JP2007242380A - 燃料電池の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高エネルギー密度を実現可能とするために、多孔質の電極触媒層が容易に形成可能な燃料電池の製造方法を提供する。
【解決手段】プロトン伝導性の固体電解質層と、それを挟んで配設された燃料極触媒層及び空気極触媒層を有する燃料電池の製造方法において、金属の炭酸塩を含んだ触媒ペーストを形成する工程(S71)と、前記触媒ペーストを酸によりエッチングし(S73)、前記燃料極触媒層形成用の多孔質膜或いは空気極触媒層形成用の多孔質膜を形成する工程とを含む。
【選択図】図3

Description

本発明は燃料電池に関し、特に、エネルギー密度が高く、携帯型電子機器の電源として使用可能な固体高分子型燃料電池の製造方法に関する。
携帯電話、携帯情報端末機、ノートパソコンなどの携帯型電子機器の多機能化および高性能化に伴い、その駆動電源となる電池に対する性能向上が求められている。
その携帯型電子機器の駆動電源としては、現在、リチウムイオン2次電池が主に使用されているが、エネルギー密度(単位質量あたりに蓄えられるエネルギーの量)の改善に限界が見えつつあること、充電の不便さ等の事情により、これに代わるものとして、燃料電池が注目されている。
燃料電池は、リチウムイオン電池に比べて格段にエネルギー密度が高いことに加え、充電も不要である。中でも、電解質として高分子固体電解質膜を用いる固体高分子型燃料電池は、発電時の温度が低く抑えられ、小型化が可能であるため利便性が高い。
固体高分子型燃料電池の中には、メタノールなどの有機燃料を直接電極上に供給して発電を行なうダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)も含まれる。このDMFCは、有機燃料を水素に改質する改質器を使用しない点で、小型化および軽量化が特に容易であり、携帯型電子機器の電源として適している。
DMFCを例にとると、次のようなプロセスで電力を発生させる。先ず、液体燃料貯蔵部から燃料極の触媒層にメタノールを供給することにより、触媒上でプロトン(H)、電子(e)、および二酸化炭素が生成される(反応式:CHOH+HO→CO+6H+6e)。そして、この生成されたプロトンは、高分子固体電解質膜中を透過した後、空気極の触媒層で酸素と化合し、水を生成する。この際、燃料極および空気極を外部回路に接続することによって、発生した電子により電力が取り出せる。
このように、燃料電池では、燃料極における電子・プロトンの発生と、空気極における水(HO)の生成とが、電解質膜、電極触媒と、そこに供給される燃料或いは酸素との三相界面で起こる化学反応により生じるため、エネルギー密度を向上させるには、電極触媒層(燃料極触媒層及び/又は空気極触媒層)が適度な空孔を有し、反応の場である三相界面が広いことが必要となる。
このような要求に対し、電極触媒層を形成する際に、電極触媒層の空孔率を増加させ、電極触媒層内部における燃料ガスや酸化剤ガスの拡散性を高めるという手法が提案されている(特許文献1参照。)。特許文献1によれば、固体高分子電解質膜に電極触媒塩を高分子粒子と共に吸着させた後、酸性溶剤にて高分子粒子を除去し、多孔性の電極触媒層を得る。
特開平8−138715号公報
しかしながら、特許文献1の例では、除去対象としての高分子粒子に、ブタジエン、アクリル樹脂等のポリマーを使用しているため、酸性溶剤での除去には限界がある。すなわち、酸性溶剤によって高分子粒子が除去されるのは、電極触媒層の表面部分に止まり、高分子粒子を膜内部まで全体的に溶かしきることは難しいという課題をかかえている。
なお、上述したように、エネルギー密度を向上させるためには、電極触媒層中に十分な面積の三相界面が存在することが必要であるため、所定の厚さを有する電極触媒層がその内部まで多孔質状になっていることは、不可欠な条件である。
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、高エネルギー密度を実現可能とするために、多孔質の電極触媒層が容易に形成可能な燃料電池の製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題について、本発明者は、膜・電極接合体の形成を、金属の炭酸塩を含んだ触媒ペーストを使用し、当該触媒ペーストを酸によりエッチングする工程を含んだ形で行なうことにより、解決可能であることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、触媒層形成用の多孔質膜の基になる触媒ペーストとして、酸と反応して溶けやすい金属の炭酸塩を含んだペーストを使用することにより、所定の厚さを有する触媒層について、内部まで確実に多孔質状にすることが可能となる。
本発明の一観点によれば、本発明の燃料電池の製造方法は、プロトン伝導性の固体電解質層と、それを挟んで配設された燃料極触媒層及び空気極触媒層を有する燃料電池の製造方法であって、金属の炭酸塩を含んだ触媒ペーストを形成する工程と、前記触媒ペーストを酸によりエッチングし、前記燃料極触媒層形成用の多孔質膜或いは空気極触媒層形成用の多孔質膜を形成する工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、膜・電極接合体を形成する際に、金属の炭酸塩を含んだ触媒ペーストを、酸によりエッチングし、触媒層形成用の多孔質膜を形成することにより、多孔質の電極触媒層が容易に形成可能となり、高エネルギー密度を有する燃料電池が容易に提供可能となる。
以下に、本発明の実施形態に係る詳細を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る燃料電池の構成を示す概略断面図である。図1に示されるように、燃料電池10は、発電部20と、空気に含まれる酸素ガスを発電部20に供給する空気供給部30と、液体燃料を気化してメタノールガス等の燃料ガスを発電部20に供給する燃料供給部40等から構成される。
−発電部−
発電部20は、空気極21と、固体電解質層22と、燃料極23とがこの順に積層されて構成される。この発電部20は、膜・電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)とも呼ばれ、燃料電池の性能を左右する。
このMEAについて詳細を図2に示す。図2(a)は本発明の実施例1に係るMEAの外観を示す斜視図であり、図2(b)は、図2(a)のX−X’についての概略断面図である。
図2(b)に示すように、空気極21は、例えば、空気極触媒層21aと、ガス拡散層としての多孔質体のカーボンペーパ21bから構成される。空気極触媒層21aは、例えば、Pt(白金)の微粒子や、Ptを表面に担持したカーボン粉末からなり、図のように、固体電解質層22に直接接するように配置される。
固体電解質層22は、プロトン伝導性の高分子固体電解質からなる。このような高分子固体電解質としては、例えばスルホン基やリン酸基等の強酸基や、カルボキシル基等の弱酸基を有する樹脂が挙げられる。固体電解質層22は、例えば、デュポン社製のナフィオン(登録商標)NF117(商品名)、旭化成社製のアシプレックス(商品名)を用いることができる。
燃料極23は、例えば、燃料極触媒層23aと、ガス拡散層としての多孔質体のカーボンペーパ23bから構成される。燃料極触媒層23aは、例えば、Pt−Ru(ルテニウム)合金の微粒子や、Pt−Ru合金を表面に担持したカーボン粉末からなり、図のように、固体電解質層22に直接接するように配置される。
このとき、燃料極触媒層23aは、エネルギー密度を高める目的から、いわゆる三相界面を広くするために、層内部まで全体的に多孔質状である。このことは、以下に説明する空気極触媒層21aについても同様である。燃料極触媒層23aと空気極触媒層21aのいずれか一方が多孔質状であっても効果が有るが、両触媒層が多孔質状であることが好ましい。
また、このように触媒層を多孔質状にした場合、液体燃料を気化し、当該気化された燃料を前記燃料極触媒層に供給する気化供給式の燃料電池に対して、特に好適である。なお、触媒層を多孔質状にする製造工程については、詳細を後述する。
図1に戻って、発電部20では、燃料極23に燃料ガスが供給される。燃料ガスの基となる液体燃料としては、例えば、略100%濃度のメタノール、エタノール、ジメチルエーテル、あるいは、これらの水溶液を用いることができる。本実施例ではメタノール水溶液を例に説明する。
燃料極23側の燃料極触媒層23aでは、下記の反応式1の反応によって、燃料ガスのメタノールガスと、水蒸気が消費され、二酸化炭素ガス、プロトン(H)、および電子(e)等が生成される。
CHOH+HO→CO+6H+6e … (反応式1)
プロトンは固体電解質層22を伝導し空気極21(空気極触媒層21a)に達する。一方、電子は、燃料ガス拡散層54および燃料極集電体53を介して、燃料電池10に外部回路(不図示)として接続された負荷に対して仕事を行う。さらに電子は、空気極集電体33および空気極ガス拡散層34を介して空気極21(空気極触媒層21a)に達する。空気極触媒層21aでは、下記の反応式2の反応が進み、プロトン、電子、および酸素ガスが消費され水蒸気が生成される。
3/2O+6H++6e→3HO … (反応式2)
生成された水蒸気は、空気極ガス拡散層32、34および酸素供給口31aを通じて外部に排出される。また、燃料極23で発生した二酸化炭素ガスは図示されない生成ガス排出部により外部に排出される。このようにして燃料電池10は、メタノール水溶液を液体燃料として発電を行う。
−空気供給部−
空気供給部30は、空気極側筐体31と、空気極側筐体31の酸素供給口31aから導入した酸素ガスを拡散させ、空気極21に酸素ガスを導入する空気極ガス拡散層32、34と、空気極集電体33から構成される。
空気極側筐体31は、金属材料や樹脂材料から構成される。樹脂材料としては特に限定されないが、メタノール等のアルコール耐性の点で、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、PTFE、PFA等のフッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルホン、ポリサルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリエーテルエーテルケトン、アクリル等の樹脂を用いることが好ましい。
また、空気極側筐体31には、厚さ方向に貫通する酸素供給口31aが多数設けられている。酸素供給口31aは、空気極ガス拡散層32の全体に酸素ガスが均一に導入されるように設けられることが好ましい。
空気極ガス拡散層32は多孔質材料から構成される。多孔質材料は、多孔質状であればその材料は特に制限されないが、好適な多孔質材料としては、例えば、セラミック多孔質体、カーボンペーパ、カーボン繊維不織布、フッ素樹脂多孔質体、ポリプロピレン多孔質体等が挙げられる。
空気極集電体33は、導電性を有し、メッシュあるいは多孔質状の構造を有する。空気極集電体33は、酸素ガスを空気極ガス拡散層32側から空気極ガス拡散層34側に透過させる。
また、空気極集電体33は、例えば、Ni、SUS304、SUS316等の耐蝕性の高い金属材料からなることが好ましい。また、空気極集電体33の構造としては、例えば、金属メッシュ、エキスパンドメタル、金属不織布、三次元網目構造の発泡金属が挙げられる。また、空気極集電体33は、その表面に、高導電性でかつ高耐蝕性の金属膜、例えば、Au膜、Au合金膜が形成されていることが好ましい。このような金属膜を設けることで、空気極集電体33の耐蝕性の向上および空気極ガス拡散層34との接触抵抗の低減化を図ることができる。
空気極ガス拡散層34は導電性の多孔質材料から構成される。導電性の多孔質材料としては、カーボンペーパ、カーボン繊維不織布が挙げられる。
空気供給部30では、空気極側筐体31の酸素供給口31aから空気中の酸素ガスが導入され、酸素ガスは空気極ガス拡散層32、34の開口部あるいは細孔を通じて拡散し、空気極21の表面に一様に導入される。なお、空気極ガス拡散層32および/または空気極ガス拡散層34は、これらを設けなくても空気極21の表面に酸素を十分に供給できる場合は、必須ではない。
なお、酸素供給口31aの配置例を図5に示す。図5は、燃料電池の外観を模式的に現した斜視図である。
なお、封止材55は気密性に優れる樹脂、例えばエポキシ樹脂、オレフィン系樹脂からなり、燃料電池10の内部のメタノールガスや二酸化炭素等の気体や、メタノール水溶液等の液体が燃料電池10の外部に漏洩することを防止する。また、封止材55は次に説明する燃料供給部40にも同様に用いられる。
−燃料供給部−
燃料供給部40は、燃料極側筐体41と、メタノール水溶液が充填される燃料貯蔵部42と、メタノール水溶液中のメタノールを気化させてメタノールガスに変換する燃料気化部47と、メタノールガスを拡散させ燃料極23に導入する燃料ガス拡散層52,54と、燃料極集電体53等から構成される。
なお、本実施例では、一例として、液体燃料を気化し、当該気化された燃料を燃料極触媒層に供給する気化供給式を示したが、燃料気化部47を使用せずに、メタノール或いはメタノールの水溶液を、直接発電部20に導入する液体供給式としても良い。
燃料極側筐体41は金属材料や樹脂材料から構成される。樹脂材料としては、特に限定されないが、メタノール等のアルコール耐性の点で、上述した空気極側筐体31と同様の樹脂材料から選択されることが好ましい。
燃料貯蔵部42は、燃料極側筐体41と燃料気化膜49に挟まれた空隙部である。燃料貯蔵部42に燃料カートリッジ43から燃料供給口44を介してメタノール水溶液が供給される。燃料貯蔵部42のメタノール水溶液は、燃料気化膜49の表面に接触する。
燃料カートリッジ43は、メタノール水溶液を貯蔵すると共に燃料貯蔵部42に供給する。メタノール水溶液の供給動力源は特に限定はされないが、例えばポンプ(不図示)や、次に説明する圧力印加部45でもよく、これらを組み合わせてもよい。なお、燃料供給口44にメタノール水溶液の流入や逆流を制御するバルブを設けてもよい。
圧力印加部45は燃料カートリッジ43に設けられる。圧力印加部45は、メタノール水溶液に背圧を印加することで、燃料気化膜49でのメタノールの気化速度を高めることができ、メタノールガスの供給速度を増加できる。
圧力印加部45は、燃料カートリッジ43に充填されたメタノール水溶液に直接あるいは窒素ガス等の気体を介して背圧を印加する。背圧の大きさは、燃料気化膜49の材料により適宜選択されるが、10kPa〜100kPaの範囲に設定されることが好ましい。なお、圧力印加部45を燃料貯蔵部42に直接接続して、燃料貯蔵部42に充填されたメタノール水溶液に直接背圧を印加してもよい。ただし、この場合は燃料カートリッジ43にメタノールが逆流しないように弁等を設ける。また、圧力印加部45は、燃料気化膜49に十分にメタノール水溶液が供給される場合は必須ではない。
燃料気化部47における燃料気化膜49は、メタノール水溶液をメタノールガスに変換すると共に、燃料極23へのメタノールガス供給速度を制御する。燃料気化膜49としては、アルコール耐性を有する高分子の材料が好ましく、例えば、デュポン社製のナフィオン(登録商標)が挙げられる。
燃料ガス拡散層52は、メタノール等のアルコール耐性を有する多孔質材料から構成される。燃料ガス拡散層52に好適な多孔質材料としては、セラミック、カーボンペーパ、カーボン繊維不織布、フッ素樹脂、ポリプロピレン等の多孔質材料が挙げられる。また、燃料ガス拡散層52の空孔率は、30%〜95%の範囲に設定されることが好ましく、40%〜90%の範囲に設定されることがより好ましい。空孔率が95%を超えると燃料ガス拡散層52の機械的強度が低下する。
また、燃料ガス拡散層52の厚さは、特に制限はないが、1mm以下であることが好ましい。燃料ガス拡散層52が1mmよりも厚いと燃料電池全体の厚さが過度に大きくなる可能性があるからである。なお、上述したように燃料ガス拡散層52を設ける方が好ましいが、燃料ガスの拡散が十分な場合は必須ではない。
燃料極集電体53は、空気極集電体33と同様の材料から構成され、その表面に、高導電性でかつ高耐蝕性の金属膜、例えば、Auからなる膜を形成することが好ましい。
燃料ガス拡散層54は、メタノール等のアルコール耐性を有する導電性の多孔質材料から構成される。導電性の多孔質材料としては、カーボンペーパ、カーボン繊維不織布が挙げられる。
以上説明したように、燃料供給部40は燃料貯蔵部42に供給されたメタノール水溶液を、燃料気化膜49により気化させて、メタノールガスを燃料極23に供給し、上記反応式1の反応により、電子およびプロトンを生成する。
−MEAの製造工程−
次に、実施例1のMEA(発電部20)の製造方法を説明する。図3は、本発明の実施例1に係るMEAの製造工程を示すフローチャートである。
先ず、触媒ペーストを作成する(S71)。触媒ペースト作成工程は、主として、触媒溶液混合工程(S61)、攪拌工程(S62)、およびエージング工程(S63)の3工程から成る。
最初の触媒溶液混合工程(S61)では、次に挙げるように、大きく分けて4種類の材料を混合して、触媒ペーストの基になる触媒溶液とした。
・田中貴金属製の触媒性カーボン粒子70TPM(商品名)・・・2g
・デュポン製のナフィオン(登録商標)溶液SE−20042(商品名)・・・9.52g
・溶剤
・所定量の炭酸マグネシウム(MgCO
この触媒性カーボン粒子は、例えば、一次粒子径が数十nmのケッチェンブラック粒子に、粒径数nmの白金(Pt)−ルテニウム(Ru)合金を担持させたものである。また、溶剤は、7.76gの水(HO)に、2.49gの1−プロパノールと6.61gの2−プロパノールを加えたものである。なお、本例は、燃料極側の触媒ペーストについて説明したものであり、空気極側の触媒ペーストには、ケッチェンブラック粒子に白金(Pt)を担持させている。
続いて、触媒溶液を遊星式ボールミルミキサーで攪拌した(攪拌工程:S62)。攪拌は、200rpmで1時間程度行なう。この攪拌によって、粘性を有するペースト(触媒ペースト)になる。
そして、このペースト状の溶液を、4℃の低温で4日間、冷蔵し(エージング工程:S63)、触媒ペーストを調整した。
次に、前工程で出来上がった触媒ペーストを、公知の方法で、1規定の硫酸(HSO)溶液に約1時間浸漬させ、炭酸マグネシウムの部分をエッチング除去する(エッチング工程:S73)。
なお、このとき、テフロン(登録商標)シートを使用し、前工程で出来上がった触媒ペーストを、バーコータを用いてテフロンシートに塗布した後(S72)、そのテフロンシートを、1規定の硫酸溶液に約1時間浸漬させ、炭酸マグネシウムの部分をエッチング除去(エッチング工程:S73)しても良い。
上記浸漬後、触媒ペーストを、100℃で15分間乾燥させ(乾燥工程:S74)、触媒層形成用の多孔質膜を形成した。なお、テフロンシートを使用した場合には、上記浸漬後、触媒ペーストが塗布されたテフロンシートを乾燥させ(乾燥工程:S74)、触媒層形成用の多孔質膜を形成しても良い。
次に、固体電解質層22となるナフィオン膜を用意し、ナフィオン膜を間に挟んでその両側に、多孔質膜を配置し、160℃、2分間のホットプレスによりナフィオン膜に多孔質膜を圧着する(S75)。
テフロンシートを使用した場合には、固体電解質層22となるナフィオン膜を用意し、ナフィオン膜を間に挟んでその両側に、乾燥させたテフロンシートを配置する。このとき、テフロンシートの触媒側(多孔質膜が形成されている側)がナフィオン膜に対向するように配置する。そして、160℃、2分間のホットプレスにより圧着した後(S75)、テフロンシートを剥がして、ナフィオン膜に多孔質膜を圧着するようにしても良い。
最後に、カーボンペーパ28、29を多孔質膜と一致するように重ね合わせ、160℃で2分間ホットプレスし、各電極の触媒層を形成した(S76)。以上のような工程を経て、発電部20となるMEAを形成した。
−空隙率変化時の出力密度測定−
以上のような工程を適用し、空気極触媒層21aのみを多孔質状としたMEAを搭載した燃料電池を使用して、触媒層の空隙率と出力密度との関係を測定した。図4(a)に、その測定結果の特性図を示す。
図4(a)において、横軸に示した空隙率は、全体の体積に対する空隙の体積の割合であり、電極ペースト作製工程(S71)の際に加えた炭酸マグネシウムの量を変えることにより、その値を調節した。なお、縦軸は出力密度、すなわち、MEAの1cm2あたりの出力である。
また、測定は、図4(b)に示すシステムにより行なった。その際、テスタとしては、東洋システム製充放電テスタを使用し、テスタの両端子に2V印加された状態で流れる電流を求め、電力を算出した。
この図4(a)のグラフに示されるように、空隙率が10〜14%の範囲内では、それ以外の空隙率のときと比べて、急激に出力密度がアップしている。この範囲内(すなわち、空隙率が10%以上14%以下)では、炭酸マグネシウムを加えない場合(出力密度=16mW)と比べて、5mW以上アップしている。
なお、この空隙率を10〜14%の範囲内における炭酸マグネシウムの添加量は、5〜10重量%である。(すわなち、触媒ペーストの基になる触媒溶液の全体量を100重量%としたときの炭酸マグネシウムの添加量は、その最小値が5重量%で、最大値が10重量%である。)
また、空隙率が20%を超えると、空隙率がゼロのときよりも出力密度が低下してしまうが、これは、空間が多すぎて、反応に使用可能な三相界面の面積が小さくなってしまうことによるものと推測される。
以上、本発明の特徴を詳述した。本発明の好ましい諸形態を付記すると、以下の通りである。
(付記1)
プロトン伝導性の固体電解質層と、それを挟んで配設された燃料極触媒層及び空気極触媒層を有する燃料電池の製造方法において、
金属の炭酸塩を含んだ触媒ペーストを形成する工程と、
前記触媒ペーストを酸によりエッチングし、前記燃料極触媒層形成用の多孔質膜或いは空気極触媒層形成用の多孔質膜を形成する工程とを含む
ことを特徴とする燃料電池の製造方法。
(付記2)
前記多孔質膜を形成する工程において、前記触媒ペーストをテフロンシート上に形成した後、当該テフロンシートを酸に浸漬させることによりエッチングする
ことを特徴とする付記1に記載の燃料電池の製造方法。
(付記3)
前記多孔質膜を形成する工程の後、前記固体電解質層と前記多孔質膜とを貼り付ける工程を更に含む
ことを特徴とする付記1または2に記載の燃料電池の製造方法。
(付記4)
前記多孔質膜を形成する工程の後、
前記固体電解質層に、前記触媒ペーストが形成されたテフロンシートを貼り付ける工程と、
前記テフロンシートを剥がした後、カーボンペーパをホットプレスにより貼り付ける工程とを更に含む
ことを特徴とする付記2に記載の燃料電池の製造方法。
(付記5)
前記金属の炭酸塩は炭酸マグネシウムまたは炭酸リチウムであり、前記酸は硫酸である
ことを特徴とする付記1〜4のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
(付記6)
前記燃料電池は、液体燃料を気化し、当該気化された燃料を前記燃料極触媒層に供給する気化供給式の燃料電池である
ことを特徴とする付記1〜5のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
(付記7)
前記多孔質膜の空隙率が10〜14%以下の範囲内である
ことを特徴とする付記1〜6のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
(付記8)
前記金属の炭酸塩を含んだ触媒ペーストを形成する工程において、前記金属の炭酸塩は炭酸マグネシウムであり、且つ、前記触媒ペーストの基になる触媒溶液の全体量を100重量%としたときの前記炭酸マグネシウムの添加量が5〜10重量%である
ことを特徴とする付記1に記載の燃料電池の製造方法。
本発明の燃料電池は、携帯電話機や、携帯情報端末機、ノートパソコンなどの携帯型電子機器の電池として利用可能である。
は、本発明の実施例1に係る燃料電池の構成を示す概略断面図である。 は、本発明の実施例1に係るMEAの外観を示す斜視図、及び、MEAの構造を示す概略断面図である。 は、本発明の実施例1に係るMEAの製造工程を示すフローチャートである。 は、触媒層の空隙率と出力密度との関係を示す特性図、及び、測定システムである。 は、燃料電池の外観を模式的に現した斜視図である。
符号の説明
10…燃料電池
20…発電部
21…空気極
21a…空気極触媒層
21b…カーボンペーパ
22…固体電解質層
23…燃料極
23a…燃料極触媒層
23b…カーボンペーパ
30…空気供給部
31…空気極側筐体
31a…酸素供給口
32、34…空気極ガス拡散層
33…空気極集電体
40…燃料供給部
41…燃料極側筐体
42…燃料貯蔵部
43…燃料カートリッジ
44…燃料供給口
45…圧力引加部
47…燃料気化部
49…燃料気化膜
52、54…燃料ガス拡散層
53…燃料極集電体
55…封止材

Claims (5)

  1. プロトン伝導性の固体電解質層と、それを挟んで配設された燃料極触媒層及び空気極触媒層を有する燃料電池の製造方法において、
    金属の炭酸塩を含んだ触媒ペーストを形成する工程と、
    前記触媒ペーストを酸によりエッチングし、前記燃料極触媒層形成用の多孔質膜或いは空気極触媒層形成用の多孔質膜を形成する工程とを含む
    ことを特徴とする燃料電池の製造方法。
  2. 前記多孔質膜を形成する工程の後、前記固体電解質層と前記多孔質膜とを貼り付ける工程を更に含む
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池の製造方法。
  3. 前記金属の炭酸塩は炭酸マグネシウムまたは炭酸リチウムであり、前記酸は硫酸である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
  4. 前記燃料電池は、液体燃料を気化し、当該気化された燃料を前記燃料極触媒層に供給する気化供給式の燃料電池である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池の製造方法。
  5. 前記金属の炭酸塩を含んだ触媒ペーストを形成する工程において、前記金属の炭酸塩は炭酸マグネシウムであり、且つ、前記触媒ペーストの基になる触媒溶液の全体量を100重量%としたときの前記炭酸マグネシウムの添加量が5〜10重量%である
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池の製造方法。

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