された光吸収部3
9に、第2改質部形成工程でレーザ光36を集光して改質部37を形成している。従って
、改質部37の光吸収部39にレーザ光を集光するときのレーザ光36は、光吸収部39
がない基板34に集光するときに比べて低いレーザ光強度で改質部37を形成できる。そ
の結果、レーザ光強度が低いときにも改質部を形成することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るレーザスクライブ方法について図5のフローチャ
ートと図6のレーザスクライブ方法を説明する図を用いて説明する。
尚、本実施形態において、前記第1の実施形態と同様の部材又は部位については同じ符
号を付し、詳細な説明は省略する。
この実施形態が第1の実施形態と異なるところは、図2に示したステップS1の膜形成
工程と、ステップS2の第1改質部形成工程が同時に行なわれる点にある。
図5のフローチャートにおいて、ステップS11は、膜及び第1改質部形成工程に相当
し、基板の1面に膜を形成しつつ、基板の内部に1層目の改質部を形成する工程である。
次にステップS12に移行する。ステップS12は、第2改質部形成工程に相当し、2層
目以降の改質部を形成する工程である。次にステップS13に移行する。ステップS13
は、分断工程に相当し、基板を分断する工程である。
次に、図6を用いて、図5に示したステップS11の製造方法を詳細に説明する。ステ
ップS12及びステップS13は、第1の実施形態におけるステップS3及びステップS
4と同じ製造方法であるので、説明を省略する。
図6(a)〜(c)はステップS11に対応する図である。
図6(a)に示すように、膜形成部材44が配置され、膜形成部材44の上に支持台4
5が配置されている。膜形成部材44は鉄を含む金属で構成され、支持台45は膜形成部
材44に固定されている。支持台45の上に基板46が配置される。基板46を切断する
予定の仮想線である切断予定面と膜形成部材44との間には支持台45が配置されず空間
となっている。基板46は石英ガラスで形成されており、レーザ光が透過する。膜形成部
材44の逆側から基板46にレーザ光を照射するとき、レーザ光が基板46を通過して、
支持台45と干渉することなく、膜形成部材44を照射するようになっている。
図6(b)に示すように、基板46対して膜形成部材44の逆側に位置する集光レンズ
8からレーザ光36を基板46に照射する。レーザ光36は基板46を透過して膜形成部
材44を照射する。レーザ光36を膜形成部材44に照射するとき、膜形成部材44を構
成する分子又は原子の一部は、照射されたレーザ光36により励起され、膜形成部材44
から離脱する。離脱した分子又は原子は空中を飛翔し基板46に付着して膜47を形成す
る。
集光レンズ8によりレーザ光36が膜47の近傍に集光され、照射されている。レーザ
光は基板46を透過して、膜47を照射する。レーザ光を照射された膜47の近傍では、
基板46がレーザ光を吸収し易くなり、改質部48が形成される。改質部48の中央部で
最もレーザ光が集光した領域には複数のクラックからなるクラック部49が形成される。
クラック部49の周囲には光吸収部50が形成される。
基板46と集光レンズ8とを相対的に移動し、改質部48を連続して形成する。
図6(c)に示すように、その結果、基板46の内部で膜47の近傍に改質部48が配
列して形成される。
上述したように、本実施形態によれば、第1の実施形態の(1)及び(2)の効果に加
えて以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、膜及び第1改質部形成工程において、膜形成部材44にレ
ーザ光36を照射して、膜形成部材44を構成する分子又は原子を基板46に付着させて
膜47を形成する。膜47の近傍にレーザ光36を集光して、改質部48を形成する。
第1の実施形態における膜形成工程と第1改質部形成工程とが、本実施形態では、膜及
び第1改質部形成工程において、同時に行なわれる。膜形成工程と第1改質部形成工程と
を別々に行なう場合に比べて、同時に行なった方が、製造に要する時間を短くすることが
できるので、生産性良く製造することができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法について図7〜図13に
従って説明する。
(液晶表示装置)
最初に液晶表示装置について説明する。図7は、液晶表示装置の模式平面図であり、図
8は、図7の液晶表示装置のH−H’線に沿う模式断面図である。
図7及び図8において、本実施形態の液晶表示装置61は、対をなす基板としてのTF
Tアレイ基板62と対向基板63とが光硬化性の封止材であるシール材64によって貼り
合わされ、このシール材64によって区画される領域内に封入された液晶65からなる液
晶層を狭持している。シール材64は、基板面内の領域において閉ざされた枠状に形成さ
れている。
シール材64の形成領域の内側で対向基板63の液晶65側の面には、遮光性材料で配
線を隠すための周辺見切り66が形成されている。シール材64の外側の領域には、デー
タ線駆動回路67及び実装端子68がTFTアレイ基板62の辺62a(図中下側の辺)
に沿って形成されており、この辺62aに隣接する辺62b及び辺62c(図中左右の辺
)に沿って走査線駆動回路69が形成されている。TFTアレイ基板62の残る辺62d
(図中上側の辺)には、2つの走査線駆動回路69の間を接続するための配線70が設け
られている。また、対向基板63のコーナー部の4箇所においては、TFTアレイ基板6
2と対向基板63との間で電気的導通をとるための基板間導通材71が配設されている。
また、液晶表示装置61はカラー表示用として構成しており、対向基板63において、
赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタ72R,72G,72Bが保護膜ととも
に形成されている。カラーフィルタ72R,72G,72Bの各フィルタ素子の間には、
遮光膜73が形成されており、カラーフィルタ72R,72G,72Bを通過しない光は
遮光膜73が遮断するようになっている。さらに、カラーフィルタ72R,72G,72
Bの保護膜のTFTアレイ基板62側には電極膜としての対向電極74と配向膜75とが
配置されている。
液晶は、該液晶を挟持する電極に電圧を印加すると液晶分子の液晶の傾き角度が変化す
る性質を持っており、TFTのスイッチング動作により、液晶にかける電圧をコントロー
ルして液晶の傾き角度を制御し、画素毎に光を透過させたり遮ったりする動作を行う。そ
れにより、透過した光は、画素毎に相対して設置される赤(R)、緑(G)、青(B)の
3色の色フィルタを有するカラーフィルタを透過することで、画素毎に対応する各色フィ
ルタの色を色光として透過する。なお、光が液晶により遮られた画素に対応する色フィル
タには当然光は入射しないため、黒色となる。このようにTFTのスイッチング動作によ
り、液晶をシャッタとして動作させることにより、画素毎に光の透過をコントロールし、
画素を明滅させることにより、カラー映像を表示させることができる。
このような構造を有する液晶表示装置61の画像を表示する領域には、複数の画素がm
行n列のマトリクス状に構成されているとともに、これらの画素の各々には、画素信号を
スイッチングするTFT(スイッチング素子)が形成されている。画素信号を供給するデ
ータ線(ソース配線)がTFTのソース電極に電気的に接続され、走査信号を供給する走
査線(ゲート配線)がTFTのゲート電極に電気的に接続され、TFTのドレイン電極に
画素電極76が電気的に接続されている。画素電極76はカラーフィルタ72R,72G
,72Bの各フィルタ素子と対向する場所に形成されている。走査線が接続されるTFT
のゲート電極には、所定のタイミングで、走査線からパルス信号の走査信号が供給される
画素電極76は、TFTのドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であ
るTFTを一定期間だけオン状態とすることにより、データ線から供給される画素信号が
各画素の画素電極76に所定のタイミングで供給される。このようにして画素電極76に
供給された所定レベルの画素信号の電圧レベルは、図8に示す対向基板63の対向電極7
4との間で保持され、画素信号の電圧レベルに応じて、液晶65の光透過量が変化する。
液晶表示装置61はカラーフィルタを備えており、カラーフィルタ72R,72G,72
Bを透過する光を液晶65からなる液晶層を挟持する電極に印加する画像信号により制御
することで、液晶表示装置61はカラー画像を表示することができる。
画素電極76の対向基板63側には配向膜77が配置されている。配向膜75と配向膜
77とにはその表面に溝状の凹凸が形成されており、配向膜75と配向膜77との間に充
填された液晶65は、溝状の凹凸に沿って配列して形成される。
TFTアレイ基板62の対向基板63側の面には、外周を取り囲む様に電極膜としての
切断補助膜78が配置されている。切断補助膜78は、実装端子68と同じ材料で構成さ
れ、実装端子68を形成する工程で同時に形成される。
対向基板63のTFTアレイ基板62側の面には、外周を取り囲む様に遮光膜73が配
置されている。この遮光膜73は、カラーフィルタ72R,72G,72Bの間に形成さ
れる遮光膜73と同じ材料で、同じ工程で形成される。
図9は液晶表示装置の要部模式断面図である。図9に示すように、TFTアレイ基板6
2は第1の基板82を備えている。第1の基板82の液晶65と反対側の面には偏光フィ
ルム83が配置されている。第1の基板82の液晶65側の面には、ゲート電極84と絶
縁膜85が配置されている。ゲート電極84の液晶65側の面には、絶縁膜85が配置さ
れている。そして、絶縁膜85の液晶65側の面でゲート電極84と対向する領域には、
TFT86が配置されている。絶縁膜85上で、TFT86の両側には、ソース電極87
とドレイン電極88が配置され、ゲート電極84に電圧が印加されたとき、ソース電極8
7からドレイン電極88へ電流が流れるようになっている。TFT86、ソース電極87
、ドレイン電極88の周囲及び液晶65側の面には絶縁膜89が配置され、絶縁膜89の
液晶65側の面は平坦に形成されている。絶縁膜89の液晶65側の面には画素電極76
が配置され、画素電極76はドレイン電極88とコンタクトホール90を介して電気的に
接続されている。画素電極76の液晶65側の面には配向膜77が形成され、液晶65が
画素電極76に対して傾斜して配向される。
対向基板63は第2の基板93を備えている。第2の基板93の液晶65と反対側の面
には、偏光フィルム94が配置されている。第2の基板93の液晶65側の面には、カラ
ーフィルタ72R,72G,72Bと遮光膜73が配置され、カラーフィルタ72R,7
2G,72Bからは液晶65を通過した光線が通過し、遮光膜73は光線を遮断するよう
になっている。カラーフィルタ72R,72G,72Bと遮光膜73の液晶65側の面に
は対向電極74が配置され、対向電極74の液晶65側の面には配向膜75が形成され、
液晶65が対向電極74に対して傾斜して配向されている。画素電極76と対向電極74
との間に電圧を印加すると、印加した電圧に対応して液晶65の傾きが変化し、偏光フィ
ルム83と液晶65と偏光フィルム94とを通過する光透過量が変化するようになってい
る。
図10は液晶表示装置の要部模式平面図である。図10に示すように、画素電極76の
一角にTFT86が配置されている。TFT86のゲート電極84とゲート配線95が電
気的に接続され、TFT86のソース電極87とソース配線96が電気的に接続されてい
る。遮光膜73はTFT86とゲート配線95とソース配線96とを遮蔽し、対向基板6
3側から照射される光を吸収し、TFT86とゲート配線95とソース配線96に照射さ
れないようになっている。
(液晶表示パネルマザー基板)
次に、液晶表示装置61が区画形成されたマザー基板100について説明する。図11
は液晶表示パネルが区画形成されたマザー基板を示す模式図である。図11(a)は、対
向基板側から見た平面図であり、図11(b)は、図11(a)のB−B線に沿った概略
断面図である。
図11(a)及び(b)に示すように、マザー基板100は、素子マザー基板101と
対向マザー基板102とが接着されている。素子マザー基板101には、1つの液晶表示
装置61のTFTアレイ基板62に相当する素子基板区画62eが複数区画形成されてい
る。対向マザー基板102には、1つの液晶表示装置61の対向基板63に相当する対向
基板区画63aが複数区画形成されている。素子マザー基板101と対向マザー基板10
2とは、素子基板区画62eと対向基板区画63aとの位置関係が、液晶表示装置61に
おけるTFTアレイ基板62と対向基板63との位置関係となるように、シール材64に
よって貼り合わされている。シール材64によって囲まれた素子マザー基板101と対向
マザー基板102との隙間には、液晶65が充填されている。
マザー基板100から液晶表示装置61を切出すために切断する予定の面をそれぞれ、
切断予定面としてのH素子切断面104、V素子切断面106、H対向切断面107、V
対向切断面108と表記する。H素子切断面104は、二点鎖線で示した素子マザー基板
101の切断面であり、図11(a)のX軸方向に延在する切断面である。V素子切断面
106は、二点鎖線で示した素子マザー基板101の切断面であり、図11(a)のY軸
方向に延在する切断面である。H対向切断面107は、一点鎖線で示した対向マザー基板
102の切断面であり、図11(a)のX軸方向に延在する切断面である。V対向切断面
108は、一点鎖線で示した対向マザー基板102の切断面であり、図11(a)のY軸
方向に延在する切断面である。図11に示した、104a,104b,104cは、それ
ぞれH素子切断面104であり、106a,106b,106cは、それぞれV素子切断
面106であり、107a,107b,107c,107d,107eは、それぞれH対
向切断面107であり、108a,108b,108c,108d,108eは、それぞ
れV対向切断面108である。
(基板の分断方法)
次に上述した液晶表示装置61における基板の分断方法について図12〜図14にて説
明する。図12は、基板の分断方法のフローチャートであり、図13及び図14は基板の
分断方法を説明する図である。
図12のフローチャートにおいて、ステップS21は対向基板の第1改質部形成工程に
相当し、対向基板の内部に1層目の改質部を形成する工程である。次にステップS22に
移行する。ステップS22は、対向基板の第2改質部形成工程に相当し、対向基板の内部
に2層目以降の改質部を形成する工程である。ステップS23は、TFTアレイ基板の第
1改質部形成工程に相当し、TFTアレイ基板の内部に1層目の改質部を形成する工程で
ある。次にステップS24に移行する。ステップS24は、TFTアレイ基板の第2改質
部形成工程に相当し、TFTアレイ基板の内部に2層目以降の改質部を形成する工程であ
る。次にステップS25に移行する。ステップS25は、対向基板の分断工程に相当し、
対向基板を改質部に沿って分断する工程である。次にステップS26に移行する。ステッ
プS26は、TFTアレイ基板の分断工程に相当し、TFTアレイ基板を改質部に沿って
分断する工程である。
次に、図13及び図14を用いて、図12に示したステップと対応させて、製造方法を
詳細に説明する。図11に示すマザー基板100において、切断する面は多く存在するが
、その中でH素子切断面104とH対向切断面107との切断面の例を説明する。V素子
切断面106とV対向切断面108との切断面も同様の方法にて切断が可能である。
図13(a)はステップS21に対応する図である。図13(a)に示すように、対向
マザー基板102には遮光膜73が形成されている。対向マザー基板102の遮光膜73
が形成されていない面からレーザ光36を対向マザー基板102の内部に照射する。集光
レンズ8によりレーザ光36を遮光膜73の近傍に集光して照射する。レーザ光は対向マ
ザー基板102を透過して、遮光膜73を照射する。照射された遮光膜73の近傍はレー
ザ光を吸収し易くなり改質部109を形成する。改質部109の中央部で最もレーザ光が
集光した領域には複数のクラックからなるクラック部が形成される。クラック部の周囲に
は光吸収部が形成される。
このステップでは、マザー基板100における、全ての図11に示すH対向切断面10
7とV対向切断面108との切断面に対して1層目の改質部109を形成する。
図13(b)はステップS22に対応する図である。図13(b)に示すように、対向
マザー基板102と集光レンズ8とを相対的に移動し、改質部109の光吸収部にレーザ
光を集光して、改質部109を連続して形成する。改質部109は対向マザー基板102
の厚み方向に連続して形成するとともに、対向マザー基板102の平面方向にも連続して
改質部109を形成する。
このステップでは、マザー基板100における、全ての図11に示すH対向切断面10
7とV対向切断面108との切断面に対して2層目以降の改質部109を形成する。
図13(c)はステップS23に対応する図である。図13(c)に示すように、マザ
ー基板100を反転して、素子マザー基板101が集光レンズ8側になるように配置する
。素子マザー基板101は、配線70と実装端子68との間に切断補助膜78が形成され
ている。切断補助膜78はH素子切断面104に沿って形成されている。素子マザー基板
101の切断補助膜78が形成されていない面からレーザ光36を素子マザー基板101
の内部に照射する。集光レンズ8によりレーザ光36を切断補助膜78の近傍に集光して
照射する。レーザ光は素子マザー基板101を透過して、切断補助膜78を照射する。照
射された切断補助膜78の近傍はレーザ光を吸収し易くなり、改質部110を形成する。
改質部110の中央部で最もレーザ光が集光した領域には複数のクラックからなるクラッ
ク部が形成される。クラック部の周囲には光吸収部が形成される。
このステップでは、マザー基板100における、全ての図11に示すH素子切断面10
4とV素子切断面106との切断面に対して1層目の改質部109を形成する。
図14(a)はステップS24に対応する図である。図14(a)に示すように、素子
マザー基板101と集光レンズ8とを相対的に移動し、改質部110の光吸収部にレーザ
光を集光して、改質部110を連続して形成する。改質部110は素子マザー基板101
の厚み方向に連続して形成するとともに、素子マザー基板101の平面方向にも連続して
改質部110を形成する。
このステップでは、マザー基板100における、全ての図11に示すH素子切断面10
4とV素子切断面106との切断面に対して2層目以降の改質部109を形成する。
図14(b)はステップS25に対応する図である。図14(b)に示すように、マザ
ー基板100を弾性のある台40の上に配置する。対向マザー基板102の内部に配列し
て形成された改質部109と対向する素子マザー基板101上の位置に加圧部材41を配
置し、加圧部材41をマザー基板100に押圧する。対向マザー基板102は加圧部材4
1に押圧された場所が台40に沈み込み、対向マザー基板102の台40と接した面に張
力が作用する。改質部109の内部に形成されたクラック部に張力がかかり、クラックか
ら破断が進行し分断される。その結果、対向マザー基板102は改質部109で分断され
る。
このステップでは、マザー基板100における、全ての図11に示すH対向切断面10
7とV対向切断面108との切断面に対して改質部109を分断する。
図14(c)はステップS26に対応する図である。図14(c)に示すように、マザ
ー基板100を弾性のある台40の上に配置する。このとき、マザー基板100を反転し
て、素子マザー基板101が台40と接するように配置する。素子マザー基板101の内
部に配列して形成された改質部110と対向する対向マザー基板102上の位置に加圧部
材41を配置し、加圧部材41をマザー基板100に押圧する。素子マザー基板101は
加圧部材41に押圧された場所が台40に沈み込み、素子マザー基板101の台40と接
した面に張力が作用する。改質部110の内部に形成されたクラック部に張力がかかり、
クラックから破断が進行し分断される。その結果、素子マザー基板101は改質部110
で分断される。
このステップでは、マザー基板100における、全ての図11に示すH素子切断面10
4とV素子切断面106との切断面に対して改質部110を分断する。
以上のステップでマザー基板100における、全ての図11に示すH対向切断面107
、V対向切断面108、H素子切断面104、V素子切断面106の切断面に対して、改
質部109,110が分断される。そして、個々の液晶表示装置61が分離される。
上述したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、遮光膜73を形成する工程において、対向マザー基板10
2のH対向切断面107とV対向切断面108に対応する領域に遮光膜73を形成する。
次に、対向基板の第1改質部形成工程において、遮光膜73の近傍にレーザ光を集光して
改質部109を形成する。H対向切断面107とV対向切断面108に対応する領域に遮
光膜73がない場合に比べて、遮光膜73があるときは、低いレーザ光強度で改質部10
9を形成することができる。
(2)本実施形態によれば、対向電極74を形成する工程において、素子マザー基板1
01のH素子切断面104とV素子切断面106に対応する領域に切断補助膜78を形成
する。次に、TFTアレイ基板の第1改質部形成工程において、切断補助膜78の近傍に
レーザ光を集光して改質部110を形成する。H素子切断面104とV素子切断面106
に対応する領域に切断補助膜78がない場合に比べて、切断補助膜78があるときは、低
いレーザ光強度で改質部110を形成することができる。
(3)本実施形態によれば、対向基板の第2改質部形成工程において、改質部109の
光吸収部にレーザ光を集光させて、新たに改質部109を形成している。改質部109で
ない場所に集光して改質部109を形成する場合に比べて低いレーザ光強度で改質部10
9を形成することができる。
(4)本実施形態によれば、TFTアレイ基板の第2改質部形成工程において、改質部
110の光吸収部にレーザ光を集光させて、新たに改質部110を形成している。改質部
110でない場所に集光して改質部110を形成する場合に比べて低いレーザ光強度で改
質部110を形成することができる。
(5)本実施形態によれば、遮光膜73を形成する工程において、対向マザー基板10
2のH対向切断面107とV対向切断面108に対応する領域にも遮光膜73を形成して
いる。H対向切断面107とV対向切断面108に対応する領域に膜を形成する工程を遮
光膜73を形成する工程とは別に行なう場合に比べて、工程数を減らすことができる為、
生産性よく製造することができる。
(6)本実施形態によれば、対向電極74を形成する工程において、素子マザー基板1
01のH素子切断面104とV素子切断面106に対応する領域に切断補助膜78を形成
している。H素子切断面104とV素子切断面106に対応する領域に切断補助膜78を
形成する工程を対向電極74を形成する工程とは別に行なう場合に比べて、工程数を減ら
すことができる為、生産性よく製造することができる。
(第4の実施形態)
次に、上記の第3の実施形態の液晶表示装置61を備えた電子機器について説明する。
図15は、パーソナルコンピュータに液晶表示装置を搭載した例を示す概略斜視図であ
る。図15に示すように、電子機器としてのパーソナルコンピュータ114の本体は情報
を表示する表示装置115を備えている。この表示装置115に、第3の実施形態により
製造された液晶表示装置61が配設されている。パーソナルコンピュータ114に配置さ
れている表示装置115は、上記の実施形態により製造された、低いレーザ光強度でスク
ライブして分割された液晶表示装置61を搭載しているので、表示部に低いレーザ光強度
でスクライブして分割された液晶表示装置61を備えた電子機器となる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変更や改良を加える
ことも可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
第1の実施形態では、レーザ内部スクライブする加工対象物として、基板34に石英ガ
ラスを用いた場合で説明したが、レーザ光の透過性を有する材料に適用することができる
。例えば、石英ガラスの他に、ソーダ石灰ガラス、パイレックス(登録商標)等のホウ珪
酸ガラス、OA−10(登録商標)等の無アルカリガラス、ネオセラム(登録商標)等の
耐熱結晶化ガラス、光学ガラス、水晶等を挙げることができる。
(変形例2)
第1の実施形態では、基板34に形成する膜35の材質は、レーザ光を照射したとき、
基板34よりもレーザ光を吸収して変質し易い材質ならば良い。実施形態1ではアルミニ
ウムを用いた場合で説明したが、他の材料に適用することができる。例えば、アルミニウ
ムの他に、銅、銀、鉄等の金属や合金、アクリル樹脂、オレフィン樹脂などの有機材料、
シリコンなどの無機材料等を挙げることができる。
(変形例3)
第1の実施形態では、低いレーザ強度のレーザ光でも改質部37が形成できることから
、2枚以上基板が接着剤で接着された基板に対して、接着剤を通過したレーザ光を用いて
改質部37を形成しても良い。2枚以上基板が接着剤で接着された基板において、基板に
実装された素子により、レーザ光が照射可能な面が限定されている場合にも、レーザ光を
用いてスクライブすることができる。
(変形例4)
第2の実施形態では、膜形成部材44に鉄を含む金属を用いたが、膜形成部材44の材
質は、レーザ光を照射したとき、基板46よりもレーザ光を吸収して変質し易い材質であ
れば用いることができる。実施形態2では鉄を含む金属を用いた場合で説明したが、他の
材料に適用することができる。例えば、鉄を含む金属の他に、銅、銀、アルミニウム等の
金属や合金、アクリル樹脂、オレフィン樹脂などの有機材料、シリコンなどの無機材料等
を挙げることができる。
(変形例5)
第2の実施形態では、膜形成部材44にレーザ光を照射して膜47を形成したが、膜4
7の材料を塗布しつつ、基板46にレーザ光を集光して改質部48を形成しても良い。例
えば、基板46に対して集光レンズ8と逆側にノズルを配置し、膜47の材料としてのレ
ジストを吐出して塗布しつつ、基板46にレーザ光を集光して改質部48を形成しても良
い。後工程で膜47を除去したいとき、除去し易い膜47をつけることができる。
(変形例6)
第3の実施形態では、遮光膜73を形成する工程において、対向マザー基板102のH
対向切断面107とV対向切断面108に対応する領域に遮光膜73を形成している。当
該遮光膜73の近傍にレーザ光を集光して改質部109を形成している。遮光膜73の代
わりにカラーフィルタ72R,72G,72Bを用いても良い。カラーフィルタ72R,
72G,72Bを形成する工程において、対向マザー基板102のH対向切断面107と
V対向切断面108に対応する領域にカラーフィルタ72R,72G,72Bを形成する
。当該カラーフィルタ72R,72G,72Bの近傍にレーザ光を集光して改質部109
を形成しても良い。第3の実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例7)
第3の実施形態では、遮光膜73を形成する工程において、対向マザー基板102のH
対向切断面107とV対向切断面108に対応する領域に遮光膜73を形成している。当
該遮光膜73の近傍にレーザ光を集光して改質部109を形成している。遮光膜73の代
わりに対向電極74を用いても良い。対向電極74を形成する工程において、対向マザー
基板102のH対向切断面107とV対向切断面108に対応する領域に対向電極74を
形成する。当該対向電極74の近傍にレーザ光を集光して改質部109を形成しても良い
。第3の実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例8)
第3の実施形態では、遮光膜73を形成する工程において、対向マザー基板102のH
対向切断面107とV対向切断面108に対応する領域に遮光膜73を形成している。当
該遮光膜73の近傍にレーザ光を集光して改質部109を形成している。遮光膜73の代
わりに配向膜75を用いても良い。配向膜75を形成する工程において、対向マザー基板
102のH対向切断面107とV対向切断面108に対応する領域に配向膜75を形成す
る。当該配向膜75の近傍にレーザ光を集光して改質部109を形成しても良い。第3の
実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例9)
第3の実施形態では、遮光膜73を形成する工程において、対向マザー基板102のH
対向切断面107とV対向切断面108に対応する領域に遮光膜73を形成している。当
該遮光膜73の近傍にレーザ光を集光して改質部109を形成している。遮光膜73の代
わりにカラーフィルタ72R,72G,72Bの保護膜を用いても良い。保護膜を形成す
る工程において、対向マザー基板102のH対向切断面107とV対向切断面108に対
応する領域に保護膜を形成する。保護膜の近傍にレーザ光を集光して改質部109を形成
しても良い。第3の実施形態と同様の効果が得られる。
(変形例10)前記第4の実施形態で、電気光学装置としての液晶表示装置61をパー
ソナルコンピュータ114の表示部に用いたが、これに限定されない。例えば、電子ブッ
ク、携帯電話、ディジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダ型あるいはモニ
タ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓
、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネル等の
電子機器の画像表示手段として好適に用いることができる。いずれの場合でも、表示部に
低いレーザ光強度でスクライブして分割された液晶表示装置61を備えた電子機器を提供
することができる。
第1の実施形態に係るレーザ照射装置の構成を示す概略図。 レーザスクライブ方法のフローチャート。 レーザスクライブ方法を説明する図。 レーザスクライブ方法を説明する図。 第2の実施形態に係るレーザスクライブ方法のフローチャート。 レーザスクライブ方法を説明する図。 第3の実施形態に係る液晶表示装置の模式平面図。 液晶表示装置の模式断面図。 液晶表示装置の要部模式断面図。 液晶表示装置の要部模式平面図。 液晶表示パネルが区画形成されたマザー基板を示す模式図。 基板の分断方法のフローチャート。 基板の分断方法を説明する図。 基板の分断方法を説明する図。 第4の実施形態に係るパーソナルコンピュータを示す概略斜視図。
符号の説明
34,46…基板、34a…切断予定面、35,47…膜、36…レーザ光、37…改
質部、39,50…光吸収部、48,109,110…改質部、73…遮光膜、74…電
極膜としての対向電極、78…電極膜としての切断補助膜、101…基板としての素子マ
ザー基板、102…基板としての対向マザー基板、104…切断予定線としてのH素子切
断面、106…切断予定線としてのV素子切断面、107…切断予定線としてのH対向切
断面、108…切断予定線としてのV対向切断面、114…電子機器としてのパーソナル
コンピュータ。

Claims (12)

  1. 基板の一面に膜を形成する膜形成工程と、
    前記基板に対して透過性を有するレーザ光を、前記基板の膜が形成された面と反対側の
    面から、前記膜の近傍に集光するように照射して、前記基板の切断予定面に沿って、前記
    基板に改質部を形成する第1改質部形成工程と、
    を含むことを特徴とするレーザスクライブ方法。
  2. 請求項1に記載のレーザスクライブ方法であって、
    前記膜形成工程と前記第1改質部形成工程とが同時に実施されることを特徴とするレー
    ザスクライブ方法。
  3. 請求項2に記載のレーザスクライブ方法であって、
    前記膜形成工程では、前記基板と対向する位置に膜形成部材を形成し、
    前記基板を透過して膜形成部材にレーザ光を照射して、膜形成部材を蒸発又は飛散させ
    て前記基板に前記膜を形成することを特徴とするレーザスクライブ方法。
  4. 基板に対して透過性を有するレーザ光を、前記基板の内部に集光して照射して、クラッ
    ク部と光吸収部とを有する改質部を、前記基板の切断予定面に沿って形成する第1改質部
    形成工程と、
    前記第1改質部形成工程で形成された光吸収部にレーザ光を照射して、前記改質部の近
    傍に新たに前記改質部を、前記基板の切断予定面に沿って形成し、基板の厚み方向に前記
    改質部を繰り返し形成し、改質部を複数形成する第2改質部形成工程と、
    を含むことを特徴とするレーザスクライブ方法。
  5. 請求項1に記載のレーザスクライブ方法であって、
    前記第1改質部形成工程で形成された光吸収部にレーザ光を照射して、前記改質部の近
    傍に新たに前記改質部を、前記基板の切断予定面に沿って形成し、基板の厚み方向に前記
    改質部を繰り返し形成し、改質部を複数形成する第2改質部形成工程と、
    を含むことを特徴とするレーザスクライブ方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のレーザスクライブ方法であって、
    前記基板は複数の基板が接着され積層されて形成されていることを特徴とするレーザス
    クライブ方法。
  7. 膜が形成された基板を切断予定面に沿って切断する表示装置の製造方法であって、
    前記基板を切断予定面に対応する領域に前記膜を形成する膜形成工程と、
    前記基板に対して透過性を有するレーザ光を、前記基板の前記膜が形成された面と反対
    側の面から、前記膜の近傍に集光するように照射して、前記基板に改質部を切断予定面に
    沿って形成する第1改質部形成工程と、
    前記第1改質部形成工程で形成された改質部の一部である光吸収部にレーザ光を照射し
    て、前記改質部の近傍に新たに前記改質部を切断予定面に沿って形成し、基板の厚み方向
    に前記改質部を繰り返し形成する第2改質部形成工程と、
    前記基板に外力を加えて、前記基板を前記改質部で分割する分割工程と、
    を含むことを特徴とする表示装置の製造方法。
  8. 請求項7に記載の表示装置の製造方法であって、
    前記膜は、遮光膜であることを特徴とする表示装置の製造方法。
  9. 請求項7に記載の表示装置の製造方法であって、
    前記膜は、電極膜であることを特徴とする表示装置の製造方法。
  10. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のレーザスクライブ方法を用いてスクライブし、分
    断して製造されたことを特徴とする基板。
  11. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のレーザスクライブ方法又は、
    請求項7〜9のいずれか一項に記載の表示装置の製造方法を、用いて製造されたことを
    特徴とする表示装置。
  12. 請求項11に記載の表示装置を備えたことを特徴とする電子機器。

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