JP2007248960A - 電子写真用キャリア、電子写真用現像剤、電子写真キャリア及びキャリア用芯材の製造方法 - Google Patents

電子写真用キャリア、電子写真用現像剤、電子写真キャリア及びキャリア用芯材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】かかる不具合を生じさせない、即ち、高画質で(特に粒状性が良く)、キャリア付着を生じさせず、現像トルクが小さく、そのため、トナースペントが少なく耐久性が良好で、かつ、汲み上げ量変動がなく、画像濃度変動の少ない、シャープな粒径分布の小粒径電子写真キャリア用粒子の提供、および、該電子写真キャリア用粒子を安価に効率よく製造する方法の提供。
【解決手段】キャリア用芯材の粒子の重量平均粒径Dwが22〜32μmで、かつ個数平均粒径Dpと重量平均粒径Dwの比Dw/Dpが1<Dw/Dp<1.20、20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が0〜7重量%、36μmより小さい粒子の含有量が90〜99.8重量%であり、形状係数SF1が100〜120、かつSF2が100〜120であることを特徴とする電子写真キャリア用芯材。
【選択図】なし

Description

本発明は、磁性体粒子、樹脂被覆した磁性体粒子、あるいは重合法などで作成された磁性体を含有するような電子写真キャリア用粒子を分級する方法、電子写真キャリア用粒子の製造方法、分級された電子写真用キャリア芯材、分級された該粒子を用いてなる電子写真用キャリア、及び該キャリアを用いてなる電子写真用現像剤に関する。
電子写真の現像方式には、トナーのみを主成分とする一成分系現像方式と、キャリアとトナーとを混合して得られる現像剤を使用する二成分系現像方式がある。
二成分現像方式ではキャリアを使用し、トナーに対する摩擦帯電面積が広いため、一成分方式に比較して、帯電特性が安定しており、長期にわたって高画質を得るのに有利であり、さらに現像領域へのトナー供給量能力が高いという理由から、その特徴を活かして二成分現像剤が広く採用されている。
近年、解像度アップ、ハイライト再現性向上、およびカラー化などに対応するため、潜像を忠実に現像できる現像システムが重要な課題となってきている。そのため、プロセス条件、現像剤(トナー、キャリア)両面から種々の提案がなされている。プロセス面では、現像ギャップの近接化、感光体の薄膜化、また書き込みビーム径の小径化等が有効であるが、コストが高くなること、また信頼性などの点で依然大きな課題がある。
現像剤として小粒径トナーを使用すると、ドットの再現性が大幅に改良されることが知られているが、小粒径トナーを含む現像剤には、地汚れの発生、画像濃度の不足などの解決すべき課題が残っている。
また、小粒径のフルカラートナーの場合、充分な色調を得るため、低軟化点の樹脂が使用されるが、黒トナーの場合に比べて、キャリアへのスペント量が多くなり、現像剤が劣化して、トナー飛散および地肌汚れが起こり易くなる。
一方、小粒径キャリアを使用することについては、従来種々提案されている。
即ち、特許文献1では、スピネル構造をもつフェライト粒子からなる、平均粒径が30μm未満の磁性キャリアが提案されている。これは、樹脂コートされていないキャリアであって、低い現像電界のもとで使用するものであり、現像能力に乏しく、また樹脂コートされていないため、寿命が短い。
また、特許文献2には、キャリア粒子を有する電子写真用キャリアにおいて、該キャリアは、50%平均粒径(D50)15〜45μmを有し、22μmより小さいキャリア粒子を1〜20%含有しており、16μmより小さいキャリア粒子を3%以下含有しており、62μm以上のキャリア粒子を2〜15%含有しており、かつ88μm以上のキャリア粒子を2%以下含有しており、該キャリアは、空気透過法によって測定される該キャリアの比表面積S1と、次式:S2={(6/ρ)×D50}×104(ρはキャリアの比重)によって算出される該キャリアの比表面積S2とが、1.2≦S1/S2≦2.0の条件を満たすことを特徴とする電子写真用キャリアが記載されている。
これらの小粒径キャリアは、以下のような利点を有することが知られている。
すなわち、
(1)単位体積当りの表面積が広いため、個々のトナーに充分な摩擦帯電を与えることができ、低帯電量トナー、逆帯電量トナーの発生が少ない。その結果、地汚れが発生しにくくなり、また、ドット周辺のトナーのちり、にじみが少なくドット再現性が良好となる。
(2)単位体積当りの表面積が広く、地汚れが発生しにくいために、トナーの平均帯電量を低くすることが出来、充分な画像濃度が得られる。従って、小粒径キャリアは、小粒径トナー使用時の不具合点を補うことが可能であり、同時に小粒径トナーの利点を引き出すのに特に有効である。
(3)小粒径キャリアは、緻密な磁気ブラシを形成し画像に穂跡が発生しにくいという特徴がある。
しかし、キャリアは小粒径化に伴って、磁気束縛力が粒径の3乗の割合で急激に小さくなり、キャリア付着が非常に起き易くなり、キャリア粒子、または切断された磁気ブラシの形態で付着する。その結果、従来の小粒径キャリアは、感光体の傷や定着ローラー傷の発生源となり、実用性に非常に大きな問題があった。
また、キャリア粒径が小さくなると、粒子間の摩擦力が大きくなり、現像スリーブのトルクが大きくなるため、スリーブ表面の削れやトナーの固着が起こり易かった。それらが起きるとスリーブ上への現像剤の汲み上げ量変動し、画像濃度変動が起こっていた。
小粒径キャリアにおいてキャリア付着しているキャリアを調べてみると、小粒径側のキャリアが圧倒的に高い比率となっている。そこで、粒径分布をシャープに分級する方法が種々提案されてきた。それらのうち、篩による分級は、遠心力および空気式の分級方法に比べて、シャープに分級でき、粒径分布のうち必要な粒子を収率良く回収できる。
しかしながら、篩による分級法は、粒子径が小さくなる、すなわち1個あたりの質量が小さくなると、シャープな粒径分布に分級することが難しくなることが知られている。
このような問題を解決する方法として、高画質の画像が得られ、高耐久性でかつキャリア付着の発生がしにくい、重量平均粒径Dwが25〜45μmで、44μm以下の粒径の粒子の含有割合が70重量%以上で、22μm以下の粒径の粒子の含有割合が7重量%以下であり、かつ重量平均粒径Dwと個数平均粒径Dpとの比Dw/Dpが1〜1.30の範囲にある電子写真現像剤用キャリアを製造するために、ふるい機の金網に超音波振動を付与し、粒子に上下方向の加速度を与えて、22μm未満の小径粒子を効率良く、シャープにカットする技術が提案されている(例えば、特許文献3参照。)
この方法によると、粒子に上下方向の加速度を与えるので、同じ粒径の粒子でも、実質的に質量のすなわち真比重の大きな粒子と同様の挙動となって、メッシュ材を効率よく通過させることができる。また、特許文献3には、さらに、ふるいの効率を向上させるために、共振リング付きの超音波振動子を使用することが記載されている。
しかしながら、ふるい機に目開きの小さなメッシュ材を貼って使用する場合、メッシュ材が薄く強度が小さい(糸が細い)ため、長時間使用するとキャリアの重みでメッシュ材のエッジが破れ、未分級の微粒がそのまま製品に混入し、微粉含有率が多くなるという不具合がある。
更に、形状が球形に近く、また表面の凹凸が小さい粒子の場合、共振リング付きの超音波振動子を使用した振動ふるいを用いても、分級性能を維持することが難しくなる。理由は、メッシュの目詰まりである。
前記の形状が球形に近く、また表面の凹凸が小さくなると、メッシュの線材と粒子の接触面積が大きくなり、メッシュを通過するための抵抗が上がって、メッシュが目詰まりし易くなる。
粒子が小粒径化すると、前記の目詰まりは一段と増幅される傾向にある。
メッシュ材の目詰まりが発生した場合、開口部に球形の粒子が潜り込んでいる状態となっているため、取り除くことが非常に難しく、メッシュ材の交換が必要となる。
メッシュ材は、樹脂製の糸で編んだものもあるが、通常、ステンレス製が使用されている。樹脂製の糸で編んだメッシュ材の場合、糸の剛性が小さいため、メッシュ材に超音波が有効に伝わらず、全く分級できないためである。
一方、ステンレスメッシュ材は目開きが細かくなると、製造コストが極めて高くなり、
結果的に芯材、およびコートキャリアの製造コストが上がるという大きな問題がある。
特開昭58−144839号公報(特許請求の範囲、第1頁右欄第17行目〜第20行目) 特許第3029180号公報(請求項1、第8頁右欄第12行目〜第29行目) 特開2001−209215号公報
従って、本発明の主たる目的は、かかる不具合を生じさせない、即ち、高画質で(特に粒状性が良く)、キャリア付着を生じさせず、現像トルクが小さく、そのため、トナースペントが少なく耐久性が良好で、かつ、汲み上げ量変動がなく、画像濃度変動の少ない、シャープな粒径分布の小粒径電子写真キャリア用粒子の提供、および、該電子写真キャリア用粒子を安価に効率よく製造する方法の提供である。
上記の課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、小粒径でかつ、小粒径粒子の含有割合が少ない特定の粒径分布を持ち、粒子の形が真球状に近く、かつ表面が平滑な電子写真キャリア用粒子は、以下に示される電子写真キャリア用粒子の分級方法、分級された電子写真用キャリア芯材、分級された該粒子を用いてなる電子写真用キャリア、及び該キャリアを用いてなる電子写真用現像剤によって、解決できることを見出し本発明に至った。
即ち、以下の具体的な達成手段を見出した。
即ち、上記課題は、下記の本発明の電子写真キャリア用芯材、電子写真用キャリア、該電子写真用キャリアの製造方法、該電子写真用キャリアのための芯材の製造方法、及び該電子写真用キャリアを用いた電子写真現像剤により達成される。
(1)「キャリア用芯材の粒子の重量平均粒径Dwが22〜32μmで、かつ個数平均粒径Dpと重量平均粒径Dwの比Dw/Dpが1<Dw/Dp<1.20、20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が0〜7重量%、36μmより小さい粒子の含有量が90〜99.8重量%であり、形状係数SF1が100〜120、かつSF2が100〜120であることを特徴とする電子写真キャリア用芯材」;
(2)「キャリア粒子の重量平均粒径Dwが22〜32μmで、かつ個数平均粒径Dpと重量平均粒径Dwの比Dw/Dpが1<Dw/Dp<1.20、20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が0〜7重量%、36μmより小さい粒子の含有量が90〜99.8重量%であり、形状係数SF1が100〜120、かつSF2が100〜120であることを特徴とする電子写真用キャリア」;
(3)「前記粒子の形状係数SF1が100〜115、かつSF2が100〜110であることを特徴とする前記第(1)項に記載の電子写真キャリア用芯材又は第(2)項に記載の電子写真用キャリア」;
(1)「前記粒子中の20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が0〜5重量%であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア」;
(5)「前記粒子中の44μmより小さい粒子の含有量が98〜100重量%であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア」;
(2)「1000エルステッドの磁界を印加したときの磁化が、40〜150emu/gであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア」;
(3)「前記キャリア粒子は、芯材磁性粒子上に樹脂被覆層を設けたものであることを特徴とする前記第(2)項乃至第(6)項のいずれかに記載の電子写真用キャリア」;
(4)「前記樹脂被覆層は、0.03〜0.8μm厚のものであることを特徴とする前記第(7)項に記載の電子写真用キャリア」;
(5)「重量平均粒径Dwが22〜32μmで、かつ個数平均粒径Dpと重量平均粒径Dwの比Dw/Dpが1<Dw/Dp<1.20、20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が0〜7重量%、36μmより小さい粒子の含有量が90〜99.8重量%であり、形状係数SF1が100〜120、かつSF2が100〜120であるキャリア用芯材粒子からなり、超音波振動子を具備する発振器付きの振動ふるい機を用いて分級された電子写真キャリア用芯材であって、該振動ふるい機として、該超音波振動子上に少なくとも2枚のメッシュ材が密着して積層設置されてなるものを用い、該超音波振動子から下側のメッシュ材が受けた振動を上側のメッシュ材に伝えて、最上側のメッシュ材上に供給された電子写真用粗キャリア芯材粒子を分級する工程を経ることにより、得られたものであることを特徴とする電子写真キャリア用芯材」;
(6)「重量平均粒径Dwが22〜32μmで、かつ個数平均粒径Dpと重量平均粒径Dwの比Dw/Dpが1<Dw/Dp<1.20、20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が0〜7重量%、36μmより小さい粒子の含有量が90〜99.8重量%であり、形状係数SF1が100〜120、かつSF2が100〜120であるキャリア粒子からなり、超音波振動子を具備する発振器付きの振動ふるい機を用いて分級された電子写真キャリアであって、該振動ふるい機として、該超音波振動子上に少なくとも2枚のメッシュ材が密着して積層設置されてなるものを用い、該超音波振動子から下側のメッシュ材が受けた振動を上側のメッシュ材に伝えて、最上側のメッシュ材上に供給された電子写真用粗キャリア粒子又は粗キャリア芯材粒子を分級する工程を経ることにより、得られたものであることを特徴とする電子写真用キャリア」;
(7)「前記分級は、少なくとも2枚のメッシュ材として、目開きの小さなメッシュ材が上側に、目開きの大きなメッシュ材が下側に設置されたものが用いられたものであることを特徴とする前記第(9)項に記載の電子写真キャリア用芯材又は第(10)項に記載の電子写真用キャリア」;
(8)「前記上側に設置された目開きの小さなメッシュ材の少なくとも一種類の材質の曲げ弾性率が1〜10GPaであることを特徴とする前記第(9)項乃至第(11)項のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア」;
(9)「前記振動ふるい機として、共振部材がメッシュ材に固定設置されたものが用いられ、超音波振動を該共振部材に伝達して共振させ、次いで最上側メッシュ材面に伝えられた分級する工程を経ることにより得られたものであることを特徴とする前記第(9)項乃至第(12)項のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア」;
(104)「前記分級が、粒径分布の微粉側および粗粉側の両方を分級し去るものであることを特徴とする前記第(9)項乃至第(13)項のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア」;
(115)「前記粒子の形状係数SF1が100〜115、かつSF2が100〜110であることを特徴とする前記第(9)項乃至第(14)項のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア」;
(12)「前記粒子中の20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が0〜5重量%であることを特徴とする前記第(9)項乃至第(15)項のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア」;
(137)「前記粒子中の44μmより小さい粒子の含有量が98〜99重量%であることを特徴とする前記第(9)項乃至第(16)項のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア」;
(14)「前記粒子は、1000エルステッドの磁界を印加したときの磁化が、40〜150emu/gであることを特徴とする前記第(9)項乃至第(17)項のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア」;
(15)「前記キャリア粒子が磁性体粒子の表面に樹脂被膜を形成してなる粒子であることを特徴とする前記第(10)項乃至第(18)項のいずれかに記載の電子写真用キャリア」;
(16)「前記分級前に、磁性体粒子の表面に樹脂被膜を形成して該樹脂被膜粒子を得る工程を経て得られたものであることを特徴とする前記第(19)項に記載の電子写真用キャリア」;
(17)「前記第(2)項乃至第(8)項のいずれかに記載の電子写真用キャリア又は前記第(10)項乃至第(20)項のいずれかに記載の電子写真用キャリアと、トナーとから基本的になることを特徴とする電子写真用現像剤。
(22)「超音波振動子を具備する発振器付きの振動ふるい機を用いて電子写真キャリア用粒子を分級する方法であって、該振動ふるい機として、該超音波振動子上に少なくとも2枚のメッシュ材が密着して積層設置されてなるものを用い、該超音波振動子から下側のメッシュ材が受けた振動を上側のメッシュ材に伝えて、最上側のメッシュ材上に供給された該電子写真用キャリア粒子を分級することにより、重量平均粒径Dwが22〜32μmで、かつ個数平均粒径Dpと重量平均粒径Dwの比Dw/Dpが1<Dw/Dp<1.20、20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が0〜7重量%、36μmより小さい粒子の含有量が90〜99.8重量%であり、形状係数SF1が100〜120、かつSF2が100〜120である芯材粒子又はキャリア粒子を得ることを特徴とする電子写真用キャリア粒子の製造方法」;
(23)「前記少なくとも2枚のメッシュ材として、目開きの小さなメッシュ材が上側に、目開きの大きなメッシュ材が下側に設置されたものを用いることを特徴とする前記第(22)項に記載の電子写真キャリア用粒子の製造方法」;
(18)「前記上側に設置された目開きの小さなメッシュ材の少なくとも一種類の材質の曲げ弾性率が1〜10GPaであることを特徴とする前記第(22)項または第(23)項に記載の電子写真キャリア用粒子の製造方法」;
(19)「前記振動ふるい機として、共振部材がメッシュ材に固定設置されたものを用い、超音波振動を該共振部材に伝達して共振させ、次いで最上側メッシュ材面に伝えることを特徴とする前記第(22)項乃至第(24)項のいずれかに記載の電子写真キャリア用粒子の製造方法」;
(20)「前記分級は、粒径分布の微粉側および粗粉側の両方を分級し去るものであることを特徴とする前記第(22)項乃至第(25)項のいずれかに記載の電子写真キャリア用粒子の製造方法」;
(21)「前記電子写真キャリア用粒子の形状係数SF1が100〜115、かつSF2が100〜110であることを特徴とする前記第(22)項乃至第(26)項のいずれかに記載の電子写真用キャリア粒子の製造方法」;
(22)「前記電子写真キャリア用粒子中の20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が0〜5重量%であることを特徴とする前記第(22)項乃至第(27)項のいずれかに記載の電子写真用キャリア粒子の製造方法」;
(23)「前記キャリア中の44μmより小さい粒子の含有量が98〜99重量%であることを特徴とする前記第(22)項乃至第(28)項のいずれかに記載の電子写真用キャリア粒子の製造方法」;
(24)「1000エルステッドの磁界を印加したときの該電子写真用キャリア粒子の磁化が、40〜150emu/gであることを特徴とする前記第(22)項乃至第(29)項のいずれかに記載の電子写真用キャリア粒子の製造方法」;
(25)「前記電子写真キャリア用粒子が磁性体粒子の表面に樹脂被膜を形成してなる粒子であることを特徴とする前記第(22)項乃至第(30)項のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア粒子の製造方法」;
(32)「前記分級前に、磁性体粒子の表面に樹脂被膜を形成して該樹脂被膜粒子を得る工程を有することを特徴とする請求項前記第(22)項乃至第(31)項のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアの製造方法」。
以下の詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明により、超音波振動子の上に2枚以上のメッシュを密接して重ねて、各々のメッシュの荷重を支える機能と、ふるう機能に機能分離することによって、さらに好ましくは上側のメッシュの弾性率を下側のメッシュの弾性率よりも小さくすることによって、球形に近く、かつ表面の凹凸が少ないシャープな粒径分布の小粒径電子写真キャリア用粒子を低コストで製造することが可能となった。
本発明によれば、特定の狭い範囲の粒径分布を有し、かつ小粒径のキャリアを使用することにより、高画像濃度でハイライトの均一性が良好で、地汚れが少なく、かつ、キャリア付着が起こりにくいキャリア、および現像剤を提供することができる。また、本発明のキャリアは、キャリア付着が起こりにくいという特徴を有する上、粒子の形が真球に近く、かつ表面が平滑であるため、現像トルクが小さく、耐久性が良好で、かつ、汲み上げ量変動がなく、画像濃度変動の少ないキャリアの提供することができる。
すなわち、前記本発明により、球形に近く、かつ表面の凹凸が少ないシャープな粒径分布の小粒径電子写真キャリア用粒子を、効率よく製造することができ、また、現像トルクが小さく、トナースペントが少なく、耐久性の良好な電子写真キャリア用粒子が得られ、また、高画質で粒状性が良く、キャリア付着の発生し難い、シャープな粒径分布の小粒径電子写真現像剤キャリア用粒子が得られ、さらに、高画質で粒状性が良く、キャリア付着の発生し難い、シャープな粒径分布の小粒径電子写真用キャリアを効率よく製造することができ、さらにまた、高画質で粒状性が良く、キャリア付着の発生し難い電子写真二成分現像剤が得られるという極めて優れた効果を奏するものである。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明におけるシャープな粒径分布を持つ電子写真キャリア用粒子は、超音波振動子を具備する発振器付きの振動ふるい機を用いて電子写真キャリア用粒子を分級するに際して、該振動ふるい機として、該超音波振動子上に、少なくとも2枚のメッシュが密着して積層設置されてなるものを用い、更に好ましくは最上側に材質の曲げ弾性率が1〜10GPaのメッシュを設置し、該超音波振動子から下側のメッシュが受けた振動を上側のメッシュに伝えて、最上側のメッシュ上に供給された該粒子を分級することによって、製造することができる。
また、樹脂が被覆されてなる電子写真用キャリアは、芯材の磁性体粒子の表面に樹脂被膜を形成して樹脂被膜粒子を作製した後、該樹脂被覆粒子を上記の振動ふるい機によって分級して、粒径分布がシャープなものを得ることが出来る。
密着させて貼るメッシュ材が2枚の場合には、メッシュ材の目開きが上側を小さく下側を大きく設定することが好ましく、目開きの小さなメッシュ材は分級機能を有し、目開きの大きなメッシュ材は、超音波振動子より振動を直接受けて、上側のメッシュ材に振動を伝えるとともに、実質的にキャリアの重量を支える機能を有するものであり、振動ふるいで分級する際、上側のメッシュ材への負荷が小さくなり、長時間使用の使用に耐えられるようになり、大幅に寿命を延ばすことができる。
下側のメッシュ材としては、超音波振動を効率よく伝え、かつ磨耗、切れなどが起こり難いような、例えば太い糸で編まれた、線径および目開きのものが望ましい。また、目開きは、実質的に粒子の最大粒径より大きいものが良い。
例えば、重量平均粒径Dwが22〜32μmの電子写真用キャリアを分級する場合には、下側メッシュ材の目開きが62μm(250メッシュ)以上であれば充分である。
一方、超音波振動はメッシュ材の線径が大きくなりすぎると伝わり難くなるため、Dwが22〜32μmの電子写真用キャリアの場合には、目開きが104μm(150メッシュ)程度が特に好ましい。
また、下側のメッシュ材の材質は、超音波の振動エネルギーを効率的よく伝達するために強度の大きい50GPa〜500GPaの曲げ弾性率であることが好ましく、特に、金属性のものが望ましい。
メッシュ材は下側が支えで、上側が分級機能をもっており、2層以上の構成であっても構わない。上側のメッシュ材は、分級したい粒径にあった目開きのものであればよい。下側のメッシュ材が設置されているため、上側のメッシュ材は、目開き率の大きなものが使用できる。
また、本発明の分級方法に用いられる超音波発振器付きの振動ふるい機として、共振部材がメッシュ材に固定設置されているものを用いると、超音波振動は、共振リングを介して、スクリーン全体に伝わり、メッシュに均一な振動を伝え、メッシュ上の物質の篩い分けを効率的に行うことができる。
メッシュ材を振動させる超音波振動は、高周波電流をコンバータに供給して超音波振動に変換することにより得ることができる。この例の場合のコンバータは、PZT振動子からなる。
超音波振動によってメッシュ材を振動させるためには、コンバータによって発生される超音波振動を、メッシュ材に固定設置した前記共振部材に伝達させ、共振部材は、その超音波振動によって共振し、そして、その共振部材に固定されているメッシュを振動させる。
この場合、メッシュ材を振動させる周波数は、20〜50kHz、好ましくは30〜40kHzである。
共振部材の形状は、メッシュ材を振動させるのに適した形状であればよく、通常はリング状である。メッシュ材を振動させる振動方向は、垂直方向であるのが好ましい。
図1は、本発明の分級方法に用いられる超音波発振器付振動ふるい機の一例を説明するための概念図である。
図1において、符号(1)は振動ふるい器、(2)は円筒容器、(3)はスプリング、(4)はベース(支持台)、(5)は密着させた2層以上のメッシュ材からなり、下側に目開きの大きなメッシュを設置、(6)は共振部材(この場合はリング形状のもの)、(7)は高周波電流ケーブル、(8)はコンバータ、(9)はリング状フレームを示す。
図1に記載の超音波発振器付振動ふるい器(円形ふるい機)を作動させるには、先ず、ケーブル(7)を介して高周波電流をコンバータ(8)に供給する。コンバータ(8)に供給された高周波電流は超音波振動に変換される。
コンバータ(8)で発生した超音波振動は、そのコンバータ(8)が固定されている共振部材(6)及びそれに連設するリング状フレーム(9)を垂直方向に振動させる。この共振部材(6)の振動によって、共振部材(6)とフレーム(9)に固定されているメッシュ材(5)が垂直方向に振動する。
超音波発振器付きの振動ふるい機は市販品を使用することができ、例えば、晃栄産業(株)製の「ウルトラソニック」(製品名)などが入手可能である。
また、本発明の分級方法が適用される粒子は、全く未分級のもの、あるいは空気式・機械式の分級処理が行なわれているもの、いずれのものでも差し支えなく、粒径分布に合わせて微粉側、粗粉側、あるいは両側を分級する(分級し去る)ことができる。
特に、粗粉側粒子の分級に適用すると、空気式などの分級方法に比べて分布がシャープであるため、狙いの粒子を高い収率で得ることができるので、好ましい。
上側のメッシュは、細い線材を編んで作ったり、あるいはレーザー、エッチングなどで穴を開けたりしたものを用いることができる。しかし、キャリアが概略球形であることから、穴の形が円形であると目詰まりが起こりやすいため、各種の素材で編んだ繊維状のメッシュがより好ましい。更に、上側メッシュの材質は適度な弾性率を持った、曲げ弾性率が1〜10GPaの範囲の材質であることが好ましい。
上側のメッシュの弾性率を下側のメッシュの弾性率よりも小さくすると、下側のメッシュより伝わった振動によって、上側メッシュの開口部の形状がわずかに変形し、メッシュの目詰まりが生じ難くなり、分級の効率を高めることができる。
上側メッシュの曲げ弾性率が10GPaよりも大きいと、メッシュ開口部の変形が少なくなるために目詰まりが発生しやすく、分級効率が低下する。曲げ弾性率が1GPaよりも小さいと、下側のメッシュの振動を上側のメッシュが吸収してしまい、またメッシュの目の形状が大きく変化するため、分級効率が低下する。
曲げ弾性率が1〜10GPaの範囲であれば材質に特別な限定はないが、製造コストの優位性から樹脂を材質とすることが好ましい。樹脂メッシュのコスト的な優位性は、目開きの小さいメッシュであるほど顕著であり、例えば、目開き20μm位のナイロンメッシュであれば、ステンレス製のメッシュと比べて単位面積当たりのコストが約20分の1程度ですむ。
目開きの小さな、適度な弾性を持った上側のメッシュ材は、下側にメッシュが設置されていない場合、強度が不足するため、メッシュの寿命が短くなり、超音波振動ふるい用のメッシュ材として使用するには適さない。従って、下側のメッシュに50GPa〜500GPaの曲げ弾性率である充分な強度を持ったメッシュを併用することにより、分級精度、および効率が非常に良好となる。
樹脂製のメッシュ材は、製作方法、材料ともに曲げ弾性率以外は、特に限定されるものではない。メッシュ材を作製できるのであればナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素系樹脂等の公知の樹脂を使用することができる。
中でも、ナイロン樹脂は耐久性や耐薬品性の点で、また、ポリエステル樹脂は耐久性や耐候性の点で、それぞれ優れたメッシュ材となり、好ましい材質である。
ナイロン製メッシュやポリエステル製メッシュは市販されているものを使用しても良く、例えばSEFAR社(スイス)のNYTALシリーズやPETEXシリーズとして入手が可能である。
また、これら樹脂は、繊維状にして編む場合には縦糸もしくは横糸のどちらか一方にのみの使用でもよい。
曲げ弾性率が10GPa以下の材質でできたメッシュは、下側にメッシュが設置されていないと強度が不足する場合があり、超音波振動ふるい用のメッシュとして使用するには適さないことがある。しかし、前述のように2重貼り方式にすることで、充分な強度と耐久性を持たせることが可能となり、分級精度、および効率ともに非常に良好であることが確認された。
メッシュの材質の曲げ弾性率の測定は、ASTM(アメリカ材料試験協会規格)のD790にて行うことができる。本発明における曲げ弾性率の値もASTM D790に沿って測定したものである。
また、本発明の分級方法によって分級された電子写真キャリア用粒子である磁性体粒子(芯材)または樹脂被覆磁性体粒子は、粒径分布がシャープなものであり、重量平均粒径Dwが22〜32μmの場合、36μmより小さい粒子の含有量が90〜99.8重量%、20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が7重量%以下で、かつ重量平均粒径Dwと個数平均粒径Dpとの比Dw/Dpが1〜1.20、形状係数SF1が100〜120、かつSF2が100〜120であると電子写真現像剤用キャリアとして優れた特性を得ることができ、粒状性、および地汚れが良好である。
重量平均粒径Dwが小さいほど粒状性(ハイライト画像の均一性)が良好であるが、キャリア付着が発生し易い。キャリア付着が発生すると粒状性が低下する。一方、重量平均粒径Dwが大きいほどキャリア付着が起り難くなるが、高画像濃度を得るために、トナー濃度を高くすると、地汚れが増大し易くなる。
ここで言うキャリア付着とは、静電潜像の画像部又は地肌部にキャリアが付着する現象を意味する。それぞれの電界強度が大きいほどキャリア付着し易いが、画像部はトナーが現像されることにより電界強度が弱められるため、地肌部に比べ、キャリア付着は起こりにくい。
重量平均粒径Dwが22〜30μmであると、トナー濃度が高くなっても地汚れし難く、また粒状性が極めて良好な画像が得られる。
また、36μmより小さい粒子の含有量が90〜99.8重量%、20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が7重量%以下で、より好ましくは5重量%以下、かつ重量平均粒径Dwと個数平均粒径Dpとの比Dw/Dpが1〜1.20、好ましくは1〜1.18のシャープな粒径分布であると、キャリア付着は問題ないことが分かった。
キャリア粒径が小さくなると、粒子間の摩擦力が大きくなり、キャリアの流動性が悪く、現像スリーブのトルクが大きくなるが、小粒径キャリアの場合には、キャリア形状、および表面の平滑性も大きく影響する。即ち、SF1が120より大きいと、キャリアの形状が真球から外れて来る。また、SF2が120より大きくなると、表面の凹凸が大きくなる。それぞれの状態となると、現像スリーブのトルクが増大し、スリーブへのトナー固着やスリーブ表面削れが顕著になり、汲み上げ量が変化し、画像濃度変動が生じる。また、キャリアへのトナースペントも多くなり、現像剤帯電量の低下を引き起こす。
SF1、SF2はより好ましくは、それぞれ、100〜115、および100〜110である。
キャリアが真球に近づき、かつ表面の凹凸が小さいと、現像領域における磁気ブラシもより均一となるため、キャリア付着も改良される。
また、凹凸が大きいと場所によりコート樹脂の厚みが違ってきて、帯電量、および抵抗の不均一性を生じ易く、経時での耐久性、キャリア付着などに影響を及ぼす。
なお、該キャリアの形状係数SF1、およびSF2は以下のものを意味する。
形状係数を示すSF1、SF2とは、例えば日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い300倍に拡大したキャリア粒子像を100個無作為にサンプリングし、その画像情報はインターフェースを介して、例えばニレコ社製画像解析装置(Luzex AP)に導入し解析を行い、下式より算出し得られた値を形状係数SF1、SF2と定義する。
式中、Lは粒子の絶対最大長(外接円の長さ)、Pは粒子の周囲長、Aは粒子の投影面積を示す。形状係数SF1はトナー粒子の丸さの度合いを示し、形状係数SF2はトナー粒子の凹凸の度合いを示している。
Figure 2007248960
円(球形)から離れるとSF1は値が大きくなる。表面の凹凸の起伏が激しくなるとSF2の値も大きくなる。→それぞれの値は、真円(球)に近づくにつれて100に近い値となる。
本発明のキャリアーを構成する芯材粒子の材料としては、従来公知の各種の磁性材料が用いられる。
本発明で用いるキャリア芯材粒子において、1000エルステッド(Oe)の磁場を印加したときのその磁気モーメントは、40emu/g以上、より好ましくは50emu/g以上である。その上限値は特に制約されないが、通常、150emu/g程度である。キャリア芯材粒子の磁気モーメントが前記範囲よりも小さくなると、キャリア付着が生じやすくなるので好ましくない。
前記磁気モーメントは、以下のようにして測定することができる。B−Hトレーサー(BHU−60/理研電子(株)製)を使用し、円筒のセルにキャリア芯材粒子1.0gを詰めて装置にセットする。磁場を徐々に大きくし3000エルステッドまで変化させ、次に徐々に小さくして零にした後、反対向きの磁場を徐々に大きくし3000エルステッドとする。
さらに、徐々に磁場を小さくして零にした後、最初と同じ方向に磁場をかける。このようにして、B−Hカーブを図示し、その図より1000エルステッドの磁気モーメントを算出する。
1000エルステッドの磁場を印加したときの磁気モーメントが40emu/g以上となる芯材粒子としては、例えば、鉄、コバルトなどの強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ba系フェライト、Mn系フェライトなどが挙げられる。
この場合、フェライトとは一般に下記式(1)の化学式で表される焼結体である。
Figure 2007248960
但し、x+y+z=100mol%であって、M、Nはそれぞれ、Ni、Cu、Zn、Li、Mg、Mn、Sr、Caなどでの金属原子あり、2価の金属酸化物と3価の鉄酸化物との完全混合物から構成されている。
電子写真キャリア用粒子のSF1が100〜120と球形に近く、SF2が100〜120である平滑な芯材は、焼成条件、熱による後処理、および組成の調整などによって得られる。
例えばUS2003/0209820A1に記載されているように、粉砕処理した不定形のフェライト粒子、あるいはフェライト化反応させるための原材料をプラズマにさらすことによっても表面の平滑化、および球形化が可能である。
前者の方法を組み合わせることによって、更に表面性が平滑で真球に近いフェライト粒子が得られる。
また、振動を利用したフィーダーでは流動性の良好な粒子が速く搬送される。真球に近く、表面平滑性の良好な粒子は流動性が良好であるため、例えば電磁フィーダーを使用すると、その搬送速度の違いによって流動性の異なる粒子を選別することが可能である。繰り返し電磁フィーダーを通過させることにより、表面平滑性が良く、真球に近い粒子を得ることができる。
本発明の分級方法の対象として適用される電子写真キャリア用粒子のうち、樹脂被覆磁性体粒子は、前記芯材粒子の表面に樹脂層を形成することによって製造される。
樹脂層を形成するための樹脂としては、キャリアの製造に用いられている従来公知の各種のものを用いることができる。本発明においては、前記樹脂として以下に示すものを単独または2種以上混合して使用することができる。
シリコーン樹脂、ポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体等)スチレン−メタクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル共重合体等)スチレン−α−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、ケトン樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体、キシレン樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、メラミン樹脂など。
特に、キャリア被覆用樹脂として好適なシリコーン樹脂の例としては、以下のようなものが挙げられる。KR271、KR272、KR282、KR252、KR255、KR152(信越化学工業社製)、SR2400、SR2406(東レダウコーニングシリコーン社製)など。また、好適な変性シリコーン樹脂として、エポキシ変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、ウレタン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、アルキッド変性シリコーンなどがある。
前述のシリコーン樹脂からなる樹脂被覆層にアミノシランカップリング剤を含有させることにより、耐久性の良好なキャリアを得ることができる。
本発明で用いるアミノシランカップリング剤としては以下のようなものが挙げられる。含有量は、0.001〜30重量%が好ましい。
Figure 2007248960
キャリア芯材粒子表面に樹脂層を形成する方法としては、スプレードライ法、浸漬法、あるいはパウダーコーティング法など公知の方法が使用できる。特に流動床型コーティング装置を用いる方法は、均一な塗付膜を形成するのに有効である。
キャリア芯材粒子表面上に形成する樹脂層の厚みは、通常0.02〜1μm、好ましくは0.03〜0.8μmである。
本発明のキャリアは、磁性粉をフェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂など公知の樹脂中に分散した形態を持つ、所謂樹脂分散キャリアであることができる。
本発明のキャリアにおいて、その抵抗率(LogR・cm)は、好ましくは11.0〜16.0、より好ましくは12.0〜15.0である。
キャリアの抵抗率が11.0よりも低いと、現像ギャップ(感光体と現像スリーブ間の最近接距離)が狭くなった場合、キャリアに電荷が誘導されてキャリア付着が発生し易くなる。感光体の線速度、および、現像スリーブの線速度が大きい場合、悪化の傾向が見られる。
また、16.0より大きいとトナーと反対極性の電荷が溜まりやすくなり、キャリアが帯電してキャリア付着が起き易くなる。
上記キャリアの抵抗率の調整は、芯材粒子上の被覆樹脂の抵抗調整、膜厚の制御によって可能である。
キャリア芯材抵抗抵抗LogR、Ωcmは、6.0〜11.0が好ましい。
6.0より低いと、キャリアのコート被膜の不均一性、あるいは長時間使用した場合、被膜の削れなどによって、誘導型のキャリア付着が起き易い。
芯材抵抗が11.0より大きくなると、キャリアの現像能力が低下する傾向がある。
上記キャリア抵抗率は、次の方法により、測定することができる。
図2に示すように、電極間距離2mm、表面積2×4cmの電極(12a)、(12b)を収容したフッ素樹脂製容器からなるセル(11)にキャリア(13)を充填し、両極間に100Vの直流電圧を印加し、ハイレジスタンスメーター4329A(4329AHigh Resistance Meter;横川ヒューレットパッカード株式会社製)によって直流抵抗を測定し、電気抵抗率LogR(Ωcm)を算出する。
キャリア抵抗測定の際の充填の度合いは、キャリアをセルにあふれるまで入れたのち、セル全体を20回タッピングしたのち、セルの上面を非磁性でできた水平なへらを用いてセルの上端に沿って一回の操作で平らにかきとる。充填の際に加圧は不要である。
また、キャリア抵抗調整のために、導電性微粉末を被覆樹脂層に添加して使用することもできる。
上記導電性微粉末としては、導電性ZnO、Al等の金属又は金属酸化物粉、種々の方法で調製されたSnO又は種々の元素をドープしたSnO、TiB、ZnB、M
oB等のホウ化物、炭化ケイ素、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリ(パラ−フェニレンスルフィド)ポリピロール、ポリエチレン等の導電性高分子、ファーネスブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック等が挙げられる。
これらの導電性微粉末は、コーティングに使用する溶媒、あるいは被覆用樹脂溶液に導電性微粉末を投入後、ボールミル、ビーズミルなどメディアを使用した分散機、あるいは高速回転する羽根を備えた攪拌機を使用することによって均一に分散することが出来る。
本発明においてキャリア、およびキャリア芯材における重量平均粒径Dwは、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)に基づいて算出されたものである。この場合の重量平均粒径Dwは以下の式(2)で表される。
Figure 2007248960
前記式中、Dは各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を示し、nは各チャネルに存在する粒子の総数を示す。なお、チャネルとは、粒径分布図における粒径範囲を等分に分割するための長さを示すもので、本発明のキャリアの場合には、2μmの長さを採用した。また、各チャネルに存在する粒子の代表粒径としては、各チャネルに保存する粒子粒径の下限値を採用した。
また、本発明においてキャリア及びキャリア芯材粒子における個数平均粒径Dpは、個数基準で測定された粒子の粒径分布に基づいて算出されたものである。この場合の個数平均粒径Dpは以下の式で表される。
Figure 2007248960
前記式中、Nは計測した全粒子数を示し、nは各チャネルに存在する粒子の総数を示し、Dは各チャネル(2μm)に存在する粒子粒径の下限値を示す。
キャリアの粒径分布を測定するための粒度分析計としては、マイクロトラック粒度分析計(モデルHRA 9320−X100:Honewell社製)を用いた。その測定条件は以下のとおりである。
(1)粒径範囲:100〜8μm
(2)チャネル長さ(チャネル幅):2μm
(3)チャネル数:46
(4)屈折率 :2.42
本発明においては、本発明の分級方法によって得られるこのような粒径分布のシャープな電子写真キャリア用粒子には、磁性体粒子芯材と樹脂被覆した磁性体粒子の双方が包含されることを意味し、従って、本発明の分級方法が適用される態様として次の3つのケースが包含される。
(1)本発明の分級方法によって分級処理されたキャリア用芯材を、樹脂被覆して、粒子分布のシャープな電子写真用現像剤キャリアを作製する。
(2)キャリア用芯材に樹脂被覆してなる樹脂被覆磁性体粒子を作製後、該樹脂被覆磁性体粒子を本発明の分級方法によって分級処理して、粒子分布のシャープな電子写真用現像剤キャリアを作製する。
(3)本発明の分級方法によって分級処理されたキャリア用芯材を、樹脂被覆して樹脂被覆磁性体粒子を作製後、さらに該樹脂被覆磁性体粒子を本発明の分級方法によって分級処理して、粒子分布のシャープな電子写真用現像剤キャリアを作製する。
特に、樹脂被覆磁性体粒子を電子写真用キャリアとして用いた場合には、粒状性が良好で、かつキャリア付着が発生し難いものである、という極めて優れた効果を奏するものである。
キャリアの嵩密度は2.1g/cm以上、好ましくは2.35g/cm以上、より好ましくは2.35g/cm〜2.50g/cmであると、キャリア付着防止に有利である。嵩密度が小さい芯材は、多孔性、または表面の凹凸が大きい。
嵩密度が小さいと、1KOeの磁化(emu/g)が大きくても、1粒子当たりの実質的な磁化の値が小さくなるため、キャリア付着に対して不利である。
嵩密度を大きくするには、焼成温度を高くすることなどにより可能であるが、芯材同士が融着し易くなり、解砕し難くなるため2.60未満が好ましい。したがって、通常2.10g/cm以上、好ましくは、2.10〜2.60g/cmであり、より好ましくは2.35g/cm〜2.60g/cm、さらに好ましくは2.35〜2.50g/cmである。
本発明におけるキャリアの嵩密度は、金属粉−見掛密度試験方法(JIS−Z−2504)に従って、直径2.5mmのオリフィスからキャリアを自然に流出させ、その直下においた25cmのステンレス製の円柱状の容器にキャリアをあふれるまで流し込んだのち、容器の上面を非磁性でできた水平なへらを用いて容器の上端に沿って一回の操作で平らにかきとる。
もし、直径2.5mmのオリフィスでは流れ難い場合は、直径5mmのオリフィスからキャリアを自然流出させる。この操作により、容器に流入したキャリア重量を、容器の体積25cmで割ることにより、1cm当りのキャリアの重量を求める。これを、キャリアの嵩密度と定義する。
現像剤の帯電量は以下の方法で測定することができる。これを図3に示す。
一定量の現像剤を、両端に金属メッシュを備えた導体容器(ブローオフケージ)(15)に入れる。メッシュ(ステンレス製)の目開きはトナーとキャリアの粒径の中間のもの(目開き20μm)選び、トナーがメッシュの間を通過するように設定する。ノズル(14)から圧縮窒素ガス(1kgf/cm)を60秒間吹き付けて、トナーをゲージ(15)の外へ飛び出させると、ケージ(15)内にトナー(17)の電荷と逆極性を持ったキャリア(16)が残される。
その電荷量Qと、飛び出したトナーの質量Mを測定し、単位質量当たりの電荷量を帯電量Q/Mとして算出する。トナー帯電量はμc/gで表示される。該ケージ(15)は、コンデンサを介して接地され、このコンデンサと並列に電位計(18)が接続さられている。
次に、本発明の分級方法によって得られる樹脂被覆磁性体粒子をトナーと混合して現像剤が製造されるが、該トナーについて説明する。
本発明に使用されるトナーは、熱可塑性樹脂を主成分とするバインダー樹脂中に、着色
剤、微粒子、そして帯電制御剤、離型剤等を含有させたものであり、従来公知の各種のトナーを用いることができる。このトナーは、重合法、造粒法などの各種のトナー製法によって作成された不定形または球形のトナーであることができる。また、磁性トナー及び非磁性トナーのいずれも使用可能である。
本発明に使用されるトナーは、熱可塑性樹脂を主成分とするバインダー樹脂中に、着色剤、微粒子、そして帯電制御剤、離型剤等を含有させたものであり、従来公知の各種のトナーを用いることができる。このトナーは、重合法、造粒法などの各種のトナー製法によって作成された不定形または球形のトナーであることができる。また、磁性トナー及び非磁性トナーのいずれも使用可能である。
トナーのバインダー樹脂としては以下のものを、単独あるいは混合して使用できる。
スチレン系バインダー樹脂として、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;アクリル系バインダーとして、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレーが挙げられ、その他、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂肪族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。
また、ポリエステル樹脂は、スチレン系やアクリル系樹脂に比して、トナーの保存時の安定性を確保しつつ、より溶融粘度を低下させることが可能である。このようなポリエステル樹脂は、例えば、アルコールとカルボン酸との重縮合反応によって得ることができる。
アルコールとしては、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどのジオール類、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノーAなどのエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価のアルコール単位体、その他の2価のアルコール単位体、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエスリトール、ジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以上の高アルコール単量体を挙げることができる。
また、ポリエステル樹脂を得るために用いられるカルボン酸としては、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した2価の有機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸からの二量体、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体酸、これらの酸の無水物等の三価以上の多価カルボン酸単量体を挙げることができる。
エポキシ系樹脂としては、ビスフェノールAとエポクロルヒドリンとの重縮合物等があり、例えば、エポミックR362、R364、R365、R366、R367、R369(以上、三井石油化学工業(株)製)、エポトートYD−011、YD−012、YD−014、YD−904、YD−017、(以上、東都化成(株)製)エポコ−ト1002、1004、1007(以上、シェル化学社製)等の市販のものが挙げられる。
本発明に使用される着色剤としては、カーボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、ハンザイエローG、ローダミン6Gレーキ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系、染顔料など、従来公知の染顔料をも単独あるいは混合して使用し得る。
本発明における現像剤のトナーは、樹脂バインダー等のトナー用原料中に磁性材料を含有させて磁性トナーとすることも可能である。磁性体としては、鉄、コバルトなどの強磁性体、マグネタイト、ヘマタイト、Li系フェライト、Mn−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライト、Ni−Znフェライト、Baフェライトなどの微粉末が使用できる。
トナーの摩擦帯電性を充分に制御する目的で、いわゆる帯電制御剤、例えばモノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸およびその塩、サリチル酸、ナフトエ塩、ジカルボン酸のCo、Cr、Fe等の金属錯体アミノ化合物、第4級アンモニウム化合物、有機染料などを含有させることができる。
さらにまた、本発明で用いるトナーには必要に応じて離型剤を添加してもよい。
離型材料としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、カルナウバワックス、マイクロクリスタリンワックス、ホホバワックス、ライスワックス、モンタン酸ワックス等を単独または混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。
トナーには、添加剤を添加することができる。良好な画像を得るためには、トナーに充分な流動性を付与することが肝要である。
外添剤としては該無機微粒子の他に一般的な疎水化処理無機微粒子を併用することができるが、疎水化処理された一次粒子の平均粒径が1〜100nm、より好ましくは5nm〜70nmの無機微粒子を含むことが望ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。
それらは、条件を満たせば公知のものが使用可能である。例えば、シリカ微粒子、疎水性シリカ、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど)、金属酸化物(チタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)、フルオロポリマー等を含有してもよい。
特に好適な添加剤としては、疎水化されたシリカ、チタニア、酸化チタン、アルミナ微粒子があげられる。シリカ微粒子としては、HDK H 2000、HDK H 2000/4、HDK H 2050EP、HVK21、HDK H 1303(以上クラリアントジャパン)やR972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(以上日本アエロジル)がある。また、チタニア微粒子としては、P−25(日本アエロジル)やSTT−30、STT−65C−S(以上チタン工業)、TAF−140(富士チタン工業)、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−150A(以上テイカ)などがある。特に疎水化処理された酸化チタン微粒子としては、T−805(日本アエロジル)やSTT−30A、STT−65S−S(以上チタン工業)、TAF−500T、TAF−1500T(以上富士チタン工業)、MT−100S、MT−100T(以上テイカ)、IT−S(石原産業)などがある。
疎水化処理された無機微粒子、シリカ微粒子及びチタニア微粒子、アルミナ微粒子を得るためには、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシランやメチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤で処理して得ることができる。 本発明における電子写真用現像剤が、電子写真用キャリアと、トナーとから「基本的になる」とは、このような流動性向上剤、電荷調節剤等の外添剤の添加を排除するものでないことを意味する。
本発明で用いるトナーにおいて、その重量平均粒径Dtは9.0〜3.0μm、好ましくは7.5〜3.5μmである。キャリアに対するトナーの割合は、キャリア100重量部当り、トナー2〜25重量部、好ましくは3〜20重量部の割合である。
なお、トナー粒径はコールターカウンター(コールターカウンター社製)を用いて測定した。
[画像形成装置]
図4、5には、本発明の現像剤を用いた画像形成装置の1例が示される。この例の装置は、静電荷像担持体(20)の周囲に、順に、帯電手段(32)、露光手段(33)、現像手段(40)、転写手段(50)、クリーニング手段(60)、除電手段(70)が設けられており、転写手段(50)によりトナー像を転写された画像受容媒体シート(80)は、図示しない定着手段に導入される。クリーニング手段(60)は廃トナー収納手段(62)とクリーニングブレード(61)を有する。現像手段(40)は、静電荷像担持体(20)に現像間隔をおいて対面し、静電荷像担持体(20)と同方向に回転して現像剤ブラシを静電荷像担持体(20)に供給する磁気スリーブ(41)と、本発明のキャリア(23)とトナー(21)から基本的になる二成分系現像剤の攪拌手段(47)と、該攪拌手段(47)にトナーを供給するトナー供給手段(45)を有する。磁気スリーブ(41)は、開閉可能な窓(43)を有するハウジング(46)中に収納され、攪拌手段(47)はこれと一体になったハウジング(44)中に収納されている。トナー供給手段(45)は凝集トナーを解くためのトナー攪拌手段(48)と、トナー供給ローラ(49)を有する。
図6は、本発明の現像剤を用いた画像形成装置の他の1例を示す。この装置は、駆動ローラ(24a)とテンションローラ(24b)の間に懸架された無端ベルト状の電荷像担持体(20)の周囲に、順に、帯電手段(32)、露光手段(33)、本発明の二成分系現像剤を用いる現像手段(40)、転写手段(50)、電荷像担持体(20)の背面に位置するクリーニング前露光手段(26)、クリーニングブレード(61)とクリーニングブラシ(64を含むクリーニング手段、除電手段(70)が設けられている。
図7は、本発明のプロセスカートリッジの1例を示す。本発明のプロセスカートリッジは、電荷像担持体(20)と本発明の二成分系現像剤を用いる現像手段(40)を有し、かつ、帯電手段(32)、クリーニング手段を有していてもよく、画像形成装置に搭載、離脱可能なものであるが、この例のプロセスカートリッジは、電荷像担持体(20)の周囲に順に、帯電手段(32)、本発明の二成分系現像剤を用いる現像手段(40)、クリーニング手段としてのクリーニングブレード(61)を有する。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いて具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、部は重量部を表す。
(トナー製造例1)
ポリエステル樹脂 100部
キナクリドン系マゼンタ顔料 3.5部
含フッ素4級アンモニウム塩 4部
以上の各成分をブレンダーにて充分に混合した後、2軸式押出し機にて溶融混練し、放冷後カッターミルで粗粉砕し、ついでジェット気流式微粉砕機で微粉砕し、さらに風力分級機を用いて分級して、重量平均粒径5.7μm、のトナー母粒子を得た。
更に、このトナー母粒子100部に対して、疎水性シリカ微粒子(R972:日本アエロジル社製)1.2部を加え、ヘンシェルミキサーで混合して、トナーIを得た。
(芯材製造例2)
ステンレスメッシュ上に、表1のキャリア芯材I(Mnフェライト、57emu/g/SF1=115,SF2=115)を1Kg/分の割合で供給し分級を行った。
用いた振動ふるい機は図1に示す構造を有するもので、フレーム(9)に支持された70cmφのステンレスメッシュ(635メッシュ・目開き20μm・開孔率25%)のナイロンメッシュ/一重貼り)(5)に、直接接触させて共振部材として共振リング(6)を取付け、そのリング(6)に36kHzの超音波を発振する振動子(8)を設けたふるい装置(1)である。
該ステンレスメッシュ(5)は、ベース(4)にスプリング(3)を介して支持された円筒容器(2)内に配設されている。ベース(4)内には図示しない振動モータが設置され、その駆動により発生する高周波電流はケーブル(7)を介して共振リング(6)に取付けた振動子(8)に送られ、超音波が発振される。
この超音波によって共振リング(6)が振動し、その振動は網面(5)全体の垂直方向の振動を生じさせる。円筒容器(2)内の193GPaステンレスメッシュ(5)上に供給されたキャリア芯材の微粉側の粒子はふるい処理を受け、メッシュ下の円筒容器(2)の下部に除去される。
この分級操作を繰り返し、メッシュ上から表1に示すキャリア芯材IIが得られた。
分級の結果、キャリア芯材における20μm未満の粒子の比率を9.8%に減少させることが出来た。キャリア芯材IIの粒度分布、SF1、SF2を表1に示す。
実験の後に、ステンレスメッシュの目詰まりの程度を調べたところ、開孔率は10%、即ち、15%の目詰まりが生じていた。
(芯材製造例3)
図1に示す振動ふるい機において、符号(5)で表した2枚以上のメッシュを以下の構成とした。
すなわち、下側に目開き104μm(150メッシュ)ステンレスメッシュを設置し、上側には、目開き20μm(開孔率14%)のナイロンメッシュを、ステンレスメッシュに密着して積層した。ナイロンメッシュに使用されている材質(ナイロン−66)の曲げ弾性率は2.7GPaである。
下側のステンレスメッシュが超音波振動子からの振動を直接受けるが、ナイロンメッシュがステンレスメッシュに密着して設置されているため、超音波振動が効率的に伝わり、分級対象の粒子はナイロンメッシュで分級される。
この振動ふるい機を用いて、ナイロンメッシュ上に、表1のキャリア芯材I(Mnフェライト、57emu/g/SF1=115,SF2=115)を1Kg/分の割合で供給し、芯材製造例2と全く同様にして、分級処理を行ない、メッシュ上に表1に示すキャリア芯材IIIを得た。
分級の結果、キャリア芯材における20μm未満の粒子の比率を26.0%から6.1%に減少させることが出来た。キャリア芯材IIIの粒度分布、SF1、SF2を表1に示す。
実験の後のナイロンメッシュはほとんど目詰まりしておらず、開孔率は13%以上(即ち、目詰まり1%未満)が維持されていた。
(芯材製造例4)
目開き20μm(開孔率14%)のナイロンメッシュの替わりに、目開き20μm(開孔率14%)、曲げ弾性率2.6Gpaのポリエーテルサルホンを使用する以外は、芯材製造例3と全く同様にして芯材の分級を行ない、キャリア芯材IVを得た。分級の結果、SF1、SF2を表1に示す。
実験の後の目詰まりは1%未満であった。
(芯材製造例5)
目開き20μm(開孔率14%)のナイロンメッシュの替わりに、目開き20μm(開孔率14%)、曲げ弾性率0.9Gpaの超高分子量ポリエチレンを使用する以外は、芯材製造例3と全く同様にして芯材の分級を行ない、キャリア芯Vを得た。分級の結果、SF1、SF2を表1に示す。
実験の後の目詰まりは3%であった。
(芯材製造例6)
目開き20μm(開孔率14%)のナイロンメッシュの替わりに、目開き20μm(開孔率14%)、曲げ弾性率11.0GpaのGF30%強化ポリエチレンテレフタレートを使用する以外は、芯材製造例3と全く同様にして芯材の分級を行ない、キャリア芯VIを得た。分級の結果、SF1、SF2を表1に示す。実験の後の目詰まりは4%であった。
(芯材製造例7)
表1のキャリア芯材I(Mnフェライト、57emu/g/SF1=115,SF2=115)を0.3Kg/分の割合で供給する以外は、キャリア製造例3と全く同様の方法で芯材の分級を行い、表1に示すキャリア芯VIIを得た。実験の後の目詰まりは1%未満であった。
(芯材製造例9)
表1に示すキャリア芯材VIIIを使用する以外は、キャリア製造例3と全く同様の方法で芯材の分級を行い、表1に示すキャリア芯IXを得た。実験の後の目詰まりは約3%であった。
<キャリア製造例1〜6>
シリコーン樹脂(SR2411:東レダウコーニングシリコーン社製)に、樹脂固形分に対して5%のカーボン(ライオンアクゾ社製、ケッチェンブラックEC−DJ600)をボールミルを使用して60分間分散し、この分散液を希釈して、固形分5%の分散液を得た。
この分散液にさらにアミノシランカップリング剤(NH(CHSi(OCH))を、シリコーン樹脂の固形分に対して3%添加・混合させて分散液を得た。
流動床型コーティング装置を用いて、表1に示すキャリア芯材I〜VIを使用して、
各5Kgの粒子表面上に、上記の分散液を、100℃の雰囲気下で約30g/minの割合で塗布し、さらに200℃で2時間加熱して、膜厚約0.30μmの樹脂被覆キャリアA〜Fを得た。膜厚の調整はコート液量により行った。
キャリアA〜Fの粒度分布、SF1、SF2を表2に示す。
<キャリア製造例7>
図1に示す振動ふるい機において、符号(5)で表した2枚以上のメッシュを以下の構成とした。
すなわち、下側に目開き104μm(150メッシュ)ステンレスメッシュを設置し、上側には、目開き20μmのナイロンメッシュを、ステンレスメッシュに密着して積層した。ナイロンメッシュに使用されている材質(ナイロン−66)の曲げ弾性率は2.7GPaである。
下側のステンレスメッシュが超音波振動子からの振動を直接受けるが、ナイロンメッシュがステンレスメッシュに密着して設置されているため、超音波振動が効率的に伝わり、分級対象の粒子はナイロンメッシュで分級される。
この振動ふるい機を用いて、ナイロンメッシュ上に、表2に示すキャリア製造例1で得られたキャリアAを1Kg/分の割合で供給し、芯材製造例3と全く同様にして、分級処理を行ないキャリアGを得た。
キャリアG粒度分布、SF1、SF2を表2に示す。
キャリアG分級における実験の後の目詰まりは1%未満であった。
<キャリア製造例8>
図1に示す振動ふるい機において、符号(5)で表される2層以上のメッシュ部に用いる2枚のメッシュとして、下側に目開き104μm(150メッシュ)ステンレスメッシュ、上側には、目開き32μmのポリエステルメッシュ(開孔率21%)を設置した。
キャリア製造例7で作成したキャリアGをキャリア製造例7と同様にして分級処理を行ない樹脂被覆キャリアHを得た。
キャリアG粒度分布、SF1、SF2を表2に示す。
キャリアH分級における実験の後の目詰まりは1%未満であった。
但し、粗粉側は除去されたキャリアであり、樹脂被覆キャリアFは円筒容器(2)内のステンレスメッシュ(5)下に捕集されたものである。
(現像剤の製造及び評価)
トナー製造例1で得たトナーIを10部と、キャリア製造例1〜製造例10で得られたキャリアA〜キャリアJを100部用いて、ミキサーで10分攪拌して現像剤を作成した。
得られた現像剤を用いて画像形成を行ない、その画像品質(地汚れ、粒状性)、およびキャリア付着余裕度試験を行った。
なお、画像はイマジオカラー4000(リコー製デジタルカラー複写機・プリンター複合機)を使用し、次の現像条件で作成した。
現像ギャップ(感光体−現像スリーブ):0.35mm
ドクターギャップ(現像スリーブ−ドクター):0.65mm
感光体線速度200mm/sec
(現像スリーブ線速度/感光体線速度)=1.80
書込み密度:600dpi
帯電電位(Vd):−600V
画像部(べた原稿)にあたる部分の露光後の電位(V1):−150V
現像バイアス:DC成分−500V/交流バイアス成分:2KHZ、
−100V〜−900V、50%duty
以下の画像形成の実施例において採用した試験方法は次のとおりである。
(1)ハイライト部の均一性:下記の式で定義された粒状度(明度範囲:50〜80)を転写紙上で測定し、その数値を下記のようにランクに置き換え表示した。
粒状度=exp(aL+b)∫(WS(f))1/2 VTF(f)df
L:平均明度
f:空間周波数(cycle/mm)
WS(f):明度変動のパワースペクトラム
VTF(f):視覚の空間周波数特性
a,b:係数
ランク
◎(大変良好) :0以上0.1未満
○(良好) :0.1以上0.2未満
△(使用可能) :0.2以上0.3未満
×不良(許容不可のレベル) :0.3以上
(2)地汚れ:画像上の地肌部の汚れを目視で評価した。表中記載の記号は、
◎:大変良好、
○:良好、
△:使用可能、
×:不良(×は許容不可のレベル)とした。
(3)キャリア付着:キャリア付着が発生すると、感光体ドラムや定着ローラーの傷の原因となり、画像品質の低下を招く。キャリア付着が発生しても、一部のキャリアしか紙に転写してこないため、感光体ドラム上から粘着テープで転写して評価した。
副走査方向に2ドットライン(100lpi/inch)の画像パターンを作成し、直流バイアス成分として、−400Vを印加して現像し、2ドットラインのライン間に付着したキャリアの個数(面積100cm)粘着テープで転写し、その個数を目視で観察して、評価を行った。
表3中の記号は以下のとおりである。
◎:大変良好
○:良好
△:(使用可能)
×:不良(許容不可のレベル)
(4)50Kラン後の地汚れ:
初期画像出しに使用したマゼンタトナーIを補給しながら画像面積率6%の文字画像チャートで5万枚のランニング評価を行なった。上記現像条件における地肌部の地汚れを前記(2)と同じ基準でランク評価した。
芯材製造例を表1に、キャリア製造例を表2に、各実施例、比較例における品質評価結果を表3に示す。
Figure 2007248960
Figure 2007248960
Figure 2007248960
本発明により、高画質で、特に粒状性が良く、キャリア付着の発生し難い、シャープな粒径分布の小粒径電子写真用キャリアを、効率よく製造する方法を提供することができ、高画質な電子写真二成分現像剤が得られる。
本発明における超音波発振器付きの振動ふるい機の説明構造図を示す。 本発明におけるキャリアの電気抵抗率の測定に用いる抵抗測定セルの斜視図示した図である。 現像剤の帯電量の測定方法を示した図である。 本発明の現像剤を用いた画像形成装置の1例を示す図である。 図4の画像形成装置における現像手段を説明する図である。 本発明の現像剤を用いた画像形成装置の他の1例を示す図である。 本発明のプロセスカートリッジ例の1例を示す図である。
符号の説明
1 振動ふるい機
2 円筒容器
3 スプリング
4 ベース
5 2層以上のメッシュ
6 共振リング
7 ケーブル
8 コンバータ(振動子)
9 リング状フレーム
11 セル
12a 電極
12b 電極
13 キャリア
14 ノズル
15 ケージ
16 キャリア
17 トナー
18 電位計
20 静電荷像担持体
21 トナー
23 キャリア
24a 駆動ローラ
24b テンションローラ
26 クリーニング前露光手段
32 帯電手段
33 露光手段
40 現像手段
41 磁気スリーブ
42 ハウジング
43 窓
44 ハウジング
45 トナー供給手段
46 ハウジング
47 攪拌手段
48 トナー攪拌手段
49 トナー供給ローラ
50 転写手段
60 クリーニング手段
61 クリーニングブレード
62 廃トナー収納手段
64 クリーニングブラシ
70 除電手段
80 画像受容媒体シート

Claims (32)

  1. キャリア用芯材の粒子の重量平均粒径Dwが22〜32μmで、かつ個数平均粒径Dpと重量平均粒径Dwの比Dw/Dpが1<Dw/Dp<1.20、20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が0〜7重量%、36μmより小さい粒子の含有量が90〜99.8重量%であり、形状係数SF1が100〜120、かつSF2が100〜120であることを特徴とする電子写真キャリア用芯材。
  2. キャリア粒子の重量平均粒径Dwが22〜32μmで、かつ個数平均粒径Dpと重量平均粒径Dwの比Dw/Dpが1<Dw/Dp<1.20、20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が0〜7重量%、36μmより小さい粒子の含有量が90〜99.8重量%であり、形状係数SF1が100〜120、かつSF2が100〜120であることを特徴とする電子写真用キャリア。
  3. 前記粒子の形状係数SF1が100〜115、かつSF2が100〜110であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真キャリア用芯材又は請求項2に記載の電子写真用キャリア。
  4. 前記粒子中の20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が0〜5重量%であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア。
  5. 前記粒子中の44μmより小さい粒子の含有量が98〜100重量%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア。
  6. 1000エルステッドの磁界を印加したときの磁化が、40〜150emu/gであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア。
  7. 前記キャリア粒子は、芯材磁性粒子上に樹脂被覆層を設けたものであることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  8. 前記樹脂被覆層は、0.03〜0.8μm厚のものであることを特徴とする請求項7に記載の電子写真用キャリア。
  9. 重量平均粒径Dwが22〜32μmで、かつ個数平均粒径Dpと重量平均粒径Dwの比Dw/Dpが1<Dw/Dp<1.20、20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が0〜7重量%、36μmより小さい粒子の含有量が90〜99.8重量%であり、形状係数SF1が100〜120、かつSF2が100〜120であるキャリア用芯材粒子からなり、超音波振動子を具備する発振器付きの振動ふるい機を用いて分級された電子写真キャリア用芯材であって、該振動ふるい機として、該超音波振動子上に少なくとも2枚のメッシュ材が密着して積層設置されてなるものを用い、該超音波振動子から下側のメッシュ材が受けた振動を上側のメッシュ材に伝えて、最上側のメッシュ材上に供給された電子写真用粗キャリア芯材粒子を分級する工程を経ることにより、得られたものであることを特徴とする電子写真キャリア用芯材。
  10. 重量平均粒径Dwが22〜32μmで、かつ個数平均粒径Dpと重量平均粒径Dwの比Dw/Dpが1<Dw/Dp<1.20、20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が0〜7重量%、36μmより小さい粒子の含有量が90〜99.8重量%であり、形状係数SF1が100〜120、かつSF2が100〜120であるキャリア粒子からなり、超音波振動子を具備する発振器付きの振動ふるい機を用いて分級された電子写真キャリアであって、該振動ふるい機として、該超音波振動子上に少なくとも2枚のメッシュ材が密着して積層設置されてなるものを用い、該超音波振動子から下側のメッシュ材が受けた振動を上側のメッシュ材に伝えて、最上側のメッシュ材上に供給された電子写真用粗キャリア粒子又は粗キャリア芯材粒子を分級する工程を経ることにより、得られたものであることを特徴とする電子写真用キャリア。
  11. 前記分級は、少なくとも2枚のメッシュ材として、目開きの小さなメッシュ材が上側に、目開きの大きなメッシュ材が下側に設置されたものが用いられたものであることを特徴とする請求項9に記載の電子写真キャリア用芯材又は請求項10に記載の電子写真用キャリア。
  12. 前記上側に設置された目開きの小さなメッシュ材の少なくとも一種類の材質の曲げ弾性率が1〜10GPaであることを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア。
  13. 前記振動ふるい機として、共振部材がメッシュ材に固定設置されたものが用いられ、超音波振動を該共振部材に伝達して共振させ、次いで最上側メッシュ材面に伝えられた分級する工程を経ることにより得られたものであることを特徴とする請求項9乃至12のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア。
  14. 前記分級が、粒径分布の微粉側および粗粉側の両方を分級し去るものであることを特徴とする請求項9乃至13のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア。
  15. 前記粒子の形状係数SF1が100〜115、かつSF2が100〜110であることを特徴とする請求項9乃至14のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア。
  16. 前記粒子中の20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が0〜5重量%であることを特徴とする請求項9乃至15のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア。
  17. 前記粒子中の44μmより小さい粒子の含有量が98〜99重量%であることを特徴とする請求項9乃至16のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア。
  18. 前記粒子は、1000エルステッドの磁界を印加したときの磁化が、40〜150emu/gであることを特徴とする請求項9乃至17のいずれかに記載の電子写真キャリア用芯材又は電子写真用キャリア。
  19. 前記キャリア粒子が磁性体粒子の表面に樹脂被膜を形成してなる粒子であることを特徴とする請求項10乃至18のいずれかに記載の電子写真用キャリア。
  20. 前記分級前に、磁性体粒子の表面に樹脂被膜を形成して該樹脂被膜粒子を得る工程を経て得られたものであることを特徴とする請求項19に記載の電子写真用キャリア。
  21. 請求項2乃至8のいずれかに記載の電子写真用キャリア又は請求項10乃至20のいずれかに記載の電子写真用キャリアと、トナーとから基本的になることを特徴とする電子写真用現像剤。
  22. 超音波振動子を具備する発振器付きの振動ふるい機を用いて電子写真キャリア用粒子を分級する方法であって、該振動ふるい機として、該超音波振動子上に少なくとも2枚のメッシュ材が密着して積層設置されてなるものを用い、該超音波振動子から下側のメッシュ材が受けた振動を上側のメッシュ材に伝えて、最上側のメッシュ材上に供給された該電子写真用キャリア粒子を分級することにより、重量平均粒径Dwが22〜32μmで、かつ個数平均粒径Dpと重量平均粒径Dwの比Dw/Dpが1<Dw/Dp<1.20、20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が0〜7重量%、36μmより小さい粒子の含有量が90〜99.8重量%であり、形状係数SF1が100〜120、かつSF2が100〜120である芯材粒子又はキャリア粒子を得ることを特徴とする電子写真用キャリア粒子の製造方法。
  23. 前記少なくとも2枚のメッシュ材として、目開きの小さなメッシュ材が上側に、目開きの大きなメッシュ材が下側に設置されたものを用いることを特徴とする請求項22に記載の電子写真キャリア用粒子の製造方法。
  24. 前記上側に設置された目開きの小さなメッシュ材の少なくとも一種類の材質の曲げ弾性率が1〜10GPaであることを特徴とする請求項22または23に記載の電子写真キャリア用粒子の製造方法。
  25. 前記振動ふるい機として、共振部材がメッシュ材に固定設置されたものを用い、超音波振動を該共振部材に伝達して共振させ、次いで最上側メッシュ材面に伝えることを特徴とする請求項22乃至24のいずれかに記載の電子写真キャリア用粒子の製造方法。
  26. 前記分級は、粒径分布の微粉側および粗粉側の両方を分級し去るものであることを特徴とする請求項22乃至25のいずれかに記載の電子写真キャリア用粒子の製造方法。
  27. 前記電子写真キャリア用粒子の形状係数SF1が100〜115、かつSF2が100〜110であることを特徴とする請求項22乃至26のいずれかに記載の電子写真用キャリア粒子の製造方法。
  28. 前記電子写真キャリア用粒子中の20μmより小さい粒径を有する粒子の含有量が0〜5重量%であることを特徴とする請求項22乃至27のいずれかに記載の電子写真用キャリア粒子の製造方法。
  29. 前記キャリア中の44μmより小さい粒子の含有量が98〜99重量%であることを特徴とする請求項22乃至28のいずれかに記載の電子写真用キャリア粒子の製造方法。
  30. 1000エルステッドの磁界を印加したときの該電子写真用キャリア粒子の磁化が、40〜150emu/gであることを特徴とする請求項22乃至29のいずれかに記載の電子写真用キャリア粒子の製造方法。
  31. 前記電子写真キャリア用粒子が磁性体粒子の表面に樹脂被膜を形成してなる粒子であることを特徴とする請求項22乃至30のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリア粒子の製造方法。
  32. 前記分級前に、磁性体粒子の表面に樹脂被膜を形成して該樹脂被膜粒子を得る工程を有することを特徴とする請求項22乃至31のいずれかに記載の電子写真現像剤用キャリアの製造方法。
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