JP2007245356A - 電子機器、印刷装置、コンピュータ、ビデオサーバー、表示装置及びゲーム機 - Google Patents

電子機器、印刷装置、コンピュータ、ビデオサーバー、表示装置及びゲーム機 Download PDF

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Toshio Narishima
俊夫 成島
Hisahide Takamura
尚英 高村
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Abstract

【課題】印刷解像度の高精細化と印刷速度の高速化に伴い、インクジェット方式の印刷装置に搭載する主電源が大型化している。
【解決手段】ハードディスク駆動部を搭載する電子機器に、(a)商業電源に接続され、ハードディスク駆動部に第1の電力を供給する主電源と、(b)ハードディスク駆動部の起動時、第1の電力を補う第2の電力をハードディスク駆動部に供給する充電式の副電源と、(c)電力の供給線路上に位置し、ハードディスク駆動部の起動時、電力の供給線路に副電源を電気的に接続するスイッチ部とを搭載する。
【選択図】図1

Description

明細書で提案する発明は、ハードディスク駆動部を搭載する電子機器に関する。電子機器には、印刷装置、コンピュータ、ビデオサーバー、表示装置及びゲーム機が含まれる。
近年、多くの電子機器には、ハードディスク駆動部が搭載されている。例えば、コンピュータだけでなく、印刷装置、ビデオサーバー、表示装置、ゲーム機その他の民生機器に数多く搭載されている。
ところで、ハードディスク駆動部の起動時には、特にハードディスク駆動部に内臓されたモータの起動にはモータの起動トルクが必要となり、そのため非常に多くの電力が必要となる。
このため、ハードディスク駆動部を搭載する電子機器には、ハードディスク駆動部の起動時を想定して非常に大きな電源供給容量を有する電源(主電源)が搭載されている。
ところが、電源供給容量が大きい電源(主電源)の搭載は、装置本体が大型化する問題がある。加えて、大容量の電源は、重量の増加やコストアップを招く問題がある。
なお、特許文献1には、画像定着機の立ち上げ時間の短縮又は温度維持を目的として、主電源とは別に補助電源を搭載する複写機が開示されている。
特開2005−215239号公報
ところで、特許文献1で示す技術は、主電源が起動してシステムが完全に稼動する準備が整った後の画像定着機の電力不足を補うものである。すなわち、ハードディスク駆動部の起動時での電力不足を補うものではない。
コメント
従来例との差を明確にする必要があるかもしれません。
従来例では、画像定着機が温まる時間を短縮するため、副電源がなくても(時間がかかるが)画像定着機は起動できるが、その時間短縮のために副電源を接続しています。
本件は、ハードディスク起動時の必ず必要な電力を補うために副電源を接続します。副電源がないと、ハードディスクは起動しなくなります。
この辺を差異の説明としては、どうでしょうか。
また、多くの電子機器では、電源に対する負荷を分散制御し、起動するハードディスク駆動部に優先的に電力を供給する手法を採用する。このため、他のデバイスに対する電力の供給が遅れ、システム全体が起動するまでの時間が長くなる問題がある。
そこで、発明者らは、ハードディスク駆動部で特に大きな電力が必要になるハードディスク駆動部の起動時に、ハードディスク駆動部に電力を補充的に供給できる充電式の副電源を電子機器に搭載する。
すなわち、ハードディスク駆動部を搭載する電子機器を以下に示すように構成する。
(a)商業電源に接続され、ハードディスク駆動部に第1の電力を供給する主電源
(b)ハードディスク駆動部の起動時、第1の電力を補う第2の電力をハードディスク駆動部に供給する充電式の副電源
(c)電力の供給線路上に位置し、ハードディスク駆動部の起動時、電力の供給線路に副電源を電気的に接続するスイッチ部
発明者らの提案する発明を用いれば、ハードディスク駆動部に搭載する電子機器に搭載する主電源の容量を最大消費電力に比して大幅に小さくできる。
または、発明者らの提案する発明を用いれば、他のデバイスに供給する電力を増やすことができ、システム全体の起動時間を短縮できる。
以下、発明に係る電子機器の一例として、ハードディスク駆動部を搭載するインクジェット方式の印刷装置について説明する。
なお、本明細書で特に図示又は記載されない部分には、当該技術分野の周知又は公知技術を適用する。
また以下に説明する実施形態は、発明の一つの実施形態であって、これらに限定されるものではない。
(A)印刷装置のシステム構成
(A−1)全体構成
図1に、印刷装置100を用いた印刷システムの機能ブロック構成を示す。
なお、印刷装置100は、インクジェット方式の印刷装置である。また、印刷装置100は、シリアルバスやネットワーク経由でホストコンピュータ200と接続される。
ホストコンピュータ200には、画像メモリ201が搭載され、画像ファイルが格納される。この他、印刷装置100は、外部記憶媒体から画像ファイルを読み出して印刷できる機能(ダイレクトプリント機能)にも対応する。図1では、外部記憶媒体の一例として、記憶媒体の外観がカード形状のメモリカード(半導体メモリ)300の場合を示す。
(A−2)印刷装置内の構成
印刷装置100は、主電源111、HDD用電源供給スイッチ部113、HDD用副電源115、HDD用昇圧DC−DCコンバータ117、ハードディスク駆動部(HDD)119、ヘッド用電源供給スイッチ部121、ヘッド用副電源123、ヘッド用昇圧DC−DCコンバータ125、印刷ヘッド127、モーター駆動部129、モーター131、システム制御部133、A/D変換部135、センサー137、コンピュータI/F部139、メモリカードI/F部141、画像処理部143、印刷ヘッド制御部145で構成する。
(a)主電源
主電源111は、商用電源のコンセントに電源ケーブル経由で接続される電源である。主電源111は、印刷装置内の各部に電力を分配する。例えばHDD電源より電源供給スイッチ部113を通じてハードディスク駆動部119に電力を供給する。また例えば、ヘッド電源より電源供給スイッチ部121を通じて印刷ヘッド127に電力を供給する。また例えば、ロジック電源より装置内の各部に電力を供給する。また例えば、モーター電源よりモーター駆動部129に電力を供給する。
ここでは、HDD電源として、例えば5Vの定電圧下で1Aの電流を供給できるものを使用する。この電力は、最大消費電力より小さく、ハードディスク駆動部119のアクセス動作に必要な電力量に応じて決定されている。すなわち、ハードディスク駆動部の起動時以外では、このHDD電源のみでハードディスク駆動部119を駆動できるように設計されている。
一般的に、2.5インチドライブのハードディスク駆動部はその内臓モータが5V電圧で駆動され、3.5インチドライブのハードディスク駆動部はその内臓モータが12V電圧で駆動される。
また、ヘッド電源として、例えば9.4Vの定電圧下で10.45Aの電流を供給できるものを使用する。この電力は、最大消費電力の約半分とし、印刷ヘッド127の通常印刷に必要な電力量に応じて決定されている。すなわち、ベタ塗り印刷や高速連続印刷以外では、このヘッド電源のみで印刷ヘッド119を駆動できるように設計されている。
(b)HDD用電源供給スイッチ部
HDD用の電源供給スイッチ部113は、HDD電源が供給する電源(主電源)とHDD用の副電源115が供給する電源(副電源)を選択的にハードディスク駆動部119に供給する回路部である。
なお、主電源から延びる電源供給線と副電源から延びる電源供給線とは、電源供給スイッチ部113内で1本の電源供給線に接続される。電源供給スイッチ部113は、この1本の電源供給線に対する副電源の電気的な接続を制御する。
ハードディスク駆動部119で消費される電力が主電源111から供給される電流で十分な場合、電源供給スイッチ部113は、主電源のみをハードディスク駆動部119に供給する。
これに対し、ハードディスク駆動部119で消費される電力が主電源111から供給される電流で十分でない場合、電源供給スイッチ部113は、主電源と副電源の両方をハードディスク駆動部119に供給する。この際、副電源からハードディスク駆動部119に対しては、主電源の不足分を補うように電流が流れる。
すなわち、ハードディスク駆動部119で必要な電流が定格1A以下の場合、電源供給スイッチ部113は、主電源のみから電流を供給する。
一方、ハードディスク駆動部119で必要な電流が定格1Aを超える場合、電源供給スイッチ部113は、主電源分の1Aに副電源分の電流を加えた最大電流を供給する。
(c)HDD用副電源
HDD用の副電源115は、ハードディスク駆動部119の内臓モータ起動時における電力不足を補うために用意される予備電源である。副電源115は、ファラッド単位の大容量を有する電気二重層コンデンサや二次電池で構成する。すなわち、充電式の電源である。この例の場合、副電源115の電力供給容量は、DC負荷換算で1Aの電流を供給できるものを使用する。
図2に、副電源115を電気二重層コンデンサで実現する場合の回路構成を示す。電気二重層コンデンサは、二次電池と異なり化学反応を伴わない。このため、迅速な充放電が可能である。この特性により、昨今では、この種の大容量コンデンサが短時間のバックアップ用途にも使用されている。
副電源115は、HDD電源(主電源)から分岐された電源供給線に接続されている。すなわち、副電源115は、主電源より供給される電力を大容量コンデンサに充電する構成を採る。
なお、主電源側から分岐した電源供給線には、電流制限用の抵抗R11と逆流防止用のダイオードD11が直列に接続される。抵抗R11は、過剰な電流が流入するのを防止する抵抗である。また、ダイオードD11は、大容量コンデンサの電流が主電源方向に逆流しないように配置される。
この例の場合、大容量コンデンサは、4個のコンデンサCと4個の充放電バランス回路Bで構成される。ここで、4個のコンデンサCは2個づつ直列に接続され、2組の直列回路に分配される。なお、1つのコンデンサCに対しては、1つの充放電バランス回路Bが並列に接続される。充放電バランス回路Bは、充放電時に過度の電圧がコンデンサCに加わらないように作用する。
この他、副電源115は、ディスチャージ回路R12を有する。ディスチャージ回路R12はシステム制御部133に接続され、エラー検出時に副電源115の電荷を放電するのに用いられる。
(d)HDD用昇圧DC−DCコンバータ
HDD用の昇圧DC−DCコンバータ117は、副電源115の電源供給線に接続されており、放電により電圧低下した大容量コンデンサの電圧を昇圧して出力するスイッチング電源である。昇圧後の電圧は、主電源と同じく電源供給スイッチ部113に供給される。なお、副電源115が二次電池の場合、昇圧DC−DCコンバータは不要である。以下では、副電源115が大容量コンデンサであるものとして説明する。
(e)ハードディスク駆動部
ハードディスク駆動部119は、画像データファイルを格納する大容量記憶領域である。なお必要に応じ、ハードディスク駆動部119は、アプリケーションプログラムも記憶する。

図2のHDD用電源供給スイッチ部113等の説明を追加してください。

次に図3の説明に移る旨の説明を追加してください。
(f)ヘッド用電源供給スイッチ部
ヘッド用の電源供給スイッチ部121は、ヘッド電源が供給する電源(主電源)とヘッド用の副電源123が供給する電源(副電源)を選択的に印刷ヘッド127に供給する回路部である。
なお、主電源から延びる電源供給線と副電源から延びる電源供給線とは、電源供給スイッチ部121内で1本の電源供給線に接続される。電源供給スイッチ部121は、この1本の電源供給線に対する副電源の電気的な接続を制御する。
印刷ヘッド127で消費される電力が主電源111から供給される電流で十分な場合、電源供給スイッチ部121は、主電源のみを印刷ヘッド127に供給する。
これに対し、印刷ヘッド127で消費される電力が主電源111から供給される電流で十分でない場合、電源供給スイッチ部121は、主電源と副電源の両方を印刷ヘッド127に供給する。この際、副電源から印刷ヘッド127に対しては、主電源の不足分を補うように電流が流れる。
すなわち、印刷ヘッド127で必要な電流が定格10.45A以下の場合、電源供給スイッチ部121は、主電源のみから電流を供給する。
一方、印刷ヘッド127で必要な電流が定格10.45Aを超える場合、電源供給スイッチ部121は、主電源分の10.45Aに加え、副電源分の電流を加えた最大20.9Aの電流を供給する。
(g)ヘッド用副電源
ヘッド用の副電源123は、印刷ヘッド127で消費される電力が通常時以上になる場合の電力不足を補うために用意される予備電源である。副電源123も、ファラッド単位の大容量を有する電気二重層コンデンサや二次電池で構成する。すなわち、充電式の電源である。この例の場合、副電源123の電力供給容量は、DC負荷換算で10.45Aの電流を供給できるものを使用する。
図3に、副電源123を電気二重層コンデンサで実現する場合の回路構成を示す。

すでに図3の説明に移っているので、説明の流れに従ってください。

副電源123は、ヘッド電源(主電源)から分岐された電源供給線に接続されている。すなわち、副電源123は、主電源より供給される電力を大容量コンデンサに充電する構成を採る。
なお、主電源側から分岐した電源供給線には、電流制限用の抵抗R21と逆流防止用のダイオードD21が直列に接続される。抵抗R21は、過剰な電流が流入するのを防止する抵抗である。また、ダイオードD21は、大容量コンデンサの電流が主電源方向に逆流しないように配置される。
この大容量コンデンサは、12個のコンデンサCと12個の充放電バランス回路Bで構成されるものとする。ここで、12個のコンデンサCは4個づつ直列に接続され、3組の直列回路に分配される。なお、1つのコンデンサCに対しては、1つの充放電バランス回路Bが並列に接続される。充放電バランス回路Bは、充放電時に過度の電圧がコンデンサCに加わらないように作用する。
この副電源123もディスチャージ回路R22を有している。ディスチャージ回路R22はシステム制御部133に接続され、主電源のオフ時や印刷中止要因となるエラー状態の検出時に副電源123の電荷を放電するのに用いられる。
(h)ヘッド用昇圧DC−DCコンバータ
ヘッド用の昇圧DC−DCコンバータ125は、副電源123の電源供給線に接続されており、放電により電圧低下した大容量コンデンサの電圧を昇圧して出力するスイッチング電源である。昇圧後の電圧は、主電源と同じく電源供給スイッチ部121に供給される。なお、副電源125が二次電池の場合、昇圧DC−DCコンバータは不要である。以下では、副電源125が大容量コンデンサであるものとして説明する。
(i)印刷ヘッド
印刷ヘッド127は、微細なインク滴をノズルから被印刷媒体に吐出する方式のヘッド構造を有する。印刷ヘッド127で採用するインク滴の吐出方式は任意である。例えば、ヒーターの加熱で発生した気泡の膨張力でインク滴を吐出する方式を用いても良いし、圧電素子の形状変化に伴う圧力でインク滴を吐出する方式を用いても良い。
また、印刷ヘッド127は、シリアルヘッドでもラインヘッドでも良い。
因みに、シリアルヘッドは、印刷ヘッドを主走査方向に往復走査させる動作と印刷ヘッド又は被印刷媒体を副走査方向に移動させる動作を組み合わせることで印刷像を被印刷媒体上に形成する印刷ヘッドをいう。また、ラインヘッドは、印刷幅よりも長く配列された一列のノズル群を有し、ラインヘッド又は被印刷媒体を副走査方向に移動させることで印刷像を被印刷媒体上に形成する印刷ヘッドをいう。
図3に、印刷ヘッド127の等価回路を示す。印刷ヘッド127は、ヘッドチップ1271に対して平滑用のコンデンサ1273を並列に接続した回路と電気的には等価である。
(j)モーター駆動部
モーター駆動部129は、印刷装置内に搭載されたモーター131の駆動動作を制御するデバイスである。なお、モーター131の駆動内容や駆動タイミング等は、システム制御部133を通じて制御される。
(k)システム制御部
システム制御部133は、システム全体の動作を制御する処理ユニットである。システム制御部133は、コンピュータで構成される。すなわち、CPU、ROM、RAMを主要な構成要素とする。ROMには、処理プログラムが格納されている。CPUは、ROMから読み出した処理プログラムを実行し、システム全体の動作を制御する。RAMは、演算処理の作業領域である。
すなわち、システム制御部133は、ホストコンピュータ200及びメモリカード300から入力される画像データ、処理コマンド、ステータス情報等に基づいて印刷処理を実行する。
なお、ホストコンピュータ200と印刷装置100との接続は、コンピュータインターフェース部139を通じて実行される。
コンピュータインターフェース部139は、有線通信用のインターフェースや無線通信用のインターフェースを使用する。例えばUSB、イーサーネット(登録商標)、セントロニクス、IrDA、ブルートゥース、IEEE802.11a/b/gに準拠したインターフェースを使用する。
また、メモリカード300と印刷装置100の接続は、メモリカードインターフェース部141を通じて実行される。メモリカードインターフェース部141には、各種のカード型記憶媒体に応じたインターフェースが使用される。
これらインターフェースとシステム制御部133の接続は、制御バス経由で実行される。
(l)A/D変換部
A/D変換部135は、大容量コンデンサの出力電圧をシステム制御部133で監視できるようにアナログ電圧値をデジタル電圧値に変換する回路である。
(m)センサー
センサー137は、印刷装置内に配置された各種の温度センサー、印刷エラーセンサー、インク残量センサーである。これらの検出値は、システム制御部133に供給される。
(n)画像処理部
画像処理部143は、システム制御部133を通じて供給される画像データに各種の信号処理及び出力特性変換を加える処理デバイスである。
図4に、画像処理部143の構成例を示す。画像処理部143は、色分解処理部1431、黒摘出下色除去部1433、色及び階調修正部1435、シャープネス修正部1437、多値化ディザ処理部1439で構成される。
色分解処理部1431は、読み込まれた画像データのRGB信号をインク色に対応したCMY信号に変換する処理デバイスである。
黒摘出下色除去部1433は、CMY信号から黒(K)成分を抽出してCMYK信号を生成する処理デバイスである。
色及び階調修正部1435は、必要に応じてCMYK信号に色調整と階調修正処理を実行する処理デバイスである。
シャープネス修正部1437は、色調整等を経たCMYK信号に対して画像の鮮鋭化処理やノイズ除去処理を実行する処理デバイスである。
多値化ディザ処理部1439は、鮮鋭化処理等を経たCMYK信号に対して多値階調誤差拡散法等の多階調ディザ処理を実行し、印刷データ(ドットパターンデータ)を生成する処理デバイスである。
(o)印刷ヘッド制御部
印刷ヘッド制御部145は、印刷データをヘッド駆動信号に変換し、印刷ヘッド127の吐出動作を制御する処理デバイスである。この印刷ヘッド制御部145の制御により、印刷ヘッド127を構成する個々のノズルは1発又は複数発のインク滴を被印刷媒体に向けて吐出する。
(B)電源供給スイッチ部の構成例及び制御例
ここでは、電源供給スイッチ部113及び121の具体的な構成例を説明する。
(B−1)HDD用電源供給スイッチ部
(a)論理回路例
前述したように、HDD用の電源供給スイッチ部113は、待機時やアクセス時には、主電源の電力のみをハードディスク駆動部119に供給し、ハードディスク駆動部の起動時には、電力の不足分を副電源からハードディスク駆動部119に供給する動作を実行する。
この電源供給スイッチ部113による電力(供給電流)の切り替え動作は、論理回路に基づく自律的な動作として実現される。
図5に、電源供給スイッチ部113を論理回路として実現する場合の回路構成例を示す。
この場合、電源供給スイッチ部113は、主電源から延びる電源供給線上のダイオード素子D31と、副電源(昇圧後)から延びる電源供給線上のダイオード素子D32とで構成される。
各ダイオード素子D31及びD32はアノード側で電源側の電源供給線に接続し、カソード側でハードディスク駆動部側の電源供給線に接続する。
ダイオード素子D31及びD32は、アノードとカソード間の電位差によりオン又はオフ動作する。すなわち、ダイオード素子D31及びD32は、スイッチとして機能する。もっとも、ダイオードD31は、逆電流を防止するような事態が発生する場合を除いて常にオン状態で動作する。
電源供給スイッチ部133は、アクセス時や待機時には主電源から優先的に電流を供給し、ハードディスク駆動部の起動時に限り、副電源側から電流の不足分を補う。このため、副電源(昇圧後)の電圧は主電源よりもわずかながら低く設定されている。ただし、副電源(昇圧後)の電圧は、ダイオード素子D32のオン状態への切り替わり時点において印刷品質に支障が出ないように設定する。

図5の電圧設定値を変更しますので、図5に従い以下の電圧値を変更してください。

例えば主電源が5Vの場合、副電源の電圧は4.8V程度に設定する。すなわち、0.2Vのオフセット電圧を用意する。
図5(A)に、アクセス時や待機時の電流供給経路を示す。この場合、ハードディスク駆動部119で消費される電力は主電源から供給される電力で十分足りている。従って、ハードディスク駆動部119につながる電源供給線の電位は主電源側のダイオード素子D31のアノード電位で決まる。すなわち、主電源の電位から降下電圧(図5では、0.3Vとする。)分だけ低い電位(4.7V)になる。
このとき、副電源側のダイオード素子D32のアノード電位とカソード電位との差は0.1Vである。この電位差は、ダイオード素子D32をオン動作させるのに不十分である。従って、印刷ヘッド119には、主電源だけが優先的に電力を供給することになる。なお、この間も副電源(大容量コンデンサ)は主電源を通じて充電される。
一方、ハードディスク駆動部の起動時には、ハードディスク駆動部119に非常に多くの電力を必要とする。
この場合、ハードディスク駆動部119側に接続された電源供給線の電位が低下する現象が認められる。これは、ハードディスク駆動部119に大量の電流が流れ込むことによる負荷容量の低下が原因である。例えば、ダイオード素子D31及びD32のカソード電位が4.5Vまで低下する。この場合、副電源側のダイオード素子D32のアノードとカソード間には0.3Vの電位差が発生し、ダイオード素子D32が自動的にオン状態に変化する。
図5(B)に、この場合の電流供給経路を示す。この場合、図5(B)に示すように、主電源による電力供給不足を補うように副電源からハードディスク駆動部119に向けて電流の供給が開始される。この結果、ハードディスク駆動部119には、最大消費電力分の電力が供給される。
なお、ハードディスク駆動部119がアクセス状態や待機状態に移行する等してカソード電位が上昇すれば、副電源側のダイオード素子D32は自動的にオフ動作する。すなわち、副電源は、ハードディスク駆動部119に電力を供給しない状態に戻る。
なお、ここでのダイオード素子は、スイッチング動作を説明するためのもので、等価的にダイオード回路として機能すればトランジスタ回路その他の論理回路として実現することが可能である。
以上のように、電源供給スイッチ部113を論理回路として実現すれば、簡易な回路構成でありながら副電源の供給と供給停止を自動的に切り替えることができる。
また、この機能を用いれば、主電源の電力を他のデバイスにより多く分配することが可能になり、システム全体の立ち上がり時間を短縮することが可能になる。
(b)スイッチの開閉制御例
図6に、電源供給スイッチ部113をスイッチの開閉制御により実現する場合の機能回路構成を示す。
この場合、少なくとも副電源とハードディスクとを接続する電源供給線上に外部からの制御信号で開閉動作するスイッチSW11を配置する。スイッチSW11は、例えばトランジスタで構成する。
なお、主電源とハードディスクを接続する電源供給線上にはダイオード素子D31を接続する。ダイオード素子D31は逆流防止用である。
図6の場合、スイッチSW11の開閉制御による供給電力の制御機能は、システム制御部133の機能の一部として実現する。この機能をスイッチ制御部13311と表す。スイッチ制御部13311は、現在のステータスがハードディスク駆動部の起動検出であるかを判定する処理と、判定結果に応じてスイッチSW11の開閉を制御する処理とを実行する。
このように電源供給スイッチ部113をスイッチSW1で構成し、その開閉動作をシステム制御部(スイッチ制御部13311)側から制御すれば、副電源の供給と供給停止をステータス情報を用いて細かく制御することが可能になる。
この場合も、主電源の電力を他のデバイスにより多く分配できるため、システム全体の立ち上がり時間を短縮することが可能になる。
(B−2)ヘッド用電源供給スイッチ部
一方、ヘッド用の電源供給スイッチ部121は、通常印刷時には主電源の電力のみを印刷ヘッド127に供給し、ベタ塗り印刷や長時間の連続印刷時には、電力が不足する間だけ電力の不足分を副電源から印刷ヘッド127に供給する動作を実行する。
この電源供給スイッチ部121による電力(供給電流)の切り替え動作は、論理回路に基づく自律的な動作として実現する方法とシステム制御部133によるスイッチの開閉制御を通じて実現する方法が考えられる。
(a)論理回路例
図7に、電源供給スイッチ部121を論理回路として実現する場合の回路構成例を示す。
この場合、電源供給スイッチ部121は、主電源から延びる電源供給線上のダイオード素子D41と、副電源(昇圧後)から延びる電源供給線上のダイオード素子D42とで構成される。
各ダイオード素子D41及びD42はアノード側で電源側の電源供給線に接続し、カソード側で印刷ヘッド側の電源供給線に接続する。
ダイオード素子D41及びD42は、アノードとカソード間の電位差によりオン又はオフ動作する。すなわち、ダイオード素子D41及びD42は、スイッチとして機能する。もっとも、ダイオードD41は、逆電流を防止するような事態が発生する場合を除いて常にオン状態で動作する。
電源供給スイッチ部121は、通常印刷時には主電源から優先的に電流を供給し、印刷ヘッドで大量の電力が消費される場合に限り、副電源側から電流の不足分を補う。このため、副電源(昇圧後)の電圧は主電源よりもわずかながら低く設定されている。ただし、副電源(昇圧後)の電圧は、ダイオード素子D42のオン状態への切り替わり時点において印刷品質に支障が出ないように設定する。
例えば主電源が9.9Vの場合、副電源の電圧は9.7V程度に設定する。すなわち、0.2Vのオフセット電圧を用意する。
図7(A)に、通常印刷時の電流供給経路を示す。この場合、印刷ヘッドで消費される電力は主電源から供給される電力で十分足りている。従って、印刷ヘッドにつながる電源供給線の電位は主電源側のダイオード素子D41のアノード電位で決まる。すなわち、主電源の電位から降下電圧(図7では、0.3Vとする。)分だけ低い電位(9.6V)になる。
このとき、副電源側のダイオード素子D42のアノード電位とカソード電位との差は0.1Vである。この電位差は、ダイオード素子D42をオン動作させるのに不十分である。従って、印刷ヘッド127には、主電源だけが優先的に電力を供給することになる。なお、この間も副電源(大容量コンデンサ)は主電源を通じて充電される。
ところで、全面ベタ塗り印刷やこれに近い画像の印刷が実行される場合がある。この場合、印刷ヘッドは、多数のインク滴の吐出動作に非常に多くの電力を必要とする。また、高速印刷が連続する場合も、多数のインク滴の吐出により多くのエネルギーが必要な状態になる。すなわち、単位時間あたりのインク滴の吐出数が多くなることで多くの電力が必要になる。
これに伴い、印刷ヘッド側に接続された電源供給線の電位が低下する現象が認められる。これは、印刷ヘッドのインク滴の吐出数が増加することにより、印刷ヘッドのインピーダンスの低下が原因である。例えば、ダイオード素子D41及びD42のカソード電位が9.4Vまで低下する。この場合、副電源側のダイオード素子D42のアノードとカソード間には0.3Vの電位差が発生し、ダイオード素子D42が自動的にオン状態に変化する。
図7(B)に、この場合の電流供給経路を示す。この場合、図7(B)に示すように、主電源による電力供給不足を補うように副電源から印刷ヘッドに向けて電流の供給が開始される。この結果、印刷ヘッド127は、印刷に必要な電力を継続的に確保することができる。原理的には、副電源から不足分の電力を供給できる限り、現在の印刷動作をそのまま継続することができる。
勿論、印刷ヘッドの印刷状態が通常印刷に戻る等して印刷ヘッド側に接続される電源供給線の電位が通常印刷時の状態に戻れば、副電源側のダイオード素子D42は自動的にオフ動作する。すなわち、副電源は、印刷ヘッドに電力を供給しない状態に戻る。
なお、ここでのダイオード素子は、スイッチング動作を説明するためのもので、等価的にダイオード回路として機能すればトランジスタ回路その他の論理回路として実現することが可能である。
また、ステータス情報等と組み合わせ、特定の印刷内容や印刷態様が実行されている場合に限り、前述した電源の供給動作が実行されるようにもできる。例えばベタ塗り印刷や連続印刷を動作条件とするスイッチとダイオード素子D42を組み合わせることもできる。
以上のように、電源供給スイッチ部121を論理回路として実現すれば、簡易な回路構成でありながら副電源の供給と供給停止を自動的に切り替えることができる。
また、この回路構成では、印刷ヘッドで消費される実際の負荷状態に応じ、副電源の供給又は供給停止を切り替えることができる。
すなわち、印刷内容や印刷態様に応じて時々刻々と変化する負荷変動に対しても実時間で即座に追従できる。例えばベタ塗り印刷や長時間にわたる連続印刷では、インク滴の吐出量を確保するために大きな電力が必要であるが、電力不足の原因によらず、不足分の電力を実時間で補充することが可能になる。
(b)スイッチの開閉制御例
図8に、電源供給スイッチ部121をスイッチの開閉制御により実現する場合の機能回路構成を示す。
この場合、少なくとも副電源と印刷ヘッドとを接続する電源供給線上に外部からの制御信号で開閉動作するスイッチSW21を配置する。スイッチSW21は、例えばトランジスタで構成する。
なお、主電源と印刷ヘッドを接続する電源供給線上にはダイオード素子D41を接続する。ダイオード素子D41は逆流防止用である。
図8の場合、スイッチSW21の開閉制御による供給電力の制御機能は、システム制御部133の機能の一部として実現する。この機能をスイッチ制御部13313と表す。スイッチ制御部13313は、処理対象である画像データの印刷に必要な電力を逐次算出する処理と、算出された電力が主電源より供給される電力を超えるか否かを判定する処理と、判定結果に応じてスイッチSW1の開閉を制御する処理とを実行する。
ここで、電力の算出は、印刷開始前の画像データについて1頁単位で電力を算出する方法、インク滴の吐出タイミングを単位として電力を算出する方法、1つの印刷ジョブを単位として電力を算出する方法等がある。このように、電力の算出単位は任意である。
なお、印刷ヘッドで消費される電力は、印刷内容(画像データ)だけでなく環境温度や印刷ヘッドの温度、印刷済み枚数、総印刷枚数等も影響する。従って、予測精度を高める上では、温度情報や印刷済み枚数等を参照することが望ましい。
スイッチ制御部13313は、このように算出された電力と対応する主電源の供給電力とを比較する。ここで、算出された電力が主電源の供給電力を超える場合、スイッチ制御部13313はスイッチSW21を閉制御する。一方、算出された電力が主電源の供給電力を超えない場合、スイッチ制御部13313はスイッチSW21を開制御する。
このように電源供給スイッチ部121をスイッチSW21で構成し、その開閉動作をシステム制御部(スイッチ制御部13313)側から制御すれば、副電源の供給と供給停止をステータス情報を用いて細かく制御することが可能になる。
勿論、この制御手法の場合も、電力不足の原因によらず、不足分の電力を実時間で補充することが可能になる。
(C)システム制御部(印刷開始タイミング制御装置)の構成例及び制御例
ここでは、ヘッド用の副電源の搭載を前提に印刷装置の使い勝手を更に向上させる制御技術の一つを説明する。
ヘッド用の副電源による不足電力の供給後は、当然ながら副電源の再充電が必要になる。この際、常に充電が完了した後に次頁の印刷が開始されれば良いが、実際には副電源の充電が完了しない段階で次頁の印刷が開始される場合がある。
この場合でも、次頁の印刷で必要になる電力の補充量が、副電源の残存充電量の範囲であれば何の問題もない。しかし、次頁の印刷内容は任意であるので、印刷内容や印刷態様によっては、副電源からの電力補充が不足する可能性もゼロではない。
そこで、システム制御部133の機能の一部として、印刷開始タイミングの制御機能を実現する。この機能を、印刷開始タイミング制御機能と呼ぶ。
図9に、印刷開始タイミング制御機能を実現する機能構成例を示す。この制御機能は、充電状態測定部1333と印刷開始制御部1335とで構成する。
充電状態測定部1333は、少なくとも次頁の印刷が開始される前に副電源の充電量を測定する処理デバイスである。ここでの次頁は、1つの印刷ジョブ内に複数頁が含まれる場合に限らず、単頁の印刷が複数連続する場合も含む意味で使用する。
副電源の充電量(残容量)の測定には、副電源がコンデンサの場合と二次電池の場合とで別々の手法を使用する。
副電源が大容量コンデンサの場合、副電源の貯蔵エネルギー(充電量)Eと出力電圧との間には図10に示す関係が成立する。この場合、貯蔵エネルギー(充電量)Eは、CV2 /2で算出することができる。
従って、副電源が大容量コンデンサの場合には、図11に示すように副電源の出力電圧VをA/D変換部135でA/D変換し、その値を充電状態測定部1333に与える手法を採用する。
一方、副電源が二次電池の場合、図12に示すように、副電源の貯蔵エネルギー(充電量)Eと出力電圧とは図10に示す関係を満たさない。一般的に、二次電池の貯蔵エネルギーは電池内部のインピーダンス変動に関係づけられる。すなわち、貯蔵エネルギーが少なくなれば電池内部のインピーダンスが増加する。そこで、図13に示すような検出回路を使用して間接的に貯蔵エネルギー(充電量)Eを求める手法を採用する。
すなわち、副電源の電源供給線路と接地線GNDの間に、検出用スイッチSW31とダミー抵抗R31、R32で形成した直列回路を挿入し、検出用スイッチSW31が閉じた場合にダミー抵抗R31、R32に流れる電流により生じる電圧値をA/D変換部135で検出する手法を採用する。
なお、検出される電圧値はダミー抵抗R31とR32の抵抗比で分圧されている。従って、充電状態測定部1333では、電圧降下分を考慮して副電源の貯蔵エネルギー(充電量)Eを推定することになる。
ここで、検出用スイッチSW31の開閉は、充電状態測定部1333が制御する。
充電状態測定部1333は、このような手法により、随時又は次頁の印刷前に副電源の貯蔵エネルギー(充電量)Eを測定し、測定値を印刷開始制御部1335に与える。
印刷開始制御部1335は、測定された充電量が基準値(満充電量)に満たないとき、印刷ヘッド127による次頁の印刷開始を停止し、測定された充電量が基準値(満充電量)を満たすとき、印刷ヘッド127による次頁の印刷開始を許可する。
なお、印刷開始制御部1335が印刷開始を停止すると、その間を利用して副電源の充電が進むので容量一杯まで電力を蓄えることができる。例えば10.45Aの出力が可能な状態まで電力を蓄積することができる。
このような印刷開始タイミングの制御機能をシステム制御部133に搭載すれば、次頁の印刷時に主電源と副電源の最大容量を必要とするような負荷が印刷ヘッドに印加される場合でも、必要な電力の供給を保証することができる。よって、印刷開始後に動作が中断又は印刷画質の劣化のような事態を無くすことができる。
なお、ここでは印刷開始を許可するか否かの判定基準として満充電時を用いたが、主電源と副電源で供給できる最大電力に余裕がある場合には、満充電よりも小さい値を判定基準に用いることもできる。この場合は、印刷開始のタイミングを実用上問題のない範囲で最短化できる。
(D)システム制御部(印刷実行タイミング制御装置)の構成例及び制御例
ここでも、ヘッド用の副電源の搭載を前提に印刷装置の使い勝手を更に向上させる制御技術の一つを説明する。
直前の説明では、次頁の印刷開始後に電力不足が発生しないように、次頁の印刷開始前に副電源の充電状態を確認する場合について説明した。
ただし、次頁の印刷開始前に副電源の充電状態を確認する方法は、以下の点を注意する必要がある。
注意点の1つは、副電源の充電状態に伴う印刷可否の決定は、次頁の給紙動作の実行前に行うことが望ましい点である。因みに、次頁の給紙動作を開始した後に印刷の可否を決定する場合には、給紙の完了から描画開始までの待ち時間が変動するのを避け得なくなる。実際、給紙が完了した状態で印刷開始が停止され、印刷待ち時間が長くなると、印刷用紙にローラの接触痕が残る場合がある。従って、印刷品質を一定に保つ観点からは、副電源の充電状態に伴う印刷可否の決定は、次頁の給紙動作の実行前に行うことが望ましいことになる。
もう一つの注意点は、副電源の充電状態に伴う印刷可否の決定は、次頁の印刷に伴う演算を開始する前に行われることが望ましい点である。次頁の印刷に伴う演算が全て終了した後に描画を開始する印刷シーケンスの場合、演算開始後に印刷開始を停止する決定があると、演算終了後も副電源の充電が完了されるまでの間、演算結果を保持した状態まま待機しなければならない。ただし、この時間は、演算処理上は、無駄な待機時間となる。従って、印刷装置内の演算リソースを有効活用する観点からは、このような待ち時間が発生しないことが望ましい。
そこで、システム制御部133の機能の一部として、印刷終了から次の印刷開始までの待ち時間(印刷待機時間)を副電源の充電状態に応じて事前に制御する機能を提案する。この機能を、印刷待機時間制御機能と呼ぶ。
図14に、印刷待機時間制御機能を実現する機能構成例を示す。この制御機能は、充電状態測定部1337と待機時間制御部1339とで構成する。
充電状態測定部1337は、少なくとも各頁の印刷が終了した時点で(印刷終了後に)副電源の充電量を測定する処理デバイスである。副電源の構成に応じて測定方法が異なる点は、印刷開始前に副電源の充電量を測定する充電状態測定部1333(図9)と同じである。
待機時間制御部1339は、測定された充電量に応じ、次頁の印刷開始までの印刷待機時間を制御する処理デバイスである。
例えば測定直前の印刷が主電源のみで実行された場合、待機時間制御部1339は、給排紙に要する時間と最大印刷電流への立ち上がりや立ち下がりに要する時間の総和を印刷待機時間とする。
また例えば測定直前の印刷に副電源からの電力供給があった場合、待機時間制御部1339は、給排紙に要する時間と、最大印刷電流への立ち上がりや立ち下がりに要する時間との総和と充電完了に要する時間との大きい方を印刷待機時間とする。
システム制御部133は、この印刷待機時間に応じて次頁の印刷準備を進行させる。この結果、印刷用紙の給紙タイミングも最適化され、給紙の完了から実際の描画が開始されるまでの時間を一定にできる。すなわち、印刷品質を一定に保つことができる。
また、次頁の印刷に伴う演算が全て終了した後に描画を開始する印刷シーケンスの場合にも、演算処理を次頁の印刷開始タイミングに合わせることができるため、無用な待機時間の発生を無くすことができる。
(E)容量比の最適化
ここでは、ヘッド用の主電源の電源供給容量と副電源の電源供給容量の最適化技術について説明する。
直前の2つの説明では、いずれも頁間の印刷待機時間が副電源の充電態様(充電無しからフル充電まで)に応じて変動することが前提になる。このため、印刷待機時間が変動すると、単位時間当たりの印刷枚数も変動してしまう。
例えば、商用電源に接続した主電源の電力供給容量と副電源の電力供給容量との関係において、主電源の容量の比率を小さくする一方で副電源の容量の比率を大きくすると、副電源から電力が供給される機会が多くなる。この場合、前述したように、単位時間当たりの印刷枚数が変動し易くなる。
例えば全面ベタ塗り印刷を連続する場合では、どうしても副電源の充電に要する時間が長くなり、結果的に1分当たりの印刷枚数が低下してしまう。
この問題を解決するには、主電源の電源供給容量を多くし、副電源の電源供給容量を少なくする必要がある。しかし、主電源の電源供給容量を増やすことは、本明細書の主題である主電源の小容量化に反してしまう。
そこで、副電源の充電時間が、印刷動作の実行に不可欠な時間(給排紙と演算に要する時間)内に吸収されるように、主電源と副電源の容量比率を最適化する方法を提案する。
すなわち、充電の有無にかかわらず印刷待機時間が常に一定になるように、主電源と副電源の電源供給容量を設定する方法を提案する。
図15に、主電源と副電源の容量比率と副電源の充電時間との間に確認された実験結果を示す。
図15は、9.9Vの一定電圧下で最大負荷が印加された場合(20.90Aの印刷電流が流れた場合)に、主電源と副電源との容量比率(負担比率)の違いにより充電時間がどのように推移するかを示す図である。
ここで、印刷実行時に最低限必要な時間が2秒であるとすると、主電源の容量が14.93A以上であって、副電源の容量が5.97A以下であることが、最大負荷の印加時にも副電源の充電時間を2秒以内に吸収させるための境界条件になる。
従って、この形態例で前提とする駆動条件に関する限り、容量14.93A以上の主電源と、容量5.97A以下の副電源を印刷装置に搭載することで、印刷待ち時間を常に一定に保つことができる。
すなわち、副電源の電源供給容量が主電源の電源供給容量の2.5分の1以下であれば、印刷内容や印刷態様によらず、印刷待ち時間を常に一定に保つことができる。還元すると、印刷内容等によらず、規定の印刷速度を保つことが可能になる。
勿論、これらの数値は一例であり、印加電圧、最大印刷電流、許容充電時間等が異なれば、主電源と副電源の容量比率は異なるものになる。
また、前述したように主電源が大きくなりすぎると、主電源の小容量化に反することになるので主電源の電源供給容量の最大値は実装上の条件を考慮して設定する必要がある。
(F)他の形態例
(a)前述した形態例では、ハードディスク駆動部119の電力補充用に充電式の副電源115を搭載するインクジェット式の印刷装置について説明した。
しかし、この装置構成は、インクジェット式の印刷装置以外にも応用できる。
例えば、画像定着機を使用する印刷装置にも適用できる。ここで、画像定着機とは、加熱融解されたトナーを圧力を掛けて用紙上に定着するデバイスをいう。
図16に、この種の印刷装置400のシステム構成の概要を示す。印刷装置400は、主電源401、充電式の副電源403、プロセッサ405、ハードディスク駆動部407、画像定着機409、画像処理部411を主要なデバイスとする。
また例えば、画像読取機を搭載する複合型の印刷装置にも適用できる。
図17に、この種の複合型印刷装置500のシステム構成の概要を示す。複合型印刷装置500は、主電源501、充電式の副電源503、プロセッサ505、ハードディスク駆動部507、画像読取機509、画像処理部511を主要なデバイスとする。
また例えば、コンピュータにも適用できる。
図18に、コンピュータ600のシステム構成の概要を示す。コンピュータ600は、主電源601、充電式の副電源603、プロセッサ605、ハードディスク駆動部607、入出力インターフェース609を主要なデバイスとする。
また例えば、表示装置又は投影装置にも適用できる。
図19に、表示装置又は投影装置700のシステム構成の概要を示す。表示装置又は投影装置700は、主電源701、充電式の副電源703、プロセッサ705、ハードディスク駆動部707、表示/投影デバイス709、入出力インターフェース711を主要なデバイスとする。
また例えば、ビデオサーバーにも適用できる。
図20に、ビデオサーバー800のシステム構成の概要を示す。ビデオサーバー800は、主電源801、充電式の副電源803、プロセッサ805、ハードディスク駆動部807、入出力インターフェース809を主要なデバイスとする。
また例えば、ゲーム機にも適用できる。
図21に、ゲーム機900のシステム構成の概要を示す。ゲーム機900は、主電源901、充電式の副電源903、プロセッサ905、ハードディスク駆動部907、入出力インターフェース909を主要なデバイスとする。
(b)前述した技術のうち、副電源による電力の供給動作を制御する機能は、同等の機能をハードウェアとしてもソフトウェアとしても実現できる。
また、これらの処理機能の全てをハードウェア又はソフトウェアで実現するだけでなく、その一部はハードウェア又はソフトウェアを用いて実現しても良い。すなわち、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせ構成としても良い。
(c)前述の形態例には、発明の趣旨の範囲内で様々な変形例が考えられる。また、本明細書の記載に基づいて創作される各種の変形例及び応用例も考えられる。
印刷システム例を示す図である。 副電源とハードディスク駆動部との接続形態を示す図である。 副電源と印刷ヘッドとの接続形態を示す図である。 画像処理部の構成例を示す図である。 論理回路を用いた副電源の供給と停止を説明する図である。 システム制御部(スイッチ制御部)を用いた副電源の供給制御と停止制御を説明する図である。 論理回路を用いた副電源の供給と停止を説明する図である。 システム制御部(スイッチ制御部)を用いた副電源の供給制御と停止制御を説明する図である。 システム制御部(印刷開始タイミング制御機能)を用いた印刷開始タイミングの制御を説明する図である。 副電源が大容量コンデンサで構成される場合の出力電圧と貯蔵エネルギーとの関係を説明する図である。 副電源が大容量コンデンサで構成される場合の出力電圧の検出方法を説明する図である。 副電源が二次電池で構成される場合の出力電圧と貯蔵エネルギーとの関係を説明する図である。 副電源が二次電池で構成される場合の出力電圧の検出方法を説明する図である。 システム制御部(印刷待機時間制御機能)を用いた印刷開始タイミングの制御を説明する図である。 主電源と副電源の容量比率と副電源の充電時間との関係を示す図表である。 応用装置例を示す図である。 応用装置例を示す図である。 応用装置例を示す図である。 応用装置例を示す図である。 応用装置例を示す図である。 応用装置例を示す図である。
符号の説明
100 印刷装置
111 主電源
113 電源供給スイッチ部
115 副電源
121 電源供給スイッチ部
123 副電源
133 システム制御部
13311 スイッチ制御部
13313 スイッチ制御部
1333 充電状態測定部
1335 印刷開始制御部
1337 充電状態測定部
1339 待機時間制御部

Claims (9)

  1. ハードディスク駆動部と、
    商業電源に接続され、前記ハードディスク駆動部に第1の電力を供給する主電源と、
    ハードディスク駆動部の起動時、前記第1の電力を補う第2の電力を前記ハードディスク駆動部に供給する充電式の副電源と、
    電力の供給線路上に位置し、ハードディスク駆動部の起動時、電力の供給線路に前記副電源を電気的に接続するスイッチ部と
    を有することを特徴とする電子機器。
  2. 請求項1に記載の電子機器において、
    前記スイッチ部は、電力の供給経路に対して順方向に接続されたダイオード回路であり、ダイオード回路の両端に順方向降下電圧以上の電位差が発生すると、前記副電源を電力の供給線路に対して電気的に接続する
    ことを特徴とする電子機器。
  3. 請求項1に記載の電子機器は、
    ハードディスク駆動部の起動時、前記スイッチ部を閉制御するスイッチ制御部を有する
    ことを特徴とする電子機器。
  4. 印刷ヘッドと、
    画像データを処理して前記印刷ヘッドに供給する画像処理部と、
    画像データを記憶するハードディスク駆動部と、
    商業電源に接続され、前記ハードディスク駆動部に第1の電力を供給する主電源と、
    ハードディスク駆動部の起動時、前記第1の電力を補う第2の電力を前記ハードディスク駆動部に供給する充電式の副電源と、
    電力の供給線路上に位置し、ハードディスク駆動部の起動時、電力の供給線路に前記副電源を電気的に接続するスイッチ部と
    を有することを特徴とする印刷装置。
  5. 画像定着機と、
    画像データを処理して前記画像定着機に供給する画像処理部と、
    画像データを記憶するハードディスク駆動部と、
    商業電源に接続され、前記ハードディスク駆動部に第1の電力を供給する主電源と、
    ハードディスク駆動部の起動時、前記第1の電力を補う第2の電力を前記ハードディスク駆動部に供給する充電式の副電源と、
    電力の供給線路上に位置し、ハードディスク駆動部の起動時、電力の供給線路に前記副電源を電気的に接続するスイッチ部と
    を有することを特徴とする印刷装置。
  6. 汎用プロセッサと、
    データファイルを記憶するハードディスク駆動部と、
    商業電源に接続され、前記ハードディスク駆動部に第1の電力を供給する主電源と、
    ハードディスク駆動部の起動時、前記第1の電力を補う第2の電力を前記ハードディスク駆動部に供給する充電式の副電源と、
    電力の供給線路上に位置し、ハードディスク駆動部の起動時、電力の供給線路に前記副電源を電気的に接続するスイッチ部と
    を有することを特徴とするコンピュータ。
  7. 画像データを処理するプロセッサと、
    画像データを記憶するハードディスク駆動部と、
    商業電源に接続され、前記ハードディスク駆動部に第1の電力を供給する主電源と、
    ハードディスク駆動部の起動時、前記第1の電力を補う第2の電力を前記ハードディスク駆動部に供給する充電式の副電源と、
    電力の供給線路上に位置し、ハードディスク駆動部の起動時、電力の供給線路に前記副電源を電気的に接続するスイッチ部と
    を有することを特徴とするビデオサーバー。
  8. 表示デバイス又は投影デバイスと、
    画像データを記憶するハードディスク駆動部と、
    商業電源に接続され、前記ハードディスク駆動部に第1の電力を供給する主電源と、
    ハードディスク駆動部の起動時、前記第1の電力を補う第2の電力を前記ハードディスク駆動部に供給する充電式の副電源と、
    電力の供給線路上に位置し、ハードディスク駆動部の起動時、電力の供給線路に前記副電源を電気的に接続するスイッチ部と
    を有することを特徴とする表示装置。
  9. 画像データを処理するプロセッサと、
    データファイルを記憶するハードディスク駆動部と、
    商業電源に接続され、前記ハードディスク駆動部に第1の電力を供給する主電源と、
    ハードディスク駆動部の起動時、前記第1の電力を補う第2の電力を前記ハードディスク駆動部に供給する充電式の副電源と、
    電力の供給線路上に位置し、ハードディスク駆動部の起動時、電力の供給線路に前記副電源を電気的に接続するスイッチ部と
    を有することを特徴とするゲーム機。
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