JP2007250449A - 双極型二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】双極型二次電池において、電池の体積エネルギ密度の低下を最小限に抑制しつつ、シール部材によるシール性を向上させうる手段を提供する。
【解決手段】集電体の一方の面に正極活物質層が形成され他方の面に負極活物質層が形成されてなる複数の双極型電極と、前記正極活物質層と前記負極活物質層とが対向するように積層された複数の前記双極型電極の間に介在する、セパレータに電解質が保持されてなる電解質層と、前記正極活物質層、前記電解質層、および前記負極活物質層がこの順に積層されてなる単電池を包囲するように、前記双極型電池の集電体上に配置されたシール部材と、を含む双極型二次電池において、前記双極型電極を構成する少なくとも1つの前記集電体の、前記シール部材が配置されるべき部位に複数の空孔部を設け、前記シール部材を、当該空孔部に充填されるように配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、双極型二次電池、該双極型二次電池を複数個接続した組電池、これらを搭載した車両に関する。
近年、環境保護のため二酸化炭素排出量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、燃料電池自動車、ハイブリッド燃料電池自動車などの導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池の開発が鋭意行われている。二次電池としては、高エネルギ密度、高出力密度が達成できるリチウムイオン二次電池に注目が集まっている。ただし、上記したような各種自動車のモータ駆動用電源に適用するためには、大出力を確保するために、複数の単電池層を直列に接続して用いる必要がある。このような電池は双極型(バイポーラ型)と呼ばれ、高エネルギ密度、高出力密度が達成できるものとして期待されている。
このうち、電解質層に溶液を含まない高分子固体電解質を用いてなる双極型二次電池が提案されている。これによれば、電池内に溶液(電解液)を含まないため、液漏れやガス発生の心配がなく、信頼性が高く、また構造的にも密閉シールが不要な双極型二次電池を提供できるものである。しかしながら、高分子固体電解質のイオン伝導度は、後述の高分子ゲル電解質と比べると低く、通常の使用環境では、電池の出力密度やエネルギ密度が十分でなく、実用化段階に至っていないのが現状であり、更なるイオン伝導度の向上が待たれている。
一方、電解質層に電解液を含む高分子電解質を用いてなる双極型二次電池が提案されている。電解液を含む高分子電解質、即ち、高分子ゲル電解質を電解質層に用いれば、イオン伝導度に優れ、電池の出力密度やエネルギ密度も十分に得られるため、かような電池は実用化段階に最も近い双極型二次電池として期待されている。
電解質に高分子ゲル電解質を用いた場合、電解質部分から、電解液が染み出し、他の単電池層の電極や電解質層と接触し、液絡(短絡)を起こすという問題が生ずる。このため、通常、双極型電池においては、正極活物質層、電解質層および負極活物質層からなる単電池を包囲するように、双極型電極の集電体上にシール部材が配置され、液絡を防止している(例えば、特許文献1を参照)。
特開2004−158343号公報
しかしながら、上述したような双極型電池を、例えば電気自動車やハイブリッド自動車のモータ駆動用電源として用いた場合には、シール部材のシール性が低下し、種々の問題が発生する虞がある。すなわち、車載用電源として用いられる場合、電池温度は60℃程度にまで上昇する場合があるが、特に集電体においては、大電流が流れることに伴ってジュール熱が大量に発生し、集電体の温度がシール部材の構成材料の軟化点を上回ってしまう場合もありうる。一方、電池温度が上昇するような状況下においては、電池内部の圧力もまた上昇する場合が多く、また、集電体およびシール部材のそれぞれの構成材料の熱膨張率も一般的には異なる。これらの種々の要因が、上述したようなシール部材の軟化と相俟って、特に集電体とシール部材との間のシール性を低下させる(具体的には、接合部において剥離や隙間が発生する)原因となる。このようにシール性が低下すると、電池内部の電解液が漏れ出し、隣接する単電池間で液絡が発生する虞がある。また、電池外部から内部へと水分が侵入し、電解液を分解劣化させうる原因ともなる。
なお、シール部材によるシール性を向上させる手法としては、例えば、シール部材によるシール面積を増大させるという手法が考えられるが、電池の大型化につながり、電池の体積エネルギ密度の低下が引き起こされるため、現実的ではない。
そこで、本発明は、双極型二次電池において、電池の体積エネルギ密度の低下を最小限に抑制しつつ、シール部材によるシール性を向上させうる手段を提供することを目的とする。
本発明は、集電体の一方の面に正極活物質層が形成され他方の面に負極活物質層が形成されてなる複数の双極型電極と、前記正極活物質層と前記負極活物質層とが対向するように積層された複数の前記双極型電極の間に介在する、セパレータに電解質が保持されてなる電解質層と、前記正極活物質層、前記電解質層、および前記負極活物質層がこの順に積層されてなる単電池を包囲するように、前記双極型電池の集電体上に配置されたシール部材と、を含む双極型二次電池であって、前記双極型電極を構成する少なくとも1つの前記集電体の、前記シール部材が配置されるべき部位に複数の空孔部が設けられ、前記シール部材が、当該空孔部に充填されるように配置されてなることを特徴とする、双極型二次電池である。
本発明によれば、双極型二次電池において、電池の体積エネルギ密度の低下を最小限に抑制しつつ、シール部材によるシール性が向上しうる。その結果、信頼性の高い双極型電池が提供されうる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、理解を容易にするために、図面には各構成要素が誇張して示されている場合もある。
(第1実施形態:双極型二次電池)
図1は、本実施形態の双極型二次電池の構造を示す断面図である。
本実施形態の双極型二次電池10は、両端部以外の集電体11の両面中央に正極活物質層12および負極活物質層13がそれぞれ形成されており、この集電体11の正極活物質層12と負極活物質層13との間にセパレータ14が介在し、正極活物質層12、セパレータ14および負極活物質層13がこの順に積層されて単電池15が形成されている。そして、本実施形態の双極型二次電池10は、当該単電池15が複数積層されてなる構造を有する。なお、集電体11の片面に正極活物質層12が形成され、他面に負極活物質層13が形成されてなる電極を双極型電極16と称する。また、両端部に存在する集電体(端子集電体17と称する)は、本実施形態の双極型二次電池10全体の電極と接続される。
さらに、セパレータ14と双極型電極16とが交互に積層され、単電池15を包囲するように、集電体11上にシール部材18が配置されて、電池要素20が形成されている。
電池要素20には、電流を引き出すための電極タブ30a、30bが接続されている。電極タブ30a(正極タブ)は、電池要素20の正極側に接続され、電極タブ30b(負極タブ)は、負極側に接続される。電池要素20は、外装40により密閉されている。
外装40は、2枚のラミネートシート41により形成されている。ラミネートシート41は、アルミニウム層の両面が樹脂層で被覆された三層構造を有する。少なくとも一方のラミネートシート41は、電池要素20を内包する空間を設けるために、中高状に加工されている。ラミネートシート41の縁は、熱融着等により接着される。これにより、外装40内部に、電池要素20が密閉される。
以下、本実施形態の双極型電池10の特徴的な構成について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図2は、本実施形態の双極型二次電池10の電池要素20の構造を示す断面図である。図3は、図2に示すIII−III線に沿った断面図(平面図)である。なお、図2に示す形態においては、正極側および負極側のそれぞれの最外層に位置する、正極活物質層12または負極活物質層13のいずれか一方のみが形成された集電体11と、端子集電体17とが、端子集電体接続シートにより電気的に接続されている。ただし、かような形態のみに限定されることはなく、正極側および負極側のそれぞれの最外層に位置する集電体11がそのまま端子集電体として用いられてもよい。
本実施形態の双極型二次電池10は、図2に示すように、双極型電極16を構成する集電体11の、シール部材18が配置されるべき部位に複数の空孔部11’(図3の破線部)が設けられ、シール部材18が、当該空孔部11’に充填されるように配置されている点に特徴を有する。なお、シール部材を構成する材料については、後述する。
従来のシール部材は、双極型電極16を構成する集電体11どうしの間に配置され、集電体−シール部材間の接着のみによって、シール機能を発揮していた。これに対し、本実施形態の双極型電池10にあっては、双極型電極16を構成する集電体11に空孔部11’が設けられ、当該空孔部11’にシール部材18が充填されるように配置されている。このため、従来の集電体−シール部材間の接着のみならず、空孔部11’を介したシール部材どうしの間の接着もまた、シール機能の発揮に寄与しうる。その結果、シール部材によるシール性が向上し、高温時のシール部材の剥離や、これに伴う液漏れおよび水分の浸入といった問題の発生が抑制され、信頼性の高い双極型電池が提供されうる。
空孔部11’の形状やサイズについて特に制限はなく、所望のシール性能や製造の簡便さなどを考慮して適宜決定すればよい。空孔部11’の形状の一例としては、図3に示す円形のほか、楕円形状、正方形状、矩形状、三角形状などが挙げられる。ただし、その他の形状が採用されてもよいことは勿論である。
図1〜図3に示す形態において、シール部材が配置される総面積(集電体−シール部材の接着面積と空孔部の面積との合計)に占める、空孔部の面積の割合は特に制限されないが、好ましくは5〜15%程度である。空孔部の面積の割合が大きすぎると、空孔部を介した液絡の懸念も生じるため、接着強度の増加と液絡の可能性とのバランスを鑑みて空孔部の面積の割合を決定すべきである。ただし、これらの範囲を外れる形態が採用されても、勿論よい。ここで、当該割合が10%である場合を考えてみる。シール部材どうしの間の接着強度は、集電体−シール部材間の接着強度と比較して、少なく見積もっても約4倍である。すると、シール部材の配置による接着強度は、集電体−シール部材間の接着のみによる場合の接着強度を1とした場合に、0.9×1+0.1×4=1.3となり、少なくとも1.3倍以上となると予想される。
本実施形態の双極型二次電池においては、集電体11においてシール部材が配置されるべき部位に空孔部11’が設けられているが、特に、図2に示すように、端子集電体17に空孔部11’が設けられ、シール部材18が充填されることが好ましい。かような形態によれば、比較的厚い端子集電体にシール部材18が充填されることで、充放電サイクルの進行に伴う電池要素の膨らみを抑制することが可能となる。好ましくは、端子集電体およびそれ以外の集電体のすべてに空孔部11’が設けられ、シール部材18が充填される。
また、本実施形態の双極型二次電池においては、セパレータ14が単電池15の積層方向から見てシール部材18と重複する形状を有している。かような形態においては、図4に示すように、電解質層を構成するセパレータ14にも、集電体11と同様に空孔部14’が設けられ、当該空孔部14’にシール部材18が充填されることが好ましい。かような形態によれば、電池の耐振動性が向上し、より一層信頼性の高い双極型電池が提供されうる。
さらに、本実施形態の双極型二次電池においては、図1に示すように、双極型二次電池10の電池要素20の最外層に位置する端子集電体17には、単電池15の積層方向から見てシール部材18と重複する形状を有するように、電極タブ30a、30bが別途接続されている。かような形態においては、セパレータ14について説明したのと同様に、電極タブ30a、30bにも、空孔部が設けられ、当該空孔部にシール部材が充填されることが好ましい。かような形態によってもまた、電池の耐振動性が向上し、より一層信頼性の高い双極型電池が提供されうる。
より好ましい形態においては、集電体11(場合によっては、セパレータ14や電極タブ30a、30b)に設けられる空孔部11’の配置形態もまた、制御される。集電体11に設けられる空孔部11’を例に挙げて具体的に説明すると、好ましい実施形態においては、図5に示すように、集電体11に設けられる複数の空孔部11’が、単電池15の端面に垂直な方向から見て存在しない部位がないように配置される。かような形態によれば、仮に集電体−シール部材間の接着が剥離した場合であっても、シール部材間の接着が確保されている場合には、電池要素内部から電池外部への液漏れや、逆に電池外部から電池要素内部への水分の侵入などが集電体−シール部材の界面を通じて起こったとしても、当該界面を最短距離で通過することはできず、必ずシール部材間の接着部位を迂回して通過することになる。その結果、上記のような問題の発生がより一層抑制され、電池の信頼性の向上に寄与しうる。なお、図5に示す形態の双極型電池10における空孔部11’の配置形態を図6に示すが、かような形態のみに限定されず、図7〜図9に示す形態によっても、同様の作用効果が得られうる。さらに、その他の配置形態が採用されても、勿論よい。
以下、本発明の双極型二次電池を構成要素ごとに説明するが、本発明の技術的範囲が下記の形態のみに限定されるわけではない。
[集電体]
本発明で用いることのできる集電体としては、特に制限されるものではなく、従来公知のものを利用することができる。例えば、アルミニウム箔、ステンレス(SUS)箔、ニッケルとアルミニウムのクラッド材、銅とアルミニウムのクラッド材、あるいはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが挙げられるが、中でも正極、負極両電位に耐えうる集電体とするためには、ステンレス箔が好ましく、その中でもMo成分を有するSUS316Lが好ましい。
また、金属表面に、アルミニウムを被覆させた集電体であってもよい。また、場合によっては、二つ以上の金属箔を張り合わせた集電体を用いてもよい。
さらに、本発明で用いることのできる集電体としては、製法上、スプレーコートなどの薄膜製造技術により、所望の形状に製膜して形成したものを利用することもできる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス、これらの合金などの金属粉末を主成分として、これにバインダ(樹脂)、溶剤を含む集電体金属ペーストを加熱して成形してなるものである。これら金属粉末は一種単独で用いてもよいし、二種以上を混合して用いてもよいし、さらに、製法上の特徴を生かして金属粉末の種類の異なるものを多層に積層したものであってもよい。
前記バインダとしては、特に制限されるべきものではなく、たとえば、エポキシ樹脂など、従来公知の樹脂バインダ材料を用いることができるほか、導電性高分子材料を用いても良い。なお、ここでいう導電性高分子とは高分子材料と導電性を付加する為の導電性フィラーとで構成されているフィラー分散型導電性高分子、高分子材料自体が導電性を有する導電性ポリマー両方を含む。導電性高分子材料を用いた集電体を用いることで軽量化が可能になり、また正極、負極両電位に耐えうる集電体にできるため、好ましい。
集電体の厚さは、特に限定されないが、通常は1〜100μm程度である。
[正極活物質層]
正極活物質層は、正極活物質を含む。この他にも、電子伝導性を高めるための導電助剤、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩、バインダ、電解質(例えば高分子ゲル電解質)などが含まれうる。
このうち、正極活物質としては、特に制限されるものではなく、溶液タイプのリチウムイオン二次電池に使用可能なものを適宜利用することができる。好ましくは、容量、出力特性に優れた電池を構成できることから、遷移金属とリチウムとの複合酸化物(リチウム−遷移金属複合酸化物)である。具体的には、LiCoOなどのLi・Co系複合酸化物、LiNiOなどのLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMnなどのLi・Mn系複合酸化物、LiFeOなどのLi・Fe系複合酸化物などが挙げられる。この他、LiFePOなどの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V、MnO、TiS、MoS、MoOなどの遷移金属酸化物や硫化物;PbO、AgO、NiOOHなどを用いることもできる。
正極活物質の粒径は、双極型二次電池の電極抵抗を低減するために、双極型タイプでない溶液(電解液)系のリチウムイオン二次電池で用いられる一般に用いられる粒径よりも小さいものを使用するとよい。具体的には、正極活物質微粒子の平均粒径が0.1〜10μm、好ましくは0.1〜5μmであるとよい。
上記電子伝導性を高めるための導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイト等が挙げられる。ただし、これらに限られるわけではない。
上記イオン伝導性を高めるためのリチウム塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩、またはこれらの混合物などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
上記バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。
正極における、正極活物質、導電助剤、バインダ、高分子ゲル電解質(ポリマーマトリックス、電解液など)等の電解質等の配合量は、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。例えば、正極内における高分子ゲル電解質の配合量が少なすぎると、正極内でのイオン伝導抵抗やイオン拡散抵抗が大きくなり、電池性能が低下してしまう。一方、正極内における高分子ゲル電解質の配合量が多すぎると、電池のエネルギ密度が低下してしまう。従って、これらの要因を考慮して、目的に合致した高分子ゲル電解質量を決定する。
正極の厚さは、特に限定するものではなく、配合量について述べたように、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮して決定すべきである。一般的な正極層の厚さは10〜500μm程度である。
[負極活物質層]
負極活物質層は、負極活物質活物質を含む。この他にも、電子伝導性を高めるための導電助剤、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩、バインダ、電解質(例えば高分子ゲル電解質)などが含まれ得る。
負極活物質の種類以外は、基本的に「正極活物質層」の項で記載した内容と同様であるため、ここでは説明を省略する。
負極活物質としては、特に制限されるものではなく、双極型二次電池に使用可能なものを適宜利用することができる。具体的には、カーボン、金属酸化物、リチウム−金属複合酸化物などを用いることができるが、好ましくはカーボンもしくはリチウム−遷移金属複合酸化物である。これらを用いることで、容量、出力特性(例えば、電池電圧が高くできるなど)に優れた電池を構成できるからである。なお、リチウム−遷移金属複合酸化物としては、例えば、リチウム−チタン複合酸化物などを用いることができる。また、カーボンとしては、例えば、黒鉛、グラファイト、アセチレンブラック、カーボンブラックなどを用いることができる。また、金属酸化物としては、例えば、チタン酸化物などの遷移金属酸化物などを用いることができる。
[電解質層]
本実施形態の双極型二次電池において、電解質層は、セパレータに電解質が保持されてなる構成を有する。電解質は、イオン伝導性を示すのであれば、液体電解質、高分子ゲル電解質のいずれであってもよい。
なかでも、高分子ゲル電解質を用いることが好ましい。電解質としてゲル電解質を用いることにより液体電解質と較べて漏液を防止することが可能となり、信頼性の高い双極型二次電池を構成できる。高分子ゲル電解質としては、特に制限されるべきものではなく、従来の高分子ゲル電解質層に用いられているものを適宜利用することができる。ここで、高分子ゲル電解質とは、ポリマーマトリックス中に電解液を保持させたものをいう。具体的には、イオン伝導性を有する高分子(全固体高分子電解質)に、通常リチウムイオン二次電池で用いられる電解液を含んだもの、リチウムイオン伝導性を持たない高分子の骨格中に、同様の電解液を保持させたものも含まれる。
上記高分子ゲル電解質のポリマーマトリックスとしては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを利用することができる。好ましくは、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、PAN、ポリフッ化ビニリデンヘキサフルオロプロピレン(PVDF−HFP)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)およびそれらの共重合体が望ましく、溶媒には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、およびそれらの混合物が好ましい。
このうち、イオン伝導性を有する高分子としては、PEO、PPO、これらの共重合体のようなポリアルキレンオキシド系高分子などの公知の固体高分子電解質が挙げられる。PEO、PPOのようなポリアルキレンオキシド系高分子は、LiBF、LiPF、LiN(SOCF、LiN(SOなどのリチウム塩をよく溶解しうる。また、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度が発現する。
上記リチウムイオン伝導性を持たない高分子としては、例えば、PVDF、ポリビニルクロライド(PVC)、PAN、PMMAなどが使用できる。ただし、これらに限られるわけではない。なお、PAN、PMMAなどは、どちらかと言うとイオン伝導性がほとんどない部類に入るものであるため、上記イオン伝導性を有する高分子とすることもできる。ここでは高分子ゲル電解質に用いられるリチウムイオン伝導性を持たない高分子として例示したものである。
上記高分子ゲル電解質に含まれる電解液としては、特に制限されるべきものではなく、従来公知のものを利用することができる。通常リチウムイオン電池で用いられるものであればよく、リチウム塩(支持塩)と有機溶媒やイオン性液体等の溶媒とを含むものなどを用いることができる。
具体的には、支持塩としてのリチウム塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiAlCl、Li10Cl10、LiTFSI、LiFSI、LiBETI、LiBOB等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON等の有機酸陰イオン塩などが挙げられ、これらを単独、または組み合わせて用いることができる。これらのリチウム塩の中でも、支持塩としてLiBF、LiTFSI、LiFSI、LiBETI、LiBOBのいずれかを含むことが、高耐熱性を付加するために、より好ましい。
有機溶媒としては、特に限定されるものではないが、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状カーボネート類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン等のエーテル類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;プロピオン酸メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;酢酸メチル、蟻酸メチルの中から選ばれる少なくとも1種または2種以上を混合した、非プロトン性溶媒等の有機溶媒(可塑剤)を用いたものなどが使用できる。
イオン性液体は、特に限定されるものではないが、イオン性液体を構成するカチオンとしては、イミダゾリニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウムカチオン等のアミジニウムカチオン、イミダゾリニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン、イミダゾリウム骨格を有するグアニジニウムカチオン、テトラヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン、ジヒドロピリミジニウム骨格を有するグアニジニウムカチオン、等のグアニジニウムカチオン、およびメチルジラウリルアンモニウム等の3級アンモニウムカチオン等が挙げられる。上記カチオンは1種単独でも、また2種以上を併用してもいずれでもよい。
また、イオン性液体を構成するアニオンとしては、有機酸、無機酸のアニオンが挙げられる。
有機酸としては、カルボン酸、硫酸エステル、高級アルキルエーテル硫酸エステル、スルホン酸、スルホン酸エステル、リン酸エステルなどが挙げられる。
無機酸としては、例えば、超強酸(例えば、ホウフッ素酸、四フッ化ホウ素酸、過塩素酸、六フッ化リン酸、六フッ化アンチモン酸および六フッ化ヒ素酸等が挙げられる。)、リン酸およびホウ酸等が挙げられる。上記アニオンは、上記有機酸および無機酸の中から1種単独でも2種以上の併用でもいずれでもよい。
本実施形態における高分子ゲル電解質中の電解液の割合は、使用目的などに応じて決定すればよく、特に制限されるべきものではない。イオン伝導度などの観点から、数質量%〜98質量%の範囲で好適に利用可能である。
これらの電解質をセパレータに保持してもよいし、高分子ゲル電解質を電極に含浸させてもよい。
電解質層の厚さは、所望の電解質性能を有効に発現できるものであればよく、特に限定されるものではない。しかしながら、コンパクトな双極型二次電池を得るためには、電解質層としての機能が確保できる範囲で極力薄くすることが好ましい。一般的には、10〜100μm程度である。
なお、電解質は、電池を構成する電解質層のほか、正極活物質層および/または負極活物質層にも含まれうる。電池を構成する電解質層、正極、負極によって異なる電解質を用いてもよいし、同一の電解質を使用してもよい。また各単電池層(の各構成部材)によって異なる電解質を用いてもよい。
[セパレータ]
セパレータの構成材料としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリイミドなどの樹脂材料が挙げられる。これらの樹脂材料を10〜80%程度の空孔率を有する微多孔質膜状に成型することにより、セパレータが作製されうる。
特に、セパレータが微多孔質膜状であると、膜の面方向に対して垂直方向にしか孔が開いておらず、シール部材から面方向(横方向)の漏れ出しがなく、容易にシールをすることが可能となり、さらに高温で保存した場合であっても放電容量が維持されるので、好ましい。
上記微多孔膜の微細孔の径は、最大で1μm以下(通常、数十nm程度の孔径である)であることが好ましい。微多孔膜の微細孔の平均径が、上記範囲にあることで過充電により生ずる熱によって微多孔膜が溶融して微細孔が閉じる「シャットダウン現象」が速やかに起き、電池(電極)の正極(+)から負極(−)側にLiイオンが通れなくなり、それ以上は充電できなくなる。その結果、電池の耐熱性(安全性)が向上するほか、ガスが発生して電池外装材の熱融着部(シール部材)が開くのを防止できる。ここでセパレータの微細孔の平均径は、セパレータを走査電子顕微鏡等で観察し、その写真をイメージアナライザ等で統計的に処理した平均径として算出される。
上記微多孔膜の空孔率は20〜50%であることが好ましい。微多孔膜セパレータの空孔率が、上記範囲にあることで電解質(電解液)の抵抗による出力低下の防止と、微粒がセパレータの空孔(微細孔)を貫くことによる液絡の防止という理由から出力と信頼性の両方を確保するという効果がある。ここで微多孔膜セパレータの空孔率とは、原材料樹脂の密度と最終製品の微多孔膜セパレータの密度とから体積比として求められる値である。
上記微多孔膜の厚みは、使用用途により異なることから一義的に規定することはできない。電気自動車(EV)や燃料電池自動車やこれらのハイブリッド車などのモータ駆動用二次電池などの用途においては、電池の薄膜化の観点から、単層あるいは多層で1〜60μmであることが望ましい。微多孔膜の厚さが、かかる範囲にあることでセパレータに微粒が食い込むことによって発生する液絡の防止と、高出力のために電極間を狭くすることが好ましいという理由から、厚さ方向の機械的強度と高出力性の確保という効果がある。また電池を複数接続する場合には、電極面積が増大することから、電池の信頼性を高めるために上記範囲のなかでも厚形のセパレータを用いることが好ましい。
[シール部材]
シール部材は、単電池を包囲するように集電体上に配置され、単電池と外部との接触を遮断する機能を有する。これにより、液体やゲル状の電解質を使用する場合に生じうる液絡が防止されうる。また、空気、または空気中に含まれる水分と活物質との反応も抑制されうる。さらに、本実施形態においては、集電体(場合によっては、セパレータや集電タブ)に設けられた空孔部に充填され、隣接する単電池間のシール性を向上させうる。
シール部材を構成する材料について特に制限はないが、加熱により接着される樹脂を用いることが好ましい。こうした加熱接着が可能なシール用樹脂をシール部材の構成材料として用いることで、特に、電解液の漏れ出しによる液絡(短絡)を集電体との加熱接着により防ぐことができる。これは熱接着時の加圧が不十分な場合でも、熱接着による接着さえ十分に行われていれば液絡を防止できるという点でも有利である。
本発明のシール部材の構成材料として用いられる「加熱により接着される樹脂」としては、上記シール部材として双極型二次電池のあらゆる使用環境下にて、優れたシール(電解液の染み出しを防止)効果を発揮することができるものであれば特に制限されず、用途によって必要となる条件に見合うものを適宜選択することができる。すなわち、シール部材の構成材料は加熱により化学的な反応を伴い硬化する熱硬化型の樹脂でもよいし、加熱することで樹脂が溶解し、常温に戻すことで再度固化する熱可塑型の樹脂でもよい。
なかでも、本発明に用いられるシール部材を構成する材料としては、ポリオレフィン系樹脂や熱硬化型樹脂を用いることが好ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが挙げられる。熱硬化型樹脂は、硬化前の状態が液状であることから、取り扱いが簡便で、また製造工程を簡素化できるという点で有利である。熱硬化型樹脂は、優れたシール効果を発揮することができるものであれば特に制限されないが、好ましくは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、シリコーン樹脂、およびポリウレタンからなる群から選択される1種以上の樹脂が用いられる。これらの樹脂は電解質に対して化学的安定性を有し、シールの信頼性が向上するため、より好ましい。なかでも、ポリプロピレン、ポリエチレン、エポキシ樹脂が特に好ましく用いられうる。
本発明のシール部材は、上述した材料以外の樹脂を含んでもよい。かような樹脂としては、例えば加圧によって接着されるシリコーン系、フッ素系、ニトリル系等のゴム樹脂等が挙げられる。
本発明のシール部材は、加熱により接着されるが、シール性の向上のため加圧操作を加えてもよい。
[電極タブ]
電極タブは、必要に応じて電流を取り出すために最外層の電極を構成する集電体に取り付けられる。用いる場合には、端子としての機能を有するほか、薄型化の観点からは極力薄い方がよい。しかしながら、積層されてなる正極、負極、電解質層および集電体はいずれも機械的強度が弱いため、これらを両側から挟示し支持し、更にはより確実にシール部材が接着できるようにするだけの強度を持たせることが望ましい。さらに、電極タブでの内部抵抗を抑える観点からも、電極タブの厚さは、通常0.1〜2mm程度が望ましいといえる。
電極タブの材質は、通常の双極型二次電池で用いられる材質を用いることができる。例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス、これらの合金などを利用することができる。
電流取り出し用の正極側の電極タブ(正極タブ)と負極用の電極タブ(負極タブ)との材質は、同一の材質を用いてもよいし、異なる材質のものを用いてもよい。さらに、これら正極側および負極側の電極タブは、材質の異なるものを多層に積層したものであってもよい。
正極および負極タブは、正極および負極末端極の電極すべてを覆って構成されることが好ましい。このような構成とすることで双極型二次電池の電流を面で受けることが可能となり、電池の出力が向上する。
以上の、各要素および従来公知の外装材等を組み合わせて、本発明の双極型二次電池は従来公知の方法を適宜利用して製造される。
(第2実施形態:組電池)
第2実施形態では、上記第1実施形態の双極型二次電池を複数個、並列および/または直列に接続して、組電池を構成する。
図10は双極型二次電池の平面図、図11はケースに格納された双極型二次電池を示す三面図、図12は組電池を示す三面図である。
図10に示すように、双極型二次電池10を平面方向から見ると、正極タブ30aおよび負極タブ30bが両側に引き出されている。このような双極型二次電池10を、例えば、図11に示すように、4枚重ねてケース50に格納する。図11では、正極タブ30aどうし、負極タブ30bどうしが同じ側に配置され、正極ターミナル51および負極ターミナル52により相互に接続されている。
双極型二次電池10が格納された電池ケース50は、積層され、連結板61および固定ねじ62により一体化され、図12に示すような組電池60が形成される。組電池60では、各電池ケース50の正極ターミナル51どうしおよび負極ターミナル52どうしが、板状のバスバー63、64によりそれぞれ接続されている。こうして、複数の双極型二次電池が並列接続された組電池60が形成される。
この組電池60においては、双極型二次電池10を複数個接続する際の接続方法として、超音波溶接、熱溶接、レーザー溶接、リベット、かしめ、電子ビームなどを用いることができる。このような接続方法をとることで、長期的信頼性のある組電池60を製造することができる。
本実施形態によれば、前述した第1実施形態に係る双極型二次電池10を用いて組電池化することで、組電池としての長期的信頼性を向上させることができる。
また、上記のように少数の双極型二次電池10を接続するためのケースを用いることにより、多くの組電池種を製造せずに、多様な設計の組電池を構成できるので、製造コストを低減できる。
なお、組電池としての双極型二次電池10の接続は、上記のように並列接続に限られるものではない。複数個全て直列に接続してもよく、さらに、直列接続と並列接続とを組み合わせてもよい。
(第3実施形態:車両)
第3実施形態では、上記第1実施形態の双極型二次電池10または第2実施形態の組電池60をモータ駆動用電源として搭載して、車両を構成する。双極型二次電池10または組電池60をモータ駆動用電源として用いる車両としては、たとえば電気自動車、ハイブリッド自動車など、車輪をモータによって駆動している自動車がある。
参考までに、図13に、組電池60を搭載する自動車70の概略図を示す。自動車70に搭載される組電池60は、上記で説明した特性を有する。このため、組電池60を搭載してなる自動車は高い耐久性を有し、長期間に渡って使用した後であっても充分な出力を提供しうる。
以下の実施例および比較例を用いて本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1:液系電解質双極型二次電池の作製>
1.双極型電極の形成
A.正極活物質層の形成
まず、正極活物質であるLiMn[85質量%]、導電助剤であるアセチレンブラック[5質量%]、バインダであるPVDF[10質量%]およびスラリー粘度調整溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)からなる材料を上記比率にて塗布工程に最適な粘度になるまで混合して正極活物質スラリーを作製した。上記NMPは、電極乾燥時にすべて揮発させて除去するので、電極の構成材料ではなく、適当なスラリー粘度になるように適量を加えた。また、上記比率は、スラリー粘度調整溶媒を除く成分で換算した比率を示す。
集電体であるSUS箔(厚さ20μm)の片面に上記正極スラリーを塗布し、真空オーブンに入れ乾燥させて、厚さ30μmの正極活物質層を形成した。
B.負極活物質層
まず、負極活物質であるハードカーボン[90質量%]、バインダであるPVDF[10質量%]およびスラリー粘度調整溶媒であるNMPからなる材料を上記比率にて塗布工程に最適な粘度になるまで混合して負極スラリーを作製した。上記NMPは、電極乾燥時にすべて揮発させて除去するので、電極の構成材料ではなく、適当なスラリー粘度になるように適量を加えた。また、上記比率は、スラリー粘度調整溶媒を除く成分で換算した比率を示す。
正極を形成したSUS箔の反対面に、上記負極スラリーを塗布し、真空オーブンに入れ乾燥させて、厚さ30μmの負極を形成した。
集電体であるSUS箔の両面に正極と負極がそれぞれ形成されることにより、双極型電極が形成された。
これらの双極型電極を170×120(mm)に切り取り、正極、負極ともに外周部は20mmを剥がしとることにより、集電体であるSUS表面を露出させた(図14を参照)。
3.シール部材前駆体の形成
双極型電極の正極周辺部の電極未塗布部分にディスペンサを用いて、図15のように電極の外周部にシール前駆体(1液性未硬化エポキシ樹脂)を塗布した。この際、後述する電極保持機構が電極を保持しうるように、シール部材前駆体の外周部に約10mm幅の未塗布部位を設けた。
次いで、180×130(mm)のセパレータ(ポリエチレン製)を正極側の集電体であるSUS箔すべてを覆うように設置した。その後、セパレータの上から電極未塗布部分(前記シール前駆体を塗布した部分と同じ部分)にディスペンサを用いて、図16のように電極の外周部にシール前駆体を塗布した。
4.電極保持機構へのセット
以上で作成した双極型電極を負極面を上にした状態で、各電極が接触せずかつ電極の面方向に対して垂直方向にずれがなく電極およびシール部材の外側をチャック可能な双極型電極保持機構に6枚セットした(図17を参照)。一番下の電極にはシール部材およびセパレータは設置せず、正極面には電解質を塗布しなかった。また、一番上の電極には負極面に電解質を塗布しなかった。
5.電解液の調製および導入
電解液として、プロピレンカーボネート(PC)とエチレンカーボネート(EC)との等体積混合液に、リチウム塩であるLiPFおよび少量の界面活性剤を溶解させた溶液を調製した。なお、当該溶液(電解液)におけるリチウム塩濃度は1Mに調節した。
上記で調製した溶液(電解液)を、上記で作製した、電極保持機構にセットされた6枚の双極型電極の負極活物質層上にマイクロピペットを用いて1mLずつ滴下し、各電極の負極活物質層に染み込ませた。
6.真空チャンバーへの導入
上記電極保持機構を積層部位および加圧、加熱プレス部位を有する真空チャンバー内に導入し、真空チャンバー内を真空ポンプにより真空にした(図18を参照)。
7.電極の積層
上記電極保持機構を下降させながら電極受け台上に前記双極型電極をずれのないように積層し(図19を参照)、真空中で単電池が5積層された双極型二次電池構造体を作製した。
8.双極型二次電池のプレス
上記双極型二次電池構造体を真空中で電極受け台ごとプレス部位に移動し、熱プレス機により面圧1kg/cm、80℃にて1時間熱プレスすることにより、未硬化のシール部材を硬化させた。この工程によりシール部材を所定の厚みまでプレスし、さらに硬化させることが可能になる(図20を参照)。
9.真空チャンバーからの取り出し
上記真空チャンバー内をリークし、大気圧に戻した後に双極型二次電池構造体を取り出し、液系電解質型の双極型二次電池を完成させた。
<実施例2:ゲル電解質双極型二次電池の作製>
セパレータに保持される電解質として、上記の実施例1で調製した電解液に代えて、PCとECとの等体積混合液に90質量%のLiPFおよび10質量%のPVDF−HFPコポリマー(ホストポリマー)を含有させ、さらに粘度調整溶媒としてジメチルカーボネート(DMC)を塗布工程に最適な粘度になるまで添加して、プレゲル電解質を調製した。なお、DMCを除いたプレゲル電解質の全量におけるリチウム塩濃度は1Mに調節した。
上記で調製したプレゲル電解質を、双極型電極の正極活物質層および負極活物質層の双方に塗布してゲル電解質を活物質層に染み込ませ、最終的にDMCを揮発させて、双極型電極を作製した。
以上のこと以外は、上記の実施例1と同様の手法により、ゲル電解質双極型二次電池を作製した。
第1実施形態の双極型二次電池の構造を示す断面図である。 第1実施形態の双極型二次電池の電池要素の構造を示す拡大断面図である。 図2に示すIII−III線に沿った断面図である。 第1実施形態の双極型二次電池の変形例の電池要素の構造を示す拡大断面図である。 第1実施形態の双極型二次電池における空孔部の配置形態を説明するための平面図である。 第1実施形態の双極型二次電池における空孔部を示す拡大平面図である。 第1実施形態の双極型二次電池における空孔部の変形例を示す拡大平面図である。 第1実施形態の双極型二次電池における空孔部の変形例を示す拡大平面図である。 第1実施形態の双極型二次電池における空孔部の変形例を示す拡大平面図である。 双極型二次電池の平面図である。 ケースに格納された双極型二次電池を示す三面図である。 組電池を示す三面図である。 組電池を搭載する自動車の概略図を示す。 本発明に用いられる双極型電極の一実施形態を示す断面概略図である。 図14の双極型電極に電解質層、シール部材前駆体を形成させたものを示す断面概略図である。 図15の双極型電極にセパレータを設置したものを示す断面概略図である。 図16で作成した双極型電極を双極型電極保持機構にセットしたことを示す断面概略図である。 電極保持機構を積層部位および加圧、加熱プレス部位を有する真空チャンバー内に導入し、真空チャンバー内を真空ポンプにより真空にする工程を示す図である。 電極保持機構を下降させながら電極受け台上に前記双極型電極をずれのないように積層したことを示す断面概略図である。 双極型二次電池構造体を真空中で電極受け台ごとプレス部位に移動し、熱プレス機により、熱プレスする工程を示す図である。
符号の説明
10 双極型二次電池、
11 集電体、
11’ 空孔部、
12 正極活物質層、
13 負極活物質層、
14 セパレータ、
14’ 空孔部、
15 単電池、
16 双極型電極、
17 端子集電体、
18 シール部材、
19 端子集電体接続シート、
20 電池要素、
30a 正極タブ、
30b 負極タブ、
40 外装、
41 ラミネートシート、
50 電池ケース、
51 正極ターミナル、
52 負極ターミナル、
60 組電池、
61 連結板、
62 固定ねじ、
63、64 バスバー、
70 自動車。

Claims (8)

  1. 集電体の一方の面に正極活物質層が形成され他方の面に負極活物質層が形成されてなる複数の双極型電極と、
    前記正極活物質層と前記負極活物質層とが対向するように積層された複数の前記双極型電極の間に介在する、セパレータに電解質が保持されてなる電解質層と、
    前記正極活物質層、前記電解質層、および前記負極活物質層がこの順に積層されてなる単電池を包囲するように、前記双極型電池の集電体上に配置されたシール部材と、
    を含む双極型二次電池であって、
    前記双極型電極を構成する少なくとも1つの前記集電体の、前記シール部材が配置されるべき部位に複数の空孔部が設けられ、前記シール部材が、当該空孔部に充填されるように配置されてなることを特徴とする、双極型二次電池。
  2. 前記シール部材が充填される前記集電体が、端子集電体である、請求項1に記載の双極型二次電池。
  3. 前記セパレータの少なくとも一部が、前記単電池の積層方向から見て前記シール部材と重複する形状を有し、前記セパレータの当該重複する部位に複数の空孔部が設けられ、前記シール部材が、当該空孔部に充填されるように配置されてなる、請求項1または2に記載の双極型二次電池。
  4. 双極型二次電池の電池要素の最外層に位置する端子集電体にさらに電極タブが別途接続される場合に、当該電極タブの少なくとも一部が、前記単電池の積層方向から見て前記シール部材と重複する形状を有し、前記電極タブの当該重複する部位に複数の空孔部が設けられ、前記シール部材が、当該空孔部に充填されるように配置されてなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の双極型二次電池。
  5. 前記集電体、前記セパレータ、または前記電極タブに設けられる複数の前記空孔部が、前記単電池の端面に垂直な方向から見て存在しない部位がないように配置される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の双極型二次電池。
  6. 前記シール部材を構成する材料が、ポリプロピレン、ポリエチレンまたはエポキシ樹脂である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の双極型二次電池。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の双極型二次電池が複数個接続されてなる組電池。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の双極型二次電池、または請求項7に記載の組電池をモータ駆動用電源として搭載した車両。
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