JP2014000743A - 記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録ヘッドへの電力供給をオンする時の突入電流を低減するとともに、記録ヘッドの電源ショート状態を検出して記録装置の動作を停止させ、AC電源電圧の瞬断による誤動作を防止可能な記録装置を提供することである。
【解決手段】ヘッド電源電圧をオン・オフする回路と、ヘッド電源電圧を安定させるためのコンデンサと、コンデンサに充放電するための回路と、コンデンサへの充放電電流を抑制するための抵抗を設ける。コンデンサに充電されてヘッド電源電圧が上昇した状態でヘッドへの電力供給をオンする。また、ヘッド電源電圧をオン・オフする回路の前後の電圧を夫々検出して、記録ヘッドの電源ショート状態を判定する。
【選択図】 図4
【解決手段】ヘッド電源電圧をオン・オフする回路と、ヘッド電源電圧を安定させるためのコンデンサと、コンデンサに充放電するための回路と、コンデンサへの充放電電流を抑制するための抵抗を設ける。コンデンサに充電されてヘッド電源電圧が上昇した状態でヘッドへの電力供給をオンする。また、ヘッド電源電圧をオン・オフする回路の前後の電圧を夫々検出して、記録ヘッドの電源ショート状態を判定する。
【選択図】 図4
Description
本発明は記録装置に関し、特に、記録ヘッドへの電力供給のオン・オフを制御する手段を備えた記録装置に関する。
現在のインクジェット記録装置(以下、記録装置)は、多数のインク吐出ノズル(以下、ノズル)を備えたインクジェット記録ヘッドを搭載し、記録内容に応じてインクを吐出するノズルを選択する構成を採用している。このような記録装置では、記録内容に応じて同時駆動するノズル数が変化し、記録ヘッドが消費する電力も大きく変化する。このため記録ヘッドの消費電力は、平均的な消費電力に比べて瞬間的にかなり大きくなる。当然ながら記録ヘッドに電力を供給する電源は、記録ヘッドの消費電力を上回る電力供給能力を備えていることが必要となる。
さらに、より高速でより高精細な記録を実現するために、最近の記録装置は、ノズル数を増やしたり、駆動速度を上げる傾向にあり、動作時の消費電力も増加する傾向にある。一般的な家庭用の安価な記録装置でも動作中の消費電力が瞬間的には20Wを越えるものも珍しくなく、電源にはそれ以上の電力容量が求められる。
また、同時駆動するノズル数が変化してもインクの吐出特性が変化しないように、記録ヘッドを安定的に駆動するためには、電気的負荷が変動しても電源電圧の変動が少ない低インピーダンスの出力特性が電源には求められる。一方、記録ヘッドを使用しないときには、消費電力削減の観点から記録ヘッドには電源を供給しないことが望ましい。また、記録ヘッドにはユーザが取り外し可能な構造となっているものがあり、記録ヘッドの着脱時には、電気的接点の接続状態が不安定となるため、記録ヘッドと記録装置本体の保護上、記録ヘッドへの電源供給はオフすることが必要となる。
また、記録ヘッドの着脱可能な記録装置では、記録ヘッド交換時に、記録ヘッドとキャリッジとの接続部に異物が混入したり、その他の原因で記録ヘッドの電源部がショート状態になった場合は、故障を検出して記録装置の動作を停止できることが望ましい。
しかしながら、記録ヘッドへの電力供給のオン・オフを制御構成を備えたことにより、記録ヘッドの電力供給をオンするときに、突入電流が発生することがある。この突入電流は短時間に大きな電流が流れるため、電気的なノイズが発生して回路に誤動作を生じさせる恐れがある。
近年のFETはオン抵抗が小さく、その応答速度も速いので、スイッチング用素子として優れた特性を示すが、記録ヘッドへの電力供給のスイッチング用素子をFETで構成することがある。しかしながら、その場合、スイッチング特性の性能向上によって、電源オン時の突入電流が増加するという問題もあった。
また、電源のショート状態等に伴う異常電流を検出しようとした場合、民生機器などの比較的安価な電子機器で使用する電源回路においては、電流が流れる経路に抵抗を挿入し、抵抗による電圧降下を測定する方法が一般的である。
しかしながら、電源電流が変動しても電源電圧が極力変化しないような低インピーダンスの電源が求められる場合、電気経路の途中に抵抗成分を入れることは好ましくない。他方、抵抗による電圧降下による方法を用いずに電源の負荷電流を検出しようとすると高価な検出回路が必要となり、機器のコストを上昇させてしまうという問題があった。
特許文献1の構成では、記録ヘッドに電力を供給するためのスイッチング用FETによる電源オン・オフ回路とは別に、電源部のコンデンサへの充放電回路を備えることにより、記録ヘッドへの電力供給をオンする時の突入電流を低減することが可能にしている。また、この構成によれば、記録ヘッドへの電力供給をオンする際、記録ヘッドがショート状態となっていた場合、記録ヘッドがショート状態であることを検出して、記録ヘッドへの電力供給を停止することも可能である。さらに、記録ヘッド内の電源回路の抵抗値が数Ωから数百Ωとなるような中途半端なショート状態も検出することも可能である。
しかしながら、特許文献1に開示の構成においては、電源電圧が瞬断等によって一時的に低下したときに、記録ヘッドがショート状態であると誤検出する場合があった。
さて、記録装置に用いられるAC電源が、電源周波数の数サイクル程度以下の短時間のみ電源電圧が低下する現象は瞬断または瞬低などと呼ばれている。電子機器の一般的な特性として、1サイクル程度の瞬断が発生しても正常に動作することが望ましい。しかし、特許文献1に開示の構成では、瞬断が発生して記録ヘッドの電源電圧が低下するとこれを記録ヘッドのショートによる電源電圧低下と区別することができない。このため、記録ヘッドがショート状態であると誤検出して、記録装置がエラー状態となる可能性があった。
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、記録ヘッドへの電力供給をオンする際の突入電流を低減し電源電圧の急激な変動を防止し、また、記録ヘッドがショート状態の場合、記録ヘッドへの電力供給停止が可能な記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の記録装置は次のような構成からなる。
即ち、記録ヘッドと、前記記録ヘッドに記録のための電力を供給する電源部とを備えた記録装置であって、前記電源部から前記記録ヘッドに対する電力供給のオン・オフをスイッチングするスイッチング素子と、前記スイッチング素子から前記記録ヘッドへの電源供給線に並列に接続されたコンデンサと、前記記録ヘッドに前記スイッチング素子を経て前記記録ヘッドに供給されるヘッド電源電圧と前記電源部からの電源電圧とを検出する検出回路と、前記電源電圧に基づく電圧を入力として動作し、前記電源供給線に出力が接続されたプッシュプル回路と、前記記録ヘッドによる記録動作に先立ち、前記プッシュプル回路に前記電源電圧に基づく電圧を入力して前記プッシュプル回路により前記電源供給線に電圧を出力し、前記電源供給線に出力された電圧が前記電源電圧に近い値となるまで待ち合わせ、その後、前記検出回路により検出されたヘッド電源電圧と電源電圧とに基づいて、前記記録動作のために前記スイッチング素子の動作を制御して、前記記録ヘッドへの電力供給を制御する制御回路とを有することを特徴とする。
従って本発明によれば、記録ヘッドへの電力供給をオンする時の突入電流を低減し、電源電圧の急激な変動を防止可能であり、記録ヘッドへの電力供給をオンする際に記録ヘッドがショート状態となっていた場合、記録ヘッドへの電力供給を停止が可能である。さらには、電源の瞬断等によって記録ヘッドの電源電圧が低下した時に、記録ヘッドのショート状態と誤検出することを防止することができる。
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施例について、さらに具体的かつ詳細に説明する。ただし、この実施例に記載されている構成要素の相対配置等は、特定の記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
なお、この明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わない。さらに人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かも問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきものである。従って、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
またさらに、「記録要素」とは、特にことわらない限り吐出口ないしこれに連通する液路およびインク吐出に利用されるエネルギーを発生する素子を総括して言うものとする。
<インクジェット記録装置の説明(図1)>
図1は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置1の構成の概要を示す外観斜視図である。
図1は本発明の代表的な実施例であるインクジェット記録装置1の構成の概要を示す外観斜視図である。
図1に示すように、インクジェット記録装置(以下、記録装置)はインクジェット方式に従ってインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録ヘッド(以下、記録ヘッド)3をキャリッジ2に搭載し、キャリッジ2を矢印A方向に往復移動させて記録を行う。記録紙などの記録媒体Pを給紙機構5を介して給紙し、記録位置まで搬送し、その記録位置において記録ヘッド3から記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行なう。
記録装置1のキャリッジ2には記録ヘッド3を搭載するのみならず、記録ヘッド3に供給するインクを貯留するインクカートリッジ6を装着する。インクカートリッジ6はキャリッジ2に対して着脱自在になっている。
図1に示した記録装置1はカラー記録が可能であり、そのためにキャリッジ2にはマゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクを夫々、収容した4つのインクカートリッジを搭載している。これら4つのインクカートリッジは夫々独立に着脱可能である。
この実施例の記録ヘッド3は、熱エネルギを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用している。このため、電気熱変換体を備えている。この電気熱変換体は各吐出口のそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加することによって対応する吐出口からインクを吐出する。
また、図1に示す例では、記録ヘッド3とインクカートリッジ6とが分離している構成であるが、記録ヘッドとインクカートリッジとが一体となったヘッドカートリッジを用いても良い。
<インクジェット記録装置の制御構成(図2)>
図2は図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
図2は図1に示した記録装置の制御構成を示すブロック図である。
図2に示すように、コントローラ600は、MPU601、ROM602、特殊用途集積回路(ASIC)603、RAM604、システムバス605、A/D変換器606などで構成される。ここで、ROM602は後述する制御シーケンスに対応したプログラム、所要のテーブル、その他の固定データを格納する。ASIC603は、キャリッジモータM1の制御、搬送モータM2の制御、及び、記録ヘッド3の制御のための制御信号を生成する。RAM604は、画像データの展開領域やプログラム実行のための作業用領域等として用いられる。システムバス605は、MPU601、ASIC603、RAM604を相互に接続してデータの授受を行う。A/D変換器606は以下に説明するセンサ群からのアナログ信号を入力してA/D変換し、デジタル信号をMPU601に供給する。
また、図2において、610は画像データの供給源となるコンピュータ(或いは、画像読取り用のリーダやデジタルカメラなど)でありホスト装置と総称される。ホスト装置610と記録装置1との間ではインタフェース(I/F)611を介して画像データ、コマンド、ステータス信号等を送受信する。この画像データは、例えば、ラスタ形式で入力される。
さらに、620はスイッチ群であり、電源スイッチ621、プリントスイッチ622、回復スイッチ623などから構成される。
630は装置状態を検出するためのセンサ群であり、位置センサ631、温度センサ632等から構成される。
さらに、640はキャリッジ2を矢印A方向に往復走査させるためのキャリッジモータM1を駆動させるキャリッジモータドライバ、642は記録媒体Pを搬送するための搬送モータM2を駆動させる搬送モータドライバである。また、644はコントローラ600から転送される記録データや制御信号に基づいて記録ヘッドを駆動するヘッドドライバである。
ASIC603は、記録ヘッド3による記録走査の際に、RAM604の記憶領域に直接アクセスしながら記録ヘッドに対して記録素子(吐出用のヒータ)を駆動するためのデータを転送する。
そして、電力供給装置100がコントローラ600に対して電力を供給する。また、電力供給装置100は各ドライバ、各モータ、記録ヘッド、センサ群、スイッチ群、また、各機構部など装置各部の動作に必要な電力を供給することができる。
図3は電力供給装置100に含まれる記録ヘッド駆動用電源の制御回路の構成を示すブロック図である。なお、図1〜図2において既に説明した構成要素には同じ参照番号を付している。
図3において、101は記録ヘッド3を駆動するための電源電圧24Vを生成する電源部、MPU601は出力ポートPO1とPO2と、A/Dコンバータ変換器606からの入力ポートPI1とPI2を有する。また、103は記録ヘッド3へのヘッド電源電圧の供給をオン・オフするためのFET(スイッチング素子)、104はFET103を制御するためのトランジスタである。
MPU601が出力ポートPO2を“L”レベルにしているとき、トランジスタ104とFET103はともにオフ状態であり、記録ヘッド3の電源供給線に電圧は出力されない。出力ポートPO2が“H”レベルになると、トランジスタ104がオンすることによってFET103もオン状態となり、電源供給線に電圧が出力される。
また、105はヘッド電源電圧を安定させるために電源供給線に並列に接続された電解コンデンサ、106はコンデンサ105を充電するためのトランジスタ、107は電解コンデンサ105を放電させるためのトランジスタである。さらに、108はトランジスタ106、107で構成されるプッシュプル回路、109は電解コンデンサ105への充放電電流を抑制するための抵抗、110はプッシュプル回路108をオン・オフ制御するためのトランジスタである。またさらに、111はトランジスタ110をオン・オフするためのトランジスタである。
プッシュプル回路108は、それ自身への入力電圧が出力電圧より高いときは電流を流し出そうとする一方、それ自身への入力電圧が出力電圧より低いときは電流を吸い込もうとする。
MPU601が出力ポートPO1を“L”レベルにしているとき、トランジスタ111とトランジスタ110はともにオフ状態であり、プッシュプル回路108の入力部に電圧は印加されず、出力電圧も低い状態にある。一方、出力ポートPO1が“H”レベルになると、トランジスタ111がオンすることによって、トランジスタ110もオン状態となり、プッシュプル回路108の入力部に電圧が印加される。プッシュプル回路108の入力部に電圧が印加されると、プッシュプル回路108の出力電圧が上昇し、抵抗109を通じて電解コンデンサ105が充電される。出力ポートPO1が“L”レベルになると、トランジスタ111とトランジスタ110はオフ状態となり、プッシュプル回路108の出力電圧が低下し、抵抗109を通じてコンデンサ105は放電される。
またさらに、112と113は電源供給線に出力されるヘッド電源電圧HVHを分圧するための抵抗であり、分圧された信号VH_SNSがMPU601の入力ポートPI1に入力される。抵抗112と113は、電源供給線に出力されるヘッド電源電圧HVHが最大電圧である24Vとなったときに、信号VH_SNSがMPU601の入力ポートの最大入力電圧である3.3V付近となるよう調整されている。また、抵抗112と113の直列抵抗値は、抵抗109に比べて十分に大きい値であり、プッシュプル回路108と抵抗109による充放電動作にほとんど影響を与えない。
またさらに、114と115は電源電圧24Vを分圧するための抵抗であり、分圧された信号DC_SNSがMPU601の入力ポートPI2に入力される。抵抗114と115も電源電圧が24Vのときに、信号DC_SNSが3.3V付近となるよう調整されている。
なお、トランジスタ104、110および111は抵抗内蔵トランジスタであり、各トランジスタの内蔵抵抗は、オンしたときに適切な電流が流れるような抵抗値が選択されている。
図4は、記録装置1が記録ヘッド3への電力供給をオンするときのMPU601による電力制御動作を示すフローチャートである。
ここで、図3〜図4を用いて記録ヘッド3への電力供給の制御動作を説明する。
記録装置1が記録動作の実行に先立ち、ステップS1においてMPU601は出力ポートPO1の電圧レベルを“H”レベルにして、トランジスタ111、110をオン状態にする。トランジスタ110を通じて、プッシュプル回路108の入力部に、電源電圧24Vが印加されるため、プッシュプル回路108の出力電圧も24V付近まで上昇し、プッシュプル回路108は電流を流し出そうとする。ただし、抵抗109によって、プッシュプル回路からの出力電流が制限されるため、ヘッド電源電圧は抵抗(R)109と電解コンデンサ(C)105によって規定される時定数(RC)で立ち上がる。
次に、ステップS2においてMPU601は所定時間(Tr)待機する。この所定時間とは、電解コンデンサ105が徐々に充電され、ヘッド電源電圧が24V近くになる状態に要する時間に相当し、一例として2秒程度に設定される。
さらに、ステップS3において、MPU601は後述するSNS_OFFフラグの状態を確認する。通常、SNS_OFFフラグの値は“0”であり、“0”の値が確認されると、ステップS4に進む。もし、SNS_OFFフラグの値が“1”であれば、その値が“0”になるまで待機する。
続いてMPU601は、ステップS4において、入力ポートPI1に入力される信号VH_SNSの電圧レベルを検出して読み取り、その電圧を閾値電圧Vth1(第1の閾値電圧)と比較し、その電圧が閾値電圧Vth1よりも高いかどうかを判定する。閾値電圧Vth1は、ヘッド電源電圧HVHが24V近い状態であるかどうかを判断するために、予め定められた電圧であり、ヘッド電源電圧が24V近い状態であれば、入力ポートPI1への入力電圧は閾値電圧Vth1よりも高くなる。この結果、動作はステップS5に進む。従って、MPU601は信号VH_SNSの電圧レベルに対する検出回路としての役割も果たす。
MPU601はステップS5において出力ポートPO2の電圧レベルを“H”レベルにする。トランジスタ104とFET103がオンして、ヘッド駆動用電力がFET103を通じて供給される。FET103のオン抵抗は極めて低いため、記録ヘッド3が記録動作を行い電源に駆動電流が流れるときでも、ヘッド電源電圧の変動は小さく安定している。記録ヘッド3に電源電圧24Vが印加された後、ステップS6において記録装置による印刷動作を開始する。
印刷動作が終了すると、MPU601はステップS7において出力ポートPO1とPO2の電圧レベルを“L”レベルにして、記録ヘッド3への電力供給を停止する。
なお、ステップS4において入力ポートPI1の電圧レベルが第1の閾値電圧以下と判定されれば、MPU601は、ステップS8において出力ポートPO1の電圧レベルを“L”レベルに戻す。この結果、トランジスタ111および110がオフ状態になり、プッシュプル回路108は電解コンデンサ105の電荷を放電する。その後、MPU601はステップS9において、記録装置本体をエラー状態にするためのエラーフラグをセットする。その後、ステップS10において、MPU601は記録装置本体の表示部(例えば、LEDランプやLCD)にエラーが発生していることを表示し、記録装置本体をエラー状態に置く。
図5は、記録装置1が瞬断等による電源電圧低下による誤動作を防止するため、記録ヘッドの電源電圧を監視するタイマ動作を示すフローチャートである。図5に示す処理を実行するプログラムは、MPU601に内蔵されるタイマによって、一定周期毎、例えば、10ms毎に起動される。
MPU601はステップS11において、入力ポートPI2で、信号DC_SNSの電圧レベルを読み取り、これを閾値電圧Vth2(第2の閾値電圧)と比較し、閾値電圧Vth2よりも高いかどうかを判定する。閾値電圧Vth2は、ヘッド電源電圧が24V近い状態であるかどうかを判断するために、予め定められた電圧であり、ヘッド電源電圧が24Vに近い状態であれば、入力ポートPI2の電圧レベルは閾値電圧Vth2よりも高くなる。従って、MPU601は信号DC_SNSの電圧レベルに対する検出回路としての役割も果たす。
即ち、PI2>Tth2であれば、処理はステップS14に進む。これに対して、入力ポートPI2の電圧レベルが第2の閾値電圧以下、即ち、PI2≦Vth2であれば、MPU601は瞬断等が発生したと判断して、処理はステップS12に進む。そして、ヘッド電源電圧の検出が無効期間であることを意味するフラグであるSNS_OFFを“1”にセットする。続いて、処理はステップS13に進み、MPU601は無効期間タイマを初期値(Toff)にセットする。
さて、ステップS14において、無効期間タイマをカウントダウンする。なお、無効期間タイマがゼロであれば、それ以上のカウントダウンは実行しない。従って、ステップS15で、MPU601は無効期間タイマのカウント値がゼロであるかどうかを調べ、ゼロであれば、処理はステップS16においてSNS_OFFフラグを“0”にセットする。これに対して、無効期間タイマのカウント値がゼロでなければ、ステップS16をスキップして、そのまま処理を終了する。
以上の動作を一定周期毎に繰り返すことにより、瞬断等が発生してヘッド電源電圧が低下したときは、無効期間タイマの初期値(Toff)で設定された時間(例えば、2秒)の間は、SNS_OFFフラグが“1”にセットされる。
図6は、記録ヘッドへの電力供給動作の時間変化を示すタイミングチャートである。図6によれば、t(時刻)=t1においてMPU601が出力ポートPO1の電圧レベルを“H”レベルにすることにより、信号VH_PREが“H”レベルとなり、プッシュプル回路108を通じて電解コンデンサ105への充電が開始される。ヘッド電源電圧HVHは電解コンデンサ105と抵抗109によって決まる時定数に従って立ち上がる。
電源電圧24Vが、最初からスイッチング用FETによって直接、ヘッド電源電圧HVHに供給される構成の場合、オンとなる以前のヘッド電源電圧HVHは0Vである。このため、電源電圧との電圧差が大きく、この電圧差によって記録ヘッドへの電源オン時に電解コンデンサ105への突入電流が生じていた。
この実施例によれば、プッシュプル回路108と抵抗109によって電流が制限され、電源101とヘッド電源電圧HVHとの電圧差を徐々に緩和することで、突入電流が発生しにくい構成となっている。
MPU601はt=t1からt=t2までの期間(Tr)、動作を待機することにより、ヘッド電源電圧HVHは電源電圧の24V近くまで立ち上がる。期間(Tr)は先に説明したように電解コンデンサ105が徐々に充電され、ヘッド電源電圧HVHが24V近くになる状態に要する時間として予め設定された時間である。
ヘッド電源電圧HVHは抵抗112と抵抗113によって分圧され、MPU601で読み取れるレベルの信号VH_SNSとしてMPU601の入力ポートPI1に入力されている。MPU601はt=t2において入力ポートPI1の電圧レベルを読み取る。t=t2の状態では、図6に示すようにヘッド電源電圧HVHはわずかに24Vを下回っているが、信号VH_SNSの電圧レベルは閾値電圧Vth1を超えている。
MPU601はt=t3において出力ポートPO2からの出力信号を“H”レベルにすることにより、信号VH_CNTが“H”レベルとなり、FET103がオンして記録ヘッドに電力が供給される。図6によれば、t=t2ではヘッド電源電圧HVHはわずかに24Vを下回っているが、FET103がオンとなった段階で24Vに達する。この結果、FET103がオンするときには、電源電圧24Vとヘッド電源電圧HVHの電圧差は小さく、従来と比較して非常にわずかな突入電流となっている。
そして、記録装置1はt=t3〜t4において記録動作を実行する。t=t4において記録動作が終了すると、MPU601は出力ポートPO1、PO2の電圧レベルを“L”レベルにして、記録ヘッド3への電力供給を停止する。この結果、プッシュプル回路108を通じて電解コンデンサ105が放電され、ヘッド電源電圧HVHが低下する。
図7は、図4のステップS4においてPI1≦Vth1であった場合、ステップS8以降に対応する記録ヘッドへの電力供給動作を示すタイミングチャートである。
図7によれば、t=t1においてMPU601が出力ポートPO1からの信号レベルを“H”レベルにすることは図6と同じである。しかし、先に説明したように記録ヘッドの電源がショート状態にある場合、ヘッド電源電圧HVHは抵抗109と記録ヘッドのショート抵抗分との分圧状態となり十分に上昇しない。このとき、記録ヘッドに流れる電流は抵抗109で抑制されるため、過大な電流が流れることはない。
MPU601はt=t2において入力ポートPI1の電圧レベルを読み取るが、このときVH_SNSの電圧レベルは閾値電圧Vth1を下回っている。従って、MPU601はt=t3において、図4のステップS8に示すように、出力ポートPO1の電圧レベルを“L”レベルに戻す。一方、プッシュプル回路108を通じて電解コンデンサ105に蓄積された電荷は放電される。放電が完了後は、記録ヘッドに電流が流れることはない。
このように、この実施例によれば、プッシュプル回路108と抵抗109で記録ヘッドに流れる電流を抑制することにより、記録ヘッドがショート状態にあることを容易に検出することができる。また、記録ヘッドがショート状態であっても、記録ヘッドに流れる電流は抵抗109で抑制されるために過大な電流が流れることはない。
図8は、図4のステップS3においてSNS_OFF≠“0”である場合、記録ヘッドへの電力供給動作を示すタイミングチャートである。
図8によれば、t=t1においてMPU601が出力ポートPO1からの信号レベルを“H”レベルにすることは、図6〜図7に示したのと同じである。
図8において、信号ADCは、MPU601が入力ポートPI2の電圧レベルを周期的に読み出すタイミングを示していて、信号ADCが“H”レベルのときに、MPU601は入力ポートPI2の電圧レベルを読み出している。図3に示すように、ヘッド電源電圧の24Vを抵抗114と115で分圧した信号DC_SNSが入力ポートPI2に接続されている。瞬断によって電源電圧が一時的に低下すると、それに合わせて信号DC_SNSも低下する。
t=t5において、DC_SNSの電圧レベルが閾値電圧Vth2を下回っていると、図5のステップS12においてSNS_OFFフラグが“1”にセットされ、ステップS13において無効期間タイマが初期値(Toff)にセットされる。t=t6において、瞬断が回復して電源電圧が上昇し、DC_SNSの電圧レベルが閾値電圧Vth2を超えると、図5のステップS14において無効期間タイマのカウントダウンが開始される。
一方、t=t2において、MPU601は入力ポートPI1の電圧レベルを読み取るが、この時、信号VH_SNSの電圧レベルは、瞬断によって一時的に電源電圧が低下したため、閾値電圧Vth1を下回る。そのため、単に、VH_SNSの電圧レベルのみで状態を判断した場合、図7と同様に記録ヘッドがショート状態にあると判断される。しかしながら、SNS_OFFフラグが“1”にセットされているため、図4のステップS3において、SNS_OFFフラグが“0”になるまでMPU601は動作を待機することになる。
さらに、無効期間タイマの初期値(Toff)で設定された時間が経過すると、t=t7において、図5のステップS16ではSNS_OFFフラグを“0”に戻す。これにより、MPU601はt=t7において、入力ポートPI1の電圧レベルを読み取る。このとき、信号VH_SNSの電圧レベルは閾値電圧Vth1を超えているため、MPU601はt=t8において出力ポートPO2を“H”レベルにする。以後の動作は図6に示したのと同様である。
このように、この実施例に従えば、電源電圧を周期的に読み出して判定条件に加えることにより、瞬断による一時的な電源電圧低下を記録ヘッドのショート状態と誤判定することを防ぐことができる。
従って、以上説明した実施例に従えば、一定周期毎に記録ヘッドの電源電圧を監視することで記録装置が瞬断等による電源電圧低下による誤動作を防止することができる。また、記録ヘッドの電源がショート状態にあることを検出した場合には記録ヘッドに過大電流が流れることを抑制するので、記録ヘッドを保護することができる。加えて、瞬断による一時的な電源電圧低下と記録ヘッドのショート状態とを正確に判断することで誤判定による動作不良を防止するともに電子回路の保護を図ることができる。
Claims (6)
- 記録ヘッドと、前記記録ヘッドに記録のための電力を供給する電源部とを備えた記録装置であって、
前記電源部から前記記録ヘッドに対する電力供給のオン・オフをスイッチングするスイッチング素子と、
前記スイッチング素子から前記記録ヘッドへの電源供給線に並列に接続されたコンデンサと、
前記記録ヘッドに前記スイッチング素子を経て前記記録ヘッドに供給されるヘッド電源電圧と前記電源部からの電源電圧とを検出する検出回路と、
前記電源電圧に基づく電圧を入力として動作し、前記電源供給線に出力が接続されたプッシュプル回路と、
前記記録ヘッドによる記録動作に先立ち、前記プッシュプル回路に前記電源電圧に基づく電圧を入力して前記プッシュプル回路により前記電源供給線に電圧を出力し、前記電源供給線に出力された電圧が前記電源電圧に近い値となるまで待ち合わせ、その後、前記検出回路により検出されたヘッド電源電圧と電源電圧とに基づいて、前記記録動作のために前記スイッチング素子の動作を制御して、前記記録ヘッドへの電力供給を制御する制御回路とを有することを特徴とする記録装置。 - 前記制御回路は、前記検出回路により検出されたヘッド電源電圧を第1の閾値電圧と比較し、前記ヘッド電源電圧が前記第1の閾値電圧より高い場合には、前記スイッチング素子をオンとするよう制御することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
- 前記制御回路は、一定周期毎に前記検出回路により検出された電源電圧を第2の閾値電圧と比較し、前記電源電圧が前記第2の閾値電圧以下の場合には、前記検出されたヘッド電源電圧と前記第1の閾値電圧との比較を待ち合わせるように制御することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
- 前記制御回路は、前記電源電圧が前記第2の閾値電圧以下の場合には、引き続き前記電源電圧の変化を監視し、前記電源電圧が前記第2の閾値電圧を超えると、タイマによる監視を行い、該タイマに設定された時間が経過すると、再び、前記検出されたヘッド電源電圧と前記第1の閾値電圧との比較を行うよう制御することを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
- 前記スイッチング素子はFETであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の記録装置。
- 前記制御回路は、前記ヘッド電源電圧が前記第1の閾値電圧以下の場合には、前記記録装置をエラー状態とし、前記エラー状態を表示することを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
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