JP2007248600A - 無端ベルト駆動装置、定着装置、及び、画像形成装置 - Google Patents
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【解決手段】内側に向けて起立するガイド部材22aを内周面の幅方向端部に具備した無端ベルト22と、無端ベルト22の外周面に当接してニップを形成する加圧部材と、無端ベルト22を張架する複数のローラ部材と、を備える。複数のローラ部材のうち少なくとも1つのローラ部材23は、幅方向端部に嵌設されるとともにローラ部材23と一体的に回転する嵌合部材23bと、嵌合部材23bに回動自在に保持されるとともにガイド部材22aに当接可能に配設された回動部材42と、を具備する。
【選択図】図5
Description
このような電磁誘導加熱方式の定着装置は、発熱体が電磁誘導によって直接的に加熱されるために、熱ローラ方式(ヒータランプ加熱方式)等の他方式のものに比べて熱変換効率が高く、少ないエネルギー消費で短い立ち上げ時間にて定着ベルトの表面温度(定着温度)を所望の温度まで昇温できるものとして知られている。
特に、定着装置に用いる無端ベルト駆動装置は、定着ベルトの外周面に当接してニップを形成する加圧ローラ(加圧部材)が設けられているために、加圧ローラと定着ベルト(定着補助ローラ)との平行度が高精度に設定されていないと大きなベルト寄りが生じやすくなっていた。そのために、特許文献2等に開示されているように、定着ベルトの内周面の幅方向両端部にガイド部材を設ける必要があった。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
図1において、1は画像形成装置としてのレーザープリンタの装置本体、3は画像情報に基いた露光光Lを感光体ドラム18上に照射する露光部、4は装置本体1に着脱自在に設置される作像部としてのプロセスカートリッジ、7は感光体ドラム18上に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する転写部、10は出力画像が載置される排紙トレイ、11、12は転写紙等の記録媒体Pが収納された給紙部、13は記録媒体Pを転写部7に搬送するレジストローラ、15は手差し給紙部、20は記録媒体P上の未定着画像を定着する電磁誘導加熱方式の定着装置を示す。
まず、露光部3(書込部)から、画像情報に基づいたレーザ光等の露光光Lが、プロセスカートリッジ4の感光体ドラム18上に向けて発せられる。感光体ドラム18は図中の反時計方向に回転しており、所定の作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程)を経て、感光体ドラム18上に画像情報に対応したトナー像が形成される。その後、感光体ドラム18上に形成されたトナー像は、転写部7で、レジストローラ13により搬送された記録媒体P上に転写される。
なお、図示は省略するが、プロセスカートリッジ4には、感光体ドラム18、感光体ドラム18上を帯電する帯電部、トナー(現像剤)が収容されていて感光体ドラム18上に形成された静電潜像を現像する現像部、感光体ドラム18上に残存する未転写トナーを除去するクリーニング部、等が一体的に設けられている。
まず、画像形成装置本体1の複数の給紙部11、12のうち、1つの給紙部が自動又は手動で選択される(例えば、最上段の給紙部11が選択されたものとする。)。なお、複数の給紙部11、12には、それぞれ、異なるサイズの記録媒体Pや、搬送方向の異なる同一サイズの記録媒体Pが、収納されている。
こうして、一連の画像形成プロセスが完了する。
図2に示すように、定着装置20は、主として、無端ベルト駆動装置、磁束発生手段としての誘導加熱部24、オイル塗布ローラ34、ガイド板35、分離板36、等で構成される。定着装置20の無端ベルト駆動装置は、定着補助ローラ21(ローラ部材)、支持ローラ23(ローラ部材)、定着ベルト22(無端ベルト)、加圧ローラ30(加圧部材)、駆動部(不図示である。)、等で構成される。
ローラ部材としての支持ローラ23は、主として、SUS304、SUS316等の非磁性金属材料からなる発熱層としての円筒部23a(図3及び図5を参照できる。)で構成されていて、定着ベルト22との摩擦抵抗によって図2の反時計方向に回転する。なお、支持ローラ23は、非磁性金属材料に、銅、銀、アルミニウム等の体積抵抗率が低い金属材料をメッキを施したものを用いることもできる。
ここで、コイル部25は、支持ローラ23に巻装された定着ベルト22の一部を覆うように、細線を束ねたリッツ線を幅方向(図2の紙面垂直方向である。)に延設したものである。コイルガイド27は、耐熱性の高い樹脂材料等からなり、コイル部25及びコア部26を保持する。コア部26は、フェライト等の透磁性の高い材料からなる。コア部26は、幅方向に延設されたコイル部25に対向するように設置されている。サイドコア26bは、コイル部25の端部に設置されている。センターコア26aは、コイル部25の中央に設置されている。
なお、本実施の形態においては、支持ローラ23内に内部コア28を設置している。これによって、コア部26と内部コア28との間に良好な磁界が形成されて、支持ローラ23及び定着ベルト22を効率よく加熱することができる。
定着ベルト22と加圧ローラ30とのニップの出口側には、記録媒体Pの搬送を案内するとともに記録媒体Pが定着ベルト22から分離するのを促進する分離板36が配設されている。
また、図示は省略するが、定着ベルト22上の幅方向中央部にはサーミスタ(又は、サーモパイル)が設置されていて、定着ベルト22上の表面温度(定着温度)を検知して定着温度の制御をおこなっている。
定着補助ローラ21の回転駆動によって、定着ベルト22は図2中の矢印方向に周回するとともに、支持ローラ23も定着ベルト22との摩擦抵抗によって反時計方向に回転して、加圧ローラ30も矢印方向に回転する。定着ベルト22は、誘導加熱部24との対向位置で加熱される。詳しくは、コイル部25に高周波の交番電流を流すことで、コア部26と内部コア28との間に磁力線が双方向に交互に切り替わるように形成される。このとき、支持ローラ23(発熱層)の表面に渦電流が生じて、支持ローラ23自身の電気抵抗によってジュール熱が発生する。このジュール熱によって、支持ローラ23に巻装された定着ベルト22が加熱される。なお、本実施の形態では、定着ベルト22自身も発熱層を有するために、定着ベルト22は支持ローラ23によって間接的に加熱される他に、定着ベルト22自身でも誘導加熱部24によって直接的に誘導加熱(電磁誘導加熱)されることになる。
詳しくは、先に説明した作像プロセスを経てトナー像Tを担持した記録媒体Pが、ガイド板35に案内されながら定着ベルト22と加圧ローラ30との間に送入される(矢印Yの搬送方向の移動である。)。そして、定着ベルト22から受ける熱と加圧ローラ30から受ける圧力とによってトナー像Tが記録媒体Pに定着されて、記録媒体Pは定着ベルト22と加圧ローラ30との間から送出される。
図3(A)及び図3(B)は、図2の定着装置20に設置された支持ローラ23を誘導加熱部24側から幅方向にみた図であって、内部に設置された内部コア28及び磁束遮蔽部材29の構成が理解容易になるように図示したものである。図3(B)は、内部コア28及び磁束遮蔽部材29を図3(A)の状態から所定角度回転させた状態を示した図である。
磁束遮蔽部材29は、厚さが1mm以上の銅等の良導体からなる。磁束遮蔽部材29は、その厚さが表皮深さ(材料の体積固有抵抗及び比透磁率と、誘導加熱部24の交番電流の周波数と、によって定まる。)よりも大きくなるように設定されていて、誘導加熱部24から定着ベルト22及び支持ローラ23に達する磁束を必要に応じて低下させることができる。すなわち、磁束遮蔽部材29は、定着ベルト22上の記録媒体Pの幅を超えた範囲で温度上昇が生じないように幅方向の加熱範囲を調整する機能を有している。
なお、内部コア28及び磁束遮蔽部材29の回転駆動は、内部コア28の支軸28aに連結されたステッピングモータ(不図示である。)によっておこなわれる。このステッピングモータは、定着補助ローラ21、定着ベルト22、支持ローラ23等を駆動する駆動部(不図示である。)とは別の駆動系となる。
このとき、図4の実線R1に示すように、定着ベルト22上の幅方向の定着温度分布は、幅L1の範囲で均一化される。このため、幅L1の記録媒体Pに対して良好な定着性が確保される。
なお、記録媒体Pの幅方向の大きさは、給紙部11、12、15に設置されたサイズ検知センサ(フォトセンサ)の検知結果や、操作部に入力された操作情報に基いて、制御部で判断される。このようなサイズ検知センサ等によって検知された幅方向範囲に基いて、磁束遮蔽部材29が駆動制御される。
図5は、内部コア28及び磁束遮蔽部材29が内設されて定着ベルト22が当接された支持ローラ23の幅方向端部の構成を詳細に示す断面図である。図5中の上方がセンターコア26aの位置になる。なお、図示は省略するが、支持ローラ23の他方の幅方向端部も、図5と同様に(線対称形に)構成されている。
なお、支軸28aは、軸受37を介して本体側板38(定着装置本体を構成する板金である。)に支持されている。また、支軸28aには、ベアリング32のスラスト方向の移動を規制する止輪50が設置されている。
そして、定着ベルト22が幅方向に移動(ベルト寄り)したときに、支持ローラ23のフランジ23bに保持された回動部材42に、定着ベルト2のガイド部材22aが当接することになる。これにより、定着ベルト22が一方の幅方向端部側に位置ずれ(図5の左側への移動である。)しそうになっても、他方の幅方向端部(図5に示す幅方向端部である。)に設けられたガイド部材22aが、ストッパとして機能する回動部材42に当接することで、定着ベルトの幅方向の移動が抑止される。
また、ガイド部材22aは、起立方向に対して傾斜する傾斜面22a1が形成されている。そして、回動部材42は、ガイド部材22aの傾斜面22a1に面接触するように形成されている。すなわち、回動部材42は、ガイド部材22aの傾斜面22a1の傾斜角度とほぼ等しい角度で傾斜する傾斜面が形成されている。これにより、ガイド部材22aと回動部材42との接触面積が大きくなり、ガイド部材22aが支持ローラ23の外周面に乗り上がろうとする移動エネルギーを回動部材42の回転エネルギーに変換しやすくなって、ガイド部材22aの乗り上げが防止される。
図2を参照して、本実施の形態のように加圧ローラ30を備えた無端ベルト駆動装置(定着装置20)では、定着補助ローラ21に対する加圧ローラ30の平行度のズレがあると、大きなベルト寄りが生じてしまう。これは平行度がズレることによって定着ベルト22に軸方向(幅方向)の力が加わるためである。
さらに、ベルト寄りは、ニップの位置における加圧ローラ30による押圧力や線速とも相関がある。すなわち、加圧ローラ30による押圧力が大きく、ニップ位置での線速が速いほど、加圧ローラ30の平行度のズレによるベルト寄りが顕著になる。
図6に示すように、駆動が開始されて一定時間の間は、定着ベルト22がほぼ一定速度で幅方向に移動する。そして、ガイド部材22aが支持ローラ23に突き当たる位置で定着ベルトの移動が停止する。この駆動開始直後に定着ベルト22が移動する速度(寄り速度)と定着ベルト22の乗り上げとは相関があって、寄り速度が所定値を超えると定着ベルト22の乗り上げが発生する。このときの乗り上げが発生しないギリギリの寄り速度を「乗上限界速度」と呼んでいる。
したがって、本実施の形態における定着装置によれば、従来の定着装置に比べて、乗上限界速度を約1.5倍にまで向上することが可能となって、定着ベルト22の乗り上げを確実に軽減することができる。
20 定着装置、 21 定着補助ローラ(ローラ部材)、
22 定着ベルト(無端ベルト)、 22a ガイド部材、
23 支持ローラ(ローラ部材)、 23a 円筒部、
23b フランジ(嵌合部材)、 23b1 爪部材(抜け止め部材)、
24 誘導加熱部(磁束発生手段)、 25 コイル部、 26 コア部、
26a センターコア、 26b サイドコア、 27 コイルガイド、
28 内部コア、 28a 支軸、 29 磁束遮蔽部材、
30 加圧ローラ(加圧部材)、 32 ベアリング、
37 軸受、 38 本体側板(定着装置本体)、
42 回動部材、 50 止輪。
Claims (10)
- 内側に向けて起立するガイド部材を内周面の幅方向端部に具備した無端ベルトと、
前記無端ベルトの外周面に当接してニップを形成する加圧部材と、
前記無端ベルトを張架する複数のローラ部材と、を備え、
前記複数のローラ部材のうち少なくとも1つのローラ部材は、幅方向端部に嵌設されるとともに当該ローラ部材と一体的に回転する嵌合部材と、前記嵌合部材に回動自在に保持されるとともに前記ガイド部材に当接可能に配設された回動部材と、を具備したことを特徴とする無端ベルト駆動装置。 - 前記回動部材は、その外径が前記少なくとも1つのローラ部材の外径と等しくなるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の無端ベルト駆動装置。
- 前記ガイド部材は、起立方向に対して傾斜する傾斜面を備え、
前記回動部材は、前記ガイド部材の前記傾斜面に面接触するように形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無端ベルト駆動装置。 - 前記回動部材及び前記嵌合部材は、互いの対向面の一部のみが接触面になるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の無端ベルト駆動装置。
- 前記嵌合部材は、前記回動部材の幅方向端部側への離脱を規制する爪部材を備え、
前記爪部材は、前記回動部材が弾性変形されて前記嵌合部材に装着されるように形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の無端ベルト駆動装置。 - 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の無端ベルト駆動装置を備えたことを特徴とする定着装置。
- 前記無端ベルトは、トナー像を加熱して記録媒体に定着させる定着ベルトであって、
磁束を発生させて前記定着ベルトを直接的又は間接的に加熱する磁束発生手段を備えたことを特徴とする請求項6に記載の定着装置。 - 前記複数のローラ部材のうち1つのローラ部材は、前記磁束発生手段によって誘導加熱される発熱層を備えたことを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
- 請求項6〜請求項8のいずれかに記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の無端ベルト駆動装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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