JP2007248083A - 自動分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】臨床検査室用の自動分析装置において、キャリーオーバ試験に要する時間を短縮し、人為ミスを削減することが可能な自動分析装置を提供すること。
【解決手段】試薬間のキャリーオーバ試験を行うための「キャリーオーバ試験条件」を入力する手段と、当該「キャリーオーバ試験条件」に基づいて項目選択情報を作成する手段と、「キャリーオーバ有無の判定条件」を入力する手段と、当該「キャリーオーバ有無の判定条件」とキャリーオーバ試験結果を比較しキャリーオーバ有無を判定する手段と、キャリーオーバ有りと判定された場合に回避方法の試験をするための「キャリーオーバ回避方法プロトコル」を設定する手段と、当該「キャリーオーバ回避方法プロトコル」に基づいてキャリーオーバ有りとされた試薬間の回避方法を自動的に試験する手段と、キャリーオーバ試験結果を出力する手段と、を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、臨床検査に供される、生体試料中の特定成分の定性・定量分析を行う自動分析装置に関する。
患者の血液,尿等の生体試料中に含まれる成分を分析する臨床検査では、試料と試薬を反応させ、反応液の色の変化を吸光度変化として測定し、目的成分の定性・定量分析をする方式が一般的である。
近年、汎用自動分析装置はメンテナンスの効率化とランニングコストの低減を主たる目的として、試薬ピペッティングタイプの装置が広く普及している。この試薬ピペッティングタイプの装置は、機構系部品のメンテナンス作業が非常に少ないことや、測定に必要な試薬量だけを分注するコスト面の利点がある。一方では、試薬プローブが複数の試薬の分注動作を行うために、試薬相互の汚染、つまりキャリーオーバが原理的に発生する可能性を持っている。通常の試薬分注動作においては、試薬間の分注動作に水による洗浄動作を実施することでキャリーオーバを回避している。しかしながら、試薬の組合せによっては、通常の水洗浄動作ではキャリーオーバを回避できない場合も発生する。この通常の水洗浄動作で回避できない試薬の組合せを調べる試験をキャリーオーバ試験と呼ぶ。
汎用自動分析装置に搭載される試薬種類数は、一般に30項目以上になっており、試薬相互の組合せが多く、キャリーオーバ試験に費やされる労力は無視できなくなっている。このようなキャリーオーバ試験については例えば特許文献1に記載されている。
特開2001−228158号公報
従来の自動分析装置における試薬プローブのキャリーオーバ試験は、試験者の手により実施されていた。そのキャリーオーバ試験の工程は、大別すると、次の4つの工程に分けられる。
第1に、試験を行う試薬の組合せに応じた項目選択情報を検討し、検討した項目選択情報を登録する工程。
第2に装置が上記の項目選択情報に基づいて測定を行う工程。
第3に、装置の測定結果からキャリーオーバの発生している試薬の組合せを判定する工程。
第4にキャリーオーバが発生している試薬の組合せにおけるキャリーオーバの回避方法の検討を行う工程。この回避方法には、洗剤による洗浄動作の追加の有効性や、水洗浄動作追加の有効性の検証などが挙げられる。
上記の第2の工程は、自動分析装置が実施する工程であるため、試験者の作業を伴わないが、第1の工程,第3の工程,第4の工程は、試験者による作業を伴う。
本発明の目的は、キャリーオーバ試験の工程を自動化することにより、試験者の作業を軽減し、キャリーオーバ試験に要する時間を短縮し、人為ミスを削減することが可能な自動分析装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は、臨床検査に用いられる自動分析装置において、
試薬間のキャリーオーバ試験を行うための「キャリーオーバ試験条件」を入力する手段と、
当該「キャリーオーバ試験条件」に基づいて項目選択情報を作成する手段と、
「キャリーオーバ有無の判定条件」を入力する手段と、
当該「キャリーオーバ有無の判定条件」とキャリーオーバ試験結果を比較しキャリーオーバ有無を判定する手段と、
キャリーオーバ有りと判定された場合に回避方法の試験をするための「キャリーオーバ回避方法プロトコル」を設定する手段と、
当該「キャリーオーバ回避方法プロトコル」に基づいてキャリーオーバ有りとされた試薬間の回避方法を自動的に試験する手段と、
キャリーオーバ試験結果を出力する手段を備える。
本発明によれば、臨床検査室用の自動分析装置において、試験者の作業を軽減し、キャリーオーバ試験に要する時間を短縮することが可能な自動分析装置を提供することができる。
以下、本発明にかかる実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明を適用した自動分析装置におけるキャリーオーバ回避条件の確定に必要な処理を示すフロー図である。
図1において、オペレータは、測定条件の設定1と判定条件の設定2とキャリーオーバ回避方法評価プロトコルの設定3を行う。
自動分析装置は前記測定条件の設定1で設定された情報に基づく項目選択情報の作成と登録4を行う。
次に、自動分析装置は、当該項目選択情報の作成と登録4で登録された項目選択情報に基づいて測定の実行5を行う。
ここで、測定の実行5に用いる試料は一般的には、生理食塩水すなわち測定対象物の濃度を持たない試料を用いることが好ましい。
また、生理食塩水を試料としてセットするオペレータの手間を低減するために、自動分析装置の試料分注プローブ内に充填されている水を用いることも可能である。
次に、自動分析装置によって、測定結果の出力6が行われる。
自動分析装置は、当該測定結果を、前記の判定条件の設定2で設定された内容と比較することにより、測定結果の判定7を行う。
当該測定結果の判定7により、キャリーオーバ無し(OK)と判定された場合には、キャリーオーバ回避の設定を行わない。
一方、当該測定結果の判定7により、キャリーオーバあり(NG)と判定された場合には、自動分析装置は、前記のキャリーオーバ回避方法評価プロトコルの設定3で設定された情報に基づくキャリーオーバ回避の検討に必要な項目選択情報の作成と登録4を行う。
以後、測定の実行5,測定結果の出力6,測定結果の判定7を順に繰返す。
測定結果の判定7によりキャリーオーバ無し(OK)とされた条件におけるキャリーオーバ回避条件を自動分析装置に登録し、キャリーオーバ回避条件の確定8に至る。
予め設定された、キャリーオーバ回避方法評価プロトコルの設定3における全ての条件においても、測定結果の判定7がキャリーオーバあり(NG)である場合には、「キャリーオーバ回避不可能」あるいは、「追加のキャリーオーバ回避条件の検討が必要」とオペレータに知らせる。
図2は本発明を適用した自動分析装置における測定条件の設定画面の一例である。
図2において、オペレータは、測定部位9,試験回数10,測定項目11を設定する。
測定部位9については、自動分析装置で発生する試薬に関する測定部位を設定可能とする。
本実施例では、複数の種類の試薬分注動作を同じ試薬プローブ行う場合と、複数の種類の試薬撹拌動作を同じ撹拌機構で行う場合を想定して選択可能としている。
また、反応容器を洗浄により繰返し使用する場合には、測定部位として選択可能とする。
試験回数10には、キャリーオーバ試験の繰返し回数を設定する。
試験回数10をオペレータにより任意に回数を設定することが可能でも良い。
測定項目11では、キャリーオーバ試験を調べる項目を選択する。
すなわち、影響を与える項目と影響を受ける項目をそれぞれ選択する。
本実施例では、AST,ALT,CA,LAPのそれぞれが与えるCHE,GLU,
LDHそれぞれへの影響について測定することを意味している。
また、装置に搭載されている全ての項目を一括で選択できる選択方法を備えることも好ましい。
本実施例では、「全項目」と記載のエリアを設けている。
図3は本発明を適用した自動分析装置において、測定条件の設定で使用する測定項目の選択を行う画面の一例である。
図3においては、オペレータは、影響を与える項目と影響を受ける項目を個別に設定が可能になる。
本実施例では、ASTからCHEへの影響,ALTからLDHへの影響,BUNから
LDHへの影響,CAからD−BILへの影響,CHEからCAへの影響,D−BILからCREへの影響およびHDL−CからCHEへの影響を測定する測定項目の選択が可能となっている。
図4は本発明を適用した自動分析装置において、判定条件の設定を行う画面の一例である。
図4においては、オペレータは、影響を受ける項目について、キャリーオーバ有無を判定する値を項目毎に設定が可能となっている。
図5は本発明を適用した自動分析装置において、キャリーオーバ回避方法評価プロトコルを設定する画面の一例である。
図5においては、オペレータは、通常の洗浄動作では影響を除去できない場合、すなわち前記図4においては、判定の結果が「NG」とされた場合に検討する洗浄方法の内容と検討の優先順位を設定する。
本実施例においては、「水洗浄追加」,「アルカリ洗剤洗浄追加」,「酸性洗剤洗浄追加」、および「アルカリ・酸性洗剤洗浄追加」の4種類の方法から、3つの優先度まで選択が可能である。
図6は本発明を適用した自動分析装置における、項目選択情報の一例である。
図6に示す項目選択情報は、オペレータによって設定された測定条件に基づき、自動分析装置によって自動作成される。
当該自動分析装置による項目選択情報の自動作成の手順は、影響を受けていない状態でのリファレンスデータの測定、影響を与える項目の測定,影響を受ける項目の測定、および設定された試験回数の繰返しによる。
本実施例においては、Sample No.1〜3において影響を受ける項目としてCHEのリファレンスデータ測定を実施、Sample No.4において影響を与える項目としてASTの測定、Sample No.5においてASTからCHEへの影響を直後に受けたデータの測定を示している。
これらの項目選択情報の登録作業を従来のオペレータがマニュアルで行う場合には人為的な登録ミスを伴う。
また、測定項目の種類が多ければ多いほどオペレータの作業負担が大きくなる。
本発明により自動で行うことにより人為ミスを無くし、作業の負担も無くすことができる。
図7は本発明を適用した自動分析装置における、測定結果の出力の一例である。
図7においては、自動分析装置が、前述の図6で示した項目選択情報にしたがって測定した場合の測定結果の出力例を示している。
通常は、試料として生理食塩水やブランク液を用いることが多い。
図8は本発明を適用した自動分析装置における、測定結果の判定の一例である。
図8においては、自動分析装置は、前述の図4で示した判定条件の設定と、前述の図7で示した測定結果の出力を比較して、キャリーオーバの有無を判定している。
本実施例では、Sample No.5のCHEの判定結果は「OK」である。すなわち、ASTからCHEへのキャリーオーバは発生しないことを意味する。
一方、Sample No.75 のLDHの判定結果は「NG」である。すなわち、ASTからLDHへのキャリーオーバが発生していることを意味する。
これらの測定結果の判定は、従来のオペレータがマニュアルで行う場合には人為的な判定ミスを伴う。
また、測定項目の種類が多ければ多いほどオペレータの作業負担が大きくなる。
本発明により自動で行うことにより人為ミスを無くし、作業の負担も無くすことができる。
図9は本発明を適用した自動分析装置における、キャリーオーバ回避方法プロトコルにしたがった項目選択情報の一例である。
図9においては、自動分析装置は、前述の図8に示した判定結果において「NG」と判定した測定に対し、図5の優先度1に設定された内容を反映して、自動的に項目選択情報を作成する。
これらの項目選択情報の登録は、従来のオペレータがマニュアルで行う場合には人為的な判定ミスを伴う。
また、測定項目の種類が多ければ多いほどオペレータの作業負担が大きくなる。
本発明により自動で行うことにより人為ミスを無くし、作業の負担も無くすことができる。
図10は本発明を適用した自動分析装置における、キャリーオーバ回避方法の測定結果を示す一例である。
図10においては、自動分析装置が、前述の図9に示したキャリーオーバ回避方法プロトコルにしたがった項目選択情報に基づく測定結果を示している。
図11は本発明を適用した自動分析装置における、キャリーオーバ回避方法の測定結果に対する判定結果を示す一例である。
図11において、自動分析装置は、前述の図10の測定結果と、図4に示した判定条件を比較して自動的に判定する。
本実施例では、Sample No.107 のLDHの判定結果は「OK」である。すなわち、ASTからLDHへのキャリーオーバ回避方法としては、「水洗浄追加」が有効であることを意味する。
これらの項目選択情報の登録は、従来のオペレータがマニュアルで行う場合には人為的な判定ミスを伴う。
また、測定項目の種類が多ければ多いほどオペレータの作業負担が大きくなる。
本発明により自動で行うことにより人為ミスを無くし、作業の負担も無くすことができる。
図12は本発明を適用した自動分析装置における、キャリーオーバ回避方法の登録画面の一例である。
図12において、自動分析装置は、前述の図11に示した判定結果で「OK」と判定されたキャリーオーバの回避方法を自動的に登録する。
これらのキャリーオーバ回避方法の登録作業は、従来のオペレータがマニュアルで行う場合には人為的な作業ミスを伴う。
また、登録する回避方法の数が多ければ多いほどオペレータの作業負担が大きくなる。
本発明により自動で行うことにより人為ミスを無くし、作業の負担も無くすことができる。
本発明を適用した自動分析装置におけるキャリーオーバ回避条件の確定に必要な処理を示すフロー図。 本発明を適用した自動分析装置における測定条件の設定画面の一例。 本発明を適用した自動分析装置において、測定条件の設定で使用する測定項目の選択を行う画面の一例。 本発明を適用した自動分析装置において、判定条件の設定を行う画面の一例。 本発明を適用した自動分析装置において、キャリーオーバ回避方法評価プロトコルを設定する画面の一例。 本発明を適用した自動分析装置における、項目選択情報の一例。 本発明を適用した自動分析装置における、測定結果の出力の一例。 本発明を適用した自動分析装置における、測定結果の判定の一例。 本発明を適用した自動分析装置における、キャリーオーバ回避方法プロトコルにしたがった項目選択情報の一例。 本発明を適用した自動分析装置における、キャリーオーバ回避方法の測定結果を示す一例。 本発明を適用した自動分析装置における、キャリーオーバ回避方法の測定結果に対する判定結果を示す一例。 本発明を適用した自動分析装置における、キャリーオーバ回避方法の登録画面の一例。
符号の説明
1,2…判定条件の設定、3…キャリーオーバ回避方法評価プロトコルの設定、4…項目選択情報の作成と登録、5…測定の実行、6…測定結果の出力、7…測定結果の判定、8…キャリーオーバ回避条件の確定、9…測定部位、10…試験回数、11…測定項目。

Claims (3)

  1. 試薬プローブが複数の試薬の分注動作を行うピペッティングタイプの自動分析装置において、
    試薬間のキャリーオーバ試験を行うための(キャリーオーバ試験条件)を入力する手段と、
    当該(キャリーオーバ試験条件)に基づいて項目選択情報を作成する手段と、
    (キャリーオーバ有無の判定条件)を入力する手段と、
    当該(キャリーオーバ有無の判定条件)とキャリーオーバ試験結果を比較しキャリーオーバ有無を判定する手段と、
    キャリーオーバ有りと判定された場合に回避方法の試験をするための(キャリーオーバ回避方法プロトコル)を設定する手段と、
    当該(キャリーオーバ回避方法プロトコル)に基づいてキャリーオーバ有りとされた試薬間の回避方法を自動的に試験する手段と、
    キャリーオーバ試験結果を出力する手段と、
    を備えたことを特徴とする自動分析装置。
  2. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    キャリーオーバ試験結果によって得られた、キャリーオーバ回避方法を装置へ登録することを特徴とする自動分析装置。
  3. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    キャリーオーバ試験に必要なブランク試料として、サンプルプローブ内のシステム水を必要回数のみ分注する機能を備えたことを特徴とする自動分析装置。
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