JP2007252073A - 誘導電動機の籠形回転子 - Google Patents

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Abstract

【課題】スリットの形状を工夫することにより新たな工程を必要とすることなくギャップ減少やギャップ擦りを回避する。
【解決手段】誘導電動機の籠形回転子は、軸芯が回転軸に支承された円筒状の積層鉄心(14a)と、その積層鉄心の外周面に形成された軸方向の多数のスリット(18)内に設けられた二次導体(19)と、前記積層鉄心の両端側で前記二次導体同士を短絡する短絡リングとを備え、前記スリット(18)は、前記籠形回転子の外周面に開口する首部(18b)と、該首部に前記二次導体(19)の形成材料となる溶湯を充填した際に該溶湯の収縮の移動を阻害する拘束手段(18c)とを有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、誘導電動機の籠形回転子に関し、特にスリット内にアルミニウム等の溶湯を注入し、冷却固化したものを二次導体とする誘導電動機の籠形回転子に関する。
誘導電動機の一種である籠(かご)形誘導電動機は、良好な運転特性、取り扱い容易、簡単な構造及び低価格などの特徴から最も広く普及している交流電動機である。籠形誘導電動機は、基本的に、電源に接続された巻線によって回転磁場を発生する固定子と、この回転磁場の中に配置された籠形回転子とから構成されており、籠形回転子は、軸芯が回転軸に支承された円筒状の積層鉄心と、その積層鉄心の外周面に形成された軸方向の多数のオープンタイプのスリット内に設けられた二次導体と、積層鉄心の両端側で前記二次導体同士を短絡する短絡リングとを備えている。
ここで、籠形回転子の二次導体の作り方として、スリット内にアルミニウム等の溶湯を注入し、冷却固化したものを二次導体とするものが知られているが、このように作り方をした場合、スリットの形成部材(すなわち、焼結コア等からなる積層鉄心)の線膨張率と、アルミニウム等からなる二次導体の線膨張率との違いにより、冷却固化後にスリット内面と二次導体外面との間に微小な隙間が生じ、この隙間によって様々な不都合が誘引されることがあった。
たとえば、高速回転時における籠形回転子と固定子との間のギャップ減少を招くことがあり、最悪の場合、ギャップゼロになって籠形回転子と固定子との接触、すなわち、ギャップ擦りを発生することがある。これは、高速回転時の遠心力がスリット内の二次導体に作用し、この遠心力によって二次導体の一部がスリットの開口からから飛び出すためである。
図5は、ギャップ減少やギャップ擦りの不都合説明図である。この図において、(a)及び(b)は二次導体の形成の様子を示している。すなわち、(a)は籠形回転子の積層鉄心1に形成されたオープンタイプのスリット2に、アルミニウム等の溶湯3を注入した直後の様子を示し、(b)は溶湯3を冷却固化して二次導体4が形成されたときの様子を示している。
なお、この図では、積層鉄心1の図中上端線1aが横一直線に描かれているが、これは図示の都合である。実際には籠形回転子の外周曲率に沿った曲線である。以下、他の図面においても同様とする。
これらの図(a)、(b)において、溶湯3を冷却固化して二次導体4を形成すると、スリット2と二次導体4の線膨張率の違いにより、スリット2の内周と二次導体4の外周との間に隙間5が生まれる。
この隙間5は、二次導体4の外周に沿ってほぼ均一に生じる。これは、前記の線膨張率の違いに伴い、スリット2に対して二次導体4が収縮する方向に変形するからであり、しかも、その収縮が二次導体4の略中央点(ほぼ面積重心点P1)に向かって進むからである。したがって、冷却固化後の二次導体4は、スリット2の形状に対して若干小さな略相似形をなすことになる。
(c)は籠形回転子を高速回転させているときの様子を示す図である。この図において、高速回転に伴う遠心力Fが作用すると、二次導体4は、スリット2の開口部2aの方向に移動し、これにより、二次導体4の首部4aが籠形回転子の外周面(上端線1a)から若干量だけ突出(突出量D1)する。
したがって、不図示の固定子の内周面が籠形回転子の外周面に対向して、所定のギャップ長を介して配置されているため、二次導体4の突出により、ギャップの減少、又は、最悪の場合、ギャップ擦りを引き起こすという不都合を招くのである。
かかる不都合の解決策として、たとえば、下記の特許文献1では、隙間5を樹脂材料で埋めるとしている。
特開平8−237919号公報
しかしながら、スリット内面と二次導体外面との間の微小な隙間を樹脂材料で埋めた場合は、確かに、二次導体のガタツキを無くして高速回転時における上記の不都合(ギャップ減少やギャップ擦り)を回避できるものの、二次導体の形成工程後に新たな工程(樹脂材料の充填工程)を行う必要があることから、工程の増加、したがって、コストアップを招くという問題点がある。
そこで、本発明は、スリットの形状を工夫することにより、樹脂材料の充填工程を必要とすることなく、上記の不都合(ギャップ減少やギャップ擦り)を回避できる誘導電動機の籠形回転子を提供することにある。
本発明は、軸芯が回転軸に支承された円筒状の積層鉄心と、その積層鉄心の外周面に形成された軸方向の多数のスリット内に設けられた二次導体と、前記積層鉄心の両端側で前記二次導体同士を短絡する短絡リングとを備えた誘導電動機の籠形回転子において、前記スリットは、前記籠形回転子の外周面に開口する首部と、該首部に前記二次導体の形成材料となる溶湯を充填した際に該溶湯の収縮の移動を阻害する拘束手段とを有することを特徴とするものである。
本発明の好ましい態様は、前記スリットは、前記籠形回転子の回転軸に直交する平面内にて、前記籠形回転子の本体部の周囲に等間隔で配置され、前記本体部外周面で開口する前記首部と、前記首部の両側と本体部との境界付近に形成された張り出し部とを有することを特徴とするものである。
これによれば、前記張り出し部により、前記首部に前記二次導体の形成材料となる溶湯を充填した際に該溶湯の収縮の移動を阻害する拘束手段が形成される。
又は、本発明の好ましい態様は、前記スリットは、前記籠形回転子の回転軸に直交する平面内にて、前記籠形回転子の本体部の周囲に等間隔で配置され、該前記本体部外周面で開口する前記首部と、前記首部の両側と本体部との境界付近を前記首部の内側に向けて略平行に絞り込んで形成された平行絞り部とを有することを特徴とするものである。
これによれば、前記平行絞り部により、前記首部に前記二次導体の形成材料となる溶湯を充填した際に該溶湯の収縮の移動を阻害する拘束手段が形成される。
又は、本発明の好ましい態様は、前記スリットは、前記籠形回転子の回転軸に直交する平面内にて、前記籠形回転子の本体部の周囲に等間隔で配置され、前記本体部外周面で開口する首部と、前記首部の両側と本体部との境界付近を前記首部の外側に向けて湾曲状に拡大して形成された湾曲拡大部とを有することを特徴とするものである。
これによれば、前記湾曲拡大部により、前記首部に前記二次導体の形成材料となる溶湯を充填した際に該溶湯の収縮の移動を阻害する拘束手段が形成される。
又は、本発明の好ましい態様は、前記スリットは、前記籠形回転子の回転軸に直交する平面内にて、前記籠形回転子の本体部の周囲に等間隔で配置され、前記本体部外周面で開口する首部と、前記首部の両側と本体部との境界付近を前記首部の内側に向けて湾曲状に絞り込んで形成された湾曲絞り部とを有することを特徴とするものである。
これによれば、前記湾曲絞り部により、前記首部に前記二次導体の形成材料となる溶湯を充填した際に該溶湯の収縮の移動を阻害する拘束手段が形成される。
又は、本発明の好ましい態様は、前記スリットは、前記籠形回転子の回転軸に直交する平面内にて、前記籠形回転子の本体部の周囲に等間隔で配置され、前記本体部外周面で開口する首部と、前記首部の両側と本体部との境界付近を前記首部の外側に向けて楔状に拡大して形成された楔状拡大部とを有することを特徴とするものである。
これによれば、前記楔状拡大部により、前記首部に前記二次導体の形成材料となる溶湯を充填した際に該溶湯の収縮の移動を阻害する拘束手段が形成される。
又は、本発明の好ましい態様は、前記スリットは、前記籠形回転子の回転軸に直交する平面内にて、前記籠形回転子の本体部の周囲に等間隔で配置され、前記本体部外周面で開口する首部と、前記首部の両側と本体部との境界付近を前記首部の内側に向けて楔状に絞り込んで形成された楔状絞り部とを有することを特徴とするものである。
これによれば、前記楔状絞り部により、前記首部に前記二次導体の形成材料となる溶湯を充填した際に該溶湯の収縮の移動を阻害する拘束手段が形成される。
又は、本発明の好ましい態様は、前記スリットは、前記籠形回転子の回転軸に直交する平面内にて、前記籠形回転子の本体部の周囲に等間隔で配置され、前記本体部外周面で開口する首部と、前記首部の両側と本体部との境界付近に形成された鋸歯部とを有することを特徴とするものである。
これによれば、前記鋸歯部により、前記首部に前記二次導体の形成材料となる溶湯を充填した際に該溶湯の収縮の移動を阻害する拘束手段が形成される。
本発明によれば、前記首部に前記二次導体の形成材料となる溶湯を充填して冷却固化する際、スリットの首部に設けられた拘束手段(たとえば、張り出し部、平行絞り部、湾曲拡大部、湾曲絞り部、楔状拡大部、楔状絞り部又は鋸歯部若しくはそれらに類似する形状部)が溶湯の収縮の移動を阻害する。このため、拘束手段付近の二次導体の収縮量が少なくなってスリットと二次導体の間の隙間が減少する。これにより、その隙間減少部分でスリットと二次導体がしっかりと係合する結果、二次導体の飛び出し、すなわち、前記籠形回転子が高速回転する際の遠心力によって前記二次導体が前記スリットの開口から外方へと飛び出すことが抑制又は規制される。したがって、当該飛び出しによる様々な不都合、たとえば、固定子との間のギャップ減少やギャップ擦りを回避することができる。加えて、従来技術のような新たな工程(樹脂材料の充填工程)を必要としないので、コストアップも招かない。
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。
図1は、本実施形態に係る籠形誘導電動機の斜視図である。この図において、籠形誘導電動機10は、下部に基台11を形成したフレーム12の内周面に固定子13を取り付けると共に、その固定子13の内面側に、籠形回転子14を所定のギャップ長で離隔配置し、且つ、その籠形回転子14の軸芯に回転軸15を一体的に挿通すると共に、その回転軸15の両端をフレーム12上のベアリング16、17で回転自在に支承して構成している。
固定子13及び籠形回転子14は、それぞれ焼結コア等の積層鉄心からなり、固定子13の積層鉄心(以下、固定子鉄心13aという)には、固定子13の周方向に沿って等間隔に配置された歯部13bが形成されており、各々の歯部13bに巻線13cが収装されている。
一方、籠形回転子14の積層鉄心(以下、回転子鉄心14aという)には、籠形回転子14の周方向に沿って等間隔に配置されたオープンタイプのスリット18(この図ではスリット18の開口部18xしか見えていない。実際のスリット18については図2を参照のこと。)が形成されている。スリット18の内部には、アルミニウム等の溶湯を注入し、冷却固化して作られた二次導体19(この図では回転子鉄心14aの内部に隠れて見えない。実際の二次導体19については図2を参照のこと。)が設けられており、全ての二次導体19の端部は、回転子鉄心14aの両端に取り付けられたエンドリング20、21によって電気的に接続され、短絡されている。
図2は、固定子13と籠形回転子14の断面図である。この図において、固定子鉄心13aと回転子鉄心14aは、それぞれ同心状の略ドーナツ形状をなしており、固定子鉄心13aの内径に対して、回転子鉄心14aの外径が若干小さくなっている。内径と外径の差が固定子13と籠形回転子14の間のギャップ長になる。なお、回転子鉄心14aの軸芯に開けられた円形開口14cは回転軸15(図1参照)の取り付け穴である。
既述のとおり、固定子鉄心13aの周方向に沿って等間隔の歯部13bが形成されており、これらの歯部13bに巻線13cが収装されている。また、回転子鉄心14aの周方向に沿って等間隔のスリット18が形成されており、これらのスリット18に二次導体19が設けられている。
図3は、図2のA部拡大図であり、一つのスリット18を拡大して示す図である。この図において、(a)及び(b)は、本実施形態における二次導体19の形成の様子を示している。すなわち、(a)は回転子鉄心14aに形成されたスリット18に、アルミニウム等の溶湯3を注入した直後の様子を示し、(b)は溶湯3を冷却固化して二次導体19が形成されたときの様子を示している。
なお、この図においても、回転子鉄心14aの図中上端線14bが横一直線に描かれているが、これは図示の都合である。実際には回転子鉄心14aの外周曲率に沿った曲線である。以下、他の図面においても同様とする。
これらの図(a)、(b)において、溶湯3を冷却固化して二次導体19を形成すると、冒頭の従来技術と同様に、スリット18と二次導体19の線膨張率の違いにより、スリット18の内周と二次導体19の外周との間に隙間22が生まれる。従来技術との違いは、この隙間22が二次導体19の外周に沿って均一に生じない点にある。
この違いについて説明する。図3に示すとおり、本実施形態のスリット18は、回転子鉄心14aの回転中心点から放射状に若干量拡径する本体部18aと、その本体部18aに連続してスリット18の開口部に至る首部18bとからなる形状を有する点で冒頭の従来技術と類似しているが、その首部18bの形状がスリット18の開口部に向けて徐々に広がるテーパ状をなしている点で構成上の差異がある。
かかる差異を有することにより、本実施形態のスリット18は、その首部18bの付け根付近(本体部18aとの境界付近)に対向する張り出し部18cを備えることになり、この張り出し部18cによって、首部18bの径方向に沿って最も幅が狭い部分を形成することができる。
さて、このような特徴的形状を有するスリット18にアルミニウム等の溶湯3を注入し、冷却固化すると、そのスリット18と略相似形で且つ若干収縮した二次導体19が形成されることとなり、この二次導体19も、スリット18と略相似の形状、つまり、回転子鉄心14aの回転中心点から放射状に若干量拡径する本体部19aと、その本体部19aに連続してスリット18の開口部に至る首部19bと、その首部19bに形成された狭隘部19cとを備えることになる。ちなみに、狭隘部19cは、スリット18の張り出し部18cによって形成されたものであり、同張り出し部18cは、上記のとおり、首部18bの径方向に沿って“最も幅が狭い部分”を形成するものであるので、かかる部分に対応させて便宜的に“狭隘部”と称している。
スリット18に注入された溶湯3は徐々に冷えて固化し、最終的に上記構成の二次導体19を形成する。ここで、溶湯3は、溶湯から固化の過程で収縮を伴い、スリット18の張り出し部18cは、その収縮の移動を阻害する拘束手段として働く。すなわち、徐冷された溶湯3は、スリット18の略断面中心P2に向かって外側から収縮をはじめるものの、スリット18の張り出し部18cが収縮の邪魔をする(収縮の移動を阻害する)ので、この張り出し部18cに対応して形成される二次導体19の狭隘部19cの収縮量が他の部分に比べて少なくなる。図3(b)のP2に向かって上から下に延びる短矢印は、その矢印の短さで収縮量の少なさを表現している。その結果、スリット18の張り出し部18cと二次導体19の狭隘部19cとの間に形成される隙間22が他の部分の隙間22に比べて狭くなる。
さて、このようにして形成された後の本実施形態の二次導体19は、若干の隙間22をもって、つまり、若干の遊びをもってスリット18に遊装されるが、その遊びは、二次導体19の外周全体で均一ではなく、上記のとおり、特にスリット18の張り出し部18cと二次導体19の狭隘部19cとの間で少ない遊び(少ない隙間22)になる。このため、遊装状態にあるスリット18の動きが、当該少ない遊びの部分(スリット18の張り出し部18cと二次導体19の狭隘部19cの部分)で拘束若しくは規制されることとなる。
そして、かかる拘束若しくは規制の作用により、図3(c)に示すように、二次導体19に対して高速回転時の遠心力Fが作用した場合であっても、二次導体19のスリット18の開口方向への飛び出しを抑えることができ、二次導体19の突出量D2を従来技術の突出量D1(図5参照)よりも格段に少なくすることができる。
このように、本実施形態によれば、二次導体19の突出量D2を少なくできるから、固定子13と籠形回転子14との間のギャップ減少及びギャップ擦りを確実に回避することができ、加えて、従来技術のような新たな工程(樹脂材料の充填工程)を必要としないから、コストアップも招かないのである。
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、その技術思想の範囲内において、様々な発展例や変形例を含むことはもちろんである。
上記の実施形態においては、スリット18の形状を、回転子鉄心14aの回転中心点から放射状に若干量拡径する本体部18aと、その本体部18aに連続してスリット18の開口部に至る首部18bと、その首部18bに形成された張り出し部18cとを有するものとしている。いうまでもなく、これらはスリット18の好ましい形状の一つを示しているに過ぎない。
本発明の課題は、従来技術のような新たな工程(樹脂材料の充填工程)を必要とすることなく、二次導体19の突出量D2を抑え、以て、ギャップ減少やギャップ擦りを回避することにある。そして、本発明は、この課題を達成するために、スリット18の形状を工夫することとしたものであり、上記の実施形態は、この工夫の一例である。
上記実施形態の原理について検証すると、二次導体19の突出量D2の抑制は、結局のところ、スリット18の張り出し部18cと二次導体19の狭隘部19cとの間の隙間22を狭くしたからである。してみれば、本件発明の本質は、そのような構造をスリット18の首部18bに拘束手段を設ければよいということができる。
かかる構造の一例は上記実施形態で示したとおりである。すなわち、スリット18の本体部18aに連続してスリット18の開口部に至る首部18bを形成することにより、その首部18bに、上記の張り出し部18cを作ることができるのであるが、この他にも様々な変形例が考えられる。
図4は、張り出し部18cに代わる他のいくつかの変形例を示す図である。まず、(a)はスリット18の首部18bに平行絞り部18dを形成したもの(第1変形例)である。つまり、首部18bの付け根付近を首部18bの内側に向けて略平行に絞り込み、その絞り部分を平行絞り部18dとしたものである。このようにしても、二次導体19の突出量を抑え、ギャップ減少やギャップ擦りを確実に回避することができる。
(b)はスリット18の首部18bに湾曲拡大部18eを形成したもの(第2変形例)である。つまり、首部18bの付け根付近を首部18bの外側に向けて湾曲状に拡大し、その拡大部分を湾曲拡大部18eとしたものである。このようにしても、二次導体19の突出量を抑え、ギャップ減少やギャップ擦りを確実に回避することができる。
(c)はスリット18の首部18bに湾曲絞り部18fを形成したもの(第3変形例)である。つまり、首部18bの付け根付近を首部18bの内側に向けて湾曲状に絞り込み、その絞り部分を湾曲絞り部18fとしたものである。このようにしても、二次導体19の突出量を抑え、ギャップ減少やギャップ擦りを確実に回避することができる。
(d)はスリット18の首部18bに楔(くさび)状拡大部18gを形成したもの(第4変形例)である。つまり、首部18bの付け根付近を首部18bの外側に向けて楔状に拡大し、その拡大部分を楔状拡大部18gとしたものである。このようにしても、二次導体19の突出量を抑え、ギャップ減少やギャップ擦りを確実に回避することができる。
(e)はスリット18の首部18bに楔状絞り部18hを形成したもの(第5変形例)である。つまり、首部18bの付け根付近を首部18bの内側に向けて楔状に絞り込み、その絞り部分を楔状絞り部18hとしたものである。このようにしても、二次導体19の突出量を抑え、ギャップ減少やギャップ擦りを確実に回避することができる。
(f)はスリット18の首部18bに鋸歯(きょし)部18iを形成したもの(第6変形例)である。つまり、首部18bの付け根付近に鋸歯を形成し、その鋸歯部分を鋸歯部18iとしたものである。このようにしても、二次導体19の突出量を抑え、ギャップ減少やギャップ擦りを確実に回避することができる。
以上、様々な変形例を示したが、これらの変形例も本発明の本質を具現化した実施形態に過ぎず、各々の変形例の説明のみから本発明の技術思想の外縁を判断してはならない。たとえば、上記の第1変形例の平行絞り部18dについても、必ずしも「平行」である必然性はなく、また、第2変形例や第3変形例の湾曲拡大部18e及び湾曲絞り部18fについても、必ずしも「同一曲率の湾曲」である必然性はない。同様に、第4変形例や第5変形例の楔状拡大部18g及び楔状絞り部18hについても、必ずしも「鋭角な角度の楔」である必然性はなく、また、第6変形例の鋸歯部18iについても、必ずしも「鋸歯」である必然性はない。いずれも似たような形状であればよく、要するに、スリット18の首部18bに溶湯3の収縮の移動を阻害する拘束手段を形成できる構造になっていればよい。
本実施形態に係る籠形誘導電動機の斜視図である。 固定子13と籠形回転子14の断面図である。 図2のA部拡大図である。 張り出し部18cに代わる他のいくつかの例を示す図である。 ギャップ減少やギャップ擦りの不都合説明図である。
符号の説明
10 籠形誘導電動機(誘導電動機)
14 籠形回転子
14a 回転子鉄心(積層鉄心)
15 回転軸
18 スリット
18a 本体部
18b 首部
18c 張り出し部(拘束手段)
18d 平行絞り部(拘束手段)
18e 湾曲拡大部(拘束手段)
18f 湾曲絞り部(拘束手段)
18g 楔状拡大部(拘束手段)
18h 楔状絞り部(拘束手段)
18i 鋸歯部(拘束手段)
19 二次導体
20、21 短絡リング

Claims (8)

  1. 軸芯が回転軸に支承された円筒状の積層鉄心と、その積層鉄心の外周面に形成された軸方向の多数のスリット内に設けられた二次導体と、前記積層鉄心の両端側で前記二次導体同士を短絡する短絡リングとを備えた誘導電動機の籠形回転子において、
    前記スリットは、前記籠形回転子の外周面に開口する首部と、該首部に前記二次導体の形成材料となる溶湯を充填した際に該溶湯の収縮の移動を阻害する拘束手段とを有することを特徴とする誘導電動機の籠形回転子。
  2. 前記スリットは、前記籠形回転子の回転軸に直交する平面内にて、前記籠形回転子の本体部の周囲に等間隔で配置され、前記本体部外周面で開口する前記首部と、前記首部の両側と本体部との境界付近に形成された張り出し部とを有することを特徴とする請求項1記載の誘導電動機の籠形回転子。
  3. 前記スリットは、前記籠形回転子の回転軸に直交する平面内にて、前記籠形回転子の本体部の周囲に等間隔で配置され、前記本体部外周面で開口する前記首部と、前記首部の両側と本体部との境界付近を前記首部の内側に向けて略平行に絞り込んで形成された平行絞り部とを有することを特徴とする請求項1記載の誘導電動機の籠形回転子。
  4. 前記スリットは、前記籠形回転子の回転軸に直交する平面内にて、前記籠形回転子の本体部の周囲に等間隔で配置され、前記本体部外周面で開口する首部と、前記首部の両側と本体部との境界付近を前記首部の外側に向けて湾曲状に拡大して形成された湾曲拡大部とを有することを特徴とする請求項1記載の誘導電動機の籠形回転子。
  5. 前記スリットは、前記籠形回転子の回転軸に直交する平面内にて、前記籠形回転子の本体部の周囲に等間隔で配置され、前記本体部外周面で開口する首部と、前記首部の両側と本体部との境界付近を前記首部の内側に向けて湾曲状に絞り込んで形成された湾曲絞り部とを有することを特徴とする請求項1記載の誘導電動機の籠形回転子。
  6. 前記スリットは、前記籠形回転子の回転軸に直交する平面内にて、前記籠形回転子の本体部の周囲に等間隔で配置され、前記本体部外周面で開口する首部と、前記首部の両側と本体部との境界付近を前記首部の外側に向けて楔状に拡大して形成された楔状拡大部とを有することを特徴とする請求項1記載の誘導電動機の籠形回転子。
  7. 前記スリットは、前記籠形回転子の回転軸に直交する平面内にて、前記籠形回転子の本体部の周囲に等間隔で配置され、前記本体部外周面で開口する首部と、前記首部の両側と本体部との境界付近を前記首部の内側に向けて楔状に絞り込んで形成された楔状絞り部とを有することを特徴とする請求項1記載の誘導電動機の籠形回転子。
  8. 前記スリットは、前記籠形回転子の回転軸に直交する平面内にて、前記籠形回転子の本体部の周囲に等間隔で配置され、前記本体部外周面で開口する首部と、前記首部の両側と本体部との境界付近に形成された鋸歯部とを有することを特徴とする請求項1記載の誘導電動機の籠形回転子。
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