JP2007242647A - 金属研磨液及び化学的機械的研磨方法 - Google Patents

金属研磨液及び化学的機械的研磨方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体デバイスの製造における化学的機械的研磨に用いられ、被研磨体の低ディッシングを達成し、且つ、被研磨面の面内均一性に優れた研磨が可能な金属用研磨液、及び、該金属用研磨液を用いた化学的機械的研磨方法を提供すること。
【解決手段】半導体デバイスの製造における化学的機械的研磨に用いる金属用研磨液であって、(a)表面の一部がアルミニウム原子で覆われたコロイダルシリカと、(b)環状α−アミノ酸と、(c)酸化剤と、を含有することを特徴とする金属用研磨液。
【選択図】なし

Description

本発明は金属用研磨液及びそれを用いた化学的機械的研磨方法に関する。より詳細には、半導体デバイスの製造における配線形成工程に用いられる金属用研磨液に関する。
半導体集積回路(以下、適宜「LSI」と称する。)の開発においては、小型化・高速化のため、配線の微細化と積層化による高密度化・高集積化が求められている。このための技術としては、化学的機械的研磨(Chemical Mechanical Polishing、以下、適宜「CMP」と称する。)等の種々の技術が用いられてきている。
CMPは積層化で生じたウェハ表面の凹凸を平坦化するための技術であり、一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨パッドを貼り付け、研磨パッド表面を研磨液で浸して、パッドに基盤(ウェハ)の表面を押しつけ、その裏面から所定の圧力(研磨圧力)を加えた状態で、研磨定盤及び基盤の双方を回転させ、発生する機械的摩擦により基盤の表面を平坦化するものである。
CMPに用いる金属用研磨液は、一般には、砥粒(例えば、アルミナ、シリカ)と酸化剤(例えば、過酸化水素)とを含むものであって、酸化剤によって金属表面を酸化し、その酸化皮膜を砥粒で除去することで研磨していると考えられている。
しかしながら、このような金属用研磨液を用いてCMPを行うと、研磨傷(スクラッチ)、研磨面全体が必要以上に研磨される現象(シニング)、研磨金属面が平面状ではなく、中央のみがより深く研磨されて皿状のくぼみを生ずる現象(ディッシング)、金属配線間の絶縁体が必要以上に研磨されたうえ、複数の配線金属面表面が皿状の凹部を形成する現象(エロージョン)などが発生することがある。特に、近年はLSIにおける一層の高密度化・高集積化が図られているために、ディッシング低減への要求はますます強くなりつつある。また、最近は生産性向上のため、LSI製造時のウェハ径が大型化しており、現在では直径200mm以上が汎用され、300mm以上の大きさでの製造も開始され始めている。このようなウェハ径の大型化に伴い、ウェハ中心部と周辺部とでの研磨速度の差が大きくなり、面内均一性に対する改善要求が強くなってきている。さらに、最近は、機械的強度の弱い絶縁材料を用いても膜剥離が発生しないように、低圧力下で研磨を行った時でも充分な研磨速度が得られるような方法が望まれている。
このような問題点を解決するために、砥粒を含まず、過酸化水素/リンゴ酸/ベンゾト このような問題点を解決するために、砥粒を含まず、過酸化水素/リンゴ酸/ベンゾトリアゾール/ポリアクリル酸アンモニウム及び水からなる金属用研磨液が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法によれば、凹部に金属膜が残された導体パターンが得られるものの、充分な研磨速度が得難いという問題点がある。
また、研磨パッドの劣化を抑える有機化合物を含有する化学機械研磨用水系分散体が開示されているが(例えば、特許文献2参照。)、ディッシング現象に対する懸念が残る。
また、ディッシング抑制方法として、始めに常温で第一段階の研磨を行い、続けて系の温度を低下させて第二段階の研磨を行うことでディッシングを抑制する方法が開示されているが(例えば、特許文献3参照。)、プロセスコストが高く、汎用性に欠ける。
さらに、特定の複素環化合物と各種有機酸を用いる銅研磨技術が開示されているが(例えば、特許文献4参照。)、充分なディッシング抑制性能や被研磨面の面内均一性は得られていない。
特開2001−127019号公報 特開2001−279231号公報 特開平8−83780号公報 特開2005−175218号公報
本発明は、前記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、半導体デバイスの製造における化学的機械的研磨に用いられ、被研磨体の低ディッシングを達成し、且つ、被研磨面の面内均一性に優れた研磨が可能な金属用研磨液、及び、該金属用研磨液を用いた化学的機械的研磨方法を提供することにある。
本発明者等は鋭意検討した結果、下記金属用研磨液及び化学的機械的研磨方法により、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、前記課題を解決するための手段は以下の通りである。
<1> 半導体デバイスの製造における化学的機械的研磨に用いる金属用研磨液であって、(a)表面の一部がアルミニウム原子で覆われたコロイダルシリカと、(b)環状α−アミノ酸と、(c)酸化剤と、を含有することを特徴とする金属用研磨液。
<2> 更に、(d)複素環化合物を含有することを特徴とする前記<1>に記載の金属用研磨液。
<3> 前記(b)表面の一部がアルミニウム原子で覆われたコロイダルシリカの1次粒子径が3nmから200nmの範囲であることを特徴とする前記<1>又は<2>に記載の金属用研磨液。
<4> 前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の金属用研磨液を、被研磨面と接触させ、被研磨面と研磨面とを相対運動させて研磨することを特徴とする化学的機械的研磨方法。
半導体デバイスの製造における化学的機械的研磨に用いられ、被研磨体の低ディッシングを達成し、且つ、被研磨面の面内均一性に優れた研磨が可能な金属用研磨液、及び、該金属用研磨液を用いた化学的機械的研磨方法を提供すること。
以下、本発明の具体的態様について説明する。
[金属用研磨液]
本発明の金属用研磨液は、半導体デバイスの製造における化学的機械的研磨に用いる金属用研磨液であって、(a)表面の一部がアルミニウム原子で覆われたコロイダルシリカと、(b)環状α−アミノ酸と、(c)酸化剤と、を含有し、更に、(d)複素環化合物を含有することが好ましく、通常は、各成分を溶解してなる水溶液に、砥粒を分散させてなるスラリーの形態をとる。
また、本発明の金属用研磨液のpHは、2〜8の範囲であることが好ましく、4〜8の範囲がより好ましい。
尚、本発明において「金属用研磨液」とは、研磨に使用する組成(濃度)の研磨液のみならず、使用時に必要により希釈して用いる研磨濃縮液も本発明では特に断りのない限り、研磨液と称する。濃縮液は研磨に使用する際に、水または水溶液などで希釈して、研磨に使用されるもので、希釈倍率は一般的には1〜20体積倍である。
次に、本発明の金属用研磨液の成分について説明する。なお、本発明の金属用研磨液が含有する各成分としては、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
〔(a)表面の一部がアルミニウム原子で覆われたコロイダルシリカ〕
本発明の金属用研磨液は、砥粒の少なくとも一部として、表面の一部がアルミニウム原子で覆われたコロイダルシリカ(以下、適宜、「特定コロイダルシリカ」と称する。)を含有する。特定コロイダルシリカは、本発明の金属用研磨液中で砥粒として機能するものである。
本発明において「表面の一部がアルミニウムで覆われたコロイダルシリカ」とは、配位数4の珪素原子を含むサイトを有するコロイダルシリカ表面に、アルミニウムが存在している状態を意味するものであり、コロイダルシリカ表面に4個の酸素原子が配位したアルミニウム原子が結合し、アルミニウム原子が4配位の状態で固定された新たな表面が生成した状態のものであってもよく、また、コロイダルシリカ表面に存在する珪素原子が一旦引き抜かれて、アルミニウム原子と置き換わった新たな表面が生成した状態のものであってもよい。
特定コロイダルシリカの調製に用いられるコロイダルシリカとしては、粒子内部にアルカリ金属などの不純物を含有しない、アルコキシシランの加水分解により得たコロイダルシリカであることがより好ましい。一方、ケイ酸アルカリ水溶液からアルカリを除去する方法で製造したコロイダルシリカも用いることができるものの、この場合、粒子の内部に残留するアルカリ金属が徐々に溶出し、研磨性能に影響を及ぼす懸念がある。このような観点からは、前記アルコキシシランの加水分解により得られたものが原料としてはより好ましい。
原料となるコロイダルシリカの粒径は、砥粒の使用目的に応じて適宜選択されるが、一般的には10〜200nm程度である。
このような特定コロイダルシリカを得る方法としては、例えば、コロイダルシリカの分散液にアルミン酸ソーダ等のアルミン酸化合物を添加する方法を好適に用いることができる。この方法は、特許第3463328号公報、特開昭63−123807号公報に詳細に記載されている。
具体的には、上記特許第3463328号公報には、アルミン酸アルカリ水溶液を添加して得られたシリカゾルを80〜250℃で0.5〜20時間加熱し、陽イオン交換樹脂、又は陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂とに接触させる製造法が開示されている。
また、特開昭63−123807号公報には、酸性珪酸液とアルミニウム化合物水溶液をSiO2含有アルカリ水溶液又はアルカリ金属水酸化物水溶液に添加する方法、又はアルミニウム化合物が混在する酸性珪酸液をSiO2含有アルカリ水溶液又はアルカリ金属水酸化物水溶液に添加する方法、によって調製したアルミニウム化合物含有アルカリ性シリカゾルを陽イオン交換樹脂で処理して脱アルカリする製造法が開示されている。
これらの方法は、本発明に適用することができる。
また、その他の方法として、コロイダルシリカの分散液にアルミニウムアルコキシドを添加する方法が挙げられる。
ここで用いるアルミニウムアルコキシドはいかなるものでもよいが、好ましくは、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシド、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシドであり、特に好ましくはアルミニウムイソプロポキシド、アルミニウムブトキシドである。
上記の方法により得られた特定コロイダルシリカは、4配位のアルミン酸イオンとコロイダルシリカ表面のシラノール基との反応によって生成したアルミノシリケイトサイトを有し、これが負の電荷を固定し、粒子に負の大きなゼータポテンシャルを与える。これにより、特定コロイダルシリカは、酸性においても分散性に優れるという特徴を有する。
したがって、前述の如き方法によって製造した特定コロイダルシリカには、アルミニウム原子が4個の酸素原子に配位された状態で存在することが重要である。
なお、本発明における特定コロイダルシリカ表面に存在する、4個の酸素原子が配位したアルミニウム原子は、例えば、ゼータ電位を測定することによって容易に確認することができる。
本発明における特定コロイダルシリカにおいて、アルミニウムで覆われた量としては、コロイダルシリカの表面原子被覆率(導入アルミニウム原子数/表面珪素原子サイト数)で表される。この表面原子被覆率は、好ましくは0.001%以上50%以下、更に好ましくは0.01%以上25%以下、特に好ましくは0.1%以上10%以下である。
この表面原子被覆率は、原料のコロイダルシリカの分散液に添加するアルミン酸化合物、アルミニウムアルコキシドなどの添加量(濃度)を制御することにより、適宜制御することができる。
ここで、特定コロイダルシリカの表面原子被覆率(導入アルミニウム原子数/表面珪素原子サイト数)は、以下のようにして求めることができる。
まず、分散液中に添加したアルミニウム系化合物のうち、反応後に残存する未反応アルミニウム系化合物から消費されたアルミニウム系化合物の量を算出する。この消費されたアルミニウム系化合物が100%反応したと仮定し、コロイダルシリカ直径から換算される表面積、コロイダルシリカの比重2.2、及び単位表面積あたりのシラノール基数(5〜8個/nm2)から表面原子被覆率を見積もることができる。実際の測定は、得られた特定コロイダルシリカ自体を元素分析し、アルミニウムが粒子内部に存在せず、表面に均一に薄くひろがると仮定し、上記コロイダルシリカの表面積/比重、及び、単位表面積あたりのシラノール基数を用いて求める。
本発明における特定コロイダルシリカの具体的な製造方法について下記に示す。
まず、コロイダルシリカを1〜50質量%の範囲で水に分散させ、該分散液のpHを7〜11に調整し、その後、室温近傍にて攪拌しながら、アルミン酸ナトリウム水溶液を添加し、そのまま0.5〜10時間攪拌する。
これにより得られたゾルを、イオン交換や限外濾過などにより不純物を除去して、特定コロイダルシリカを得ることができる。
得られた特定コロイダルシリカの一次粒子径(体積相当径)は、3nmから200nmが好ましく、5nmから100nmが更に好ましく、10nmから60nmが特に好ましい。
なお、特定コロイダルシリカの粒子径(体積相当径)は、動的光散乱法により測定した値を採用している。
また、本発明の金属用研磨液中の特定コロイダルシリカの含有量は、研磨に使用する際の研磨液(即ち、水又は水溶液で希釈する場合は希釈後の研磨液。以降の「研磨に使用する際の研磨液」も同意である。)の質量に対して、好ましくは0.001質量%以上5質量%以下であり、更に好ましくは0.01質量%以上0.5質量%以下であり、特に好ましくは0.05質量%以上0.2質量%以下である。
本発明の金属用研磨液に含有される砥粒のうち、特定コロイダルシリカの含有割合は、好ましくは50質量%以上であり、特に好ましくは80質量%以上である。含有される砥粒の全てが特定コロイダルシリカであってもよい。
本発明の金属用研磨液に対し、特定コロイダルシリカ以外で砥粒として用いられるものとしては、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカ、セリア、アルミナ、チタニア等が好ましく、特に好ましくはコロイダルシリカである。これらのサイズは、特定コロイダルシリカと同等か、それ以上、また、2倍以下であることが好ましい。
本発明に用いる砥粒の総添加量としては、使用する際の金属用研磨液1L中に0.05〜20gの砥粒を含むことが好ましく、0.2〜5gの砥粒を含むと本発明の効果が顕著に得られ好ましい。
〔(b)環状α−アミノ酸〕
本発明の金属用研磨液は、(b)環状α−アミノ酸を含有する。本発明における環状α−アミノ酸としては、下記一般式(I)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2007242647
一般式(I)中、Qは、隣接する炭素原子及び窒素原子と共に5〜8員環の含窒素脂肪族環を形成する原子団を表す。Qを含んで形成される含窒素脂肪族環の員数としては、5又は6であることが好ましい。
一般式(I)中、Mは、水素原子、アルキル基、アルカリ金属イオン、又はアンモニウムイオンを表す。
上記アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、より好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基である。このアルキル基は、直鎖、分岐、環状又は多環アルキル基であってもよい。
上記アルカリ金属イオンとしては、例えば、ナトリウム、カリウム、ルビジウム等が挙げられ、ナトリウム、カリウムがより好ましい。
一般式(I)中、Xは置換基を表し、単数であっても複数であってもよい。Xが複数存在する場合、その種類は同じであっても異なっていてもよい。
一般式(I)中、Xで表される置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基(置換基を有するカルバモイル基でもよく、例えば、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基)、カルバゾイル基、カルボキシ基又はその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基若しくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシ若しくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、(無置換、一置換又は二置換)カルバモイルオキシ基、(無置換、アルキル若しくはアリール)スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシ若しくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキル若しくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えば、ピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)ジチオ基、(アルキル又はアリール)スルホニル基、(アルキル又はアリール)スルフィニル基、スルホ基又はその塩、スルファモイル基(置換基を有するスルファモイル基でも良く、例えば、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基)又はその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
これらの中でも、Xとしては、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基が挙げられる。
以下、一般式(I)で表される化合物の具体例〔化合物(I−1)〜(I−30)〕を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2007242647
Figure 2007242647
上記した例示化合物の中でも、特に好ましいものとしては、化合物(I−1)、(I−2)、(I−3)、(I−12)、(I−14)、(I−17)、及び(I−19)が挙げられる。
一般式(I)で表される化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。一般式(I)で表される化合物は、常法に従って合成できる他、市販品を用いてもよい。
環状α−アミノ酸の添加量は、研磨に使用する際の研磨液の1L中、0.0001〜0.1molとすることが好ましく、0.005mol〜0.3molとすることがより好ましく、0.01mol〜0.1molとすることが特に好ましい。即ち、添加量は、ディッシング抑制の点から0.1mol以下が好ましく、充分な効果を得る上で0.0001mol以上が好ましい。
〔(c)酸化剤〕
本発明の金属用研磨液は、酸化剤(研磨対象の金属を酸化できる化合物)を含有する。
酸化剤として、具体的には、過酸化水素、過酸化物、硝酸塩、ヨウ素酸塩、過ヨウ素酸塩、次亜塩素酸塩、亜塩素酸塩、塩素酸塩、過塩素酸塩、過硫酸塩、重クロム酸塩、過マンガン酸塩、オゾン水、及び銀(II)塩、鉄(III)塩が挙げられ、過酸化水素がより好ましい。
酸化剤の添加量は、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.003mol〜8molとすることが好ましく、0.03mol〜6molとすることがより好ましく、0.1mol〜4molとすることが特に好ましい。即ち、酸化剤の添加量は、金属の酸化が十分で高いCMP速度を確保する点で0.003mol以上が好ましく、研磨面の荒れ防止の点から8mol以下が好ましい。
また、酸化剤は、研磨液を使用して研磨を行う際に、酸化剤以外の他の成分を含む組成物に混合して使用することが好ましい。酸化剤を混合する時期としては、研磨液を使用する直前の1時間以内が好ましく、更に好ましくは5分以内、特に好ましくは、研磨装置にて研磨液を供給する直前に混合器を設け、被研磨面へ供給する直前5秒以内に混合することである。
本発明の金属用研磨液は、前記(a)乃至(c)成分と共に、必要に応じて、任意成分を含有してもよい。
以下、本発明の金属用研磨液が含有しうる任意成分について説明する。
〔(d)複素環化合物〕
本発明の金属用研磨液は、更に、(d)複素環化合物を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる複素環化合物としては、5員環又は6員環を有する化合物が好ましく、例えば、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、ピリジン、オキサゾール、ピロール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾール、プリン、キノリン、トリルトリアゾールなど、及び、これら誘導体が挙げられる。
本発明においては、これらの中でも含窒素複素環を有する化合物が好ましく、その中でも特に下記一般式(II)で表される化合物が好ましい。
一般式(II)で表される化合物について、以下詳述する。
Figure 2007242647
一般式(II)中、R1及びR2は、各々独立に、水素原子又は一価の置換基を表す。R1及びR2はお互いに結合して環を形成してもよい。なお、R1及びR2が同時に水素原子の場合、一般式(II)で表される化合物は、その互変異性体でもよい。
一般式(II)中、R1及びR2における一価の置換基は、特に限定されないが、例えば、以下のものが挙げられる。ただし、R1においては、下記一価の置換基のうち、窒素原子と結合した場合に、その化合物が安定に得られない一価の置換基は含まれない。
ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基(置換基を有するカルバモイル基でも良く、例えば、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基)、カルバゾイル基、カルボキシ基又はその塩、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基若しくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシ若しくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、(無置換、一置換又は二置換)カルバモイルオキシ基、(無置換、アルキル若しくはアリール)スルホニルオキシ基、
アミノ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、(アルコキシ若しくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキル若しくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)ジチオ基、(アルキル又はアリール)スルホニル基、(アルキル又はアリール)スルフィニル基、スルホ基又はその塩、スルファモイル基(置換基を有するスルファモイル基でも良く、例えば、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基)又はその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
なお、活性メチン基とは2つの電子求引性基で置換されたメチン基を意味し、電子求引性基とは、例えば、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基、トリフルオロメチル基、シアノ基、ニトロ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)を意味する。2つの電子求引性基は互いに結合して環状構造をとっていてもよい。また塩とは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、重金属などの陽イオンや、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオンなどの有機の陽イオンを意味する。
これらの中でも好ましい一価の置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、N−ヒドロキシカルバモイル基、N−アシルカルバモイル基、N−スルホニルカルバモイル基、N−カルバモイルカルバモイル基、チオカルバモイル基、N−スルファモイルカルバモイル基、カルバゾイル基、オキサリル基、オキサモイル基、シアノ基、カルボンイミドイル基(Carbonimidoyl基)、カルボキシ基又はその塩、ホルミル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基(エチレンオキシ基若しくはプロピレンオキシ基単位を繰り返し含む基を含む)、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、(アルコキシ若しくはアリールオキシ)カルボニルオキシ基、(無置換、一置換又は二置換)カルバモイルオキシ基、(無置換、アルキル若しくはアリール)スルホニルオキシ基、アミノ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)アミノ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、ウレイド基、チオウレイド基、N−ヒドロキシウレイド基、イミド基、
(アルコキシ若しくはアリールオキシ)カルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、セミカルバジド基、チオセミカルバジド基、ヒドラジノ基、アンモニオ基、オキサモイルアミノ基、N−(アルキル若しくはアリール)スルホニルウレイド基、N−アシルウレイド基、N−アシルスルファモイルアミノ基、ヒドロキシアミノ基、ニトロ基、4級化された窒素原子を含むヘテロ環基(例えばピリジニオ基、イミダゾリオ基、キノリニオ基、イソキノリニオ基)、イソシアノ基、イミノ基、メルカプト基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)チオ基、(アルキル、アリール、又はヘテロ環)ジチオ基、(アルキル又はアリール)スルホニル基、(アルキル又はアリール)スルフィニル基、スルホ基又はその塩、スルファモイル基、N−アシルスルファモイル基、N−スルホニルスルファモイル基又はその塩、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基等が挙げられる。
さらに好ましくは、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又は沃素原子)、アルキル基(直鎖、分岐又は環状のアルキル基であり、ビシクロアルキル基のように多環アルキル基であっても、活性メチン基を含んでもよい)、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、カルボキシ基又はその塩、ヘテロ環基(置換する位置は問わない)が挙げられる。
一般式(II)におけるR1及びR2が結合して、−C−N−結合とともに、形成する環としては、単環であっても多環であってもよく、好ましくは5〜6員環の単環、又は5〜6員環から構成される多環である。
上記一価の置換基は、さらに上記一価の置換基で置換されていてもよい。
また、本発明における一般式(II)で表される化合物は、例えば、塩酸塩やカルボン酸塩等の塩を形成している化合物であってもよい。
一般式(II)で表される化合物の分子量は、好ましくは70〜600、より好ましくは70〜400である。
一般式(II)で表される化合物の具体例〔例示化合物(II−1)〜(II−51)〕を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2007242647
Figure 2007242647
Figure 2007242647
一般式(II)で表される化合物の中で好ましいものとしては、水溶性であり、また低ディッシング、良好な面内均一性を達成できるという点から、化合物(II−1)、(II−3)、(II−4)、(II−10)、(II−15)、(II−16)、(II−21)、(II−22)、(II−23)、(II−37)、(II−41)、(II−48)、(II−52)が挙げられ、化合物(II−1)、(II−4)、(II−15)、(II−16)、(II−22)、(II−23)、(II−37)がより好ましい。
一般式(II)で表される化合物は単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
一般式(II)で表される化合物は、常法に従って合成できるほか、市販品を使用してもよい。
(d)複素環化合物の添加量は、総量として、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.0001〜0.1molが好ましく、より好ましくは0.0005〜0.05mol、更に好ましくは0.0005〜0.01molである。0.0001molよりも少ないと、ディッシングが低減されず、0.1molよりも多いと、研磨速度が著しく低下する場合がある。
〔(e)他の有機酸〕
本発明の金属用研磨液は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記(b)環状α−アミノ酸とは異なる他の有機酸、を含有することもできる。そのような有機酸としては、水溶性のものが望ましく、環状α−アミノ酸以外の他のアミノ酸、アミノ酸以外の有機酸などが挙げられる。
例えば、アミノ酸としては、以下の群から選ばれたものが好適である。
グリシン、L−アラニン、β−アラニン、L−2−アミノ酪酸、L−ノルバリン、L−バリン、L−ロイシン、L−ノルロイシン、L−イソロイシン、L−アロイソロイシン、L−フェニルアラニン、サルコシン、L−オルニチン、L−リシン、タウリン、L−セリン、L−トレオニン、L−アロトレオニン、L−ホモセリン、L−チロシン、3,5−ジヨード−L−チロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−L−アラニン、L−チロキシン、L−システィン、L−メチオニン、L−エチオニン、L−ランチオニン、L−シスタチオニン、L−システィン酸、L−アスパラギン酸、L−グルタミン酸、S−(カルボキシメチル)−L−システィン、4−アミノ酪酸、L−アスパラギン、L−グルタミン、アザセリン、L−アルギニン、L−カナバニン、L−シトルリン、δ−ヒドロキシ−L−リシン、クレアチン、L−キヌレニン、L−ヒスチジン、1−メチル−L−ヒスチジン、3−メチル−L−ヒスチジン、エルゴチオネイン、L−トリプトファン、アクチノマイシンC1、アパミン、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII及びアンチパイン等のアミノ酸等が挙げられる。
また、アミノ酸以外の有機酸としては、以下の群から選ばれたものがより適している。
ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコール酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、及びそれらのアンモニウム塩やアルカリ金属塩等の塩が挙げられる。これらの中ではリンゴ酸、酒石酸、クエン酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン等が好適である。
他の有機酸の含有量は、金属用研磨液1L中、0.0001〜1molであることが好ましく、0.01〜0.5molであることがより好ましい。
〔(f)キレート剤〕
本発明の金属用研磨液は、混入する多価金属イオンなどの悪影響を低減させるために、必要に応じてキレート剤を含有していてもよい。キレート剤としては、カルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤である汎用の硬水軟化剤やその類縁化合物を用いることができ、必要に応じてこれらを2種以上併用しても良い。キレート剤の添加量は混入する多価金属イオンなどの金属イオンを封鎖するのに充分な量であればよく、例えば、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.0001〜1molであることが好ましく、0.01〜0.5molであることがより好ましい。
〔(g)界面活性剤/親水性ポリマー〕
本発明の金属用研磨液は、界面活性剤や親水性ポリマーを含有することが好ましい。
界面活性剤と親水性ポリマーは、いずれも被研磨面の接触角を低下させる作用を有して、均一な研磨を促す作用を有する。用いられる界面活性剤や親水性ポリマーとしては、以下の群から選ばれたものが好適である。
陰イオン界面活性剤として、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩が挙げられ、陽イオン界面活性剤として、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩が挙げられ、両性界面活性剤として、カルボキシベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン、レシチン、アルキルアミンオキサイドを挙げることができ、非イオン界面活性剤として、エーテル型、エーテルエステル型、エステル型、含窒素型が挙げられ、またフッ素系界面活性剤などが挙げられる。
親水性ポリマーとしては、ポリエチレングリコール等のポリグリコール類、ポリビニルアルコール、ポロビニルピロリドン、アルギン酸等の多糖類、ポリメタクリル酸等のカルボン酸含有ポリマー等が挙げられる。
なお、界面活性剤及び/又は親水性ポリマーは、酸もしくはそのアンモニウム塩の方が、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ハロゲン化物等による汚染がなく望ましい。上記例示化合物の中でも、ポリアクリル酸アンモニウム塩、ポリビニルアルコール、ポロビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーがより好ましい。
界面活性剤や親水性ポリマーの重量平均分子量としては、500〜100000が好ましく、特には2000〜50000が好ましい。
界面活性剤及び/又は親水性ポリマーの添加量は、総量として、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.001〜10gとすることが好ましく、0.01〜5gとすることがより好ましく0.1〜3gとすることが特に好ましい。
〔(h)pH調整剤〕
本発明の金属用研磨液は、所定のpHとすべく、アルカリ/酸又は緩衝剤を添加されることが好ましい。
アルカリ/酸又は緩衝剤としては、水酸化アンモニウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドなどの有機水酸化アンモニウム、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのようなアルカノールアミン類などの非金属アルカリ剤、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属水酸化物、硝酸、硫酸、りん酸などの無機酸、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩、リン酸三ナトリウムなどのリン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩等を好ましく挙げることができる。特に好ましいアルカリ剤として水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム及びテトラメチルアンモニウムハイドロキサイドである。
アルカリ/酸又は緩衝剤の添加量としては、pHが好ましい範囲に維持される量であればよく、研磨に使用する際の金属用研磨液の1L中、0.0001mol〜1.0molとすることが好ましく0.003mol〜0.5molとすることがより好ましい。
〔研磨対象〕
本発明の金属用研磨液は、半導体デバイスの製造における化学的機械的研磨に用いられる。研磨対象としては、支持体基板上に導電性材料膜が形成されたウェハ(例えば、半導体集積回路ウェハなど)、支持体基板上に形成された配線上に設けられた層間絶縁膜に導電性材料膜が形成された積層体など、半導体デバイスの製造工程において平坦化を必要とする全ての段階の材料を挙げることができる。
(配線金属材料)
本発明における研磨対象としては、半導体集積回路の製造において金属配線が形成されたウェハが挙げられる。研磨対象の金属配線としては、銅又は銅合金からなる金属配線が好ましい。金属配線が銅合金である場合には、銅合金の中でも銀を含有する銅合金が適している。銅合金に含有される銀含量は、10質量%以下、さらには1質量%以下で優れた効果を発揮し、0.00001〜0.1質量%の範囲である銅合金において最も優れた効果を発揮する。
(配線の太さ)
本発明の研磨対象である半導体集積回路は、例えば、DRAMデバイス系ではハーフピッチで0.15μm以下で、特には0.10μm以下、更には0.08μm以下の配線を有する半導体集積回路であることが好ましく、一方、MPUデバイス系では0.12μm以下で特には0.09μm以下、更には0.07μm以下の配線を有する半導体集積回路であることが好ましい。これらの半導体集積回路に対して、本発明の金属用研磨液は特に優れた効果を発揮する。
(バリア金属)
半導体集積回路ウェハにおける配線形成に際しては、銅等からなる配線と層間絶縁膜との間に、銅の拡散を防ぐ為のバリア層が設けられる。該バリア層を構成する材料としては、低抵抗のメタル材料であることが好ましく、例えば、TiN、TiW、Ta、TaN、W、WN、Ruが好ましく、中でもTa、TaNが特に好ましい。バリア層を構成するバリア材料自体は、導電性の性質を持っているため、リーク電流などのエラー発生を防ぐためには、配線が形成されていない絶縁膜上のバリア材料は、完全に除去されなければならない。本発明の金属用研磨液は、かかるバリア層の研磨に好適に用いることができる。
(絶縁膜)
絶縁膜としては、無機絶縁膜や有機絶縁膜が適用できる。無機絶縁膜の作製方法として、定圧CVD法、プラズマCVD法等が挙げられる。有機系ではテトラアルコキシランの加水分解生成物を主成分とする塗布型の絶縁膜、有機SOGと呼ばれるポリオルガノシロキサンを主成分とする低比誘電率の絶縁膜があげられる。
[化学的機械的研磨方法]
本発明の化学的機械的研磨方法は、本発明の金属用研磨液を、被研磨面と接触させ、被研磨面と研磨面とを相対運動させて研磨することを特徴とする。以下、本発明の化学的機械的研磨方法について詳細に説明する。
(研磨装置)
本発明を実施できる装置は、被研磨面を有する半導体基板等を保持するホルダーと研磨パッドを貼り付けた(回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある)研磨定盤を有する一般的な研磨装置が使用でき、直径300mmのウェハを研磨できる装置であれば特に限定されず、例えばFREX300(荏原製作所)を用いることができる。
(研磨液供給方法)
本発明では対象金属を研磨する間、研磨定盤上の研磨パッドに金属用研磨液をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。
本発明では濃縮された金属用研磨液に水または水溶液を加え希釈して用いることもできる。希釈方法としては、例えば、濃縮された金属用研磨液を供給する配管と水または水溶液を供給する配管を途中で合流させて混合し、希釈された金属用研磨液を研磨パッドに供給する方法などを挙げることができる。その場合の混合は、圧力を付した状態で狭い通路を通して液同士を衝突混合する方法、配管中にガラス管などの充填物を詰め液体の流れを分流分離、合流させることを繰り返し行う方法、配管中に動力で回転する羽根を設ける方法など通常に行われている方法を用いることができる。
また、他の希釈方法としては、金属用研磨液を供給する配管と水または水溶液を供給する配管を独立に設け、それぞれから所定量の液を研磨パッドに供給し、研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合する方法する方法も本発明に用いることができる。
さらに、1つの容器に所定量の濃縮された金属用研磨液と水または水溶液を入れて混合し、所定の濃度に希釈した後に、その混合液を研磨パッドに供給する方法も本発明に適用することができる。
これらの方法以外に、金属用研磨液が含有すべき成分を少なくとも2つの構成成分に分けて、それらを使用する際に、水または水溶液を加え希釈して研磨パッドに供給する方法も本発明に用いることができる。この場合、酸化剤を含む成分と酸を含有する成分とに分割して供給する事が好ましい。
例えば、酸化剤を1つの構成成分(A)とし、酸、添加剤、界面活性剤及び水を1つの構成成分(B)とし、それらを使用する際に水または水溶液で構成成分(A)と構成成分(B)を希釈して使用する。この場合、構成成分(A)と構成成分(B)と水または水溶液をそれぞれ供給する3つの配管が必要であり、3つの配管を研磨パッドに供給する1つの配管に結合し、その配管内で混合してもよく、2つの配管を結合してから他の1つの配管を結合して混合してもよい。例えば、溶解しにくい添加剤を含む構成成分と他の構成成分を混合し、混合経路を長くして溶解時間を確保してから、さらに水または水溶液の配管を結合することで研磨液を供給することも可能である。
また、上記の3つの配管をそれぞれ研磨パッドに導き研磨パッドと被研磨面の相対運動により混合して供給してもよいし、1つの容器に3つの構成成分を混合した後に、その混合液を研磨パッドに供給してもよい。さらに、金属用研磨液を濃縮液とし、希釈水を別にして研磨面に供給してもよい。
(パッド)
本発明の金属用研磨液を用いて化学的機械的研磨方法を実施する際に用いる研磨用のパッドには特に制限はなく、無発泡構造パッドでも発泡構造パッドでもよい。前者はプラスチック板のように硬質の合成樹脂バルク材をパッドに用いるものである。また、後者は更に独立発泡体(乾式発泡系)、連続発泡体(湿式発泡系)、2層複合体(積層系)の3つがあり、特には2層複合体(積層系)が好ましい。発泡は、均一でも不均一でもよい。
更に研磨に用いる砥粒(例えば、セリア、シリカ、アルミナ、樹脂など)を含有したものでもよい。また、それぞれに硬さは軟質のものと硬質のものがあり、どちらでもよく、積層系ではそれぞれの層に異なる硬さのものを用いることが好ましい。材質としては不織布、人工皮革、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。また、研磨面と接触する面には、格子溝/穴/同心溝/らせん状溝などの加工を施してもよい。
以下、実施例により本発明を説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
〔実施例1〜6、比較例1〜11〕
(研磨液の調製)
下記に示す組成の金属用研磨液を調製した。
・砥粒(下記砥粒A又は砥粒Bを使用) 5g/L
・過酸化水素(酸化剤、和光純薬工業(株)製) 10g/L
・有機酸類(第1表記載) 0.05mol/L
・複素環化合物 (第1表記載) 0.01mol/L
・純水(全量が1000mLになるように調整) 残部
・pH(アンモニア水と硝酸で調整) 7.5
<砥粒>
砥粒A:コロイダルシリカ(商品名:PL-2、扶桑化学工業(株)製)
砥粒B:以下のごとく調製した特定コロイダルシリカ
−砥粒Bの調製−
平均砥粒サイズが20nmのコロイダルシリカの20質量%水分散物1000gにアンモニア水を加えてpHを7.0に調整し、その後室温にて攪拌しながらAl23濃度3.6質量%、Na2O/Al23モル比1.50のアルミン酸ナトリウム水溶液15.9gを数分以内にゆっくり添加し0.5時間攪拌した。得られたゾルは、SUS製オートクレーブ装置に入れ、130℃4時間加熱後、水素型強酸性陽イオン交換樹脂(アンバーライトIR−120B)を充填したカラムと、水酸基型強塩基性陰イオン交換樹脂(アンバーライトIRA−410)を充填したカラムと、に空間速度1h-1で室温にて通液し、初留はカットした。
得られた砥粒Bの体積平均粒径(一次粒子径)は25nmであり、前述の方法により求めたアルミニウム表面原子被覆率は1%であった。また、砥粒Bは調製後の増粘、ゲル化は見られなかった。
以上のようにして、特定コロイダルシリカである砥粒Bを調製した。
得られた実施例及び比較例の各金属用研磨液を用い、下記の研磨試験を行い、研磨速度及びディッシングの測定、及び、被研磨面の面内均一性を求めた。結果を表1に示す。
(研磨試験)
研磨試験に使用した部材及び装置、並びに研磨条件は以下の通りである。
・研磨パッド: IC1400 K−Grv(ロデール社)
・研磨機: LGP−612(LapmaSterSFT社)
・押さえ圧力: 200kPa
・研磨液供給速度: 250ml/min
・銅ブランケットウエハ: 厚さ1.5μmの銅膜を形成したウェハ(200mm)
・パターンウェハ: atdf社製CMP854パターンウェハ(200mm)
・研磨線速度:1.0m/sec
・定盤温調:20℃
<研磨速度(CMP速度)>
銅ブランケットウェハ面上の17箇所に対し、貴金属膜のCMP前後での膜厚さを電気抵抗値から換算して、平均研磨速度を求めた。用いた測定定装置は、直流4探針式シート抵抗測定器 VR−120(日立国際電気社製)である。
<ディッシング>
市販のパターンウェハを研磨し、ウェハ上の100μm配線部のディッシング量を測定した。なお、被研磨体である市販のパターンウエハは、CMP854パターンウェハ(atdf社製)であり、測定装置としては、接触式段差測定装置 DektakV320Si (Veeco社製)を用いた。
<被研磨面の面内均一性>
銅ブランケットウェハ面上の49箇所に対し、貴金属膜のCMP前後での膜厚を電気抵抗値から換算して研磨速度を求め、下記式にて評価した。
面内均一性(%)=[(最大研磨速度−最小研磨速度)/(平均研磨速度)×2]×100
Figure 2007242647
表1から明らかなように、(a)特定コロイダルシリカ(砥粒B)と、(b)環状α−アミノ酸と、(c)酸化剤と、を含有する実施例1〜6の金属用研磨液を用いて研磨を行ったウェハは、比較例1〜11の金属用研磨液を用いた場合よりも、低ディッシングと面内均一性を示すことが分かる。特に、好適な任意成分である(d)複素環化合物として、一般式(II)で表される化合物〔化合物(II−37〕を用いた実施例1〜3は、より顕著な効果を発揮することが分かる。

Claims (4)

  1. 半導体デバイスの製造における化学的機械的研磨に用いる金属用研磨液であって、(a)表面の一部がアルミニウム原子で覆われたコロイダルシリカと、(b)環状α−アミノ酸と、(c)酸化剤と、を含有することを特徴とする金属用研磨液。
  2. 更に、(d)複素環化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の金属用研磨液。
  3. 前記(b)表面の一部がアルミニウム原子で覆われたコロイダルシリカの1次粒子径が3nmから200nmの範囲であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の金属用研磨液。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の金属用研磨液を、被研磨面と接触させ、被研磨面と研磨面とを相対運動させて研磨することを特徴とする化学的機械的研磨方法。
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