JP2007248739A - プロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】光変調装置を好適に冷却できかつ良好な画質が得られるプロジェクタを提供する。
【解決手段】プロジェクタは、吸気口、排気口およびこれら吸気口から排気口までに冷却空気の流路を形成する流路部を有した筐体と、筐体内に設けられたライトバルブ23R,23G,23Bおよびクロスダイクロイックプリズム24と、クロスダイクロイックプリズム24等を支持する熱伝導性材料からなるフレーム41とを具備している。ライトバルブ23R,23G,23Bはクロスダイクロイックプリズム24の各入射端面に熱伝達可能な状態で取り付けられている。フレーム41は、クロスダイクロイックプリズム24が熱伝達可能な状態で取り付けられる取付面部43と、取付面部43に一連に設けられたダクト44と、ダクト44の内部に設けられた放熱部45とを備えている。放熱部45にて、各ライトバルブ23R,23G,23Bの熱を放熱する。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数の色光を色光毎に画像情報に応じて変調する複数の光変調装置と、前記各光変調装置にて変調された各色光を合成する色合成光学装置とを備えたプロジェクタに関する。
従来、光源からのR,G,Bの3つの色光を色光毎に画像情報に応じて変調する3つの液晶パネル(光変調装置)、および、これら液晶パネルにて変調された3つの光束を合成して画像光を形成するクロスダイクロイックプリズム(色合成光学装置)を備えたプロジェクタが知られている。
このようなプロジェクタにおいては、光源からの色光を変調する際に各液晶パネルに熱が発生し、この熱により各液晶パネルの駆動に不具合が発生するという問題がある。
この問題に対して、従来、各液晶パネルに冷却空気を直接導入して、各液晶パネルを冷却する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、ケースの底面に設けられたシロッコファンにてケース内部に冷却空気を流入させ、この冷却空気を液晶パネルに向けて導入する。そして、当該冷却空気は、液晶パネルの表裏両面に沿って流れ、ケースの全面側に設けられた排気口より排気されるという構成が示されている。
特開2003−121931号公報(第15〜21頁、図13等参照)
しかしながら、特許文献1に記載の構成では、各液晶パネルに対して冷却空気を直接導入するため、冷却空気中に含まれる塵埃等が液晶パネルに付着してしまい、これにて、プロジェクタの画質が劣化してしまうおそれがあるという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、光変調装置を好適に冷却できかつ良好な画質が得られるプロジェクタを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明に係るプロジェクタは、複数の色光を色光毎に画像情報に応じて変調する複数の光変調装置と、前記各光変調装置にて変調された各色光を合成する色合成光学装置とを備えたプロジェクタであって、前記各光変調装置は、前記色合成光学装置に対して熱伝達可能な状態で取り付けられ、内部に前記各光変調装置および前記色合成光学装置を収容し、外部の空気を内部に導入する吸気口、および、内部の空気を外部に排気する排気口が形成され、前記吸気口から前記排気口に至り内部を冷却する冷却空気を流す流路部を有した筐体と、前記筐体の内部に取り付けられて、前記各光変調装置および前記色合成光学装置を支持する熱伝導性材料からなるフレームとを具備し、前記フレームは、前記色合成光学装置が熱伝達可能な状態で取り付けられると共に、前記各光変調装置および前記色合成光学装置を前記流路部から遮断する取付面部と、前記取付面部の前記色合成光学装置とは反対側に設けられ、前記流路部の少なくとも一部を構成するダクトと、前記流路部内部に露出し、前記取付面部に熱伝達可能な状態で設けられた放熱部とを備えていることを特徴とする。
このようなプロジェクタによれば、光変調装置を好適に冷却でき、かつ、良好な画質を得ることができる。
すなわち、各光変調装置は色合成光学装置に熱伝達可能な状態で取り付けられ、さらに、色合成光学装置はフレームの取付面部に熱伝達可能な状態で取り付けられている。このため、各光変調装置において発生した熱を、色合成光学装置および取付面部を介して放熱部まで伝達させることができ、放熱部にて冷却させることができる。しかも、フレームにおける取付面部と、ダクトと、放熱部とは熱伝導性材料にて一連に設けられているので、色合成光学装置に伝達された熱を高効率で放熱部より放熱させることができる。
さらに、取付面部にて各光変調装置および色合成光学装置を流路部から遮断しているので、各光変調装置および色合成光学装置に冷却空気中に含まれる塵埃等が付着することを防ぐことができる。これにより、当該塵埃等にてプロジェクタの画質が劣化してしまうことを防ぐことができ、プロジェクタの良好な画質が得られる。
本発明に係るプロジェクタでは、前記放熱部は、前記流路部内の流路に沿って延出する複数の板状のフィンを備えていることが好ましい。
このようなプロジェクタによれば、複数のフィンは流路部内の流路に沿って設けられているので、各光変調装置から色合成光学装置および取付面部を介して複数のフィンまで伝達された熱を、効率良く放熱することができる。したがって、各光変調装置を高効率で冷却できる。
本発明に係るプロジェクタでは、前記フレームには、前記筐体の前記吸気口に空気取入口が対向配置され、かつ、空気吐出口が前記ダクトに臨むシロッコファンが一体的に設けられていることが好ましい。
このようなプロジェクタによれば、フレームにシロッコファンを一体的に設けているので、シロッコファンのハウジング部にも各光変調装置からの熱が伝達され、当該各光変調装置からの熱を放熱部だけでなく当該ハウジング部でも放熱させることができる。したがって、各光変調装置の冷却効率をさらに向上できる。また、フレームの設置スペースが小さくて済み、プロジェクタの小型化を図ることができる。さらに、プロジェクタの製造時には、色合成光学装置等と、フレームと、シロッコファンとの筐体への組み付けを同時に行うことができる。そして、このようなシロッコファンが一体となったフレームは、例えばアルミダイキャスト法などにて形成できるので、フレームの量産化を図ることができる。したがって、プロジェクタの製造効率を向上でき、低コスト化を図ることができる。
本発明に係るプロジェクタでは、前記フレームには、前記筐体の前記吸気口に空気取入口が対向配置され、かつ、空気吐出口が前記ダクトに臨む軸流ファンが一体的に設けられていることが好ましい。
このようなプロジェクタによれば、軸流ファンより取り込んだ冷却空気を放熱部に直接導入することができるので、各光変調装置からの熱を放熱部により高効率で冷却できる。また、フレームに軸流ファンを一体的に設けているので、軸流ファンのハウジング部にも各光変調装置からの熱が伝達され、当該各光変調装置からの熱を放熱部だけでなく当該ハウジング部でも放熱させることができる。したがって、各光変調装置の冷却効率をさらに向上できる。さらに、プロジェクタの製造時には、色合成光学装置等と、フレームと、軸流ファンとの筐体への組み付けを同時に行うことができる。そして、このような軸流ファンが一体となったフレームは、例えばアルミダイキャスト法などにて形成できるので、フレームの量産化を図ることができる。したがって、プロジェクタの製造効率を向上でき、低コスト化を図ることができる。
本発明に係るプロジェクタでは前記フレームは、前記取付面部の面外方向に突出し、一端が前記ダクト内部に開口され、かつ、他端が前記筐体の前記排気口に接続される筒状に形成されて、外周面が前記色合成光学装置における各入射端面の間の部位に熱伝達可能に当接して設けられた冷却空気分岐部を備えていることが好ましい。
このようなプロジェクタによれば、流路部内における冷却空気の少なくとも一部を、冷却空気分岐部の内部に取り込んで流通させることができる。このため、各光変調装置の熱を放熱部より放熱できるのに加え、更に冷却空気分岐部を介して放熱できるようになるので、各光変調装置の冷却効果を著しく向上できる。特に、冷却空気分岐部は、色合成光学装置における各入射端面の間の部位に当接して設けられているので、各光変調装置の全体を満遍なく冷却することができる。しかも、冷却空気は各光変調装置とは遮断された状態で冷却空気分岐部の内部を流通するので、当該冷却空気が各光変調装置に付着することを防ぐことができる。このため、当該塵埃等にてプロジェクタの画質が劣化してしまうことを防ぐことができ、プロジェクタの良好な画質が得られる。
また、このような冷却空気分岐部が一体となったフレームは、単純な構造であるので製造が容易であり、さらに、例えばアルミダイキャスト法などにて形成できるので、高効率かつ低コストで製造できる。
本発明に係るプロジェクタでは、前記光変調装置の射出端面は前記色合成光学装置の入射端面に直接貼り付けられていることが好ましい。
このようなプロジェクタによれば、各光変調装置を色合成光学装置に直接貼り付けているので、各光変調装置で発生した熱を色合成光学装置側に良好に伝達させることができる。したがって、各光変調装置の冷却効率をさらに向上させることができる。
本発明に係るプロジェクタでは、前記光変調装置の入射側には入射側偏光板が設けられ、かつ、前記光変調装置の射出側には射出側偏光板が設けられ、前記射出側偏光板は、前記色合成光学装置の射出端面に直接貼り付けられていることが好ましい。
一般的に、射出側偏光板は、例えばポリビニルアルコール(PVA)などの樹脂材にて形成された偏光膜を備えており、各光変調装置の射出側と色合成光学装置の入射端面との間に配設されている。
本発明においては、各光変調装置と色合成光学装置の入射端面との間に熱伝導性を確保する必要があり、このような熱伝導性に劣る射出側偏光板を、各光変調装置と色合成光学装置との間に配設することは困難である。したがって、このような射出側偏光板を色合成光学装置における射出端面側に配設することで、各光変調装置と色合成光学装置との間の熱伝導性を確保することができ、かつ、射出側偏光板にて色合成光学装置にて形成した光学像より所定の方向の光のみを透過させることができる。これにより、各光変調装置を好適に冷却でき、かつ、良好な光学像を投影できる。
また、射出側偏光板には光学像を偏光する際に熱が発生する。ここで、上述のように偏光膜は樹脂材にて構成されているので、当該熱にて偏光膜が変形するなどの不具合が発生する問題があり、このため、射出側偏光板も冷却する必要がある。この点、本発明では、射出側偏光板を色合成光学装置における射出端面に直接貼着しているので、色合成光学装置およびフレームを介して射出側偏光板を高効率で冷却することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
(1)第1実施形態
(1-1)プロジェクタ1の概略構成
まず、本第1実施形態に係るプロジェクタ1の概略構成について、主として図1および2に基づいて説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタ1の概略構成を模式的に示した平面図であり、図2はその側断面図である。
図1において、1はプロジェクタであり、このプロジェクタ1は、光源から射出される光束を画像情報に応じて変調して光学像を形成し、形成した光学像をスクリーン(図示略)上に拡大投射するものである。このようなプロジェクタ1は、筐体10と、光学装置20と、制御基板30(図2参照)と、冷却ユニット40(図2参照)とを備えて構成されている。
なお、図1および2において図示は省略するが、筐体10内において、光学装置20、制御基板30、冷却ユニット40以外の空間には、プロジェクタ1の構成部材に電力を供給する電源ユニット等が配置される。
筐体10は、図2に示すように、光学装置20、制御基板30、冷却ユニット40を内部に収納配置する。
この筐体10において、前面には、後述する光学装置20における投射レンズ25の先端部分を外部に露出させるための円孔11が形成されている。また、筐体10の底面には外部の冷却空気を内部に導入するための吸気口12が設けられ、上面にはプロジェクタ1内部で加熱された空気を外部に排出するための複数の排気口13,14が設けられている。
制御基板30は、図2に示すように、光学装置20の上方側に配設されており、プロジェクタ1の全体の動作を制御する。具体的には、この制御基板30は、後述する光学装置20における各LEDモジュール21R,21G,21Bおよび各ライトバルブ23R,23G,23Bと、各種信号が送受信可能な状態で接続されている。そして、制御基板30は、外部から入力される画像信号に応じて、各LEDモジュール21R,21G,21Bを点灯させ、各ライトバルブ23R,23G,23Bに所定の光学像を形成させる。また、制御基板30は、後述する冷却ユニット40におけるシロッコファン46とも各種信号が送受信可能な状態で接続されており、光学装置20の駆動状態に応じてシロッコファン46の駆動を制御する。
(1-2)光学装置20の構成
次に、光学装置20の具体的な構成について、主として図1に基づいて説明する。
光学装置20は、光源から射出された光束を光学的に処理して画像情報に対応した光学像(カラー画像)を形成してスクリーン(図示略)上に拡大投射するものである。このような光学装置20は、図1に示すように、光源装置21と、均一照明光学系22と、光変調装置としての液晶ライトバルブ23と、色合成光学装置としてのクロスダイクロイックプリズム24と、投射レンズ25とを備えている。
なお、光源装置21および均一照明光学系22は、所定の照明光軸が設定されたライトガイド26(図中二点鎖線)内に、位置決め調整されて収納されている。
光源装置21は、R色光を射出するR色光用LED(Light Emitting Diode)モジュール21Rと、G色光を射出するG色光用LEDモジュール21Gと、B色光を射出するB色光用LEDモジュール21Bとで構成されている。これら各LEDモジュール21R,21G,21Bは、クロスダイクロイックプリズム24の側面三方にそれぞれ対向するように配設されて、それぞれ熱伝導性の部材にて形成された支持基台211に持固定されている。そして、各LEDモジュール21R,21G,21Bは、制御基板30と各種信号が送受信可能な状態で接続されており、制御基板30の制御により点灯し、均一照明光学系22に向けて光束を射出するようになっている。
このような各LEDモジュール21R,21G,21Bは、Si基板上に固体発光素子である複数のLED素子が配列形成されたものであり、各LED素子は、R色光、G色光、B色光を発するようにそれぞれ結晶の種類および添加物等を異ならせて形成されている。
なお、光源装置としては、上述したLEDモジュールに限らず、その他の構成、例えば、レーザダイオードや、有機EL(Electro Luminescence)素子、シリコン発光素子等の各種固体発光素子を採用してもよい。
均一照明光学系22は、図1に示すように、各LEDモジュール21R,21G,21Bの光路後段側にそれぞれ配設され、各LEDモジュール21R,21G,21Bから射出された各色光の面内照度を均一化して液晶ライトバルブ23に射出するものである。このような均一照明光学系22は、集光レンズ221と、PBS(偏向ビームスプリッタ)222と、ロッドインテグレータ223とを備えており、これら各光学部品は各LEDモジュール21R,21G,21Bの光路に沿って順に配設されている。
集光レンズ221は、各LEDモジュール21R,21G,21Bより射出された色光を集光するレンズである。
PBS222は、集光レンズ221にて集光された各色光光束を一方向の直線偏光(P偏光あるいはS偏光)に揃える偏光部材である。これら各PBS222は、各ロッドインテグレータ223の入射端面に一体的に取り付けられており、各PBS222にて偏光された各色光を各ロッドインテグレータ223へと直接導入するように構成されている。
ロッドインテグレータ223は、各PBS222より入射された各色光束を内部で反射を繰り返させて重畳させることにより、各色光の面内照度を均一化し、当該各色光束を射出端面より射出して液晶ライトバルブ23へと導入するように構成されている。これにて、各色光の照度(輝度分布)が均一化されて、クロスダイクロイックプリズム24にて形成される光学像に輝度ムラが生じなくなる。なお、ロッドインテグレータ223の代わりに、複数の小レンズがマトリクス状に配列されたレンズアレイ等を採用することもできる。
液晶ライトバルブ23は、図1に示すように、各LEDモジュール21R,21G,21Bに対応して、Rライトバルブ23Rと、Gライトバルブ23Gと、Bライトバルブ23Bとを備えて構成されている。これらライトバルブ23R,23G,23Bは、それぞれの射出端面がクロスダイクロイックプリズム24の3つの入射端面に直接貼り付けられており、熱伝達可能な状態となっている。
このようなライトバルブ23R,23G,23Bは、透過型の液晶パネルであり、それぞれ制御基板30と各種信号が送受信可能な状態で接続されている。そして、制御基板30からの駆動信号に基づいて、液晶セル(図示略)に封入された液晶分子の配列を変化させ、各ロッドインテグレータ223から射出された各色光を、それぞれ透過若しくは遮断することにより画像情報に応じて変調する。そして、当該変調した各光学像をクロスダイクロイックプリズム24に射出するように構成されている。
なお、各ライトバルブ23R,23G,23Bとクロスダイクロイックプリズム24との貼着方法に関しては、特に限定されない。例えば、熱伝導性および透光性に優れた熱硬化性接着剤あるいは紫外線硬化性接着剤により、各部同士を接着してもよい。また、例えば、熱伝導性および透光性に優れたゲル状体等を各部間に介装させ、各部同士を別の固定手段を用いて固定する構成としてもよい。
また、各ライトバルブ23R,23G,23Bの入射端面には入射側偏光板231が直接貼り付けられており、各入射側偏光板231と各ライトバルブ23R,23G,23Bとは熱伝達可能な状態となっている。
このような入射側偏光板231は、例えば、サファイアガラスまたは水晶等の透光性基板上に偏光膜が貼付された構成を有している。この偏光膜は、PVAにヨウ素を吸着・分散させてフィルム状とした後に、このフィルム状のものを一定方向に延伸し、さらに、延伸されたフィルムの両面にアセテートセルロース系のフィルムを接着剤で積層することにより形成されている。
そして、各入射側偏光板231は、各ロッドインテグレータ223より入射された光束のうち、PBS222で揃えられた光束の偏光軸と略同一方向の偏光光束のみ各ライトバルブ23R,23G,23Bに透過させ、その他の光束を吸収するように構成されている。
なお、各入射側偏光板231と各ライトバルブ23R,23G,23Bとの貼着方法に関しては、特に限定されない。例えば、熱伝導性および透光性に優れた熱硬化性接着剤あるいは紫外線硬化性接着剤により、各部同士を接着してもよい。また、例えば、熱伝導性および透光性に優れたゲル状体等を各部間に介装させ、各部同士を別の固定手段を用いて固定する構成としてもよい。
クロスダイクロイックプリズム24は、各ライトバルブ23R,23G,23Bから射出された色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成する光学素子である。このクロスダイクロイックプリズム24は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。これら誘電体多層膜は、互いに対向する各液晶ライトバルブから射出された各色光を反射し、投射レンズに対向する液晶ライトバルブから射出された色光を透過する。このようにして、各ライトバルブ23R,23G,23Bにて変調された各色光が合成されてカラー画像が形成される。
また、このクロスダイクロイックプリズム24の射出端面には、射出側偏光板241が直接貼り付けられており、射出側偏光板241とクロスダイクロイックプリズム24とが熱伝達可能な状態となっている。
このような射出側偏光板241は、サファイアガラスまたは水晶等の透光性基板上に偏光膜が貼付された構成を有している。この偏光膜は、上記した入射側偏光板231の偏光膜と同様に形成されている。このような射出側偏光板241により、クロスダイクロイックプリズム24にて形成されたカラー画像のうち、所定の偏光軸を有するカラー画像のみが透過して、投射レンズ25へと導入されるようになっている。
なお、射出側偏光板241とクロスダイクロイックプリズム24との貼着方法に関しては、特に限定されない。例えば、熱伝導性および透光性に優れた熱硬化性接着剤あるいは紫外線硬化性接着剤により、各部同士を接着してもよい。また、例えば、熱伝導性および透光性に優れたゲル状体等を各部間に介装させ、各部同士を別の固定手段を用いて固定する構成としてもよい。
投射レンズ25は、複数のレンズが組み合わされた組レンズとして構成される。そして、この投射レンズ25は、クロスダイクロイックプリズム24より射出され、かつ、射出側偏光板241を通過したカラー画像を、図示しないスクリーン上に拡大投射するように構成されている。
(1-3)冷却ユニット40の構成
次に、冷却ユニット40の具体的な構成について、主として図2および3に基づいて説明する。図3は、光学装置20および冷却ユニット40のそれぞれの要部を示すものであり、(A)は一の方向からの斜視図であり、(B)は他の方向からの斜視図である。
冷却ユニット40は、光学装置20における各ライトバルブ23R,23G,23B、入射側偏光板231、射出側偏光板241および各LEDモジュール21R,21G,21Bを、筐体10の外部から取り込んだ冷却空気で冷却するものである。このような冷却ユニット40は、図2に示すように、フレーム41と、光源用冷却流路部42とを備えて構成されている。
フレーム41は、例えばアルミニウムなどの熱伝導性材料にて形成され、各ライトバルブ23R,23G,23Bおよびクロスダイクロイックプリズム24等を支持した状態で筐体10の内部中央に取り付けられている。このようなフレーム41は、取付面部43と、ダクト44と、放熱部45と、シロッコファン46と、冷却空気取込部47と、冷却空気分岐部48とを備えており、各部が一体的に連結された構造となっている。
なお、このフレーム41は、ライトガイド26と共に、光学装置20の各光学部品の所定の照明光軸を設定する。
取付面部43は、図2および3に示すように、略矩形平板状に形成された部位であり、その上端面(図2参照)にはクロスダイクロイックプリズム24の下面(図2参照)が熱伝達可能な状態で取り付けられている。この状態では、取付面部43の外周縁を構成する4つの端部が、それぞれ、クロスダイクロイックプリズム24の下面の外周縁を構成する4つの端部のうち対向する端部と、略平行した状態となっている。
なお、この取付面部43とクロスダイクロイックプリズム24との取付方法に関しては、特に限定されない。例えば、熱伝導性に優れた熱硬化性接着剤あるいは紫外線硬化性接着剤を用いて、取付面部43とクロスダイクロイックプリズム24とを接着する構成としてもよい。また、例えば、取付面部43とクロスダイクロイックプリズム24との間に熱伝導性に優れたゲル状体等を介装させ、これら取付面部43とクロスダイクロイックプリズム24とを別の固定部材を介して連結固定する構成としてもよい。
ダクト44は、図3に示すように、一対の板状体441と、取付面部43の下面部とにて構成されている。一対の板状体441は、取付面部43におけるクロスダイクロイックプリズム24の射出端面と平面視で直交する両端部が、クロスダイクロイックプリズム24等の反対側(図2中下側)へ向けて延出した部位であり、互いに平行する状態で対向配置されている。
このようなダクト44は、本発明における流路部の一部を構成する。すなわち、ダクト44の下端面部は筐体10の底面に当接して設けられ、この状態で、ダクト44および筐体10の底面とにより断面矩形状の筒状の空間が形成される。そして、当該筒状の空間は、軸方向両端のうち投射レンズ25と対向する側(以下、上流側と称す)より冷却空気が流入されて、この冷却空気が当該軸方向に沿って流通する流路R1(図2中矢印)となる。
この流路R1とライトバルブ23R,23G,23Bおよびクロスダイクロイックプリズム24とは、取付面部43にて遮断されており、流路R1中の冷却空気はこれら光学部品側に流入しないようになっている。
放熱部45は、図3に示すように、略矩形板状の複数のフィン451を備えて構成されている。これら複数のフィン451は、ダクト44の内部において、取付面部43の下面から流路R1(図2参照)内部へと立ち上がる状態で一連に設けられ、ダクト44の内部に形成される流路R1中に露出されるようになっている。また、複数のフィン451は、ダクト44の一対の板状体441と略平行して設けられており、流路R1中における冷却空気の流れ方向に略沿う状態となっている。
ここで、上述した光学装置20において、各ライトバルブ23R,23G,23B、入射側偏光板231および射出側偏光板241は、クロスダイクロイックプリズム24および取付面部43を介して、複数のフィン451に熱伝達可能に接続されている。これにより、複数のフィン451を介して、各ライトバルブ23R,23G,23B、入射側偏光板231および射出側偏光板241にて発生した熱を、流路R1中の冷却空気にて冷却することが可能とされている。
シロッコファン46は、ダクト44内に冷却空気を導入する送風手段であり、ダクト44に隣接して一体的に設けられている。具体的には、シロッコファン46は、図3に示すように、ハウジング部461と、このハウジング部461の内部に設けられた回転部462とを備えている。
ハウジング部461は、ダクト44と平面視で隣接する位置、かつ、ダクト44の上流側端部に一連に設けられた略円筒状の部位であり、空気取入口となる開口端部が筐体10の吸気口12に対向配置されている。また、ハウジング部461の内周側面におけるダクト44の上流側に臨む部位には、図示しない空気吐出口が設けられており、この空気吐出口を介してダクト44の内部に冷却空気が流入するようになっている。そして、ハウジング部461には複数の取付孔463が設けられており、これら取付孔463を介してハウジング部461と筐体10とが図示しないねじなどにて連結されている。これにて、クロスダイクロイックプリズム24等が、フレーム41を介して筐体10に固定された状態となっている。
回転部462は、具体的には図示しないが、ファンと、このファンの中心部に連結されてハウジング部461の円筒軸と同軸で回転する回転軸と、この回転軸を駆動させる駆動部とを備えている。この駆動部は、制御基板30と各種信号が送受信可能な状態で接続されており、制御基板30の制御により、回転軸を介してファンを回転させる。これにより、筐体10の吸気口12からダクト44内に、冷却空気が導入されるようになっている。
冷却空気取込部47は、図3(B)に示すように、ダクト44の内部における一対の板状体441と複数のフィン451との間に設けられた略L字板状の部位であり、一対の板状体441に対応して一対で設けられている。この冷却空気取込部47は、取付面部43から流路R1内部へと立ち上がる状態に形成されて、それぞれの一端は一対の板状体441の端部とそれぞれ連結されている。これにより、冷却空気取込部47と一対の板状体441との内部には、流路R1の上流側が開口しかつ下流側が閉塞した空間が形成され、この空間に流路R1中の冷却空気の一部が取り込まれるようになっている。
冷却空気分岐部48は、図3に示すように、取付面部43から面外方向(図2中上方)へ向けて突出した、軸直交断面形状が三角形の筒状の部位である。この冷却空気分岐部48は、一対の冷却空気取込部47に対応してそれぞれ設けられている。そして、冷却空気分岐部48の基端側はダクト44の内部に開口されて、冷却空気取込部47の上記空間と連通している。また、冷却空気分岐部48の先端部は筐体10の排気口13(図2参照)に接続されている。
このような冷却空気分岐部48は、本発明における流路部の一部を構成する。すなわち、冷却空気分岐部48の内部は、流路R1の一部である冷却空気取込部47の上記空間内に連通し、当該空間から筐体10の外部へと冷却空気を流通させる流路R2となる。
そして、これら冷却空気分岐部48の外周面は、クロスダイクロイックプリズム24における各入射端面の間の部位に、それぞれ熱伝達可能な状態で当接して設けられている。これにて、冷却空気分岐部48を介して、各ライトバルブ23R,23G,23B、入射側偏光板231および射出側偏光板241にて発生した熱を、流路R2中の冷却空気にて冷却することが可能とされている。
なお、流路R2とライトバルブ23R,23G,23Bおよびクロスダイクロイックプリズム24とは、冷却空気分岐部48にて遮断されており、流路R2中の冷却空気はこれら光学部品側に流入しないようになっている。
光源用冷却流路部42は、図2に示すように、アルミニウムなどの熱伝導性材料にて例えばU字溝状に形成されて、一端がダクト44の排気側端部(図中左側端部)に連結されている。そして、光源用冷却流路部42の他端側は3方に分岐されて(図1参照)、筐体10の上面端部側にそれぞれ形成された排気口14へと接続されている。このような光源用冷却流路部42は、そのU字溝状の開口側端部が筐体10の内周面に当接する状態で設けられており、筐体10の内周面形状に沿って適宜曲折されている。これにて、光源用冷却流路部42と筐体10の内周面とで、ダクト44の排気側端部から筐体10の3つの排気口14へ向かって流通する冷却空気の流路R3が形成される。すなわち、光源用冷却流路部42は本発明における流路部の一部を構成し、以上において、本発明の流路部は光源用冷却流路部42と、ダクト44と、冷却空気分岐部48とで構成されている。
ここで、上述したように、光学装置20における各LEDモジュール21R,21G,21Bの各支持基台211は、熱伝導性を有する部材で構成されている。そして、各支持基台211は、光源用冷却流路部42の外周面の一部に熱伝達可能な状態で接続されている。なお、この接続方法に関しては、特に限定されない。例えば、各支持基台211と光源用冷却流路部42とを、熱伝導性に優れた熱硬化性接着剤あるいは紫外線硬化性接着剤により直接的に接着してもよい。また、例えば、各支持基台211を光源用冷却流路部42にねじなどの固定手段を用いて直接取り付けてもよい。さらに、例えば、熱伝導性に優れた部材を各支持基台211と光源用冷却流路部42との間に介装させてもよい。
このように、各LEDモジュール21R,21G,21Bは、各支持基台211を介して、光源用冷却流路部42に熱伝達可能に接続されている。これにより、各LEDモジュール21R,21G,21Bが駆動した際に発生した熱は、光源用冷却流路部42にて形成された流路R3内の冷却流体と熱交換されて、冷却されるようになっている。
(1-4)プロジェクタ1の動作
以上のような構成のプロジェクタ1の動作について説明する。
図1において、制御基板30の制御により、各LEDモジュール21R,21G,21BにてR色,G色,B色の各色光が発光されると、当該各色光は各集光レンズ221により集光されてPBS222に向けて射出される。そして、各PBS222にて偏光された各色光光束は、各ロッドインテグレータ223にて面内照度が均一化され、各入射側偏光板231へ向けて射出される。さらに、各ロッドインテグレータ223からの各色光光束は、各入射側偏光板231にて偏光された後、制御基板30による制御の下、各ライトバルブ23R,23G,23Bにて画像情報に応じて変調される。
この後、各ライトバルブ23R,23G,23Bから射出された色光毎に変調された光学像がクロスダイクロイックプリズム24に入射されて、各光学像はクロスダイクロイックプリズム24にて合成されてカラー画像が形成される。さらに、当該カラー画像は、クロスダイクロイックプリズム24より射出側偏光板241へ向けて射出されて、射出側偏光板241にて偏光された後、投射レンズ25にて図示しないスクリーン上に拡大投射される。
以上の光学装置20の動作において、各LEDモジュール21R,21G,21B、各入射側偏光板231、各ライトバルブ23R,23G,23B、および、射出側偏光板241には熱が発生し、これらの熱は冷却ユニット40にて冷却される。
すなわち、制御基板30の制御によりシロッコファン46が駆動され、図2中矢印Aに示すように、シロッコファン46の駆動により筐体10外部の冷却空気は吸気口12を介して筐体10の内部へと取り込まれる。そして、取り込まれた当該冷却空気は、ダクト44にて形成される流路R1へと流入する。この冷却空気により、複数のフィン451を介して、各ライトバルブ23R,23G,23B、入射側偏光板231および射出側偏光板241にて発生した熱が冷却される。また、この冷却の際には、流路R1中の冷却空気は当該光学部品側に流入しないので、当該光学部品に冷却空気中に含まれる塵埃等が付着することがない。
この後、流路R1内の冷却空気の一部は、冷却空気分岐部48にて形成される流路R2へと流入する。この冷却空気により、冷却空気分岐部48を介して、各ライトバルブ23R,23G,23B、入射側偏光板231および射出側偏光板241にて発生した熱が冷却される。また、この冷却の際には、流路R2中の冷却空気は当該光学部品側に流入しないので、当該光学部品に冷却空気中に含まれる塵埃等が付着することがない。そして、このようにして熱交換された後の加熱された空気は、図2中矢印Bに示すように、筐体10の排気口13を介して筐体10の外部へと排気される。
一方、流路R1内の冷却空気の残部は、光源用冷却流路部42にて形成される流路R3へと流入する。この冷却空気により、各支持基台211および光源用冷却流路部42を介して、各LEDモジュール21R,21G,21Bにて発生した熱が冷却される。その結果、各LEDモジュール21R,21G,21Bの発光効率の低下が防止される。そして、このようにして熱交換された後の加熱された空気は、図2中矢印Cに示すように、筐体10の排気口14を介して筐体10の外部へと排気される。
なお、各ライトバルブ23R,23G,23B、入射側偏光板231および射出側偏光板241で発生する熱は、各LEDモジュール21R,21G,21Bにて発生する熱に比べて低く、流路R1内においては冷却空気はさほど加熱されない。このため、流路R1の下流側となる流路R3内における冷却空気は低温のまま各支持基台211と対応する部位まで流通され、ここで各LEDモジュール21R,21G,21Bからの熱により強く加熱されることになる。したがって、1つのシロッコファン46による冷却気体の送風により、各ライトバルブ23R,23G,23B、入射側偏光板231、射出側偏光板241および各LEDモジュール21R,21G,21Bが高効率で冷却される。
(1-5)プロジェクタ1の効果
上述した、第1実施形態のプロジェクタ1によれば以下の効果を奏することができる。
(1-5-1)各ライトバルブ23R,23G,23Bをクロスダイクロイックプリズム24に直接貼り付け、さらに、クロスダイクロイックプリズム24を取付面部43に直接貼り付けている。このため、各ライトバルブ23R,23G,23Bにて発生した熱を、クロスダイクロイックプリズム24および取付面部43を介して、複数のフィン451にて高効率で冷却できる。また、取付面部43により各ライトバルブ23R,23G,23B等を流路R1から遮断しているので、当該光学部品に冷却空気中に含まれる塵埃等が付着することを防ぐことができる。これにより、当該塵埃等にてプロジェクタ1の画質が劣化してしまうことを防ぐことができ、プロジェクタ1の良好な画質が得られる。
(1-5-2)フレーム41にシロッコファン46を一体的に設けているので、シロッコファン46のハウジング部461にも各ライトバルブ23R,23G,23B等からの熱が伝達され、各ライトバルブ23R,23G,23B等からの熱を複数のフィン451だけでなくハウジング部461でも冷却できる。また、取付孔463を介してハウジング部461と筐体10とを連結するので、プロジェクタ1の製造時には、クロスダイクロイックプリズム24等と、フレーム41と、シロッコファン46との筐体10への組み付けを同時に行うことができる。さらに、シロッコファン46をダクト44と平面視で隣接する状態に設けているので、フレーム41の設置スペースが小さくて済み、プロジェクタ1の小型化を図ることができる。
(1-5-3)フレーム41に冷却空気取込部47および冷却空気分岐部48を設けているので、各ライトバルブ23R,23G,23B等の熱を複数のフィン451より放熱できるのに加え、更に冷却空気分岐部48を介して放熱できるようになるので、冷却効果を著しく向上できる。特に、冷却空気分岐部48は、クロスダイクロイックプリズム24における各入射端面の間の部位に当接して設けられているので、各ライトバルブ23R,23G,23Bの全体を満遍なく冷却することができる。しかも、冷却空気は各ライトバルブ23R,23G,23B等とは遮断された状態で冷却空気分岐部48の内部を流通するので、当該冷却空気が各ライトバルブ23R,23G,23B等に付着することを防ぐことができる。
(1-5-4)取付面部43と、ダクト44と、放熱部45と、シロッコファン46と、冷却空気取込部47と、冷却空気分岐部48とを備えたフレーム41を一体構造としている。このようなフレーム41は、例えばアルミダイキャスト法などにて形成できるので、フレーム41の量産化を図ることができる。したがって、プロジェクタ1の製造効率を向上でき、低コスト化を図ることができる。
(1-5-5)射出側偏光板241をクロスダイクロイックプリズム24における射出端面側に配設しているので、各ライトバルブ23R,23G,23Bとクロスダイクロイックプリズム24との間に射出側偏光板を設けなくて済む。このため、各ライトバルブ23R,23G,23Bとクロスダイクロイックプリズム24との間の熱伝導性を確保できる。また、射出側偏光板241をクロスダイクロイックプリズム24に直接貼り付けているので、クロスダイクロイックプリズム24およびフレーム41を介して射出側偏光板241を効率良く冷却できる。
(1-5-6)各ライトバルブ23R,23G,23Bの入射端面に各入射側偏光板231を直接貼着しているので、各入射側偏光板231で発生した熱をも合わせて冷却することができ、各入射側偏光板231の熱による損傷を防ぐことができる。また、各入射側偏光板231にも冷却空気が直接導入されないので、当該冷却空気が各入射側偏光板231に付着することを防ぐことができ、プロジェクタ1の良好なカラー画像が得られる。
(1-5-7)ダクト44の排気側端部に光源用冷却流路部42を設けて、光源用冷却流路部42および各支持基台211を熱伝達可能に接続しているので、光源用冷却流路部42および各支持基台211を介して各LEDモジュール21R,21G,21Bにて発生した熱を冷却できる。したがって、各LEDモジュール21R,21G,21Bの発光効率の低下を防止できる。また、1つのシロッコファン46による冷却気体の送風により、各ライトバルブ23R,23G,23B、入射側偏光板231、射出側偏光板241および各LEDモジュール21R,21G,21Bを効率良く冷却できる。結果として、装置の小型化および消費エネルギーの低減効果を図ることができる。
(2)第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態に係るプロジェクタ2について、図1および図4,5に基づいて説明する。図4は、本第2実施形態に係るプロジェクタ2の概略構成を模式的に示した側断面図である。図5は、本第2実施形態における光学装置20および冷却ユニット40Aのそれぞれの要部を示すものであり、(A)は一の方向からの斜視図であり、(B)は他の方向からの斜視図である。
なお、第2実施形態は、第1実施形態におけるシロッコファン46を軸流ファン49に置換したものであり、その他の構成は略同様である。したがって、以下においては、冷却ユニット40Aの構成を主に説明し、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付して説明を適宜省略する。
(2-1)冷却ユニット40Aの構成
冷却ユニット40Aは、第1実施形態の冷却ユニット40と略同様の構成であり、図4に示すように、フレーム41Aと、光源用冷却流路部42とを備えて構成されている。フレーム41Aは、取付面部43と、ダクト44と、放熱部45と、冷却空気取込部47と、冷却空気分岐部48と、軸流ファン49とを備えており、各部が一体的に連結された構造となっている。
軸流ファン49は、ダクト44内に冷却空気を導入する送風手段であり、ダクト44の下端面部に一体的に設けられている。具体的には、軸流ファン49は、図5に示すように、ハウジング部491と、このハウジング部491の内部に設けられた回転部492とを備えている。
ハウジング部491は、ダクト44と平面視で重なるように一連に設けられた略円筒状の部位であり、空気取入口となる一開口端部が筐体10の吸気口12に対向配置されている。また、ハウジング部491のダクト44に臨む他開口端部は空気吐出口(図示しない)とされ、この空気吐出口を介してダクト44内部に冷却空気が流入されるようになっている。そして、ハウジング部491には複数の取付孔493が設けられており、これら取付孔493を介してハウジング部491と筐体10とが図示しないねじなどにて連結されている。これにて、クロスダイクロイックプリズム24等が、フレーム41を介して筐体10に固定された状態となっている。なお、回転部492の構成は、上記した回転部462の構成と同様であるため説明を省略する。
(2-2)冷却構造の動作
以上のような構成のプロジェクタ2の動作について説明する。なお、このプロジェクタ2の動作も上記第1実施形態のプロジェクタ1の動作と略同様であるため、同様の動作については説明を適宜省略する。
制御基板30の制御により軸流ファン49が駆動され、図4中矢印Aに示すように、軸流ファン49の駆動により、筐体10外部の冷却空気はダクト44内部の流路R1へと流入する。この後、流路R1内の冷却空気の一部は、冷却空気分岐部48にて形成される流路R2へと流入し、熱交換後、図4中矢印Bに示すように、筐体10の排気口13を介して筐体10の外部へと排気される。このような流路R1およびR2中の冷却空気により、複数のフィン451および冷却空気分岐部48を介して、各ライトバルブ23R,23G,23B、入射側偏光板231および射出側偏光板241にて発生した熱が冷却される。また、この冷却の際には、各流路R1,R2中の冷却空気は当該光学部品側に流入しないので、当該光学部品に冷却空気中に含まれる塵埃等が付着することがない。
一方、流路R1内の冷却空気の残部は、光源用冷却流路部42にて形成される流路R3へと流入する。この冷却空気により、各支持基台211および光源用冷却流路部42を介して、各LEDモジュール21R,21G,21Bにて発生した熱が冷却される。熱交換された後の加熱された空気は、図4中矢印Cに示すように、筐体10の排気口14を介して筐体10の外部へと排気される。
(2-3)プロジェクタ2の効果
上述した、第2実施形態のプロジェクタ2によれば、上記第1実施形態の上記(1-5-1)および(1-5-3)〜(1-5-7)の効果に加えて、以下の効果を奏することができる。
(2-3-1)軸流ファン49を複数のフィン451と対向する位置に設けているので、軸流ファン49より取り込んだ冷却空気を複数のフィン451に直接導入することができる。したがって、各ライトバルブ23R,23G,23B等からの熱を複数のフィン451を介して高効率で冷却できる。また、フレーム41Aに軸流ファン49を一体的に設けているので、軸流ファン49のハウジング部491にも各ライトバルブ23R,23G,23B等からの熱が伝達され、各ライトバルブ23R,23G,23B等からの熱を複数のフィン451だけでなくハウジング部491でも冷却できる。そして、取付孔493を介してハウジング部491と筐体10とを連結するので、プロジェクタ1の製造時には、クロスダイクロイックプリズム24等と、フレーム41と、軸流ファン49との筐体10への組み付けを同時に行うことができる。
(3)実施形態の変形
以上、本発明の一実施形態を開示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明は、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
前記第1,2実施形態では、色合成光学装置として、3色(R色光、G色光、B色光)の光学像を合成するクロスダイクロイックプリズム24を例示したが、2色あるいは4色以上の光学像を合成する色合成光学装置であってもよい。このような場合でも、前記第1,2実施形態と同様に、光変調装置を好適に冷却できかつ良好な画質が得られるプロジェクタを提供できる。
前記第1,2実施形態では、光源用冷却流路部42と、ダクト44と、冷却空気分岐部48とで本発明の流路部を構成するとしたが、これに限らない。
例えば、本発明における流路部をダクト44のみで構成し、ダクト44の下流側端部を筐体の排気口まで延長する構造としてもよい。この場合、光源用冷却流路部42や冷却空気取込部47と、冷却空気分岐部48がないので部品点数が少なくて済み、フレームの製造効率を向上できる。
また、例えば、本発明における流路部をダクト44と、冷却空気分岐部48とで構成し、ダクト44内の全ての冷却空気を冷却空気分岐部48を介して筐体の外部に排気する構成としてもよい。この場合、ダクト内の全ての冷却空気が冷却空気分岐部48を通過するようになるので、光変調装置の冷却効率をより向上できる。
前記第1,2実施形態では、放熱部45に複数のフィン451を設けるとしたが、これに限らず、本発明の放熱部には例えばペルチェ素子などの冷却手段を設けてもよい。例えば、ペルチェ素子を設ける場合、ペルチェ素子を取付面部43に熱伝達可能に接続して流路内に露出させれば、前記第1,2実施形態と同様に、光変調装置を好適に冷却できかつ良好な画質が得られるプロジェクタを提供できる。
前記第1,2実施形態では、光源用冷却流路部42を設けて、各LEDモジュール21R,21G,21Bも合わせて冷却する構成としたが、これに限らない。
例えば、さらに電源ユニット等をも冷却可能なように流路部を形成してもよい。この場合、1つのシロッコファン46あるいは軸流ファン49による冷却気体の送風により、各ライトバルブ23R,23G,23B、入射側偏光板231、射出側偏光板241、各LEDモジュール21R,21G,21Bおよび電源ユニット等を効率良く冷却できる。結果として、装置の小型化および消費エネルギーの低減効果を図ることができる。
また、例えば、光源用冷却流路部42を設けずに、各LEDモジュール21R,21G,21Bは別の冷却手段にて冷却する構成としてもよい。この場合、各LEDモジュール21R,21G,21Bと、ライトバルブ23R,23G,23B、入射側偏光板231、射出側偏光板241とを別々に冷却できるようになるので、各光学部品をそれぞれの最適な条件で冷却できる。
前記第1,2実施形態では、光源用冷却流路部42やダクト44を略U字溝状に形成するとしたが、例えば、筒状など、冷却空気の流路を形成可能な形状であればいずれでもよい。また、光源用冷却流路部42の内部にも複数のフィンを設けてもよく、この場合、各LEDモジュール21R,21G,21Bの冷却効果をより向上できる。
前記第1,2実施形態では、冷却空気分岐部48を軸直交断面形状が三角形の筒状に形成するとしたがこれに限らず、当該断面形状は、クロスダイクロイックプリズム24における各入射端面の間の部位に当接可能な形状であればいずれでもよい。また、冷却空気分岐部48の内部にも複数のフィンを設けてもよく、この場合、各ライトバルブ23R,23G,23B等の冷却効果をより向上できる。
本発明の第1,2実施形態に係るプロジェクタの概略構成を模式的に示した平面図である。 前記第1実施形態に係るプロジェクタの概略構成を模式的に示した側断面図である。 前記第1実施形態における光学装置および冷却ユニットのそれぞれの要部を示すものであり、(A)は一の方向からの斜視図であり、(B)は他の方向からの斜視図である。 前記第2実施形態に係るプロジェクタの概略構成を模式的に示した側断面図である。 前記第2実施形態における光学装置および冷却ユニットのそれぞれの要部を示すものであり、(A)は一の方向からの斜視図であり、(B)は他の方向からの斜視図である。
符号の説明
1,2…プロジェクタ、10…筐体、12…吸気口、13,14…排気口、23(23R,23G,23B)…液晶ライトバルブ(光変調装置)、231…入射側偏光板、24…クロスダイクロイックプリズム(色合成光学装置)、241…射出側偏光板、41,41A…フレーム、42…光源用冷却流路部(流路部)、43…取付面部、44…ダクト(流路部)、45…放熱部、451…フィン、46…シロッコファン、48…冷却空気分岐部(流路部)、49…軸流ファン、R1〜R3…流路

Claims (7)

  1. 複数の色光を色光毎に画像情報に応じて変調する複数の光変調装置と、前記各光変調装置にて変調された各色光を合成する色合成光学装置とを備えたプロジェクタであって、
    前記各光変調装置は、前記色合成光学装置に対して熱伝達可能な状態で取り付けられ、
    内部に前記各光変調装置および前記色合成光学装置を収容し、外部の空気を内部に導入する吸気口、および、内部の空気を外部に排気する排気口が形成され、前記吸気口から前記排気口に至り内部を冷却する冷却空気を流す流路部を有した筐体と、
    前記筐体の内部に取り付けられて、前記各光変調装置および前記色合成光学装置を支持する熱伝導性材料からなるフレームとを具備し、
    前記フレームは、
    前記色合成光学装置が熱伝達可能な状態で取り付けられると共に、前記各光変調装置および前記色合成光学装置を前記流路部から遮断する取付面部と、
    前記取付面部の前記色合成光学装置とは反対側に設けられ、前記流路部の少なくとも一部を構成するダクトと、
    前記流路部内部に露出し、前記取付面部に熱伝達可能な状態で設けられた放熱部とを備えている
    ことを特徴とするプロジェクタ。
  2. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記放熱部は、前記流路部内の流路に沿って延出する複数の板状のフィンを備えている
    ことを特徴とするプロジェクタ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記フレームには、前記筐体の前記吸気口に空気取入口が対向配置され、かつ、空気吐出口が前記ダクトに臨むシロッコファンが一体的に設けられている
    ことを特徴とするプロジェクタ。
  4. 請求項1または請求項2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記フレームには、前記筐体の前記吸気口に空気取入口が対向配置され、かつ、空気吐出口が前記ダクトに臨む軸流ファンが一体的に設けられている
    ことを特徴とするプロジェクタ。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記フレームは、前記取付面部の面外方向に突出し、一端が前記ダクト内部に開口され、かつ、他端が前記筐体の前記排気口に接続される筒状に形成されて、外周面が前記色合成光学装置における各入射端面の間の部位に熱伝達可能に当接して設けられた冷却空気分岐部を備えている
    ことを特徴とするプロジェクタ。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記光変調装置の射出端面は前記色合成光学装置の入射端面に直接貼り付けられている
    ことを特徴とするプロジェクタ。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載のプロジェクタにおいて、
    前記光変調装置の入射側には入射側偏光板が設けられ、かつ、前記光変調装置の射出側には射出側偏光板が設けられ、
    前記射出側偏光板は、前記色合成光学装置の射出端面に直接貼り付けられている
    ことを特徴とするプロジェクタ。
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