JP2007251255A - 光制御型フェーズドアレイアンテナ装置 - Google Patents

光制御型フェーズドアレイアンテナ装置 Download PDF

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勉 永塚
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Abstract

【課題】信号光ビームとローカル光ビームとを容易に分離でき、ダイナミックレンジの大きい光制御型フェーズドアレイアンテナ装置を得る。
【解決手段】光マイクロ波光源、PBS1と、1/4波長板2、ローカル光ビームを透過する光BPF3、1/4波長板4、信号光ビームの空間振幅位相分布を励振振幅位相分布に変換してローカル光ビームと空間的に合成する変換装置20、合成ビーム光を空間的にサンプリングする光ファイバアレイ30、アレイ30の出力をマイクロ波信号に変換する光電変換器31、マイクロ波信号を空間に放射するアレイアンテナ32を備え、前記光マイクロ波光源に波長可変光出力装置40を用い、光出力装置40の出力光に低周波で強度変調をかけ、1/4波長板4を透過したローカル光ビームの低周波変調成分を検出し、その検出値に基づいて低周波変調成分の強度が最大となるように光出力装置40の波長を制御する波長制御回路42を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、信号光とローカル光との間の位相変動などの外乱を抑圧するために、空間で信号光とローカル光とを分離する光制御型フェーズドアレイアンテナ装置に関するものである。
従来、この種の光制御型フェーズドアレイアンテナとして、マイクロ波信号の周波数だけ周波数が異なる信号光ビームとローカル光ビームを空間に放射し、信号光ビームを、空間光変調器によりアレイアンテナからの放射ビームのパターンに対応した強度位相分布に変換するとともに、ローカル光ビームを前記信号光ビームと空間的に重ね合わせ、重ね合わされた合成ビーム光を、光ファイバアレイにより空間的にサンプリングし、そのサンプリング光を複数の光電変換器によるヘテロダイン検波により、複数のマイクロ波信号に変換した後、アレイアンテナを用いて空間に放射するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−347826号公報(図1参照)
このような光制御型フェーズドアレイアンテナ装置において、信号光とローカル光との間の位相変動などの外乱を抑圧するために、光源からの信号光ビームとローカル光ビームとを同一の光ファイバを用いて伝送した場合、その合成光から信号光ビームとローカル光ビームとを分離する必要があり、このため、狭帯域の光フィルタを用いる必要がある。しかし、一般に、製造誤差、温度変動やその他の要因により、信号光ビームおよびローカル光ビームの波長と狭帯域光フィルタの通過帯域を所要の値に合せるのは容易ではなく、このような光制御型フェーズドアレイアンテナ装置を製造することは困難であった。
この発明は上述のような課題を解決するためになされたもので、信号光ビームとローカル光ビームとを容易に分離でき、ダイナミックレンジの大きい光制御型フェーズドアレイアンテナ装置を得ることを目的とするものである。
この発明に係る光制御型フェーズドアレイアンテナ装置は、マイクロ波周波数で離調した2つのレーザ光ビームである信号光ビーム及びローカル光ビームを同一方向の直線偏光で空間に放射する光出力手段と、前記信号光ビーム及びローカル光ビームを透過する偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタを透過した信号光ビーム及びローカル光ビームの偏光を円偏光のビームに変換する第1の4分の1波長板と、前記第1の4分の1波長板を透過した前記信号光ビーム及びローカル光ビームのうち、前記信号光ビームを反射し、前記ローカル光ビームを透過する光バンドパスフィルタと、前記光バンドパスフィルタを透過した前記ローカル光ビームの偏光方向を直線偏光のビームに変換する第2の4分の1波長板と、前記光バンドパスフィルタに反射し、前記第1の4分の1波長板で再び直線偏光に変換され、前記偏光ビームスプリッタで前記光出力手段と異なる方向に反射した信号光ビームの空間振幅位相分布を所定の振幅位相分布に変換し、前記第2の4分の1波長板からのローカル光ビームと空間的に合成したビーム光を出力する空間光振幅位相分布変換装置と、前記空間光振幅位相分布変換装置から出力されたビーム光を空間的にサンプリングする光ファイバアレイと、前記光ファイバアレイの出力をヘテロダイン検波することによりマイクロ波信号に変換する光電変換器と、前記光電変換器により変換されたマイクロ波信号を空間に放射するアレイアンテナとを備えた光制御型フェーズドアレイアンテナ装置において、前記光出力手段として、離調周波数を維持したまま前記信号光ビーム及びローカル光ビームの波長を可変でき、かつ出力光の強度を低周波で変調可能な波長可変型光出力手段を用い、前記第2の4分の1波長板を透過した前記ローカル光ビームの低周波変調成分の強度を検出する光強度検出手段と、前記光強度検出手段からの検出値に基づいて低周波変調成分の強度が最大となるように前記波長可変型光出力手段の波長を制御する波長制御手段とをさらに備えたことを特徴とする。
また、他の発明に係る光制御型フェーズドアレイアンテナ装置は、マイクロ波周波数で離調した2つのレーザ光ビームである信号光ビーム及びローカル光ビームを同一方向の直線偏光で空間に放射する光出力手段と、前記信号光ビーム及びローカル光ビームを透過する偏光ビームスプリッタと、前記偏光ビームスプリッタを透過した信号光ビーム及びローカル光ビームの偏光を円偏光のビームに変換する第1の4分の1波長板と、前記第1の4分の1波長板を透過した前記信号光ビーム及びローカル光ビームのうち、前記信号光ビームを反射し、前記ローカル光ビームを透過する光バンドパスフィルタと、前記光バンドパスフィルタを透過した前記ローカル光ビームの偏光方向を直線偏光のビームに変換する第2の4分の1波長板と、前記光バンドパスフィルタに反射し、前記第1の4分の1波長板で再び直線偏光に変換され、前記偏光ビームスプリッタで前記光出力手段と異なる方向に反射した信号光ビームの空間振幅位相分布を所定の振幅位相分布に変換し、前記第2の4分の1波長板からのローカル光ビームと空間的に合成したビーム光を出力する空間光振幅位相分布変換装置と、前記空間光振幅位相分布変換装置から出力されたビーム光を空間的にサンプリングする光ファイバアレイと、前記光ファイバアレイの出力をヘテロダイン検波することによりマイクロ波信号に変換する光電変換器と、前記光電変換器により変換されたマイクロ波信号を空間に放射するアレイアンテナとを備えた光制御型フェーズドアレイアンテナ装置において、前記光出力手段として、出力光の強度を低周波で変調可能な光出力手段を用いると共に、前記光バンドパスフィルタとして、透過波長を可変できる波長可変型光バンドパスフィルタを用い、前記第2の4分の1波長板を透過した前記ローカル光ビームの低周波変調成分の強度を検出する光強度検出手段と、前記光強度検出手段からの検出値に基づいて低周波変調成分の強度が最大となるように前記波長可変型光バンドパスフィルタの透過波長を制御する帯域制御手段とをさらに備えたことを特徴とする。
この発明によれば、信号光ビームとローカル光ビームとを容易に分離でき、ダイナミックレンジの大きい所要の動作を容易に行えるという効果を奏する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る光制御型フェーズドアレイアンテナ装置について図1から図3までを参照しながら説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る光制御型フェーズドアレイアンテナ装置の構成を示すブロック図である。また、図2は、この発明の実施の形態1に係る光制御型フェーズドアレイアンテナ装置の光バンドパスフィルタ3の透過、反射特性を示す図である。さらに、図3は、この発明の実施の形態1に係る光制御型フェーズドアレイアンテナ装置の空間光振幅位相分布変換装置20の構成を示すブロック図である。なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1に示される実施の形態1に係る光制御型フェーズドアレイアンテナ装置は、マイクロ波入力端子11から入力したマイクロ波周波数(周波数|f−f|)で離調した同一偏波方向の周波数fの信号光と、周波数fのローカル光とを出力する光マイクロ波光源40と、偏波保存光ファイバ12と、偏波保存光ファイバ12を介して入力される信号光とローカル光とのビーム光を所定のビーム幅に変換してそれぞれ同一方向の直線偏光となる信号光ビーム50とローカル光ビーム51として空間に放射するレンズ13と、信号光ビーム50とローカル光ビーム51とを透過する偏光ビームスプリッタ(以下、PBSと称す)1と、PBS1を透過した2つのビーム光の偏光を円偏光のビームに変換する4分の1波長板2と、4分の1波長板2を透過した2つのビーム光のうち、信号光ビーム50は反射し、ローカル光ビーム51を透過する光バンドパスフィルタ(以下、光BPFと称す)3と、光BPF3を透過したローカル光ビーム51の偏光方向を直線偏光のビーム光に変換する4分の1波長板4と、光BPF3に反射し、4分の1波長板2で再び直線偏光に変換され、PBS1でレンズ13と異なる方向に反射し、反射鏡14でさらに反射した信号光ビーム50の空間振幅位相分布を、アレイアンテナ32への励振振幅位相分布に変換し、もう1つの反射鏡14で反射したローカル光ビーム51と空間的に合成したビーム光を出力する空間光振幅位相分布変換装置20と、空間光振幅位相分布変換装置20から出力されたビーム光を空間的にサンプリングする光ファイバアレイ30と、光ファイバアレイ30の出力をヘテロダイン検波することによりマイクロ波信号に変換する光電変換器31と、光電変換器31により発生したマイクロ波信号をマイクロ波ビーム33として空間に放射するアレイアンテナ32とを備えている。
また、図1において、光マイクロ波光源40としては、信号光ビーム及びローカル光ビームの離調周波数を維持したままこれらの光ビームの波長を可変できる波長可変型光マイクロ波光源を用いている。また、低周波信号入力端子45が設けられており、ここに入力した低周波電気信号により出力光の強度を変調することができる。さらに、部分反射鏡(光分波手段)15と、レンズ16と、光検出器41と、波長制御回路42とを備えている。
なお、この発明において、離調周波数を維持したまま信号光ビーム50及びローカル光ビーム51の波長を可変できる波長可変型光出力装置は、例えば、波長可変型光マイクロ波光源40と、偏波保存光ファイバ12と、レンズ13とから構成される。また、この発明において、4分の1波長板4を透過したローカル光ビームの低周波変調成分の強度を検出する光強度検出手段は、例えば、この実施の形態1では、レンズ16と、光検出器41とから構成され、波長制御回路42は、光検出器41の検出値に基づいて低周波変調成分の強度が最大となるように光マイクロ波光源40の波長を制御する。
次に、この実施の形態1に係る光制御型フェーズドアレイアンテナ装置の動作について図面を参照しながら説明する。光マイクロ波光源40は、マイクロ波入力端子11から入力したマイクロ波周波数(周波数|f−f|)で離調した同一偏波方向の周波数fの信号光と、周波数fのローカル光を出力する。この光マイクロ波光源40は、例えば、レーザ光源と光変調器により実現できる。さらに、この光マイクロ波光源40は、外部の信号により出力光の波長を可変できる波長可変光マイクロ波光源40を用いている。波長可変光マイクロ波光源40から出射した信号光とローカル光は、偏波保存光ファイバ12により偏光方向を維持しながら伝送され、レンズ13により所定のビーム幅に変換されて空間に放射され、それぞれ同一方向の直線偏光となる信号光ビーム50とローカル光ビーム51となる。
信号光ビーム50とローカル光ビーム51は、偏光ビームスプリッタ(PBS)1に入射する。このとき、信号光ビーム50とローカル光ビーム51の偏光方向を、PBS1を透過する方向に設定し、信号光ビーム50とローカル光ビーム51を透過させる。このときの信号光ビーム50とローカル光ビーム51の偏向状態を101に示す。
PBS1を透過した各ビーム50、51は、それらの偏光方向に対し、結晶軸が45度傾いた1/4波長板2に入射し、それぞれ円偏光の光ビーム50、51となり出射する。このときの信号光ビーム50とローカル光ビーム51の偏向状態を102に示す。1/4波長板2を出射した光ビーム50、51は、図2に示すような特性、つまり、周波数fは反射、周波数fは透過する特性を有する光バンドパスフィルタ(光BPF)3に入力する。周波数fの信号光ビームは、光BPF3により反射され、光BPF3に入射した時と反対側の回転方向をした円偏光の信号光ビーム50となる。このときの信号光ビーム50とローカル光ビーム51の偏向状態を105に示す。この信号光ビーム50は、再び1/4波長板2に入射し、レンズ13を出力した時と90度傾いた方向の直線偏光に変換される。このときの信号光ビーム50とローカル光ビーム51の偏向状態を106に示す。この信号光ビーム50は、再びPBS1に入射し、90度傾いた方向に反射し、PBS1から出射する。
一方、周波数fのローカル光ビーム51は、光BPF3を透過し(このときの信号光ビーム50とローカル光ビーム51の偏向状態を103に示す)、もう1つの1/4波長板4により、レンズ13を出力した時から90度回転した直線偏光に変換され、前述のPBS1を反射した信号光ビーム50と同一方向の直線偏光をしたビーム光に変換される。このときの信号光ビーム50とローカル光ビーム51の偏向状態を104に示す。
光BPF3により、空間的に周波数で分離された信号光ビーム50と、ローカル光ビーム51は、それぞれ別の反射鏡14および15で反射され、空間光振幅位相分布変換装置20に入力された信号光ビーム50は、所定の振幅/位相分布のビーム光に変換され、再び、ローカル光ビーム51と空間的に合成されて出力される。この空間光振幅位相分布変換装置20は、例えば、レンズのフーリエ変換を利用することにより実現できる。
ここで、レンズのフーリエ変換を利用した空間光振幅位相分布変換装置20について、図3を用いて説明する。図3において、信号光ビーム50は、光の空間強度分布を制御する空間光変調器21に入力する。この空間光変調器21は、制御信号入力端子22からの制御信号に従い、入射信号光ビーム50を、アレイアンテナ32から放射させるマイクロ波ビーム33の方向、形状に対応した強度分布の信号光ビーム50に変換し、再び空間に出射する。空間光変調器21を出射した信号光ビーム50は、フーリエ変換光学系24に入力し、空間的にフーリエ変換される。なお、空間光変調器21としては、例えば、液晶を用いたものなどが既に実用化されている。
フーリエ変換された信号光ビーム50と、ローカル光ビーム51は、ビーム合成器25により空間的に重ね合わされ、合成ビーム光となる。合成ビーム光は、上記のフーリエ変換光学系24の後側焦点面26を入射面とする光ファイバアレイ30の各光ファイバに入射し、空間的にサンプルリングされる。この光ファイバアレイ30は、所定の間隔を置いて、光ファイバの長手方向が平行になるように、並置された複数本の光ファイバから構成される。光ファイバアレイ30の入射端には、各光ファイバへの合成ビーム光の結合効率を高めるために、レンズアレイを備えても良い。
合成ビーム光は、図1における光ファイバアレイ30を構成する各光ファイバに入射し、光ファイバを伝搬後、各光ファイバの出射端側に接続した各光電変換器31に入力され、ヘテロダイン検波によりマイクロ波信号に変換される。なお、マイクロ波信号の周波数は、光マイクロ波光源40の周波数に対応する。マイクロ波信号は、必要に応じて、マイクロ波増幅器などを介して、アレイアンテナ32の各アンテナ素子に給電し、マイクロ波ビーム33として空間に放射される。
波長可変型光マイクロ波光源40は、マイクロ波入力端子11から入力したマイクロ波周波数(周波数|f−f|)で離調した同一偏波方向の周波数fの信号光、周波数fのローカル光を出力する。信号光の周波数fとローカル光の周波数fは、周波数差を一定に保ちながら可変する。このような、波長可変型光マイクロ波光源40は、例えば、光マイクロ波光源で用いるレーザの温度を制御することなどで実現できる。
さらに、光マイクロ波光源40には、低周波信号入力端子45より入力した低周波電気信号により、強度変調がかけられている。図1には図示していないが、光マイクロ波光源40を強度変調する方法としては、低周波電気信号により光マイクロ波光源40のバイアス電流を直接変化させる方法、EA変調器やLN変調器などの外部変調器を用いて光マイクロ波光源40からの出力光に変調をかける方法などがあり、上記のような、どのような方法を用いても構わない。
また、光マイクロ波光源40を変調する低周波電気信号の周波数は、マイクロ波周波数、すなわち信号光とローカル光との離調周波数(|f−f|)に対し、十分低い周波数である。このため、低周波電気信号により光マイクロ波光源40の出力光に強度変調をかけても、通信に用いるマイクロ波信号に対しては何らの影響も及ぼすものではない。
波長可変型光マイクロ波光源40を出射した信号光とローカル光は、上述したように、偏光ビームスプリッタ1、1/4波長板2、光BPF3に入射する。ローカル光fは、光BPF3を透過し、1/4波長板4を透過後、部分反射鏡15で一部は反射して空間光振幅位相分布変換装置20に入射し、一部は透過してレンズ16により集光され、光検出器41に入射する。この光検出器41では、ローカル光52に重畳している低周波強度変調成分の強度を検出し、出力する。
光BPF3の透過帯域、ローカル光51の周波数は、各々の製造誤差、温度変化などによりずれることがある。この場合、ローカル光51の光BPF3の透過率が劣化することとなり、ダイナミックレンジが劣化したり、透過しなかった成分は反射し、信号光50と同一の光路をたどるために、ゴースト光となる。
光検出器41の出力は、波長制御回路42に入力する。この波長制御回路42は、光検出器41の検出する低周波変調信号出力が最大となるように、つまり、光BPF3の透過帯域とローカル光51の波長(周波数)が一致するように、波長可変型光マイクロ波光源40の波長を制御する。これにより、温度変化などにより光BPF3の特性が変化しても、ローカル光51の透過率の劣化を抑制できるため、ダイナミックレンジの劣化を抑制できる。なお、部分反射鏡15を偏光ビームスプリッタ(PBS)にし、1/4波長板4の回転角により、1/4波長板4を透過したローカル光51の偏光状態を調節することにより、偏光ビームスプリッタの透過光の一部を透過させてもよい。
このように、実施の形態1に示す装置では、信号光ビームとローカル光ビームを容易に分離することができ、ダイナミックレンジが大きい光制御型フェーズドアレイアンテナ装置が得られる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係る光制御型フェーズドアレイアンテナ装置について図4を参照しながら説明する。図4は、この発明の実施の形態2に係る光制御型フェーズドアレイアンテナ装置の構成を示すブロック図である。図4に示す実施の形態2に係る光制御型フェーズドアレイアンテナ装置において、図1に示す実施の形態1と同一部分は同一符号を付してその説明は省略する。図4に示す実施の形態2において、図1に示す実施の形態1の光マイクロ波光源40の代わりに、光マイクロ波光源10を用いている。この光源10は、可変波長である必要はなく、出力光の強度を低周波で変調可能な機能のみ有する。また、光BPF3として、透過波長を可変できる、例えばエタロン(波長可変型光バンドパスフィルタ)を用いたものである。さらに、図1に示す実施の形態1の波長制御回路42の代わりに、光検出器41からの検出値に基づいて4分の1波長板4を透過したローカル光ビームの低周波変調成分の強度が最大となるように光BPF3の透過波長を制御するための帯域制御回路43と、帯域制御回路43の制御に基づいて光BPF3の温度を制御する温度制御装置44とを備えている。
次に、この実施の形態2に係る光制御型フェーズドアレイアンテナ装置の動作について図面を参照しながら説明する。ここでは、実施の形態1と同一の構成要素については説明を省略する。光マイクロ波光源10を出射した信号光、ローカル光は、低周波信号入力端子45に入力した低周波電気信号により強度変調がかけられる。これらの光は、上記実施の形態1と同様に、偏光ビームスプリッタ1、1/4波長板2、光BPF3に入射する。ローカル光fは、光BPF3を透過し、1/4波長板4を透過後、部分反射鏡15で一部は反射して空間光振幅位相分布変換装置20に入射し、一部は透過してレンズ16により集光され、光検出器41に入射する。この光検出器41では、ローカル光52の低周波変調成分強度を検出して出力する。
光BPF3の透過帯域、ローカル光51の周波数は、各々の製造誤差、温度変化などによりずれることがある。この場合、ローカル光51の光BPF3の透過率が劣化することとなり、ダイナミックレンジが劣化したり、透過しなかった成分は反射し、信号光50と同一の光路をたどるために、ゴースト光となる。
光検出器41の出力は、光BPF3の帯域制御回路43に入力する。この帯域制御回路43は、光検出器41の低周波変調成分出力が最大となるように、光BPF3の透過波長を制御する。波長の制御手段としては、光BPF3の温度を制御するなどの手段がある。例えば、光BPF3がエタロンにより構成されている場合、BPFの透過帯域は、エタロンを構成する共振器の光学長により決定されるため、この光学長は、(共振器の長さ)×(共振器を構成する媒質の屈折率)である。通常の光学材料は、温度により、長さ、屈折率が僅かに変化するため、温度制御装置44によって光BPF3の温度を制御することにより、透過波長を制御することが可能である。温度制御装置44としては、例えばペルチェ素子などがある。
以上により、光マイクロ波光源10の周波数(波長)が変化しても、光BPF3の透過率の劣化を抑制できるため、ダイナミックレンジの劣化を抑制することが可能となる。
このように、実施の形態2に示す装置では、信号光ビームとローカル光ビームを容易に分離することができ、ダイナミックレンジが大きい光制御型フェーズドアレイアンテナ装置が得られる。
この発明の実施の形態1に係る光制御型フェーズドアレイアンテナ装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る光制御型フェーズドアレイアンテナ装置の光バンドパスフィルタの透過、反射特性を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る光制御型フェーズドアレイアンテナ装置の空間光振幅位相分布変換装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る光制御型フェーズドアレイアンテナ装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 偏光ビームスプリッタ(PBS)、2 1/4波長板、3 光バンドパスフィルタ(光BPF)、4 1/4波長板、10 光マイクロ波光源、11 マイクロ波入力端子、12 偏波保存光ファイバ、13 レンズ、14 反射鏡、15 部分反射鏡、16 レンズ、20 空間光振幅位相分布変換装置、21 空間光変調器、22 制御信号入力端子、24 フーリエ変換光学系、25 ビーム合成器、30 光ファイバアレイ、31 光電変換器、32 アレイアンテナ、40 波長可変型光マイクロ波光源、41 光検出器、42 波長制御回路、43 帯域制御回路、44 温度制御装置、45 低周波信号入力端子。

Claims (3)

  1. マイクロ波周波数で離調した2つのレーザ光ビームである信号光ビーム及びローカル光ビームを同一方向の直線偏光で空間に放射する光出力手段と、
    前記信号光ビーム及びローカル光ビームを透過する偏光ビームスプリッタと、
    前記偏光ビームスプリッタを透過した信号光ビーム及びローカル光ビームの偏光を円偏光のビームに変換する第1の4分の1波長板と、
    前記第1の4分の1波長板を透過した前記信号光ビーム及びローカル光ビームのうち、前記信号光ビームを反射し、前記ローカル光ビームを透過する光バンドパスフィルタと、
    前記光バンドパスフィルタを透過した前記ローカル光ビームの偏光方向を直線偏光のビームに変換する第2の4分の1波長板と、
    前記光バンドパスフィルタに反射し、前記第1の4分の1波長板で再び直線偏光に変換され、前記偏光ビームスプリッタで前記光出力手段と異なる方向に反射した信号光ビームの空間振幅位相分布を所定の振幅位相分布に変換し、前記第2の4分の1波長板からのローカル光ビームと空間的に合成したビーム光を出力する空間光振幅位相分布変換装置と、
    前記空間光振幅位相分布変換装置から出力されたビーム光を空間的にサンプリングする光ファイバアレイと、
    前記光ファイバアレイの出力をヘテロダイン検波することによりマイクロ波信号に変換する光電変換器と、
    前記光電変換器により変換されたマイクロ波信号を空間に放射するアレイアンテナと
    を備えた光制御型フェーズドアレイアンテナ装置において、
    前記光出力手段として、離調周波数を維持したまま前記信号光ビーム及びローカル光ビームの波長を可変でき、かつ出力光の強度を低周波で変調可能な波長可変型光出力手段を用い、
    前記第2の4分の1波長板を透過した前記ローカル光ビームの低周波変調成分の強度を検出する光強度検出手段と、
    前記光強度検出手段からの検出値に基づいて低周波変調成分の強度が最大となるように前記波長可変型光出力手段の波長を制御する波長制御手段と
    をさらに備えた
    ことを特徴とする光制御型フェーズドアレイアンテナ装置。
  2. マイクロ波周波数で離調した2つのレーザ光ビームである信号光ビーム及びローカル光ビームを同一方向の直線偏光で空間に放射する光出力手段と、
    前記信号光ビーム及びローカル光ビームを透過する偏光ビームスプリッタと、
    前記偏光ビームスプリッタを透過した信号光ビーム及びローカル光ビームの偏光を円偏光のビームに変換する第1の4分の1波長板と、
    前記第1の4分の1波長板を透過した前記信号光ビーム及びローカル光ビームのうち、前記信号光ビームを反射し、前記ローカル光ビームを透過する光バンドパスフィルタと、
    前記光バンドパスフィルタを透過した前記ローカル光ビームの偏光方向を直線偏光のビームに変換する第2の4分の1波長板と、
    前記光バンドパスフィルタに反射し、前記第1の4分の1波長板で再び直線偏光に変換され、前記偏光ビームスプリッタで前記光出力手段と異なる方向に反射した信号光ビームの空間振幅位相分布を所定の振幅位相分布に変換し、前記第2の4分の1波長板からのローカル光ビームと空間的に合成したビーム光を出力する空間光振幅位相分布変換装置と、
    前記空間光振幅位相分布変換装置から出力されたビーム光を空間的にサンプリングする光ファイバアレイと、
    前記光ファイバアレイの出力をヘテロダイン検波することによりマイクロ波信号に変換する光電変換器と、
    前記光電変換器により変換されたマイクロ波信号を空間に放射するアレイアンテナと
    を備えた光制御型フェーズドアレイアンテナ装置において、
    前記光出力手段として、出力光の強度を低周波で変調可能な光出力手段を用いると共に、前記光バンドパスフィルタとして、透過波長を可変できる波長可変型光バンドパスフィルタを用い、
    前記第2の4分の1波長板を透過した前記ローカル光ビームの低周波変調成分の強度を検出する光強度検出手段と、
    前記光強度検出手段からの検出値に基づいて低周波変調成分の強度が最大となるように前記波長可変型光バンドパスフィルタの透過波長を制御する帯域制御手段と
    をさらに備えた
    ことを特徴とする光制御型フェーズドアレイアンテナ装置。
  3. 請求項2に記載の光制御型フェーズドアレイアンテナ装置において、
    前記光バンドパスフィルタの温度を制御する温度制御手段をさらに備え、
    前記帯域制御手段は、前記温度制御手段を制御することにより、前記波長可変型光バンドパスフィルタの透過波長を制御する
    ことを特徴とする光制御型フェーズドアレイアンテナ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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