JP2007241376A - 情報処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】CPUから発生する熱の低減を図るとともに瞬時の高負荷の処理により発熱量が急激に増大するような場合にも発熱量を低減できることを課題とする。
【解決手段】電気的に接続されたCPU10、11により構成され、前記CPU10、11のうちの少なくとも一つは、前記CPU10、11の温度を検知する温度センサ30,31と、前記温度センサ30,31により検知した温度に基づいて前記CPU10、11の負荷を判断する負荷判断手段と、前記CPU10、11の動作状態を記憶するメモリ20と、メモリ20に記憶された前記CPU10、11の負荷に基づいて前記CPU10、11に所定の負荷が発生することを予測する温度状態予測手段と、前記温度状態予測手段により予測した負荷に基づいて、前記CPU10、11に実行させる処理を変更する処理変更手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
【選択図】図1
【解決手段】電気的に接続されたCPU10、11により構成され、前記CPU10、11のうちの少なくとも一つは、前記CPU10、11の温度を検知する温度センサ30,31と、前記温度センサ30,31により検知した温度に基づいて前記CPU10、11の負荷を判断する負荷判断手段と、前記CPU10、11の動作状態を記憶するメモリ20と、メモリ20に記憶された前記CPU10、11の負荷に基づいて前記CPU10、11に所定の負荷が発生することを予測する温度状態予測手段と、前記温度状態予測手段により予測した負荷に基づいて、前記CPU10、11に実行させる処理を変更する処理変更手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数接続された各CPUの負荷を分散して各CPUから発生する熱を低減する技術に関する。
CPUから発生する熱を低減させる技術として、ファン等を設けることによりCPU外部から冷却して温度を低減する技術が知られている。また、複数のCPUを有するマルチプロセッサ型の電子計算機において、前記複数のCPUそれぞれの動作、動作停止を制御することにより負荷を分散させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−138716号公報
CPUから発生する熱をファン等により外部から冷却する技術では、CPUの処理量を変化させることなく熱の低減を図ることが可能となる。しかし、ファンや放熱板等を用いるためには別途部品が必要となる。また、ファンや放熱板を配置する場合にはそのためのスペースが必要とされ、スペースが限られている場合にはこのようなファン等自体を配置することが困難であった。
また、複数のCPUのそれぞれの動作、動作停止を制御することにより負荷を分散させる技術によれば、消費電力の低減と処理性能の向上を図ることが可能となる。しかし、上記技術では発熱量等のリアルタイムの情報に基づいてCPUの切り替えを行うため例えば瞬時に発熱量が増大するような場合には対応できないといった問題を生じていた。
本発明では、上記した問題に鑑み、各CPUから発生する熱の低減を図るとともに瞬時の高負荷の処理により発熱量が急激に増大するような場合にも発熱量を低減できる技術を提供することを課題とする。
本発明では、上述した課題を解決するため以下の手段を採用した。すなわち、複数のCPUにより処理を実行する情報処理装置において、前記各CPUの現在の温度を検知する検知手段と、前記各CPUに要求された処理の内容と前記各CPUの温度特性とに基づいて今後の前記各CPUの温度変化量を算出し、算出した前記温度変化量と前記検知手段で検知された前記各CPUの現在の温度に基づいて前記各CPUの今後の温度状態を予測する温度状態予測手段と前記温度状態予測手段により予測した温度状態に基づいて、前記各CPUに実行させる処理を変更する処理変更手段と、を備えることを特徴とする。
上記情報処理装置によれば、各CPUから発生する熱の低減を図るとともに瞬時の高負荷の処理により発熱量が増大するような場合にも発熱量を低減することが可能となる。すなわち、本発明に係る情報処理装置は温度状態予測手段を備えることから、発熱量が急激に増大するような場合であってもこれを予め予測して各CPUに実行させる処理を変更することができ、その結果、各CPUの発熱量を低減して各CPUの破壊等を回避することができる。なお、本発明に係る情報処理装置は、複数のCPUを備える電子機器に適用することができる。また、設置スペースが特に制限されるような車両においても、オーディオ装置やカーナビゲーション装置等に適用することができる。
本発明に係る情報処理装置は、複数のCPUを備える。複数のCPUは、電気的に接続
することができる。電気的な接続は、有線、無線どちらでもよいが、CPUバスを用いて各CPUを接続することが好ましい。また、前記CPUバスを介してRAM(Random Access Memory)などの記憶装置やディスプレイなどの表示装置等を接続してもよい。
することができる。電気的な接続は、有線、無線どちらでもよいが、CPUバスを用いて各CPUを接続することが好ましい。また、前記CPUバスを介してRAM(Random Access Memory)などの記憶装置やディスプレイなどの表示装置等を接続してもよい。
本発明に係る情報処理装置は、各CPUの温度状態を検知する検知手段を備える。検知手段は、一つの検知手段により本発明に係る情報処理装置を構成する複数のCPUの温度状態を検知させてもよいが、各CPUのそれぞれに検知手段を備える構成とすることで各CPUの温度状態を最も効果的に検知することができる。なお、検知手段には温度センサ等が例示できる。
本発明に係る情報処理装置は、温度状態予測手段を備える。温度状態予測手段は、温度変化量と現在の温度に基づいて今後の温度状態を予測する。温度変化量は、前記各CPUに要求された処理の内容と前記各CPUの温度特性とに基づいて温度状態予測手段により算出される。要求された処理の内容とは、各CPUが所定のプログラムに基づいて実行する処理を意味する。各CPUの温度特性とは、各CPUの処理速度に関連する温度の特性を意味する。
なお、本発明に係る情報処理装置は、上述した検知手段に代えて、各CPUの負荷を検知する負荷検知手段を備える構成としてもよい。また、本発明に係る情報処理装置は、上述した温度状態予測手段に代えて、負荷検知手段により検知した各CPUの動作状態に基づいて前記各CPUの負荷を判断する負荷判断手段と、各CPUの動作特性が記憶されている動作特性記憶手段と、前記動作特性記憶手段に記憶された各CPUの動作状態に基づいて各CPUに所定の負荷が発生することを予測する負荷予測手段とを備える構成としてもよい。負荷判断手段による負荷判断は、例えば一定の基準値を予め設定し、これを上回った場合に負荷がかかっていると判断させてもよいし、各CPU同士を比較してその差分を算出し、これを基に負荷がかかっている各CPUを抽出するようにしてもよい。負荷判断手段を備えることで、各CPUの負荷状態を判断することが可能となる。動作特性記憶手段は、前記各CPUの動作特性を記憶する。ここで、動作特性とは、各CPUに所定の処理を実行させた場合の処理速度変化を意味する。また、複数の処理を実行した場合等についても同様にテスト等によりデータを取得し、これを動作特性記憶手段に記憶させてもよい。更に、実際に所定の処理を実行した場合の動作特性、例えば温度変化等を随時動作特性記憶手段に記憶させることも可能である。これにより、より細かな状況変化にも対応して負荷が発生することを予測することが可能となる。負荷予測手段は、前記動作特性記憶手段に記憶された各CPUの動作状態に基づいて各CPUに所定の負荷が発生することを予測する。負荷予測手段を備えることで、瞬時の高負荷の処理により発熱量が増大するような場合にも予めこれを予測することが可能となる。瞬時に高負荷の処理が発生するケースは様々であるが、例えば異なる複数のプログラムを実行した場合が例示できる。そして、プログラムの組み合わせのパターン等による動作特性を動作特性記憶手段に記憶させておくことで、これらのプログラムが実際に実行された場合に、このプログラムを実行するCPUが高負荷となる前に高負荷となることを予測することが可能となる。
処理変更手段は、前記温度状態予測手段により予測した温度状態に基づいて、前記各CPUに実行させる処理を変更する。例えば、高温状態と判断するための基準値を予め設定しておき、その基準値を上回った場合には高温状態と判断されたCPUの処理を他のCPUに移行させることで今後予測される高温状態を回避することができる。その結果、CPUの発熱を低減することができる。なお、温度状態予測手段に代えて負荷予測手段により負荷を予測した場合、上述した処理変更手段は、負荷予測手段により予測した各CPUの負荷状態に基づいて前記各CPUに実行させる処理を変更する。
また、本発明に係る情報処理装置は、前記温度状態予測手段により予測した温度状態を
通知する通知手段と、前記各CPUが実行する処理を変更する為の指示をユーザから受け付ける指示受付手段と、を更に備え、前記処理変更手段は、前記指示受付手段により受け付けた指示に基づいて前記各CPUに実行させる処理を変更することとしてもよい。
通知する通知手段と、前記各CPUが実行する処理を変更する為の指示をユーザから受け付ける指示受付手段と、を更に備え、前記処理変更手段は、前記指示受付手段により受け付けた指示に基づいて前記各CPUに実行させる処理を変更することとしてもよい。
本発明に係る情報処理装置は、前記通知手段を備えることで本発明に係る情報処理装置が組み込まれた例えば電子機器を使用するユーザに対して高温状態を通知することが可能となる。通知手段には、ディスプレイやスピーカ等が例示できる。ディスプレイによれば、リアルタイムで各CPUの負荷状態を表示でき、また今後高温状態となることを表示してユーザに警告することも可能である。また、スピーカによれば、例えば今後高温状態となる場合のみ警告音を発することによりユーザに警告することも可能である。なお、これらは併用する構成としてもよい。また、温度状態に代えて、負荷状態を通知してもよい。
指示受付手段は、前記各CPUが実行する処理を変更する為の指示を受け付ける。指示受付手段における前記各CPUが実行する処理を変更する為の指示とは、本発明に係る情報処理装置を使用するユーザの指示を意味する。すなわち、指示受付手段を備えない場合には、上述した負荷判断手段による判断に基づいて処理の変更が行われるが、指示受付手段を備えることでユーザの指示を反映した処理変更が可能となる。指示受付手段は、上述した通知手段をタッチパネル式のディスプレイとして指示を受け付けることとしてもよく、また、マイクにより音声信号を受信することで指示を受け付けることとしてもよい。この場合、処理変更手段は、これらの指示受付手段により受け付けた指示に基づいて各CPUに実行させる処理を変更する。
また、本発明に係る情報処理装置は、前記各CPUの動作状態を保存する動作状態保存手段を更に備え、前記処理変更手段は、前記各CPUに実行させる処理を変更することで高温状態を回避できないと判断した場合には、前記各CPUが実行する処理の一部を前記動作状態保存手段に記憶させるようにしてもよい。
動作状態保存手段を備えることで、前記各CPUに実行させる処理を変更するだけでは高温状態を回避できない場合、前記各CPUが実行する処理の一部を前記動作状態保存手段に一時的に記憶させて高温状態を回避することが可能となる。動作状態保存手段には、フラッシュメモリ等が例示でき、バス上や各CPU内部に設けることができる。
なお、本発明に係る情報処理装置は、前記各CPUが実行可能な処理および該処理に係る負荷が予め入力されたパラメータテーブルを更に備え、前記処理変更手段は、前記負荷判断手段により判断した前記各CPUの負荷に基づいて前記パラメータテーブルを参照して、前記各CPUに実行させる処理を決定するものであることとしてもよい。
パラメータテーブルには、例えば各CPUが実行する処理や各CPUの処理の組み合わせの処理パターンを温度変化量によって段階的に区分けして入力しておく。このように予めパラメータテーブルに、温度変化量に関する情報を入力しておき、これに基づいて温度状態を予測することで、処理負担を低減することが可能となる。
以上説明した各手段の処理は、本発明に係る情報処理装置を構成する複数のCPUのうちの一つが実行することしてもよく、また複数のCPUで分散して実行するようにしてもよい。また、本発明は、上述したいずれかの機能を実現させる方法、又はプログラムであってもよい。また、本発明は、そのようなプログラムを記録した、コンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。
本発明によれば、各CPUから発生する熱の低減を図るとともに瞬時の高負荷の処理に
より発熱量が急激に増大するような場合にも発熱量を低減することが可能となる。
より発熱量が急激に増大するような場合にも発熱量を低減することが可能となる。
次に、本発明に係る情報処理装置の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、第1の実施形態に係る情報処理装置200を示すブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る情報処理装置200は、CPU10、11、メモリ20、温度センサ30,31を備え、それぞれはケーブルで接続されている。情報処理装置200を例えばオーディオ装置に適用した場合、CPU10、11は、複数のメディア(CDやDVD等)の信号処理を行って、これを外部へ出力する。また、CPU10、11は、互いの温度状態や負荷状態を監視することができる。そして、例えばCPU10の発熱量が大きくなった場合、CPU10は、自らが実行する処理の一部をCPU11に移行させる。これにより、情報処理装置200は、各CPUの発熱を分散させ、CPU全体の発熱量を低減することが可能となる。
図2は、第1の実施形態に係る情報処理装置200の熱低減をするための動作を示すフロー図である。なお、本実施形態においては、CPU10をメインCPUとし、CPU11をサブCPUとし、メインCPUであるCPU10が以下の処理を実行するものとする。まず、ステップS101では、CPU10は、CPU10の温度を取得する。CPU10の温度の取得は、温度センサ30により検知された温度がCPU10に入力されることにより行われる。なお、第1の実施形態に係る情報処理装置200においては、温度センサ30により検出した温度によりCPU10の負荷を判断している。但し、これに限定されるわけではなくCPU10の使用率により負荷を判断することとしてもよい。また、各CPU毎に温度センサを接続することで最も正確に各CPUの温度を検知することができるが、CPU10とCPU11との中間に温度センサを配置してCPU10とCPU11の温度を検出する構成としてもよい。また、CPU10、11の温度だけでなく、CPU10、11の周囲に温度センサを配置して周囲の温度も判断基準とすることができる。
次にステップS102では、CPU10は、CPU10の処理の一部をCPU11に移行する必要があるか否かを判断する。CPU10の処理の一部をCPU11へ移行するか否かは例えば、次のように判断することができる。すなわち、例えば予め温度の基準値を設け、基準値を上回った場合には、CPU10はCPU10の処理の一部をCPU11へ移行する必要があると判断する。これにより、CPU10の発熱を低減することができる。また、CPU10は、現在の温度だけでなく今後の温度の上昇を予測してCPU10の処理の一部をCPU11に移行する必要があると判断する。なお、これらの判断はCPU10にタイマを設け、一定時間以上基準値を上回った場合にCPU10の処理の一部をCPU11へ移行する必要があると判断するようにしてもよい。
ここで、今後の温度の予測方法について図面に基づいて説明する。図3、図6、図7は、今後の温度変化を予測する判断基準を示すグラフである。なお、これらの図において、縦軸は温度、横軸は時間を示す。また、これらのグラフにおける温度変化は、CPU10、11の動作状態をメモリ20に記憶させることで得ることができる。
図3は、所定の処理を実行した場合のCPU10とCPU11の温度変化を示すグラフである。CPU10の温度変化は実線、CPU11の温度変化は点線で表されている。また、図3においてT1は、現在の温度、T2は、今後予測される温度を示す。M1は、現在実行中の処理、M2は、ユーザに要求された処理を示す。現在実行中の処理は、例えばナビゲーション装置における操作画面を表示する処理である。また、ユーザに要求された処理は、例えばナビゲーション装置における地図描画である。このような場合、CPU1
0の温度は、同図に示すように右肩上がりであり、現在から見て今後基準値を上回るものと予測される。したがって、CPU10は、CPU10の処理の一部をCPU11に移行する必要あると判断することができる。
0の温度は、同図に示すように右肩上がりであり、現在から見て今後基準値を上回るものと予測される。したがって、CPU10は、CPU10の処理の一部をCPU11に移行する必要あると判断することができる。
より具体的には、温度予測は、CPU10、CPU11が実行する処理内容、CPU10、CPU11の温度特性、外部から入力されたユーザからの指示、すなわち要求内容により行われる。例えば、処理速度は早いが温度が高くなる温度特性を持つCPU10に負荷の重い処理であるナビゲーション装置による地図描画をさせる場合、今後CPU10の温度は、右肩上がりで上昇することが予測される。このような温度予測は、CPU10、11の処理内容に応じた温度変化量等をパラメータ化したテーブルと、所定の式を用いて行うことができる。図4、図5は、温度予測テーブルを示す。図4は、CPU10の温度予測テーブルを示す。図5は、CPU11の温度予測テーブルを示す。例えば、図4の温度予測テーブルでは、処理速度は速いが温度が高くなり易い温度特性をもつCPU10について、Aという処理では温度変化量は+30℃であるが、Cという処理では温度変化量が+100℃になるというデータが予めテーブル化されている。そして、これらのデータと例えば以下の式1により温度を予測することができる。
T=T1+T2・・・(式1)
T1は、現在の温度、T2は、CPUの温度特性やユーザの要求により決定される温度変化量である。そして、T2は、上述した図4や図5に示す温度予測テーブルから読み出すことができる。すなわち、CPU10は、現在ユーザから要求されている処理内容に対応する温度変化量を温度予測テーブルより読み出す。そして、CPU10は、現在の温度と温度変化量を加算する。これにより、CPU10は、今後の温度を予測することができる。より具体的には、例えば現在の温度が30℃、ナビゲーション装置による地図描画処理が図4の処理Bに相当するとする。したがって、処理Bを実行することによる温度変化量は、+50℃である。したがって、予測される温度は、現在の温度(30℃)+温度変化量(+50℃)=80℃となる。
図6は、CPU10において処理する線形で表される処理ごとの温度変化を示すグラフである。図6に示すように、処理1及び処理2の実施を継続していくと、今後CPU10の温度が基準値を上回るため、CPU10は、CPU10の処理の一部をCPU11に移行する必要あると判断することができる。図7は、CPU10において処理する非線形で表される処理ごとの温度変化を示すグラフである。線形、非線形にかかわらずCPU10、11の動作状態、換言すると所定の処理を実行した場合の温度変化を表すデータを予めメモリ20に記憶させておくことで、今後の温度上昇を予測してCPU10は、CPU10の処理の一部をCPU11に移行する必要あると判断することができる。なお、メモリ20への記憶は実際に所定の処理を実行し、これを記憶することとしてもよく、これにより実際の動作状態に対応した温度変化の予測が可能となる。
上述したようにステップS102の処理が行われた後、CPU10は、CPU10の処理の一部をCPU11へ移行する必要があると判断した場合には、処理の分配を実行する(ステップS103)。一方、移行する必要がないと判断した場合には、再度ステップS101の処理を実行する。
ステップS103では、CPU10はCPU10、11で実行する処理の分配を行う。具体的には、例えば以下のように行うことができる。図8から図11は、CPU10が実行する処理の分配を示すフロー図である。なお、以下の説明においては、上述したステップS102の各CPUの処理分配が必要か否かの判断を予め温度の基準値を設け、基準値を上回ったか否かによって判断したものとして説明する。
一つの方法として、図8に示すようにCPU10は、CPU10の温度が基準値を上回るか否か判断し(ステップS111)、上回ると判断した場合には処理の一部をCPU11に移行する(ステップS112)。例えば、カーナビゲーション装置の例で言えば、CPU10は、操作画面表示処理をCPU11へ移行する。そして、CPU10は、地図描画処理のみ実行する。その際、CPU10は、CPU11に操作画面表示処理を実行させた場合のCPU11の温度変化も予測した上で操作画面表示処理を移行する。すなわち、CPU10は、CPU11が操作画面表示処理を実行する場合、基準値を上回るか否か判断し、上回ると判断しなかった場合には操作画面表示処理をCPU11へ移行する。なお、CPU10は、その際全ての処理権限、すなわち上述したステップS101からS103の処理権限をCPU11へ移行しCPU10の電源がその後OFFになるようにすることもできる。CPU10の電源を最終的にOFFとする処理を実行することでCPU10の温度を急激に冷却することが可能となる。なお、この場合には、上述したステップS101からステップS103の処理は、CPU11が実行する。
また、図9に示すように、CPU10は、CPU10の温度が基準値を上回るか否か判断し(ステップS121)、上回ると判断した場合には処理速度をダウンさせ(ステップS122)、ディスプレイ等の表示部を通じてユーザに通知する(ステップS123)こともできる。なお、表示部は、表示機能だけでなく、ユーザの指示を受け付けるユーザ受付機能を備えるものとしてもよい。これにより、上述したステップS112やS122の処理を実行する前にユーザに対しCPU11に処理を移行するか否かを確認を求め、ユーザの指示を受け付けた上でその後の処理(例えば、ステップS112やステップS122)を実行するようにしてもよい。
また、第1の実施形態に係る情報処理装置に共有の低速RAMを更に備える構成としてもよい。この場合、図10に示すようにCPU10は、CPU10の温度が基準値を上回るか否か判断し(ステップS131)、上回ると判断した場合にはCPU10は処理の一部を低速RAMに転送し(ステップS132)、低速メモリにて処理を実行(ステップS133)させることもできる。上述したメモリ20よりも低速なRAMを使用することで発熱を低減することができる。なお、低速RAMはCPU10、11の内部に設ける構成として、CPU10は、CPU10の温度が基準値を上回ると判断した場合には、CPU10、11の内部に設けられた低速RAMに処理の一部を転送し、低速RAMにて処理を実行させるようにしてもよい。
また、図11に示すように、CPU10は、CPU10の温度が基準値を上回るか否か判断し(ステップS141)、上回ると判断した場合にはCPU10の処理とCPU11の処理を入れ替える(ステップS142)ようにしてもよい。これによりCPU10の発熱を低減させることができる。また、このような処理を行った場合には、その後CPU11の発熱量が上昇することが予想されるが、その場合には再度CPU10とCPU11との処理を入れ替えることでCPU11の発熱を低減することが可能となる。
また、CPU10は、CPU10からCPU11へ処理を移行するに際し、処理の切れ目を考慮して移行することができる。図12は、処理1と処理2の流れを示す図であり、矢印は各処理の実行単位を示し、矢印と矢印の間隔は処理の切れ間を示す。CPU10は、処理の切れ間において処理を移行させることでスムーズに処理の移行を実行することができる。なお、処理1及び処理2を全てCPU11へ移行する場合には、共通の処理の切れ間で移行することでスムーズに処理の移行を行うことができる。
次に第1の実施形態に係る情報処理装置200の適用例について説明する。図13は、第1の実施形態に係る情報処理装置200の適用例を示すブロック図である。同図に示す
ように、情報処理装置200は、TVチューナ、DVD、CD、HDDに接続され、これらはCPU10及びCPU11により制御され、スピーカから音声、表示部から映像がそれぞれ出力される。
ように、情報処理装置200は、TVチューナ、DVD、CD、HDDに接続され、これらはCPU10及びCPU11により制御され、スピーカから音声、表示部から映像がそれぞれ出力される。
次に図13に示す第1の実施形態に係る情報処理装置200による処理の一例を図面に基づいて説明する。図14は、図13に示す第1の実施形態に係る情報処理装置200による処理の一例を示すフロー図である。同図に示す一例は、CPU10がCDからのデータを圧縮しHDDに書き込む処理Aと、CPU11がDVDを再生する処理Bを実行する場合を示す。なお、データを圧縮しHDDに書き込む処理Aは負荷が重い処理に該当し、DVDを再生する処理Bは負荷が軽い処理に該当するものとして説明する。
ステップS151では、CPU10は、CDからのデータを圧縮し、HDDに書き込み、CPU11は、DVDを再生するためDVDドライブに再生を指示する。ステップS152では、CPU10は、CPU10、11の温度を取得する。なお、例えばCPU10の温度の取得は、温度センサ30により計測された温度がCPU10に入力されることにより行われる。次に、ステップS153では、CPU10は、CPU10の温度がCPU11と比較して10℃以上高いか判断する。CPU10は、CPU10の温度がCPU11と比較して10℃以上高いと判断した場合、CPU10とCPU11との処理を入れ替える。すなわち、ステップS153では、CPU10がDVDを再生するため、DVDに再生を指示し、CPU11は、CDからのデータを圧縮し、HDDに書き込む(ステップS154)。一方、CPU10は、CPU10の温度がCPU11と比較して10℃以上高いと判断しなかった場合、再度ステップS151の処理を実行する。ステップS155では、CPU10は、CPU11の温度がCPU10と比較して10℃以上高いか判断する。CPU10は、CPU11の温度がCPU10と比較して10℃以上高いと判断した場合、CPU10とCPU11との処理を入れ替える。すなわち、再度ステップS151の処理を実行する。一方、CPU10は、CPU11の温度がCPU10と比較して10℃以上高いと判断しなかった場合、再度ステップS154の処理を実行する。以上の処理を実行することでCPU10、11の発熱量は、分散される。その結果、情報処理装置200全体の発熱量は、低減される。
以上説明した、第1の実施形態に係る情報処理装置200によれば、CPU10から発生する熱の低減を図るとともに今後発熱を予測して処理の分散を実行することで例えば、瞬時の高負荷の処理により発熱量が急激に増大するような場合にも発熱量を低減することが可能となる。
次に、第2の実施形態に係る情報処理装置300について図面に基づいて説明する。図15は、第2の実施形態に係る情報処理装置300を示すブロック図である。図15に示すように、第2の実施形態に係る情報処理装置300は、車両400に搭載され、CPU10、11、温度センサ30,31、バス51、RAM(Random Access Memory)52、フラッシュメモリ53、表示部54、ナビゲーション用の地図や音楽データが格納されるHDD(Hard Disk Drive)55、SDメモリーカード56、CDを駆動し音楽データ出
力するCDD(Compact Disk Drive)57を備え、それぞれはバス51で接続されている。なお、以下の説明において、CPU10は、主にオーディオ操作画面描画やカーナビゲーション装置の制御を実行し、CPU11はオーディオ装置の制御を実行するものとして説明する。なお、オーディオ操作画面描画は、例えばCDやHDDに格納された音楽情報を再生するため、ユーザからの指示を受け付ける選択画面を表示部54に表示するものである。また、カーナビゲーション装置の制御は、例えばHDD55内に格納された地図情報から必要な情報を検索し、検索した地図情報を表示部54に表示するものである。また、オーディオ装置の制御は、例えばCDから音楽情報を読み出し、読み出した音楽情報を
HDD55に録音するものである。
力するCDD(Compact Disk Drive)57を備え、それぞれはバス51で接続されている。なお、以下の説明において、CPU10は、主にオーディオ操作画面描画やカーナビゲーション装置の制御を実行し、CPU11はオーディオ装置の制御を実行するものとして説明する。なお、オーディオ操作画面描画は、例えばCDやHDDに格納された音楽情報を再生するため、ユーザからの指示を受け付ける選択画面を表示部54に表示するものである。また、カーナビゲーション装置の制御は、例えばHDD55内に格納された地図情報から必要な情報を検索し、検索した地図情報を表示部54に表示するものである。また、オーディオ装置の制御は、例えばCDから音楽情報を読み出し、読み出した音楽情報を
HDD55に録音するものである。
次に、第2の実施形態に係る情報処理装置において、タッチパネル機能を備える表示部54によるオーディオ操作画面描画処理E、カーナビゲーション装置によるルート検索処理F、オーディオ装置によるCD録音処理G、3D地図描画処理Hを例にとって説明する。なお、処理F及びHは高負荷処理、処理E及びGは低負荷処理として説明する。
図16は、第2の実施形態に係る情報処理装置300による処理の一例を示すフロー図である。まず、ステップS161では、通常処理としてCPU10は処理E及びFを、CPU11は処理Gを実行する。次に、ステップS162では、CPU10は、CPU10又はCPU11において高負荷処理が実行されているか否かを判断する。そして、ステップS163では、CPU10又はCPU11において高負荷処理が実行されていると判断した場合には、高負荷処理が実行されているCPUの処理をRAM52へ退避させ、その処理を一方のCPUへ移行するよう通知する。すなわち、現在CPU10においては高負荷処理である処理Fが実行されている。したがって、CPU10は、CPU10において高負荷処理が実行されていると判断し、CPU10で実行している処理FをRAM52へ退避させ、処理FをCPU11へ移行するように通知する。なお、その際、その旨を表示部54に表示し、ユーザの確認を得た上で次ぎのステップに進むにようにしてもよい。なお、CPU10は、CPU10又はCPU11において高負荷処理が実行されていると判断しなかった場合には、再度ステップS161の処理を実行する。
ステップS164では、、CPU10は処理Eのみを実行し、CPU11はRAM52に退避された処理Fを読み出し、処理Gとともにこれを実行する。次に、CPU10は、温度センサ30,31によりCPU10とCPU11の温度を取得し、CPU10又はCPU11の温度が基準値を上回るかを予測する(ステップS165)。なお、CPU10又はCPU11の温度が上回るか否かの予測は、第1の実施形態におけるステップS102と同様に行うことができる。
次に、CPU10は、CPU10又は11の温度が基準値を上回ると判断した場合には処理速度を変更する(ステップS166)。これは、例えば処理Gの処理速度を8倍速録音から2倍速録音のように低下させることで実行することができ、これによりCPU11の発熱を低減させることができる。一方、CPU10は、CPU10又はCPU11の温度が基準値を上回っていると判断しなかった場合には、再度ステップS164の処理を実行する。
ステップS164の処理を実行後、CPU10は、更にCPU10又はCPU11の温度が危険基準値を上回っているか否かを判断する(ステップS167)。危険基準値とは、そのまま処理を実行するとデバイス破壊をする恐れがある基準値を意味する。したがって、前述したステップS165の基準値よりも高く設定することで設定可能である。そして、CPU10はCPU10又はCPU11の温度が危険基準値を上回っていると判断した場合には、危険基準値を上回っていると判断したCPUの処理をフラッシュメモリ53に格納し、退避処理を実行し(ステップS168)、処理を終了する。これにより、デバイス破壊を防止することができる。
次に、第2の実施形態に係る情報処理装置300の実用例ついて説明する。図17は、通常時の処理機能の配置構成を示す図である。図18は、高負荷時の処理機能の配置構成を示す図である。なお、表示部54は、タッチパネル機能を有するものとする。図18に示すように、通常処理として、CPU10はオーディオ操作画面描画処理E及びカーナビゲーション装置によるルート検索処理Fを、CPU11はオーディオ装置によるCD録音処理Gを実行している。ここで、例えば、CPU11に接続された表示部54をユーザが
操作することにより、通常時の状態(図18参照)から高負荷処理の状態に切り替わる。高負荷処理の状態としては、上述した図18に示される状態からユーザが3D地図描画処理Hを選択した場合が例示できる。ユーザが高負荷処理を選択すると、CPU10の処理が増加し、高温になることが予測される。このような場合、CPU10は、処理Fのルート検索処理をCPU11へ移行するため、CPU10は処理FをRAM52へ退避させる。そして、高負荷時の処理機能の配置構成として予め用意した図18に示す状態に移行する。すなわち、CPU10は、処理Hのみを実行し、CPU11は、処理F及び処理Gを実行する。
操作することにより、通常時の状態(図18参照)から高負荷処理の状態に切り替わる。高負荷処理の状態としては、上述した図18に示される状態からユーザが3D地図描画処理Hを選択した場合が例示できる。ユーザが高負荷処理を選択すると、CPU10の処理が増加し、高温になることが予測される。このような場合、CPU10は、処理Fのルート検索処理をCPU11へ移行するため、CPU10は処理FをRAM52へ退避させる。そして、高負荷時の処理機能の配置構成として予め用意した図18に示す状態に移行する。すなわち、CPU10は、処理Hのみを実行し、CPU11は、処理F及び処理Gを実行する。
以上説明した、第2の実施形態に係る情報処理装置300によれば、CPU10、11から発生する熱の低減を図るとともに今後発熱を予測して処理の分散が可能となり、瞬時の高負荷の処理により発熱量が急激に増大するような場合にも発熱量を低減することが可能となる。なお、温度上昇の予測やRAM等への退避等の判断は、メインCPUとして予めCPU10を設定し、CPU10が実行することができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明に係る情報処理装置はこれらに限らず、可能な限りこれらの組合せを含むことができる。
10、11・・・CPU
30,31・・・温度センサ
51・・・バス
52・・・RAM
53・・・フラッシュメモリ
54・・・表示部
55・・・HDD
56・・・SDカード
400・・・車両
30,31・・・温度センサ
51・・・バス
52・・・RAM
53・・・フラッシュメモリ
54・・・表示部
55・・・HDD
56・・・SDカード
400・・・車両
Claims (3)
- 複数のCPUにより処理を実行する情報処理装置において、
前記各CPUの現在の温度を検知する検知手段と、
前記各CPUに要求された処理の内容と前記各CPUの温度特性とに基づいて今後の前記各CPUの温度変化量を算出し、算出した前記温度変化量と前記検知手段で検知された前記各CPUの現在の温度に基づいて前記各CPUの今後の温度状態を予測する温度状態予測手段と
前記温度状態予測手段により予測した温度状態に基づいて、前記各CPUに実行させる処理を変更する処理変更手段と、を備えることを特徴とする情報処理装置。 - 前記温度状態予測手段により予測した温度状態を通知する通知手段と、
前記各CPUが実行する処理を変更する為の指示をユーザから受け付ける指示受付手段と、を更に備え、
前記処理変更手段は、前記指示受付手段により受け付けた指示に基づいて前記各CPUに実行させる処理を変更することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。 - 前記各CPUの動作状態を保存する動作状態保存手段を更に備え、
前記処理変更手段は、前記各CPUに実行させる処理を変更することで高温状態を回避できないと判断した場合には、前記各CPUが実行する処理の一部を前記動作状態保存手段に一時的に記憶させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
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