JP2007247775A - 焼結含油軸受 - Google Patents
焼結含油軸受 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007247775A JP2007247775A JP2006071640A JP2006071640A JP2007247775A JP 2007247775 A JP2007247775 A JP 2007247775A JP 2006071640 A JP2006071640 A JP 2006071640A JP 2006071640 A JP2006071640 A JP 2006071640A JP 2007247775 A JP2007247775 A JP 2007247775A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bearing
- oil
- sintered
- impregnated
- sealing film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Sliding-Contact Bearings (AREA)
Abstract
【課題】焼結金属からなる軸受の端面(面取り部含む)に露出している気孔を十分に封孔でき、該端面からの潤滑油の漏出が抑制された摺動特性に優れる焼結含油軸受を提供する。
【解決手段】焼結金属からなる多孔質の軸受本体2に、潤滑油または潤滑グリースを含浸させてなる焼結含油軸受1であって、軸受本体2の軸方向端面2a(該端面の面取り部2bを含む)に、エアロゾルデポジション法により形成されたセラミックス封止膜3を有し、該封止膜3はアルミナ微粒子をエアロゾル原料として使用した被膜であり、その膜厚が 5μm〜7μm である。
【選択図】図1
【解決手段】焼結金属からなる多孔質の軸受本体2に、潤滑油または潤滑グリースを含浸させてなる焼結含油軸受1であって、軸受本体2の軸方向端面2a(該端面の面取り部2bを含む)に、エアロゾルデポジション法により形成されたセラミックス封止膜3を有し、該封止膜3はアルミナ微粒子をエアロゾル原料として使用した被膜であり、その膜厚が 5μm〜7μm である。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば汎用モータなどに用いられる焼結含油軸受に関し、特に内部に含浸させた潤滑油等の漏出が少なく、摺動特性が優れた焼結含油軸受に関する。
焼結含油軸受では、気孔内に含浸させた潤滑油が軸受の摺動特性に大きく影響を与える。すなわち、軸受部の軸が回転することで軸と軸受摺動面との間の潤滑油の部分に油圧が発生して、回転軸が支持される。この時、軸受部での発熱により潤滑油の粘度が下がり、かつ前述の軸受部に発生する油圧により、軸受の摺動面以外でかつハウジングなどに拘束されていない面、すなわち焼結軸受端面に露出している気孔からの潤滑油の漏出が生じることがあった。
潤滑油の漏出は、軸受部の油圧の低下を招き、このことで軸と軸受摺動面との金属接触が増大し、摩擦抵抗の増加や軸受摺動面の摩耗等の問題が生じる。
従来この対策として、回転する円板に焼結軸受を軸方向から挟み込んで軸受端面を加工して気孔を封孔する技術(特許文献1参照)や、焼結含油軸受の端面に工具を押圧し、この工具に軸方向の高周波振動を与えて焼結軸受の端面に繰り返し衝撃を与え,端面部に塑性流動を発生させて端面に露出した気孔を封孔する技術(特許文献2参照)等が開示されている。
潤滑油の漏出は、軸受部の油圧の低下を招き、このことで軸と軸受摺動面との金属接触が増大し、摩擦抵抗の増加や軸受摺動面の摩耗等の問題が生じる。
従来この対策として、回転する円板に焼結軸受を軸方向から挟み込んで軸受端面を加工して気孔を封孔する技術(特許文献1参照)や、焼結含油軸受の端面に工具を押圧し、この工具に軸方向の高周波振動を与えて焼結軸受の端面に繰り返し衝撃を与え,端面部に塑性流動を発生させて端面に露出した気孔を封孔する技術(特許文献2参照)等が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1では、軸受端面部に対する加工度が小さいために、端面に露出している気孔を充分に封孔できない。加工時間を増やしたり加工を繰り返したりすることで加工度を上げることが可能であるが、量産性の低下を招く。焼結軸受の全長がばらつくと、その加工度が異なるために封孔状態もばらつく等の問題がある。
また、特許文献2では、焼結軸受端面の外周部および内周部に、面取り(チャンファー)が施されているが、該文献での封孔方法は平坦な工具で押圧する方法であるために、チャンファー部に露出する気孔は封孔され難く、また封孔されても加工度は小さいことがあり、このチャンファー部からの潤滑油の漏出が発生する等の問題がある。
実開昭48−18789号公報
特開平11−51055号公報
また、特許文献2では、焼結軸受端面の外周部および内周部に、面取り(チャンファー)が施されているが、該文献での封孔方法は平坦な工具で押圧する方法であるために、チャンファー部に露出する気孔は封孔され難く、また封孔されても加工度は小さいことがあり、このチャンファー部からの潤滑油の漏出が発生する等の問題がある。
本発明はこのような問題に対処するためになされたもので、焼結金属からなる軸受の端面(面取り部含む)に露出している気孔を十分に封孔でき、該端面からの潤滑油の漏出が抑制された摺動特性に優れる焼結含油軸受を提供することを目的とする。
本発明の焼結含油軸受は、焼結金属からなる多孔質の軸受本体に、潤滑油または潤滑グリースを含浸させてなる焼結含油軸受であって、上記軸受本体の軸方向端面に、エアロゾルデポジション法(以下、AD法と記す)により形成されたセラミックス封止膜を有することを特徴とする。
また、上記セラミックス封止膜は、上記軸方向端面の面取り(チャンファー)部にも形成されることを特徴とする。
また、上記焼結金属は、銅および鉄から選ばれた少なくとも一つの金属を主成分とすることを特徴とする。
また、上記セラミックス封止膜は、上記軸方向端面の面取り(チャンファー)部にも形成されることを特徴とする。
また、上記焼結金属は、銅および鉄から選ばれた少なくとも一つの金属を主成分とすることを特徴とする。
上記セラミックス封止膜は、アルミナ微粒子をエアロゾル原料として使用した被膜であることを特徴とする。
また、上記セラミックス封止膜は、膜厚が 5μm〜7μm であることを特徴とする。
また、上記セラミックス封止膜は、膜厚が 5μm〜7μm であることを特徴とする。
本発明の焼結含油軸受は、軸受本体の軸方向端面に、AD法により形成された緻密なセラミックス封止膜を有するので、軸受端面に露出している気孔がばらつきなく十分に封孔され、軸受内部に含浸された潤滑油等の漏出を防止できる。特に、セラミックス封止膜が面取り(チャンファー)部にも形成されるので、従来封孔が困難であった該部分からの潤滑油の漏出も防止できる。これらの結果、軸受部の油圧の低下に起因する摩擦抵抗の増加等を抑制でき、摺動特性に優れた軸受となる。
本発明の焼結含油軸受の一実施例を図1に基づいて説明する。図1は、焼結含油軸受の断面図である。なお、セラミックス封止膜は非常に薄い、数μm〜数十μm の被膜であるが、図1においては説明の便宜上、実際よりも厚く図示している。
図1に示すように、焼結含油軸受1の軸受本体2は、焼結金属に潤滑油あるいは潤滑グリースを含浸させて細孔内にこれらの油を保持させた円筒状の含油焼結金属からなる。軸受本体2の内周には、ラジアル軸受面2dが形成されてなり、該ラジアル軸受面2dにて軸(図示省略)を回転自在に支持できる。焼結含油軸受1を動圧軸受装置に利用する場合では、ラジアル軸受面2dに、ヘリングボーン形、スパイラル形等の動圧溝が形成される。焼結含油軸受1は、軸受本体2の外周面2cがハウジング等に拘束されて使用される。
焼結金属としては、例えば、銅および鉄から選ばれた少なくとも一つの金属を主成分とするものが使用でき、好ましくは銅を 20〜95重量%使用して成形される。
軸受本体2の軸方向端面2aには、AD法により形成されるセラミックス封止膜3を有する。また、このセラミックス封止膜3は、軸方向端面2aのチャンファー部2bにも形成される。セラミックス封止膜3は、焼結含油軸受1に含浸された潤滑油や潤滑グリースの漏出を防止するために被覆するものであり、上記端面2aやチャンファー部2b以外であっても、摺動面以外で漏出のおそれがある箇所には被覆することが好ましい。
図1に示すように、焼結含油軸受1の軸受本体2は、焼結金属に潤滑油あるいは潤滑グリースを含浸させて細孔内にこれらの油を保持させた円筒状の含油焼結金属からなる。軸受本体2の内周には、ラジアル軸受面2dが形成されてなり、該ラジアル軸受面2dにて軸(図示省略)を回転自在に支持できる。焼結含油軸受1を動圧軸受装置に利用する場合では、ラジアル軸受面2dに、ヘリングボーン形、スパイラル形等の動圧溝が形成される。焼結含油軸受1は、軸受本体2の外周面2cがハウジング等に拘束されて使用される。
焼結金属としては、例えば、銅および鉄から選ばれた少なくとも一つの金属を主成分とするものが使用でき、好ましくは銅を 20〜95重量%使用して成形される。
軸受本体2の軸方向端面2aには、AD法により形成されるセラミックス封止膜3を有する。また、このセラミックス封止膜3は、軸方向端面2aのチャンファー部2bにも形成される。セラミックス封止膜3は、焼結含油軸受1に含浸された潤滑油や潤滑グリースの漏出を防止するために被覆するものであり、上記端面2aやチャンファー部2b以外であっても、摺動面以外で漏出のおそれがある箇所には被覆することが好ましい。
軸受本体2は、軸受本体2の圧粉成形→焼結→サイジング→含油→両端面2aのバニシング加工→の各工程を経て製造された後、両端面2a(チャンファー部2bを含む)にAD法によりセラミックス封止膜3を形成する。バニシング加工までの工程は、周知の方法・装置で行うことができる。
バニシング工程は、封孔処理のために行なわれる工程である。例えば、超硬合金やセラミック等の硬質材料からなる治具を軸受本体の軸方向両端に配し、両治具の端面に形成した加圧部をそれぞれ軸受本体の両端面に押し当てた状態で、治具を互いに逆回転させることによって行われる。
このバニシング工程により、軸受端面に露出した気孔が潰されて表面開孔率を低くすることができるが、完全には封孔されておらず、また、チャンファー部等では封孔自体が困難であるため、これらの部位から潤滑油等が漏出するおそれがある。本発明では、このバニシング工程後の軸受端面において露出している気孔を、AD法によるセラミックス封止膜により完全に封孔することで、潤滑油等の漏出を防止できる。
バニシング工程は、封孔処理のために行なわれる工程である。例えば、超硬合金やセラミック等の硬質材料からなる治具を軸受本体の軸方向両端に配し、両治具の端面に形成した加圧部をそれぞれ軸受本体の両端面に押し当てた状態で、治具を互いに逆回転させることによって行われる。
このバニシング工程により、軸受端面に露出した気孔が潰されて表面開孔率を低くすることができるが、完全には封孔されておらず、また、チャンファー部等では封孔自体が困難であるため、これらの部位から潤滑油等が漏出するおそれがある。本発明では、このバニシング工程後の軸受端面において露出している気孔を、AD法によるセラミックス封止膜により完全に封孔することで、潤滑油等の漏出を防止できる。
本発明においてAD法は、原料セラミックスの微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを上記軸受本体等の基材に向けてエアロゾル噴射ノズルより噴射し、エアロゾルをこの基材表面に高速で衝突させ、微粒子の構成材料からなる被膜を基材上に形成させる方法である。セラミックス微粒子は、衝突により粉砕し、清浄な新生表面を形成し、低温接合を生じさせるので、室温で微粒子同士の接合を実現できる。
エアロゾル中ではセラミックスの微粒子は分散状態を維持している。AD法により得られる被膜は、上記のようにエアロゾルに分散した微粒子から被膜を形成するので、得られる被膜は極めて緻密なセラミックス層となる。このため、軸受端面にAD法によるセラミックス封止膜が形成された焼結含油軸受は、軸受端面の露出した気孔が完全に封孔され、該部位からの潤滑油等の漏出を防止できる。
エアロゾル中ではセラミックスの微粒子は分散状態を維持している。AD法により得られる被膜は、上記のようにエアロゾルに分散した微粒子から被膜を形成するので、得られる被膜は極めて緻密なセラミックス層となる。このため、軸受端面にAD法によるセラミックス封止膜が形成された焼結含油軸受は、軸受端面の露出した気孔が完全に封孔され、該部位からの潤滑油等の漏出を防止できる。
本発明においてAD法によるセラミックス封止膜を形成するための、エアロゾル原料となるセラミックス微粒子としては、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の酸化物セラミックス微粒子等が挙げられる。それぞれのセラミックスの高純度グレードにおいて、真比重が小さい方がエアロゾル化しやすく、またコスト面にも優れることから、アルミナ微粒子が好ましい。
本発明に用いることができるアルミナ微粒子の平均粒子径は、0.01μm〜2μm である。0.01μm 未満では凝集しやすくエアロゾル化は困難であり、2μm をこえるとAD法での膜形成はできない(膜成長しない)。なお、本発明において平均粒子径は日機装株式会社製:レーザー式粒度分析計マイクロトラックMT3000によって測定した値である。
アルミナ微粒子の粒子径調整方法としては、アルコキシド法やコロイド法、アンモニウム明礬の熱分解法、アンモニウムアルミニウム炭酸塩熱分解法、改良バイヤー法、エチレンクロルヒドリン法の化学的手法や、ガス中蒸発法やスパッタリング(気相酸化)法、アルミニウムの水中火花放電法などの物理的手法を用いて作製された数十 nm 以下の微細な微粒子を加熱し、粒子径で数百 nm 程度の2次粒子に凝集させる方法等が挙げられる。また、被膜形成を良好に行なうため、基材への衝突時にアルミナ微粒子が容易に粉砕するように、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を用いてクラックを予め形成しておくことが好ましい。
本発明に用いることができるアルミナ微粒子の平均粒子径は、0.01μm〜2μm である。0.01μm 未満では凝集しやすくエアロゾル化は困難であり、2μm をこえるとAD法での膜形成はできない(膜成長しない)。なお、本発明において平均粒子径は日機装株式会社製:レーザー式粒度分析計マイクロトラックMT3000によって測定した値である。
アルミナ微粒子の粒子径調整方法としては、アルコキシド法やコロイド法、アンモニウム明礬の熱分解法、アンモニウムアルミニウム炭酸塩熱分解法、改良バイヤー法、エチレンクロルヒドリン法の化学的手法や、ガス中蒸発法やスパッタリング(気相酸化)法、アルミニウムの水中火花放電法などの物理的手法を用いて作製された数十 nm 以下の微細な微粒子を加熱し、粒子径で数百 nm 程度の2次粒子に凝集させる方法等が挙げられる。また、被膜形成を良好に行なうため、基材への衝突時にアルミナ微粒子が容易に粉砕するように、ボールミル、ジェットミル等の粉砕機を用いてクラックを予め形成しておくことが好ましい。
本発明においてAD法によるセラミックス封止膜の形成方法としては、軸受を固定してエアロゾル噴射ノズルを移動させて被膜を形成する方法、または、エアロゾル噴射ノズルを固定して軸受を移動させて被膜を形成する方法のいずれも採用できる。
これらの方法の中で、エアロゾルを安定な状態で吹きつけることができ、位置決め用XYテーブルおよび対象物回転用モータを併用し、軸受を回転させつつ軸方向に移動させることで、セラミックス被膜を容易に塗り重ねて形成できることから、後者の方法を用いることが好ましい。
これらの方法の中で、エアロゾルを安定な状態で吹きつけることができ、位置決め用XYテーブルおよび対象物回転用モータを併用し、軸受を回転させつつ軸方向に移動させることで、セラミックス被膜を容易に塗り重ねて形成できることから、後者の方法を用いることが好ましい。
本発明におけるAD法を図2に基づいて説明する。図2はAD法によるセラミックス封止膜(被膜)の形成装置を示す図である。図2に示すように、AD法によるセラミックス被膜形成装置4は真空チャンバー5を有する。真空チャンバー5内には、セラミックス被膜形成対象である軸受7と、エアロゾル噴射ノズル12とが配設されている。エアロゾル噴射ノズル12にはエアロゾル発生装置11からエアロゾルが供給される。真空チャンバー5の内部は真空ポンプ6によって減圧される。セラミックス微粒子の混入を防止するため、真空ポンプ6の直前に微粒子フィルター13が設けられている。軸受7は、真空チャンバー5内において、対象物回転用モータ9により回転させられ(図中A)、位置決め用XYテーブル8により水平方向に平行移動させられる(図中B)。
エアロゾル噴射ノズル12は、セラミックス微粒子を、長方形等の開口部を有するノズル先端から、軸受7の端面に噴射するものである。なお、エアロゾル噴射ノズル12は、1本であっても複数本であってもよい。また、エアロゾル噴射ノズル12は、真空チャンバー5内で変位可能に構成してもよい。
エアロゾルの搬送ガスとしては、不活性ガスを使用し、ガス供給設備10からエアロゾル発生装置11に供給されている。使用可能な不活性ガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウム等が挙げられる。
固定したエアロゾル噴射ノズル12から、対象物回転用モータ9により所定回転数で回転している軸受7に、セラミックス微粒子を原料とするエアロゾルが噴射され、軸受端面にセラミックス被膜が塗り重ねられて形成される。同時に、位置決め用XYテーブル8により軸受7を平行移動させることで、軸受端面に均一に被膜が形成される。
エアロゾルの搬送ガスとしては、不活性ガスを使用し、ガス供給設備10からエアロゾル発生装置11に供給されている。使用可能な不活性ガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウム等が挙げられる。
固定したエアロゾル噴射ノズル12から、対象物回転用モータ9により所定回転数で回転している軸受7に、セラミックス微粒子を原料とするエアロゾルが噴射され、軸受端面にセラミックス被膜が塗り重ねられて形成される。同時に、位置決め用XYテーブル8により軸受7を平行移動させることで、軸受端面に均一に被膜が形成される。
被膜形成は、封止膜の厚さが 5〜7μm 程度となるまで行なう。成膜時において軸受内径部の周面(軸受面)に封止膜が形成されても、7μm以下の膜厚であれば寸法公差内にあるため問題とならない。また、バニシング加工後の端面に露出している気孔の孔径は、5 μmよりも小さいため、封止膜は 5μm 以上の膜厚であれば封孔される。
また、AD法によるセラミックス封止膜は、焼結軸受材料よりも硬く耐摩耗性があるため、軸受内径部の周面(軸受面)に該封止膜が形成されても、回転軸の接触による摩耗問題は軽微である。
また、AD法によるセラミックス封止膜は、焼結軸受材料よりも硬く耐摩耗性があるため、軸受内径部の周面(軸受面)に該封止膜が形成されても、回転軸の接触による摩耗問題は軽微である。
実施例1
圧粉成形→焼結→サイジング→含油→両端面のバニシング→両端面へのAD法による封止膜形成の各工程を経て、図1に示す焼結含油軸受(寸法 外径6×内径3×高さ7 (mm) )を作成し試験用軸受とした。
AD法による封止膜は、軸受本体2の両端面2aおよびチャンファー部2bに、アルミナ微粒子からなる被膜として形成した。AD法は、位置決め用XYテーブルおよび対象物回転用モータを併用した軸受駆動装置を用いて、周速 6 mm/分で回転しつつ平行移動する軸受に、100 Pa以下の減圧下で、開口サイズ 5 mm×0.3 mm のノズルを通してアルミナ微粒子のエアロゾルを噴射して被膜形成を行なった。被膜形成は、被膜厚さが 6μm となるまで行なった。
アルミナ微粒子は、大明化学工業社製:タイミクロンTM-DARを用い、平均粒子径 0.16μm で、10 Pa以下の減圧下、加熱乾燥処理して使用した。なお、搬送ガスにはヘリウムを用い、粒子速度は搬送ガス流量で制御した。
圧粉成形→焼結→サイジング→含油→両端面のバニシング→両端面へのAD法による封止膜形成の各工程を経て、図1に示す焼結含油軸受(寸法 外径6×内径3×高さ7 (mm) )を作成し試験用軸受とした。
AD法による封止膜は、軸受本体2の両端面2aおよびチャンファー部2bに、アルミナ微粒子からなる被膜として形成した。AD法は、位置決め用XYテーブルおよび対象物回転用モータを併用した軸受駆動装置を用いて、周速 6 mm/分で回転しつつ平行移動する軸受に、100 Pa以下の減圧下で、開口サイズ 5 mm×0.3 mm のノズルを通してアルミナ微粒子のエアロゾルを噴射して被膜形成を行なった。被膜形成は、被膜厚さが 6μm となるまで行なった。
アルミナ微粒子は、大明化学工業社製:タイミクロンTM-DARを用い、平均粒子径 0.16μm で、10 Pa以下の減圧下、加熱乾燥処理して使用した。なお、搬送ガスにはヘリウムを用い、粒子速度は搬送ガス流量で制御した。
比較例1
圧粉成形→焼結→サイジング→含油→両端面のバニシング→の各工程を経て、焼結含油軸受(寸法 外径6×内径3×高さ7 (mm) )を作成し試験用軸受とした。両端面へのAD法による封止膜形成は行なわなかった。
圧粉成形→焼結→サイジング→含油→両端面のバニシング→の各工程を経て、焼結含油軸受(寸法 外径6×内径3×高さ7 (mm) )を作成し試験用軸受とした。両端面へのAD法による封止膜形成は行なわなかった。
軸受ユニットに実施例1および比較例1の試験用軸受を組付けて下記条件で実機モータで評価した。
雰囲気:80℃
軸径:φ3mm
軸姿勢:横倒
回転数:8000rpm
試験時間:500時間
評価項目:油漏れの状況(目視観察)
実施例1では、油漏れが全く認められなかった。比較例1のようにセラミックス封止膜を設けていない場合、焼結金属からなる軸受の端面(面取り部含む)に露出している気孔からの油漏れのため軸あるいはロータに油の付着が認められた。
雰囲気:80℃
軸径:φ3mm
軸姿勢:横倒
回転数:8000rpm
試験時間:500時間
評価項目:油漏れの状況(目視観察)
実施例1では、油漏れが全く認められなかった。比較例1のようにセラミックス封止膜を設けていない場合、焼結金属からなる軸受の端面(面取り部含む)に露出している気孔からの油漏れのため軸あるいはロータに油の付着が認められた。
本発明の焼結含油軸受は、軸受本体の軸方向端面に、AD法により形成された緻密なセラミックス封止膜を有するので、潤滑油等が漏出して軸受部の油圧が低下することに起因する摩擦抵抗の増加等を抑制でき、摺動特性に優れた軸受となる。この結果、動圧軸受装置等に好適に利用できる。
1 焼結含油軸受
2 軸受本体
3 セラミックス封止膜
4 セラミックス被膜形成装置
5 真空チャンバー
6 真空ポンプ
7 軸受本体
8 位置決め用XYテーブル
9 対象物回転用モータ
10 ガス供給設備
11 エアロゾル発生装置
12 エアロゾル噴射ノズル
13 微粒子フィルター
2 軸受本体
3 セラミックス封止膜
4 セラミックス被膜形成装置
5 真空チャンバー
6 真空ポンプ
7 軸受本体
8 位置決め用XYテーブル
9 対象物回転用モータ
10 ガス供給設備
11 エアロゾル発生装置
12 エアロゾル噴射ノズル
13 微粒子フィルター
Claims (5)
- 焼結金属からなる多孔質の軸受本体に、潤滑油または潤滑グリースを含浸させてなる焼結含油軸受であって、
前記軸受本体の軸方向端面に、エアロゾルデポジション法により形成されたセラミックス封止膜を有することを特徴とする焼結含油軸受。 - 前記セラミックス封止膜は、前記軸方向端面の面取り部にも形成されることを特徴とする請求項1記載の焼結含油軸受。
- 前記焼結金属は、銅および鉄から選ばれた少なくとも一つの金属を主成分とすることを特徴とする請求項1または請求項2記載の焼結含油軸受。
- 前記セラミックス封止膜は、アルミナ微粒子をエアロゾル原料として使用した被膜であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の焼結含油軸受。
- 前記セラミックス封止膜は、膜厚が 5μm〜7μm であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項記載の焼結含油軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006071640A JP2007247775A (ja) | 2006-03-15 | 2006-03-15 | 焼結含油軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006071640A JP2007247775A (ja) | 2006-03-15 | 2006-03-15 | 焼結含油軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007247775A true JP2007247775A (ja) | 2007-09-27 |
Family
ID=38592296
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006071640A Pending JP2007247775A (ja) | 2006-03-15 | 2006-03-15 | 焼結含油軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007247775A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102021129948A1 (de) | 2021-11-17 | 2023-05-17 | HQW Precision GmbH | Wälzlagerschmierung mittels Aerosolabscheidung |
-
2006
- 2006-03-15 JP JP2006071640A patent/JP2007247775A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102021129948A1 (de) | 2021-11-17 | 2023-05-17 | HQW Precision GmbH | Wälzlagerschmierung mittels Aerosolabscheidung |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100655366B1 (ko) | 내열, 내마모, 저마찰 특성을 가지는 코팅제 및 이의코팅방법 | |
US8158205B2 (en) | Methods of forming solid lubricant coatings on substrates | |
US8172463B2 (en) | Rolling bearing with a ceramic coating and method for manufacturing the same | |
JP2007126751A (ja) | 低摩擦係数皮膜を塗布するための方法 | |
US9429193B2 (en) | Method for producing fluid dynamic pressure bearing | |
JPS6328879A (ja) | 金属物品の表面にセラミック粒子を接合する方法 | |
KR20140034142A (ko) | 고체 윤활제 입자의 분산물을 갖는 용사 코팅 | |
JPS6152229B2 (ja) | ||
JP2008082415A (ja) | 絶縁転がり軸受 | |
JP2007247775A (ja) | 焼結含油軸受 | |
CN101395394A (zh) | 滚动轴承及其制造方法 | |
JP2007225074A (ja) | 絶縁転がり軸受 | |
CN106795914B (zh) | 生产一种具有腔室的静压流体轴承的方法 | |
US20050163406A1 (en) | Inorganic solid lubricant for high temperature foil bearing | |
JP2007270899A (ja) | 電食防止等速ジョイント | |
JP2008032114A (ja) | 耐食・絶縁転がり軸受 | |
CN110004400A (zh) | 用于改善部件的耐磨性能的方法以及部件 | |
JP2007225076A (ja) | 絶縁転がり軸受 | |
JP4412466B2 (ja) | 動圧軸受装置とその加工方法 | |
JP2007239858A (ja) | 絶縁転がり軸受 | |
Kishore et al. | Grinding and recent trends | |
JP2008082411A (ja) | 絶縁転がり軸受 | |
JP2008095887A (ja) | 絶縁転がり軸受 | |
JP4569829B2 (ja) | 摺動部材 | |
JP2005133593A (ja) | 斜板式コンプレッサの斜板 |