JP2007252301A - 酵素水生成装置 - Google Patents

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照人 岡
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昌秀 大上
Seiji Yamane
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Takuya Tsujita
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Abstract

【課題】温度上昇による酵素製剤の劣化を抑制し、安定した品質の酵素水を供給できる酵素水生成装置を提供する。
【解決手段】酵素製剤Xを収容したボトル8と、このボトル8から供給される酵素製剤Xと給水手段から供給される水とを収容する生成タンクTとを筐体内に備え、生成タンクTに収容された水と酵素製剤Xとの混合液を温度管理して酵素水を生成する酵素水生成装置Aにおいて、ボトル8に収容されている酵素製剤Xの温度上昇を抑制する昇温抑制手段として、ボトル8と生成タンクTとの間に断熱部材Dを備えるなどした。
【選択図】図2

Description

本発明は、酵素製剤を収容した酵素製剤保管容器と、前記酵素製剤保管容器から供給される酵素製剤と給水手段から供給される水とを収容する生成タンクとを筐体内に備え、前記生成タンクに収容された水と酵素製剤との混合液を温度管理して酵素水を生成する酵素水生成装置に関する。
上記のように構成された酵素水生成装置として、特許文献1及び特許文献2に記載されるものが存在する。
特許文献1の装置では、水道管などから増殖タンク(生成タンク)に水を規定量に達するまで注入し、タンク内部に備えられたヒータで規定温度、具体的には酵素を発生する微生物の最適培養温度まで加温する。そして、この増殖タンクの上部位置に配置されている液体微生物製剤槽(酵素製剤保管容器)から液体微生物製剤(酵素製剤)を増殖タンク内に適量滴下し、所定時間培養することで微生物から酵素が発生し、酵素水が生成される。
また、特許文献2の装置では、活性化タンク(生成タンク)に所定量の水を貯留し、この活性化タンクに製剤貯留タンク(酵素製剤保管容器)から微生物酵素(酵素製剤)を供給した後に、ヒータを駆動して活性化タンク内の液体(水と酵素製剤の混合液)を加熱して、この液体の温度を微生物酵素を活性化させるのに適した温度に維持し、次に、ポンプを駆動して外部タンクに生成タンクの液体を排出する処理を行う。なお、この装置の筐体内において、製剤貯留タンクは活性化タンクの側部位置に配置されている。
特開2000−325938号公報(段落番号〔0008〕、〔0010〕及び図2) 特開2004−242673号公報(段落番号〔0024〕〜〔0025〕、〔0034〕及び図1)。
酵素水を生成する過程においては、上記特許文献のように、酵素製剤と水との混合液を所定温度で温度管理することにより酵素製剤に含まれる微生物を休眠状態から活動状態移行させるため、微生物の最適培養温度(例えば40℃程度)に加温・保温するように構成されているが、酵素製剤を生成タンクに供給する前、すなわち酵素製剤保管容器に収容されている間は、酵素製剤の品質維持のため休眠状態にしておくことが好ましい。すなわち、酵素製剤保管容器に収容されている酵素製剤は、生化学的な物質若しくは微生物又はその両者が混在したものであり、このような酵素製剤の品質を維持するためには所定の保管条件の下でこれを管理する必要がある。このうち保管温度については、酵素製剤の種類にもよるが、一般的に約35℃以下であることが好ましい。
一方で、装置のコンパクト化の要請から、装置筐体内における生成タンクと酵素製剤保管容器とは、隣接配置となることは避け難いものとなっている。そのため、上述した特許文献の装置においても、酵素製剤保管容器は、水と酵素製剤との混合液などを加熱する生成タンクの側部位置などに配置されている。しかしながら、混合液などの加熱などにより生成タンクからは熱が発生し、このように生成タンクと酵素製剤保管容器とが隣接配置されていると、この熱により酵素製剤保管容器の周囲温度が上昇し、その中に収容されている酵素製剤の品質に影響を及ぼす虞がある。酵素製剤の品質が劣化すると生成される酵素水の品質にも影響を与え、十分な洗浄能力が得られないという問題が生じる。
本発明は、かかる問題点に着目してなされたものであり、その目的は、温度上昇による酵素製剤の劣化を抑制し、安定した品質の酵素水を供給できる酵素水生成装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る酵素水生成装置の第一特徴構成は、酵素製剤を収容した酵素製剤保管容器と、前記酵素製剤保管容器から供給される酵素製剤と給水手段から供給される水とを収容する生成タンクとを筐体内に備え、前記生成タンクに収容された水と酵素製剤との混合液を温度管理して酵素水を生成する酵素水生成装置において、 前記酵素製剤保管容器に収容された酵素製剤の温度上昇を抑制する昇温抑制手段を備えた点にある。
本構成のごとく、生成タンクとともに筐体内に配置される酵素製剤保管容器に収容されている酵素製剤の温度上昇を抑制する昇温抑制手段を備えることで、生成タンクからの放熱などにより酵素製剤の温度が上昇することを抑制する。その結果、酵素製剤保管容器を生成タンクとともに筐体内に配置するコンパクトな装置でありながら、温度上昇による酵素製剤の品質劣化も抑制でき、安定した品質の酵素水を供給することができる。
本発明に係る酵素水生成装置の第二特徴構成は、前記昇温抑制手段として、前記酵素製剤保管容器と前記生成タンクとの間に断熱部材を備えた点にある。
本発明の好適な実施形態の一つでは、酵素製剤保管容器に収容された酵素製剤の温度上昇を抑制する昇温抑制手段として、酵素製剤保管容器と生成タンクとの間に断熱部材を備えている。従って、生成タンクからの熱の伝達を簡単な構成で防ぐことができる。特に、生成タンクの周囲を断熱部材で被覆することにより、生成タンクからの熱の伝達を抑制して酵素製剤の温度上昇を抑制できるだけでなく、生成タンクの加熱・保温効率の向上を図ることもできる。
本発明に係る酵素水生成装置の第三特徴構成は、前記昇温抑制手段として、前記酵素製剤保管容器に向けて送風する冷却ファンを備えるとともに、当該冷却ファンを所定タイミング毎に作動させる冷却ファン制御部を備えた点にある。
酵素製剤の温度上昇を抑制するためには、酵素製剤保管容器周囲の昇温した空気を除去することも効果的である。そこで、本発明の好適な実施形態の一つでは、昇温抑制手段として酵素製剤保管容器に向けて送風する冷却ファンを備えるとともに、この冷却ファンを所定タイミング毎に作動させる冷却ファン制御部を備えている。冷却ファンを作動させる所定タイミングとしては、例えば、生成タンクで水や混合液などを加温・保温する場合や、酵素製剤保管容器の周囲温度を計測する計測手段が備えられているときは所定の閾値温度を超える温度が計測された場合などが挙げられる。これにより、酵素製剤保管容器周囲の昇温した空気が効果的に除去され、温度上昇による酵素製剤の品質劣化を抑制することができる。
本発明に係る酵素水生成装置の第四特徴構成は、前記昇温抑制手段として、前記給水手段から供給される水を前記酵素製剤保管容器の周囲に供給して水冷する水冷手段を備えた点にある。
酵素水生成に際して生成タンクに水を供給する給水手段を備えている場合、この給水手段から供給される低温度の水を利用することにより、酵素製剤保管容器の周囲を冷却し、酵素製剤の温度上昇を抑制することができる。このため本発明の好適な実施形態の一つでは、昇温抑制手段として、給水手段から供給される水を酵素製剤保管容器の周囲に供給して酵素製剤保管容器の周囲を水冷する水冷手段を備えている。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔システム構成〕
図1〜図3に本発明に係る酵素水生成装置を備えた酵素水生成システムを示す。この酵素水生成システムは、水道水に酵素製剤Xを加えて温度管理を行うことによって酵素水Wxを生成する酵素水生成装置Aと、この酵素水生成装置Aから排出された酵素水Wxを貯留するストックタンクBとを備えて構成されている。ここで、ストックタンクBは上方に開放する単純な容器構造を有した樹脂成形物である。
この酵素水生成システムは、ファーストフード店やレストランの厨房のように、床面Fが油脂によって汚れやすい飲食店等に設置されるものであり、この飲食店等の営業が終了した時間帯にストックタンクBに貯留した酵素水Wxを人為的に床面Fに散布することにより、酵素水Wxに含まれる酵素の作用によって床面Fの油脂成分を分解して洗い流す形態で使用される。このように洗浄を行うことにより床面Fのヌメリが除去され、清浄な表面となる。
図1に示すように、厨房の床面Fには排水溝1からの水が導かれる位置にグリストラップ2が形成される。このような厨房では調理や食器の洗浄に使用された排水が排水溝1からグリストラップ2に流れ込み、この排水に含まれる油脂成分はグリストラップ2に蓄えられる。また、床面Fに散布した酵素水Wxは、排水溝1からグリストラップ2に流れ込み、このグリストラップ2に滞留することにより、油脂成分を分解し、このグリストラップ2の内部を洗浄するように作用する。
酵素水生成装置Aは、厨房内のテーブル3に設置され、壁面4には水道水の水量を制御するようにハンドル5Aで開閉可能なバルブ5を備え、このバルブ5と酵素水生成装置Aとの間には、バルブ5からの水道水を酵素水生成装置Aに送る水道配管6が形成されている。また、この酵素水生成装置Aで生成された酵素水Wxはゴム等のフレキシブルな排出ホース7を介してストックタンクBに送り出される。
〔酵素水生成装置〕
酵素水生成装置Aは、金属製のケース10の内部に生成タンクTを備えると共に、この生成タンクTに水道水を給水する給水機構J(給水手段の一例)と、半透明の樹脂で成るボトル8内の液状の酵素製剤Xを生成タンクTに加える(滴下する形態での供給になる)酵素製剤供給機構Kと、この生成タンクTで生成された酵素水Wxを排出する排出機構Lと、その中に収容されている酵素製剤Xの温度上昇を抑制するため、ボトル8の周囲の昇温した空気を除去する熱除去機構N(昇温抑制手段の一例)とを備えている。生成タンクTの内部には液面のレベルを検知するフロート式の液面センサ15と、生成タンクT内の溶液(酵素製剤Xが加えられた水)を加熱するヒータ16と、この溶液の温度を計測する温度センサ17とを備えている。また、ボトル8の近傍には、ボトル8の周囲温度を計測する周囲温度センサ81が備えられている。更に、ケース10の側部位置には酵素水Wxを生成する制御を行う制御ユニット18を備えている。
ちなみに、酵素製剤Xは、リパーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ等の酵素を含むと共に、これらの酵素を生成する微生物を含むものであり、この微生物は、低温状態では休眠状態にあり、40℃程度に維持されることにより活性化して酵素を生成する性質を有する。
ケース10はステンレス等の耐腐食性が高い金属板を接合して箱状に形成され、このケースはケース本体10Aと、ケース10の前面側に配置される扉10Bとを備えている。ケース本体10Aの前面のうち制御ユニット18が配置された側で、扉10Bと並列する位置の前壁10Cには操作パネル11を備えている。扉10Bは、操作パネル11と反対側の端部に形成された縦向き軸芯Y周りで揺動開閉自在にケース本体10Aに支持されている。
この酵素水生成装置Aでは、扉10Bを開放することによりボトル8の交換を容易に行え、ボトル8に貯留された酵素製剤Xの残量を視覚によって確認できるように扉10Bには窓部10Wを形成している。
〔酵素水生成装置の内部構成〕
生成タンクTは、透明な樹脂で成ると共に、正面視で図2に示す如く逆L字状の形状に形成され、この生成タンクTの上部には上部開口を覆う上部プレート20を備え、この生成タンクTの下側の側部にはボトル8を収容する空間を形成している。ボトル8を収容する空間を形成する生成タンクTの各面は、生成タンクTからの熱がボトル8に伝わることを抑制するため、断熱材D(昇温抑制手段の一例)で被覆されている。
液面センサ15は、上部プレート20から下方に突設したロッド15Aに対して上下移動自在に外嵌したリング状のフロート15Bと、このフロート15Bに備えたマグネット(図示せず)の磁気が作用することによりON又はOFFするリードスイッチ(図示せず)とを備えている。
ヒータ16は、通電により発熱する発熱体を金属チューブの内部に収容した構造を有し、上部プレート20から下方に突設する形態で上部プレート20に支持されている。温度センサ17は、サーミスタ等を収容したロッド状の構造を有し、上部プレート20から下方に突設する形態で上部プレート20に支持されている。
給水機構Jは、水道配管6から生成タンクTに給水する給水管21と、この給水管21の中間位置に配置した給水用電磁バルブ22とを備えている。
酵素製剤供給機構Kは、半透明の樹脂製のボトル8に貯留された液状の酵素製剤Xを吸い上げる吸引チューブ25と、この吸引チューブ25からの酵素製剤Xが導かれる定容量ポンプKPと、この定容量ポンプKPから酵素製剤Xが送られる供給チューブ26と、この供給チューブ26の先端に接続したノズル27とを備えている。また、このように生成タンクTに貯留した水の量に対して、ノズル27から加えられる酵素製剤Xの量の割合が後述する混合率となる。
吸引チューブ25は、透明で柔軟な樹脂で成り、この吸引チューブ25の吸引側の端部は、ボトル8の上部開口にネジ式に固定される蓋8Aに形成された貫通孔を介してボトル内部に差し込まれている。供給チューブ26は、透明で柔軟な樹脂で成り、この供給チューブ26の吐出側をノズル27の上端部に接続している。このノズル27は下端側が小径となる円錐形であり、上端部が上部プレート20に支持され、下端には小さい開口を形成している。
定容量ポンプKPは、縦向き姿勢のシリンダ30の内部にピストン31を上下移動自在に内嵌し、シリンダ30と連通する吸引側のチェック弁32に吸引チューブ25の排出側の端部を接続している。このシリンダ30と連通する吐出側のチェック弁33に供給チューブ26の一端を接続している。電動モータ34の出力軸34Aにおいて偏芯する位置に連結軸35を形成し、この連結軸35とピストン31の下端のプレート36とを連結体35Aで連結することにより、電動モータ34の回転力を往復作動力に変換してピストン31に伝えるクランク機構を備えている。また、クランク機構の作動位置からピストン31が上端まで移動したタイミング信号を出力する作動センサ37を備えている。
この定容量ポンプKPは、電動モータ34の出力軸34Aが1回転する毎に、ピストン31を1往復作動させ、この1往復作動毎に設定された量の酵素製剤Xを送り出す性能を有し、電動モータ34の作動時には作動センサ37によってピストン31の作動回数を計数して制御ユニット18にフィードバックすることにより、酵素製剤Xの供給量を把握できるようにしている。
排出機構Lは、生成タンクTの底部の酵素水Wxを排出ホース7に導く排出管38と、この排出管38の中間に配置した排出用電磁バルブ39とを備えている。
熱除去機構Nは、ケース本体10Aの側部で、かつボトル8を間に挟んで生成タンクTと対向する位置に所定タイミング毎に作動する冷却ファンFを備えて構成されている。本実施形態では、この所定タイミングとして、生成タンクTにおいて酵素水を生成する場合と周囲温度センサ81により計測されたボトル8の周囲温度が閾値温度を超える場合とが設定されている。具体的には、生成タンクTにおいて後述する加温制御が開始する時に冷却ファンFは作動を開始し、酵素水の排出制御が終了する時にその作動を終了する。また、周囲温度センサ81により計測されたボトル8の周囲温度が予め設定した閾値温度(例えば保管温度よりも5℃程度低い温度)を超えた場合に冷却ファンFは作動を開始し、閾値温度以下になった場合に作動を終了する。なお、これらの制御は後述する冷却ファン制御部45Aで行われる。また、この冷却ファンFを作動させたときにボトル8に対して円滑な送風が行えるように、ケース本体10Aの側面で、かつ冷却ファンFの側部には吸気口10Faが形成されるとともに、扉部10Bのボトル8と対向する部分には排気口10Fbが形成されている。
〔酵素水生成装置の制御構成〕
操作パネル11は図2に示すように、スタートボタン51と、ストップボタン52と、電源ランプ53と、複数のモニタランプ54と、警報ランプ55と、液晶ディスプレイ56と、複数の設定ボタン57とを備えている。
この酵素水生成装置Aにおいて酵素水の生成を行う場合には、電源が投入されていることを電源ランプ53の点灯で確認し、操作パネル11の複数の設定ボタン57を操作して行うことができる。また、この酵素水生成装置Aでは酵素水の生成スケジュールを設定して、この設定されたスケジュールに従って、設定された日時に設定された混合率の酵素水を設定された量だけ生成することができる。これらの設定の際には設定内容を液晶ディスプレイ56を介して設定内容を確認できるものとなり、スタートボタン51を操作することで制御が開始され、ストップボタン52を操作することで制御が停止する。なお、エラーが発生した場合には警報ランプ55が点灯して制御が停止する。
図4に示すように、制御ユニット18は、マイクロプロセッサCPUに信号のアクセスを行う入出力インタフェース41を備えており、この入出力インタフェース41に対してヒータ16と、給水用電磁バルブ22と、電動モータ34と、排出用電磁バルブ39と、冷却ファンFとを駆動する信号系が形成され、液面センサ15と、温度センサ17と、作動センサ37と、周囲温度センサ81とからの検出信号が入力する信号系が形成され、更に、操作パネル11との間で情報がアクセスする信号系が形成されている。
マイクロプロセッサCPUのデータバスにスケジュールテーブル42、スケジュール管理部43、生成管理部44、周囲温度管理部45が夫々接続している。ちなみに、この制御ユニット18において制御を実現するためにはデータバスの他にコントロールバスやアドレスバス等を必要とするものであるが、複雑化を避けるために図面にはコントロールバスやアドレスバス、あるいは、インタフェース類を示していない。
スケジュールテーブル42は、操作パネル11によって設定される生成スケジュールのデータを保存する手段であり、このスケジュールテーブル42には酵素水Wxを生成する日時(生成完了日時)、必要とする酵素水Wxの生成量、混合率(酵素製剤Xの量でも良い)等が保存される。スケジュール管理部43はスケジュールテーブル42に保存されたデータを参照し、生成プロセスの回数などを算出し、生成管理部44を制御することにより酵素水Wxを生成する処理を実行する。
生成管理部44は、給水制御部44A、混合制御部44B、加温制御部44C、排出制御部44Dを有している。給水制御部44Aは、給水用電磁バルブ22を開放操作して生成タンクTに給水し、液面センサ15での検出信号に基づいて給水用電磁バルブ22を閉じ操作して生成タンクTに対して設定量の水を貯留する制御を実現する。混合制御部44Bは、作動センサ37によって計数信号をフィードバックする形態で電動モータ34を駆動することにより、生成タンクTに貯留された水に対して設定量の酵素製剤Xを供給することによって、設定された混合率の溶液を生成する。加温制御部44Cは、生成タンクTに貯留された水と酵素製剤Xとが混合した溶液を40℃程度まで昇温し、この目標温度(40℃程度)に維持することにより、酵素水Wxを生成する。排出制御部44Dは、加温制御部44Cでの制御によって生成タンクTに酵素水Wxが生成された後に、排出用電磁バルブ39を設定時間だけ開放状態に維持することにより、生成タンクTの酵素水Wxを排出管38から排出する。
周囲温度管理部45は、周囲温度センサ81によるボトル8の周囲温度の検出結果などに基づいて各種処理を行う。この周囲温度管理部45は冷却ファン制御部45Aを有しており、周囲温度センサ81からの計測信号やスケジュール管理部43からの酵素水生成に係る信号などに基づいて、冷却ファンFの作動を制御する。
〔制御形態〕
スケジュール設定をして酵素水Wxの生成を行う場合の制御ユニット18による制御形態を図5のフローチャートのように示すことが可能である。まず、初期設定処理(#01ステップ)では、操作パネル11の操作に基づいてスケジュールテーブル42を作成する。このように作成されたスケジュールテーブル42には、上述したように、酵素水Wxを生成する日時(生成完了日時)、生成量、混合率等が保存される。スケジュールテーブル42をスケジュール管理部43が参照することにより、この酵素水生成装置Aにおいて生成する酵素水Wxの混合率(酵素製剤Xの供給量)をセットし、この酵素水生成装置Aで生成する酵素水Wxの生成量をセットし、この生成量から逆算される酵素水Wxの生成を開始する生成開始時刻をセットする。
そして、このスケジュール管理部43がカレンダー部(図示せず)からの情報に基づいて、生成開始時刻に達していることを判別すると(#02Yes分岐)、給水制御の処理に移行する(#03)。この給水制御では、給水用電磁バルブ22を開放操作して給水を開始し、液面センサ15が設定されたレベルまで水が貯留されたことを判別した場合には、給水用電磁バルブ22を閉じて給水を終了する。
次に、混合制御では、電動モータ34の駆動力で定容量ポンプKPを作動させることにより、ボトル8に貯留された酵素製剤Xを吸引チューブ25で吸引し、供給チューブ26からノズル27を介して生成タンクTに滴下する形態で供給する(#04)。この供給の際には定容量ポンプKPの作動回数を作動センサ37で計数することにより、設定された量の酵素製剤Xを供給する。
加温制御では、ヒータ16に電力を供給し、生成タンクTに貯留された溶液の温度を温度センサ17で計測してフィードバックし、この溶液の温度を目標温度領域(40℃程度)に維持することにより、生成タンクTにおいて酵素水Wxを生成する制御を実行する(#05)。
この加温制御による温度の維持が設定時間経過したことを判別した(タイムアップを判別した)場合には、加温制御を停止し、排出用電磁バルブ39を開放することにより、生成タンクTで生成された酵素水Wxを排出管38から排出ホース7に送ってストックタンクBに排出する排出制御を実行する(#06、#07)。この排出制御では、生成タンクTから酵素水Wxが排出されるに充分な時間以上排出用電磁バルブ39を開放状態に設定する制御が実行される。
また、#03〜#07までの処理が酵素水Wxを生成するプロセスであり、この一連の処理を実行する際の処理の各ステップを実行する際には、操作パネル11の複数のモニタランプ54のうち、対応するモニタランプ54を点灯させる制御が行われる。
このように、設定された生成量の酵素水を得るために必要な生成回数だけ生成プロセスが実行されるものであり、スケジュール管理部43で算出された生成回数に達するまでこの生成プロセスが繰り返される(#08)。なお、冷却ファン制御部45Aにより、加温制御の開始から最終回の生成プロセスにおける排出制御が終了するまでの間は、冷却ファンFが作動するように制御が行われている。
上述したように、酵素水生成装置Aの筐体内に生成タンクTとボトル8とが隣接配置されていても、ボトル8を収容する空間を形成する生成タンクTの各面を断熱材Dで被覆しているので、酵素水生成の際に発生する生成タンクTからの熱がボトル8に伝わることを抑制することができる。また、酵素水生成過程において最初の加温制御の開始時から最終回の生成プロセスにおける排出制御の終了時までは冷却ファンFが作動しているので、ボトル8の周囲の熱を効果的に除去することができ、ボトル8に収容された酵素製剤Xの温度上昇を抑制することができる。なお、酵素水が生成されていない間でも、設定した閾値温度を超える場合には冷却ファンFが作動してボトル8の冷却が行われるので、酵素水生成の際に生成タンクTから発生する熱による温度上昇だけでなく、酵素水生成装置Aが設置されている場所の気温の上昇などに対しても、ボトル8の周囲温度上昇の抑制、すなわちその中に収容されている酵素製剤Xの温度上昇の抑制を図ることができる。
〔別実施形態1〕
上述した実施形態では、ボトル8(酵素製剤保管容器)に収容された酵素製剤Xの温度上昇を抑制する昇温抑制手段としての断熱材Dを、ボトル8を収容する空間を形成する生成タンクTの各面に設けたが、もちろんこれに限定されるわけではない。この他にも、例えば、生成タンクの全面に断熱材を設ける構成や、生成タンクから離間させて酵素製剤保管容器との間に断熱材を設ける構成としても良い。
〔別実施形態2〕
上述した実施形態では、ボトル8の周囲の熱を除去する熱除去手段Nとして冷却ファンFを用いたが、これ以外にも例えば、給水手段から供給される水をボトル8の周囲に供給して熱除去する水冷手段を用いてもよい。この水冷手段を用いた場合の例を図6に模式的に示す。ボトル8は、その径がボトル8の径より僅かに大きい有底筒状の容器82に隙間Gを開けて収容されている。また、この容器82に対して水を供給するための給水管29が設けられており、給水用電磁バルブ22’は、生成タンクTに給水する給水管21と容器82に給水する給水管29とに対して方向切替可能に構成されている。
より具体的に説明すると、生成タンクTに給水する場合は、生成タンクT側の給水管21に対して開放状態にする一方、給水管29に対して閉じ状態にし、給水管21に水を供給する。そして、生成タンクTに所定量の水が供給されると、生成タンクT側の給水管21に対して閉じ状態にする一方、給水管29に対して開放状態にし、容器82に水を僅かずつ供給する。これにより、ボトル8と容器82との隙間Gに水が貯留され、ボトル8が冷却されてボトル8に収容されている酵素製剤Xの温度上昇を抑制することができる。なお、容器82の底部には排出管82Aが設けられており、容器82に供給されてくる水を貯留するため閉じた状態にされているが、容器82の水を排出する際にはこれを開放して、容器82内の水をケース10の外部へ排水する。また、この他にも、排出管82Aを開放状態にし、容器82に供給されてくる水をボトル8に掛け続ける構成としてもよい。
〔別実施形態3〕
上述した実施形態では、昇温抑制手段として断熱材や冷却ファンなどを用いたが、もちろんこれに限定されず、酵素製剤保管容器の周囲にペルチェ素子を備えた冷却装置を配置するなどの構成を用いてもよい。
酵素水供給システムの斜視図 酵素水生成装置の縦断正面図 酵素水供給システムの制御系の概要を示す図 制御系のブロック回路図 制御形態を示すフローチャート 別実施形態における酵素水供給システムの制御系の概要を示す図
符号の説明
8 ボトル
10 ケース
45A 冷却ファン制御部
81 周囲温度センサ
A 酵素水生成装置
D 断熱材
F 冷却ファン
J 給水機構
T 生成タンク

Claims (4)

  1. 酵素製剤を収容した酵素製剤保管容器と、前記酵素製剤保管容器から供給される酵素製剤と給水手段から供給される水とを収容する生成タンクとを筐体内に備え、前記生成タンクに収容された水と酵素製剤との混合液を温度管理して酵素水を生成する酵素水生成装置において、
    前記酵素製剤保管容器に収容された酵素製剤の温度上昇を抑制する昇温抑制手段を備えた酵素水生成装置。
  2. 前記昇温抑制手段として、前記酵素製剤保管容器と前記生成タンクとの間に断熱部材を備えた請求項1に記載の酵素水生成装置。
  3. 前記昇温抑制手段として、前記酵素製剤保管容器に向けて送風する冷却ファンを備えるとともに、当該冷却ファンを所定タイミング毎に作動させる冷却ファン制御部を備えた請求項1又は2に記載の酵素水生成装置。
  4. 前記昇温抑制手段として、前記給水手段から供給される水を前記酵素製剤保管容器の周囲に供給して水冷する水冷手段を備えた請求項1又は2に記載の酵素水生成装置。
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