JP2007245887A - 車輌振動に応じてアクティブスタビライザが制御される車輌 - Google Patents

車輌振動に応じてアクティブスタビライザが制御される車輌 Download PDF

Info

Publication number
JP2007245887A
JP2007245887A JP2006071131A JP2006071131A JP2007245887A JP 2007245887 A JP2007245887 A JP 2007245887A JP 2006071131 A JP2006071131 A JP 2006071131A JP 2006071131 A JP2006071131 A JP 2006071131A JP 2007245887 A JP2007245887 A JP 2007245887A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
active stabilizer
vehicle body
resonance
stabilizer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006071131A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4696983B2 (ja
Inventor
Yuichi Mizuta
祐一 水田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2006071131A priority Critical patent/JP4696983B2/ja
Publication of JP2007245887A publication Critical patent/JP2007245887A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4696983B2 publication Critical patent/JP4696983B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

【課題】路面の凹凸による車輪の上下振動が車体に伝わることにより車輌の乗り心地が損なわれることを、アクティブスタビライザの制御により低減するが、車輌の乗り心地の良さよりも車輌の走行性能がより重要となる車輌の運転状態に於いては、その要請に適合したアクティブスタビライザの制御を行う。
【解決手段】先ず車体上下加速度の変動の所定の中周波数領域に於ける強さが所定の限界値以上であるときアクティブスタビライザを解放する。そして車体上下加速度の変動の所定の高周波数領域に於ける強さが所定の限界値以上になるとアクティブスタビライザをロックする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車等の車輌に於けるアクティブスタビライザの制御に係る。
スタビライザは、車体のロールを抑制する観点からは、その捩り剛性が高い方が好ましいが、車輌の乗り心地の観点からは、その捩り剛性が低い方が好ましいことに鑑み、スタビライザの剛性を硬軟の間で切り換えるに当たって、その具体化のための構成を低コストで汎用性のある部品により構成することが下記の特許文献1に記載されている。また路面からの入力に対してもアクティブにスタビライザを制御し、車輌の直進走行中に於ける路面凹凸に起因する変化に対しては乗り心地を確保し、車輌の旋回時には車体ロール角を確実に制御すべく、車輌の左右車輪間に配設されるスタビライザの捩り剛性を制御し、旋回状態に応じて車体のロール運動をアクティブに制御するスタビライザ制御装置に於いて、車体と左右車輪の相対変位の車輪ストロークを検出し、車輪ストローク左右差および車輪ストローク速度左右差の少なくとも一方に基づき、スタビライザフリー制御およびロール減衰制御の少なくとも一方によって、スタビライザの捩り剛性を制御するための外部付与力を設定することが、下記の特許文献2に記載されている。
特開平8-268027 特開2005-238971
上記の特許文献2に於けるスタビライザフリー制御は、左右一対の車輪のストロークの間の偏差から低周波フィルタにて路面の凹凸による1〜3Hzの振動入力を検出し、その振幅に比例して増大するロール剛性低減目標値にてスタビライザの捩りばね力を低減させるものである。アクティブスタビライザは一般に5Hz程度までの制御入力に対しては応答性を有するので、かかるロール剛性低減目標制御は可能であると思われるが、5Hzを超えるような周波数によるアクティブスタビライザのアクティブ制御は現在のところ不可能である。一方、車輌の悪路走行時に路面より車輪および車輪懸架装置を経て車体に伝わる振動には5Hzを超える周波数の成分も多く含まれており、これらの振動成分により車輌の乗り心地が損なわれることは少なくない。
本発明は、上記の事情に鑑み、路面の凹凸により車輪から車輪懸架装置を経て車体に伝わる振動により車輌の乗り心地が損なわれることを、車輌にアクティブスタビライザが設けられている場合に、アクティブスタビライザの制御により低減することを第一の課題としている。更に、本発明は、前記第一の課題をアクティブスタビライザの制御により達成する場合にも、そのことによって車輌の乗り心地が改善されることよりも車輌の走行性能がより重要となる車輌の運転状態に於いては、そのような要請によりよく適合したアクティブスタビライザの制御を行うことを第二の課題としている。更に、本発明は、前記の第一および第二の課題の達成にあたって、そのことと、アクティブスタビライザの制御により他の目的を達成することとの間に最適調整を図ることをその他の課題としている。
上記の第一の課題を達成するものとして、本発明は、左右の車輪の各々によりサスペンションスプリングを経て車体が支持され、前記左右の車輪間に該左右の車輪の前記車体に対する変位の相対差に応じて該差を打ち消す方向の可変の弾性力を及ぼすアクティブスタビライザと、前記アクティブスタビライザの前記相対差に応じた弾性力を可変に制御するアクティブスタビライザ制御手段とを有する車輌にして、前記アクティブスタビライザ制御手段は前記車体の上下加速度に基づいて該車体上下加速度の変動の所定の中周波数領域に於ける強さが所定の第一の限界値以上であるとき前記アクティブスタビライザを解放するようになっていること特徴とする車輌を提案するものである。
前記第一の限界値は車輌に作用する横加速度の増大に応じて低くされてよい。
前記アクティブスタビライザ制御手段は前記車体の上下加速度に基づいて該車体上下加速度の変動の所定の高周波数領域に於ける強さが所定の第二の限界値以上であるとき前記アクティブスタビライザをロックするようになっていてよい。
前記第二の限界値は車体に作用する横加速度の増大に応じて高くされてよい。
また、上記のその他の課題を達成するものとして、本発明は、車輌の直進時には、アクティブスタビライザを解放することによる前記中周波数領域に於ける車体上下加速度の変動の抑制が車輪の共振に対してアクティブスタビライザをロックすることおよび車体のロール共振をアクティブスタビライザの制御により抑制することに優先して行われるようになっていることを特徴とする車輌を提案するものである。この場合、更に、車輌の直進時には、車輪の共振に対してアクティブスタビライザをロックすることが車体のロール共振をアクティブスタビライザの制御により抑制することに優先して行われるようになっていてよい。
また、上記のその他の課題を達成するものとして、本発明は、車輌の旋回時には車体のロール共振をアクティブスタビライザの制御により抑制することが車輪の共振に対してアクティブスタビライザをロックすることおよびアクティブスタビライザを解放することによる車体上下加速度の変動の抑制に優先して行われるようになっていることを特徴とする車輌を提案するものである。この場合、更に、車輌の旋回時には、アクティブスタビライザを解放することによる車体上下加速度の変動の抑制が車輪の共振に対してアクティブスタビライザをロックすることに優先して行われるようになっていてよい。
上記の如く、左右の車輪の各々によりサスペンションスプリングを経て車体が支持され、左右の車輪間に該左右の車輪の車体に対する変位の相対差に応じて該差を打ち消す方向の可変の弾性力を及ぼすアクティブスタビライザと、前記アクティブスタビライザの前記相対差に応じた弾性力を可変に制御するアクティブスタビライザ制御手段とを有する車輌に於いて、前記アクティブスタビライザ制御手段が車体の上下加速度に基づいて該車体上下加速度の変動の所定の中周波数領域に於ける強さが所定の第一の限界値以上であるときアクティブスタビライザを解放するようになっていれば、前記所定の中周波数領域を、一例として5Hz程度のアクティブスタビライザ追従制御が可能な周波数の上限を越えた所定範囲の周波数領域としておくことにより、車輌の悪路走行中等に於いて、アクティブスタビライザ追従制御が不可能な周波数領域に於ける振動が車輪より車体に伝達されてくる状態となったときには、アクティブスタビライザを解放することにより、そのような振動が車輪からアクティブスタビライザを経て車体に伝達されることを阻止し、その分、車輌の乗り心地を改善することができる。尚、ここで、アクティブスタビライザを解放するということは、アクティブスタビライザを完全にフリーの状態にすることだけでなく、その捩じれ剛性を実質的に下げることを含んでいてよい。
車輌に作用する横加速度が増大すると、アクティブスタビライザはそれに相当して捩じられた状態となり、車輪よりアクティブスタビライザを経てより車体へ振動がより一層伝わりやすくなる。そこで、前記第一の限界値が車輌に作用する横加速度の増大に応じて低くされれば、車輌に作用する横加速度が増大したとき、車輪から車体への振動の伝達により車輌の乗り心地が損なわれることを早めに防止することができる。
また、アクティブスタビライザ制御手段が、上記の要領にて、車体の上下加速度に基づいて、車体上下加速度の変動の所定の中周波数領域に於ける強さが所定の第一の限界値以上であるときアクティブスタビライザを解放するときにも、車体上下加速度の変動の所定の高周波数領域に於ける強さが所定の第二の限界値以上であるときにはアクティブスタビライザをロックするようになっていれば、前記の所定の高周波数領域を、車体上下加速度の変動の周波数が、前記の中周波数領域の上限以上であって、一例として8Hz程度以上の如く、車輌の乗り心地の改善よりも、振動により車輪の接地荷重が低下することを避け、車輪の接地荷重を確保し車輌の走行性能を維持することの方がより重要となるような所定の周波数領域であるようにしておくことにより、車輌の乗り心地の改善よりも車輪の接地荷重を確保し車輌の走行性能を維持することの方がより重要となったとき、車輌の乗り心地の改善に優先して車輌の走行性能を維持することにより、車輌の安全性能を高めることができる。尚、ここで、アクティブスタビライザをロックするということは、アクティブスタビライザのアクチュエータの動きを完全に固定することだけでなく、アクチュエータの動きが実質的に固定された状態となるようアクチュエータの動きが抑制された状態を含んでいてよい。
この場合、車輌に作用する横加速度が増大すると、横加速度により接地荷重が高まる側の車輪に於いては、車輪の接地荷重は横加速度により増大することにより、振動によって車輪の接地荷重が低下する度合は抑制されてくる。そこで、前記第二の限界値が車体に作用している横加速度の増大に応じて高くされ、それに応じてアクティブスタビライザをロックすることが遅らせ、可能な限り乗り心地を改善しつつ車輪の接地荷重を確保して車輪の走行安定性を維持することができる。
車輌の直進時には、アクティブスタビライザを解放することによる前記中周波数領域に於ける車体上下加速度の変動の抑制が車輪の共振に対してアクティブスタビライザをロックすることおよび車体のロール共振をスカイフック制御理論等に基づいてアクティブスタビライザの制御により抑制することに優先して行われるようになっていれば、車輌の直進走行時には、車輪の共振や車体のロール共振は比較的起こりにくいが、一方、路面の不規則に基づく車体の振動はより目立って車輌の乗り心地を損なう度合が高いことに対応して、車輪の共振や車体のロール共振の抑制に優先して上記のアクティブスタビライザ解放制御を実行し、こうして複数の制御に対し優先順位付けをおこなうことにより、アクティブスタビライザに関する互いに相入れない異なる制御の間に干渉を生ずることなく、アクティブスタビライザを最大限に有効に作動させることができる。
この場合、更に、車輌の直進時には、車輪の共振に対してアクティブスタビライザをロックすることが車体のロール共振をアクティブスタビライザの制御により抑制することに優先して行われるようになっていれば、車輌の直進時には、車輪の共振と車体のロール共振とでは、前者が後者より起こりやすいことに鑑みて、更にこれら2つの制御の間により適切な優先順位付けを行うことができる。
車輌の旋回中には、車体のロール共振を抑制することは、不規則路面から伝わる振動により乗り心地が損なわれることを抑制することに比してより重要な事項であり、一方、車輌の旋回中には、旋回外側の車輪は増大した荷重により路面に押し付けられ、また旋回内側の車輪は荷重が低減しているから、車輪の共振は左程問題とはなりにくい状態にある。従って、車輌の旋回中には、アクティブスタビライザの制御により車体のロール共振を抑制することが、アクティブスタビライザの解放による路面から車体への振動伝達の抑制や車輪の共振に対してアクティブスタビライザをロックすることに優先して行われてよい。特に、アクティブスタビライザが電動式であるときには、喩え定常ロール状態にあっても、電動アクチュエータは電力を消費しているので、車輌の旋回時に車体のロール共振をアクティブスタビライザの制御により抑制することは電力消費を格別増大させる結果とはならない。更に、車輌の旋回時には、車輪に共振が生ずる可能性は低いので、アクティブスタビライザを解放することによる車体上下加速度の変動の抑制のほうが車輪の共振に対してアクティブスタビライザをロックすることに優先して行われるようになっていてよい。
アクティブスタビライザの解放が電動式アクティブスタビライザへの通電の停止、或は液圧式アクティブスタビライザへの液圧供給の停止により行われるようになっていれば、エネルギを消費してアクティブスタビライザを解放状態に制御するよりもエネルギ消費の上で有利である。
図1は、左右の車輪の各々によりサスペンションスプリングを経て車体が支持され、左右の車輪間に該左右の車輪の車体に対する変位の相対差に応じて該差を打ち消す方向の可変の弾性力を及ぼすアクティブスタビライザと、アクティブスタビライザの前記相対差に応じた弾性力を可変に制御するアクティブスタビライザ制御手段とを有する車輌の本発明に係る構成の要部をその機能的構成に於いて解図的に示す概略図である。
図示の通り、車輌は、左右の車輪10L,10Rの各々によりサスペンションスプリング12L,12Rを経て車体14が支持された構造を有している。左右の車輪間には、左右の車輪の車体に対する変位の相対差に応じてこの差を打ち消す方向の可変の弾性力を及ぼすアクティブスタビライザ16が設けられている。アクティブスタビライザ16は単に解図的に示されているが、電気式または液圧式のアクティブスタビライザは種々の構造に於いて公知である。ただ、本発明に使用するアクティブスタビライザは、中央部にあってそれより左右に延在するトーションバー半体の間の相対的捩じれ角を可変に調節するアクチュエータが、トーションバー半体の間の回動変位を自由に許す解放モードを取り得るようになっていることが必要である。
アクティブスタビライザ16は、マイクロコンピュータよりなり以下に説明する種々の機能部を含む電子制御装置(ECU)18とアクティブスタビライザのアクチュエータを制御するアクチュエータ制御装置20とを含むアクティブスタビライザ制御手段により、前記相対差に応じた弾性力を可変に制御されるようになっている。尚、図示の例では、一般の車輌がそうであるように、左右の車輪10L,10Rの各々と車体14の間には、サスペンションスプリング12L,12Rと並列に左右のショックアブソーバ22L,22Rが設けられている。また、図1に於いて、24L,24Rは、車輪10Lおよび10Rのタイヤが呈する弾性を等価ばねにて置き換えて表示したものである。車輪と車体と車輪懸架装置とを図1に示す如く一つの振動系として機能的に表示することに関連して、車輪は「ばね下」と称され、車体は「ばね上」と称されている。尚、図1に於いて左右の車輪10L,10R、左右のサスペンションスプリング12L,12Rおよび左右のショックアブソーバ22L,22Rは、四輪車の一対の前輪または一対の後輪のいずれとされてもよい。
車体の車輪10Lに対応する左側部の上下加速度および車輪10Rに対応する右側部の上下加速度が、それぞればね上上下加速度センサ26Lおよび26Rにより検出されるようになっている。また車輪10Lおよび10Rの上下加速度が、それぞればね下上下加速度センサ28Lおよび28Rにより検出されるようになっている。更に、車輌に作用する横加速度が、図示の例では車体の一部に取り付けられた横加速度センサ30により検出されるようになっている。
左右の車体上下加速度センサ26L,26Rにより検出された車体の左側部および右側部の上下加速度を示す信号は、電子制御装置18内に機能上の一部として構成された(以下同様)帯域濾過部(バンドパスフィルタ、略してB.P.F)32へ供給されると共に、減算器34へ供給され、減算器34からは車体の左側部と右側部に於ける上下加速度の差を示す信号が帯域濾過部36および目標アクチュエータトルク演算部38へ供給されている。左右の車輪上下加速度センサ28L,28Rにより検出された左輪および右輪の上下加速度を示す信号は帯域濾過部40へ供給されている。帯域濾過部32には、車輌横加速度センサ30により検出された車輌に作用する横加速度を示す信号も供給されている。
帯域濾過部32に於いては、左右の車体上下加速度センサ26L,26Rにより検出された車体の左側部および右側部の上下加速度を示す信号より一例として5Hz以上の周波数帯域の信号が透過され、透過信号は悪路判定部42へ供給されると共に、更に帯域濾過部44へ供給される。帯域濾過部44は供給された信号より更に一例として8Hz以上の周波数の信号を透過するようになっている。帯域濾過部44にて透過された信号も悪路判定部42へ供給されている。
悪路判定部42は、帯域濾過部32より供給された信号のレベルが或る所定の第一の限界値以上であるときには、車輌が悪路上を走行していると判定し、アクチュエータ制御装置20へ向けてアクティブスタビライザを解放せしめる制御信号を発信させるよう電子制御装置18を作動させる。この場合、悪路判定部42は、車輌横加速度センサ30より供給された車輌に作用する横加速度を示す信号に基づき、車輌に作用する横加速度の大きさが増大すれつれて前記第一の限界値を低くしてアクティブスタビライザを解放せしめる信号レベルを判断するようになっている。これは、上記の通り車輌に作用する横加速度が増大すると、アクティブスタビライザはそれに相当して捩じられた状態となり、車輪よりアクティブスタビライザを経てより車体へ振動がより一層伝わりやすくなることに対応するものであり、このように車輌に作用する横加速度の増大に応じてアクティブスタビライザを解放する振動の限界レベルが下げられれば、車輌に作用する横加速度が増大したときにも、車輪から車体への振動の伝達により車輌の乗り心地が損なわれることを早めに防止することができる。
更に、悪路判定部42は、帯域濾過部44より供給された信号のレベルがある所定の第二の限界値以上であるときには、アクティブスタビライザの解放を取り消し、アクティブスタビライザをロックさせる制御信号を電子制御装置18よりアクチュエータ制御装置20へ向けて発信させるよう作動する。この場合にも、悪路判定部42は、車輌横加速度センサ30より供給された車輌に作用する横加速度を示す信号に基づき、車輌に作用する横加速度の大きさが増大すれつれて前記の第二の限界値を高くしてアクティブスタビライザをロックせしめる信号レベルを判断するようになっている。これは、上記の通り車輌に作用する横加速度が増大すると、横加速度により接地荷重が高まる側の車輪に於いては、車輪の接地荷重が横加速度により増大することにより、振動によって車輪の接地荷重が低下する度合が軽減されてくることを考慮に入れるものであり、こうして車輌に作用する横加速度の増大に応じてアクティブスタビライザの解放を取り消してアクティブスタビライザをロックする振動の限界レベルを高くすることにより、走行安定性確保のため車体振動の抑制を犠牲にしてアクティブスタビライザをロックする振動レベルを上げることができる。
帯域濾過部36は、それに供給された車体の左側部と右側部に於ける上下加速度の差を示す信号より車輌の種類に応じて車体に生じやすいロール共振周波数帯域の信号を透過させるように設定されており、その透過信号はばね上ロール共振判定部46へ供給される。ばね上ロール共振判定部46は、帯域濾過部36を透過して供給された車体のロール振動信号のレベルに基づき、車体にロール共振が生じているか否かを判定し、車体にロール共振が生じているときには、それを抑制するようにアクティブスタビライザを作動させるべく、アクティブスタビライザ制御のための制御信号を電子制御装置18よりアクチュエータ制御装置20へ向けて発信させるよう作動する。かかるアクティブスタビライザの制御による車体のロール共振の抑制は、スカイフック制御理論等に基づいて行われてよい。このとき、目標アクチュエータトルク演算部38は、減算器34より供給された車体の左側部と右側部に於ける上下加速度の差を示す信号に基づいて、車体のロール共振を抑制すべくアクティブスタビライザを作動させるときの目標アクチュエータトルクを演算するようになっている。
但し、ばね上ロール共振判定部46による上記の車体ロール共振を抑制するためのアクティブスタビライザの制御と、悪路判定部42による上記のアクティブスタビライザの解放或いはロック制御とは互いに相入れないので、そのどちらを優先するかについての制御が後述の要領にて行われる。
帯域濾過部40は、左右の車輪上下加速度センサ28L,28Rにより供給された左輪および右輪の上下加速度を示す信号より車輌の種類によって異なる車輪懸架装置の特性に応じて車輪に生じやすい共振周波数帯域の信号を透過させるように設定されており、その透過信号はばね下共振判定部48へ供給される。ばね下共振判定部48は、帯域濾過部40を透過して供給された車輪の振動信号のレベルに基づき、車輪に共振が生じているか否かを判定し、車輪に共振が生じているときには、アクティブスタビライザをロックすべく、アクティブスタビライザロックのための制御信号を電子制御装置18よりアクチュエータ制御装置20へ向けて発信させるよう作動する。
但し、ばね下共振判定部48による上記の車輪共振を抑制するためのアクティブスタビライザロックもまた、悪路判定部42による上記のアクティブスタビライザの解放或いはロック制御およびばね上ロール共振判定部46による上記の車体ロール共振抑制制御とは互いに相入れないので、そのどれを優先させるかについての制御が以下の要領にて行われる。
先ず、車輌の直進時には、車輪の共振や車体のロール共振は比較的起こりにくいが、一方、路面の不規則に基づく車体の振動はより目立って車輌の乗り心地を損なう度合が高く、また直進時には車速も上昇することから路面に対する車輪の接地確保はより重要となる。そこで、車輌の直進時には、悪路判定部42により行われるアクティブスタビライザの解放或いはロック制御は、ばね上ロール共振判定部46により行われるアクティブスタビライザ作動制御によるばね上ロール共振抑制制御やばね下共振判定部48により行われるアクティブスタビライザロックに優先して行われるようにされる。
この場合、ばね下共振判定部48により行われる車輪共振に対するアクティブスタビライザロックと、ばね上ロール共振判定部46により行われるアクティブスタビライザ作動制御によるばね上ロール共振抑制制御とについては、いずれか一方が他方に対して優先されれば、両者の干渉が回避されるが、車輌の直進時には、車輪共振の方が車体のロール共振より起こりやすいことに鑑み、ばね下共振判定部48によるアクティブスタビライザロックが、ばね上ロール共振判定部46によるばね上ロール共振抑制のためのアクティブスタビライザ作動制御に優先して行われてよい。
車輌の旋回中には、車体のロール共振を抑制することは、路面から車体へ伝わる振動により車輌の乗り心地が損なわれる問題に比してより重要である。一方、車輌の旋回中には、左右一対の車輪間に於ける荷重の配分は、旋回外側の車輪へ大きく偏倚し、旋回外側の車輪は増大した荷重により路面に押し付けられ、また旋回内側の車輪は荷重が低減しているから、車輪の共振は左程問題とはなりにくい。従って、車輌の旋回中には、ばね上ロール共振判定部46によるアクティブスタビライザの制御により車体のロール共振を抑制することが、悪路判定部42によるアクティブスタビライザの解放による路面から車体への振動伝達の抑制やばね下共振判定部48による車輪の共振に対するアクティブスタビライザロックに優先して行われてよい。しかも、アクティブスタビライザが電動式であるときには、喩え定常ロール状態にあっても電動アクチュエータは電力を消費しているので、車輌の旋回時に車体のロール共振をアクティブスタビライザの制御により抑制することは電力消費を格別増大させる結果とはならない。
更に、車輌の旋回時には、車輪に共振が生ずる可能性は低いので、悪路判定部42によりアクティブスタビライザを解放することによる車体振動を抑制することの方がばね下共振判定部48により車輪の共振に対してアクティブスタビライザをロックすることに優先して行われるようになっていてよい。
以上に於いては本発明をいくつかの制御局面を総合的に含む一つの実施の形態について詳細に説明したが、かかる実施の形態について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
左右の車輪の各々によりサスペンションスプリングを経て車体が支持され、左右の車輪間にアクティブスタビライザが組み込まれた車輌の本発明に係る構成の要部をその機能的構成に於いて解図的に示す概略図。
符号の説明
10L,10R…車輪、12L,12R…サスペンションスプリング、14…車体、16…アクティブスタビライザ、18…電子制御装置(ECU)、20…アクチュエータ制御装置、22L,22R…ショックアブソーバ、24L,24R…タイヤの弾性を示す等価ばね、26L,26R…ばね上上下加速度センサ、28L,28R…ばね下上下加速度センサ、30…横加速度センサ、32…帯域濾過部、34…減算器、36…帯域濾過部、38…目標アクチュエータトルク演算部、40…帯域濾過部、42…悪路判定部、44…帯域濾過部、46…ばね上ロール共振判定部、48…ばね下共振判定部

Claims (10)

  1. 左右の車輪の各々によりサスペンションスプリングを経て車体が支持され、前記左右の車輪間に該左右の車輪の前記車体に対する変位の相対差に応じて該差を打ち消す方向の可変の弾性力を及ぼすアクティブスタビライザと、前記アクティブスタビライザの前記相対差に応じた弾性力を可変に制御するアクティブスタビライザ制御手段とを有する車輌にして、前記アクティブスタビライザ制御手段は前記車体の上下加速度に基づいて該車体上下加速度の変動の所定の中周波数領域に於ける強さが所定の第一の限界値以上であるとき前記アクティブスタビライザを解放するようになっていること特徴とする車輌。
  2. 前記第一の限界値は車輌に作用する横加速度の増大に応じて低くされることを特徴とする請求項1に記載の車輌。
  3. 前記アクティブスタビライザ制御手段は前記車体の上下加速度に基づいて該車体上下加速度の変動の所定の高周波数領域に於ける強さが所定の第二の限界値以上であるとき前記アクティブスタビライザをロックするようになっていること特徴とする請求項1または2に記載の車輌。
  4. 前記第二の限界値は車体に作用する横加速度の増大に応じて高くされることを特徴とする請求項3に記載の車輌。
  5. 車輌の直進時には、前記アクティブスタビライザを解放することによる前記中周波数領域に於ける車体上下加速度の変動の抑制が前記車輪の共振に対して前記アクティブスタビライザをロックすることおよび前記車体のロール共振を前記アクティブスタビライザの制御により抑制することに優先して行われるようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の車輌。
  6. 車輌の直進時には、前記車輪の共振に対して前記アクティブスタビライザをロックすることが前記車体のロール共振を前記アクティブスタビライザの制御により抑制することに優先して行われるようになっていることを特徴とする請求項5に記載の車輌。
  7. 車輌の旋回時には、前記車体のロール共振を前記アクティブスタビライザの制御により抑制することが前記車輪の共振に対して前記アクティブスタビライザをロックすることおよび前記アクティブスタビライザを解放することによる車体上下加速度の変動の抑制に優先して行われるようになっていることを特徴とする請求項1または2に記載の車輌。
  8. 車輌の旋回時には、前記アクティブスタビライザを解放することによる車体上下加速度の変動の抑制が前記車輪の共振に対して前記アクティブスタビライザをロックすることに優先して行われるようになっていることを特徴とする請求項7に記載の車輌。
  9. 前記アクティブスタビライザの解放は電動式アクティブスタビライザへの通電の停止により行われるようになっていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の車輌。
  10. 前記アクティブスタビライザの解放は液圧式アクティブスタビライザへの液圧供給の停止により行われるようになっていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の車輌。
JP2006071131A 2006-03-15 2006-03-15 車輌振動に応じてアクティブスタビライザが制御される車輌 Expired - Fee Related JP4696983B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006071131A JP4696983B2 (ja) 2006-03-15 2006-03-15 車輌振動に応じてアクティブスタビライザが制御される車輌

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006071131A JP4696983B2 (ja) 2006-03-15 2006-03-15 車輌振動に応じてアクティブスタビライザが制御される車輌

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007245887A true JP2007245887A (ja) 2007-09-27
JP4696983B2 JP4696983B2 (ja) 2011-06-08

Family

ID=38590620

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006071131A Expired - Fee Related JP4696983B2 (ja) 2006-03-15 2006-03-15 車輌振動に応じてアクティブスタビライザが制御される車輌

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4696983B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010092687A1 (ja) 2009-02-16 2010-08-19 トヨタ自動車株式会社 車両のスタビライザ制御装置
CN101618692B (zh) * 2007-12-04 2014-03-19 格拉默股份有限公司 车辆以及用于弹簧悬挂车辆中的车辆部件的方法
US9421842B2 (en) 2014-10-15 2016-08-23 Hyundai Motor Company Method for controlling suspension system
KR20170025174A (ko) * 2015-08-27 2017-03-08 현대모비스 주식회사 스태빌라이저 제어 장치 및 방법
CN107848359A (zh) * 2015-07-28 2018-03-27 标致雪铁龙汽车股份有限公司 用于估算由陆地车辆取道的行驶路线的状态指数的装置
KR20180053911A (ko) * 2016-11-14 2018-05-24 현대자동차주식회사 통합샤시 시스템 협조제어 방법 및 차량
JP2020508919A (ja) * 2017-03-03 2020-03-26 ピアッジオ・エ・チ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ 3輪又は4輪のモータビークルにおける共振により生じるジャンピングを対比する方法
US10703160B2 (en) 2017-04-03 2020-07-07 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Roll control apparatus for vehicle
CN115057357A (zh) * 2022-08-18 2022-09-16 中化学建设投资集团有限公司 架桥机安装预制梁板的水平检测系统

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005238971A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 Aisin Seiki Co Ltd スタビライザ制御装置
JP2006188080A (ja) * 2004-12-28 2006-07-20 Toyota Motor Corp 車両用スタビライザシステム

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005238971A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 Aisin Seiki Co Ltd スタビライザ制御装置
JP2006188080A (ja) * 2004-12-28 2006-07-20 Toyota Motor Corp 車両用スタビライザシステム

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101618692B (zh) * 2007-12-04 2014-03-19 格拉默股份有限公司 车辆以及用于弹簧悬挂车辆中的车辆部件的方法
WO2010092687A1 (ja) 2009-02-16 2010-08-19 トヨタ自動車株式会社 車両のスタビライザ制御装置
US9421842B2 (en) 2014-10-15 2016-08-23 Hyundai Motor Company Method for controlling suspension system
CN107848359B (zh) * 2015-07-28 2021-02-23 标致雪铁龙汽车股份有限公司 用于估算由陆地车辆取道的行驶路线的状态指数的装置
CN107848359A (zh) * 2015-07-28 2018-03-27 标致雪铁龙汽车股份有限公司 用于估算由陆地车辆取道的行驶路线的状态指数的装置
KR20170025174A (ko) * 2015-08-27 2017-03-08 현대모비스 주식회사 스태빌라이저 제어 장치 및 방법
KR102393750B1 (ko) 2015-08-27 2022-05-03 현대모비스 주식회사 스태빌라이저 제어 장치 및 방법
KR20180053911A (ko) * 2016-11-14 2018-05-24 현대자동차주식회사 통합샤시 시스템 협조제어 방법 및 차량
JP2020508919A (ja) * 2017-03-03 2020-03-26 ピアッジオ・エ・チ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ 3輪又は4輪のモータビークルにおける共振により生じるジャンピングを対比する方法
JP7201602B2 (ja) 2017-03-03 2023-01-10 ピアッジオ・エ・チ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ 3輪又は4輪のモータビークルにおける共振により生じるジャンピングを対比する方法
US10703160B2 (en) 2017-04-03 2020-07-07 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Roll control apparatus for vehicle
DE102018107646B4 (de) * 2017-04-03 2020-10-29 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Wanksteuervorrichtung für ein fahrzeug
CN115057357A (zh) * 2022-08-18 2022-09-16 中化学建设投资集团有限公司 架桥机安装预制梁板的水平检测系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP4696983B2 (ja) 2011-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4696983B2 (ja) 車輌振動に応じてアクティブスタビライザが制御される車輌
US9636965B2 (en) Suspension system
US20100211261A1 (en) Vehicle behavior control system
KR102172306B1 (ko) 차량 거동 제어 장치
JP4557157B2 (ja) 電気自動車の車両制御装置
JP2012136111A (ja) 車両制御システムおよび制御装置
JP2019209781A (ja) 電磁サスペンション装置
JP2007168716A (ja) 車両のロール制御装置
JP2011230718A (ja) 車両用サスペンション制御装置
JP5162283B2 (ja) 減衰力可変ダンパの制御装置および制御方法
JP2008201307A (ja) スタビライザ装置
JP4367641B2 (ja) 電気自動車の車両制御装置
KR20010046884A (ko) 스태빌라이저의 취부구조
CN107053992B (zh) 调节方法和机动车辆
JP4596133B2 (ja) 車両統合制御装置
US20150025741A1 (en) Operating method for an active suspension of a motor vehicle
JP2007045197A (ja) 車両のロール剛性配分制御装置
WO2012029183A1 (ja) 車両制御システム及び制御装置
JP5135023B2 (ja) サスペンション特性制御装置
JP5355189B2 (ja) サスペンション装置
KR20180068744A (ko) Ars를 이용한 차량의 안정화 제어 방법 및 안정화 제어 시스템
WO2024127990A1 (ja) センサ異常検出装置
KR20180068747A (ko) Ars를 이용한 차량의 안정화 제어 방법 및 안정화 제어 시스템
JP4457842B2 (ja) 車輌のロール運動制御装置
JP5043804B2 (ja) 車両挙動制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081201

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110127

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110201

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110214

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4696983

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees