JP2007248593A - 電子鍵盤楽器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鍵盤を構成する各鍵に周波数特性の各周波数が相対するよう表示する。
【解決手段】 複数の鍵からなる鍵盤に近接して又は鍵盤に重ね合わせるように配設した表示手段に、前記各鍵に予め割り当て済みの各音高に各周波数を対応付けて、取得した楽音信号の周波数特性を表示させる。表示手段は前記各鍵に相対する表示領域を有することから、鍵盤を構成する各鍵と前記表示手段に表示される周波数特性における各周波数とは相対する。これによると、操作者は正確な周波数が分からなくても、表示されている楽音信号の周波数特性を参照しながら、馴染みある音高が予め割り当てられている鍵を操作するといった直感的な操作により、出力する楽音を好みの音に仕上げることができる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、所定の表示器に表示されるフィルタや楽音信号の周波数特性を参照しながら、フィルタ処理後における楽音信号の調整を行うことのできる電子鍵盤楽器に関する。
従来から、複数の鍵からなる鍵盤を具えた電子鍵盤楽器(所謂シンセサイザーなど)においては、操作者(演奏者)が出力する楽音を好みの音に仕上げることができるようになっており、そのための各種パラメータを操作者が適宜に設定し易いよう、設定対象とされた各種のパラメータに対応する情報を適宜の表示態様で表示することが可能なパネル表示器を具えている。パネル表示器に表示される情報としては、例えば音色・効果に関するパラメータ表示などの文字・数字による情報表示の他に、フィルタの周波数特性表示や楽音信号の周波数特性表示などのグラフによる情報表示などがある。これは、入力された楽音信号の周波数特性を変換するフィルタ処理を行ってその結果を出力することができる所謂イコライザ機能を搭載している場合に、操作者がパネル表示器に表示されるフィルタの周波数特性やフィルタ処理前又は/及びフィルタ処理後の楽音信号の周波数特性などのグラフ表示を参照しながら、中心周波数や利得あるいはQ値などの周波数特性変換のためのフィルタ制御に係るパラメータ(これを便宜的にフィルタ制御用パラメータと呼ぶ)を、予め本体パネルに設けられた実在する操作子あるいはパネル表示器に表示される擬似的な操作子を用いて適宜に設定することができるようにするためである。こうしたパネル表示器に表示されるフィルタや楽音信号の各周波数特性表示を参照しながら適宜に操作子を操作することで出力する楽音信号の周波数特性を変換することができる装置としては、例えば下記に示す特許文献1に記載されているイコライザなどがある。
特開2003−273677号公報
上述したように、従来の装置(イコライザなど)では、周波数軸を有したグラフ表示によりパネル表示器にフィルタや楽音信号の周波数特性を表示するようにしている。また、楽音信号の周波数特性を変換する各フィルタ毎に、フィルタ制御用パラメータを設定する専用の操作子が割り当てられている。したがって、操作者は多数ある操作子の中から制御したいフィルタに割り当てられている操作子を正しく選んで操作しないと、所望の楽音信号を得ることができない。しかし、楽音信号を周波数分析(スペクトル分析)した周波数特性表示に基づいて楽音信号を制御することは馴染みが薄いために、特に初心者はどの操作子をどのように操作すれば出力する楽音を好みの音に仕上げることができるのかが理解し難く、またこうした音質調整のための設定操作を素早く行うことが難しい、という問題点があった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、フィルタや楽音信号などの周波数特性を表示する際に、周波数軸を鍵盤を構成する多数の各鍵に相対するようにして表示するようにした電子鍵盤楽器を提供しようとするものである。
本発明の請求項1に係る電子鍵盤楽器は、複数の鍵からなる鍵盤を具えた電子鍵盤楽器において、前記鍵盤に近接して又は前記鍵盤に重ね合わされて配設されてなり、前記各鍵に相対する表示領域を有する表示手段と、楽音信号を取得する楽音信号取得手段と、前記取得した楽音信号の周波数特性を算出する周波数特性算出手段と、前記算出した楽音信号の周波数特性を表示するよう前記表示手段を制御する表示制御手段とを具え、前記表示制御手段は、前記楽音信号の周波数特性における各周波数を前記各鍵に予め割り当て済みの各音高に対応付け、少なくとも前記周波数を前記いずれかの鍵に一致させた状態で前記周波数特性を表示することを特徴とする。
本発明によると、複数の鍵からなる鍵盤に近接して又は鍵盤に重ね合わせるように配設した表示手段に、前記各鍵に予め割り当て済みの各音高に各周波数を対応付けて、取得した楽音信号の周波数特性を表示させる。表示手段は前記各鍵に相対する表示領域を有することから、鍵盤を構成する各鍵と前記表示手段に表示される周波数特性における各周波数とは相対する。これによると、操作者は正確な周波数が分からなくても、表示されている楽音信号の周波数特性を参照しながら、馴染みある音高が予め割り当てられている鍵を操作するといった直感的な操作により、出力する楽音を好みの音に仕上げることができる。
本発明の請求項2に係る電子鍵盤楽器は、複数の鍵からなる鍵盤を具えた電子鍵盤楽器において、前記鍵盤に近接して又は前記鍵盤に重ね合わされて配設されてなり、前記各鍵に相対する表示領域を有する表示手段と、楽音信号の周波数特性を変換するフィルタ処理を行うフィルタ手段と、前記フィルタ手段の周波数特性を取得する周波数特性取得手段と、前記取得したフィルタ手段の周波数特性を表示するよう前記表示手段を制御する表示制御手段とを具え、前記表示制御手段は、前記フィルタ手段の周波数特性における各周波数を前記各鍵に予め割り当て済みの各音高に対応付け、少なくとも前記周波数を前記いずれかの鍵に一致させた状態で前記周波数特性を表示することを特徴とする。これによると、操作者は表示されているフィルタ手段の周波数特性を参照しながら鍵を操作するだけで、該当するフィルタのフィルタ特性を制御することができる。
本発明の請求項3に係る電子鍵盤楽器は、複数の鍵からなる鍵盤を具えた電子鍵盤楽器において、前記鍵盤に近接して又は前記鍵盤に重ね合わされて配設されてなり、前記各鍵に相対する表示領域を有する表示手段と、楽音信号を取得する楽音信号取得手段と、前記取得した楽音信号の周波数特性を変換するフィルタ処理を行うフィルタ手段と、前記フィルタ手段の周波数特性を取得する周波数特性取得手段と、前記フィルタ手段によるフィルタ処理前又は/及びフィルタ処理後における前記楽音信号の周波数特性を算出する周波数特性算出手段と、前記取得したフィルタ手段の周波数特性及び前記算出した楽音信号の周波数特性を表示するよう前記表示手段を制御する表示制御手段とを具え、前記表示制御手段は、前記フィルタ手段の周波数特性及び前記楽音信号の周波数特性における各周波数を前記各鍵に予め割り当て済みの各音高に対応付け、少なくとも前記周波数を前記いずれかの鍵に一致させた状態で前記周波数特性を表示することを特徴とする。これによると、操作者は、表示されているフィルタ手段の周波数特性及び楽音信号の周波数特性を参照しながら、鍵を操作するといった直感的な操作により、フィルタ特性を制御しながら出力する楽音を好みの音に仕上げることができる。
この発明によれば、鍵盤を構成する多数の鍵毎に予め割り当て済みの音高に周波数を対応付けて、楽音信号の周波数特性又は/及びフィルタ手段の周波数特性を表示することから、操作者は該周波数特性の表示を参照しながら且つ表示に相対する鍵を適宜に操作するだけで、出力する楽音を好みの音に仕上げることができるようになる、という効果を奏する。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、この発明に係る電子鍵盤楽器の全体構成を示したハード構成ブロック図である。本実施例に示す電子鍵盤楽器は、マイクロプロセッサユニット(CPU)1、リードオンリメモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3からなるマイクロコンピュータによって制御される。CPU1は、この電子鍵盤楽器全体の動作を制御するものである。このCPU1に対して、データ及びアドレスバス1Dを介してROM2、RAM3、検出回路4,6、表示回路5,7、オーディオ入力インタフェース(I/F)8、音源回路9、効果回路10、外部記憶装置12、MIDIインタフェース(I/F)13および通信インタフェース(I/F)14がそれぞれ接続されている。更に、CPU1には、タイマ割込み処理(インタラプト処理)における割込み時間や各種時間を計時するタイマ1Aが接続されている。例えば、タイマ1Aはクロックパルスを発生し、発生したクロックパルスをCPU1に対して処理タイミング命令として与えたり、あるいはCPU1に対してインタラプト命令として与える。CPU1は、これらの命令に従って各種処理を実行する。
ROM2は、CPU1により実行される各種プログラムや各種データを格納するものである。RAM3は、CPU1が所定のプログラムを実行する際に発生する各種データを一時的に記憶するワーキングメモリとして、あるいは現在実行中のプログラムやそれに関連するデータを記憶するメモリ等として使用される。RAM3の所定のアドレス領域がそれぞれの機能に割り当てられ、レジスタやフラグ、テーブル、メモリなどとして利用される。鍵盤4Aは楽音の音高を選択するための複数の鍵を具えた演奏操作子であり、各鍵に対応してキースイッチを有しており、この鍵盤4Aは演奏者によるマニュアル(手弾き)演奏のために使用できるのは勿論のこと、当該電子鍵盤楽器で使用する音色・効果などの演奏パラメータやフィルタ制御用パラメータなどの各種パラメータを設定する設定手段などとして使用することもできる。特に本発明においてはイコライザ機能のオン時に、鍵盤表示器5Aに表示された操作者所望の周波数特性を参照しながら操作者が鍵盤4Aを構成するいずれかの鍵を押下操作することで、任意のフィルタ制御用パラメータ(例えば各フィルタの中心周波数、利得、Q値等)を直感的に設定することができるようにしている(詳しくは後述する)。検出回路4は、鍵盤4Aの各鍵の押圧及び離鍵を検出することによって検出出力を生じる。
鍵盤表示器5Aは、後述する図2(a)に示すように、鍵盤4Aの上方部(ここでは鍵盤4Aの根元部にあたる箇所)の本体パネル上に鍵盤4Aに近接するようにして配設されている、例えば一枚の大型パネル等からなるLCD(液晶)表示器あるいは複数の表示素子(例えばLED)を鍵の長手方向及び短手方向に1列に並べてなるLED群(表示体)を複数配設したLED表示器などの、ドットマトリクス型の表示器である。この鍵盤表示器5Aの表示領域は、鍵盤4Aを構成する複数の白鍵及び黒鍵の各鍵毎に相対されている。勿論、鍵盤表示器5Aは上記したような本体パネル上に構成するものに限らず、例えば半透明の部材で構成した鍵の内部にLCD表示器やLED表示器などを配置しておき、該LCD表示器やLED表示器で表示した周波数特性などが各鍵を透過するようにして鍵盤4Aの表面に現れるように構成してあってもよい(後述する図2(b)参照)。あるいは、各鍵の表面上に液晶や有機ELなどからなる薄い表示器を鍵盤表示器5Aとして埋め込むように構成してあってもよい。なお、このように鍵盤4Aと鍵盤表示器5Aとを重ね合わせるようにして配設した場合には、白鍵部分は勿論のこと黒鍵部分にも表示させるように構成してもよいし、黒鍵部分には表示させないように構成してもよい。
パネル操作子(スイッチ等)6Aはパネル本体上に配設された、例えば演奏パラメータを設定するパラメータ設定スイッチ、イコライザ機能をオン・オフするイコライザスイッチ、周波数特性を表示する対象を指定する特性表示スイッチ、フィルタ制御用パラメータを設定するスイッチなどの切り返し式や回転式あるいはスライダー式の操作子類である。フィルタ制御用パラメータを設定するスイッチとしては、例えばフィルタのカットオフ周波数や中心周波数を設定する周波数設定スイッチ、フィルタの通過域での利得を設定する利得設定スイッチ、フィルタのQ値を設定するQ値設定スイッチなどがある。勿論、パネル操作子6Aとしては上記したスイッチ以外にも、音高、音色、効果等を選択・設定・制御するために用いる数値データ入力用のテンキーや文字データ入力用のキーボード、あるいはパネル表示器7Aに表示される所定のポインティングデバイスを操作するために用いるマウスなどの各種操作子を含んでいてよい。検出回路6は、上記各スイッチの操作状態を検出し、その操作状態に応じたスイッチ情報をデータ及びアドレスバス1Dを介してCPU1に出力する。表示回路7は例えば液晶(LCD)表示パネルやCRT等から構成される公知のパネル表示器7Aに、演奏パラメータやの種類や設定状態、フィルタ制御用パラメータの種類や設定状態、あるいはCPU1の制御状態などを表示する。演奏者は該パネル表示器7Aに表示されるこれらの各種情報を参照することで、マニュアル演奏の際に使用する各種演奏パラメータの設定やイコライザ機能のオン時におけるフィルタ制御用パラメータの設定などを容易に行うことができる。
オーディオ入力インタフェース(I/F)8は図示しないアナログ・デジタルコンバータを具え、当該電子鍵盤楽器とは別構成である独自に楽音信号を発生することが可能な外部のオーディオ装置8Aから適宜に入力されるアナログの楽音信号をデジタル信号に変換し、イコライザ機能を受け持つ効果回路10へ該デジタル信号を出力するものである。すなわち、楽音信号を当該電子鍵盤楽器に入力できる機器であればどのようなものであってもよく、例えばマイク等の音声入力機器などであってもよい。音源回路9は複数のチャンネルで楽音信号の同時発生が可能であり、データ及びアドレスバス1Dを経由して与えられた、演奏者による鍵盤4Aの操作に応じて発生される、あるいは自動演奏用の演奏データの再生に応じて発生される各種演奏情報を入力し、これらの演奏情報に基づいて楽音信号を発生する。音源回路9から発生された楽音信号は、効果回路10を介して効果付与や音質又は音場変換されてアンプやスピーカなどを含むサウンドシステム11から発音される。
効果回路10は周波数特性変換を実現するフィルタを含んでなり、この実施例ではデジタルの音声データやオーディオデータ等の楽音信号の入力を音源回路9やオーディオ入力インタフェース8から受け、入力された楽音信号に対して各フィルタによるフィルタ処理を施すことによって周波数特性を変換して出力する公知のイコライザ機能を有するものである。イコライザ機能のオン時には各フィルタの周波数特性だけでなく、楽音信号を解析してその解析結果である楽音信号の周波数特性を鍵盤表示器5Aに表示することができる。この周波数特性の解析と表示は、フィルタ処理前の楽音信号(入力信号)とフィルタ処理後の楽音信号(出力信号)のどちらかを選択して行うことができる(詳しくは後述する図3参照)。また、このようなイコライザ機能は専用のハードウェア(フィルタ)によって構成することができるが、必ずしもハードウェアで構成することなく、CPU1上で動作する上記したような周波数特性を変換する処理を行うソフトウェアプログラムを実行することによっても実現することができる。なお、前記音源回路9と効果回路10とサウンドシステム11の構成には、従来のいかなる構成を用いてもよい。例えば、音源回路9はFM、PCM、物理モデル、フォルマント合成等の各種楽音合成方式のいずれを採用してもよく、また専用のハードウェアで構成してもよいし、CPU1によるソフトウェア処理で構成してもよい。
外部記憶装置12は、自動演奏用の演奏データなどの各種データ、CPU1が実行する各種制御プログラム等の制御に関するデータなどを記憶する。なお、上述したROM2に制御プログラムが記憶されていない場合には、この外部記憶装置12(例えばハードディスク)に制御プログラムを記憶させておき、それをRAM3に読み込むことにより、ROM2に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU1にさせることができる。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。なお、外部記憶装置12はハードディスク(HD)に限られず、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD‐ROM・CD‐RAM)、光磁気ディスク(MO)、あるいはDVD(Digital Versatile Disk)等の着脱自在な様々な形態の外部記憶媒体を利用する記憶装置であればどのようなものであってもよい。あるいは、フラッシュメモリなどの半導体メモリのようなものであってもよい。
MIDIインタフェース(I/F)13は、外部接続された他のMIDI機器13A等からMIDI形式の演奏データ(MIDIデータ)を当該電子鍵盤楽器へ入力したり、あるいは当該電子鍵盤楽器からMIDI形式の演奏データ(MIDIデータ)を他のMIDI機器13A等へ出力するためのインタフェースである。他のMIDI機器13Aは演奏者による操作に応じてMIDIデータを発生する機器であればよく、鍵盤型、弦楽器型、管楽器型、打楽器型、身体装着型等どのようなタイプの操作子を具えた(若しくは、操作形態からなる)機器であってもよい。なお、MIDIインタフェース13は専用のMIDIインタフェースを用いるものに限らず、RS-232C、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、IEEE1394(アイトリプルイー1394)等の汎用のインタフェースを用いてMIDIインタフェース13を構成するようにしてもよい。この場合、MIDIイベントデータ以外のデータをも同時に送受信するようにしてもよい。MIDIインタフェース13として上記したような汎用のインタフェースを用いる場合には、他のMIDI機器13AはMIDIイベントデータ以外のデータも送受信できるようにしてよい。勿論、演奏データのデータフォーマットはMIDI形式のデータに限らず他の形式であってもよく、その場合はMIDIインタフェース13と他のMIDI機器13Aはそれにあった構成とする。
通信インタフェース(I/F)14は、例えばLANやインターネット、電話回線等の有線あるいは無線の通信ネットワークXに接続されており、該通信ネットワークXを介してサーバコンピュータ14Aと接続され、当該サーバコンピュータ14Aから制御プログラムあるいは各種データなどを電子鍵盤楽器側に取り込むためのインタフェースである。すなわち、ROM2や外部記憶装置12(例えば、ハードディスク)等に制御プログラムや各種データが記憶されていない場合には、サーバコンピュータ14Aから制御プログラムや各種データをダウンロードするために用いられる。こうした通信インタフェース14は、有線あるいは無線のものいずれかでなく双方を具えていてよい。
なお、上述した電子鍵盤楽器は鍵盤4Aやパネル表示器7Aあるいは音源回路9などを1つの装置本体に内蔵したものに限らず、それぞれが別々に構成され、MIDIインタフェースや各種ネットワーク等の通信手段を用いて各装置を接続するように構成されたものであってもよいことは言うまでもない。さらに、本発明は電子鍵盤楽器の形態に限らず、鍵盤を有するものであれば、例えばパーソナルコンピュータやカラオケ装置やゲーム装置、携帯電話やPDA等の携帯型通信端末など、どのような形態の装置・機器に適用してもよい。また、電子的に楽音を発生する電子鍵盤楽器に限らず、打弦機構を有する機械式ピアノに適用してもよい。このような場合には、機械的に発生した音をマイク等で集音し、該集音した音に対してフィルタ処理を行い周波数特性を変換するようにするとよい。携帯型通信端末のように、通信ネットワークに接続されるものは端末のみで機能が完結している必要はなく、楽音信号をサーバコンピュータからダウンロードあるいはストリーミング再生で受信するのにも適している。
ここで、鍵盤表示器5Aに表示する周波数特性表示の具体的な表示例について、図2を用いて説明する。図2は、鍵盤表示器5Aによる周波数特性表示の一実施形態を模式的に示した概念図である。図2(a)は鍵盤4A上方部の本体パネル上に鍵盤表示器5Aを配設した場合における周波数特性表示の一実施形態を示すものであり、図2(b)は鍵盤4Aと鍵盤表示器5Aとを重ね合わせて配設した場合における周波数特性表示の一実施形態を示すものである。
鍵盤表示器5Aは、鍵盤4Aの各鍵の全てを少なくとも長手方向(図2における左右方向)においてカバーできるだけの表示領域を持つ大きさに構成してあり、フィルタの周波数特性F2(図中において点線で示す)や、フィルタ処理前の入力楽音信号又はフィルタ処理後の出力楽音信号の周波数特性F1を表示することができる。図2に示すような鍵盤表示器5Aに表示される周波数特性は、縦軸にパワー値や利得(ゲイン)など音の強さ(db:デシベル)を表し、横軸に周波数(Hz:ヘルツ)を表している。こうした周波数特性の表示については、鍵盤4Aの操作に応じて複数フィルタのうち任意のフィルタの周波数特性F2を適宜に切り替えながら常時表示させておくことができると共に、特性変換スイッチ等の操作に応じて入力又は出力いずれかの楽音信号の周波数特性F1を適宜に切り替えながら任意に表示させることができる。そして、これらの各周波数特性は同一の周波数軸上に表示されるのであるが、この周波数軸は鍵盤4Aに予め割り当てられている音高(ここでは、基準としてA4(音名)=440Hz)にあわせてある。楽音信号の周波数特性又はフィルタの周波数特性を、周波数軸を各鍵に対応させながら鍵盤表示器5Aに表示する処理については後述することから、ここでの詳細な説明は省略する(後述する図4又は図5参照)。そして、操作者が鍵を押下操作するたびに、対応する周波数の音の強さや中心周波数あるいはQ値などが変更されたうえでフィルタ処理され、それにあわせて鍵盤表示器5Aに表示中の周波数特性の表示も更新されるようになっている。
なお、複数フィルタのいずれのフィルタもカバーしていない、つまりフィルタ処理による周波数特性変換ができない範囲外の箇所(周波数)については、その箇所に対応する周波数特性を鍵盤表示器5Aに表示しないようにしてもよい。あるいは、表示してもよいがその箇所の表示態様を周波数特性を変換可能な箇所の表示と異ならせるように表示して、操作者にフィルタ処理による変換が可能な範囲外であることを示すようにするとよい。
なお、図2では1チャンネル分の入力又は出力楽音信号の周波数特性を表示する場合を例に示しているが、複数チャンネルで構成される楽音信号の周波数特性を表示する場合には各チャンネル毎に周波数特性を表示するようにするとよい。この場合には、表示させたい1乃至複数のチャンネルを操作者が任意に選択できるようにすればよく、また複数のチャンネルを同時に表示させる場合には各チャンネルを色分けするなどして各チャンネル毎の周波数特性が区別できるよう表示させるとよい。
なお、鍵盤表示器5Aには各周波数毎にパワー値や利得(ゲイン)などを表示することに限らず、位相特性などを表示するようにしてもよい。また、周波数特性以外を表示できるようにしてよいことは言うまでもない。
次に、楽音信号の周波数特性又はフィルタの周波数特性における各周波数を各鍵に対応させながら鍵盤表示器5Aに表示しておき、操作者が該表示を参照しながら表示に相対する各鍵を適宜に押下することに基づき、対応するフィルタの特性変更パラメータが設定される、イコライザ機能を実現する「イコライザメイン処理」について、図3を用いて説明する。図3は、「イコライザメイン処理」の一実施例を示すフローチャートである。当該処理は電子鍵盤楽器本体の電源投入にあわせて開始されて、本体の電源が切断されるまで繰り返し実行される処理である。この処理を繰り返す間隔としては、操作者にとって遅れが感じられない程度の時間間隔であればどのような間隔であってもよく、例えば3ミリ秒間隔などである。
ステップS1は、初期化を行う。ここでの初期化としては、例えば前回起動時において設定された演奏パラメータや特性変換パラメータなどをクリアしてデフォルト状態に再設定するなどである。ステップS2は、パネル操作子6Aの操作に応じて設定を変える。例えば、以下に示すような元音信号(フィルタ処理前の入力楽音信号)の周波数分析結果を表示する設定、出力音信号(フィルタ処理後の出力楽音信号)の周波数分析結果を表示する設定、フィルタの周波数特性を表示する設定、フィルタの周波数特性を変更する設定(つまり、イコライザ機能オン設定)などがある。ステップS3は、上記パネル設定に伴い元音信号の周波数分析(スペクトル分析)の結果を表示する設定になっているか否かを判定する。元信号の周波数分析結果を表示する設定になっていると判定した場合には(ステップS3のYES)、「信号の分析結果表示処理」(後述する図4参照)を行い、元音信号の周波数分析結果(つまり周波数特性)を鍵盤表示器5Aに表示する(ステップS4)。ステップS5は、上記パネル設定に伴い出力音信号の周波数分析結果を表示する設定になっているか否かを判定する。出力音信号の周波数分析結果を表示する設定になっていると判定した場合には(ステップS5のYES)、「信号の分析結果表示処理」(後述する図4参照)を行い、出力音信号の周波数分析結果を鍵盤表示器5Aに表示する(ステップS6)。
ステップS7は、上記パネル設定に伴いフィルタの周波数特性(フィルタ特性)を表示する設定になっているか否かを判定する。フィルタ特性を表示する設定になっている場合には(ステップS7のYES)、「フィルタ特性表示処理」(後述する図5参照)を行い、フィルタの周波数特性を鍵盤表示器5Aに表示する(ステップS8)。この実施例では、当該処理が繰り返し行われることから周期的にフィルタの周波数特性が表示されることになり、そのためLFOやEG等の制御で時変動するフィルタの周波数特性もリアルタイムに表示されることになる。ただし、周波数特性が時変動しないフィルタである場合には、フィルタの周波数特性を変更する指示操作(以下に示す鍵の押下操作)が行われたときにのみ、「フィルタ特性表示処理」を実行して該当するフィルタについてのみ表示を更新させるようにするとよい。ステップS9は、鍵盤4Aを構成する多数の鍵のいずれかが押下されたか否かを判定する。いずれの鍵も押下されていないと判定した場合には(ステップS9のNO)、ステップS2の処理へ戻る。鍵のいずれかが押下されたと判定した場合には(ステップS9のYES)、前記押鍵に応じてフィルタ特性を変更する設定になっているか否かを判定する(ステップS10)。イコライザ機能がオン設定であると判定した場合には(ステップS10のYES)、「フィルタ特性変更処理」(後述する図6又は図7)を行って、フィルタ特性を変更する(ステップS11)。一方、イコライザ機能がオン設定でないと判定した場合には(ステップS10のNO)、押下操作された鍵に予め割り当て済みの音高の楽音を生成する処理を行う(ステップS12)。上記したステップS2〜ステップS12までの処理は、当該電子鍵盤楽器の電源がオフされるまで繰り返される。
次に、上述した「イコライザメイン処理」において実行する「信号の周波数分析結果表示処理」(図3のステップS4又はステップS6参照)について説明する。図4は、「信号の周波数分析結果表示処理」の一実施例を示すフローチャートである。
ステップS21は、フィルタを含む効果回路10から、元音信号の分析結果を表示する場合(図3のステップS4参照)にはフィルタ処理前の楽音信号を、出力音信号の分析結果を表示する場合(図3のステップS6参照)にはフィルタ処理後の楽音信号を、周波数分析する対象の信号として取得する。具体的には、所定タイミング毎に、サンプル化されているデジタルデータ(楽音信号)を後続するFFT処理(高速フーリエ変換処理)で使用するポイント数(例えば4096ポイント)に従って取得する。ステップS22は、該取得した楽音信号をFFT処理する。この際に、適宜に窓をかけるようにしてよい。ステップS23は、鍵盤表示器5Aの端から順に表示処理すべき点(これを表示処理点と呼ぶ)を決める。
ステップS24は、トランスポーズ(移調)の設定を加味して、前記決定した表示処理点のそれぞれに割り当てるべき周波数を、例えば以下に示す数1及び数2に基づいて求める。
Figure 2007248593
ここで、上記数1内の「Y」式は、以下のように示される。
Figure 2007248593
上記数1及び数2において、ピクセル番号は、鍵盤表示器5Aの長手方向(図2の左右方向)全体に渡って最低限の表示可能領域(これをピクセルと呼ぶ)毎に付加されている固有の番号であり、ここでは上記ステップS23で決められた表示処理点に該当するピクセル番号である。鍵内表示分解能は、1つの鍵の幅に対応する表示領域に対していくつのピクセルが割り当てられているかを示すものであり、例えば白鍵1つに100ピクセルなどが割り当てられる。オクターブ内の白鍵数は1オクターブ内にいくつの白鍵が割り当てられているかを示すものであり、例えばピアノの場合「7」となる。トランスポーズ値はA4鍵を中心とした場合にトランスポーズする大きさを示すものであり、例えば「…、−3、−2、−1、0、+1、+2、+3…」等である。また、数1に示す「440.0」は、基準としたA4鍵に割り当てられている音名「A4」の音高(周波数)である。A4鍵中心ピクセル番号は、基準のA4鍵の幅の中心位置に対応する鍵盤表示器5A上の位置を前記ピクセル番号で示すものである。
ステップS25は、前記ステップS22に従うFFT処理結果から、前記ステップS24で求めた各周波数に対応するパワー値を求める。ステップS26は、該求めたパワー値に従い表示を行う。ここで、パワー値が大きいほど演奏者からみて当該電子鍵盤楽器の奥方向に表示がなされ、パワー値が小さいほど演奏者からみて当該電子鍵盤楽器の手前方向に表示がなされるようにすることで、鍵盤表示器5A全体として棒グラフや折れ線グラフのような表示を可能としている。ステップS27は、鍵盤表示器5Aの一方の端から他端まで鍵盤4A全体に渡って長手方向における各ピクセル単位に前記各処理を行ったか否かを判定する。鍵盤4A全体に渡って上記各処理を繰り返し実行していないと判定した場合には(ステップS27のNO)、ステップS23の処理に戻って上記ステップS23〜ステップS27までの処理を繰り返し実行する。鍵盤4A全体に渡って上記処理を繰り返し実行したと判定した場合には(ステップS27のYES)、当該処理を終了する。こうして上記ステップS23〜ステップS27の処理を繰り返すことで、鍵盤表示器5Aには鍵盤4Aを構成する各鍵に割り当て済みの音高(周波数)に対応させながら、図2に示したような楽音信号の周波数特性F1が鍵盤表示器5Aの一端からもう一方の端まで長手方向における各ピクセル単位に順次に表示されていく。
次に、上述した「イコライザメイン処理」において実行する「フィルタ特性の表示処理」(図3のステップS8参照)について説明する。図5は、「フィルタ特性の表示処理」の一実施例を示すフローチャートである。
ステップS31は、効果回路10から内部に有する各フィルタのフィルタ制御用パラメータを取得して、伝達関数を求める。このフィルタ制御用パラメータとしては、例えばフィルタがIIRフィルタであるならば、直接型,標準型,並列型などのフィルタ構成の組み合わせ方(構成法)と乗算器の係数などが該当する。勿論、フィルタはFIRフィルタであってもよい。ステップS32は、鍵盤表示器5Aの端から順に処理すべき表示処理点を決める。ステップS33は、トランスポーズの設定を加味して、前記決定した表示処理点に割り当てるべき周波数を上述した数1及び数2に基づき求める。ステップS34は、前記ステップS33で求めた各周波数における利得を前記ステップS31で求めた伝達関数から求める。ステップS35は、該求めた利得に従い表示を行う。ここで、利得が大きいほど演奏者からみて当該電子鍵盤楽器の奥方向に表示がなされ、利得が小さいほど演奏者からみて当該電子鍵盤楽器の手前方向に表示がなされるようにすることで、鍵盤表示器5A全体として棒グラフや折れ線グラフのような表示を可能としている。ステップS36は、鍵盤表示器5Aの一方の端から他端まで鍵盤4A全体に渡って長手方向における各ピクセル単位に前記各処理を行ったか否かを判定する。鍵盤4A全体に渡って上記各処理を繰り返し実行していないと判定した場合には(ステップS36のNO)、ステップS32の処理に戻って上記ステップS32〜ステップS36までの処理を繰り返し実行する。鍵盤4A全体に渡って上記各処理を繰り返し実行したと判定した場合には(ステップS36のYES)、当該処理を終了する。上記ステップS32〜ステップS36の処理を繰り返すことで、鍵盤表示器5Aには鍵盤4Aを構成する各鍵に割り当て済みの音高(周波数)に対応させながら、図2に示したようなフィルタの周波数特性F2が鍵盤表示器5Aの一端から順次に表示されていく。
次に、上述した「イコライザメイン処理」において実行する「フィルタ特性変更処理」(図3のステップS4又はステップS6参照)について説明する。ただし、ここでは入力された楽音信号の周波数特性を変換するフィルタ処理を行ってその結果を出力するイコライザ機能として、パラメトリックイコライザ又はグラフィックイコライザの2つに分け、各イコライザ毎に適用する「フィルタ特性変更処理」についてそれぞれ説明する。ここで、従来知られているように、パラメトリックイコライザは複数の可変フィルタが設けられているものであって、各フィルタ毎に中心周波数、利得(ゲイン)、Q値等を調整することによりフィルタ処理することができる。他方、グラフィックイコライザは予め音域を分割して複数の周波数帯域を設定し、その周波数帯域毎にフィルタが設けてあるものであって、各フィルタ毎に利得(ゲイン)のみを調整することによりフィルタ処理することができる。図6は、パラメトリックイコライザの場合に適用する「フィルタ特性変更処理」の一実施例を示すフローチャートである。図7は、グラフィックイコライザの場合に適用する「フィルタ特性変更処理」の一実施例を示すフローチャートである。
図6に示すように、パラメトリックイコライザの場合には、まず押鍵された鍵位置からプレゼンスフィルタの周波数を、例えば以下に示す数3に基づいて求める(ステップS41)。
Figure 2007248593
ここで、上記数3において、ノート番号は押鍵された鍵に予め割り当てられている固有の番号(詳しくはMIDIのノート情報)であって、従来知られているように「C4」鍵に割り当てられた「60」を基準として半音単位に数字が割り当てられている。このことからすると、この実施例において基準とされている「A4」鍵のノート番号(数3の「A4のノート番号」)は「69」固定である。
ステップS42は、ベロシティ値からゲイン値を求める。勿論、このゲイン値を求める際にはベロシティ値に限らず、鍵操作に応じて取得することのできる他の値を利用してもよい。例えば、ノートオンからノートオフまでの時間、押鍵している間のアフタータッチの最大値、あるいは時間当りの押鍵の頻度などを利用してゲイン値を求めるようにしてあってよい。ステップS43は、前記求めた周波数とゲイン値とを使って伝達関数を求める。ステップS44は、IIRフィルタを制御するフィルタ制御用パラメータに変換する。ステップS45は、前記求めた周波数を中心周波数とするように、前記求めたゲイン値をパワー値とするようにして、効果回路10に含まれる各フィルタの該当するフィルタ制御用パラメータを変更する。効果回路10では、該変更されたフィルタ制御用パラメータに従い各フィルタがフィルタ処理を行って楽音信号の周波数特性を変換する。
他方、図7に示すように、グラフィックイコライザの場合には、上記パラメトリックイコライザの場合と同様に、まず押鍵された鍵位置からプレゼンスフィルタの周波数を上記した数3に基づいて求める(ステップS51)。ステップS52は、求めた周波数に最も近い中心周波数のフィルタを検索して探し出す。ステップS53は、ベロシティ値からゲイン値を求める。ステップS54は、効果回路10に含まれるフィルタのパラメータのうち、対応するフィルタのゲインに関連するパラメータを前記求めたゲイン値に変更する。効果回路10では、該変更されたゲインに関連するフィルタ制御用パラメータに従い、各フィルタがフィルタ処理を行って楽音信号の周波数特性を変換する。
こうすると、例えばパラメトリックイコライザの場合において、操作者が図2(a)に示すような楽音信号の周波数特性F1の中で最も音の強さが大きい箇所(ピーク)Fが現れる周波数をもう少し低い周波数に移動しようとした場合には、例えば操作者は元のピークFに相対する「A4」鍵から3つ左隣にある「E4」鍵を押下すると、図中において点線で示すフィルタの周波数特性F2が一点鎖線で示す周波数特性F2´となるように該当するフィルタのフィルタ制御用パラメータが設定されて、該設定されたフィルタ制御用パラメータに基づきフィルタ処理されることにより図中において斜線で示すような箇所にピークF´が移動した楽音信号の周波数特性F1が得られるようになる。この際には「E4」鍵を速く押し込んだりゆっくり押し込んだりすることで、当該ピークF´の大きさを自由に設定することができる。このようにして、操作者はパラメータを変更すべき該当するフィルタがいずれであるかを知らなくても、感覚的に鍵を操作するだけで所望の楽音信号を得ることができるようになる。
以上のように、周波数特性を表示する際に周波数軸表示を鍵盤4Aを構成する各鍵の並び方向に沿うようにして鍵盤表示器5A上に表示するようにしたことで、操作者は各周波数軸の表示に相対する慣れ親しんだ音高の鍵を操作するだけで該当するフィルタのフィルタ制御用パラメータを設定することができ、これにより所望の楽音信号を得ることができる。つまり、操作者は鍵盤表示器5Aに表示されるフィルタや楽音信号の周波数特性を参照しながら、各鍵に割り当てられている音高についての正確な周波数が分からなくても、従来から慣れ親しんでいる音高に基づいて、フィルタ処理後における楽音信号を容易な操作で感覚的に調整しながら得ることができるようになる。
また、上記した周波数特性表示によると、演奏者がマニュアル演奏を行うような場合において、演奏者による鍵盤4Aの操作に応じて発生される楽音信号の周波数特性が適宜に更新されながら表示されるため、演奏者は変化のある表示を見ながら演奏を楽しく行うことができるようになる。
なお、周波数分析してその周波数特性を表示する対象の元音信号として、自動演奏用の演奏データを再生することによって音源回路9が生成する楽音信号に限らず、外部のオーディオ装置8Aから供給された楽音信号であってもよい。また、操作者による鍵の押下に応じてフィルタ特性の変更と楽音生成の処理とを同時に行うようにし、その楽音生成の処理によって音源回路9が生成する楽音信号を元音信号としてもよい。
なお、上述の「信号の周波数分析結果表示処理」(図4参照)においては周波数分析手法としてFFT処理を実行するものを示したがこれに限らず、例えばDFTやフェイズボコーダやウェーブレットなどの他の周波数分析手法を用いてもよい。
なお、フィルタや楽音信号の周波数特性を表示する際における、表示すべき周波数軸を鍵盤4Aを構成する多数の各鍵に対応付けて表示する方法は、上述した「信号の周波数分析結果表示処理」(図4参照)及び「フィルタ特性の表示処理」(図5参照)に示した方法に限らず、公知のどのような方法であってもよい。
なお、図2(a)に示すように鍵盤の近接する位置に鍵盤表示器5Aを配設した場合には、鍵盤表示器5Aをタッチパネルで構成しておき、鍵盤表示器5Aに表示されたフィルタの周波数特性などを画面操作により変更できるようにしてもよい。
なお、鍵盤表示器5Aを2つ用意し、その1つを鍵盤4A上部の本体パネル上に、もう1つを鍵盤4Aに重ね合わせるようにして配設しておき、それぞれの鍵盤表示器5Aに入力楽音信号の周波数特性と出力楽音信号の周波数特性とを別々に表示させるようにしてもよい。
なお、鍵盤表示器5Aには周波数特性に加えて、擬似的な鍵盤表示を表示するようにしてもよい。こうした場合、実際の鍵盤4A全体に渡る表示領域を有する鍵盤表示器5Aをパネル本体上に配設できないような場合であっても、操作者は鍵盤4Aと周波数特性との対応関係がとり易くフィルタのパラメータ設定が容易にできるようになって便利である。
この発明に係る電子鍵盤楽器の全体構成を示したハード構成ブロック図である。 鍵盤表示器による周波数特性表示の一実施形態を模式的に示した概念図であり、図2(a)は鍵盤上方部の本体パネル上に鍵盤表示器を配設した場合、図2(b)は鍵盤と鍵盤表示器とを重ね合わせて配設した場合を示す。 イコライザメイン処理の一実施例を示すフローチャートである。 信号の周波数分析結果表示処理の一実施例を示すフローチャートである。 フィルタ特性の表示処理の一実施例を示すフローチャートである。 パラメトリックイコライザの場合に適用する「フィルタ特性変更処理」の一実施例を示すフローチャートである。 グラフィックイコライザの場合に適用する「フィルタ特性変更処理」の一実施例を示すフローチャートである。
符号の説明
1…CPU、2…ROM、3…RAM、4,6…検出回路、4A…鍵盤、5,7…表示回路、5A…鍵盤表示器、6A…パネル操作子、7A…パネル表示器、8…オーディオ入力インタフェース、8A…外部オーディオ装置、9…音源回路、10…効果回路、11…サウンドシステム、12…外部記憶装置、13…MIDIインタフェース、13A…MIDI機器、14…通信インタフェース、14A…サーバコンピュータ、X…通信ネットワーク、1D…通信バス(データ及びアドレスバス)

Claims (4)

  1. 複数の鍵からなる鍵盤を具えた電子鍵盤楽器において、
    前記鍵盤に近接して又は前記鍵盤に重ね合わされて配設されてなり、前記各鍵に相対する表示領域を有する表示手段と、
    楽音信号を取得する楽音信号取得手段と、
    前記取得した楽音信号の周波数特性を算出する周波数特性算出手段と、
    前記算出した楽音信号の周波数特性を表示するよう前記表示手段を制御する表示制御手段と
    を具え、
    前記表示制御手段は、前記楽音信号の周波数特性における各周波数を前記各鍵に予め割り当て済みの各音高に対応付け、少なくとも前記周波数を前記いずれかの鍵に一致させた状態で前記周波数特性を表示することを特徴とする電子鍵盤楽器。
  2. 複数の鍵からなる鍵盤を具えた電子鍵盤楽器において、
    前記鍵盤に近接して又は前記鍵盤に重ね合わされて配設されてなり、前記各鍵に相対する表示領域を有する表示手段と、
    楽音信号の周波数特性を変換するフィルタ処理を行うフィルタ手段と、
    前記フィルタ手段の周波数特性を取得する周波数特性取得手段と、
    前記取得したフィルタ手段の周波数特性を表示するよう前記表示手段を制御する表示制御手段と
    を具え、
    前記表示制御手段は、前記フィルタ手段の周波数特性における各周波数を前記各鍵に予め割り当て済みの各音高に対応付け、少なくとも前記周波数を前記いずれかの鍵に一致させた状態で前記周波数特性を表示することを特徴とする電子鍵盤楽器。
  3. 複数の鍵からなる鍵盤を具えた電子鍵盤楽器において、
    前記鍵盤に近接して又は前記鍵盤に重ね合わされて配設されてなり、前記各鍵に相対する表示領域を有する表示手段と、
    楽音信号を取得する楽音信号取得手段と、
    前記取得した楽音信号の周波数特性を変換するフィルタ処理を行うフィルタ手段と、
    前記フィルタ手段の周波数特性を取得する周波数特性取得手段と、
    前記フィルタ手段によるフィルタ処理前又は/及びフィルタ処理後における前記楽音信号の周波数特性を算出する周波数特性算出手段と、
    前記取得したフィルタ手段の周波数特性及び前記算出した楽音信号の周波数特性を表示するよう前記表示手段を制御する表示制御手段と
    を具え、
    前記表示制御手段は、前記フィルタ手段の周波数特性及び前記楽音信号の周波数特性における各周波数を前記各鍵に予め割り当て済みの各音高に対応付け、少なくとも前記周波数を前記いずれかの鍵に一致させた状態で前記周波数特性を表示することを特徴とする電子鍵盤楽器。
  4. 前記各鍵の操作を検出する鍵操作検出手段をさらに具えてなり、
    前記フィルタ手段は、前記操作が検出された鍵に予め割り当て済みの音高に基づき、該当するフィルタのパラメータを変更してフィルタ処理を行うことを特徴とする請求項2又は3に記載の電子鍵盤楽器。
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