JP2007247882A - ダンパー - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば開閉扉の開閉動作における開き動作をより円滑になさせることができるようにして、ダンパーを提供する。
【解決手段】取付孔6を有するボディ2と、ボディ2の取付孔6に回動可能に挿通するシャフト3と、取付孔6内にてシャフト3に巻着するコイルバネ4と、を有してなるダンパー1である。コイルバネ4は、その一端側がボディ2に固定されていることにより、その巻き込み方向にシャフト3が回動した際、トルクを発生してシャフト3の回動を抑制するよう構成されている。取付孔6内のボディ2とシャフト3との間には、シャフト3が回動した際、シャフト3及びボディ2の少なくとも一方に対して摺動することによりトルクを発生し、シャフト3の回動を抑制する摺動部材5が設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】取付孔6を有するボディ2と、ボディ2の取付孔6に回動可能に挿通するシャフト3と、取付孔6内にてシャフト3に巻着するコイルバネ4と、を有してなるダンパー1である。コイルバネ4は、その一端側がボディ2に固定されていることにより、その巻き込み方向にシャフト3が回動した際、トルクを発生してシャフト3の回動を抑制するよう構成されている。取付孔6内のボディ2とシャフト3との間には、シャフト3が回動した際、シャフト3及びボディ2の少なくとも一方に対して摺動することによりトルクを発生し、シャフト3の回動を抑制する摺動部材5が設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、各種の蓋や扉、回動部材等の、回動によって開閉等の動作をなす部材に取り付けられる、ダンパーに関する。
従来、オーデイオ機器等の電化製品における操作パネルの蓋や、媒体の出し入れ用の扉、あるいは自動販売機の取出口の扉、エンジンの吸気用のスロットル弁などでは、開閉時に適当なフリクションやトルクを与えつつ開閉させる必要があることから、各種のダンパーが用いられている。例えば、比較的大きく重い蓋や扉などでは、オイルダンパーや軸の摩擦を利用したダンパーがよく用いられており、また、それほど大きくなく重くもない蓋や扉などの場合には、トーションばねを利用したダンパー(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)や、薄板ばねを利用したダンパーがよく用いられている。
特開2003−336676号公報
特公昭63−23407号公報
ところで、例えばカーオーディオ等の電化製品においては、近年、その普及が進むに伴い、製品としての差別化を図るべく、例えば高級感を出すなどの工夫がなされている。そして、このような高級感を出すなどの工夫として、例えばその開閉扉に取り付けられるダンパーについても、この開閉扉の開閉動作をより円滑になさせることができるなどの特性が要求されるようになってきている。例えば、カーオーディオにおいては、記録媒体を収容する部分や操作パネル部分を覆う開閉扉(化粧扉)について、特にその開き動作を自動的になさせるものが提供されているが、このような開閉扉の開き動作を、衝撃等を起こさせることなく円滑になさせられるものの提供が要望されている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、例えば開閉扉の開閉動作における開き動作をより円滑になさせることができるようにして、ダンパーを提供することにある。
本発明のダンパーは、取付孔を有するボディと、該ボディの前記取付孔に回動可能に挿通するシャフトと、前記取付孔内にて前記シャフトに巻着するコイルバネと、を有してなり、
前記コイルバネは、その一端側が前記ボディに固定されていることにより、その巻き込み方向に前記シャフトが回動した際、トルクを発生して前記シャフトの回動を抑制するよう構成され、
前記取付孔内の前記ボディとシャフトとの間には、前記シャフトが回動した際、該シャフト及び前記ボディの少なくとも一方に対して摺動することによりトルクを発生し、前記シャフトの回動を抑制する摺動部材が設けられていることを特徴としている。
前記コイルバネは、その一端側が前記ボディに固定されていることにより、その巻き込み方向に前記シャフトが回動した際、トルクを発生して前記シャフトの回動を抑制するよう構成され、
前記取付孔内の前記ボディとシャフトとの間には、前記シャフトが回動した際、該シャフト及び前記ボディの少なくとも一方に対して摺動することによりトルクを発生し、前記シャフトの回動を抑制する摺動部材が設けられていることを特徴としている。
コイルバネによって発生するトルクは、シャフトがコイルバネの巻き込み方向に回動した際に生じる摩擦によってコイルバネが巻き込まれ、これによりシャフトがコイルバネに締め付けられることで生じるが、シャフトの回動開始からコイルバネの締付力が生じるまでの間にはタイムラグがある。したがって、コイルバネによって発生するトルクは、シャフトの回動開始からコイルバネの締付力が生じるまでの間に急激に変化してしまう。しかし、摺動部材によるトルクは、シャフトの回動開始と同時に生じるので、コイルバネによるトルクが生じない間にも回動するシャフトに対して一定のトルクを付与するようになる。よって、摺動部材とコイルバネとの両方によってシャフトに付与されるトルクは、コイルバネによるトルク量変化が摺動部材によるトルクで吸収され緩和されるため、結果的にシャフトに付与されるトルク量の変化が少なくなる。
また、コイルバネによって発生するトルクは、前記したようにコイルバネが巻き込まれることによる締付力によって生じるが、コイルバネはその他端側が自由端となっている場合、ある程度巻き込まれると弾性復帰力によって拡径し元の状態に戻ってしまう。したがって、このように元の状態に戻ることで発生するトルク量が変動してしまうが、このトルク量の変動も摺動部材によって発生するトルクにより吸収されることから、全体としてのトルク量の変動が少なくなり、シャフトが回動した際にこれに付与されるトルク量がほぼ均一になる。
さらに、ボディとシャフトとコイルバネと摺動部材とを主の構成要素としていることにより、部品点数が少なく、したがって小型化、低コスト化が可能になる。
また、オイルダンパーなどに比べて温度による影響を受けにくいため、環境温度に影響されることがなく、したがって温度特性に優れたものとなる。
さらに、ボディとシャフトとコイルバネと摺動部材とを主の構成要素としていることにより、部品点数が少なく、したがって小型化、低コスト化が可能になる。
また、オイルダンパーなどに比べて温度による影響を受けにくいため、環境温度に影響されることがなく、したがって温度特性に優れたものとなる。
また、前記ダンパーにおいては、前記摺動部材は円筒状の部材であり、該摺動部材は前記シャフトに摺動可能に外挿するとともに、前記ボディの取付孔に摺動可能に内挿されているのが好ましい。
このようにすれば、シャフトが回動した際、該シャフトは摺動部材に対して摺動することでトルクを発生させるとともに、この摺動部材を連れ回りさせるようになる。そして、摺動部材を連れ回りさせることで該摺動部材をボディに対して摺動させることにより、ここでもトルクを発生させるようになる。したがって、摺動部材によって発生するトルク量が大きくなることから、該摺動部材により、コイルバネによって発生するトルク量の変動を確実に吸収することができる。
このようにすれば、シャフトが回動した際、該シャフトは摺動部材に対して摺動することでトルクを発生させるとともに、この摺動部材を連れ回りさせるようになる。そして、摺動部材を連れ回りさせることで該摺動部材をボディに対して摺動させることにより、ここでもトルクを発生させるようになる。したがって、摺動部材によって発生するトルク量が大きくなることから、該摺動部材により、コイルバネによって発生するトルク量の変動を確実に吸収することができる。
また、このダンパーにおいては、前記コイルバネの他端側が、前記摺動部材に設けられた係止部に係止していてもよい。
コイルバネによって発生するトルクは、前述したようにコイルバネの他端側が自由端となっている場合、ある程度巻き込まれると元の状態に戻ってしまうことにより、トルク量が比較的大きく変動してしまう。そこで、コイルバネの他端側を摺動部材に係止させたことで、このようなトルク量の変動をより確実に吸収して無くすことができる。すなわち、コイルバネの他端側が軟質ゴム、エラストマー等からなる摺動部材に係止していることにより、コイルバネがある程度巻き込まれた後元の状態に戻る際、この戻りに伴うコイルバネの他端側の動きが前記摺動部材によって規制され、その動きの急激さが緩和される。したがって、コイルバネが元の状態に戻る際に生じるトルク量の急激な変動が抑えられ、これによりトルク量の変動も十分に小さく抑えられるのである。
コイルバネによって発生するトルクは、前述したようにコイルバネの他端側が自由端となっている場合、ある程度巻き込まれると元の状態に戻ってしまうことにより、トルク量が比較的大きく変動してしまう。そこで、コイルバネの他端側を摺動部材に係止させたことで、このようなトルク量の変動をより確実に吸収して無くすことができる。すなわち、コイルバネの他端側が軟質ゴム、エラストマー等からなる摺動部材に係止していることにより、コイルバネがある程度巻き込まれた後元の状態に戻る際、この戻りに伴うコイルバネの他端側の動きが前記摺動部材によって規制され、その動きの急激さが緩和される。したがって、コイルバネが元の状態に戻る際に生じるトルク量の急激な変動が抑えられ、これによりトルク量の変動も十分に小さく抑えられるのである。
以上説明したように本発明のダンパーは、シャフトが回動した際にシャフトに付与されるトルク量の変化を少なくし、これをほぼ均一になるようにしたものであるから、例えばこれを開閉扉に取り付けた場合に、この開閉扉の開閉動作、例えば開き動作をより円滑になさせることができ、したがってこの開閉扉を有する製品に高級感を与えることができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
図1(a)〜(d)は、本発明のダンパーの一実施形態例を示す図であり、図1(a)〜(d)中符号1はダンパーである。このダンパー1は、例えばオーディオ等の電化製品(固定部材)とその開閉扉(回動部材)との間に取り付けられるもので、固定部材側に取り付けられるボディ2と、回動部材側に取り付けられるシャフト3と、シャフト3に巻着されるコイルバネ4と、ボディ2とシャフト3との間に設けられる摺動部材5とからなるものである。
図1(a)〜(d)は、本発明のダンパーの一実施形態例を示す図であり、図1(a)〜(d)中符号1はダンパーである。このダンパー1は、例えばオーディオ等の電化製品(固定部材)とその開閉扉(回動部材)との間に取り付けられるもので、固定部材側に取り付けられるボディ2と、回動部材側に取り付けられるシャフト3と、シャフト3に巻着されるコイルバネ4と、ボディ2とシャフト3との間に設けられる摺動部材5とからなるものである。
ボディ2は、図1(a)に示すように前記シャフト3を挿通させるための取付孔6を形成した略円筒状のもので、一方の側に大径の鍔部7を有したものである。取付孔6は、ボディ2の一方の側から他方の側にまで貫通して形成されたものである。この取付孔6の、前記鍔部7を形成した側と反対の側は、後述するシャフト3を回動可能に保持する保持部6aとなっており、鍔部7を形成した側は、前記保持部6aに比べてその内径が拡げられてなる拡径部6bとなっている。
鍔部7には、その端面側、すなわち前記一方の側に向く外面部に、ワッシャ取り付け用の凹部8が形成されている。また、この鍔部7の凹部8が形成された端面側には、該凹部8の底面の中心側から外側に向けて保持溝9が形成されている。また、このボディ2の側面には、図1(b)、(c)に示すように該側面より突出してなる凸部10が形成されている。この凸部10は、ボディ2が固定部材(図示せず)に組み込まれた際、該固定部材に設けられた係合部(図示せず)に係合することで、固定部材対する回り止めとして機能するようになっている。
シャフト3は、図1(a)に示すように前記ボディ2の取付孔6に回動可能に挿通したもので、頭部3aと当接部3bと挿通部3cとからなるものである。頭部3aは、ボディ2の取付孔6から突出させられた略円柱状のもので、図1(c)に示すように例えばIカットされ、前記した回動部材(図示せず)に空回りすることなく係止した状態に連結されるようになっている。また、この頭部3aには、その側周部にギア状の係合部(図示せず)を形成しておき、これによって回動部材(図示せず)に係合するようにしてもよい。
当接部3bは、図1(a)に示すように頭部3aと挿通部3cとの間に形成された鍔状のもので、前記ボディ2の他方の側(前記鍔部7と反対の側)の端面に摺動可能に当接したものである。
挿通部3cは、前記取付孔6の保持部6aの内径より僅かに小径に形成された円柱状のもので、これによって該保持部6aに回動可能に保持されている。なお、前記拡径部6b内においては、挿通部3cとボディ2の内面との間に十分な広さの空間が介在しており、この空間には、後述するようにコイルバネ4と摺動部材5とが設けられている。
また、挿通部3cは、その先端部が取付孔6を通って前記鍔部7の外側に引き出されており、この鍔部7の外側に引き出され部位には、その周方向に沿って係合溝3dが形成されている。
挿通部3cは、前記取付孔6の保持部6aの内径より僅かに小径に形成された円柱状のもので、これによって該保持部6aに回動可能に保持されている。なお、前記拡径部6b内においては、挿通部3cとボディ2の内面との間に十分な広さの空間が介在しており、この空間には、後述するようにコイルバネ4と摺動部材5とが設けられている。
また、挿通部3cは、その先端部が取付孔6を通って前記鍔部7の外側に引き出されており、この鍔部7の外側に引き出され部位には、その周方向に沿って係合溝3dが形成されている。
コイルバネ4は、前記したようにシャフト3の挿通部3cに巻装され、その状態で前記拡径部6b内の前記空間に配設されたものである。このコイルバネ4は、挿通部3cに巻装されていないフリーな状態において、その内径が挿通部3cの外径より僅かに小さく形成されたものである。このような構成のもとにコイルバネ4は、挿通部3cに巻装されたことにより、該挿通部3cに密着した状態、すなわち巻着したものとなっている。
また、このコイルバネ4は、図2(a)、(b)に示すようにその一端側がコイルバネ4の半径方向外側に立ち上げられてフック4aとなっており、他端側は、周回した状態となっている。そして、コイルバネ4は、図1(a)に示したようにそのフック4aが、前記鍔部7の凹部8側において前記保持溝9に係合し、端部が鍔部7の側方にまで引き出された状態に保持されている。一方、他端側は、シャフト3の挿通部3c上に周回したままの自由端となっている。
また、このコイルバネ4は、その巻き込み方向が図1(b)、(d)中における矢印方向Aとなっている。
また、このコイルバネ4は、その巻き込み方向が図1(b)、(d)中における矢印方向Aとなっている。
なお、このコイルバネ4の材料としては、ステンレス等の金属が好適に用いられるが、中でもSUS304が、より線膨張率が低く、温度変化の影響を受けにくいため好ましい。また、このような材料からなる線材については、横断面が円形の丸線はもちろん、横断面が正方形や長方形、ひし形等の角線も使用可能である。
摺動部材5は、軟質ゴム、エラストマー等からなる円筒状の部材であって、具体的には、スチレン系で熱可塑性の材料である株式会社クラレ製のセプトン[登録商標]などによって形成されたものである。この摺動部材5は、シャフト3の挿通部3cの、前記コイルバネ4より頭部3a側に摺動可能に外挿され、その状態で前記拡径部6b内の前記空間に配設されており、このように拡径部6b内に配設されたことにより、該拡径部6b内、つまり取付孔6内に摺動可能に内挿されたものとなっている。すなわち、円筒状の摺動部材5は、その孔径が前記挿通部3cの外径より僅かに小さく、また、その外径が前記拡径部6bの内径より僅かに大きく形成されていることにより、挿通部3cに摺動可能に外挿され、かつ、拡径部6b(取付孔6)内に摺動可能に内挿されている。
このように拡径部6b内において挿通部3cに摺動部材5とコイルバネ4とを装着したシャフト3は、その挿通部3cの先端部が取付孔6を通って前記鍔部7の外側に引き出されている。そして、前記鍔部7においてワッシャー11が嵌められ、さらにその外側にEリング12が嵌められて前記係合溝3dに係合させられたことにより、シャフト3はボディ2に回動可能に保持されている。なお、ワッシャー11は、前記コイルバネ4のフック4a側を押さえ、その状態で凹部8内に収められており、Eリング12は、このワッシャー11から突出した挿通部3cの係合溝3dに係合したことにより、ワッシャー11を凹部8内に固定している。
このような構成によりダンパー1は、ボディ2に対してシャフト3がコイルバネ4の巻き込み方向に回動すると、シャフト3とコイルバネ4との間の摩擦によってコイルバネ4はその他端側、すなわちフック4aと反対の側(自由端側)が挿通部3cに連れ回りすることにより、回動前に比べて巻き込み方向に締まり、これにより挿通部3cを締め付けることでシャフト3の回動を抑制するトルクを発生する。ただし、このようなコイルバネ4によるトルクは、シャフト3の回動開始からコイルバネ4の締付力が生じるまでの間(例えばシャフト3の回動角で30°程度の間)には発生しない。すなわち、シャフト3の回動開始とコイルバネ4によるトルクの発生との間には、僅かながらタイムラグがあるのである。
一方、このようにシャフト3が回動すると、コイルバネ4とは別に、挿通部3cが摺動部材5に対して摺動することにより、摩擦によってトルクを発生する。さらに、挿通部3cが摺動部材5を連れ回りさせることにより、該摺動部材5がボディ2に対して摺動し、ここでもトルクが発生するようになる。したがって、摺動部材5によって発生するトルク量が比較的大きくなる。
そして、このような摺動部材5によるトルクは、シャフト3の回動開始と同時に生じるので、コイルバネ4によるトルクが生じない間にも、回動するシャフト3に対し、摺動部材5によって一定のトルクが付与されるようになる。
よって、コイルバネ4によるトルクの量は、前記したタイムラグ等によってシャフト3の回動開始からコイルバネ4の締付力が生じるまでの間に急激に変化するものの、前記したように摺動部材5によるトルクの量が比較的大きく、しかもこの摺動部材5によるトルクはシャフト3の回動開始と同時に生じるので、コイルバネ4によるトルク量変化が摺動部材5によるトルクで吸収され緩和され、これにより摺動部材5とコイルバネ4との両方によってシャフト3に付与されるトルク量は、その変化が少なくなる。
よって、コイルバネ4によるトルクの量は、前記したタイムラグ等によってシャフト3の回動開始からコイルバネ4の締付力が生じるまでの間に急激に変化するものの、前記したように摺動部材5によるトルクの量が比較的大きく、しかもこの摺動部材5によるトルクはシャフト3の回動開始と同時に生じるので、コイルバネ4によるトルク量変化が摺動部材5によるトルクで吸収され緩和され、これにより摺動部材5とコイルバネ4との両方によってシャフト3に付与されるトルク量は、その変化が少なくなる。
また、前記ダンパー1において、ボディ2に対してシャフト3が、コイルバネ4の巻き込み方向と逆の方向に回動すると、摺動部材5は、前記した巻き込み方向での回動の場合と同様に動作し、同様にトルクを発生する。一方、コイルバネ4は、シャフト3との間での摩擦によって僅かながらトルクを生じるものの、巻き込み方向に締まることがなく、したがって締付力によるトルクは発生しない。よって、コイルバネ4の巻き込み方向と逆の方向にシャフト3を回動すると、実質的には摺動部材5のみによる均一なトルクが、シャフト3に付与されるようになる。
図3(a)〜(d)は、本発明のダンパーの他の実施形態を示す図であり、図3(a)〜(d)中符号20はダンパーである。このダンパー20が図1(a)〜(d)に示したダンパー1と異なるところは、コイルバネ4と摺動部材5とが互いに連結している点にある。
すなわち、このダンパー1においては、図3(a)に示すようにコイルバネ4の他端側、すなわちフック4aと反対の側の端部側が、コイルバネ4の中心軸方向外方に立ち上げられて係止端4bとなっている。一方、摺動部材5には、シャフト3の挿通部3cが挿通している孔5aとは別に、該孔5aに平行して小径の係止孔(係止部)5bが形成されている。
そして、前記コイルバネ4と摺動部材5とは、前記ダンパー1の場合と同様にシャフト3の挿通部3cに装着され、その状態で、コイルバネ4の係止端4bが摺動部材5の係止孔5bに挿通し係止したことにより、互いに連結したものとなっている。
すなわち、このダンパー1においては、図3(a)に示すようにコイルバネ4の他端側、すなわちフック4aと反対の側の端部側が、コイルバネ4の中心軸方向外方に立ち上げられて係止端4bとなっている。一方、摺動部材5には、シャフト3の挿通部3cが挿通している孔5aとは別に、該孔5aに平行して小径の係止孔(係止部)5bが形成されている。
そして、前記コイルバネ4と摺動部材5とは、前記ダンパー1の場合と同様にシャフト3の挿通部3cに装着され、その状態で、コイルバネ4の係止端4bが摺動部材5の係止孔5bに挿通し係止したことにより、互いに連結したものとなっている。
このような構成のダンパー20にあっても、前記ダンパー1と同様に、特にシャフト3がコイルバネ4の巻き込み方向に回動した際、コイルバネ4によるトルクと摺動部材5によるトルクとがシャフト3に付与され、したがってそのトルク量は、その変化が少なく、ほぼ均一となる。
また、コイルバネ4によって発生するトルクは、前記したようにコイルバネ4が巻き込まれることによる締付力によって生じるが、図1(a)に示したダンパー1のようにコイルバネ4の他端側が自由端となっている場合には、ある程度巻き込まれると弾性復帰力によって拡径し元の状態に戻ってしまう。したがって、前記のダンパー1では、このように元の状態に戻ることで発生するトルク量が変動してしまう。(ただし、ダンパー1でも、このトルク量の変動が摺動部材5によって発生するトルクにより吸収されることから、全体としてのトルク量の変動が少なくなり、シャフト3が回動した際にこれに付与されるトルク量がほぼ均一になる。)
一方、このダンパー20では、コイルバネ4の他端側である係止端4bを摺動部材5の係止孔5bに係止させているので、このようなトルク量の変動をより確実に吸収して無くすことができる。すなわち、コイルバネ4の係止端4bが軟質ゴム、エラストマー等からなる摺動部材5に係止しているため、コイルバネ4がある程度巻き込まれた後、元の状態に戻る際、この戻りに伴うコイルバネ4の係止端4bの動きが摺動部材5によって規制され、その動きの急激さが緩和される。したがって、コイルバネ4が元の状態に戻る際に生じるトルク量の急激な変動が抑えられ、これによりトルク量の変動も十分に小さく抑えられるのである。
次に、このような構成のダンパー1の使用例について説明する。
図4は、本発明のダンパー1(20)を、カーオーディオ装置30に取り付けられた場合の例を示すものである。このカーオーディオ装置30には、その本体31の操作面側に、該操作面を開閉可能に閉じる開閉パネル(開閉扉)32が設けられている。また、このカーオーディオ装置30には、開閉パネル32を閉じておくためのロック機構(図示せず)と、このロック機構を解除して開閉パネル32を開くための操作ボタン(図示せず)とが設けられており、さらに、操作ボタンによって開閉パネル32を開いた際、該開閉パネル32にこれが開くための初期動作をなさせるバネ(図示せず)が設けられている。また、この開閉パネル32にはギア部33が取り付けられており、このギア部33は、その歯車が回動することなく固定され状態に構成されている。
図4は、本発明のダンパー1(20)を、カーオーディオ装置30に取り付けられた場合の例を示すものである。このカーオーディオ装置30には、その本体31の操作面側に、該操作面を開閉可能に閉じる開閉パネル(開閉扉)32が設けられている。また、このカーオーディオ装置30には、開閉パネル32を閉じておくためのロック機構(図示せず)と、このロック機構を解除して開閉パネル32を開くための操作ボタン(図示せず)とが設けられており、さらに、操作ボタンによって開閉パネル32を開いた際、該開閉パネル32にこれが開くための初期動作をなさせるバネ(図示せず)が設けられている。また、この開閉パネル32にはギア部33が取り付けられており、このギア部33は、その歯車が回動することなく固定され状態に構成されている。
また、ダンパー1(20)は、そのボディ2側がカーオーディオ装置30の本体31に取り付けられ、固定されている。そして、シャフト3には、その頭部3aにギア34が取り付けられ係止しており、このギア34は、前記ギア部33と歯合している。ここで、ダンパー1(20)に設けられたコイルバネ4は、その巻き込み方向が図4中の矢印A方向となっている。
このようなカーオーディオ装置30において、その開閉パネル32を開き、カーオーディオ装置30を操作するには、まず、前記の操作ボタンを押してロック機構を解除し、前記バネによって開閉パネル32を図4に示したように開く。
このようにして開閉パネル32が開くと、該開閉パネル32は手前側に倒れることによりその自重でさらに開く方向に回動する。そのとき、開閉パネル32に設けられたギア部33がダンパー1(20)側のギア34に歯合していることから、開閉パネル32が開いた際、その回動力がギア部33を介してギア34に伝わる。
このようにして開閉パネル32が開くと、該開閉パネル32は手前側に倒れることによりその自重でさらに開く方向に回動する。そのとき、開閉パネル32に設けられたギア部33がダンパー1(20)側のギア34に歯合していることから、開閉パネル32が開いた際、その回動力がギア部33を介してギア34に伝わる。
すると、ギア34はカーオーディオ装置30に固定されているボディ2に対して図4中矢印A方向、すなわちコイルバネ4の巻き込み方向に回動する。したがって、開閉パネル32が開くと、この開閉パネル32は、シャフト3、ギア34、ギア部33を介して、コイルバネ4の締付力によるトルクと摺動部材5によるトルクとを受ける。このようにしてトルクを受けると、開閉パネル32はその開き速さが抑制されることにより、その開き方が急激になることなく円滑になる。
すなわち、前述したように、コイルバネ4によるトルク量変化が摺動部材5によるトルクで吸収されて緩和され、シャフト3に付与されるトルク量の変化が少なくなってほぼ均一になることにより、開閉パネル32はその開き動作が十分に円滑になるのである。
また、このようにして開いた開閉パネル32を閉じる際には、開閉パネル32を手で直接押すため、ダンパー1は単にこれを僅かに押し戻すように作用だけである。すなわち、開閉パネル32を閉じる際には、シャフト3はコイルバネ4の巻き込み方向と反対の側に回動することから、前述したように実質的には摺動部材5のみによる均一なトルクしかシャフト3に付与されず、したがって開閉パネル32を閉じる手にも比較的小さな負荷しか働かないようになっているのである。
また、このようにして開いた開閉パネル32を閉じる際には、開閉パネル32を手で直接押すため、ダンパー1は単にこれを僅かに押し戻すように作用だけである。すなわち、開閉パネル32を閉じる際には、シャフト3はコイルバネ4の巻き込み方向と反対の側に回動することから、前述したように実質的には摺動部材5のみによる均一なトルクしかシャフト3に付与されず、したがって開閉パネル32を閉じる手にも比較的小さな負荷しか働かないようになっているのである。
よって、このようにして使用されるダンパー1(20)にあっては、特に開閉パネル32をバネの力によって自動的に開いた際、その開き動作をより円滑になさせることができ、したがってこの開閉パネル32を有するカーオーディオ装置30に高級感を与えることができる。
なお、本発明は前記実施形態例に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、図5に示すように、摺動部材5を複数の部材によって構成してもよい。図5においてボディ2は、その取付孔6におけ保持部6aが、図1、図3に示した保持部6aより軸方向の長さが小さく、その分、拡径部6bの軸方向の長さが大きく形成されている。そして、このように大きく形成された拡径部6bに、コイルスプリング4とともに二つの摺動部材21、22が設けられている。摺動部材21は、図1に示した摺動部材5と同様に円筒状のもので、前記のセプトン[登録商標]などによって形成されたものである。また、摺動部材22は、図3に示した摺動部材5と同様に、コイルバネ4の係止端4bが挿通し係止する係止孔5bを有した円筒状のもので、例えばテフロン(登録商標)等の高強度の材料によって形成されたものである。
例えば、図5に示すように、摺動部材5を複数の部材によって構成してもよい。図5においてボディ2は、その取付孔6におけ保持部6aが、図1、図3に示した保持部6aより軸方向の長さが小さく、その分、拡径部6bの軸方向の長さが大きく形成されている。そして、このように大きく形成された拡径部6bに、コイルスプリング4とともに二つの摺動部材21、22が設けられている。摺動部材21は、図1に示した摺動部材5と同様に円筒状のもので、前記のセプトン[登録商標]などによって形成されたものである。また、摺動部材22は、図3に示した摺動部材5と同様に、コイルバネ4の係止端4bが挿通し係止する係止孔5bを有した円筒状のもので、例えばテフロン(登録商標)等の高強度の材料によって形成されたものである。
このように二つの摺動部材21、22を組み合わせてシャフト3に摺動可能に外挿し、かつボディ2の取付孔6(拡径部6b)に摺動可能に内挿させることにより、このダンパー40は、図3に示したダンパー20と同様に機能し、しかも耐久性に優れたものとなる。
また、摺動部材をシャフト3の外面またはボディ2の内面に一体的に設け、ボディ2の内面またはシャフト3の外面のみに摺動させるように構成してもよい。
また、前記の使用例では、本発明のダンパー1(20)をカーオーディオ装置30に設けたが、本発明はこれに限定されることなく、回動部材と固定部材との間であればいずれの形態のものに対しても適用可能である。例えば、自動車関連としては、エンジン可変吸気(エアクリーナーボックス等)、スロットル部分(ダッシュポットの代替等)、車両外装(ミラー等)、車両内装(サンバイザー等)、福祉車両内装などに適用可能であり、その他では、テレビ側操作パネル、プリンター・スキャナー操作パネル、飛行機・新幹線の席についているトレイなどに適用可能である。
さらに、各種扉などのロック機構のオンオフをなさせるための開閉部材に、一定の負荷(トルク)を与えて円滑な動作をなさせるために、本発明のダンパー1(20)を用いることもできる。
なお、前記の固定部材とは、絶対的に固定されたものとの意味ではなく、回動部材との間で相対的に固定されたものとの意味である。
また、前記の使用例では、本発明のダンパー1(20)をカーオーディオ装置30に設けたが、本発明はこれに限定されることなく、回動部材と固定部材との間であればいずれの形態のものに対しても適用可能である。例えば、自動車関連としては、エンジン可変吸気(エアクリーナーボックス等)、スロットル部分(ダッシュポットの代替等)、車両外装(ミラー等)、車両内装(サンバイザー等)、福祉車両内装などに適用可能であり、その他では、テレビ側操作パネル、プリンター・スキャナー操作パネル、飛行機・新幹線の席についているトレイなどに適用可能である。
さらに、各種扉などのロック機構のオンオフをなさせるための開閉部材に、一定の負荷(トルク)を与えて円滑な動作をなさせるために、本発明のダンパー1(20)を用いることもできる。
なお、前記の固定部材とは、絶対的に固定されたものとの意味ではなく、回動部材との間で相対的に固定されたものとの意味である。
1、20、40…ダンパー、2…ボディ、3…シャフト、4…コイルバネ、4a…フック、4b…係止端、5、21、22…摺動部材、5b…係止孔(係止部)、6…取付孔
Claims (3)
- 取付孔を有するボディと、該ボディの前記取付孔に回動可能に挿通するシャフトと、前記取付孔内にて前記シャフトに巻着するコイルバネと、を有してなり、
前記コイルバネは、その一端側が前記ボディに固定されていることにより、その巻き込み方向に前記シャフトが回動した際、トルクを発生して前記シャフトの回動を抑制するよう構成され、
前記取付孔内の前記ボディとシャフトとの間には、前記シャフトが回動した際、該シャフト及び前記ボディの少なくとも一方に対して摺動することによりトルクを発生し、前記シャフトの回動を抑制する摺動部材が設けられていることを特徴とするダンパー。 - 前記摺動部材は円筒状の部材であり、該摺動部材は前記シャフトに摺動可能に外挿するとともに、前記ボディの取付孔に摺動可能に内挿されていることを特徴とする請求項1記載のダンパー。
- 前記コイルバネの他端側が、前記摺動部材に設けられた係止部に係止していることを特徴とする請求項2記載のダンパー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006076461A JP2007247882A (ja) | 2006-03-20 | 2006-03-20 | ダンパー |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2006076461A JP2007247882A (ja) | 2006-03-20 | 2006-03-20 | ダンパー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007247882A true JP2007247882A (ja) | 2007-09-27 |
Family
ID=38592401
Family Applications (1)
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JP2006076461A Withdrawn JP2007247882A (ja) | 2006-03-20 | 2006-03-20 | ダンパー |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2007247882A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009130939A1 (ja) * | 2008-04-25 | 2009-10-29 | セイコープレシジョン株式会社 | 羽根駆動装置及び光学機器 |
US9702176B2 (en) | 2014-07-07 | 2017-07-11 | Itt Manufacturing Enterprises Llc | Spring loaded actuator assembly |
-
2006
- 2006-03-20 JP JP2006076461A patent/JP2007247882A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009130939A1 (ja) * | 2008-04-25 | 2009-10-29 | セイコープレシジョン株式会社 | 羽根駆動装置及び光学機器 |
US8057113B2 (en) | 2008-04-25 | 2011-11-15 | Seiko Precision Inc. | Blade drive device and optical apparatus |
US9702176B2 (en) | 2014-07-07 | 2017-07-11 | Itt Manufacturing Enterprises Llc | Spring loaded actuator assembly |
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