JP2007250690A - 基板処理装置及び基板処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板上の酸化膜を除去する際の処理速度を向上させることができる基板処理装置及び基板処理方法を提供すること。
【解決手段】基板Wを収容する処理チャンバ10と、処理チャンバ10内に設けられ、基板Wを加熱する加熱手段14と、処理チャンバ10内に設けられ、基板Wに電位を印加する電位印加手段61、62と、処理チャンバ10内の圧力が所定の圧力になるように処理チャンバ10内のガスを排気する排気制御手段26と、処理チャンバ10内に還元性有機化合物を含む処理ガスGを供給する処理ガス供給口16と、基板Wに電位を印加しつつ処理チャンバ10内に処理ガスGを供給するように基板Wに印加する電位及び処理ガスGの量を制御する制御装置65とを備える基板処理装置、及び酸化膜に処理ガスGを作用させつつ基板Wに電位を印加する基板処理方法。
【選択図】図1

Description

本発明は基板処理装置及び基板処理方法に関し、特に基板上の酸化膜を除去する際の処理速度を向上させることができる基板処理装置及び基板処理方法に関する。
近年の半導体デバイスは、集積度の向上が著しい。集積度の向上は多層配線化によって実現されているが、配線面上に垂直方向に金属を付着形成する工程において下層の金属面上に酸化膜が存在すると生産された半導体デバイスに導通の不具合が生じてしまう。このような不具合を回避するために、半導体デバイスの製造工程においては、基板の洗浄工程あるいは酸化膜の除去等の基板表面処理工程の重要性がますます高くなっている。このような状況の下、近年の基板表面処理工程では、処理基板の損傷を防ぐと共に環境への負荷を軽減する観点から、化学活性な有機酸あるいは還元性ガスを用いて金属面に生成された酸化膜を、還元することにより除去することが行われている。
ところが、基板表面処理工程において、還元性ガス等を用いて金属面に生成された酸化膜を還元すると、同時にエッチングが起こり、金属又はその化合物が飛散することが分かってきた。このエッチング反応によって飛散する金属又はその化合物の量はわずかではあるが、近年の半導体デバイスの配線構造においては無視することのできない量となっている。この飛散する金属又はその化合物は、基板上の金属酸化物を、還元性ガス等で除去した後、基板を所定の温度に維持することにより、除去することが可能であることが知られている(例えば特許文献1参照)。
国際公開第WO2005/106936号パンフレット
基板上の金属酸化物を還元性ガス等で除去した後基板を所定の温度に維持することにより飛散した金属又は化合物を除去することができるが、金属又は化合物の飛散量が多いと金属酸化物を除去した後の基板を所定の温度に維持する時間がその分長く必要となり、基板の処理速度に影響を与えていた。
本発明は上述の課題に鑑み、基板上の酸化膜を除去する際の処理速度を向上させることができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る基板処理装置は、例えば図1に示すように、基板Wを収容する処理チャンバ10と;処理チャンバ10内に設けられ、基板Wを加熱する加熱手段14と;処理チャンバ10内に設けられ、基板Wに電位を印加する電位印加手段61、62と;処理チャンバ10内の圧力が所定の圧力になるように処理チャンバ10内のガスを排気する排気制御手段26と;処理チャンバ10内に還元性有機化合物を含む処理ガスGを供給する処理ガス供給口16と;基板Wに電位を印加しつつ処理チャンバ10内に処理ガスGを供給するように基板Wに印加する電位及び処理ガスGの量を制御する制御装置65とを備える。
このように構成すると、基板に電位を印加しつつ処理チャンバ内に処理ガスを供給するように基板に印加する電位及び処理ガスの量を制御するので、電位の効果により金属又はその化合物等の反応生成物が反応表面上で分解されて反応生成物の飛散量を抑制することができる。反応生成物の飛散量を抑制することにより、基板上に生成された金属酸化物を処理ガスで除去した後の基板を所定温度に維持する時間を短くあるいは省略することができ、基板の処理速度を向上させることができる。
また、請求項2に記載の発明に係る基板処理装置は、例えば図1に示すように、請求項1に記載の基板処理装置1において、制御装置65が、処理チャンバ10内に処理ガスGを供給している間、電位が変化するように基板Wに印加する電位及び処理ガスGの量を制御する。
このように構成すると、基板表面の金属部分に生成された酸化膜の除去速度を制御することができる。
また、請求項3に記載の発明に係る基板処理装置は、請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置において、前記還元性有機化合物が、蟻酸又は酢酸である。
このように構成すると、基板表面の金属部分に生成された酸化膜を還元あるいはエッチングにより除去することができる。
上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明に係る基板処理方法は、基板上の金属膜表面に生成した酸化膜を除去する基板処理方法であって;前記基板が収容された処理チャンバ内を排気する工程と;前記基板を加熱する工程と;前記基板に電位を印加する工程と;前記処理チャンバ内に還元性有機化合物を含む処理ガスを供給する工程とを備え;前記酸化膜に前記処理ガスを作用させつつ前記基板に電位を印加するように構成されている。
このように構成すると、酸化膜に処理ガスを作用させつつ基板に電位を印加するので、電位の効果により反応生成物が反応表面上で分解されて反応生成物の飛散量を抑制することができる。反応生成物の飛散量を抑制することにより、基板上に生成された金属酸化物を処理ガスで除去した後の基板を所定温度に維持する時間を短くあるいは省略することができ、基板の処理速度を向上させることができる。
本発明によれば、電位の効果により金属又はその化合物等の反応生成物が反応表面上で分解されて反応生成物の飛散量を抑制することができ、反応生成物の飛散量を抑制することにより、基板上に生成された金属酸化物を処理ガスで除去した後の基板を所定温度に維持する時間を短くあるいは省略することができ、基板の処理速度を向上させることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。
まず図1を参照して、本発明の実施の形態に係る基板処理装置1の構成について説明する。図1は基板処理装置1の概略構成図である。基板処理装置1は、半導体ウエハ等の基板Wを収容してその内部で基板Wの表面処理を行う処理チャンバ10と、加熱手段としてのヒータ14を内蔵する基板ステージ12と、電位印加手段としての電極61及び電源62と、処理チャンバ10の内部を所定の真空に維持する排気制御手段としての排気制御部20と、処理チャンバ10に処理ガスGを供給する処理ガス供給口16を有する処理ガス供給系30と、処理ガスGの量及び印加する電位を制御する制御装置65とを備えている。
処理チャンバ10は、内部の絶対圧力が40Pa程度を維持できるように気密に構成されている。処理チャンバ10は、処理反応により生成した物質や処理薬剤に対して耐食性を有する素材で作られている。また、処理チャンバ10には、基板Wの出し入れのための開閉可能なゲート弁15が設けられ、必要に応じて、周知のスロー排気ラインやパージ用ガス供給ラインが設けられている。
処理チャンバ10の内部には、基板Wを載置する基板ステージ12が配設されている。基板ステージ12には、載置した基板Wを所定温度に加熱するヒータ14が内蔵されている。ヒータ14は電源58に接続されている。また、ヒータ14は、制御装置65と信号ケーブルで接続されており、制御装置65からの信号により出力を調整できるように構成されている。基板ステージ12の上方には、処理ガスGを多孔板を介して基板Wの面全体に均一に分散させつつ供給する、処理ガス供給口としてのシャワーヘッド16が設けられている。シャワーヘッド16は、処理チャンバ10の上方に挿入された処理ガス配管18に接続されており、処理ガスGを基板ステージ12に載置された基板Wの被処理面に向けて均一に分散させながら供給するように配設されている。
また、基板ステージ12の基板Wを載置する面には、基板Wに電位を印加する電極61が配設されている。電極61は、基板Wの全面に電位を印加することができるように、処理する基板Wよりも大きく、典型的には、基板Wの直径よりも大きな直径を有する円盤状に形成されている。電極61は、電位の供給を受ける電源62に接続されている。電源62は、処理チャンバ10にも接続されており、処理チャンバ10に対して基板Wが所定の電位を有するように構成されている。典型的には、電源62の負側が電極61に正側が処理チャンバ10に接続されているが、正負逆でもよく、所定時間ごとに正負逆に接続されるように構成されていてもよい。なお、基板Wが処理チャンバ10以外の部分に対して電位を有するようにしてもよい。電源62は、直流電圧を基板Wに印加することができるように、交流電圧を直流電圧に変換するコンバータを有している。電源62は、電極61にパルス電圧を付与するように構成されていてもよい。また、電源62は制御装置65に接続されており、基板Wに印加する電位を制御することができるように構成されている。
処理チャンバ10に隣接して、ロードロック室11が設けられている。ロードロック室11は、上部に設けられた開閉蓋13を介して外部と基板Wの授受することができるように構成されており、また、処理チャンバ10とは搬送アーム17によりゲート弁15を介して基板Wを授受することができるように構成されている。基板ステージ12の内部には昇降機構としてのエレベータ70が設けられ、ロードロック室11から搬送アーム17で運ばれてきた基板Wをエレベータ70先端のプッシュピンで持ち上げて支持し、搬送アーム17がロードロック室11に退避した後に基板Wを基板ステージ12上に降ろすようになっている。なお、ロードロック室11へ外部から基板Wを搬出入する出入口は、ロードロック室上部に限らず、基板Wの搬出入に差し障りのない範囲で、ロードロック室の上、下、側面のいずれに設けてもよい。さらに、その内部の圧力を保つための出入口の構造も開閉蓋13に限られない。さらにまた、プッシュピンの駆動の仕方は手動に限られるものではない。
排気制御部20は、排気配管22と、ロードロック室排気配管43と、これらが合流した排気配管23に設けられた真空排気ポンプ26と、排ガス中の未反応成分や副生成物を除去する除害装置29とを有している。排気配管22とロードロック室排気配管43には、それぞれ開閉弁25、45と圧力調整弁24、流量調整弁44が設けられ、処理チャンバ10とロードロック室11とを個別に流量を調整しつつ排気可能に構成されている。処理チャンバ10とロードロック室(出口)にはチャンバ真空計28と真空計46とが設けられている。これにより、チャンバ真空計28の出力を基に圧力調整弁24を制御して処理チャンバ10内を所定の圧力に維持することができるように構成されている。本実施の形態では、真空排気ポンプ26はドライポンプ、除害装置29は乾式排ガス処理装置である。なお、排気量の仕様によって、真空排気ポンプ26はドライポンプを直列に2台以上配置したり、ドライポンプ、ターボ分子ポンプを直列に繋いで構成してもよい。さらに、処理ガスの種類によって、除害装置29は乾式でなく、湿式、燃焼式、あるいはそれらの組み合わせを用いる構成でもよい。排気制御部20の制御は、制御装置65によって行われる。
処理ガス供給系30は、還元性有機化合物である蟻酸を含む処理ガスGを処理チャンバ10に供給するものである。本実施の形態では、還元性有機化合物が蟻酸であるとして説明するが、蟻酸以外のカルボン酸、例えば酢酸であってもよい。蟻酸は例えば銅表面に生成された酸化膜を主として還元する作用があり、酢酸は主としてエッチング作用がある。蟻酸と酢酸とは蒸気圧特性が近似しており、装置構成を特に変更することなく用いることができる。
処理ガス供給系30は、処理ガス気化部31と、これを処理チャンバ10のシャワーヘッド16に連絡する処理ガス配管18とを有している。処理ガス気化部31は、蟻酸液Lを収容する気密な気化容器32と、これを取り囲む恒温槽35とを含んで構成されている。気化容器32は、典型的には耐食性のあるステンレスや、溶融石英(ガラス)から円筒状に形成されており、その上部には開閉蓋33が気密に取り付けられている。開閉蓋33には処理ガス配管18の端部が開口している。処理ガス配管18には、気化容器32内のガス圧力を検知するガス源真空計36と、絞り要素としてのマスフローコントローラ40とが設けられている。マスフローコントローラ40を含む処理ガス配管18の下流側部分には、これらを保温するヒータ19が設けられている。処理ガス配管18は処理チャンバ10の直近上流でベントライン51が分岐し、ベントライン51は処理チャンバ10をバイパスして真空排気ポンプ26に連絡するように構成されている。ベントライン51との分岐点と処理チャンバ10との間の処理ガス配管18には処理ライン弁48が設けられており、分岐点近傍のベントライン51にはベントライン弁50が設けられている。なお、恒温槽35は、気化容器32を恒温に保てる限り、図示された液浴槽に限られるものではない。処理ガス供給系30では、恒温槽35の温度を調節して気化容器32内の蟻酸液Lを所定温度に保ち、気化容器32の液体上部の空間の蟻酸飽和蒸気圧をガス源真空計36でモニターしつつ、マスフローコントローラ40の開度を調整することにより、所定量の蟻酸ガスを供給することができるように構成されている。処理ガス供給系30の制御は、制御装置65によって行われる。
処理チャンバ10、ロードロック室11にはそれぞれ窒素ガス導入配管52、55が接続され、処理チャンバ10はマスフローコントローラ54により、ロードロック室11は可変バルブ57により、それぞれ開閉弁53、56を介して所定流量の窒素ガスが各室に導入される。なお、可変バルブ57に替えてマスフローコントローラを用いてもよい。
制御装置65は、信号ケーブルを介してヒータ14の電源58と接続されており、ヒータ14の出力を制御することができるように構成されている。また、信号ケーブルを介して真空排気ポンプ26と接続されており、処理チャンバ10内の圧力を制御することができるように構成されている。また、信号ケーブルを介してマスフローコントローラ40と接続されており、処理チャンバ10に供給する処理ガスGの量を制御することができるように構成されている。また、信号ケーブルを介して電源62と接続されており、基板Wに印加する電位を制御することができるように構成されている。また、制御装置65は、恒温槽35内の蟻酸液Lの温度を、ヒータの出力あるいはジャケット水の温度や流量を調節することにより制御することができるように構成されている。
これまで説明した基板処理装置1では、処理ガス供給口は、処理ガスGを基板Wの被処理面に向けて均一に分散させることができるシャワーヘッドであるとしたが、シャワーヘッドに限らず、1ないし複数の孔が形成されたノズルを用いてもよい。
図2は、基板処理装置1の処理ガス供給口の変形例を示す概略構成図である。図2に示す変形例では、シャワーヘッド16(図1参照)の代わりにノズル16Aが設けられている。ノズル16Aはその先端が処理チャンバ10の内部に位置しており、処理ガス配管18に接続されている。ノズル16Aは基板Wのほぼ中心の鉛直上方に配置されており、あるいは基板ステージ12のほぼ中心の鉛直上方に配置されており、ノズル16Aの先端と基板Wとは距離Hだけ離れている。処理ガス供給口をノズルとすると、圧力損失を低減することができる。なお、ノズル16Aの開口は、典型的には一つであるが、複数であってもよい。ノズル16Aを用いた場合もシャワーヘッド16を用いた場合と同様に、基板Wの表面全体にムラなく処理ガスを供給することができる。
引き続き図1を参照して、基板処理装置1により基板W上の金属部分に生成された酸化膜を除去する作用について説明する。以下では、基板W上の金属は銅であり、処理ガスGに含まれる還元性有機化合物は蟻酸であるとして説明する。まず、真空排気ポンプ26で予め処理チャンバ10を真空排気した後、窒素ガス導入配管52より、マスフローコントローラ54を経由して窒素ガスを処理チャンバ10に導入し、処理チャンバ10内を酸化膜除去プロセス圧力(例えば40Pa)に保つ。予めヒータ電源58をオンにして、基板ステージ12を所定温度に保っておく。
次に、ロードロック室11を大気圧にした後、ロードロック室11の蓋13を開け、搬送アーム17に基板Wを載せた後、蓋13を閉めてロードロック室11を真空排気する。そして、ゲート弁15を開き、基板Wを処理チャンバ10に搬送した後、エレベータ70を用いて基板Wを基板ステージ12上の所定の位置に置き、基板Wを所定温度(例えば200℃)に昇温させ、また、基板Wに所定電位(例えば−2.0V)を印加する。
同時に、処理ガス気化部31において恒温槽35中の水温を調節して蟻酸液Lの温度を所定値に保ち、気化容器32内の液体上部空間の蟻酸蒸気圧を調節する。蒸気圧はガス源真空計36で測定する。マスフローコントローラ40とベントライン弁50を経由して、所定流量(例えば50SCCM)の処理ガスとしての蟻酸ガスGを流す。単位SCCMは、0℃、1気圧におけるcm3/minである。
次に、蟻酸蒸気圧が決められた温度における所定圧になったことを確認した後、開閉弁53を閉め、処理チャンバ10への窒素ガス導入を止め、ベントライン弁50を閉じて処理ライン弁48を開くことにより、シャワーヘッド16を経由して処理チャンバ10に処理ガスGを導入する。処理中の蟻酸ガス圧力は、マスフローコントローラ40による流量制御と、チャンバ真空計28の測定結果を可変バルブ24へフィードバックしてバルブ開度を制御することにより、所定圧力(例えば40Pa)に保つ。
この状態で、所定温度に加熱かつ所定電圧にバイアスされた基板Wの表面を所定圧力の蟻酸ガスGに所定時間さらすことにより、基板Wの表面上の銅膜の表面の酸化膜を除去する。この銅膜表面の酸化膜除去の現象は、以下に示す2つの反応機構からなる。
Cu2O + HCOOH → 2Cu + H2O + CO2 ・・・(a)
Cu2O + 2HCOOH → 2Cu(HCOO) + H2O ・・・(b)
上式に示すように、1つは酸化膜の還元による金属銅の生成(上記(a)式)、もう1つは銅蟻酸カルボキシレート反応生成物の揮発によるエッチングである(上記(b)式)。さらに上記(b)式の反応により生成する蟻酸銅の一部の還元により金属銅が生成する(下記(c)式)。
2Cu(HCOO) → 2Cu + 2CO2 + H2 ・・・(c)
上述の銅膜表面の酸化膜除去のプロセスにおいて、エッチング反応(上記(b)式参照)による蟻酸銅(揮発性反応生成物)の蒸発及び飛散により、蟻酸銅が基板W上あるいは処理チャンバ10の内壁に吸着し、そこで分解して金属銅となる(上記(c)式参照)ことが分かった。基板W上あるいは処理チャンバ10の内壁に吸着した蟻酸銅は、生産される半導体デバイス等に悪影響を与える。したがって、飛散する蟻酸銅をできるだけ少なくすることが望ましい。本発明者は、基板Wに印加されるの電位の状態によって、還元作用による酸化膜除去速度と蟻酸銅(反応生成物)の飛散量が変化する現象を見出し、本発明に係る基板処理装置1及び基板処理方法を完成するに至った。本発明によれば、基板Wに電位を印加することにより、還元作用による酸化膜除去速度を速めることができ、また、蟻酸銅(反応生成物)の飛散量を減少させることができる。
上述のエッチング反応(上記(b)式参照)について考察すると、蟻酸が銅酸化膜表面に吸着して銅蟻酸カルボキシレートが形成され、この銅蟻酸カルボキシレートは不安定な特性を示すことから、銅酸化膜表面から銅原子を引き抜き、揮発性反応生成物(蟻酸銅)となって飛散するものと推定される。この不安定な銅蟻酸カルボキシレートは、基板W上あるいは処理チャンバ10の内壁に吸着すると、容易に分解して銅原子が析出し、二酸化炭素及び水素が生成される(上記(c)式参照)。しかし、銅膜表面の酸化膜除去のプロセスにおいて基板Wに電位が印加されていると、不安定な銅蟻酸カルボキシレートが生成後に直ち反応表面上で分解されてしまうために、飛散量が大幅に減少するものと推定される。
基板Wに印加する電位は、酸化膜除去処理をしている間、一定ではなく、変化させてもよい。電位を変化させることにより、酸化膜の還元による金属銅の生成反応(上記(a)式参照)及び、蟻酸銅の生成(エッチング)反応(上記(b)式参照)の、反応速度を制御することができる。基板Wに印加する電位は、ステップ状(段階的)に変化させてもよく、単調増加(又は単調減少)に変化させてもよく、あるいはサインカーブのように増減を繰り返すように変化させてもよい。上述の反応で、酸化膜の還元反応(上記(a)式参照)が多く、エッチング反応(上記(b)式参照)が少ないと、酸化膜を除去しつつエッチング反応により飛散する蟻酸銅が少なくなるので好ましい。しかし、酸化銅の表面が還元反応によって生成した金属銅で覆われるとさらなる還元反応が進まなくなる(酸化膜の除去が進まなくなる)ため、エッチング反応を促進させて蟻酸銅を生成させ、酸化銅の表面を覆う金属銅を揮発させるようにするとよい。つまり、基板Wに印加する電位を変化させることにより、酸化膜の還元反応(上記(a)式参照)及びエッチング反応(上記(b)式参照)の促進する条件を適宜変えて、銅表面に生成された酸化膜の除去を促進させつつエッチング反応により飛散する蟻酸銅が少なくなるようにするとよい。
上述のように基板Wを処理し、処理の開始から所定時間経過後、処理ライン弁48を閉めて処理ガスGの処理チャンバ10内への導入を止め、エレベータ70を用いて基板Wを基板ステージ12から離す。搬送アーム17により基板Wをロードロック室11に搬送し、バルブ56を開き、可変バルブ57の開度を調整することで、ロードロック室11に窒素ガスを大気圧になるまで導入し、その後、バルブ56を閉じ、基板Wが冷えるまで待つ。基板Wが冷却した後、ロードロック室の開閉蓋13を開けて基板Wを取り出し、処理を終了する。なお、処理チャンバ10は、バルブ53を開いて窒素ガスを流し、処理室内の蟻酸を排出した後真空排気することで、さらなる処理工程を繰り返すことになる。
上記の表面処理において、基板ステージ12によって加熱される基板Wの温度は、低いほど、基板Wに対する悪い影響が少ないと考えられるが、温度があまり低くては、処理ガスGによる酸化膜除去の反応が進まない、あるいは実用上適当でないほど遅くなると考えられる。しかし、処理ガス圧力を所定の値に設定すれば、基板Wの温度が200℃前後という比較的低温でも処理が可能である。
以下、基板に印加する電位と酸化膜除去速度及び蟻酸銅(反応生成物)の飛散量との関係について、実用的な処理条件を発見するために、基板の処理実験を行った結果を示す。実験では、直径200mmの基板W上に銅膜を形成し、銅膜上に厚さ20nmの酸化膜を成膜した基板Wを使用した。基板Wの外周から10mm外側(基板Wの中心から110mm)の位置が中心となるように、10mm×10mmのSiO2基板をダミーとして基板Wと共に処理チャンバ10内の基板ステージ12上に置いた。この基板W及びダミーを約200℃一定とし、基板Wに+10V〜−10Vのうち選択した複数の電位を印加し、処理チャンバ10内に蟻酸ガス(処理ガス)を200SCCMの流量で供給し、処理チャンバ10内の蟻酸ガス圧力が400Pa(絶対圧力)となるように調整した。この処理は10分間ずつ行った。
図3に基板への印加電圧と銅原子の飛散量との関係を示す。電位の効果は−電位でも+電位でも銅の飛散量を抑制する効果があったが、−電位の方がその効果は大きかった。
図4に基板への印加電圧と銅酸化膜の還元速度との関係を示す。銅酸化膜の還元速度についても−電位でも+電位でも還元速度が大きくなったが、−電位側でより大きくなった。これは、図3に示したように銅蟻酸カルボキシレートの形成が電位を印加することにより抑制されるため、その効果が加わったものであると推定される。
本発明の実施の形態に係る基板処理装置の概略構成図である。 処理ガス供給口の変形例を示す概略構成図である。 基板への印加電圧と銅原子の飛散量との関係を示す図である。 基板への印加電圧と銅酸化膜の還元速度との関係を示す図である。
符号の説明
1 基板処理装置
10 処理チャンバ
14 ヒータ(加熱手段)
16 シャワーヘッド(処理ガス供給口)
26 真空排気ポンプ(排気制御手段)
61 電極(電位印加手段)
62 電源(電位印加手段)
65 制御装置
G 処理ガス
W 基板

Claims (4)

  1. 基板を収容する処理チャンバと;
    前記処理チャンバ内に設けられ、前記基板を加熱する加熱手段と;
    前記処理チャンバ内に設けられ、前記基板に電位を印加する電位印加手段と;
    前記処理チャンバ内の圧力が所定の圧力になるように前記処理チャンバ内のガスを排気する排気制御手段と;
    前記処理チャンバ内に還元性有機化合物を含む処理ガスを供給する処理ガス供給口と;
    前記基板に電位を印加しつつ前記処理チャンバ内に前記処理ガスを供給するように前記基板に印加する電位及び前記処理ガスの量を制御する制御装置とを備える;
    基板処理装置。
  2. 前記制御装置が、前記処理チャンバ内に前記処理ガスを供給している間、前記電位が変化するように前記基板に印加する電位及び前記処理ガスの量を制御する;
    請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記還元性有機化合物が、蟻酸又は酢酸である;
    請求項1又は請求項2に記載の基板処理装置。
  4. 基板上の金属膜表面に生成した酸化膜を除去する基板処理方法であって;
    前記基板が収容された処理チャンバ内を排気する工程と;
    前記基板を加熱する工程と;
    前記基板に電位を印加する工程と;
    前記処理チャンバ内に還元性有機化合物を含む処理ガスを供給する工程とを備え;
    前記酸化膜に前記処理ガスを作用させつつ前記基板に電位を印加するように構成された;
    基板処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011054973A (ja) * 2009-09-02 2011-03-17 Air Products & Chemicals Inc 電子付着によって表面酸化物を除去するための方法

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