JP2007246421A - ヒアルロン酸産生促進剤 - Google Patents

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泰市 碓氷
Takeomi Murata
健臣 村田
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Abstract

【課題】肌のはり、たるみに対する改善効果や皮膚の抗老化作用を示すことができ、かつ安全性の高いヒアルロン酸産生促進剤を見出すこと、及び該ヒアルロン酸産生促進剤を用いた皮膚外用剤を提供すること。
【解決手段】
本発明は、一般式(1)
【化1】
Figure 2007246421

(ただし、式中、Rは水素原子、β−ガラクトシル基、β−(N−アセチルグルコサミニル)基、β−プリメベロシル基、またはβ−ゲンチオビオシル基を表し、nは1〜2の整数を表わす)で表わされるクロマノール誘導体を必須成分とするヒアルロン酸産生促進剤

Description

本発明は、安全性の高いヒアルロン酸産生促進剤に関する。具体的には、クロマノール構造を有する化合物を必須成分とするヒアルロン酸産生促進剤、及びそれを用いた皮膚外用剤に関する。
高齢化社会が進みつつある中、老化防止に対する関心が高まっており、化粧料においても、各種の老化防止剤が開発され、利用されるに至っている。これら老化防止剤のうち、レチノイン酸またはレチノイン酸と同様のイソプレノイド鎖を有する化合物;ラベンダー抽出液,メソイの植物抽出液;N-メチル-L-セリン,エタノールアミン,N-メチルエタノールアミンまたはそれらの塩等を有効成分として含有するヒアルロン酸産生促進剤は、加齢とともに減少するヒアルロン酸量を補い、組織の柔軟性と湿潤性を向上させるため、優れた老化防止効果を持つことが報告(特開平06−189780(特許文献1)、特開平09−087163(特許文献2)、特開平10−182402(特許文献3)、特開2004−359573(特許文献4)等)されている。
また、ある種の2−(β−グリコシルオキシアルキル)クロマノールについては、その酸化防止作用に基づき、酸化防止剤、放射線防護剤、皮膚障害予防・治療剤、紫外線障害予防・治療剤、皮膚色素沈着予防・治療剤、皮膚美白化剤、皮膚老化防止剤、細胞賦活剤である皮膚外用剤などの用途が開示(特開平7−118287(特許文献5)、特開平10−72356(特許文献6)、WO00/57889(特許文献7)等)されている。
しかしながら、レチノイン酸等のヒアルロン酸産生促進剤は、その有効性は確認されているものの、安全性の問題が指摘されている。また、植物抽出物などでは、ヒアルロン酸産生促進効果は十分ではなく、ヒアルロン酸産生促進剤として満足すべき機能を有する物質は見出せていないのが現状である。
また、上記2−(β−グリコシルオキシアルキル)クロマノールは、その酸化防止作用に基づく皮膚外用剤としての用途を提案しているが、皮膚老化防止に重要なヒアルロン酸産生促進作用については全く記載がなく、本発明の比較試験においても、その代表的化合物である2−(β−グルコシルオキシメチル)クロマノールはヒアルロン酸産生促進作用を示さなかった、後述の比較例 表4を参照)。
特開平06−189780号公報 特開平09−087163号公報 特開平10−182402号公報 特開2004−359573号公報 特開平7−118287号公報 特開平10−72356号公報 WO00/57889号公報
そこで、本発明者らは、安全性が高く、かつ有効なヒアルロン酸産生促進効果を持つヒアルロン酸産生促進剤を見出すことを課題とし、鋭意検討することにより、本発明を完成するに至った。
本発明者らは、ある特定のクロマノール骨格を有する化合物が、レチノイン酸等とは異なり、有効なヒアルロン酸産生促進効果を持ちながら、安全性が高く、さらに酸化・紫外線障害の抑制に有効な抗酸化作用も強いことを確認し、外用剤、化粧品として有用なことを見出した。
すなわち本発明は
(1)一般式(1)
Figure 2007246421
(ただし、式中、Rは水素原子、β−ガラクトシル基、β−(N−アセチルグルコサミニル)基、β−プリメベロシル基、またはβ−ゲンチオビオシル基を表し、nは1〜2の整数を表わす)で表わされるクロマノール誘導体を必須成分とするヒアルロン酸産生促進剤;
(2)上記(1)に記載のヒアルロン酸産生促進剤を用いる皮膚外用剤;
(3)一般式(1−1)
Figure 2007246421
(ただし、式中、R1はβ−(N−アセチルグルコサミニル)基、β−プリメベロシル基、またはβ−ゲンチオビオシル基を表し、nは1〜2の整数を表わす)で表わされるクロマノール誘導体;である。
本発明によれば、安全性が高く、かつ有効なヒアルロン酸産生促進効果を持つヒアルロン酸産生促進剤を提供することができる。
一般式(1)で示されるクロマノール誘導体の内、Rが水素原子を表す2−ヒドロキシアルキルクロマノールは公知化合物であり(例えば、特開昭58−201775号公報、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(Journal of American Chemical Society)、101巻、22号、6710頁参照)、また、Rがβ−ガラクトシル基を表す2−(β−ガラクトシルオキシアルキル)クロマノールも公知化合物であり(例えば、特開平9−249688号公報参照)、公知の方法により容易に入手することができる。
一方、RおよびR1がβ−(N−アセチルグルコサミニル)基を表す2−(β−(N−アセチルグルコサミニル)オキシアルキル)クロマノールは新規化合物であり、下記一般式(2)で示される通り、2−ヒドロキシアルキルクロマノールとN−アセチルグルコサミンオリゴマーやアリール N−アセチルグルコサミニドなどの糖供与体とをN−アセチルヘキソサミニダーゼなどの糖転移酵素の存在下、反応させることにより容易に得ることができる。
一般式(2):
Figure 2007246421
(式中、nは1または2を表す。)
さらに、RおよびR1が、β−プリメベロシル基、またはβ−ゲンチオビオシル基を表す2−(β−プリメベロシルオキシアルキル)クロマノールおよび2−(β−ゲンチオビオシルオキシアルキル)クロマノールも新規化合物であり、一般式(3)で示される通り、2−ヒドロキシアルキルクロマノールと、相当する二糖の1−O−p−ニトロフェニルエーテルなどの脱離基を有する二糖誘導体とをプリメベロシダーゼなどの二糖転移酵素の存在下に反応させることにより容易に得ることができる。
一般式(3)
Figure 2007246421
(式中、nは1または2を表し、R2はβ−プリメベロシル基またはβ−ゲンチオビオシル基を表し、Yは脱離基を表す。)
これらの配糖化反応は、溶媒の存在下に実施され、使用される溶媒としては、水、リン酸緩衝液、酢酸塩緩衝液、などの水性溶媒およびこれらとともに用いることができるジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリルなどの共溶媒が挙げられる。添加する共溶媒の濃度は1〜50(v/v)%、反応効率の観点から好ましくは5〜35(v/v)%である。上記式(3)におけるR2−Yに相当するp−ニトロフェニ配糖体の濃度は1〜70(w/v)%、好ましくは5〜50(w/v)%である。pHは4.5〜8.5、好ましくは5.0〜7.5である。反応温度は10〜70℃、好ましくは20〜60℃である。反応時間は1〜60時間、好ましくは2〜50時間である。但し、これらの条件は使用する前記酵素の種類および量により影響をうける。
このようにして得られたクロマノール誘導体(1)の水に対する溶解度は、例えば25℃で(2,3−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン−2−イル)メタノール(HMC)は0.02g/100 ml、1β−O−(2,3−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン−2−イル)メチル−N−アセチルグルコサミン(GlcNAc−HMC)は6.0g/100 mlと高いものとなり、水溶性剤としての利用が可能である。また、該クロマノール誘導体の熱安定性およびpH安定性も向上する。
また、これらのクロマノール誘導体(1)は、高い抗酸化作用を有しており、生体内の酸化ストレスによる老化防止にも有効である。類似骨格を有する2−(β−グルコシルオキシメチル)クロマノールが全くヒアルロン酸合成促進作用を示さなかったこと(後述の比較例 表4を参照)からも明らかなように、本発明化合物のみがヒアルロン酸合成促進作用を有することは予想外の現象であった。これらのクロマノール誘導体の中でも、特に2−(β−(N−アセチルグルコサミニル)オキシアルキル)クロマノール、2−(β−ガラクトシルオキシアルキル)クロマノール、ヒドロキシアルキルクロマノールに高いヒアルロン酸産生促進作用が見出された。
本発明の皮膚外用剤の形態は特に制限されることは無く、クリーム、乳液、ローション、メイクアップ化粧料(ファンデーション等)等が挙げられる。また、用途としては皮膚老化防止化粧料、あるいは紫外線防止化粧料に有効に用いることができる。
本発明の皮膚外用剤には、上記必須成分のほか、本発明の効果を損なわない範囲で化粧品、医薬部外品などの皮膚外用剤に配合される成分として通常用いられている成分、すなわち動植物油由来の硬化油、天然由来のロウ、炭化水素系の油相成分、動植物由来の油相成分、シリコーン系の油相成分、フッ素系の油相成分、炭素数11〜20の高級アルコール、増粘剤、紫外線吸収剤、粉体、顔料、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、多価アルコール、糖、高分子化合物、生理活性成分、経皮吸収促進剤、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等を配合することができる。
本発明の皮膚外用剤に有効成分として含まれるヒアルロン酸産生促進剤としてのクロマノール誘導体は、その含有量が0.0001質量%以上であれば有効に機能を発揮する。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
[合成実施例1]
1β−O−(2,3−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン−2−イル)メチル−N−アセチルグルコサミン(HMC−β−GlcNAc)の合成
1β−O−(4−ニトロフェニル)−N−アセチルグルコサミン(pNP−β−GlcNAc)(0.40mmol)および(2,3−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン−2−イル)メタノール(HMC)(2.5
mmol)を酢酸ナトリウム緩衝液(20mM、pH5.5)10mlに溶解した後、アミコラトプシス・オリエンタリス(Amycolatopsis orientalis)由来β−N−アセチルヘキソサミニダーゼ(β−NAHase)(1.2U)を添加し、40℃にて振とうしながら反応を行った。TLCにて反応の経時変化を追い(展開溶媒:クロロホルム/メタノール/水=7/3/0.5(容量比))、反応開始から24時間後に100℃で10分間煮沸して反応を停止させた。0.1N塩酸にてpH3.5とした反応液と適量のクロロホルムを分液漏斗に加えて振とうし、反応液からp−ニトロフェノール(pNP)およびHMCを抽出した。得られた水層を濃縮してカラムクロマトグラフィ(Toyopearl HW−40S)(φ2.4×60cm)に供し、メタノール/水(1/3(容量比))溶液にて溶出させた。
生成物の検出は二重結合に由来する210nm、ベンゼン環に由来する300nmの吸光度およびフェノール硫酸法による485nmの吸光度の測定により行い、目的画分を濃縮し凍結乾燥した。得られたHMC−β−GlcNAcの収量は2mgで収率はpNP−β−GlcNAcあたり1%であった。
得られたHMC−β−GlcNAcのNMRスペクトルを以下に示す。
1 H−NMR(500MHz,D2O)δ:
1.20,1.21(s,3H),1.7−2.1(m),1.76(s,3H),
2.096(s,3H),2.106(s,3H),2.087,2,098,
2.109,2.139(s,9H),2.63−2.65(m,2H),
3.42−3.93(m,6H),4.49,4.57(d,J=8.2Hz,1H)
[合成実施例2]
HMC−β−GlcNAcの合成
N−アセチルグルコサミンテトラマー((GlcNAc)4)(1.2mmol)およびHMC(7.6mmol)を酢酸ナトリウム緩衝液(20mM、pH5.5)/アセトニトリル(7/3(容量比))混合液31mlに溶解し、A.orientalis由来β−NAHase(14U)を添加して40℃にて振とうしながら反応を行った。TLC(展開溶媒:クロロホルム/メタノール/水=7/3/0.5(容量比))及びHPLCにて反応の経時変化を追い、反応開始から30時間後、100℃で10分間煮沸して反応を停止させた。0.1N塩酸にてpH3.5とした反応液と適量のクロロホルムを分液漏斗に加えて振とうし、反応液からHMCを抽出した。得られた水層を濃縮してカラムクロマトグラフィ(Toyopearl HW−40S)(φ6×90cm)に供し、メタノール/水(1/3(容量比))溶液にて溶出させた。生成物の検出は二重結合に由来する210nm、ベンゼン環に由来する300nmの吸光度の測定により行った。目的物が存在すると思われる画分を濃縮し凍結乾燥した。得られたHMC−β−GlcNAcの収量は124mgで収率は(GlcNAc)4あたり18%であった。
1 H−NMR(500MHz,D2O)δ:
1.21(s,3H),1.70−1,76(m,2H),1.76(s,3H),
1.88−2.0(m,2H),2.096(s,3H),2.106(s,3H),
2.147(s,3H),2.6−2.7(m,2H),3.44(d,J=5.2Hz,2H),3.5−3.3.55(m,1H),3.67−3.76(m,3H),
3.84(d,J=11Hz,1H),3.92(d,J=11.9Hz,1H),
4.58(d,J=8.6Hz,1H)
[合成実施例3]
1β−O−(2,3−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン−2−イル)メチル−ガラクトピラノシド(HMC−β−Gal)の合成
ラクトース(10mmol)およびHMC(10mmol)を酢酸ナトリウム緩衝液(20mM、pH5.5)/アセトニトリル(7/3(容量比))混合液40mlに溶解した後、ペニシリウム・マルチカラー(Penicillium multicolor)由来ベータ−ガラクトシダーゼ(β−Galactosidase)(4.0U)を添加し、40℃にて振とうしながら反応を行った。
TLC(展開溶媒:クロロホルム/メタノール/水=7/3/0.5(容量比))及びHPLCにて反応の経時変化を追い、反応時間30時間にて、100℃にて5分間煮沸して反応を停止させた。0.1N塩酸にてpH3.5とした反応液と適量のクロロホルムを分液漏斗に加えて振とうし、反応液からHMCを抽出した。
得られた水層を濃縮してカラムクロマトグラフィ(Toyopearl HW−40S)(φ2.5×60cm)に供し、メタノール/水(1/3(容量比))溶液にて溶出させた。生成物の検出は二重結合に由来する210nm、ベンゼン環に由来する300nmでの吸光度の測定により行った。目的物が存在すると思われる画分を濃縮し凍結乾燥した。得られたHMC−β−Galの収量は11mgで収率はラクトースあたり0.3%であった。
1 H−NMR(500MHz,D2O)δ:
1.24,1.28(s,3H),1.74−1.82(m,2H),
1.91−2.02(m,2H),2.074,2.078,2.083,
2.124(s,9H),2.62−2.65(m,2H),
3.52−3.63(m,3H),3.69−3.76(m,3H),
3.87−3.93(m,2H),4.37−4.40(m,1H)
[合成実施例4]
HMC−β−Galの合成
1β−O−(4−ニトロフェニル)ガラクトース(pNP−β−Gal)(4mmol)およびHMC(10mmol)を酢酸ナトリウム緩衝液(20mM、pH5.5)/アセトニトリル(7/3(容量比))混合液10mlに溶解し、P.multicolor由来β−Galactosidase(90mU)を添加して40℃にて振とうしながら反応を行った。TLC(展開溶媒:クロロホルム/メタノール/水=7/3/0.5(容量比))及びHPLCにて反応の経時変化を追い、反応時間22時間にて、100℃で5分間煮沸して反応を停止させた。0.1N塩酸にてpH3.5とした反応液と適量のクロロホルムを分液漏斗に加えて振とうし、反応液からHMCを抽出した。
得られた水層を濃縮してカラムクロマトグラフィ(Toyopearl HW−40S)(φ6×90cm)に供し、メタノール/水(1/3(容量比))溶液にて溶出させた。生成物の検出は二重結合に由来する210nm、ベンゼン環に由来する300nmの吸光度の測定により行った。目的物が存在すると思われる画分を濃縮し凍結乾燥した。得られたHMC−β−Galの収量は28mgで収率はpNP−β−Galあたり7%であった。
1 H−NMR(500MHz,D2O)δ:
1.24,1.28(s,3H),1.74−1.83(m,2H),
1.91−2.08(m,2H),2.073,2.078,2.083
(s,6H),2.124(s,3H),2.62−2.65(m,2H),
3.35−3.93(m,8H),4.37−4.75(m,1H)
[合成実施例5]
1β−O−(2,3−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン−2−イル)メチル−プリメベロース(HMC−β−Prim)の合成
1β−O−(4−ニトロフェニル)プリメベロース(pNP−β−Prim)(35mg,0.08mmol)およびHMC(59mg,0.25mmol)を水800μlに加えて調製した基質溶液に、100mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.5)に溶解したP.multicolor由来β−プリメベロシダーゼ(β−Primeverosidase)を0.6U/mlとなるように添加した。40℃で48時間振とうしながら反応させた後、100℃で5分間煮沸することにより反応を停止させた。反応液を遠心分離し、その上清をメタノール/水(1/3(容量比))溶液で平衡化しておいたToyopearl HW−40S(φ2.4×73cm)に供し、メタノール/水(1/3(容量比))溶液にて溶出させた。生成物の検出は二重結合に由来する210nm、ベンゼン環に由来する300nm、中性糖のフェノール−硫酸法による485nmの吸光度の測定により行った。目的物が存在すると思われる画分を濃縮し凍結乾燥した。得られたHMC−β−Primの収量は7.52mgで収率はpNP−β−Primあたり17.5%であった。
[試験例]:ヒアルロン酸産生促進効果の確認
(2,3−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン−2−イル)メタノール(HMC)および合成実施例2、4にて合成した1β−O−(2,3−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン−2−イル)メチル−N−アセチルグルコサミン(HMC−β−GlcNAc)、1β−O−(2,3−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン−2−イル)メチル−ガラクトピラノシド(HMC−β−Gal)の各試料による正常ヒト真皮線維芽細胞のヒアルロン酸産生促進効果を表1から表3に示す。また、比較例として、1α−O−(2,3−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン−2−イル)メチル−グルコピラノシド(HMC−α−Glc)による正常ヒト真皮線維芽細胞のヒアルロン酸産生促進効果を表4に示す。
各試料は、99.5質量%エタノールに溶解後、培地で各濃度に希釈し、下記の方法により試験を行った。
〔細胞培養方法〕
正常ヒト真皮線維芽細胞は、2.0×104 cells/wellの細胞密度で96穴マイクロプレートに播種した。0.5%牛胎児血清(FBS)含有ダルベッコ変法イーグルMEM培地(DMEM)にて24時間培養後、所定の濃度の試料を含有した0.5%FBS含有DMEM培地に交換した。陽性コントロールには5%FBS含有DMEMを用いた。48時間培養後、培養上清を採取しヒアルロン酸の産生量を下記の方法で定量した。
〔ヒアルロン酸の定量法〕
0.2mg/mlのヒアルロン酸溶液をELISAプレートに添加し、37℃で1時間静置することによりコーティング処理し、更に1%牛血清アルブミン(BSA)溶液を用いて37℃にて1時間ブロッキング処理を行った。次にプロテオグリカンモノマー含有1%BSA溶液、およびリン酸緩衝液(PBS)にて10倍希釈した培養上清を一晩静置した。その後、 一次抗体(抗ケラタン硫酸(マウス))を37℃にて1時間反応させた。さらに、二次抗体(ペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG1)を37℃にて1時間反応後、0.3mg/mlABTS含有リン酸−クエン酸緩衝液(0.1M、pH4.0)を加えた。10分後、マイクロプレートリーダーを用いて405nmの吸光度を測定した。ヒアルロン酸量は、同じプレートで測定した検量線から算出した。
同時に細胞のタンパク定量試験をBCAタンパク定量試薬を用いて定量した。培養上清中のヒアルロン酸量をタンパク量で除することにより、単位蛋白量あたりのヒアルロン酸量を算出し、これを細胞のヒアルロン酸産生量とした。
〔ヒアルロン酸産生効果の評価〕
測定は、各試料の一点の濃度につき、5回の測定を行い、得られたデータの有意差検定は、スチューデント(Student)のt−検定によった。p(t−test)はスチューデント(Student)t−検定を表し、p<0.05の時有意であると判定した。
なお対照の1α−O−(2,3−ジヒドロ−6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチル−2H−ベンゾピラン−2−イル)メチル−グルコピラノシド(HMC−β−Glc)を用いて同様の試験を行なった結果を表4に示す。なお陽性コントロールとしては、FBS濃度5%のものを用いた。
[試験例1]
Figure 2007246421
[試験例2]
Figure 2007246421
[試験例3]
Figure 2007246421
[比較例]
Figure 2007246421
[実施例1]:[クリーム]
〔配合成分〕 (質量%)
(1)ステアリン酸 2.0
(2)ステアリルアルコール 7.0
(3)水添ラノリン 2.0
(4)スクワラン 5.0
(5)2−オクチルドデシルアルコール 6.0
(6)ポリオキシエチレン(25モル)セチルアルコールエーテル 3.0
(7)グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
(8)プロピレングリコール 5.0
(9)HMC−β−GlcNAc 0.5
(10)L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩 0.5
(11)亜硫酸水素ナトリウム 0.03
(12)エチルパラベン 0.3
(13)香料 適量
(14)イオン交換水 残余
〔製 法〕
(14)に(8)〜(10)を加え、加熱して70℃に保った(水相)。一方、(1)〜(7)、(11)〜(13)を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を加え、予備乳化を行い、次いでホモミキサーで均一に乳化した後、よくかき混ぜながら30℃まで冷却し、クリームを得た。
[実施例2]:[クリーム]
〔配合成分〕 (質量%)
(1)固形パラフィン 5.0
(2)ミツロウ 10.0
(3)ワセリン 15.0
(4)流動パラフィン 41.0
(5)グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
(6)ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタンモノラウリン酸エステル 2.0
(7)石けん粉末 0.1
(8)硼砂 0.2
(9)HMC 2.0
(10)L−アスコルビン酸2−グルコシド 2.0
(11)亜硫酸水素ナトリウム 0.03
(12)エチルパラベン 0.3
(13)香料 適量
(14)イオン交換水 残余
〔製 法〕
(14)に(7)、(8)を加え、加熱溶解して70℃に保った(水相)。一方、(1)〜(6)、(9)〜(13)を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相をかき混ぜながら徐々に加え、添加終了後、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかき混ぜながら30℃まで冷却し、クリームを得た。
[実施例3]:[乳 液]
〔配合成分〕 (質量%)
(1)ステアリン酸 2.5
(2)セチルアルコール 1.5
(3)ワセリン 5.0
(4)流動パラフィン 10.0
(5)ポリオキシエチレン(10モル)モノオレイン酸エステル 2.0
(6)ポリエチレングリコール1500 3.0
(7)トリエタノールアミン 1.0
(8)カルボキシビニルポリマー 0.05
(9)HMC−β−Gal 1.0
(10)4−メトキシサリチル酸カリウム 0.5
(11)亜硫酸水素ナトリウム 0.01
(12)エチルパラベン 0.3
(13)香料 適量
(14)イオン交換水 残余
〔製 法〕
少量の(14)に(8)を溶解した(A相)。一方、残りの(14)に(6)、(7)、(9)および(10)を加え、加熱溶解して70℃に保った(水相)。また、(1)〜(5)、(11)〜(13)を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ここにA相を加え、ホモミキサーで均一乳化し、乳化後よくかき混ぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。
[実施例4]:[乳 液]
〔配合成分〕 (質量%)
(1)マイクロクリスタリンワックス 1.0
(2)ミツロウ 2.0
(3)ラノリン 20.0
(4)流動パラフィン 10.0
(5)スクワラン 5.0
(6)ソルビタンセスキオレイン酸エステル 4.0
(7)ポリオキシエチレン(20モル)ソルビタンモノオレイン酸エステル 1.0
(8)プロピレングリコール 7.0
(9)HMC 2.0
(10)亜硫酸水素ナトリウム 0.01
(11)エチルパラベン 0.3
(12)香料 適量
(13)イオン交換水 残余
〔製 法〕
(13)に(8)、(10)を加え、加熱して70℃に保った(水相)。一方、(1)〜(7)、(9)、(11)〜(13)を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。油相をかき混ぜながらこれに水相を徐々に加え、ホモミキサーで均一に乳化した。乳化後、よくかき混ぜながら30℃まで冷却し、乳液を得た。

Claims (3)

  1. 一般式(1)
    Figure 2007246421
    (ただし、式中、Rは水素原子、β−ガラクトシル基、β−(N−アセチルグルコサミニル)基、β−プリメベロシル基、またはβ−ゲンチオビオシル基を表し、nは1〜2の整数を表わす)で表わされるクロマノール誘導体を必須成分とするヒアルロン酸産生促進剤。
  2. 請求項1に記載のヒアルロン酸産生促進剤を用いる皮膚外用剤。
  3. 一般式(1−1)
    Figure 2007246421
    (ただし、式中、R1はβ−(N−アセチルグルコサミニル)基、β−プリメベロシル基、またはβ−ゲンチオビオシル基を表し、nは1〜2の整数を表わす)で表わされるクロマノール誘導体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58201775A (ja) * 1982-05-17 1983-11-24 Kuraray Co Ltd 3,4−ジヒドロ−2h−ベンゾピラン誘導体の製造方法
WO2000057889A1 (fr) * 1999-03-31 2000-10-05 Cci Corporation Preparations pour la peau a usage externe

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