JP2007248938A - 透過型スクリーン及びその製造方法及び背面投射型ディスプレイ装置 - Google Patents

透過型スクリーン及びその製造方法及び背面投射型ディスプレイ装置 Download PDF

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Kenichi Honda
健一 本多
Tadashi Nakai
正 中井
Daizo Yamazaki
大蔵 山崎
Takanori Oi
孝紀 大井
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Abstract

【課題】高透過率で、視野角特性に優れた透過型スクリーンを提供する。
【解決手段】入射された画像光を集光し拡散して透過させる光透過型の光拡散スクリーンにおいて、外光を吸収する立体遮光層6を備えた光透過性基板1と、遮光層開口部10に設けられた球面光拡散レンズ8と、遮光層傾斜部に形成された反射層7を備え、立体遮光層6のテーパ面上で入射光を全反射する反射層部と当該入射光を拡散する球面光拡散レンズ部との境界である臨界点位置が、立体遮光層6の底辺位置より光透過性平板基板1側に形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は背面投射型ディスプレイ装置の透過型スクリーン技術に関する。
近年大画面ディスプレイへの需要が高まっており、この中でも手軽に大画面表示が可能な背面投射型ディスプレイ装置21が期待されている。背面投射型ディスプレイ装置21は、CRT・液晶・マイクロミラーデバイスなどを画像源として用い、透過型スクリーン25の背面から画像光23を投射したディスプレイである。図5は、一般的な背面投射型ディスプレイ装置21の断面構造図である。発光して、画像を形成し、画像光23を発生させる画像源22より出射された画像光23を、背面ミラー24で反射させて、透過型スクリーン25に導く構成となっている。
透過型スクリーン25の模式図を図6に示す。透過型スクリーン25は、フレネルレンズ26と、光拡散スクリーン28により構成されている。画像光23は、透過型スクリーン25に到達した時、透過型スクリーン25に対して角度を持って入射する為、フレネルレンズ26に透過させることで、光拡散スクリーン28に対して垂直に入射させるようにする。光拡散スクリーン28は、入射した画像光23を、光を拡散させる構造を持つレンズ27によって左右方向に拡散させて、背面投射型ディスプレイ装置21の視野角を向上させる役割を持つ。このようにして、画像源22より投射された画像光23は、拡大されて透過型スクリーン25に投影される。しかし、実際には、光拡散スクリーン28の画像光出射面12より、外光29が入射し、光拡散スクリーン表面で乱反射するため、背面投射型ディスプレイ装置21のコントラストを著しく低下させてしまう。このため、光拡散スクリーン28は、外光29を吸収するために、黒色の立体遮光層2が設けられ、光を拡散させる役割を持つと同時に、光拡散スクリーン28の画像光出射面12より入射する外光29を、吸収する機能を持たせている。このように、背面投射型ディスプレイ装置21は、透過型スクリーン25によって、高視野角、高コントラストのディスプレイとなっている。
透過型スクリーン25の光拡散スクリーン28として、特許文献1に記載されている光拡散スクリーン28が考案されている。この構造を図7に示す。この方式は、光透過性基板1の上に、底辺が光透過性基板側にある、略三角形の断面形状をした、黒色の立体遮光層2が形成されており、立体遮光層2の露出した辺に、光の反射層7を設けている。この構造により、光拡散スクリーン28に入射した画像光23は、遮光層開口部10を直接通過するか、反射層7で反射されて、光拡散スクリーン28から出射される。光拡散スクリーン28に入射した外光29は、遮光層底部9に吸収されるため、乱反射を、大幅に低減できる。
図7の光拡散スクリーン28の、観察角度における光量を測定したものが、図8である。図8を見ると、特定の観察角度に画像光が集中することがわかる。この現象を、図9を用いて説明すると、光拡散スクリーン28を通過した画像光23は、遮光層開口部を直接通過する画像光30と、反射層を反射した画像光31が分離される。この分離された画像光により、特定の観察角度に画像光が集中してしまう。このため、この光拡散スクリーンを搭載した背面投射型ディスプレイの画像光をあらゆる角度から見た場合に、観察角度によって明暗部分が出来てしまう問題点があった。
そこで現在、特許文献2に代表される、補助拡散層を図7に取り付けた構造の光拡散スクリーン28がいくつか提唱されており、そのうち、図10の方式の検討が行われている。図10の光拡散スクリーン28の製造プロセスを、図11を用いて説明する。
光透過性基板1上に、黒色液状樹脂18を塗布し、略三角形状の溝がストライプ状に形成された遮光層転写金型17を、図11(a)のように押し付け、この状態で黒色液状樹脂18の硬化を行うと、図11(b)のような、遮光層開口部10をもった立体遮光層2が、光透過性基板1上に形成される。この光透過性基板1表面に、低屈折率透明液状樹脂を、立体遮光層2の厚さよりも薄く塗布すると、表面張力により、開口部に低屈折率透明液状樹脂でできた球面が形成される。この状態で、低屈折率透明液状樹脂を硬化すると、低屈折率透明樹脂層3が形成され、図11(c)のようになる。その上から高屈折率透明液状樹脂を塗布して、硬化することで、高屈折率透明樹脂層4が形成され図11(d)のようになる。
次に、図10の光拡散スクリーン28の機能について説明する。遮光層開口部10付近の低屈折率透明樹脂層3と高屈折率透明樹脂層4の境界部5には、球面光拡散レンズ8が形成されている。図12に、図10の光拡散スクリーンの光路図を示す。光拡散スクリーン28に入射した画像光23が、遮光層開口部10に直接入射した場合は、球面光拡散レンズ8の拡散作用により、一旦集光された後に拡散して、光拡散スクリーン28から出射され、遮光層開口部を直接通過する画像光30となる。また、光拡散スクリーン28に入射した画像光23が、反射層7へ入射した場合は、立体遮光層2が画像光23の入射角に対して臨界角以上となる傾斜を持っていると、低屈折率透明樹脂層3と高屈折率透明樹脂層4の境界部5で、スネルの法則により反射する。反射した画像光23は、遮光層開口部10の球面光拡散レンズ8により、一旦集光した後に拡散され、反射層を反射した画像光31となる。図10の光拡散スクリーン28の観察角度における光量を図13に示す。図8と図13を比較すると、特定の観察角度への画像光の集中が、大幅に改善されている。したがって、画像光の観察角度による明暗部分の差を補うことができ、あらゆる角度から見ても違和感のない透過型スクリーンを得ることができる。
実開昭56−134031号公報 特開2004−110002号公報
図10に示した従来の構成では、低屈折率透明樹脂層と高屈折率透明樹脂層の境界5への、画像光23の入射角度が、臨界角である部分を境に、入射光を全反射する反射層7と入射光を拡散する球面光拡散レンズ8に、機能がそれぞれ分かれる。なお、本明細書では、低屈折率透明樹脂層と高屈折率透明樹脂層の境界5において、入射光を全反射する機能を有する反射層部と入射光を拡散する機能を有する球面拡散レンズ部に機能が分岐する点を臨界点と呼ぶ。図14に、臨界点6付近の画像光23の光路を示す。光拡散スクリーンに入射した画像光23のうち、球面光拡散レンズ8に直接入射した画像光23で臨界点6から離れて球面拡散レンズ8の開口部側に入射した場合は、図14(a)に示すように、画像光23は、障害なく光透過性基板1を通過する。また、反射層7に入射した画像光23も、図14(b)に示すように、反射層7で全反射して臨界点6から離れて球面拡散レンズ8の開口部側に入射し障害なく光透過性基板1を通過する。しかし、球面光拡散レンズ8に直接入射した画像光23のうち、臨界点6に近い部分を通過する画像光23の光路は、図14(c)に示すように、光路中に立体遮光層2があるために、吸収されてしまう。このため、透過型スクリーンの透過光量が減少してしまい、背面投射型ディスプレイ21の輝度が低下するという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、臨界点付近の球面光拡散レンズに、直接入射した画像光が、立体遮光層にあたって吸収されてしまうことを防止することで、背面投射型ディスプレイの輝度を向上することが出来る透過型スクリーンを提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の光拡散スクリーンの製造方法は、入射された光線を集光し拡散して透過させる光透過型の光拡散スクリーンの製造方法において、
光透過性基板上に所定の間隔で並列している、断面形状が略三角形の立体遮光層を形成する工程と、前記立体遮光層間の光透過部の開口部に所定の凹みを形成するドライエッチング工程と、前記ドライエッチング工程後に前記光透過部の開口部に残存する残渣を除去する洗浄工程と、前記洗浄工程後に第1の屈折率の透明樹脂層を所定の厚さで塗布する第1の塗布工程と、前記第1の塗布工程後に第1の屈折率よりも高い第2の屈折率の透明樹脂材を前記立体遮光層と開口部を覆って塗布する第2の塗布工程と、を備え、前記第1の塗布工程にて、前記立体遮光層の間に形成される光透過部の開口部に球面光拡散レンズが形成されることを特徴としたものであり、光透過型スクリーンの光透過率を高めるとともに、拡散効果を高めることができる。
また、本発明の光拡散スクリーンは、入射された画像光を集光し拡散して透過させる光透過型の光拡散スクリーンにおいて、光透過性基板上に所定の間隔で並列し形成される断面形状が略三角形の立体遮光層と、前記立体遮光層間の光透過部の開口部をエッチングして得られる所定の凹みに第1の屈折率透明樹脂層を所定の厚みで塗布して形成される球面光拡散レンズと、前記立体遮光層と開口部を覆って第1の屈折率よりも高い第2の屈折率の透明樹脂層を塗布して形成される画像光入射面と、を備えることを特徴としたものである。
また、本発明の背面投射型ディスプレイ装置は、請求項5に記載の光拡散スクリーンを用いた背面投射型ディスプレイ装置であることを特徴としたものである。
本発明の透過型スクリーンによれば、臨界点が、遮光層底部よりも画像光出射面側にあるため、球面光拡散レンズに直接入射した画像光のうち、臨界点に近い部分を通過する画像光の光路上に、立体遮光層が存在しないために、立体遮光層に画像光が吸収されず、透過型スクリーンの透過光量を向上させることができる。
以下に、本発明の透過型スクリーンの実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
本発明は、図5に示す背面投射型ディスプレイ21に使用する透過型スクリーン25の光拡散スクリーンとして用いるものである。
図1は、図5、図6、図7において、透過型スクリーン25に用いる光拡散スクリーン28の断面構造図を示したものである。図1において、この光拡散スクリーン28は、光透過性基板1の上に、入射画像光23に対して、反射臨界角以上の角度を持ち、外光29の乱反射を抑制する断面が略三角形の形状の立体遮光層2が形成される。立体遮光層2は、入射画像光23が透過するために、立体遮光層2の間に遮光層開口部10が設けられる。
光透過性基板1の立体遮光層2の間に形成される遮光層開口部10には、球面光拡散レンズ8となる立体遮光層2の底部9より所定量の凹みが設けられる。立体遮光層2のテーパ部と遮光層開口部10とで構成される凹溝部を覆って低屈折率透明樹脂が塗布される事で、低屈折率透明樹脂層3が形成され、凹みが形成された遮光層開口部10に球面光拡散レンズ8が形成される。さらにその上面に、高屈折率透明樹脂を塗布することで、高屈折率透明樹脂層4が形成され、低屈折率透明樹脂層と高屈折率透明樹脂層の境界5が間に形成されている。
低屈折率透明樹脂層と高屈折率透明樹脂層の境界5で、遮光層開口部10付近には、入射光を全反射する機能を有する反射層部と入射光を拡散する機能を有する球面拡散レンズ部に機能が分岐する臨界点6が遮光層底部9より画像光出射面12側に存在し、臨界点6より画像光出射面12側は、球面光拡散レンズ8として作用し、臨界点6より画像光入射面11側は、反射層7として作用する。
図10に示す従来例の場合、光透過性基板1と低屈折率透明樹脂層3の境界が、光透過性基板1と遮光層底部9の境界と、同一平面上にあるために、球面光拡散レンズ8が、遮光層底部9より画像光入射面11側になる。よって、臨界点6は、必ず遮光層底部9より画像光入射面側に位置する。図1に示す本発明の光拡散スクリーンでは、光透過性基板にに所定量の凹みを形成し、球面光拡散レンズ8を、遮光層底部9より画像光出射面12側に配置することが出来る。したがって、臨界点6を遮光層底部9より画像光出射面12側に配置することが可能となる。
本実施例では、図2に示すように、ストライプ状に立体遮光層2が並び、立体遮光層2の断面が、略三角形状をしており、遮光層ピッチ13が90μm、遮光層底部幅14が60μm、遮光層高さ15が90μm、遮光層開口部幅16が30μmとなる形状を立体遮光層2の設計値とし、光拡散スクリーンの形態を構成した。
図1の光透過型スクリーンに用いる光拡散スクリーンの製造方法について、図3を使用して説明する。
まず、よく洗浄された光透過性基板1に、硬化する事のできる黒色液状樹脂18を塗布する。本実施例では、光透過性基板1には、正方形状の一辺が30mmのアクリル樹脂基板を用い、黒色液状樹脂18には、カーボンブラックを5wt%混合した型成型用の2液混合ウレタン樹脂溶液を用いた。次に、立体遮光層の形状とは凹凸が反転した遮光層転写金型17を準備し、図3(a)のように、硬化前の黒色液状樹脂18上に押し当て、上部より加圧した状態で黒色液状樹脂18を硬化させた。2液混合ウレタン樹脂溶液の場合、2種類の溶液を混合させて、数10分で反応硬化する為、2種類の溶液を混合後、すばやく光透過性基板1上に塗布して、遮光層転写金型17を押し当て、遮光層転写金型17の上部より加圧する必要がある。十分な硬化時間の後、遮光層転写金型17を取り除くと、図3(b)のように、光透過性基板1上に並列してストライプ状に立体遮光層2が形成される。
前記により完成した、立体遮光層2のついた光透過性基板1は、立体遮光層が形成されている側より見ると、遮光層開口部10に相当する部分には、立体遮光層2がなく、光透過性基板表面が露出した状態になる。この状態で、立体遮光層が形成されている側よりエッチングを行うと、光透過性基板1の遮光層開口部10がエッチングされ、光透過性基板1の遮光層開口部10に凹みができる。本実施例では、酸素プラズマドライエッチング装置(サムコ社RIE−200)を用いた。光透過性基板1をエッチングする際、立体遮光層2の露出表面もエッチングされてしまう。この為、遮光層転写金型17は、エッチングによって削られる分を考慮したうえで作製する必要がある。
設計値通りに作製した立体遮光層2が形成された光透過性基板1を、酸素プラズマドライエッチングした場合、光透過性基板材料であるアクリル樹脂と、立体遮光層材料であるウレタン樹脂の、ドライエッチングにおける選択比がほとんどないため、光透過性基板1に深さ10μmの凹みを作った場合、遮光層高さも10μm減少してしまい、また、遮光層幅は、6μm減少してしまう。このまま、透過型スクリーンを作製した場合、設計値に対して、遮光層底部の面積が減少してしまうために、外光の吸収面積が減少してしまい、背面投射型ディスプレイに取り付けたときに、コントラストが低下してしまう。
このため、立体遮光層2がエッチングされる量を考慮して、遮光層高さを100μm、遮光層幅を66μm、遮光層開口部幅が24μmとなるように、転写金型の形状を、変更して立体遮光層2を作製し、酸素プラズマドライエッチングを行ったところ、遮光層高さ90μm、遮光層底部幅60μm、遮光層開口部幅が30μmの立体遮光層2を得ることが出来た。凹み深さは、遮光層底部幅の半分以上の凹みにしようとすると、遮光層がエッチングで無くなるおそれがあるので、凹み深さは、遮光層底部幅の半分より浅くする必要がある。また、凹み深さは、後の工程で塗布する低屈折率透明樹脂層の厚さより薄い場合、遮光層開口部が低屈折率透明樹脂層でふさがってしまい、球面光拡散レンズを、遮光層底部9より画像光出射面12側にすることが出来ない。したがって、凹み深さは、低屈折率透明樹脂層の厚さよりも、深い必要がある。このため、凹み深さが10μmとなるように、ドライエッチングを行った。光透過性基板1の遮光層開口部10に、図3(c)のように、10μmの凹みを持つ光透過性基板を得ることが出来た。
ドライエッチングを終えた立体遮光層2付き光透過性基板1の表面には、エッチング時に発生する副生成物が堆積される。この副生成物が、遮光層開口部10に付着した場合、画像光透過率の低下や画像光の予期せぬ散乱の原因となるため、副生成物除去のために図3(d)のように、洗浄をする必要がある。立体遮光層2付き光透過性基板1表面を、中性洗剤中で洗浄ブラシ19を用いて擦る、いわゆる、ブラシ洗浄を行ったところ、電子顕微鏡観察により除去できていることが確認できた。
前記により、作製された光透過性基板1の立体遮光層が形成されている側より、低屈折率透明樹脂層3となる低屈折率透明硬化性樹脂を塗布する。今回は、低屈折率の透明紫外線硬化樹脂、エポテック社のOG134を用いた。低屈折率の透明紫外線硬化樹脂を溶剤で30wt%になるまで希釈し、立体遮光層が隠れる程度まで、スプレー法にて塗布を行った後、ホットプレート上で乾燥させて充分に溶剤を気化させ、紫外線硬化を行う。硬化前の溶剤乾燥工程時に、低屈折率の透明紫外線硬化樹脂は、表面張力により、自然にレンズ形状となり、図3(e)の形状となる。これにより、低屈折率透明樹脂層3が形成される。ところで、光をスネルの法則で反射させる場合、エバネッセント波と呼ばれる光の滲み出しが発生するが、光の滲み出し量は、波長程度であり、低屈折率層を波長以上の厚みにしなければ、反射は起こらないことが知られている。
このため、低屈折率透明樹脂層の厚さは、反射層部分で、可視光の最大波長である、800nm以上の厚みが必要である。さらに、遮光層開口部10が、低屈折率透明樹脂で埋まらないようにするには、低屈折率透明樹脂層の厚さが、反射層部分で、遮光層開口部幅の半分以下にしなければならない。今回は、低屈折率透明樹脂層の厚さが、反射層部分で、2μmとしている。
次に、高屈折率透明樹脂層4となる高屈折率の透明紫外線硬化性樹脂を、高屈折率透明樹脂層の高さ20が100μmとなるように、スプレー法にて塗布する。今回は、高屈折率の透明紫外線硬化樹脂ノーランド社のNOA―60を用いた。塗布の後、紫外線硬化を行い、図3(f)の形状の光拡散スクリーン28を作成する。以上の工程により、図1と図2に示す構造を有する光拡散スクリーンを製造する。
比較用として図10の構造をした、従来型光拡散スクリーン28も作製した。基本的には、図3に示す製造方法の工程から、エッチング工程と洗浄工程を除いたプロセスである。このプロセスを、図11をもちいて説明する。図11(a)のように黒色液状樹脂18を遮光層転写金型17をもちいて、立体遮光層形状を作り、黒色液状樹脂16を硬化させた後に、遮光層転写金型17を取ることで、図11(b)の形状を得る。次に、低屈折率透明硬化性樹脂を塗布・硬化することで、図11(c)の形状を得る。さらに、高屈折率透明硬化性樹脂を塗布・硬化することで、図11(d)の形状を得る。このプロセスは、エッチング工程が入らないため、遮光層転写金型17は、設計値どおりの立体遮光層が得られる物を用いた。また、洗浄工程は、エッチング工程が無く、副生成物が発生しないので、行わなかった。使用した樹脂材料は、すべて図1の光拡散スクリーンを作製した時と同じである。以上により、図10の構造をした、従来型の光拡散スクリーンを得た。
両スクリーンを、濁度計(日本電色工業社製 NDH2000)を用いて全光線透過率の測定を行い評価した。この測定器は、正面から試料に対して垂直に入射した光量を100%としたときに、どのくらいの光線が試料の裏面に透過するかを測定する装置である。
この結果を、図4に示す。図10に示す従来型の光拡散スクリーンの全光線透過率が43.1%であるのに対して、図1に示す本発明の光拡散スクリーンの全光線透過率は、45.0%であり、1.9%の透過率の向上が得られた。
以上により作製された、図1の光拡散スクリーンを取り付けた、透過型スクリーンを作製し、背面投射型ディスプレイを作製したところ、明るく、高視野角の、良好な背面投射型ディスプレイが得られた。
図5は、一般的な背面投射型ディスプレイ装置21の断面構造図を示すものであり、画像光23を発生させる画像源22より出射された画像光23を、背面ミラー24で反射させて、透過型スクリーン25に導く構成となっている。透過型スクリーン25の中の拡散スクリーンとして本発明の実施例1で説明して光拡散スクリーンを用いると、光透過率が良好で、拡散効果を向上した背面投射型ディスプレイ装置を実現できる。
本発明にかかる透過型スクリーンは、高光透過率を有し、背面投射型ディスプレイ等として有用である。
本発明の光拡散スクリーンの断面構造を模式的に示す図 本発明の光拡散スクリーンの概略斜視図 本発明の光拡散スクリーンの製造工程を説明するための図 本発明の光拡散スクリーンと従来の光拡散スクリーンの全光線透過率測定結果を示す図 背面投射型ディスプレイの断面構造を模式的に示す図 透過型スクリーンの断面構造を模式的に示す図 従来の光拡散スクリーンの断面構造を模式的に示す図 従来の光拡散スクリーンの観察角度における光量を示す図 従来の光拡散スクリーンの画像光路を説明するための図 従来の光拡散スクリーンの断面構造を模式的に示す図 従来の光拡散スクリーンの製造工程を模式的に説明するための図 従来の光拡散スクリーンの画像光路を説明するための図 従来の光拡散スクリーンの観察角度における光量を示す図 従来の光拡散スクリーンに入射した画像光の臨界点付近における画像光路を説明するための図
符号の説明
1 光透過性基板
2 立体遮光層
3 低屈折率透明樹脂層
4 高屈折率透明樹脂層
5 低屈折率透明樹脂層と高屈折率透明樹脂層の境界部
6 臨界点
7 反射層
8 球面光拡散レンズ
9 遮光層底部
10 遮光層開口部
11 画像光入射面
12 画像光出射面
13 遮光層ピッチ
14 遮光層底部幅
15 遮光層高さ
16 遮光層開口部幅
17 遮光層転写金型
18 黒色液状樹脂
19 洗浄ブラシ
20 高屈折率透明樹脂層の高さ
21 背面投射型ディスプレイ装置
22 画像源
23 画像光
24 背面ミラー
25 透過型スクリーン
26 フレネルレンズ
27 レンズ
28 光拡散スクリーン
29 外光
30 遮光層開口部を直接通過する画像光
31 反射層を反射した画像光

Claims (9)

  1. 入射された光線を集光し拡散して透過させる光透過型の光拡散スクリーンの製造方法において、
    光透過性基板上に所定の間隔で並列している、断面形状が略三角形の立体遮光層を形成する工程と、
    前記立体遮光層間の光透過部の開口部に所定の凹みを形成するドライエッチング工程と、
    前記ドライエッチング工程後に前記光透過部の開口部に残存する残渣を除去する洗浄工程と、
    前記洗浄工程後に第1の屈折率の透明樹脂層を所定の厚さで塗布する第1の塗布工程と、
    前記第1の塗布工程後に第1の屈折率よりも高い第2の屈折率の透明樹脂材を前記立体遮光層と開口部を覆って塗布する第2の塗布工程と、
    を備え、前記第1の塗布工程にて、前記立体遮光層の間に形成される光透過部の開口部に球面光拡散レンズが形成されることを特徴とする光拡散スクリーンの製造方法。
  2. 前記立体遮光層を形成する工程は、遮光層転写金型を用いて成型し、予め前記ドライエッチング工程でエッチングされる量を補完する形状に形成することを特徴とする請求項1に記載の光拡散スクリーンの製造方法。
  3. 前記立体遮光層のテーパ面上で入射光を全反射する反射層部と当該入射光を拡散する球面光拡散レンズ部との境界である臨界点位置が、前記立体遮光層の底辺位置より前記光透過性平板基板側に形成されることを特徴とする請求項1に記載の光拡散スクリーンの製造方法。
  4. 前記所定の凹みは、立体遮光層底部幅の半分より浅く、第1の屈折率の透明樹脂層の厚さより深いことを特徴とする請求項1に記載の光拡散スクリーンの製造方法。
  5. 前記所定の厚さは、800nmから遮光層開口部幅の半分以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の光拡散スクリーンの製造方法。
  6. 入射された画像光を集光し拡散して透過させる光透過型の光拡散スクリーンにおいて、
    光透過性基板上に所定の間隔で並列し形成される断面形状が略三角形の立体遮光層と、
    前記立体遮光層間の光透過部の開口部をエッチングして得られる所定の凹みに第1の屈折率透明樹脂層を所定の厚みで塗布して形成される球面光拡散レンズと、
    前記立体遮光層と開口部を覆って第1の屈折率よりも高い第2の屈折率の透明樹脂層を塗布して形成される画像光入射面と、
    を備えることを特徴とする光拡散スクリーン。
  7. 前記立体遮光層のテーパ面上で入射光を全反射する反射層部と当該入射光を拡散する球面光拡散レンズ部との境界である臨界点位置が、前記立体遮光層の底辺位置より前記光透過性平板基板側に形成されることを特徴とする請求項6に記載の光拡散スクリーン。
  8. 前記所定の凹みは、立体遮光層底部幅の半分より浅く、第1の屈折率の透明樹脂層の厚さより深いことを特徴とする請求項6に記載の光拡散スクリーン。
  9. 光透過型の光拡散スクリーンを備えた背面投射型ディスプレイ装置であって、前記光拡散スクリーンとして請求項5に記載の光拡散スクリーンを用いることを特徴とする背面投射型ディスプレイ装置。
JP2006073809A 2006-03-17 2006-03-17 透過型スクリーン及びその製造方法及び背面投射型ディスプレイ装置 Pending JP2007248938A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012005135A1 (ja) * 2010-07-07 2012-01-12 シャープ株式会社 光拡散シートおよび当該光拡散シートを備えた表示装置
JP2012159646A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Dainippon Printing Co Ltd 透過型曲面スクリーンの製造方法、及び表示装置の製造方法
JP2012159647A (ja) * 2011-01-31 2012-08-23 Dainippon Printing Co Ltd 透過型曲面スクリーンの製造方法、及び表示装置の製造方法

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