以下に、各発明を実施するための最良の形態を説明する。なお、本発明はこれらの実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる様態で実施しうる。実施形態1は、主に請求項1、4、5、6、7、9、10等について説明する。また、実施形態2は、主に請求項2、3等について説明する。また、実施形態3は、主に請求項8等について説明する。また、実施形態4は、主に請求項11、15等について説明する。また、実施形態5は、主に請求項12、16等について説明する。また、実施形態6は、主に請求項13、14、17等について説明する。
<<実施形態1>>
<実施形態1:概要> 実施形態1は生体情報処理システムに関する。図1は本実施形態の生体情報処理システムの概念の一例を示すものである。この図は、リングセンサ(0101)を装着した破線で示す手が、携帯型電子機器(0102)である携帯電話を把持している場面を示している。リングセンサは、手が携帯電話を把持したときに、取得した生体情報を図示していない生体情報出力端子から携帯電話に出力する。携帯電話側はリングセンサの生体情報出力端子を嵌合するように凹型生体情報取得部(0103)を有することで、凹型生体情報取得部内の図示していない入力端子と生体情報出力端子が至近距離に配置されるようにしている。これにより、ユーザが特に意識することなくリングセンサを装着した手で携帯型電子機器を把持するだけで、リングセンサ内にバッファされた生体情報を携帯型電子機器に送信できる。
<実施形態1:構成> 図2は、実施形態1の構成を示す機能ブロック図の一例である。この図に示す本実施形態の生態情報処理システム(0200)は、リングセンサ(0201)と、携帯型電子機器(0202)とからなり、リングセンサは生体情報出力端子(0203)を、また携帯型電子機器は凹型生体情報取得部(0204)とを有している。
<実施形態1:構成の説明> 以下に実施形態1の各構成を説明する。
「リングセンサ」(0201)は、手に装着してその手から生体情報を取得するように構成されている。リングセンサは、手にある程度密着した状態で、手を周回するようなリング形状をなしている。リング形状は、血圧や脈拍のような生体情報を際に、皮膚面を加圧する上で、必要な形状である。このようなリング形状を持つものとしては、例えば、指輪、腕輪、テープ、手袋等が挙げられる。テープはリング状ではないが、装着時に手に巻きつけてリング形状とすることができる。また、手袋は指の長軸に対する垂直断面がリング形状であるため該当する。リングセンサの装着場所は手であれば特に限定はしない。例えば、左右どちらの手であっても、またいずれの指であっても構わない。当該リングセンサは、ハードウェア構成上、生体から生体情報を取得するためのセンサ、取得した生体情報を処理するCPU、メインメモリであるRAM、取得した生体情報をバッファするための不揮発性メモリ、携帯型電子機器等との間で情報の通信や電力を受容するためのインターフェースで構成されている。
リングセンサへの電力の供給方法は、例えば、インターフェースを介した携帯型電子機器との接触時に当該携帯型電子機器から内蔵のバッテリーに充電される方法等が挙げられる。この方法はバッテリーを有するが、端子を介した直接充電であるため送受信機を必要としない。したがって、リングセンサの小型化が可能となる。他の電力供給の方法として、携帯型電子機器に備えられた無線による電力供給手段により供給する方法や、リングセンサにソーラー電池、若しくは外気と体温の温度差で発電する熱起電力素子を搭載することによりリングセンサに自家発電させる方法も挙げられる。これらの方法は、リングセンサをバッテリーレスにすることができるため、リングセンサの小型化、軽量化が可能となる。
「生体情報」とは、生体の全身、各器官、又は各組織の状態を示す情報である。例えば、血圧、体温、血液成分、血中酸素飽和度、脈拍、心電図、脳波等のある時点の状態や、経時的な状態の変化に関する情報である。このような情報は、センサにより生体から取得された後、電気信号に変換され、処理されて、最終的に数値やグラフ等のユーザが具体的に認識できる情報として表示される。本発明のリングセンサで取得する生体情報は、手からその情報を取得するという構成から、血圧、体温、血液成分(血糖値を含む)、血中酸素飽和度、脈拍、汗成分等が該当する。生体情報は、同一個人であっても測定ごとに誤差によるバラツキが生じる。そのため数回の測定程度では正確な値を算出できないことが多い。しかし、リングセンサであれば、継続的な生体情報の取得が可能となる。継続取得であれば、誤差を相殺して、より正確な生体情報の取得ができるる。そのような意味からもリングセンサから生体情報を得る本発明は、従来の携帯型電子機器にセンサを内蔵するタイプの発明よりも優れていると言える。
生体情報の取得は、専用のセンサによって行われる。例えば、血圧であれば血圧センサ、体温であれば体温センサ、血液成分であれば血液成分センサ、血中酸素飽和度であれば血中酸素濃度測定センサ、脈拍であれば脈拍センサという具合である。ここで、センサの構成例として体温を測定する体温センサを例に挙げて説明する。体温センサは、サーミスタによって形成された感温素子を有している。体温センサは、このサーミスタを定電圧駆動させ、生体に接した際にこのサーミスタに流れる電流の変化を電流電圧変換することにより電気信号として体温を取得する。このようにして取得された電気信号は、計測回路で補正、増幅等の処理が加えられ、A/D変換部にてデジタル信号に変換される。当該デジタル信号は、体温情報として後述するリングセンサ内の不揮発性メモリにバッファされる。
「生体情報出力端子」(0203)は、リングセンサにあって、取得した生体情報を出力するように構成されている。生体情報出力端子は、取得した生体情報をユーザが特に意識することなく後述する凹型生体情報取得部を介して携帯型電子機器に転送できる構成となっている。ゆえに、取得した生体情報の出力先は、通常は携帯型電子機器である。しかし、ユーザが意識的にリングセンサから生体情報を転送させる場合もあり得る。したがって、そのような場合、生体情報出力端子からの生体情報の出力先は、携帯型電子機器以外の電子機器であってもよい。例えば、デスクトップ型PCのような固定型電子機器等等が該当する。また、実施形態4で述べるように生体情報出力端子は、携帯型電子機器から送信される設定情報等を取得可能なようにも構成されている。つまり、生体情報出力端子は情報の出力だけでなく入力できる。生体情報出力端子の数は、情報の出入力が可能なように構成されていれば、特に限定しない。例えば、出入力が可能な一の端子で構成されていてもよいし、出力専用と入力専用の端子からなる2以上の端子から構成されていてもよい。デバイスとしての生体情報出力端子は、携帯型電子機器との間で情報の通信を行うリングセンサ側のインターフェースに該当する。
生体情報出力端子の設置場所は、リング外周部であることが望ましい。これは、リング外周面であれば、皮膚に邪魔されることなく生体情報出力端子を凹型生体情報取得部に嵌合させることができるためである。なお、ここで言うリング外周部にはリング上面のみならずリング側面も含まれる。リング外周部における生体情報出力端子の配置は、生体情報出力端子が凹型生体情報取得部に嵌合したときに至近配置されれば、特に限定しない。例えば、図4で示すように生体情報出力端子がリング外周部の全周にわたってリング形状に形成されていてもよい(生体情報出力端子:0401)。この場合は、装着したリングが回転しても生体情報出力端子を常に携帯型電子機器の入力端子に至近配置できるという利点がある。また、図5で示すように生体情報出力端子がリング外周部の一部に円弧形状をなすように形成されていてもよい(生体情報出力端子:0501)。この場合は、生体情報出力端子のない外周面に装飾を施すこと等が可能となるので、リングセンサを外見的に違和感のない状態で装着できるという利点がある。
「携帯型電子機器」(0202)は、リングセンサから生体情報を取得して処理するように構成されている。携帯型電子機器とは、ユーザが携帯できる電子機器全般を指す。例えば、携帯電話、PDA、デジタルカメラ、ポータブルミュージックプレーヤー、ノートブックパソコン等が該当する。また、携帯型電子機器は、前記のような元来電子機器としての機能を有するもの以外のものであってもよい。例えば、スキーのストックのグリップ部のように本来は電子機器でない部分を電子機器化して本発明の生体情報処理システムの携帯型電子機器とすることもできる。これによりスキー選手等は、手袋状のリングセンサから取得される練習時の自己の生体情報を得ることが可能となる。携帯型電子機器として特に好ましいのは携帯電話である。なぜなら、前述のように携帯電話は昨今老若男女を問わず多くの人々が日常的に携帯し、また度々把持する携帯型電子機器だからである。したがって、携帯電話であればリングセンサが取得した生体情報を頻繁に転送することができる。これは、リングセンサ内の不揮発性メモリの記憶容量を大きくすることなしに継続的な生態情報の取得が可能となることからも便利である。当該携帯型電子機器は、取得した情報の処理を行うCPU、メインメモリであるRAM、取得した情報の記録、保持をする不揮発性メモリ、映像を表示するディスプレイ、様々な命令を入力するためのキー、リングセンサ等の外部電子機器との間で情報の通信や電力の供給を行うためのインターフェース、バス等を基本構成として有する。携帯型電子機器が携帯電話の場合であれば、さらに外部との通信を行うアンテナ、音声を入力するマイク、音声を出力するスピーカー、マナーモード用のバイプレータ、バッテリー等を有している。
取得した生体情報の処理については特に限定はしない。例えば、リングセンサから取得した生体情報の数値等をそのままディスプレイで表示してもよいし、予め入力された解析プログラム等に従って、取得した生体情報の時間的変化をグラフ化する等してもよい。
「凹型生体情報取得部」(0204)は、携帯型電子機器にあって、リングセンサを装着した手で把持する際に、そのリングセンサの生体情報出力端子に対応する位置にこれを嵌合するように構成されている。凹型生体情報取得部は、その内部にリングセンサとの間で情報の通信を行うための入力端子であるインターフェースを有する。一のリングセンサと対応する凹型生体情報取得部の凹部は複数あってもよい。例えば、リングセンサが指に装着されている場合、いずれの指に装着してもリングセンサが凹部に対して嵌合可能であると便利である。そこで、いずれの指にリングセンサが装着されていても、いずれかの凹部にリングセンサが嵌合するようにリングセンサを嵌めた指の部分が自然と当接するであろう携帯型電子機器の領域の全てに凹部を備えるとより好ましい。「生体情報出力端子に対応する位置にこれを嵌合する」とは、生体情報出力端子が生体情報出力端子とその周辺部を前記入力端子との間で情報通信できるように配置し、かつホールドすることを言う。すなわち、図6で示すようにリングセンサ(0604)の生体情報出力端子(0601)は、凹型生体情報取得部(0602)によって携帯型電子機器(0605)上でホールドされることになる。これによって生体情報出力端子(0601)と入力端子(0603)の両インターフェースが至近配置されることから両端子間での通信が容易に行えるようになる。このとき生体情報出力端子と入力端子は、必ずしも接触する必要はない。なぜなら、両端子が所定の距離以下に配置されれば、RFIDとRFIDリーダーのように無線通信によって通信を行うことも可能だからである。したがって、生体情報出力端子と入力端子は図4や図5で示したように外界に露出した状態だけでなく、図7で示すように端子がプラスチックフィルム(0701)等で被覆された状態であっても問題はない。
ところで、生体情報出力端子が図4のようにリング外周部の全周にわたって形成されている場合には、装着したリングセンサが回転しても当該端子を携帯型電子機器の入力端子に至近配置できる。よって、このように形成されている場合、回転方法に対しては端子どうしの至近配置に問題はない。ところが、リングセンサが凹型生体情報取得部の中で横方向にずれた場合には、両端子が至近配置されなくなることも考えられる。また、生体情報出力端子が図5のようにリング外周部の一部に形成された円弧形状をなすように形成されている場合には、リングセンサが回転してしまうと、たとえがリングセンサと凹型生体情報取得部とが嵌合していても生体情報出力端子と入力端子とが至近配置されないことも考えられる。そこで、リングセンサの生体情報出力端子と凹型生体情報取得部とが所定の相対位置関係で嵌め合わせ可能となるようにしてもよい。すなわち、凹型生体情報取得部の凹型形状と、リングセンサのリングの円周形状とが、ともに非点対称形状でお互い嵌合可能なようにしてもよい。このような形状にすれば、嵌合後にリングセンサの回転が抑制される。それによって、生体情報出力端子と凹型生体情報取得部とはより確実に至近配置されることから便利である。リングセンサの外周形状が生体情報出力端子を中心に非点対称形状である場合の具体的例として図8、及び9を説明する。図8のAは、当該リングセンサの正面図(0801)、左側面図(0802)、右側面図(0803)、下面図(0804)の4面図を表す。また、図8のBは、Aのリングセンサ(0806)と、それを嵌合する凹型生体情報取得部(0807)との斜視図を表す。図8のAに示す4面のシルエットは通常のリングと変わらないが、図8のBのように立体構造上は、生体情報出力端子(0805)周辺の正面、側面、下面は全て左右非対称となっている。また、図9のAは、当該リングセンサの正面図(0901)、左側面図(0902)、右側面図(0903)、下面図(0904)の4面図を表す。また図9のBは、Aのリングセンサ(0906)と、それを嵌合する凹型生体情報取得部(0907)との斜視図を示している。図9のAで示すように正面、下面のシルエットは通常のリングと変わらないが、図9のBのように両側面はテーパー状で、かつ左右非対称となっている。これらの形状を有するリングセンサと、それに対応する凹型形状の凹型生体情報取得部とであれば、生体情報出力端子(0905)と凹型生体情報取得部の嵌合は所定の相対位置関係でのみ行われることになる。また、生体情報出力端子が所定の位置から多少ずれていた場合であっても、リングセンサと凹型生体情報取得部が近接することでリングセンサの回転を促し、生体情報出力端子を所定の位置に修正誘導できる。その結果、携帯型電子機器の入力端子と生体情報出力端子とを確実に至近配置できるため便利である。
携帯型電子機器の入力端子と生体情報出力端子とを、さらに確実に至近配置するために、リングセンサに個人認証リングとしての機能を持たせてもよい。これは、例えば、リングセンサに予めIDを登録しておき、携帯型電子機器は当該IDを認証した際にのみ使用可能となるようにするという具合である。このような機能をもたせていれば、たとえリングセンサのIDと携帯型電子機器の認証IDとが同一であっても、両者の嵌合が正確でなければIDは認証されない。それによって、ユーザは嵌合が不完全であることに気付き、自ら修正をするようになる。同時に当該修正によって嵌合が正確に行われるため生体情報は確実に転送される事になる。IDは任意に選択される番号であってもよいし、生体認証登録された情報であってもよい。リングセンサに指紋や静脈等の生体認証センサを搭載しておき、携帯型電子機器に予め所有者の生体認証を登録しておけばよい。もしも、リングセンサを他人が装着した場合であっても携帯型電子機器は使用できず、生体情報も送信されないため便利である。
<実施形態1:ハードウェア構成上の各部の実現> 本実施形態の各部を実現するための一例を、図3を用いて以下で具体的に説明をする。ここでは、リングセンサで生体情報として体温を測定する場合を例に説明する。
リングセンサのCPU1(0301)は、不揮発性メモリ1(0303)から生体情報取得用プログラムをRAM1(0302)上に呼び出す。CPU1はRAM1上に展開された当該プログラムを順次実行する。まず、CPU1はセンサ(0305)に対して生体からの体温情報の取得の命令を行う。次に、CPU1は、センサで取得された体温情報をRAM1(0302)に格納して、アドレスを付した後に不揮発性メモリ1(0303)にバッファする。続いて、ユーザがリングセンサを装置した手で携帯型電子機器を把持することでリングセンサの生体情報出力端子であるインターフェース1(0304)と携帯型電子機器の凹型生体情報取得部の一部であるインターフェース2(0311)とが至近配置される。このとき、CPU1は、不揮発性メモリ1にバッファされた体温情報をインターフェース1から出力させる。
携帯型電子機器ではCPU2(0306)がインターフェース2より受信した体温情報をRAM2(0307)に格納する。CPU2は、生体情報処理用のプログラムを不揮発性メモリ2(0308)からRAM2に呼び出す。続いて、CPU2はRAM2上に展開された当該プログラムを順次実行することで、前記格納された体温情報の加工、蓄積、出力を行う。以上によって、本実施形態の生体情報処理システムを実現できる。
<実施形態1:処理の流れ> 図10は実施形態1の生体情報処理システムの装置としての処理の流れの一例を示したものである。まず、リングセンサ内のセンサがユーザの手から生体情報を取得する(S1001 第一生体情報取得ステップ)。次に、リングセンサは取得した生体情報を保持するように記録する(S1002 生体情報記録ステップ)。続いて、ユーザがリングセンサを装着した手で携帯型電子機器を把持したときに、前記生体情報記録ステップで記録された生体情報を生体情報出力端子から出力する(S1003 生体情報出力ステップ)。前記生体情報出力ステップで出力された生体情報は、携帯型電子機器の凹型生体情報取得部にある入力端子で取得される(S1004 第二生体情報取得ステップ)。最後に、携帯型電子機器は取得した生体情報を処理する(S1005 生体情報処理ステップ)。以上の流れによって本実施形態の生体情報処理システムの処理を達成できる。
上記処理は、コンピュータ等の計算機に実行させるためのプログラムとして実行することもできる。その場合、当該プログラムは、リングセンサ内での生体情報記録ステップ(S1002)と生体情報出力ステップ(S1003)からなるプログラムと携帯型電子機器内での第二生体情報取得ステップ(S1004)と生体情報処理ステップ(S1005)からなるプログラムによって実行される。また、これらのプログラムを計算機によって読み取り可能な記録媒体に記録することができる。
<実施形態1:効果>
本発明の生体情報処理システムによれば、ユーザがリングセンサを装着した手で携帯型電子機器を把持するだけで、特に意識することなしに携帯型電子機器の入力端子とリングセンサの生体情報出力端子とを至近配置できる。また、情報の転送にケーブル等の有線接続を行う必要はなく、必要な電力は携帯型電子機器からの無線供給やインターフェースを介して受容できるためバッテリーも必須の構成要素ではない。それゆえ、リングセンサの小型化や軽量化も可能となる。
<<実施形態2>>
<実施形態2:概要> 図11は実施形態2の概念の一例を示すものである。この図は、携帯型電子機器(1101)である携帯電話をユーザが把持したときを示している。前記実施形態1において、携帯型電子機器がリングセンサの生体情報出力端子から生体情報を取得するためには、リングセンサの当該端子の対応する位置を凹型生体情報取得部に嵌合させる必要があった。ここで、リングセンサの位置は、決まった指の関節に装着することにより、ある程度固定できる。ところが、携帯型電子機器の位置はユーザがそれをどのように把持するかによって定まるため一定しない。それゆえ、携帯型電子機器を把持しているにもかかわらず、リングセンサと凹型生体情報取得部とが嵌合されていないことが原因で携帯型電子機器が生体情報を取得できないという問題が生じ得る。そこで、本実施形態では携帯型電子機器に位置決部(1104)を設けることでユーザの把持する手(1105)を位置決めし、リングセンサ(1103)の生体情報出力端子(図示せず)を凹型生体情報取得部(1102)に、より確実に嵌合できるようにしたものである。また、ユーザにとってもこのような位置決部を設けることで、より手にフィットした感覚で携帯型電子機器を把持できるという利点もある。
<実施形態2:構成> 図12は、実施形態2の構成を示す機能ブロック図の一例である。この図に示すように本実施形態は前記実施形態1の構成を基本としている。すなわち、生態情報処理システム(1200)は、リングセンサ(1201)、携帯型電子機器(1202)、生体情報出力端子(1203)、そして凹型生体情報取得部(1204)を有している。本実施形態の特徴は、リングセンサがさらに位置決部(1205)を有している点である。以下に実施形態2の構成を説明するが、前記実施形態1と同様の構成については、その説明を省略し、ここでは、本実施形態に特徴的な位置決部(1205)についてのみを説明をする。
「位置決部」(1205)は、当該携帯型電子機器を把持する手を位置決めするように構成されている。位置決部は携帯型電子機器の外部形状である。この形状は、手の位置を無理のない状態で位置決めできればよく、特に限定はしない。例えば、図11で示したような手の形に合わせた凹部(1104)や、図13で示すような凸部(1301)等が該当する。又は、位置決部は図14で示すような指型くぼみ(1401)であって、該当する指に装着されたリングセンサ(1402)が指型くぼみに接触する位置に前記生体情報取得部(図示せず)を配置するようにしてもよい。指型くぼみであれば携帯型電子機器を把持する手の位置は特定され、結果として凹型生体情報取得部(1403)の位置は、ほば固定される。したがって、凹型生体情報取得部に対応する指にリングセンサを装着すれば、リングセンサの生体情報出力端子をさらに確実に凹型生体情報取得部に嵌合することができるようになる。
なお、本実施形態のハードウェア構成、及び処理の流れについては実施形態1と同様であることからその説明は省略する。
<実施形態2:効果> 本実施形態の生体情報処理システムの位置決部によれば、ユーザの手の位置を携帯型電子機器にホールドすることが可能となる。それによりリングセンサの生体情報出力端子と凹型生体情報取得部とをより確実に嵌合することができる。また、ユーザは、より手にフィットした感覚で携帯型電子機器を把持できる。
<<実施形態3>>
<実施形態3:概要> 実施形態3は、前記実施形態1、又は2を基本として、さらに、リングセンサがカバー部を有することを特徴とする。前述のように生体情報の継続的な測定を行うためには、リングセンサは普段から手に装着されていることが好ましい。しかし、装着期間が長ければ、リングセンサの生体情報出力端子が傷つき、あるいは破損する可能性も高くなる。そこで、本実施形態ではカバー部を設け、生体情報出力端子の非使用時にはこれをカバーし、使用時に凹部生体情報取得部との嵌合に応じて解除するようにするものである。
<実施形態3:構成> 実施形態3は前記実施形態1、又は2の構成を基本としている。図15は、実施形態1を基本とする場合の本実施形態の生態情報処理システム(1500)の機能ブロック図の一例である。この図で示すように本実施形態は、実施形態1と同様にリングセンサ(1501)、携帯型電子機器(1502)、生体情報出力端子(1503)、そして凹型生体情報取得部(1504)を有している。本実施形態の特徴は、リングセンサがさらにカバー部(1505)を有している点である。以下に実施形態3の構成を説明するが、前記実施形態1と同様の構成でについては、その説明を省略し、ここでは、本実施形態に特徴的なカバー部(1505)についてのみを説明をする。
「カバー部」(1505)は、生体情報出力端子を保護するために生体情報出力端子の非使用時にはこれをカバーし、生体情報出力端子を使用する場合に凹型生体情報取得部との嵌合に応じてカバーを解除するように構成されている。カバー部は、カバーとそれを開閉するための周辺手段とからなる。周辺手段とは、例えばカバーが解除された時に当該カバーを収納するためのカバー収納手段や、解除されたカバーを再度閉じる時にカバーを押し戻すように機能するバネ、あるいは後述の無線開閉であれば無線センサ等が該当する。カバー部は、リングセンサの生体情報出力端子と凹型生体情報取得部間の距離に応じて当該カバーを開閉することができる。カバーの開閉方法は、例えば、物理的作用による方法や無線による方法等が挙げられる。図16で物理的な作用による開閉の具体例を挙げて説明する。この図は、リングセンサ(1601)の側面が携帯型電子機器の凹型生体情報取得部(1603)に近づく過程で、カバー(1602)が開く一連の動作を示している。カバーは凹型生体情報取得部(1603)に近接することで、凹型生体情報取得部の突起物(1604)によって物理的に左右にスライドし、押し広げられる(この図では上に向かって押し上げられているように見える。)。リングセンサを凹型生体情報取得部により深く押し当てることで、カバーの下から生体情報出力端子(1605)が現れる仕組みである。逆に凹型生体情報取得部とを離した時は、カバーは内蔵のバネ等によって押し戻され、再び生体情報出力端子を遮蔽する。また、図17で無線による開閉の具体例を挙げて説明する。この図は、リングセンサ(1701)のカバー部(1702)が、無線センサ(1704)等を有する場合を示している。当該無線センサは、凹型生体情報取得部(1703)若しくはその周辺の無線送信部(1704)から送信される電波(1706)等を受信するセンサである。当該電波を受信部(1705)にて受信したカバー部は、内蔵の微小モーターを駆動させカバーを解除する。その結果、カバーの下から生体情報出力端子(1707)が現れる仕組みである。
本実施形態のハードウェア構成、及び処理の流れについては、実施形態1と同様であることから説明は省略する。なお、カバーの解除が無線にて行われる場合には、携帯型電子機器が電波、赤外線、超音波等の無線送出器を、またリングセンサは、送出された無線を受信する受信器と受信した信号によってカバーを開閉するモーターをさらに有していればよい。
<実施形態3:効果> 本実施形態の生体情報処理システムによれば、手で様々なものを把持する過程においてリングセンサの生体情報出力端子が傷つき、又は破損しにくくすることができる。
<<実施形態4>>
<実施形態4:概要> 実施形態4は、生体情報処理システムに関する。本実施形態では、リングセンサが携帯型電子機器から送信された設定情報に基づいて生体情報を取得する。また、携帯型電子機器は、当該送信した設定情報から警告スケジュールを取得して、当該スケジュールに基づいてユーザに対して警告を実行することを特徴としている。これにより、ユーザは、リングセンサから生体情報を取得する上で注意するべき情報を携帯型電子機器からの警告として知ることができる。
<実施形態4:構成> 図18は、本実施形態の生態情報処理システム(1800)の機能ブロック図の一例である。この図で示すように本実施形態は、リングセンサ(1801)と携帯型電子機器(1802)とからなり、リングセンサ(1801)は機能設定部(1803)を、また携帯型電子機器(1802)は設定情報送信部(1804)、警告スケジュール取得部(1805)、そして警告部(1806)を有する。以下に実施形態3の各構成について説明するが、リングセンサ(1801)と携帯型電子機器(1802)の基本構成は前記実施形態1から3と同様であり、既に前述したものについての説明は省略する。
「機能設定部」(1803)は、携帯型電子機器から送信される設定情報に基づき機能設定を行うように構成されている。「設定情報」とは、リングセンサが手から生体情報を取得するために必要な条件等が設定された情報である。例えば、リングセンサが複数の異なる生体情報を取得可能な場合にはいずれの生体情報の項目を取得するかというセンシング項目情報や、生体情報を測定する時間間隔を何分にするかという測定時間情報等が該当する。このような設定情報は、携帯型電子機器において予め入力されている設定プログラムに従って、ユーザの好みにより作成される。あるいは当該プログラムに予め入力されたデフォールト情報を設定情報としてもよい。作成された設定情報は、次に説明する設定情報送信部より送信される。機能設定部は、当該送信された設定情報に従って、リングセンサに入力されている生体情報取得用のプログラムを実行させる機能を有する。それによって、リングセンサは設定情報に基づいた生体情報を取得するようになる。なお、機能設定部は、デバイスとしてはリングセンサのCPUに該当する。
「設定情報送信部」(1804)は、リングセンサに対して設定情報を送信するように構成されている。送信は前記携帯型電子機器の凹型生体情報取得部にある出力端子からリングセンサの生体情報出力端子に出力される。ここで、凹型生体情報取得部にある出力端子は、前記実施形態1から3で述べた入力端子とは別に設けてもよいし、出力可能な端子として同じ端子であってもよい。送信方法は、例えば、端子どうしの接触によって行われる方法や、RFIDのように無線により行われる方法等が挙げられる。設定情報送信部は、ハードウェア構成上、設定情報の送信を命令するCPU、送信用プログラムを実行するための場であるRAM、設定情報を送信したとの情報を格納するための不揮発性メモリ、及びリングセンサに送信を行うためのインターフェースから構成される。
「警告スケジュール取得部」(1805)は、送信した設定情報に基づいて警告スケジュールを取得するように構成されている。「警告」とは、リングセンサから生体情報を取得する上で必要となるユーザへの通知情報を意味する。例えば、実施例4で説明するようにリングセンサ内のバッファが取得した生体情報でいっぱいになる時間を知らせるための情報や、インターバルをおいて生体情報を取得する場合に次の取得の時間を知らせるための情報等が該当する。「警告スケジュール」は、ユーザに対して警告を実行するための予定表である。当該警告スケジュールの取得は、リングセンサに予め入力された警告スケジュール取得用プログラム等に従って、受信した設定情報(例えば、センシング項目情報、測定時間情報、測定インターバル時間情報等)から必要な情報を抽出し、加工し、処理することで実現される。警告スケジュール取得に利用される設定情報は、警告の種類に応じて適宜選択される。警告スケジュール取得部は、ハードウェア構成上、設定情報から警告スケジュールを取得する処理を行うCPU、警告スケジュール取得用プログラムを実行するための場であるRAM、及び取得した警告スケジュールを格納するための不揮発性メモリから構成される。また、警告スケジュールはカレンダーやタイムテーブルに該当し、抽出後アドレスを付されて不揮発性メモリに格納される。
「警告部」(1806)は、取得した警告スケジュールに基づいて前記警告を実行するように構成されている。「警告を実行」とは、本生体情報処理システムを利用するユーザに対して警告を発することである。警告の手段は、ユーザに対して注意を促すことのできれるものであれば、特に限定はしない。例えば、携帯型電子機器が携帯電話である場合には、当該警告としてはアラーム音、音声、バイブレーション、イルミネーション等が挙げられる。いずれの警告手段にするかはユーザが選択できるようにすればよい。警告部のハードウェア構成は、警告スケジュールに基づいて警告を実行させる処理を行うCPU、警告スケジュール実行用プログラムを実行するための場であるRAM、警告スケジュールを格納している不揮発性メモリを基本構成とする他、警告器を有する。警告器についてはその警告手段によって異なる。例えば、警告がアラームや音声であればスピーカーが、バイブレーションであればバイブレーターが、イルミネーションであればLED等が該当する。
<実施形態4:ハードウェア構成上の各部の実現> 本実施形態の各部を実現するための一例を、図19を用いて以下で具体的に説明をする。まず、ユーザが携帯型電子機器(1907)のキー(1911)から機能設定画面の呼び出しの命令を入力する。CPU2(1908)は、当該命令により機能設定用プログラムを不揮発性メモリ2(1910)からRAM2上(1909)に呼び出す。CPU2はRAM2上に展開された当該プログラムを順次実行し、機能設定画面をディスプレイ(1913)に表示する。ユーザは、表示された機能設定画面に従ってキーから好みの設定情報を入力する。入力された設定情報はアドレスを付された後に不揮発性メモリ2に格納される。次に、CPU2は、当該設定情報をインターフェース2(1912)を介してリングセンサ(1901)に送信する。CPU2は、不揮発性メモリ2から警告スケジュール取得用プログラムをRAM2上に呼び出し、RAM2上に展開された当該プログラムを実行し、送信した設定条件から警告スケジュールを取得する。取得された警告スケジュールはアドレスを付されて不揮発性メモリ2に格納される。次に、CPU2は警告実行用のプログラムを当該警告スケジュールと共に不揮発性メモリ2からRMA2上に呼び出す。続いて、CPU2は警告実行用プログラムを順次実行することで、警告スケジュールに基づいて警告を実行する。例えば、実行する日時が警告スケジュールに記録された所定の日時であった場合には、CPU2が内蔵のカレンダー(1915:若しくは日付機構付タイマー等)から当該日時に達した旨の情報を取得した時に、スピーカー(1914)にアラーム音を発するように命令をする。一方、携帯型電子機器から送信された設定情報は、リングセンサ(1901)のインターフェース1(1904)で受信され、アドレスを付された後に不揮発性メモリ1(1905)に格納される。CPU1(1902)は、不揮発性メモリ1(1905)からRAM1(1903)上に生体情報取得用のプログラムと設定情報を呼び出す。その後、CPU1は、当該プログラムに従い、設定情報基づいて生体情報の取得を実行する。以上によって、本実施形態の生体情報処理システムを実現できる。
<実施形態4:処理の流れ> 図20は実施形態4の生体情報処理システムにおける装置としての処理の流れの一例を示したものである。本実施形態の生体情報処理システムは、手に装着してその手から生体情報を取得するリングセンサと、リングセンサから生体情報を取得して処理する携帯型電子機器とからなる。まず、携帯型電子機器においてリングセンサに対して設定情報を送信する(S2001 設定情報送信ステップ)。次に、リングセンサにおいて携帯型電子機器から送信される設定情報に基づき機能設定を行う(S2002 機能設定ステップ)。続いて、携帯型電子機器において送信した設定情報に基づいてリングセンサを利用するユーザに対して行う警告の警告スケジュールを取得する(S2003 警告スケジュール取得ステップ)。最後に、携帯型電子機器において取得した警告スケジュールに基づいて前記警告を実行する(S2004 警告ステップ)。以上の流れによって、本実施形態を処理できる。
上記処理は、コンピュータ等の計算機に実行させるためのプログラムとして実行することもできる。その場合、当該プログラムは、リングセンサ内での機能設定ステップ(S2002)からなるプログラムと、携帯型電子機器内での設定情報送信ステップ(S2001)と警告スケジュール取得ステップ(S2003)と警告ステップ(S2004)とからなるプログラムによって実行される。また、これらのプログラムを計算機によって読み取り可能な記録媒体に記録することができる。
<実施形態4:効果> 本実施形態の生体情報処理システムによれば、リングセンサが手から生体情報を取得する上でユーザが留意すべき情報を、携帯型電子機器が警告として知らせることができる。
<<実施形態5>>
<実施形態5:概要> 実施形態5は前記実施形態4を基本とする生体情報処理システムに関する。リングセンサは、前記インターバル設定手段によってなされた機能設定に従って手から生体情報を取得し続ける。このように取得された生体情報は、リングセンサのバッファ部に一時記憶される。しかし、当該バッファ部のバッファには限界がある。そこで、本実施形態は、実施形態4の警告の一形態としてリングセンサ内のバッファが取得した生体情報でいっぱいになる時間を携帯型電子機器から警告することを特徴とする。当該警告を知ったユーザは、リングセンサが装着された手で携帯型電子機器を把持する。これによりリングセンサ内のバッファ部はリセットされ、再び生体情報を取得できるバッファが確保される。
<実施形態5:構成> 図21は、本実施形態の生態情報処理システム(2100)の機能ブロックの一例である。この図で示すように本実施形態は、前記実施形態4の構成を基本としている。すなわち、本実施形態は、前記実施形態4と同様にリングセンサ(2101)と携帯型電子機器(2102)とからなり、リングセンサは機能設定部(2103)を、また携帯型電子機器は設定情報送信部(2104)、警告スケジュール取得部(2105)、及び警告部(2106)を有している。本実施形態に特徴的な構成は、リングセンサがバッファ部(2109)を、機能設定部がインターバル設定手段(2107)を、そして警告スケジュール取得部がバッファ警告スケジュール取得手段(2108)をさらに有している点である。以下に実施形態5の構成を説明するが、前記実施形態4と同様の構成で既に前述のものについてはその説明を省略し、ここでは本実施形態に特徴的なバッファ部、インターバル設定手段、そしてバッファ警告スケジュール取得手段について説明をする。
「バッファ部」(2109)は、取得した生体情報を送信前にバッファ(一時記憶)するように構成されている。バッファ部で保持された生体情報は、通常、生体情報出力端子を介して携帯型電子機器等に送信した後にはバッファ部から消去される。バッファ部は、デバイス上、不揮発性メモリに該当する。したがって、バッファ部の記憶容量は、リングセンサによって予め定まる。バッファ部の記憶容量は、取得した生体情報を携帯型電子機器に送信するまでの期間を少しでも長くするため、あるいはより多くの生体情報を保持するため、大きいほど好ましいが、特に限定するものではない。
「インターバル設定手段」(2107)は、送信された設定情報に基づいてセンサの測定インターバルと、測定時間に関する機能設定を行うように構成されている。生体情報の定期的な取得は重要である。しかし、一般に生体の有するホメオスタシス(恒常性維持機能)により、生体情報が近接する時間内で大きく変動することはない。電力消費や生体情報を記憶する容量の点からも連続測定はあまり好ましいとは言えない。そこで、インターバル設定手段により所定の時間間隔をあけて定期的な測定を行うことで、効率的、かつ効果的に生体情報を取得するものである。生体情報として体温を取得する設定情報を携帯型電子機器から受信した場合を例に挙げて説明する。インターバル設定手段は、受信した設定情報に基づいて、内蔵の体温センサから体温を測定する一回あたりの時間や、次の測定までのインターバル等をリングセンサに対して設定する。この測定時間や測定インターバルはユーザが好みで設定できるように設定情報に含まれていてもよいし、単に「体温測定」という設定情報に基づいてリングセンサに予め入力された生体情報取得用のプログラムに従って適切な条件を算出するものであってもよい。インターバル設定手段は、CPU、RAM、及び不揮発性メモリによって構成される。
「バッファ警告スケジュール取得手段」(2108)は、インターバル設定手段が利用すべき設定情報に基づいて前記バッファがいっぱいになる時間を知らせるための警告のバッファ警告スケジュールを取得するように構成されている。バッファ警告スケジュール手段は、インターバル設定手段が設定情報に基づいて機能設定を行った場合にバッファ部のバッファ(一時記憶容量)がいっぱいになる時間を、送信した設定情報から算出する。これは、例えば、測定開始時のバッファ部のバッファと時間、並びに一回の測定時間あたりに使用される記憶容量と測定インターバルとから導き出せばよい。測定インターバルと測定時間は、前述のように設定情報に含まれていてもよい。あるいは、設定情報に基づいて予め携帯型電子機器に入力されている生体情報取得用のプログラムに従って適切な条件を算出してもよい。ただし、この場合は前述のリングセンサ内に記録されている生体情報取得用のプログラムと同一の結果を算出するプログラムである必要がある。また、測定開始時のバッファ部のバッファについては、例えば、携帯型電子機器とリングセンサとの間で情報を授受する際に、空きバッファ情報としてリングセンサから取得することができる。当該算出された時間は警告のためのバッファ警告スケジュールとして取得される。このバッファ警告スケジュールに従って、携帯型電子機器は前記警告部によってリングセンサのバッファがいっぱいになる時間をユーザに警告することができる。警告を実行する時期は、特に限定をしない。バッファがいっぱいになる1時間前から10分ごとに実行するようなものであってもよいし、バッファがいっぱいになる直前に実行してもよい。バッファ警告スケジュール取得手段は、CPU、RAM、及び不揮発性メモリによって構成される。なお、本実施形態のハードウェア構成上の各部の実現は、前記実施形態4と同様であることからその説明は省略する。
<実施形態5:処理の流れ>
図22は実施形態5の生体情報処理システムにおける処理の流れの一例を示したものである。本実施形態の生体情報処理システムは、手に装着してその手から生体情報を取得するリングセンサと、リングセンサから生体情報を取得して処理する携帯型電子機器とからなる。まず、携帯型電子機器においてリングセンサに対して設定情報を送信する(S2201 設定情報送信ステップ)。次に、リングセンサにおいて携帯型電子機器から送信される設定情報に基づきセンサの測定インターバルと、測定時間に関する機能設定を行う(S2202 インターバル設定ステップ)。続いて、リングセンサにおいて取得した生体情報を送信前にバッファする(S2203 バッファステップ)。次に、携帯型電子機器において送信した設定情報に基づいてインターバル設定手段が利用すべき設定情報に基づいて前記バッファがいっぱいになる時間を知らせるための警告のバッファ警告スケジュールを取得する(S2204 バッファ警告スケジュール取得ステップ)。最後に、携帯型電子機器において取得したバッファ警告スケジュールに基づいて前記警告を実行する(S2205 警告ステップ)。以上の流れによって、本実施形態を処理できる。
<実施形態5:効果>
本実施形態の生体情報処理システムによれば、リングセンサ内のバッファが取得した生体情報でいっぱいになる時間を携帯型電子機器からの警告によって知ることができる。
<<実施形態6>>
<実施形態6:概要> 実施形態6は前記実施形態4、又は5を基本とする生体情報処理システムに関する。リングセンサが複数のセンサを有している場合には、
センサごとに実行する警告が異なる場合が生じる。そこで、本実施形態はセンシング項目ごとの警告をユーザに知らせることができる。
<実施形態6:構成> 図23は、本実施形態の生態情報処理システム(2300)のの機能ブロック一例である。本実施形態は、前記実施形態4又は5の構成を基本としている。この図では実施形態4を基本とする場合の機能ブロック図を示しており、実施形態4と同様にリングセンサ(2301)と携帯型電子機器(2302)とからなり、リングセンサは機能設定部(2303)を、また携帯型電子機器は設定情報送信部(2304)、警告スケジュール取得部(2305)、及び警告部(2306)を有している。本実施形態に特徴的な構成は、携帯型電子機器の警告スケジュール取得部がさらに項目別警告スケジュール取得手段(2307)を有している点である。また、このとき警告部(2306)が項目別警告手段(2308)を有することができる点である。以下に実施形態6の構成を説明するが、前記実施形態4又は5と同様の構成で既に前述のものについてはその説明を省略し、ここでは本実施形態に特徴的な項目別警告スケジュール取得手段(2307)、及び項目別警告手段(2308)について説明をする。
「項目別警告スケジュール取得手段」(2307)は、送信した設定情報に基づいて項目別警告スケジュールを取得するように構成されている。「項目別警告スケジュール」とは、携帯型電子機器から受信した設定情報に基づいて取得されるセンシング項目ごとの警告スケジュールを言う。例えば、リングセンサがセンサとして血圧センサ、体温センサ、血液成分センサ、血中酸素濃度測定センサ、脈拍センサを有している場合には、血圧、体温、血液成分、血中酸素飽和度、脈拍がセンシング項目として挙げられる。項目別警告スケジュール取得手段では、携帯型電子機器から受信した設定情報から、血圧、体温、血液成分、血中酸素飽和度、脈拍のそれぞれのセンシング項目に対して、独立に警告スケジュールを取得する。当該スケジュールに応じた警告をユーザに対して知らせることができる。項目別警告スケジュール取得手段の警告スケジュールを取得する構成は、前記実施例4又は5の警告スケジュール取得部と同様である。また、当該手段のハードウェア上の構成は、警告スケジュール取得部と同様、CPU、RAM、及び不揮発性メモリによって構成される。
「項目別警告手段」(2308)は、実施形態4の警告部の構成を基本として、さらに取得した項目別警告スケジュールに基づいてセンシング項目ごとに異なる警告を実行するように構成されている。例えば、センシング項目が血圧、体温、血液成分、血中酸素飽和度、脈拍であった場合、項目別警告スケジュールに基づいて、血圧の場合はアラーム音で、体温の場合は音声で、血液成分の場合はイルミネーションで、血中酸素飽和度の場合はイルミネーションとアラーム音で、そして脈拍の場合は振動でそれぞれの警告を実行するという具合である。それぞれのセンシング項目についていずれの警告手段を用いるかは、デフォールトで予め定めていてもよいし、ユーザが選択できるようにしてもよい。また、当該手段のハードウェア上の構成は、警告部と同様、CPU、RAM、不揮発性メモリ、及び警告器を有する。警告器はスピーカー、バイブレーター、LED等、複数から構成されていてもよいし、単一の警告器で構成されていてもよい。警告器が単一であっても、例えば、バイブレーターであれば、バイブレーションのパターンを変えることでセンシング項目ごとに異なる警告を実行することはできる。なお、本実施形態のハードウェア構成上の各部の実現は、前記実施形態4と同様であることからその説明は省略する。
<実施形態6:処理の流れ>
図24は実施形態6の生体情報処理システムにおける処理の流れの一例を示したものである。本実施形態の生体情報処理システムは、手に装着してその手から生体情報を取得するリングセンサと、リングセンサから生体情報を取得して処理する携帯型電子機器とからなる。まず、携帯型電子機器においてリングセンサに対して設定情報を送信する(S2401 設定情報送信ステップ)。次に、携帯型電子機器から送信される設定情報に基づき機能設定を行う(S2402 機能設定ステップ)。続いて、携帯型電子機器において送信した設定情報に基づいてセンシング項目ごとの項目別警告スケジュールを取得する(S2403 項目別警告スケジュール取得ステップ)。最後に、携帯型電子機器において取得した項目別警告スケジュールに基づいて前記警告を実行する(S2404 警告ステップ)。このとき、センシング項目ごとに異なる警告を実行することもできる。以上の流れによって、本実施形態を処理できる。
<実施形態6:効果> 本実施形態の生体情報処理システムによれば、リングセンサが複数のセンサを有していても、各センサごとの警告をユーザに知らせることができる。このときセンサごとに警告手段を変えることで、ユーザはいずれのセンサからの警告かを直ちに判断できる。