以下に添付図面を参照して、本発明にかかる画像形成装置、電源装置及び制御方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。第1の実施の形態にかかる画像形成装置のエンジン電源部は、蓄電部から出力され、昇圧された電圧または商用電源から出力された電圧が定電圧回路に入力され、定電圧化され、負荷に供給されるものである。また、定電圧回路によって蓄電部が充電されるものである。
まず、本発明が適用される画像形成装置の一例としてのプリンタのエンジン電源部の構成例について、図1〜図3を用いて説明する。本実施の形態では、画像形成装置としてプリンタを例にとって説明する。なお、プリンタ以外の複写機、ファクシミリ装置、及び複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能を組み合わせた複合機(MFP:Multi Function Peripherals)などの画像形成装置に本発明を適用することができ、何らかの負荷部に電力を供給する電源装置に本発明を適用することができる。
図1は、第1の実施の形態にかかるプリンタのエンジン電源部の回路構成を示す回路図である。図2は、第1の実施の形態にかかるプリンタのエンジン電源部の詳細な回路構成を示す詳細回路図である。図3は、定電圧生成回路及び充電制御回路の詳細な回路構成を示す詳細回路図である。
本実施の形態にかかるプリンタのエンジン電源部100は、フィルタ1と、全波整流回路2と、定電圧生成回路及び充電制御回路79(以下、定電圧/定電流生成回路79という)と、蓄電部9(以下、キャパシタバンク9という)と、充電電圧検出回路16と、充電電流検出回路12と、昇圧回路80と、昇圧電圧検出回路82と、画像形成装置制御回路10(以下、エンジン制御回路10)と、電圧検出回路49と、負荷20と、AC定着ヒータ29、30と、加熱部温度検出回路33、34と、AC定着ヒータ制御回路39と、第1開閉回路83と、第2開閉回路84と、第3開閉回路85と、第4開閉回路81と、を備えている。
商用電源は、主電源スイッチ3(図2参照)を介してフィルタ1に入力され、フィルタ1の出力は全波整流回路2に接続され、全波整流される。全波整流された出力は、平滑コンデンサC2に接続され、平滑コンデンサC2によってリップル成分等は除去される。
全波整流回路2の直流出力は、第1開閉回路83、すなわちFET(Field Effect Transistor)83aのソース側に接続され、第1開閉回路83の出力、すなわちFET83aのドレイン側は、定電圧/定電流生成回路79の入力に接続される。定電圧/定電流生成回路79の出力は、第4開閉回路81を介して搬送モータ等のパワー系の負荷20及び後処理装置22(図2参照)に接続されている。
また、定電圧/定電流生成回路79の出力は、第3開閉回路85を介してキャパシタバンク9に供給される。定電圧/定電流生成回路79によってキャパシタバンク9に充電された充電電圧は、昇圧回路80に入力される。昇圧回路80によって昇圧された電圧は、第2開閉回路84、すなわちFET84aのソース側に接続され、第2開閉回路84の出力、すなわちFET84aのドレイン側は、定電圧/定電流生成回路79の入力に接続される。
定電圧/定電流生成回路79は、エンジン制御回路10のCPU10aから受取ったPWM信号(パルス幅変調信号)に従って負荷20に供給する定電圧を生成するものである。また、定電圧/定電流生成回路79は、キャパシタバンク9に対して定電流充電または定電力充電を行うものである。このように、一つの回路で定電圧の生成と蓄電手段に対して充電をすることができるため、回路構成を簡素化することができ、画像形成装置を安価に製造することができる。
次に、図3を用いて、定電圧/定電流生成回路79のより詳細な構成及び動作を説明する。定電圧/定電流生成回路79において、高周波トランス79bの一次コイル79cは第1開閉回路83の出力、すなわちFET83aのドレイン側に接続されている。一次コイル79cには、直列にスイッチング手段としてFET79aが接続されている。FET79aで構成されるスイッチング回路は、スイッチング・レギュレータIC79mから出力されるPWM信号によって、スイッチング動作を行う。
スイッチング・レギュレータIC79mから出力されるPWM信号によって、FET79aがスイッチング(ON、OFF動作)されると、一次コイル79cにスイッチング電流が流れる。一次コイル79cにスイッチング電流が流れることによって、トランス79bの二次コイル79dにスイッチ電圧が誘起される。スイッチング・レギュレータIC79mは、スイッチング周波数の導通期間を変えることによって、出力電圧の制御を行うことができる。
高周波トランス79bの二次コイル79dには、整流回路79eとしてダイオードD4、D5が接続されている。スイッチング電圧は、整流回路79eで整流され、チュークコイル79f及びコンデンサC2により平滑され、直流出力に変換される。直流出力は、第3開閉回路85(FET85a)及びダイオードD6を介してキャパシタバンク9に供給され、キャパシタバンク9の個々のキャパシタセルは充電される。
キャパシタバンク9の端子間電圧は、抵抗R2と抵抗R3により構成される充電電圧検出回路16により検出され、定電流または定電力充電電圧発生回路79iに入力される。キャパシタバンク9に流れる充電電流は、抵抗R1の端子間電圧として検出する充電電流検出回路12によって検出され、定電流または定電力充電電圧発生回路79iに入力される。なお、定電流または定電力充電電圧発生回路79iの詳細な動作の説明は後述する。
スイッチング・レギュレータIC79mは、全波整流回路2の直流出力を抵抗、コンデンサC5及びツェナーダイオードZD1から構成される回路から電力を供給される。スイッチング・レギュレータIC79mは、電力供給によって動作を開始し、補助巻線79zとダイオードD7とで構成される補助電源によって動作を行う。PWM信号となる周波数は、抵抗とコンデンサとで構成される回路79lの抵抗値とコンデンサの容量で決定される。
スイッチング・レギュレータIC79mは、入力電圧79xに応じパルス幅を変調させるための電圧―パルス幅変換回路を備えている。スイッチング・レギュレータIC79mは、入力電圧79xに応じパルス幅を変化させる。パルス幅を変化させたPWM信号は、FET79aのゲートに入力されることによって、高周波トランス79bの一次コイル79cをスイッチングする。これにより、定電圧/定電流生成回路79は、出力電圧の異なる電圧を発生させることができる。
次に、電圧検出回路49がDC/DCコンバータの出力電圧(二次側の出力電圧)を検出し、所定の定電圧を生成する動作を説明する。DC/DCコンバータの出力電圧は、電圧検出回路49のシャント式レギュレータIC1によって検出され、フォトカプラPC1によってフィードバック電圧検出回路79kにフィードバックされる。このフィードバック電圧によって、PWM信号のパルス幅が制御される。このように、一定電圧の定電圧を連続して生成することができるため、安定した定電圧の供給を行うことができる。
次に、上述した定電流または定電力充電電圧発生回路79iの動作を詳細に説明する。定電流または定電力充電電圧発生回路79iは、エンジン制御回路10から送出された充電動作指示信号を受けると、充電電流検出回路12の抵抗R1を用いて、充電電流を端子間電圧として検出する。定電流または定電力充電電圧発生回路79iは、端子間電圧と予め設定された充電電流との比較を行い、この比較結果を電圧電流変換回路79jに出力する。電圧電流変換回路79jは、トランジスタのエミッタに接続されたフォトカプラPC2からフィードバック電圧検出回路79kに電圧をフィードバックする。フィードバック電圧検出回路79kがこのフィードバック電圧によってPWM信号の幅を制御することによって、定電流または定電力充電電圧発生回路79iは定電流充電を行うことができる。
また、定電流または定電力充電電圧発生回路79iは、予め定められた充電電圧を充電電圧検出回路16の抵抗R2と抵抗R3によって検出すると、定電力充電モードに切り替る。定電力充電の電圧は、“抵抗R1による充電電流×抵抗R2と抵抗3によって検出される充電電圧”の計算式に従って生成される。この乗算回路は、アナログ乗算回路を使用してもよいし、CPUによる演算で行ってもよい。定電流または定電力充電電圧発生回路79iは、定電力充電するための電圧を電圧電流変換回路79jに出力する。電圧電流変換回路79jを構成するトランジスタのエミッタに接続されたフォトカプラPC2が、フィードバック電圧検出回路79kに電圧をフィードバックすることによって、定電力充電が行われる。このように、充電電圧を監視することができるため、蓄電手段への過充電を防止することができ、蓄電手段の寿命を延ばすことができる。また、蓄電手段の蓄電量によって蓄電手段への充電を制御できるため、無駄な充電を停止することができる。
定電流または定電力充電電圧発生回路79iは、キャパシタバンク9に組み込まれた充電電流バイパス回路17aの何れかのバイパス回路の単セル満充電信号5が入力されると、再び予め設定された充電電流による充電を行うために、抵抗R1によって充電電流を検出する。定電流または定電力充電電圧発生回路79iは、検出された充電電流と予め設定された充電電流との比較を行い、この結果を電圧電流変換回路79jに出力する。
定電流または定電力充電電圧発生回路79iは、充電電流バイパス回路17aがすべて動作したことを示す満充電信号6を入力されると、充電動作を停止する。なお、定電流または定電力充電電圧発生回路79iは、キャパシタバンク9が充電されてない状態である場合は、大きな突入電流がキャパシタバンク9に流れることを防止するために、充電電圧を低くし、徐々に充電電圧を高くするような電圧を出力してもよい。
次に、定電圧/定電流生成回路79が負荷20に定電圧を供給する場合と、キャパシタバンク9に定電流充電または定電力充電する場合の説明を行う。定電流または定電力充電電圧発生回路79iは、CPU10aから充電許可信号が出力されていない時は電圧電流変換回路79jに電圧は出力しない。従って、フォトカプラPC2により、フィードバック電圧検出回路79kに電圧はフィードバックされない。
定電圧/定電流生成回路79がキャパシタバンク9に定電流充電または定電力充電する場合、エンジン制御回路10のCPU10aは充電許可信号を電圧電流変換回路79jに出力する。CPU10aは、フォトカプラPC1によるフィードバック電圧検出回路79kへのフィードバックを停止するために、フォトカプラPC1への通電を遮断する信号をトランジスタ49aに出力する。CPU10aは、定電流または定電力充電電圧発生回路79iに充電許可信号を送信していない時は、トランジスタ49aをOFFにする信号を出力する。DC/DCコンバータの出力電圧は、電圧検出回路49のシャント式レギュレータIC1により検出され、フォトカプラPC1によってフィードバック電圧検出回路79kにフィードバックされ、定電圧が生成される。
昇圧回路80は、昇圧電圧制御回路80aと、昇圧チョッパ回路80eとを備えている。昇圧電圧制御回路80aは、三角波発生回路を有し、予め設定された電圧と昇圧電圧検出回路の電圧との比較を行い、PWM信号を発生させ、出力する。例えば、昇圧電圧検出回路82の電圧が高い時には低い電圧を生成し、昇圧電圧検出回路の電圧が低い時には高い電圧を生成するようにし、この三角波発生回路のスレシュ電圧を変えてPWM信号を発生させ、出力する。このように、平滑化された商用電源と同等の電圧を負荷に供給することができるため、蓄電手段からの電圧で画像形成を行うことができる。
出力されたPWM信号は、昇圧チョッパ回路80eのFET80bのゲートに入力される。昇圧チョッパ回路80eは、入力側に設けた昇圧チョークコイル80c、FET80bを設けたスイッチング回路、昇圧整流ダイオード80d、及び出力側に設けた平滑コンデンサ80fから構成される。昇圧された出力は、第2開閉回路のFET84aのソース側に接続される。
昇圧電圧制御回路80aから出力されるPWM信号によって、FET80bがONにされると、昇圧チョークコイル80cに電流が流れエネルギが蓄積される。続いてFET80bがOFFにされると、ON期間に昇圧チョークコイル80cに蓄積したエネルギを入力電圧に重畳して出力する。この電流が昇圧整流ダイオード80dを通して、平滑用コンデンサ80fに貯えられる。この動作が繰り返され昇圧が行われる。この昇圧され、平滑された電圧が、第2開閉回路84に接続される。
キャパシタバンク9の蓄電力が放電され蓄電圧が低下した場合であっても、予め設定された電圧と昇圧電圧検出回路82の電圧との比較をし、PWM信号のデューティ、すなわちON区間とOFF区間の割合を変えることにより、昇圧された電圧を一定電圧とすることができる。
なお、本実施の形態における昇圧は、昇圧チョッパ回路80eを使用したが、高周波トランスの一次側をスイッチングし、2次側に誘起する電圧を整流してDC化する回路を使用してもよい。
エンジン制御部10は、定電圧/定電流生成回路79に対してPWM信号を出力することによって定電圧の生成を制御するものである。また、エンジン制御部10は、第1〜第4開閉回路に対して開放信号または閉鎖信号を出力することによって、電力の供給を制御するものである。エンジン制御部10は、本発明にかかる供電制御手段を構成する。
エンジン制御部10は、CPU10aに接続されたシリアルコントローラ(SCI)10d、入出力ポート10c、A/Dコンバータ10b及びROM、RAM、タイマ、割り込み制御回路(INT)等で構成されている。
CPU10aのA/Dポート10bには、定着装置の定着ローラの表面温度(定着温度)を検出する温度検出回路33、34が接続されている。温度検出回路33は、ACヒータ用サーミスタ33aと直列に接続された抵抗R11とで構成され、AC定着ヒータ29に対応する測定領域の温度を検出する回路である。また、温度検出回路34は、ACヒータ用サーミスタ34aと直列に接続された抵抗R12とで構成され、AC定着ヒータ30に対応する測定領域の温度を検出する回路である。
入出力ポート10cには、後述する開閉回路の開閉動作を行うバッファ回路、温度検出回路33、温度検出回路34の温度検出結果によってAC定着ヒータ29、30に電力を供給するACヒータ制御回路39、画像形成動作を行うために必要なモータ、ソレノイド、クラッチ等の負荷20、21、画像形成動作を行うために必要なセンサ、スイッチ回路15等が接続されている。
なお、負荷20は、搬送モータ、現像モータ等の大きな電力を必要とするパワー系の負荷である。負荷21は、別電源から供給される負荷で、常時電源供給が必要な表示用LED、パルスモータの回転を保持する必要がある負荷である。勿論、充電時も負荷に電力を供給することが可能な回路構成の場合は、別電源から供給する必要はない。
CPU10aは、定電圧/定電流生成回路79とシリアルコントローラ(SCI)10dを介して信号の送受信を行ない、CPU10aは放電中ではない時、待機中、または省エネモード時等に、定電圧/定電流生成回路79に充電許可信号を送信する。CPU10aは、キャパシタバンク9の端子間電圧を充電電圧検出回路16によって検出し、キャパシタバンク9の電力使用が可能か否かを判断する。
AC定着ヒータ制御回路39は、定着ヒータ29、30の電力供給の制御を行うものである。CPU10aは、温度検出回路33、34が予め設定された温度以下の温度を検出すると、フォトトライアックドライブ回路35、36にフォトトライアックをONにする信号をポート1及びポート3より出力する。これにより、定着ヒータ29、30に電力が供給される。
温度検出回路33、34は予め設定された温度以上の温度を検出すると、フォトトライアックドライブ回路35、36にフォトトライアックをOFFにする信号をポート1及びポート3から出力する。これにより、定着ヒータ29、30への電力供給は停止される。
次に第1開閉回路83、第2開閉回路84、第3開閉回路85及び第4開閉回路81の動作を説明する。第1開閉回路83は、商用電源と定電圧/定電流生成回路79との接続を開閉するものである。第2開閉回路84は、キャパシタバンク9と定電圧/定電流生成回路79との接続を開閉するものである。第3開閉回路85は、定電圧/定電流生成回路79とキャパシタバンク9との接続を開閉するものである。第4開閉回路81は、定電圧/定電流生成回路79と負荷20、21、22との接続を開閉するものである。本実施の形態にかかる第1開閉回路〜第4開閉回路は、FETで構成される。勿論、リレー、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等を使用した開閉回路を用いてもよい。
CPU10aは、ポート10cからの信号によってFETのON/OFF制御を行う。ポート10cからFETに対してONにする信号を出力されると開閉回路は閉じられ、OFFにする信号を出力されると開閉回路は開放される。
CPU10aは、待機時または省エネモード時等の電力を必要としない時キャパシタバンク9に充電するために、FETに対する信号を出力する。具体的には、CPU10aは、FET83aをONにする信号をポート5から出力する。CPU10aは、ポート6からFET85aをONにする信号、またはポート7からFET81aをOFFにする信号を出力する。さらに、CPU10aは、FET84aをOFFにする信号をポート4から出力する。なお、FET81aをONにした場合には、負荷側にも電源が供給される。
CPU10aは、商用電源のAC電力定格を超えるような場合、画像形成装置のDC電力が不足する場合、または画像形成装置側の急激な負荷変動によってフリッカーが発生するような場合は、キャパシタバンク9の蓄電力を使用するためFETに対する信号を出力する。具体的には、CPU10aは、FET85aをOFFにする信号をポート6から出力する。CPU10aは、ポート5からFET83aをOFFにする信号を出力し、FET84aをONにする信号をポート4から出力する。さらに、CPU10aは、ポート7からFET81aをONにする信号を出力する。この動作により、AC電力の使用量を増したり、DC負荷への電力供給量を増加させたりすることができる。
また、CPU10aは、充電または放電以外の通常時は放電を停止するため、FETに対する信号を出力する。具体的には、CPU10aは、FET85aをOFFにする信号をポート6から出力し、FET83aをONにする信号をポート5から出力する。CPU10aは、ポート4からFET84aをOFFにする信号を出力し、FET81aをONにする信号をポート7から出力する。これにより、商用電源は定電圧/定電流生成回路79に接続され、その出力が負荷20に供給される。
CPU10aは、画像形成動作が終了後、一定時間が経過すると省エネモードに入るため、DC/DCコンバータ14に一部の電源出力停止信号をポート2から出力する。DC/DCコンバータ14は、省エネ解除SW24(圧版開放SW、ADFの原稿検知SW等)によって省エネモードが解除され、通常の動作に復帰する。
次に、エンジン制御部10のROMに格納されている電力使用テーブル1および電力使用テーブルについて説明する。電力使用テーブル1は、商用電源からの供給電力では賄えない画像形成動作と、その処理を行うために必要な蓄電力使用時間を規定する。図4は、電力使用テーブル1のデータ構成の一例を示す説明図である。電力使用テーブル1は、通常の供給電力以上の電力を必要とする画像形成動作と、蓄電力使用時間とを対応付けて記憶している。通常の供給電力以上の電力を必要とする画像形成動作とは、例えば商用電源から通常の電力が供給され、複数枚の画像形成動作を行った場合に、定着装置の温度が低下するために連続して画像形成動作を行うことができなくなる用紙のサイズと枚数の組合せなどである。蓄電力使用時間とは、通常の供給電力を超える条件の画像形成処理を行うためにキャパシタバンク9から電力を供給する時間である。電力使用テーブル1を参照することによって、通常の電力で賄いきれない画像形成動作を行う前に、必要な電力をキャパシタバンク9から供給することができ、待ち時間の少ない画像形成動作を実施できる。また、定着温度の低下を防止することができるため、画像形成の品質が向上でき、フリッカーを防止することができる。
電力使用テーブル2は、電力供給が必要な後処理を規定する。図5は、電力使用テーブル2のデータ構成の一例を示す説明図である。電力使用テーブル2は、電力供給が必要な後処理種別を記憶している。電力使用テーブル2を参照することによって、これから実行する後処理に電力供給が必要であるか否かを判断することができ、後処理を行う際に電力を供給することができる。
次に、画像形成装置の全体を制御するコントロール回路8の説明をする。コントロール回路8は、画像形成装置の全体を制御するCPU8aと、CPU8aに接続されたシリアルコントローラ(SCI)8b、ROM、RAM、プリンタで使用する画像展開用のワークメモリ、書き込み画像のイメージデータを一時的に蓄えるフレームメモリ、CPU周辺を制御する機能を搭載したASIC及びそのインタフェース回路等で構成されている。
CPU8aは、パネルを操作して使用者がシステム設定の入力を行う入力、使用者にシステムの設定内容状態を表示する表示、入力の制御を行う操作部制御回路25、及びエンジン制御部10がシリアルコントローラ(SCI)8bを介して接続されている。
次に、以上のように構成されている画像形成装置による動作モード制御処理、充電制御処理について説明する。図6−1〜図6−4は、画像形成装置のエンジン制御部10が行う動作モード制御処理手順を示すフローチャートである。
エンジン制御回路10のCPU10aは、主電源ONまたは省エネモード解除によってDC電源が供給されると、エンジン制御回路10のCPU10a、その周辺回路及びメモリ関連の初期設定を行う(ステップS601)。CPU10aは、充電電圧検出回路16の検出結果から充電電圧が設定電圧か否か、すなわち満充電の状態か否かを判断する(ステップS602)。満充電であると判断した場合は(ステップS602:Yes)、開閉回路制御処理1を行う(ステップS603)。これにより、商用電源からの電力供給を停止し、キャパシタバンク9に蓄電された蓄電力を定電圧/定電流生成回路79に供給することができる。その結果、余った電力が定着装置の加熱部に供給される(ステップS604)。満充電でないと判断した場合は(ステップS602:No)、ステップS604に進む。
次に、CPU10aは、充電電圧検出回路16の検出結果から充電電圧が予め設定された電圧以上か否かを判断する(ステップS605)。予め設定された電圧以上であると判断した場合は(ステップS605:Yes)、蓄電力が使用できると判断し、加熱部温度が予め設定された温度以上(例として175℃)か否かを判断する(ステップS606)。予め設定された温度に達してないと判断した場合は(ステップS606:No)、ステップS604に戻り、引き続き定着ヒータ29、30にヒータ定格の最大電力を供給する。
次に、加熱部温度が予め設定された温度以上であると判断した場合は(ステップS606:Yes)、またはキャパシタバンク9の充電電圧が予め設定された電圧未満であると判断した場合は(ステップS605:No)、CPU10aは開閉回路制御処理2を行う(ステップS607)。これにより、商用電源から負荷に電力が供給される。
次に、CPU10aは定着装置の定着ヒータ29、30に予め設定された通常時の電力供給を行う(ステップS608)。CPU10aは、加熱部がリロード温度(例えば180℃)か否かを判断する(ステップS608)。リロード温度でないと判断した場合は(ステップS609:No)、ステップS608の戻り、定着ヒータ29、30に予め設定された通常時の電力供給が継続される。リロード温度であると判断した場合は(ステップS609:Yes)、待機状態となり、予め設定された通常時の電力供給が継続される(ステップS610)。
次に、CPU10aは再度待機状態か否かを判断する(ステップS611)。待機状態であると判断した場合は(ステップS611:Yes)、CPU10aは充電電圧が設定電圧未満か否か、すなわち満充電の状態か否かを判断する(ステップS612)。設定電圧未満である、すなわち満充電の状態でないと判断した場合は(ステップS612:Yes)、CPU10aは開閉回路制御処理3を行う(ステップS613)。これにより、キャパシタバンク9が充電される。その後ステップS610に戻る。設定電圧未満でない、すなわち充電電圧が満充電であると判断した場合は(ステップS612:No)、CPU10aは開閉回路制御処理2を行う(ステップS614)。これにより、商用電源から入力された電力が定電圧/定電流生成回路79を介して負荷に供給される。ステップS610に戻る。
ステップS611において、待機状態でないと判断した場合は(ステップS611:No)、CPU10aはコピー動作中か否かを判断する(ステップS615)。コピー動作中であると判断した場合は(ステップS615:Yes)、CPU10aは開閉回路制御処理2を行う(ステップS616)。これにより、商用電源から入力された電力が定電圧/定電流生成回路79を介して負荷に供給される。負荷は、画像形成動作を行い、定着ヒータ29、30に通常の電力が供給される(ステップS617)。
次に、CPU10aはジョブが終了しているか否かを判断する(ステップS618)。ジョブが終了していると判断した場合は(ステップS618:Yes)、後述する省エネモードの処理を実施する。ジョブが終了していないと判断した場合は(ステップS618:No)、CPU10aは電力使用テーブル1から使用電力が通常の電力以上となる現在の用紙サイズに対応するコピー枚数N及び蓄電力使用時間Mを取得する(ステップS619)。
次に、CPU10aは現在のコピー枚数がNか否かを判断する(ステップS620)。コピー枚数Nでないと判断した場合は(ステップS620:No)、ステップS617に戻り、画像形成動作が継続される。現在のコピー枚数がNであると判断した場合は(ステップS620:Yes)、加熱部の温度が定着画像保証温度よって低下するのを防止するため、CPU10aは開閉回路制御処理1を行う(ステップS621)。これにより、商用電源からの電力供給が停止される。さらに、キャパシタバンク9に蓄電された蓄電力が定電圧/定電流生成回路79に供給され、余った電力を定着装置の加熱部に供給することができる。その結果、定着ヒータ29、30にヒータ定格の最大電力の供給が可能となる。
CPU10aは、定着ヒータ29、30に最大電力を供給した状態を継続し、コピー動作を継続する(ステップS622)。なお、定着装置の加熱部の温度の低下は、通紙を開始することによって定着の加圧ローラの熱が用紙に移動したために生じるものである。従って、加圧ローラが暖まれば温度低下は解消される。CPU10aは、加圧ローラが暖まるまでの時間である蓄電力使用時間Mをタイマでカウントとする(ステップS623)。タイマカウントがMでないと判断した場合は(ステップS623:No)、ステップS622に戻り、蓄電力使用時間Mが経過するまで、定着ヒータにヒータ定格の最大電力が供給される。
タイマカウントがMであると判断した場合は(ステップS623:Yes)、CPU10aは開閉回路制御処理2を行う(ステップS624)。これにより、商用電源から入力された電力が負荷に供給される。負荷は、継続して画像形成動作を行い、CPU10aは定着ヒータに通常の電力を供給する(ステップS625)。CPU10aは、1ジョブで排出すべき枚数の用紙を排出したか否かを判断する(ステップS626)。1ジョブで排出すべき枚数の用紙を排出しないと判断した場合は(ステップS626:No)、ステップS625に戻り、画像形成動作を継続する。1ジョブで排出すべき枚数の用紙を排出したと判断した場合は(ステップS626:Yes)、CPU10aは電力使用テーブル2から電力供給が必要な後処理を取得する(ステップS627)。
次に、CPU10aは、これから実施する後処理に電力供給が必要であるか否かを判断する(ステップS628)。後処理に電力供給が必要であると判断した場合は(ステップS628:Yes)、CPU10aは開閉回路制御処理1を行う(ステップS629)。これにより、キャパシタバンク9に蓄電された蓄電力が定電圧/定電流生成回路79に供給され、DC電源の出力を増加することができる。例えば、後処理としてステープル処理の綴じ動作を行う場合などに電力供給を行う。電力を供給された後処理周辺機は、後処理動作を実施する(ステップS630)。その後、ステップ610に戻る。後処理に電力供給必要が必要でないと判断した場合は(ステップS628:No)、コピー動作は終了しているので、ステップS610に戻る。
ステップS615において、コピー動作中でないと判断した場合は(ステップS615:No)、またはステップS618においてジョブが終了したと判断した場合は(ステップS618:Yes)、CPU10aは省エネモード中か否かを判断する(ステップS631)。省エネモード中でないと判断した場合は(ステップS631:No)、ステップS610に戻る。省エネモード中であると判断した場合は(ステップS631:Yes)、CPU10aは充電電圧が設定電圧未満か否か、すなわち満充電状態か否かを判断する(ステップS632)。充電電圧が設定電圧未満である、すなわち満充電状態でないと判断した場合は(ステップS632:Yes)、キャパシタバンク9に充電するため、CPU10aは開閉回路制御処理3を行い(ステップS633)、ステップS631に戻る。充電電圧が設定電圧未満でない、すなわち満充電状態であると判断した場合は(ステップS632:No)、CPU10aは開閉回路制御処理4を行い(ステップS634)、ステップS631に戻る。
なお、本フローチャートには示さないが、この充電動作が終了すると、画像形成装置制御部も省エネモードに移行する。
次に、エンジン制御回路10による開閉回路制御処理1について説明する。図7は、画像形成装置のエンジン制御回路10が行う開閉回路制御処理1の手順を示すフローチャートである。この処理により、定電圧/定電流生成回路79はキャパシタバンク9の蓄電力を使用して定電圧出力制御を行う。
CPU10aは、電圧検出回路49を有効にする(ステップS701)。具体的には、定電圧/定電流生成回路79が定電圧出力するため、CPU10aは画像形成制御回路10の入出力IC10cのポートから電圧検出回路49のトランジスタをOFFにする信号を出力する。これにより、電圧検出回路49が有効になり、定電圧出力制御が行われる。CPU10aは、第2開閉回路を閉鎖する信号を出力し(ステップS702)、第4開閉回路を閉鎖する信号を出力する(ステップS703)。CPU10aは、第3開閉回路を開放する信号を出力する(ステップS704)。
また、第2、第3開閉回路にリレーを使用した場合には、CPU10aはタイマカウンタで時間Nをカウントする(ステップS705)。次に、CPU10aは、第1開閉回路を開放する信号を出力する(ステップS706)。これにより、定着ヒータ29、30にヒータ定格の最大電力が供給される。なお、通常動作時は、100%デューティで供給することはしない。また、定着ヒータ30を補助ヒータとして、立上げ時または定着温度落ち込みに時のみにキャパシタバンク9から電力を供給するようにしてもよい。
このように、蓄電手段から電力を供給することができるため、商用電源から供給される電力の不足を補助することができる。また、第1開閉手段を開放する場合は、第2開閉手段を閉鎖した後に第1開閉手段を開放することにより、負荷への電力供給が遮断されることがないため、安定した電力を供給することができる。
次に、エンジン制御回路10による開閉回路制御処理2について説明する。図8は、画像形成装置のエンジン制御回路10が行う開閉回路制御処理2の手順を示すフローチャートである。この処理により、定電圧/定電流生成回路79は商用電源より負荷に電源が供給される。
CPU10aは、電圧検出回路49を有効にする(ステップS801)。具体的には、定電圧/定電流生成回路79が定電圧出力するために、CPU10aは画像形成制御回路の入出力IC10cのポートから電圧検出回路49のトランジスタ49aをOFFにする信号を出力する。これにより電圧検出回路49が有効になり、定電圧出力制御が行われる。CPU10aは、第1開閉回路を閉鎖する信号を出力し(ステップS802)、第4開閉回路を閉鎖する信号を出力する(ステップS803)。CPU10aは、第3開閉回路を開放する信号を出力する(ステップS804)。また、第2、第3開閉回路にリレーを使用した場合には、CPU10aはタイマカウンタで時間Nをカウントする(ステップS805)。次に、CPU10aは第2開閉回路を開放する信号を出力する(ステップS806)。
このように、商用電源から電力が供給される場合には蓄電手段からの電力供給を遮断することができるため、蓄電手段の蓄電力を有効に活用することができる。また、第2開閉手段を開放する場合は、第1開閉手段を閉鎖した後に第2開閉手段を開放することにより、負荷への電力供給が遮断されることがないため、安定した電力を供給することができる。
次に、エンジン制御部10による開閉回路制御処理3について説明する。図9は、画像形成装置のエンジン制御部10が行う開閉回路制御処理3の手順を示すフローチャートである。この処理によってキャパシタバンク9が充電される。
CPU10aは、ポートから第1開閉回路を閉鎖する信号を出力し(ステップS901)、第2開閉回路を開放する信号を出力する(ステップS902)。CPU10aは、第3開閉回路を閉鎖する信号を出力し(ステップS903)、第4開閉回路を開放する信号を出力する(ステップS904)。CPU10aは、電圧検出回路49を無効にする(ステップS905)。具体的には、定電圧/定電流生成回路79が充電するために、CPU10aは画像形成制御回路10の入出力IC10cのポートから電圧検出回路49のトランジスタ49aをONにする信号を出力する。CPU10aは、充電許可信号を定電圧/定電流生成回路79に送信する(ステップS906)。これにより、定電流または定電力充電電圧発生回路出力が有効となり充電が行われる。
このように、負荷に電力が必要でないときに蓄電手段に充電することができるため、電力使用の平準化を行うことができる。また、負荷を選択し、第4開閉回路に閉鎖信号を出力すれば、蓄電手段を充電すると同時に負荷に電力供給をすることができるため、回路構成を簡素化することができ、画像形成装置を安価に製造することができる。また、第2開閉手段を開放する場合は、第1開閉手段を閉鎖した後に第2開閉手段を開放することにより、負荷への電力供給が遮断されることがないため、安定した電力を供給することができる。
次に、プリンタのエンジン制御回路10による開閉回路制御処理4について説明する。図10は、プリンタのエンジン制御回路10が行う開閉回路制御処理4の手順を示すフローチャートである。
CPU10aは、第1開閉回路を開放する信号を出力し(ステップS1001)。第2開閉回路を開放する信号を出力する(ステップS1002)。CPU10aは、第3開閉回路を開放する信号を出力し(ステップS1003)、第4開閉回路を開放する信号を出力する(ステップS1004)。さらに、CPU10aはスイッチング・レギュレータICに電力出力停止信号を出力する(ステップS1005)。
次に、定電圧/定電流生成回路79による充電処理について説明する。図11−1、図11−2は、画像形成装置の定電圧/定電流生成回路79が行う充電処理手順を示すフローチャートである。この処理によってキャパシタバンク9が充電される。
定電圧/定電流生成回路79は、エンジン制御回路10のCPU10aから充電許可信号が送信されているか否かを判断する(ステップS1101)。充電許可信号が送信されていないと判断した場合は(ステップS1101:No)、処理は終了する。充電許可信号が送信されていると判断した場合は(ステップS1101:Yes)、定電圧/定電流生成回路79は満時充電に達しているか否かを判断する(ステップS1102)。具体的には、充電電圧検出回路16の検出結果から充電電圧を確認し、満充電状態か否かを判断する。充電電圧が満充電に達していると判断した場合は(ステップS1102:Yes)、充電する必要は無いので、定電圧/定電流生成回路79は満充電電圧信号をエンジン制御回路10のCPU10aに送信し(ステップS1103)、処理は終了する。
充電電圧が満充電に達していないと判断した場合は(ステップS1102:No)、充電動作を行うために、定電圧/定電流生成回路79は充電動作中信号をエンジン制御回路10のCPU10aに送信する(ステップS1104)。定電圧/定電流生成回路79は、充電電圧が予め設定された電圧以下か否かを判断する(ステップS1105)。充電電圧が予め設定された電圧以下であると判断した場合は(ステップS1105:Yes)、定電圧/定電流生成回路79は蓄電部、すなわちキャパシタバンク9の充電電流を検出する(ステップS1106)。定電圧/定電流生成回路79は、定電流充電するため検出した充電電流に対応したPWM信号をFET85aのゲートに出力する(ステップS1107)。ステップS1105に戻り、定電圧/定電流生成回路79は充電電圧が予め設定された電圧以下か否かを判断する。充電電圧が予め設定された電圧以下であると判断された場合は、上述した充電動作を繰り返す。
ステップS1105において、充電電圧が予め設定された電圧以下であると判断した場合、すなわち充電電圧が予め設定された電圧以下でなくなった場合は(ステップS1105:Yes)、定電圧/定電流生成回路79は蓄電部、すなわちキャパシタバンク9の充電電流と充電電圧の検出を行う(ステップS1108)。定電圧/定電流生成回路79は、定電力充電を行うため、検出した充電電流と充電電圧に対応したPWM信号をFET85aのゲートに出力する(ステップS1109)。次に、定電圧/定電流生成回路79は、何れかの単セル満充電信号があるか否かを判断する(ステップS1110)。何れも単セル満充電信号がないと判断した場合には(ステップS1110:No)、ステップS1108に戻る。
何れかの単セル満充電信号があると判断した場合には(ステップS1110:Yes)、定電圧/定電流生成回路79は定電流充電を実施する(ステップS1111)。定電圧/定電流生成回路79は、全セル満充電信号があるか否かを判断する(ステップS1112)。全セル満充電信号があると判断した場合は(ステップS1112:Yes)、定電圧/定電流生成回路79は充電動作を停止するためにPWM信号をFET85aのゲートに出力する(ステップS1113)。定電圧/定電流生成回路79は、全セル満充電信号をCPU10aに送信し(ステップS1114)、処理は終了する。全セル満充電信号がないと判断した場合は(ステップS1112:No)、ステップS1111に戻り、定電圧/定電流生成回路79は定電流充電を行う。
このように、商用電源で充電されたキャパシタバンク9の出力または商用電源の出力から定電圧/定電流生成回路79によって定電圧が生成され、生成された定電圧を負荷に供給する構成を採るとともに、定電圧/定電流生成回路79が従来複数の回路によって実現されていた複数の機能、すなわち蓄電部から出力される電圧から定電圧を生成する機能および商用電源から出力される電圧から定電圧を生成する機能を持ったことによって、プリンタのエンジン電源部の回路構成が簡易な構成とすることができた。これにより、日本国内の一般的なオフィスの商用電源を用い、電源関連の特別な工事を施すことなく、定着装置の立上り時間を短縮することができ、蓄電部を設けた電源装置の回路構成を簡略化されたため、画像形成装置の製造コストを低減することができる。また、電源装置の回路構成が複雑な構成を採らないため、装置の品質の向上やメンテナンスの容易性の向上を図ることができる。
さらに、定電圧/定電流生成回路79は、蓄電部を充電する機能も備えるため、従来に比べさらにプリンタのエンジン電源部の回路構成が簡易な構成とすることができ、製造コストの削減、品質の向上、メンテナンスの容易性の向上を図ることができる。また、AC電力供給またはDC電力供給が不足時にキャパシタバンク9を補助電源として使用することにより、電力使用の平準化を図ることができる。
本実施の形態にかかる回路構成の特徴は、定電圧生成機能と定電流充電の機能を併せ持った定電圧/定電流生成回路79によって、キャパシタバンク9に充電を行い、キャパシタバンク9の出力を昇圧して、定電圧生成充電回路79の入力としている点にある。
このように、キャパシタバンク9の出力を昇圧しているので、定電圧/定電流生成回路79の入力は、平滑した商用電源電圧と同程度の電圧にすることが可能である。また、昇圧回路80によって定電圧/定電流生成回路79に入力する電圧の補正が可能なため、キャパシタバンク9の充電電圧は、負荷に供給する電圧と同程度の電圧にすることができる。また、負荷を選択すれば、充電時にも定電圧/定電流生成回路79の出力を負荷に供給することができる。
ここで、定電圧/定電流生成回路79の入力を、平滑した商用電源電圧と同程度の電圧にする必要性を説明する。定電圧/定電流生成回路79は、入力される電圧が低下しても、電圧変換用の高周波トランスの巻き数を変えれば、同じ定電圧を生成することは可能である。しかしながら、この場合は入力される電流は増加する。定電圧/定電流生成回路79は過電流検知機能も備えており、あまり過電流が増加するとこの過電流検知機能が動作する。また、定電圧生成回路を設計する上でも、入力電圧が大きく変化することは望ましくない。よって、定電圧/定電流生成回路79の入力を、平滑した商用電源電圧と同程度の電圧にする必要が生じるものである。
なお、第4開閉回路を開放することにより、負荷への電圧供給を遮断してもよい。このように、第4開閉回路を設け、省エネモード時等のように負荷に電力供給が不要な場合は、第4開閉回路を開放することにより、電力の削減が可能になる。
図12は、キャパシタバンクを用いた場合の立上げ時及びコピー時の定着装置の温度特性を示す説明図である。本実施の形態は、上述したような構成を採ることにより、画像形成装置の起動時における定着装置が所定の温度に到達するまでの立上り時間は、キャパシタがない場合よりも短くなっている。また、画像形成処理を行うことによって温度の落ち込みが小さくなっている。このように、商用電源で充電するキャパシタバンクを用いた構成を採ることによって、日本国内の一般的なオフィスで使用されている商用電源を用いて、画像形成処理が不可能な時間を短縮することができる。
なお、上述した図1及び図2において、第1開閉回路83及び第2開閉回路84、第3開閉回路85及び第4開閉回路81を切換回路としてもよい。図13は、第1開閉回路及び第2開閉回路を切換回路とした例を示す説明図である。図14は、第3開閉回路及び第4開閉回路を切換回路とした例を示す説明図である。
また、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。他の実施の形態として、第2の実施の形態を説明する。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。第2の実施の形態にかかる画像形成装置のエンジン電源部は、蓄電部から出力された電圧または商用電源から出力された電圧が定電圧回路に入力され、定電圧化され、負荷に供給されるものである。また、定電圧回路によって蓄電部が充電されるものである。本実施の形態では、昇圧回路を備えず、定電圧生成回路の出力電圧を高くすることによって蓄電部を充電する。
まず、本発明が適用される画像形成装置の一例としてのプリンタのエンジン電源部の構成例について、図15、図16を用いて説明する。図15は、第2の実施の形態にかかるプリンタのエンジン電源部の回路構成を示す回路図である。図15は、第2の実施の形態にかかるプリンタのエンジン電源部の詳細な回路構成を示す詳細回路図である。
本実施の形態にかかるプリンタのエンジン電源部200は、フィルタ1と、全波整流回路2と、定電圧/定電流生成回路79と、キャパシタバンク9と、充電電圧検出回路16と、充電電流検出回路12と、エンジン制御回路10と、電圧検出回路49と、負荷20と、AC定着ヒータ29、30と、加熱部温度検出回路33、34と、AC定着ヒータ制御回路39と、第1開閉回路83と、第2開閉回路84と、第3開閉回路85と、第4開閉回路81と、を備えている。第1の実施の形態とは、第1の実施の形態が備えていた昇圧回路80と、昇圧電圧検出回路82とを備えていない点が異なる。
ここで、フィルタ1と、全波整流回路2と、定電圧/定電流生成回路79と、キャパシタバンク9と、充電電圧検出回路16と、充電電流検出回路12と、エンジン制御回路10と、電圧検出回路49と、負荷20と、AC定着ヒータ29、30と、加熱部温度検出回路33、34と、AC定着ヒータ制御回路39の構成、機能は、第1の実施の形態と同様であるので、第1の実施の形態の説明を参照し、ここでの説明を省略する。
以上のように構成されているプリンタによる動作モード制御処理について説明する。図17−1〜図17−2は、画像形成装置のエンジン制御部10が行う動作モード制御処理手順を示すフローチャートである。
本実施の形態にかかる動作モード制御処理の手順は、図6−1〜図6−4に示すフローチャートの一部と同様であるので、異なる部分のみ説明する。ステップS1701以前の処理は、図6−1のステップS601〜ステップS609と同様であるので図6−1での説明を参照し、ここでの説明を省略する。
図6−1のステップS609において、エンジン制御部10のCPU10aがリロード温度であると判断した場合は待機状態となり、予め設定された通常時の電力が定着ヒータに供給され、通常の温度制御が実施される(ステップS1701)。
CPU10aは、再度待機状態か否かを判断する(ステップS1702)。待機状態であると判断した場合は(ステップS1702:Yes)、CPU10aは充電電圧が設定電圧未満か否か、すなわち満充電の状態か否かを判断する(ステップS1703)。設定電圧未満である、すなわち満充電の状態でないと判断した場合は(ステップS1703:Yes)、CPU10aは開閉回路制御処理3を行い(ステップS1704)、ステップS1701に戻る。これにより、キャパシタバンク9が充電される。設定電圧未満でない、すなわち満充電の状態であると判断した場合は(ステップS1703:No)、CPU10aは開閉回路制御処理2を行い(ステップS1705)、ステップS1701に戻る。これにより、商用電源から負荷に電力が供給される。
ステップS1702において、待機状態でないと判断した場合は(ステップS1702:No)、CPU10aは動作モード、画像形成動作過程毎に蓄電力を使用する電力使用テーブル1、2を参照し、蓄電力を使用する動作モードまたは動作条件を設定する(ステップS1706)。例えば、連続コピー枚数により、加熱部の温度が低下するコピー枚数設定と、最大電力を定着ヒータに供給、すなわちキャパシタバンク9の蓄電力を使用する場合に加熱部の温度が回復する時間のタイマカウントと、電力供給が必要な後処理を電力使用テーブル1、2から取得し、設定する。
次に、CPU10aは、コピー動作中か否かを判断する(ステップS1707)。コピー動作中であると判断した場合は(ステップS1707:Yes)、CPU10aは電力使用テーブル1、2から取得したコピー枚数設定があるか否かを判断する(ステップS1708)。コピー枚数設定があると判断した場合には(ステップS1708:Yes)、商用電源から負荷に電力を供給するために、CPU10aは複数コピー処理を行う(ステップS1709)。詳細は後述する。
次に、CPU10aは、開閉回路制御処理2を行う(ステップS1710)。負荷は、継続して画像形成動作を行い、定着ヒータに通常の電力が供給される(ステップS1711)。CPU10aは、1ジョブに対応する枚数の用紙を排出したか否かを判断する(ステップS1712)。1ジョブに対応する枚数の用紙を排出していないと判断した場合には(ステップS1712:No)、ステップS1711に戻り、負荷は画像形成動作を継続する。1ジョブに対応する枚数の用紙を排出したと判断した場合には(ステップS1712:Yes)、CPU10aは後処理に電力供給が必要か否かを判断する(ステップS1713)。
後処理に電力供給が必要であると判断した場合には(ステップS1713:Yes)、DC電源の出力増加をするため、CPU10aは開閉回路制御処理1を行う(ステップS1714)。これにより、キャパシタバンク9に蓄電された蓄電力が定電圧/定電流生成回路79に供給される。電力が供給された後処理周辺機は、後処理動作を実施し(ステップS1715)、ステップS1701に戻る。後処理に電力供給が必要でないと判断した場合は(ステップS1713:No)、コピー動作は終了したので、ステップS1701に戻る。
ステップS1707において、コピー動作中でないと判断した場合は(ステップS1707:No)、その処理の手順は図6−4のステップS631〜ステップS634に示すフローチャートと同様であるので、図6−4での説明を参照し、ここでの説明を省略する。
プリンタのエンジン制御回路10による複数コピー制御処理について説明する。図18は、プリンタのエンジン制御回路10が行う複数コピー制御処理手順を示すフローチャートである。
まず、エンジン制御回路10のCPU10aは、開閉回路制御処理2を行う(ステップS1801)。次に、負荷は画像形成動作を実施し、定着ヒータ29、30に通常の電力が供給される(ステップS1802)。CPU10aは、電力使用テーブルから取得されたコピー枚数のコピーを実施したか否かを判断する(ステップS1803)。コピー枚数Nのコピーを実施していないと判断した場合には(ステップS1803:No)、ステップS1802に戻り、負荷は画像形成動作を繰り返す。コピー枚数Nのコピーを実施したと判断した場合には(ステップS1803:Yes)、CPU10aは開閉回路制御処理1を行う(ステップS1804)。これにより、商用電源からの電力供給を停止し、キャパシタバンク9に蓄電された蓄電力が定電圧/定電流生成回路79に供給され、余った電力が定着装置の加熱部に供給される。その結果、定着ヒータ29、30にヒータ定格の最大電力の供給が可能となり、加熱部の温度が定着画像保証温度より低下するのを防止することができる。
CPU10aは、定着ヒータ29、30に最大電力を供給した状態を継続し、画像形成動作を継続する(ステップS1805)。CPU10aは、タイマカウンタがMか否かを判断する(ステップS1806)。タイマカウンタがMでないと判断した場合には(ステップS1806:No)、ステップS1806に戻る。タイマカウンタがMであると判断した場合には(ステップS1806:Yes)、処理を抜ける。
なお、定着装置の加熱部の温度の低下は、通紙を開始することによって定着の加圧ロータの熱が用紙に移動するために生じるものである。従ってこの加圧ローラが暖まれば、温度低下は解消される。加圧ローラが暖まるまでの時間Mは、電力使用テーブル2から取得され、タイマカウントとして設定されているので、その時間Mになるまで、定着ヒータにヒータ定格の最大電力を供給することができる。
このように、第1の実施の形態で奏する効果に加え、昇圧回路を備えず、定電圧/定電流生成回路79の出力電圧を高くして、キャパシタバンク9に充電する回路構成にすることにより、回路構成は簡易になり、プリンタの製造コストを削減できる。また、定電圧/定電流生成回路79の制御入力電圧範囲を広くすることにより、キャパシタセルを直列に接続する使用個数を少なくすることができる。
以上、本発明を第1及び第2の実施の形態を用いて説明してきたが、上述した実施の形態に多様な変更または改良を加えることができる。
そうした変形例として、商用電源を降圧回路によって降圧して、定電圧/定電流生成回路79の入力としてもよい。図19及び図20は、他の実施の形態にかかるプリンタのエンジン電源部の回路構成を示す回路図である。図19で示すプリンタのエンジン電源部300は、第2の実施の形態の構成に降圧回路86と、降圧電圧検出回路87と、降圧制御回路88と、をさらに備えたものである。また、図20で示すプリンタのエンジン電源部400は、図19で示すプリンタのエンジン電源部において第1開閉回路83を備えない構成である。
なお、上述した第1の実施の形態、第2の実施の形態、及び変形例において説明した構成や機能は、自由に組み合わせることができる。
また、本実施の形態において上述した各回路は、組込まれたプログラムとして構成されてもよい。本実施の形態にかかるプリンタで実行される制御プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。
本実施の形態にかかるプリンタで実行される制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
さらに、本実施の形態にかかるプリンタで実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、本実施の形態にかかるプリンタで実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。
本実施の形態にかかるプリンタで実行される制御プログラムは、上述した各部(エンジン制御部など)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから制御プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、エンジン制御部などが主記憶装置上に生成されるようになっている。
なお、電力使用テーブル1及び電力使用テーブル2は、ROMに予め格納されていてもよく、またHDD(Hard Disk Drive)、光ディスク、メモリカードなどの一般的に利用されているあらゆる記憶媒体により構成することができる。
図21は、本実施の形態にかかるプリンタの概略構成の一例を示す説明図である。上述した第1、第2、及び他の実施の形態にかかる画像形成装置の機構部の概要を示したものである。画像形成装置であるプリンタには、中央に中間転写ユニットがあり、該中間転写ユニットには、無端ベルトである中間転写ベルト110がある。中間転写ベルト110は、例えば伸びの少ないフッ素樹脂や伸びの大きなゴム材料に帆布など伸びにくい材料で構成された基層に、弾性層を設けた複層ベルトである。弾性層は、例えばフッ素系ゴムやアクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴムの表面に、例えばフッ素系樹脂をコーティングして平滑性のよいコート層を形成したものである。
中間転写ベルト110は、3つの支持ローラ114〜116に掛け廻されており、時計廻りに回動駆動される。第2の支持ローラ115の左に、画像転写後に中間転写ベルト110上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニングユニット117がある。
第1の支持ローラ114と第2の支持ローラ115との間の中間転写ベルト110には、その移動方向に沿って、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色の感光体ユニット140、チャージャユニット118、現像ユニット及びクリーニングユニットからなる作像装置120がある。作像装置120は、ICタグを備え、プリンタ本体に対して脱着可能に装着されている。作像装置120の上方には、各色感光体ユニットの各感光体ドラムに画像形成のためのレーザ光を照射する書き込みユニット121がある。
中間転写ベルト110の下方には、2次転写ユニット122がある。2次転写ユニット122は、2つのローラ123間に、無端ベルトである2次転写ベルト124を掛け渡して、中間転写ベルト110を押し上げて第3の支持ローラ116に押当てるように配置したものである。この2次転写ベルト124は、中間転写ベルト110上の画像を、用紙上に転写する。2次転写装置122の横には、用紙上の転写画像を定着する定着ユニット125があり、トナー像が転写された用紙がそこに送り込まれる。定着ユニット125は、無端ベルトである定着ベルト126に加熱、加圧ローラ127を押し当てたものである。2次転写ユニット122及び定着ユニット125の下方に、表面に画像を形成した直後の用紙を、裏面にも画像を記録するために表裏を反転して送り出すシート反転ユニット128がある。
操作部ユニット(図示せず)のスタートスイッチが押されると、原稿自動搬送装置(ADF)170の原稿給紙台130上に原稿があるときは、それをコンタクトガラス132上に搬送する。ADFに原稿が無いときにはコンタクトガラス132上の手置きの原稿を読むために、画像読み取りユニット171のスキャナを駆動し、第1キャリッジ133及び第2キャリッジ134を、読み取り走査駆動する。そして、第1キャリッジ133上の光源からコンタクトガラスに光を発射するとともに原稿面からの反射光を第1キャリッジ133上の第1ミラーで反射して第2キャリッジ134に向け、第2キャリッジ134上のミラーで反射して結像レンズ135を通して読取りセンサであるCCD136に結像する。読取りセンサ136で得た画像信号に基づいてK、Y、M、C各色記録データが生成される。
また、スタートスイッチが押されたときに、中間転写ベルト110の回動駆動が開始されるとともに、作像装置120の各ユニットの作像準備が開始され、そして各色作像の作像シーケンスが開始されて、各色用の感光体ドラムに各色記録データに基づいて変調された露光レーザが投射され、各色作像プロセスにより、各色トナー像が中間転写ベルト110上に一枚の画像として、重ね転写される。このトナー画像の先端が2次転写ユニット122に進入するときに同時に先端が2次転写ユニット122に進入するようにタイミングをはかって用紙が2次転写ユニット122に送り込まれ、これにより中間転写ベルト110上のトナー像が用紙に転写する。トナー像が移った用紙は定着ユニット125に送り込まれ、そこでトナー像が用紙に定着される。
なお、上述の用紙は、給紙テーブル172の給紙ローラ142の1つを選択回転駆動し、給紙ユニット143に多段に備える給紙トレイ144の1つからシートを繰り出し、分離ローラ145で1枚だけ分離して、搬送コロユニット146に入れ、搬送ローラ147で搬送してプリンタ100内の搬送コロユニット148に導き、搬送コロユニット148のレジストローラ149に突き当てて止めてから、前述のタイミングで2次転写ユニット122に送り出されるものである。手差しトレイ151上に用紙を差し込んで給紙することもできる。ユーザが手差しトレイ151上に用紙を差し込んでいるときには、プリンタ100が給紙ローラ150を回転駆動して手差しトレイ151上のシートの一枚を分離して手差し給紙路153に引き込み、同じくレジストローラ149に突き当てて止める。
定着ユニット125で定着処理を受けて排出される用紙は、切換爪155で排出ローラ156に案内して排紙トレイ157上にスタックする。または、切換爪155でシート反転ユニット128に案内して、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ156で排紙トレイ157上に排出する。一方、画像転写後の中間転写ベルト110上に残留する残留トナーは、中間転写体クリーニングユニット117で除去し、再度の画像形成に備える。
レジストローラ149は一般的には接地されて使用されることが多いが、用紙の紙粉除去のためにバイアス電圧を印加することも可能である。例えば、導電性ゴムローラを用いバイアスを印加する。直径18mmで、表面を1mm厚みの導電性NBRゴムとする。電気抵抗はゴム材の体積抵抗で109Ωcm程度である。このようにバイアスを印加したレジストローラ149を通過した後の紙表面は、若干マイナス側に帯電している。よって、中間転写ベルト110からシートへの転写では、レジストローラ149に電圧を印加しなかった場合に比べて転写条件が変わり転写条件を変更する場合がある。中間転写ベルト110には、トナーを転写する側(表側)には−800V程度の電圧を印加し、紙裏面側には転写ローラ162によって+200V程度の電圧を印加する。
図22は、定着装置の概略構成を示す縦断側面図である。図22に示すように、定着ユニット125は、定着部材である定着ローラ129、加圧部材である加圧ローラ127、及び加圧ローラ127を一定の加圧力で定着ローラ129に押し当てる加圧手段(図示せず)を備えている。定着ローラ129及び加圧ローラ127は、駆動機構(図示せず)により回転駆動される。
また、定着装置には、主ヒータ29と補助ヒータ30の2つと、定着ローラ129の表面温度検出用サーミスタ33a、34aが設けられている。これらの定着ヒータ29、30は、定着ローラ129の内部に配置されており、その定着ローラ129を内部から加熱して定着ローラ129に熱を供給する。また、サーミスタ34a、33aは、定着ローラ129の表面にそれぞれ当接され、定着ローラ129の表面温度(定着温度)を検出する。なお、サーミスタ33aは主定着ヒータ29に対応する測定領域に配置され、サーミスタ34aは補助定着ヒータ30に対応する測定領域に配置されている。
主定着ヒータ29は、定着ローラ129の温度が目標温度に達していないときにONされて定着ローラ129を加熱するヒータである。補助定着ヒータ30は、画像形成装置の主電源投入の時や省エネのためのオフモード時からコピー可能となるまでの立上げ時等、すなわち定着装置のウォームアップ時に蓄電部の蓄電力を使用し定着装置の立上げを補助する補助的なヒータ(補助ヒータ)の機能も備える。従って、補助定着ヒータ30は、通常時はヒータの定格電力より、少なめに使用され定着装置の立上げ時または連続コピー時の温度落ち込み時に、定格電力まで使用する。
このような定着ユニット125では、トナー画像を担持したシートが定着ローラ129と加圧ローラ127とのニップ部を通過する際に定着ローラ129及び加圧ローラ127によって加熱及び加圧される。これにより、シートにはトナー画像が定着される。
図23は、後処理装置の概略構成図である。分岐部は、上分岐爪180、ステープル分岐爪182、及びプレスタック分岐爪183を用いてシフトモード1(上排紙)、シフトモード2(下排紙)、プレスタックモード、ステープルモード(下排紙)への用紙の分岐を行う。
複数部のステープルモードの場合、ステープル動作時の待機時間を減らすために、2部目の1枚目のプリントをプレスタックトレイ184に待機させておき、2枚目のプリントが来た場合に2枚一緒にステープルトレイ186に送る。
上トレイ187及び下トレイ188は、ソートモード時のトレイのサイドシフト動作と、プリント排出枚数(部数)による上昇、下降動作を行う。ステープルを行う場合には、ステープルトレイ186に用紙を寄せコロ、ジョガーフェンスによって揃え、ステープラ185によってステープルを行う。パンチユニット181は、パンチモータによって2穴のパンチ穴あけを行う。
図24は、ステープラ部分の概略構成図である。ステープルトレイ186は、用紙を集積し、集積された用紙または用紙束はステープラ185によってステープル綴じ処理が行われる。
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。第3の実施の形態にかかる電源装置は、蓄電部から出力されて昇圧された電圧、または商用電源から出力された電圧が、定電圧回路で定電圧化され、負荷に供給されるものである。また、定電圧回路によって蓄電部が充電されるものである。なお、本実施の形態にかかる電源装置は、上述した第1の実施の形態にかかるエンジン電源部において電源部のみを1つの装置としたものである。
まず、本発明にかかる電源装置を、画像形成装置としてのプリンタのエンジン部に組み込んだ構成例について、図25〜図27を用いて説明する。なお、本実施の形態にかかる電源装置は、プリンタ以外の複写機、ファクシミリ装置、及び複写機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能を組み合わせた複合機などの画像形成装置、さらに電力を必要とする装置に搭載することができる。
図25は、第3の実施の形態にかかる電源装置の回路構成を示す回路図である。図26は、第3の実施の形態にかかる電源装置の詳細な回路構成を示す詳細回路図である。なお、図25および図26に示す電源装置は、プリンタのエンジン部に搭載されたものとして示されている。
本実施の形態にかかるプリンタの電源装置500は、フィルタ1と、全波整流回路2と、定電圧/定電流生成回路79と、キャパシタバンク9と、充電電圧検出回路16と、充電電流検出回路12と、昇圧回路80と、昇圧電圧検出回路82と、電圧検出回路49と、第1開閉回路83と、第2開閉回路84と、第3開閉回路85と、第4開閉回路81と、を備えている。また、電源装置500が搭載されているプリンタのエンジン部は、エンジン制御回路10と、負荷20と、AC定着ヒータ29、30と、加熱部温度検出回路33、34と、AC定着ヒータ制御回路39と、を備えている。
ここで、フィルタ1、全波整流回路2、定電圧/定電流生成回路79、キャパシタバンク9、充電電圧検出回路16、充電電流検出回路12、昇圧回路80、昇圧電圧検出回路82、電圧検出回路49、第1開閉回路83、第2開閉回路84、第3開閉回路85、第4開閉回路81の構成、機能は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。また、エンジン制御回路10、負荷20、AC定着ヒータ29、30、加熱部温度検出回路33、34、AC定着ヒータ制御回路39についても、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
第3の実施の形態にかかる電源装置500の動作は、上述した第1の実施の形態のエンジン電源部の動作と同様であるが、電源装置500が備える第1開閉回路83、第2開閉回路84、第3開閉回路85、第4開閉回路81を構成するFETは、インタフェース端子を介して、外部より入力される信号によって、ONまたはOFFが制御される。かかるインタフェース端子は、本発明にかかる制御信号受信手段を構成する。
次に、図27に示す均等化回路17について説明する。図27は、キャパシタセルとバイパス経路の詳細な回路構成を示す詳細回路図である。図27に示す回路図では、キャパシタセル9aに並列に均等化回路17aが接続され、キャパシタセル9aが10個と、個々のキャパシタセル9aに均等化回路(バランス回路)17aが直列に接続されている。キャパシタバンク9は、電力を貯蓄するために直列に接続された電気二重層キャパシタである。
バランス回路17aは、キャパシタセル9aの端子間に並列に接続される。バランス回路17aは、シャントレギュレータX1と、抵抗R1〜R5、トランジスタQ1、ダイオードD1により構成される。キャパシタセル9aの端子電圧の検出は、抵抗R1とR2からなる分圧回路とシャントレギュレータX1によって行われる。シャントレギュレータX1の制御端子に、抵抗R1とR2からなる分圧回路の分圧電圧が入力され、キャパシタセル9aの端子電圧が所定の電圧に充電されると、シャントレギュレータX1は、ONとなる。
シャントレギュレータX1がONとなると、トランジスタQ1に抵抗R3を通してベース電流が流れ、トランジスタQ1はONになる。トランジスタQ1がONになると、抵抗R5によって決まる電流で、キャパシタセル9aの充電電流が電流方向I2にバイパスされる。また、トランジスタQ1がONになると、トランジスタQ2もONになり、フォトカプラTLP1、TPL2の発光ダイオードに抵抗R7、R8を通して電流が流れる。
Bank Full端子は、他のバランス回路17aと直列に接続されているので、全てのキャパシタセル9aが所定の電圧に充電され、全てのバランス回路17aが動作することにより、全セル満充電信号として出力される。この信号により、図25および図26に示す定電圧/定電流生成回路79は、充電を停止する。
バランス回路17aのCell Full端子は、並列に接続されており、いずれかのバランス回路17aに接続されたキャパシタセル9aが所定の電圧に充電され、バランス回路17aが動作すると、セル満充電信号が出力される。セル満充電信号は、図25および図26に示す定電圧/定電流生成回路79に入力され、定電圧/定電流生成回路79はセル満充電信号により所定の定電流充電動作を行う。他のバランス回路17aは、上述したバラスン回路17aと機能および構成は同様なので、説明は省略する。
次に、以上のように構成されている電源装置による動作モード制御処理、充電制御処理について説明する。図28−1〜図28−4は、画像形成装置のエンジン制御部10が行う動作モード制御処理手順を示すフローチャートである。
エンジン制御回路10のCPU10aは、主電源ONまたは省エネモード解除によってDC電源が供給されると、エンジン制御回路10のCPU10a、その周辺回路及びメモリ関連の初期設定を行う(ステップS2801)。CPU10aは、加熱部温度検出回路33、34により定着加熱部の温度が予め設定された温度以下か否かを判断する(ステップS2802)。設定温度は、主電源ONまたは省エネモード解除によって定着装置のリロード温度(例えば、180℃)が設定されている。定着加熱部の温度が予め設定された温度以下であると判断した場合は(ステップS2802:Yes)、CPU10aは充電電圧検出回路16の検出結果から充電電圧が30V以上か否かを判断する(ステップS2803)。30V以上であると判断した場合は(ステップS2803:Yes)、開閉回路制御処理1を行う(ステップS2804)。これにより、商用電源からの電力供給を停止し、キャパシタバンク9に蓄電された蓄電力を定電圧/定電流生成回路79に供給し、余った電力を定着装置の加熱部に供給することができる。定着ヒータ29、30にヒータ定格の最大電力を供給する(ステップS2805)。なお、通常動作時は、100%デューティで供給することはしない。また、定着ヒータ30を補助ヒータとして、立上げ時または定着温度落ち込みに時のみにキャパシタバンク9から電力を供給するようにしてもよい。
次に、CPU10aは、充電電圧検出回路16の検出結果から充電電圧が28V以上か否かを判断する(ステップS2806)。28V以上であると判断した場合は(ステップS2806:Yes)、蓄電力が使用できると判断し、加熱部温度が予め設定された温度以上(例として175℃)か否かを判断する(ステップS2807)。予め設定された温度に達してないと判断した場合は(ステップS2807:No)、ステップS2805に戻り、引き続き定着ヒータ29、30にヒータ定格の最大電力を供給する。
ステップS2802において、定着加熱部の温度が予め設定された温度以下でないと判断した場合は(ステップS2802:No)、またはステップS2803において、充電電圧が30V以上でないと判断した場合は(ステップS2803:No)、またはステップS2806において、キャパシタバンク9の充電電圧が予め設定された電圧未満であると判断した場合は(ステップS2806:No)、またはステップS2807において、加熱部温度が予め設定された温度以上であると判断した場合は(ステップS2807:Yes)、CPU10aは開閉回路制御処理2を行う(ステップS2808)。これにより、商用電源から負荷に電力が供給される。
次に、CPU10aは定着装置の定着ヒータ29、30に予め設定された通常時の電力供給を行う(ステップS2809)。CPU10aは、加熱部がリロード温度(例えば180℃)か否かを判断する(ステップS2810)。リロード温度でないと判断した場合は(ステップS2810:No)、ステップS2809に戻り、定着ヒータ29、30に予め設定された通常時の電力供給が継続される。リロード温度であると判断した場合は(ステップS2810:Yes)、待機状態となり、予め設定された通常時の電力供給が継続される(ステップS2811)。
CPU10aは、再度待機状態か否かを判断する(ステップS2812)。待機状態であると判断した場合は(ステップS2812:Yes)、CPU10aは充電電圧が35V未満か否かを判断する(ステップS2813)。35V未満であると判断した場合は(ステップS2813:Yes)、CPU10aは開閉回路制御処理3を行い(ステップS2814)、ステップS2811に戻る。これにより、キャパシタバンク9が充電される。35V未満でない、すなわち35V以上であると判断した場合は(ステップS2813:No)、CPU10aは開閉回路制御処理2を行い(ステップS2813)、ステップS2811に戻る。これにより、商用電源から負荷に電力が供給される。
ステップS2812において、待機状態でないと判断した場合は(ステップS2812:No)、CPU10aは動作モード、画像形成動作過程毎に蓄電力を使用する電力使用テーブル1、2を参照し、蓄電力を使用する動作モードまたは動作条件を設定する(ステップS2816)。例えば、連続コピー枚数により、加熱部の温度が低下するコピー枚数設定と、最大電力を定着ヒータに供給、すなわちキャパシタバンク9の蓄電力を使用する場合に加熱部の温度が回復する時間のタイマカウントと、電力供給が必要な後処理を電力使用テーブル1、2から取得し、設定する。
次に、CPU10aは、コピー動作中か否かを判断する(ステップS2817)。コピー動作中であると判断した場合は(ステップS2817:Yes)、CPU10aは電力使用テーブル1、2から取得したコピー枚数設定があるか否かを判断する(ステップS2818)。コピー枚数設定があると判断した場合には(ステップS2818:Yes)、商用電源から負荷に電力を供給するために、CPU10aは複数コピー処理を行う(ステップS2819)。詳細は後述する。コピー枚数設定がないと判断した場合には(ステップS2818:No)、ステップS2820に進む。
次に、CPU10aは、開閉回路制御処理2を行う(ステップS2820)。負荷は、継続して画像形成動作を行い、定着ヒータに通常の電力が供給される(ステップS2821)。CPU10aは、1ジョブに対応する枚数の用紙を排出したか否かを判断する(ステップS2822)。1ジョブに対応する枚数の用紙を排出していないと判断した場合には(ステップS2822:No)、ステップS2821に戻り、負荷は画像形成動作を継続する。1ジョブに対応する枚数の用紙を排出したと判断した場合には(ステップS2822:Yes)、CPU10aは後処理に電力供給が必要か否かを判断する(ステップS2823)。
後処理に電力供給が必要であると判断した場合には(ステップS2823:Yes)、DC電源の出力増加をするため、CPU10aは開閉回路制御処理1を行う(ステップS2824)。これにより、キャパシタバンク9に蓄電された蓄電力が定電圧/定電流生成回路79に供給される。電力が供給された後処理周辺機は、後処理動作を実施し(ステップS2825)、ステップS2811に戻る。後処理に電力供給が必要でないと判断した場合は(ステップS2823:No)、コピー動作は終了したので、ステップS2811に戻る。
ステップS2817において、コピー動作中でないと判断した場合は(ステップS2817:No)、CPU10aは省エネモード中か否かを判断する(ステップS2826)。省エネモード中でないと判断した場合は(ステップS2826:No)、ステップS2811に戻る。省エネモード中であると判断した場合は(ステップS2826:Yes)、CPU10aは充電電圧が35V未満か否かを判断する(ステップS2827)。充電電圧が35V未満であると判断した場合は(ステップS2827:Yes)、キャパシタバンク9に充電するため、CPU10aは開閉回路制御処理3を行い(ステップS2828)、ステップS2826に戻る。充電電圧が設定電圧未満でない、すなわち満充電状態であると判断した場合は(ステップS2827:No)、CPU10aは開閉回路制御処理4を行い(ステップS2829)、ステップS2826に戻る。
次に、プリンタのエンジン制御回路10による複数コピー制御処理について説明する。図29は、プリンタのエンジン制御回路10が行う複数コピー制御処理手順を示すフローチャートである。
まず、エンジン制御回路10のCPU10aは、商用電源から負荷に電力を供給するために、開閉回路制御処理2を行う(ステップS2901)。次に、負荷は画像形成動作を実施し、定着ヒータ29、30に通常の電力が供給される(ステップS2902)。CPU10aは、電力使用テーブルから取得されたコピー枚数のコピーを実施したか否かを判断する(ステップS2903)。コピー枚数Nのコピーを実施していないと判断した場合には(ステップS2903:No)、ステップS2902に戻り、負荷は画像形成動作を繰り返す。コピー枚数Nのコピーを実施したと判断した場合には(ステップS2903:Yes)、CPU10aは開閉回路制御処理1を行う(ステップS2904)。これにより、商用電源からの電力供給を停止し、キャパシタバンク9に蓄電された蓄電力が定電圧/定電流生成回路79に供給され、余った電力が定着装置の加熱部に供給される。その結果、定着ヒータ29、30にヒータ定格の最大電力の供給が可能となり、加熱部の温度が定着画像保証温度より低下するのを防止することができる。
CPU10aは、定着ヒータ29、30に最大電力を供給した状態を継続し、画像形成動作を継続する(ステップS2905)。CPU10aは、タイマカウンタがMか否かを判断する(ステップS2906)。タイマカウンタがMでないと判断した場合には(ステップS2906:No)、ステップS2905に戻る。タイマカウンタがMであると判断した場合には(ステップS2906:Yes)、処理を抜ける。
次に、エンジン制御回路10による開閉回路制御処理1について説明する。図30は、画像形成装置のエンジン制御回路10が行う開閉回路制御処理1の手順を示すフローチャートである。この処理により、定電圧/定電流生成回路79はキャパシタバンク9の蓄電力を使用して定電圧出力制御を行う。
CPU10aは、キャパシタバンク9の電力を使用する信号、すなわち蓄電力使用信号を定電圧/定電流生成回路79に送信する(ステップS3001)。CPU10aは、第2開閉回路を閉鎖する信号をポート4から出力し(ステップS3002)、第4開閉回路を閉鎖する信号をポート7から出力する(ステップS3003)。CPU10aは、第3開閉回路を開放する信号をポート6から出力する(ステップS3004)。
また、第2、第3開閉回路にリレーを使用した場合には、CPU10aはタイマカウンタで時間Nをカウントする(ステップS3005)。次に、CPU10aは、第1開閉回路を開放する信号をポート5から出力する(ステップS3006)。これにより、定着ヒータ29、30にヒータ定格の最大電力が供給される。
次に、エンジン制御回路10による開閉回路制御処理2について説明する。図31は、画像形成装置のエンジン制御回路10が行う開閉回路制御処理2の手順を示すフローチャートである。この処理により、定電圧/定電流生成回路79は商用電源より負荷に電源が供給される。
CPU10aは、負荷電力供給信号を定電圧/定電流生成回路79に送信する(ステップS3101)。CPU10aは、第1開閉回路を閉鎖する信号をポート5から出力し(ステップS3102)、第4開閉回路を閉鎖する信号をポート7から出力する(ステップS3103)。CPU10aは、第3開閉回路を開放する信号をポート6から出力する(ステップS3104)。また、第2、第3開閉回路にリレーを使用した場合には、CPU10aはタイマカウンタで時間Nをカウントする(ステップS3105)。次に、CPU10aは第2開閉回路を開放する信号をポート4から出力する(ステップS3106)。
次に、エンジン制御部10による開閉回路制御処理3について説明する。図32は、画像形成装置のエンジン制御部10が行う開閉回路制御処理3の手順を示すフローチャートである。この処理によってキャパシタバンク9が充電される。
CPU10aは、ポートから第1開閉回路を閉鎖する信号を出力し(ステップS3201)、第3開閉回路を閉鎖する信号を出力する(ステップS3202)。CPU10aは、第2開閉回路を開放する信号を出力し(ステップS3203)、第4開閉回路を開放する信号を出力する(ステップS3204)。CPU10aは、充電許可信号を昇圧回路80に送信する(ステップS3205)。これにより、キャパシタバンク9に充電される。
次に、プリンタのエンジン制御回路10による開閉回路制御処理4について説明する。図33は、プリンタのエンジン制御回路10が行う開閉回路制御処理4の手順を示すフローチャートである。
CPU10aは、第1開閉回路を開放する信号を出力し(ステップS3301)。第2開閉回路を開放する信号を出力する(ステップS3302)。CPU10aは、第3開閉回路を開放する信号を出力し(ステップS3303)、第4開閉回路を開放する信号を出力する(ステップS3304)。
図34は、定電圧/定電流生成回路79が行う定電圧出力処理手順および昇圧回路80が行う昇圧処理手順を示すフローチャートである。
まず、定電圧/定電流生成回路79は、画像形成動作中信号がCPU10aから出力されているか否かを判断する(ステップS3401)。画像形成動作中信号がCPU10aから出力されていると判断した場合は(ステップS3401:Yes)、電圧検出回路49により定電圧/定電流生成回路79の電圧を検出する(ステップS3402)。定電圧/定電流生成回路79は、検出された電圧が24Vか否かを判断する(ステップS3403)。
検出された電圧が24Vでないと判断した場合は(ステップS3403:No)、検出された電圧が24VになるようにPWM信号を生成し、出力する(ステップS3404)。具体的には、検出した電圧に対応したPWM信号をPWM信号発生回路により生成し、高周波トランス79bの一次コイル79cに直列に接続されたFET79aに出力する。その後、ステップS3402に戻る。また、検出された電圧が24Vであると判断した場合は(ステップS3403:Yes)、ステップS3402に戻り、再度検出電圧が24Vか確認し、PWM信号発生回路7eは上記動作を繰り返す。
ステップS3401において、画像形成動作中信号がCPU10aから出力されていないと判断した場合は(ステップS3401:No)、定電圧/定電流生成回路79は負荷電力供給信号がCPU10aから出力されているか否かを判断する(ステップS3405)。負荷電力供給信号がCPU10aから出力されていると判断した場合は(ステップS3405:Yes)、ステップS3402に進み、電圧検出回路49により電圧を検出し、定電圧/定電流生成回路79の出力が24Vになるような動作を繰り返す。
負荷電力供給信号がCPU10aから出力されていないと判断した場合は(ステップS3405:No)、蓄電力使用信号がCPU10aから出力されているか否かを判断する(ステップS3406)。蓄電力使用信号がCPU10aから出力されていないと判断した場合は(ステップS3406:No)、処理を抜ける。蓄電力使用信号がCPU10aから出力されていると判断した場合は(ステップS3406:Yes)、昇圧電圧検出回路82により昇圧電圧を検出する(ステップS3407)。
次に、検出された昇圧電圧が予め設定された電圧か否か(例として、80V)を判断する(ステップS3408)。昇圧電圧が予め設定された電圧、すなわち80Vでないと判断した場合に(ステップS3408:No)、昇圧電圧が80VになるようにPWM信号を生成し、出力する(ステップS3409)。具体的には、検出された電圧に対応したPWM信号を昇圧電圧制御回路80aによって生成し、昇圧チュッパ回路80eのFET80bのゲートに出力する。その後、ステップS3407に戻る。ステップS3408において、昇圧電圧が予め設定された電圧、すなわち80Vであると判断した場合に(ステップS3408:Yes)、ステップS3407に戻り、昇圧電圧制御回路80aは検出された電圧に対応したPWM信号を生成し、昇圧チュッパ回路80eのFET80bのゲートに出力する動作を繰り返す。かかる昇圧電圧は、開閉回路84を介して、定電圧/定電流生成回路79に供給される。
なお、昇圧回路80の実施例として、昇圧チュッパ回路80eを使用したが、高周波トランスの一次側をスイッチングし、2次側に誘起する電圧を整流してDC化する回路を使用しても勿論よい。また、昇圧電圧制御回路80aは、三角波発生回路を有しており、予め設定された電圧と、昇圧電圧検出回路の電圧との比較を行い、例えば、昇圧電圧検出回路82の電圧が高い時には低い電圧を生成し、昇圧電圧検出回路の電圧が低い時には高い電圧を生成するようにし、この三角波発生回路のスレシュ電圧を変えてPWM信号を発生するようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、第1開閉回路83、第2開閉回路84、第3開閉回路85、第4開閉回路81は、電源装置500に含まれない回路である画像形成装置制御回路10によって制御される。
図25に示した本実施の形態にかかる電源装置500は、定電圧生成機能と充電の機能を併せ持った定電圧/定電流生成回路79によりキャパシタバンク9に充電を行い、このキャパシタバンク9の出力を昇圧して定電圧/定電流生成回路79の入力としている点に特徴がある。キャパシタバンク9の出力を昇圧しているので、定電圧/定電流生成回路79の入力は、平滑した商用電源電圧と同程度の電圧にすることが可能である。また、昇圧回路80により定電圧/定電流生成回路79に入力する電圧の補正が可能なので、直列に接続するキャパシタセル9aの使用個数を少なくすることができる。
また、キャパシタバンク9の充電電圧は、負荷に供給する電圧と同程度の電圧にすることが可能である。従って、負荷を選択すれば、充電時にも定電圧/定電流生成回路79の出力を負荷に供給することが可能となる。勿論、第4開閉回路81を開放することにより、負荷への電圧供給を遮断しても良い。特に、省エネモード時等のように負荷に電力供給が不要な場合は、第4開閉回路81を開放することにより、電力の削減が可能になる。
図35は、他の実施の形態にかかる電源装置の回路構成を示す回路図である。図36は、本実施の形態にかかる電源装置の詳細な回路構成を示す詳細回路図である。
図35に示した本実施の形態にかかる電源装置600は、上述した電源装置500から昇圧回路80を削除し、第4開閉回路81を開放することにより、定電圧/定電流生成回路79の出力電圧を高くしてキャパシタバンク9に充電する回路構成である。よって、電源装置600は、昇圧回路80を削除しているため、電源装置500の回路構成に比べて簡易になる。また、直列に接続するキャパシタセル9aの使用個数は、定電圧/定電流生成回路79の制御入力電圧範囲を広くすることにより削減することが可能となる。
図37は、他の実施の形態にかかる電源装置の回路構成を示す回路図である。図37に示す電源装置700は、商用電源を降圧回路86により降圧して、定電圧/定電流生成回路79の入力としたものである。降圧回路86により、定電圧/定電流生成回路79の入力電圧を下げているので、キャパシタバンク9の充電電圧を低くすることが可能となり、直列に接続するキャパシタセル9aの使用個数を削減することができる。電源装置700は、画像形成装置制御回路10が外部のインタフェースを介して降圧制御回路88を制御することにより、第1開閉回路83、第2開閉回路84、第3開閉回路85を制御する。
図38は、他の実施の形態にかかる電源装置の回路構成を示す回路図である。図38に示す電源装置800は、上述した電源装置700に第1開閉回路83を備えない構成である。
このように、商用電源を入力として定電圧を生成する機能、及び蓄電器を充電する機能を備える定電圧/定電流生成回路79の入力側に、充放電が可能なキャパシタバンク9を設け、定電圧/定電流生成回路79によってキャパシタバンク9に充電を行い、充電されたキャパシタバンク9の出力を必要に応じ、定電圧/定電流生成回路79に入力し、その出力を負荷に供給する構成とする。これにより、回路構成を簡易化し、製造コストを低減することができる。また、ACの電力供給またはDC電源の供給が不足した場合に、蓄電器から電力を供給することによって電力使用の平準化を図ることが可能な電源装置を提供することができる。また、かかる電源装置を搭載可能な画像形成装置を提供することができる。