以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。尚、説明の便宜上、以下の実施の形態においてはモノクロ方式の印刷を行う画像形成装置を用いて詳細な説明を行う。
第1の実施の形態に係る画像形成装置1は、情報処理装置等の上位装置から送信された画像情報に基づく現像剤画像を、用紙P等の記録媒体上に印刷する。用紙P上に印刷される現像剤画像は、露光装置によって像担持体上に露光された潜像画像上に現像剤を付着させ、当該現像剤画像を転写した画像である。ここで露光装置を制御する露光制御装置は、予め設定された時間情報に基づいて露光装置を制御する為、後述する理由により、従来技術と比較して単純化された回路により構成されているものである。
この様な画像形成装置1は、図1に示す様に、用紙P等の記録媒体を格納するスタッカ3と、スタッカ3に格納された用紙Pを1枚毎に分離し、所定の用紙搬送経路に従って用紙Pの搬送を開始するフィードローラ5と、搬送経路に従って用紙Pを搬送するレジストローラ7a,b及びホッピングローラ8a,bと、レジストローラ7a,b及びホッピングローラ8a,bによって搬送された用紙Pを後述する現像装置の方向へ搬送する搬送ベルト9と、情報処理装置等の上位装置から送信された画像情報に基づく現像剤画像を後述する像担持体上に現像する現像装置11と、現像装置11によって現像された現像剤画像を用紙P上に転写する転写装置13と、転写装置13によって用紙P上に転写された現像剤画像を用紙P上に定着させる定着装置15と、定着装置15によって現像剤画像が定着された用紙Pをさらに下流に搬送するレジストローラ17及びホッピングローラ18とを備える。画像形成装置1は、情報処理装置から画像情報が送信されると、後述する方法で像担持体上に現像剤画像を現像する。また、画像形成装置1はこれと同時にスタッカ3に格納された用紙Pをフィードローラ5を用いて所定の用紙搬送経路に従って搬送を開始する。用紙搬送経路に従って搬送される用紙Pは、レジストローラ7a,b及びホッピングローラ8a,bと、レジストローラ7a,b及びホッピングローラ8a,bによってさらに用紙搬送経路の下流へと搬送される。ここで用紙Pが搬送ベルト9まで達すると、養子Pは図示せぬ電力付加手段によってバイアス電圧を印加され、静電気力によって搬送ベルト9上に吸着する。用紙Pが吸着された搬送ベルト9は、所定の方向に稼動することで用紙Pを用紙搬送経路の下流に形成された現像装置11の方向へ搬送する。ここで、現像装置11は、自身と搬送ベルト9を介して形成された転写装置13と共に像担持体上に現像された現像剤画像を用紙P上に転写する。現像剤画像が転写された用紙Pは、搬送ベルト9によってさらに用紙搬送経路の下流に形成された定着装置15まで搬送される。定着装置15は、内部にハロゲンランプ等の熱源を備える定着ローラ15aと、定着ローラ15aと共に用紙Pを挟持搬送する搬送ローラ15bとを備える。この様な定着装置15は、搬送ベルト9によって搬送された用紙Pを、ハロゲンランプによって加熱された定着ローラ15a及び搬送ローラ15bによって挟持搬送することで、用紙Pに転写され付着した現像剤を融解し、定着する。さらに定着装置15によって現像剤画像が定着された用紙Pは、用紙搬送経路における定着装置の下流に形成されたレジストローラ17及びホッピングローラ18によってさらに下流に搬送される。そして用紙Pは、レジストローラ17及びホッピングローラ18によって搬送された用紙Pは画像形成装置1の外部に排出されることで、ユーザに提供され、画像形成装置1は一連の印刷作業を終了する。
次に、上記印刷作業の際の現像装置11の構成について詳細な説明をする。
現像装置11は、内部に現像剤を備えるカートリッジ11aと、画像情報に基づく潜像画像を担持する像担持体11bと、像担持体11bが担持する潜像画像に現像剤を付着し、現像する現像ローラ11cと、像担持体11bを帯電させる帯電ローラ11dと、像担持体11b上に潜像画像を露光する露光装置50とを備える。
露光装置50は、図2に示す様に、レーザ光源アレイ52と、レーザ光源アレイ52から発光した光を偏光するポリゴンミラー54と、レーザ光源アレイ52及びポリゴンミラー54の間に配設されたレンズ56と、ポリゴンミラー54によって偏光された光を像担持体11bの方向へ反射する反射ミラー58と、ポリゴンミラー54及び反射ミラー58の間に配設されたレンズ60、レンズ62と、ポリゴンミラー54を回転させるポリゴンミラー駆動部64とを備える。また、像担持体11bと反射ミラー58との間には、ミラー66が設けられており、反射ミラー58から反射した光の一部を水平同期センサ68の方向へ反射する。
レーザ光源アレイ52は、レーザ光源52a,52b,52c,・・・を配列して形成される。これらレーザ光源52a,52b,52c,・・・は、それぞれ用紙P上に形成される現像剤画像の1ドットを露光する。また、本実施の形態においては、レーザ光源52a,52b,52c,・・・は、露光装置50の主走査方向と平行に、一直線上に配列されているものとして詳細な説明を行う。さらに、本実施の形態においては、説明の便宜上、レーザ光源アレイ52は4個のレーザ光源52a,52b,52c,52dを有するものとして詳細な説明を行う。
以下、上記印刷作業の際の現像装置11の動作について詳細な説明をする。
後述する方法で発光するレーザ光源アレイ52が発した光は、レンズ56を透過してポリゴンミラー54に到達する。ここで、ポリゴンミラー54は、ポリゴンミラー駆動部64が駆動することによって、レーザ光源アレイ52から到達した光をレンズ60の方向へ偏光可能な方向を向いており、レンズ56を透過した光をレンズ60の方向へ偏光する。ポリゴンミラー54によって偏光した光は、レンズ60及びレンズ62を透過して反射ミラー58に到達する。反射ミラー58に到達した光は、主に像担持体11bの方向へ反射し、像担持体11bの軸方向と平行方向をスキャンし、像担持体11b表面を露光する。一方、反射ミラー58から反射した光の一部は、ミラー66の方向へ反射し、ミラー66に到達した光は水平同期センサ68の方向へ反射する。水平同期センサ68は、ミラー66から到達した光を検出し、当該検出結果を後述する画素クロック生成回路に供給する。
情報処理装置から画像情報が送信されると、画像形成装置1は、後述する方法で当該画像情報を所定の形式に変換し、露光装置50に供給する。ここで露光装置50は、当該変換された画像情報に基づき、一定の速度で回転し、帯電ローラ11dによって表面に所定のバイアス電圧が印加された像担持体11b上に潜像画像を露光する。この様な像担持体11bの表面が露光されると、露光装置50によって露光された箇所のバイアス電圧は取り除かれる。次に、現像ローラ11cが、カートリッジ11a内部で所定のバイアス電圧が印加された現像剤を像担持体11bに付着すると、露光装置50によって露光された箇所に現像剤が電位差によって吸着し、像担持体11b表面に現像剤画像が現像される。これらの動作は、現像装置11の下方に用紙Pが搬送されるタイミングに合わせて行われ、用紙Pが現像装置11の下方に搬送されたタイミングで、当該現像剤画像は、所定のバイアス電圧が印加された転写装置13によって用紙P上に転写される。
次に、上述の画像形成装置1の制御系統について詳細な説明をする。制御系統の観点から見た画像形成装置1は、図3に示す様に、情報処理装置等の上位装置から印刷情報を受信するインターフェース21と、インターフェース21において受信した印刷情報に基づいて画像形成装置1の印刷動作を制御する印刷制御部23と、露光装置50を制御する露光制御装置としての露光制御部25と、印刷制御部23の制御によって印刷動作を行う画像形成部27と、水平同期センサ68とを備える。
印刷制御部23は、画像形成装置1を構成する各部の動作を制御する。この様な印刷制御部23は、CPU(Central Processing Unit)29と、SRAM(Static Random Access Memory)31と、プログラムROM(Read Only Memory)33と、水平同期センサ68の検出結果に基づいて画像情報における1ライン毎の画素クロック信号を生成する画素クロック生成回路34とを備える。プログラムROM33には予め各部の動作のプロセスに関するプログラムが記憶されており、CPU29及びSRAM31は、プログラムROM33に記憶されたプログラムに基づいて画像形成装置1を構成する各部材の印刷動作の制御を行う。また、印刷制御部23は、情報処理装置から送信された画像情報を所定のラスタイメージ情報に変換し、露光制御部25に供給する。ここで、印刷制御部23から露光制御部25にラスタイメージ情報が供給されるときは、潜像画像の1ライン分のラスタイメージ情報が順次供給される。
露光制御部25は、印刷制御部23から供給されたラスタイメージ情報、及び画素クロック生成回路34において生成された画素クロック信号、及び印刷制御部23からの制御に基づいて露光装置50の駆動を制御する。この様な露光制御部25は、図4に示す様に印刷制御部23から画像情報に基づくラスタイメージ情報が供給される発光情報供給手段としてのラスタイメージバッファ制御部35と、露光装置50の時間情報を各部に供給する時間情報供給手段としての発光時間制御部37と、露光装置50の駆動を制御する発光制御手段としてのレーザビーム駆動制御部39とを備える。
画像形成部27は、印刷制御部23からの制御に基づいて用紙P上に画像情報に基づく現像剤画像を形成する。この様な画像形成部27は、印刷制御部23からの制御に基づいて各部の図示せぬモータを駆動するモータ駆動制御部27aと、レジストローラ7a,b並びにホッピングローラ8a,b、搬送ベルト9、及びレジストローラ17並びにホッピングローラ18によって構成される搬送装置27bと、現像装置11と、定着装置15と、転写装置13とを備える。
ラスタイメージバッファ制御部35は、情報処理装置から送信された画像情報に基づくラスタイメージ情報IMG1を記憶し、当該記憶したラスタイメージ情報IMG1に基づく信号をレーザビーム駆動制御部39に供給する。ここでラスタイメージバッファ制御部35からレーザビーム駆動制御部39に供給される信号は、4ビット幅の信号であり、レーザビーム駆動制御部39の後段に接続された露光装置のレーザ光源52a,52b,52c,52dのオン・オフを制御する画像信号S2である。尚、画像信号S2のビット幅は、露光装置における1ドット分のレーザ光源アレイ52を構成するレーザ光源52a,52b,52c,52dの数に対応する。詳細は後述するが、本実施例においては、1ドット分のレーザ光源アレイ52は4個のレーザによって構成されている為、レーザビーム駆動制御部39は、各レーザに対応して設けられており、それぞれをレーザビーム駆動制御部39a、レーザビーム駆動制御部39b、レーザビーム駆動制御部39c、及びレーザビーム駆動制御部39dとする。
発光時間制御部37は、レーザ光源52a,52b,52c,52dの駆動時間を示す予め定められた値に基づいて生成された情報を用いて露光装置50の駆動時間に関する発光制御信号t1をレーザビーム駆動制御部39に供給する。ここで、予め定められた値とは、保持手段としてのレジスタ41a,41b,41c,41dに保持された、予め定められた設定時間情報t2である。さらに、発光時間制御部37は時間を計測するタイマー42と、タイマー42のタイマー値t3とレジスタ41a,41b,41c,41dに保持された設定時間情報t2とを比較する比較器43を備える。
レーザビーム駆動制御部39は、ラスタイメージバッファ制御部35から供給される発光情報としての画像信号S2、発光時間制御部37において生成された発光時間情報としての発光制御信号t1、及び画素クロック生成回路34において生成された画素クロック信号CLKに基づいて露光装置50の駆動を制御する。レーザビーム駆動制御部39は、先述の様に、各レーザに対応して設けられたレーザビーム駆動制御部39a、レーザビーム駆動制御部39b、レーザビーム駆動制御部39c、及びレーザビーム駆動制御部39dとを備え、レーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dは、それぞれラスタイメージバッファ制御部35、発光時間制御部37、及び画素クロック生成回路34と電気的に接続されている。また、レーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dは、自身に対応するレーザと電気的に接続されており、入力された情報に基づいて自身に対応するレーザにレーザビーム駆動信号S33〜S30を供給することで、自身に対応するレーザ光源52a,52b,52c,52dの駆動を制御する。
以下、上述した各信号について詳細な説明をする。
発光制御信号t1は、レーザの駆動時間に関する要素を含む信号であり、後述する方法で設定時間情報t2及びタイマー値t3に基づいて発光時間制御部37によって生成される信号である。具体的には発光制御信号t1は、設定時間情報t2とタイマー値t3とを比較器43によって比較することで生成される信号である。これら発光制御信号t1は、レーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dにそれぞれ異なった値として供給される。
タイマー値t3は、図示せぬシステムクロック供給部から供給されるシステムクロック信号が到来する毎に値が1増加する。また、設定時間情報t2は、予めレジスタ41a,41b,41c,41dに保持された値であり、それぞれが異なる値である。比較器43は、この様な設定時間情報t2及びタイマー値t3に基づいて発光制御信号t1を生成し、比較器43からレーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dに供給する。ここで、各レジスタ41a,41b,41c,41dに保持された設定時間情報t2は、それぞれ自身に対応するレーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dに供給される。また、本実施例においては、レジスタ41a,41b,41c,41dを4個備えるものとして詳細な説明を行っている為、レジスタ41a,41b,41c,41dにはそれぞれ異なる、4種類の設定時間情報t23〜t20が保持されている。ここで、レジスタ41aに保持された設定時間情報t23を1×Stとすると、レジスタ41bに保持された設定時間情報t22は2×Stとなり、レジスタ41cに保持された設定時間情報t21は4×Stとなり、レジスタ41dに保持された設定時間情報t20は8×Stとなる。この様に、各レジスタ41a,41b,41c,41dに保持された設定時間情報t2は、自身に隣接するレジスタ41a,41b,41c,41dの略2倍の値であることが好ましい。
これら発光制御信号t13〜t10、設定時間情報t23〜t20、及びタイマー値t3は、図5に示す様な関係を示す。先述の様にタイマー値t3は、図示せぬ画像形成装置1全体のシステムクロック信号が到来する毎に値が1増加するが、時刻T1において画素クロック信号CLKの立ち下がると、その値は0にリセットされる。また、時刻T1においてタイマー値t3がリセットされるのと同期して、発光制御信号t13〜t10が立ち上がる。
また、これら発光制御信号t13〜t10、設定時間情報t23〜t20、及びタイマー値t3が供給されるのと同期して、レーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dには、ラスタイメージバッファ制御部35より、レーザ光源52a,52b,52c,52dのオン・オフに関する画像信号S23〜S20が供給される。
発光制御信号t13〜t10が立ち上がった後もタイマー値t3は増加を続けるが、比較器43が、タイマー値t3が設定時間情報t23〜t20の何れかの値と同一の値に達したことを検出すると、発光時間制御部37は発光制御信号t13〜t10を立ち下げる。例えば、時刻T1において発光制御信号t13〜t10が立ち上がった後、時刻T2においてタイマー値t3が設定時間情報t23と同一の値である1×Stに達すると、比較器43はこれを検出し、設定時間情報t2を保持したレジスタ41dに対応する発光制御信号t10を立ち下げる。この発光制御信号t10は、レーザビーム駆動制御部39dに供給される信号であり、時刻T2において発光制御信号t10が立ち下がると、当該発光制御信号t10はレーザビーム駆動制御部39dに供給される。この様なプロセスは、時刻T3においてタイマー値t3が2×Stと同一の値に達したとき、時刻T4においてタイマー値t3が4×Stと同一の値に達したとき、及び時刻T5においてタイマー値t3が8×Stと同一の値に達したときに行われる。
上述の方法で、ラスタイメージバッファ制御部35より画像信号S23〜S20が、そして発光時間制御部37から発光制御信号t13〜t10がレーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dに供給されると、レーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dに供給された各信号、及びレーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dからレーザ光源52a,52b,52c,52dに供給されたレーザビーム駆動信号S3の関係は、図6に示す様な関係となる。
レーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dに画素クロック生成回路34より画素クロック信号CLKが供給され、当該画素クロック信号CLKが立ち下がるタイミングで、発光制御信号t13〜t10は立ち上がり、さらにこれに合わせてレーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dに4ビット幅の画像信号S23〜S20が供給されると、レーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dからレーザ光源52a,52b,52c,52dにはレーザ光源52a,52b,52c,52dを駆動するレーザビーム駆動信号S33〜S30が供給される。このレーザビーム駆動信号S33〜S30は、発光制御信号t13〜t10及び画像信号S23〜S20に基づいて生成される信号である。具体的にはレーザビーム駆動信号S33〜S30は、発光制御信号t13〜t10に基づいてレーザ光源52a,52b,52c,52dの発光時間を制御し、画像信号S23〜S20に基づいてレーザ光源52a,52b,52c,52dをオン状態又はオフ状態とする。
例えば、時刻T6において、画素クロック生成回路34からレーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dに画素クロック信号CLKが供給されると、上述の様に、発光制御信号t13〜t10が立ち上がる。また、このときレーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dには、4ビット幅の画像信号S23〜S20が供給される。ここで供給される画像信号S23〜S20は、16進数の値Fから1ずつ減少する信号であり、以下では、画像形成装置1がこの様な画像信号S23〜S20を処理する方法を説明する。
ラスタイメージバッファ制御部35からレーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dに値Fの画像信号S23〜S20が供給されると、レーザビーム駆動信号S33〜S30が立ち上がり、レーザ光源52a,52b,52c,52dは全てオン状態となり、発光する。その後、時刻T7において発光制御信号t10が立ち下がると、レーザビーム駆動制御部39dからレーザ光源52dに供給されるレーザビーム駆動信号S30は立ち下がり、レーザ光源52dはオフ状態となる。その後、同様のプロセスでレーザ光源52c,52b,52aが順次オフ状態となり、像担持体11b上には値Fの画像信号S23〜S20に基づく潜像画像が露光される。
また、レーザ光源52aがオフ状態となった後、ラスタイメージバッファ制御部35及び発光時間制御部37に再度画素クロック信号CLKが供給される。ラスタイメージバッファ制御部35は、画素クロック生成回路34から画素クロック信号CLKが供給されると、レーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dに値Eの画像信号S23〜S20を供給する。またこれと合わせて発光時間制御部37は、レーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dに発光制御信号t13〜t10を供給し、レーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dは上述した方法と同様の方法でレーザ光源52a,52b,52c,52dのオン・オフを制御し、像担持体11b上に値Eの画像信号S23〜S20に基づく潜像画像を露光する。
この様にして制御されたレーザ光源52a,52b,52c,52dによって露光される潜像画像の1ドットは、図7の例に示す様に形成される。本実施例においては解像度4800×1200dpi(dot per inch)の潜像画像を像担持体11b上に露光するものとして詳細な説明をする。解像度が4800×1200dpiの場合、1個のレーザ光源52a,52b,52c,52dによって露光される主走査線方向の領域の長さは最大で1/1200インチとなる。また、各レーザ光源52a,52b,52c,52dの中心部の間隔は、1/4800インチとなっている。すなわち、各レーザ光源52a,52b,52c,52dによる各露光部の中心部の間隔は、画素ピッチの整数分の1である。
レーザ光源52a,52b,52c,52dによって露光された領域AR3〜AR0は、値Fの画像信号S23〜S20に基づいて露光された領域であり、領域AR3〜AR0によって1ドット分の潜像画像を構成する。この様にして露光される領域AR3〜AR0の副走査線方向の長さは、レーザ光源52a,52b,52c,52dの発光時間に基づくものであり、レーザ光源52a,52b,52c,52dの発光時間は、発光時間制御部37からレーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dに供給される発光制御信号t13〜t10に基づく信号であり、発光制御信号t13〜t10の時間に関する要素は、レジスタ41a,41b,41c,41dに保持された設定時間情報t2に基づくものである。すなわち、レジスタ41a,41b,41c,41dに保持された設定時間情報t2に基づいて4個のレーザ光源52a,52b,52c,52dの発光時間を制御することで、画素値FF〜00の256階調のドットを表現することができる。
以上、第1の実施の形態に係る画像形成装置1によれば、レーザ光源52a,52b,52c,52dの発光時間に関する予め決定された設定時間情報t2をレジスタ41a,41b,41c,41dに保持し、当該保持された設定時間情報t2をレーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dに供給することで、ラスタイメージバッファ制御部35に記憶したラスタイメージ情報IMG1に基づく画像信号S2を、直接レーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dに供給することができる為、従来必要とされていた画素―発光パターン変換制御部103を設ける必要がなくなる。すなわち、露光制御部25の回路規模を縮小することが可能となり、さらには画像形成装置1を縮小することが可能となる。
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について詳細な説明をする。上述した画像形成装置1においては、印刷制御部23から露光制御部25にラスタイメージ情報が供給されるときは、潜像画像の1ライン分のラスタイメージ情報IMG1が順次供給されることとしたが、画像形成装置70においては、後述するラスタイメージバッファ制御部に複数ライン分のラスタイメージ情報が供給される。ここでラスタイメージバッファ制御部に記憶された複数ライン分のラスタイメージ情報に基づく画像信号は、画素クロック生成回路から供給される画素クロックに基づいて、レーザビーム駆動制御部に供給される。さらにレーザビーム駆動制御部は複数個設けられており、各レーザビーム駆動制御部は、1ライン分の潜像画像を露光する複数のレーザ光源の駆動を制御する。なお、画像形成装置70と画像形成装置1は、同一の構成を有する箇所がある為、その箇所については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
画像形成装置70に備えられた露光制御部71は、複数ライン分のラスタイメージ情報IMG2を記憶するラスタイメージバッファ制御部72と、発光時間制御部37と、複数個のレーザ光源の駆動を制御するレーザ制御部73とを備える。この様な露光制御部71において、印刷制御部23からラスタイメージバッファ制御部72に複数ライン分のラスタイメージ情報IMG2が供給されると、ラスタイメージバッファ制御部72は当該ラスタイメージ情報IMG2を記憶する。そしてラスタイメージバッファ制御部72に画素クロック生成回路34から画素クロック信号CLKが供給されると、ラスタイメージバッファ制御部72は、当該ラスタイメージ情報IMG2に基づく画像信号S2をレーザ制御部73に供給する。またこのとき、レーザ制御部73には発光時間制御部37より発光制御信号t1が供給され、画像信号S2及び発光制御信号t1を供給されたレーザ制御部73は、これらの信号に基づいてレーザ光源アレイ75を駆動する。
ラスタイメージバッファ制御部72は、印刷制御部23から供給されたラスタイメージ情報IMG2を、1ライン分の画像信号S2に変換し、当該画像信号S2を自身と電気的に接続されたレーザ制御部73に供給する。
レーザ制御部73は、ラスタイメージバッファ制御部72から供給された画像信号S2及び発光時間制御部37から供給された発光制御信号t1に基づいて自身と電気的に接続されたレーザ光源アレイ75を駆動する。この様なレーザ制御部73は、詳細は後述するが、1ドット分の潜像画像を露光する複数個のレーザ光源によって構成されるグループを制御するレーザビーム駆動制御ブロック73a,73b,73c,・・・によって構成される。また、これらレーザビーム駆動制御ブロック73a,73b,73c,・・・は、自身が制御するレーザ光源の数に応じて、レーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,・・・を備える。
レーザ光源アレイ75は、複数個のレーザ光源77a,77b,77c・・・を配列して構成される。この様なレーザ光源アレイ75を構成するレーザ光源77a,77b,77c・・・は、実質的に1ドットを露光するグループに分割されている。そして各グループには、自身に対応するレーザビーム駆動制御ブロック73a,73b,73c,・・・が設けられている。そして、この様なレーザビーム駆動制御ブロック73a,73b,73c,・・・は、ラスタイメージバッファ制御部72から供給された画像信号S2に基づいて1ドットを露光するレーザ光源77a,77b,77c・・・を制御する。
ここで、本実施の形態においては、説明の便宜上、図9に示す様に4個のレーザ光源レーザ光源77a,77b,77c・・・77pによって1ドットを露光するものとする。すなわち、各レーザビーム駆動制御ブロック73a,73b,73c,・・・は4個のレーザ光源77a,77b,77c・・・と接続されており、各レーザビーム駆動制御ブロック73a,73b,73c,・・・は4個のレーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dを備える。さらに本実施の形態においては、レーザビーム駆動制御ブロック73a,73b,73c,・・・を4個備えるものとする。すなわち、レーザ光源アレイ75は、16個のレーザ光源77a,77b,77c・・・77pによって構成され、これら16個のレーザ光源77a,77b,77c・・・は、実質的に4個のグループに分割されている。すなわち、レーザ光源77a,77b,77c,77dは、レーザビーム駆動制御ブロック73aによって制御され、レーザ光源77e,77f,77g,77hは、レーザビーム駆動制御ブロック73bによって制御され、レーザ光源77i,77j,77k,77lは、レーザビーム駆動制御ブロック73cによって制御され、レーザ光源77m,77n,77o,77pは、レーザビーム駆動制御ブロック73dによって制御される。また、ここでラスタイメージバッファ制御部72から各レーザビーム駆動制御ブロック73a,73b,73c,73dに供給される画像信号S23〜S20,画像信号S27〜S24,画像信号S211〜S28,画像信号S212〜S215は、データ幅4ビットの信号となる。
この様な構成を備える各レーザ制御部73に、ラスタイメージバッファ制御部72から画像信号S23〜S20が供給され、発光時間制御部37から発光制御信号t13〜t10が供給されると、レーザ制御部73に供給された画像信号S2、発光制御信号t1、及びレーザ制御部73からレーザ光源77a,77b,77c・・・77pに供給されるレーザビーム駆動信号S315〜S30の関係は、図10に示す様な関係となる。
例えばレーザビーム駆動制御ブロック73aを構成するレーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dに画素クロック生成回路34から画素クロック信号CLKが供給され、発光時間制御部37から発光制御信号t13〜t10が供給され、ラスタイメージバッファ制御部72から画像信号S2が供給されると、当該画素クロック信号CLKが立ち下がるタイミングで、発光制御信号t13〜t10は立ち上がり、さらにこれに合わせてレーザビーム駆動制御ブロック73a,73b,73c,73dに4ビット幅の画像信号S2 15〜0が供給されると、レーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dからレーザ光源77a,77b,77c,77dに、レーザ光源77a,77b,77c,77dを駆動するレーザビーム駆動信号S33〜S30が供給される。これと同様の方法で、レーザビーム駆動制御ブロック73bからレーザ光源77e,77f,77g,77hにレーザビーム駆動信号S37〜S34が供給され、レーザビーム駆動制御ブロック73cからレーザ光源77i,77j,77k,77lにレーザビーム駆動信号S311〜S38が供給され、レーザビーム駆動制御ブロック73dからレーザ光源77m,77n,77o,77pにレーザビーム駆動信号S315〜S312が供給される。
例えば、時刻T11において、画素クロック生成回路34からレーザビーム駆動制御ブロック73aを構成するレーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dに画素クロック信号CLKが供給されると、上述の様に、発光制御信号t13〜t10が立ち上がる。また、このときレーザビーム駆動制御ブロック73aを構成するレーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dには、4ビット幅の画像信号S23〜S20が供給される。ここで供給される画像信号S23〜S20は、16進数の値Fから1ずつ減少する信号であり、以下では、画像形成装置1がこの様な画像信号S23〜S20を処理する方法を説明する。
ラスタイメージバッファ制御部72からレーザビーム駆動制御ブロック73aを構成するレーザビーム駆動制御部39a,39b,39c,39dに値Fの画像信号S23〜S20が供給されると、レーザビーム駆動信号S33〜S30が立ち上がり、レーザ光源77a,77b,77c,77dは全てオン状態となり発光する。その後、時刻T12において発光制御信号t10が立ち下がると、当該レーザビーム駆動制御部39dからレーザ光源77dに供給されるレーザビーム駆動信号S30は立ち下がり、レーザ光源77dはオフ状態となる。その後、同様のプロセスでレーザ光源77c,77b,77aが順次オフ状態となり、像担持体11b上には値Fの画像信号S23〜S20に基づく潜像画像が露光される。レーザビーム駆動制御ブロック73b,73c,73dにおいても同様のプロセスでレーザ光源77e,77f,77j,・・・77pが駆動される。
ここで、レーザ光源77a,77b,77c,77dは、図11に示す様に露光装置の主走査線方向に対して所定の角度をもって形成されているとすると、レーザ光源77a,77b,77c,77dによって露光される領域AR3〜0は、同図に示すな領域となる。本実施例においては解像度4800×1200dpiの潜像画像を像担持体11b上に形成するものとして詳細な説明をする。解像度が4800×1200dpiの場合、1個のレーザ光源52a,52b,52c,52dによって露光される主走査線方向の領域の長さは最大で1/1200インチとなり、各レーザ光源77a,77b,77c,77dの中心部における主走査線方向の間隔、及び副走査線方向の間隔は共に1/4800インチとなる。すなわち、各レーザ光源77a,77b,77c,77dの中心部の間隔は、画素ピッチの整数分の1であることが好ましく、さらにレーザ光源77a,77b,77c,77dは主走査線方向に対して45度の角度をもって配列されていることが好ましい。
以上、第2の実施の形態に係る画像形成装置70によれば、画像形成装置1と同様に露光制御部の回路規模を縮小することが可能となり、さらには画像形成装置70を縮小することが可能となる。
尚、図7及び図12に示す領域の位置は、潜像を形成する為の光キャリアが像担持体11bの光導電層を走行する間に拡散する現象や、形成された潜像により生じる電位ポテンシャルのコントラストが像担持体11bの導電性基板までに存在する空間により低下する現象が生じる為、必ずしもそのままの形状で顕像化されることを意味するものではない。
また、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、実施の形態においては、第1の光源及び第2の光源としてレーザ光源52a,52b,52c,・・・、又はレーザ光源77a,77b,77c・・・を用いて詳細な説明を行ったが、LED(Light Emitting Diode)を用いることも可能である。
また、本実施の形態においては、発光エネルギーを変化させる為に、単位時間当たりの発光時間を変化させ、単位時間当たりの電流を減らす制御が行われているが、単位時間当たりの発光時間を変更せずに、単位時間当たりの発光時間に比例して発光部への電流を変化させる構成としても良い。即ち、隣接する光源間で駆動電流を2倍にすることが好ましい。