JP2007252212A - 有用組成物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】魚介類の廃棄物から、コンドロイチン硫酸、タウリン、コラーゲン等の有用物を含む組成物を容易に、しかも安定した品質で得られる有用組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】魚介類由来の廃棄物を温水中で処理することにより、水中にタンパク質を抽出してタンパク質抽出液を得る抽出処理工程と、該タンパク質抽出液にタンパク分解酵素を添加して、分解されたタンパク質を含むタンパク分解物溶液を得る酵素処理工程と、該タンパク分解物溶液を加熱して、該タンパク分解酵素を失活させる酵素失活処理工程と、該タンパク分解酵素が失活されたタンパク分解物溶液に吸着材を添加して脱脂、脱色、脱臭を行うと共に、該吸着材を含む該タンパク分解物溶液をセラミックフィルターにより濾過して、濾液として有用組成物を含む水溶液を得る濾過処理工程とを備える。
【選択図】 なし

Description

本発明は、魚介類の廃棄物から、コンドロイチン硫酸、タウリン、コラーゲン等の有用物を含む組成物を製造する方法に関するものである。
魚介類では、頭部、外皮、卵巣膜等の一般に食用とされない部分の多くが廃棄されており、魚介類の廃棄物は夥しい量となっている。一方、前記一般に食用とされない部分にも、コンドロイチン硫酸、タウリン、コラーゲン等の有用物が含まれており、該有用物を健康食品とし、あるいは医薬品の原料とすることが検討されている。そこで、前記魚介類の廃棄物から該有用物を製造する方法が種々提案されている。
例えば、サケの鼻軟骨に水を加えて煮沸して得られたタンパク質抽出液をタンパク分解酵素により処理し、得られた溶液に吸着材を添加して脱脂、脱色、脱臭を行うと共に、該吸着材を含む該タンパク分解物溶液をフィルタープレスにより濾過し、濾液を濃縮した後、スプレードライにより乾燥させて、コンドロイチン硫酸を含むムコ多糖類を得る方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、蒸しダコ廃液、マグロの血合肉、マグロの生殖巣等に水を加えて煮沸することにより得られたエキス分をタンパク分解酵素により処理し、得られた溶液に吸着材を添加して未分解タンパク質や微細粒子を沈殿させた後、上澄み液を逆浸透膜等を用いて濃縮し、濃縮された溶液からタウリンを析出させる方法が知られている(例えば特許文献2参照)。
また、魚皮または魚骨に水を加えて加熱することにより水中にコラーゲンを抽出し、コラーゲンを含む抽出液をタンパク加水分解酵素で処理してコラーゲンをペプチド化し、ペプチド化されたコラーゲンを含む溶液に活性炭を加えて撹拌することにより脱色、脱臭した後、濾過して得られた濾液を逆浸透膜により濃縮、精製することによりコラーゲンを得る方法が知られている(例えば特許文献3参照)。
上述のように、従来、サケの鼻軟骨、蒸しダコ廃液、マグロの血合肉、マグロの生殖巣、魚皮、魚骨等の魚介類の廃棄物から有用物を製造する際には、まず、前記廃棄物からタンパク質を抽出し、抽出されたタンパク質をタンパク分解酵素で処理して分解する。次に、前記のようにして分解されたタンパク質分解物を含む溶液に、活性炭等の吸着材を添加して、脱脂、脱色、脱臭を行った後、濾過して濾液を得る。前記濾過は、一般に、フィルタープレスが用いられる。そして、前記濾液を逆浸透膜等により濾過して、脱塩、濃縮することにより、目的の有用物を得ることができる。
しかしながら、前記従来の技術では、タンパク質分解物を含む溶液に、活性炭等の吸着材を添加して、脱脂、脱色、脱臭を行った後、フィルタープレスにより濾過すると、前記活性炭等の吸着材が濾液に混入するという不都合がある。また、前記従来の技術では、目的とする有用物を得るためには、前記フィルタープレスにより得られた濾液をさらに逆浸透膜等により濾過して、脱塩、濃縮または精製を行う必要があり手順が煩雑になる上、濾過に関する諸条件の設定は経験に頼らざるを得ない部分が大きく、製品品質が安定しないという不都合がある。
特開2003−299497号公報 特開平8−20572号公報 特開2003−238597号公報
本発明は、かかる不都合を解消して、魚介類の廃棄物から、コンドロイチン硫酸、タウリン、コラーゲン等の有用物を含む組成物を容易に、しかも安定した品質で得ることができる有用組成物の製造方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明の有用組成物の製造方法は、魚介類由来の廃棄物を温水中で処理することにより、水中にタンパク質を抽出してタンパク質抽出液を得る抽出処理工程と、該タンパク質抽出液にタンパク分解酵素を添加して、分解されたタンパク質を含むタンパク分解物溶液を得る酵素処理工程と、該タンパク分解物溶液を加熱して、該タンパク分解酵素を失活させる酵素失活処理工程と、該タンパク分解酵素が失活されたタンパク分解物溶液に吸着材を添加して脱脂、脱色、脱臭を行うと共に、該吸着材を含む該タンパク分解物溶液をセラミックフィルターにより濾過して、濾液として有用組成物を含む水溶液を得る濾過処理工程とを備えることを特徴とする。
本発明の有用組成物の製造方法では、前記抽出処理工程、酵素処理工程、酵素失活処理工程を経て得られたタンパク分解物溶液に、活性炭等の吸着材を添加して脱脂、脱色、脱臭を行うと共に、該吸着材を含む該タンパク分解物溶液をセラミックフィルターにより濾過する。
前記セラミックフィルターは、α−アルミナ、ジルコニア、チタニア等のセラミックスからなり、用途に応じて使い分けられる。本発明では、例えば、α−アルミナからなり、0.1〜5μmの範囲の大きさの細孔を備える精密濾過用のセラミックフィルターを用いることができる。前記範囲の大きさの細孔を備える精密濾過用のセラミックフィルターは、0.1〜12μmの範囲の濾過精度を備えている。
本発明の有用組成物の製造方法では、前記吸着材を含む前記タンパク分解物溶液を前記セラミックフィルターにより濾過して、濾液として有用組成物を含む水溶液を得ることにより、前記吸着材が濾液に混入することを防止することができ、しかも同時に目的とする有用組成物の脱塩、濃縮または精製を行うことができるので、逆浸透膜を用いる必要が無い。
本発明の有用組成物の製造方法によれば、前記逆浸透膜を用いることがないので、濾過に関する諸条件を経験に頼ることなく理論的に設定することができ、安定した品質の有用組成物を得ることができる。
本発明の有用組成物の製造方法は、例えば、前記魚介類由来の廃棄物はサケの鼻軟骨であり、該サケの鼻軟骨を前記抽出処理工程と、酵素処理工程と、酵素失活処理工程とにより処理した後、前記濾過処理工程において前記タンパク分解酵素が失活されたタンパク分解物溶液に吸着材を添加して脱脂、脱色、脱臭を行うと共に、該吸着材を含む該タンパク分解物溶液を、精密濾過用セラミックフィルターにより濾過して、濾液としてコンドロイチン硫酸を含む水溶液を得る濾過処理工程とを備えるものとすることができる。
また、本発明の有用組成物の製造方法は、例えば、前記魚介類由来の廃棄物はサケの目玉であり、該サケの目玉を前記抽出処理工程と、酵素処理工程と、酵素失活処理工程とにより処理した後、前記濾過処理工程において前記タンパク分解酵素が失活されたタンパク分解物溶液に吸着材を添加して脱脂、脱色、脱臭を行うと共に、該吸着材を含む該タンパク分解物溶液を、精密濾過用セラミックフィルターにより濾過して、濾液としてタウリンを含む水溶液を得る濾過処理工程とを備えるものとすることができる。
また、本発明の有用組成物の製造方法は、例えば、前記魚介類由来の廃棄物はサケの皮またはサケの卵巣膜であり、該サケの皮またはサケの卵巣膜を前記抽出処理工程と、酵素処理工程と、酵素失活処理工程とにより処理した後、前記濾過処理工程において前記タンパク分解酵素が失活されたタンパク分解物溶液に吸着材を添加して脱脂、脱色、脱臭を行うと共に、該吸着材を含む該タンパク分解物溶液を、精密濾過用セラミックフィルターにより濾過して、濾液としてタウリンを含む水溶液を得る濾過処理工程とを備えるものとすることができる。
次に、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。
本実施形態の有用組成物の製造方法では、まず、魚介類由来の廃棄物を温水中で処理することにより、水中にタンパク質を抽出してタンパク質抽出液を得る。前記廃棄物として、本発明では、例えばサケの鼻軟骨、目玉、外皮、卵巣膜等を用いることができる。前記処理は、前記廃棄物に水を加えて加熱することにより行うことができる。
次に、前記タンパク質抽出液にタンパク分解酵素を添加して、分解されたタンパク質を含むタンパク分解物溶液を得る。前記タンパク分解酵素としては、例えば、アルカリ性プロテアーゼ(例えば、ヤクルト薬品工業株式会社製、商品名:アロアーゼ)、中性プロテアーゼ(例えば、ヤクルト薬品工業株式会社製、商品名:パンチダーゼ)、パンクレアチン、パパイン等を挙げることができる。このようにして得られた前記タンパク分解物は、例えば、コラーゲン、ペプチド類、アミノ酸、アミノ酸の誘導体、タンパク質に結合していた糖類等である。尚、前記タンパク分解物溶液は、未分解のタンパク質を含んでいてもよい。
次に、前記タンパク分解物溶液を加熱して、前記タンパク分解酵素を失活させる。前記タンパク分解酵素の失活は、前記タンパク分解物溶液を、例えば90℃の温度で5〜15分間程度加熱することにより行うことができる。
次に、前記タンパク分解酵素が失活された前記タンパク分解物溶液に吸着材を添加して、脱脂、脱色、脱臭を行う。前記吸着材としては、活性炭、珪藻土等を用いることができる。
次に、前記吸着材を含む前記タンパク分解物溶液をセラミックフィルターにより濾過する。前記セラミックフィルターとしては、例えば、α−アルミナからなり、0.1〜5μmの範囲の大きさの細孔を備える精密濾過用セラミックフィルターを用いることができる。前記範囲の大きさの細孔を備える精密濾過用セラミックフィルターは、0.1〜12μmの範囲の濾過精度を備えている。
また、前記精密濾過用セラミックフィルターは、タンパク分解物溶液の流通方向に沿って透過性に勾配を備え透過流束を一定とするものでもよく、タンパク分解物溶液の流通方向に沿って均一な透過性を備えるものであってもよい。
前記精密濾過用セラミックフィルターは、フィルター自体のα−アルミナの純度が99.56%以上、表面におけるα−アルミナの純度が99.95%以上であり、ロックウェル硬度85、耐圧性10MPa以上、耐熱性130℃の物性を備えており、細孔径0.2μmの場合、1m、1時間当たり2000リットルの通水性を備えている。前記通水性は、同程度の細孔径を備える従来の限外濾過膜の10倍である。
また、前記精密濾過用セラミックフィルターは、耐薬品性にも優れており、60℃の4%−NaOH水溶液、90℃の2%−NaOH水溶液に耐えることができる。さらに、前記精密濾過用セラミックフィルターは、高温で高濃度の酸またはアルカリにより洗浄することができ、10年以上の寿命を備えている。
本実施形態では、前記精密濾過用セラミックフィルターを用いることにより、前記吸着材を添加したタンパク分解物溶液から該吸着材を濾別する操作と、該タンパク分解物溶液を脱塩、濃縮または精製する操作とを、同時に一挙動で行うことができる。この結果、濾液として有用組成物を含む水溶液を得ることができる。
本実施形態では、目的に応じて前記精密濾過用セラミックフィルターを選択することにより、各種の廃棄物から各種の有用組成物を得ることができる。例えば、前記廃棄物がサケの鼻軟骨であるときには、前記精密濾過用セラミックフィルターを用いることにより、前記有用組成物として、コンドロイチン硫酸を含む組成物を得ることができる。前記コンドロイチン硫酸は、タンパク質に結合しているムコ多糖類である。
また、前記廃棄物がサケの目玉であるときには、前記精密濾過用セラミックフィルターを用いることにより、前記有用組成物として、アミノ酸の1種であるタウリンを含む組成物を得ることができる。
また、前記廃棄物がサケの外皮または卵巣膜であるときには、前記精密濾過用セラミックフィルターを用いることにより、前記有用組成物として、コラーゲンを含む組成物を得ることができる。
また、前記精密濾過用セラミックフィルターは、細孔径の範囲を選択することにより、所望の範囲の分子量分布を備える前記有用組成物を得ることができる。従って、前記有用組成物、例えば前記コンドロイチン硫酸を含む組成物として、健康食品となるものを得ることもでき、医薬品の原料として使用できるものを得ることもできる。
本実施形態の製造方法によれば、前述のように、魚介類の各種廃棄物から各種有用組成物の水溶液を得ることができ、該水溶液を乾燥することにより該有用組成物を得ることができる。
次に、本発明の実施例を示す。
本実施例では、まず、サケの鼻軟骨(ヒズ(氷頭)チップ)50kgに水50リットルを加え、10〜60分間の範囲の時間で50℃の温度に達するまで加熱し、ヒズチップに含まれるタンパク質を水中に抽出し、タンパク質抽出液を得た。
次に、前記タンパク質抽出液に、タンパク分解酵素(ヤクルト薬品工業株式会社製、商品名:アロアーゼ)を100g添加した。前記タンパク分解酵素の添加量は、ヒズチップに対し0.2重量%である。そして、前記タンパク分解酵素を添加した前記タンパク質抽出液を撹拌しながら、50℃の温度で2時間加熱して、タンパク分解物溶液を得た。前記タンパク質分解物溶液は、コンドロイチン硫酸分子がカルシウムで架橋された化合物を含んでいる。
次に、前記タンパク質分解物溶液を、90℃の温度で5分間加熱して、前記タンパク分解酵素を失活させた後、200メッシュのフィルターで簡易濾過し、残留固形分を濾別して除去した。
次に、前記簡易濾過で得られた濾液に活性炭500gを添加し、60℃の温度で30分間加熱して、該濾液の脱脂、脱色、脱臭を行った後、塩酸を添加し、該濾液をpH2に調整した。前記濾液をpH2とすることにより、コンドロイチン硫酸分子のカルシウムによる架橋を分解することができる。
次に、pH2に調整した前記濾液を、タンパク分解物溶液の流通方向に沿って均一な透過性を備える精密濾過用セラミックフィルター(ポール社製、商品名:Membralox(登録商標)セラミック膜)により濾過し、コンドロイチン硫酸を含む水溶液を得た。前記精密濾過用セラミックフィルターは、フィルター自体が99.56%以上、表面において99.95%以上の純度のα−アルミナからなり、平均径100nmの細孔を備えている。
前記水溶液は、前記活性炭の混入がなく、コンドロイチン硫酸を硫酸バリウム法によるコンドロイチン硫酸ナトリウムとして38.7重量%含んでいた。前記コンドロイチン硫酸は、前記水溶液をスプレードライ等の方法で乾燥させることにより得ることができる。
尚、本実施例では、前記簡易濾過で得られた濾液の脱脂、脱色、脱臭を行った後、該濾液をpH2に調整しているが、前記pHの調整は行わなくてもよい。前記pHの調整を行わない場合には、前記濾液を、タンパク分解物溶液の流通方向に沿って透過性に勾配を備え流束を一定とする精密濾過用セラミックフィルター(ポール社製、商品名:MenbraloxGP膜)を用いて濾過する。
タンパク分解物溶液の流通方向に沿って透過性に勾配を備え流束を一定とする前記精密濾過用セラミックフィルターは、フィルター自体が99.56%以上、表面において99.95%以上の純度のα−アルミナからなり、表面に珪藻土層を備えている。また、前記α−アルミナは、0.8μmの径の細孔を備えている。かかる構成の前記精密濾過用セラミックフィルターによれば、フィルターの表面に不要物が溜まりにくく、高分子量の成分も透過することができるので、コンドロイチン硫酸分子がカルシウムにより架橋されたままの状態で透過することができ、前記濾液をpH2に調整した場合と同等の収量でコンドロイチン硫酸を含む水溶液を得ることができる。
本実施例では、まず、冷凍されたサケの目玉100kgに水100kgを加えて撹拌し、解凍すると共に洗浄を行った。
前記解凍及び洗浄後、脱水したサケの目玉100kgに水300kgを10〜60分間の範囲の時間で50℃の温度に達するまで加熱し、サケの目玉に含まれるタンパク質を水中に抽出し、タンパク質抽出液を得た。次に、前記タンパク質抽出液に、さらに実施例1で用いたものと同一のタンパク分解酵素を500g添加し、撹拌しながら、50℃の温度で3時間加熱した。
次に、前記タンパク質分解物溶液を、90℃の温度で15分間加熱して、前記タンパク分解酵素を失活させた後、上層の黒色成分を除去し、下層の澄明液をタンパク分解物溶液として採取した。
次に、前記タンパク分解物溶液に活性炭6kgを添加し、50℃の温度で20分間加熱して、該濾液の脱脂、脱色、脱臭を行った。
次に、前記タンパク分解物溶液を、タンパク分解物溶液の流通方向に沿って均一な透過性を備える精密濾過用セラミックフィルター(ポール社製、商品名:Membralox(登録商標)セラミック膜)により濾過し、タウリンを含む水溶液を得た。前記精密濾過用セラミックフィルターは、フィルター自体が99.56%以上、表面において99.95%以上の純度のα−アルミナからなり、100nmの径の細孔を備えている。
前記水溶液は、前記活性炭の混入がなく、87mg/100gのタウリンと、30重量%のコラーゲンとを含んでいた。前記タウリンは、前記水溶液をスプレードライ等の方法で乾燥させることにより得ることができる。
本実施例では、まず、サケの卵巣膜80kgに水160リットルを加え、10〜60分間の範囲の時間で50℃の温度に達するまで加熱し、サケの卵巣膜に含まれるタンパク質を水中に抽出し、タンパク質抽出液を得た。
次に、前記タンパク質抽出液に、実施例1で用いたものと同一のタンパク分解酵素を800g添加し、撹拌しながら、50℃の温度で4時間加熱して、タンパク分解物溶液を得た。
次に、前記タンパク質分解物溶液を、90℃の温度で5分間加熱して、前記タンパク分解酵素を失活させた後、200メッシュのフィルターで簡易濾過し、残留固形分を濾別して除去した。
次に、前記簡易濾過で得られた濾液に活性炭800gを添加し、60℃の温度で30分間加熱して、該濾液の脱脂、脱色、脱臭を行った。
次に、前記タンパク分解物溶液を、タンパク分解物溶液の流通方向に沿って均一な透過性を備える精密濾過用セラミックフィルター(ポール社製、商品名:Membralox(登録商標)セラミック膜)により濾過し、コラーゲンを含む水溶液を得た。前記精密濾過用セラミックフィルターは、フィルター自体が99.56%以上、表面において99.95%以上の純度のα−アルミナからなり、100nmの径の細孔を備えている。
前記水溶液は、前記活性炭の混入がなく、コラーゲンを10重量%含んでいた。前記コラーゲンは、前記水溶液をスプレードライ等の方法で乾燥させることにより得ることができる。
尚、本実施例では、サケの卵巣膜について説明しているが、サケの卵巣膜に代えてサケの外皮を用いた場合にも本実施例と同様に処理することにより、コラーゲンを得ることができる。前記サケの外皮としては、例えば、サケの頭部の外皮等を挙げることができる。

Claims (4)

  1. 魚介類由来の廃棄物を温水中で処理することにより、水中にタンパク質を抽出してタンパク質抽出液を得る抽出処理工程と、
    該タンパク質抽出液にタンパク分解酵素を添加して、分解されたタンパク質を含むタンパク分解物溶液を得る酵素処理工程と、
    該タンパク分解物溶液を加熱して、該タンパク分解酵素を失活させる酵素失活処理工程と、
    該タンパク分解酵素が失活されたタンパク分解物溶液に吸着材を添加して脱脂、脱色、脱臭を行うと共に、該吸着材を含む該タンパク分解物溶液をセラミックフィルターにより濾過して、濾液として有用組成物を含む水溶液を得る濾過処理工程とを備えることを特徴とする有用組成物の製造方法。
  2. 前記魚介類由来の廃棄物はサケの鼻軟骨であり、該サケの鼻軟骨を前記抽出処理工程と、酵素処理工程と、酵素失活処理工程とにより処理した後、
    前記濾過処理工程において前記タンパク分解酵素が失活されたタンパク分解物溶液に吸着材を添加して脱脂、脱色、脱臭を行うと共に、該吸着材を含む該タンパク分解物溶液を、精密濾過用セラミックフィルターにより濾過して、濾液としてコンドロイチン硫酸を含む水溶液を得る濾過処理工程とを備えることを特徴とする請求項1記載の有用組成物の製造方法。
  3. 前記魚介類由来の廃棄物はサケの目玉であり、該サケの目玉を前記抽出処理工程と、酵素処理工程と、酵素失活処理工程とにより処理した後、
    前記濾過処理工程において前記タンパク分解酵素が失活されたタンパク分解物溶液に吸着材を添加して脱脂、脱色、脱臭を行うと共に、該吸着材を含む該タンパク分解物溶液を、精密濾過用セラミックフィルターにより濾過して、濾液としてタウリンを含む水溶液を得る濾過処理工程とを備えることを特徴とする請求項1記載の有用組成物の製造方法。
  4. 前記魚介類由来の廃棄物はサケの皮またはサケの卵巣膜であり、該サケの皮またはサケの卵巣膜を前記抽出処理工程と、酵素処理工程と、酵素失活処理工程とにより処理した後、
    前記濾過処理工程において前記タンパク分解酵素が失活されたタンパク分解物溶液に吸着材を添加して脱脂、脱色、脱臭を行うと共に、該吸着材を含む該タンパク分解物溶液を、精密濾過用セラミックフィルターにより濾過して、濾液としてタウリンを含む水溶液を得る濾過処理工程とを備えることを特徴とする請求項1記載の有用組成物の製造方法。
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