JP2007241053A - レジスト保護膜材料及びパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 下記一般式(1)に示される化合物を溶媒として含有する、アルカリ現像液に可溶なレジスト保護膜材料。
【化1】
(上式中、R1は炭素数1〜9の直鎖状又は分岐状のフッ素原子を1個以上有するアルキル基であり、R2とR3は同一又は異種で水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基でフッ素原子を1個以上有していても良く、R4は炭素数1〜9の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、R1+R2+R3+R4の炭素数の合計が6〜10の範囲である。)
【選択図】 なし
Description
ここで、液浸リソグラフィー用レジスト保護膜材料に用いられる溶媒としては、炭素数4以上の高級アルコール(特願2004−121506号)、炭素数8以下のエーテル(特願2004−229085号)が用いられている。
フォトレジストが(メタ)アクリル系ポリマーをベースとしている場合、(メタ)アクリル系ポリマーを殆ど溶解させず、αフルオロメチルアルコールを有するレジスト保護膜用ポリマーを溶解させる炭素数4以上の高級アルコールを用いることが可能であった。しかしながら、ポリノルボルネンやROMPベースのサイクロオレフィンポリマー、シルセスキオキサンポリマーは炭素数4以上のアルコールに溶解する。ポリノルボルネンやROMPベースのサイクロオレフィンポリマーあるいはシルセスキオキサンをベースとしたレジスト上に、アルコールを溶媒としたレジスト保護膜を適用した場合、現像後のレジストパターンの形状が頭張りあるいは膜減りが生じてしまう問題が生じていた。なお、(メタ)アクリルは、メタクリル及び/又はアクリルを表す。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、良好な液浸リソグラフィーを可能とし、しかもフォトレジスト層の現像時に同時に除去することができて、優れたプロセス適用性を有する液浸リソグラフィー用として有効な保護膜材料、及びこのような材料を用いたパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記一般式(1)に示される化合物を溶媒として含有する、アルカリ現像液に可溶なレジスト保護膜材料。
また、本発明は、ウエハーに形成したフォトレジスト層上にレジスト上層膜材料による保護膜を形成する工程と、該保護膜形成工程後の露光工程と、該露光工程後の現像工程と含んでなるリソグラフィーによるパターン形成方法であって、上記レジスト上層膜材料が、上記レジスト保護膜材料であることを特徴とするパターン形成方法を提供する。好ましくは、液体中で露光を行う露光工程を含む、液浸リソグラフィーによるパターン形成方法を提供する。
レジストを溶解させる溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等に代表されるエステル系、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系、γブチロラクトンなどのラクトン系の溶媒が挙げられる。
一方、レジストを溶解させない溶媒としては、特願2004−121506号に示されるように、炭素数4以上の高級アルコール、トルエン、キシレン、アニソール、ヘキサン、シクロヘキサンなどの非極性溶媒を挙げることができる。特に炭素数4以上の高級アルコールが好ましく用いられ、具体的には1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、tert−アミルアルコール、ネオペンチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−ジエチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−3−ペンタノール、シクロヘキサノールが挙げられる。
このようなフッ素置換された溶媒を例示すると、2−フルオロアニソール、3−フルオロアニソール、4−フルオロアニソール、2,3−ジフルオロアニソール、2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、5,8−ジフルオロ−1,4−ベンゾジオキサン、2,3−ジフルオロベンジルアルコール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、2’,4’−ジフルオロプロピオフェノン、2,4−ジフルオロトルエン、トリフルオロアセトアルデヒドエチルヘミアセタール、トリフルオロアセトアミド、トリフルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエチルブチレート、エチルヘプタフルオロブチレート、エチルヘプタフルオロブチルアセテート、エチルヘキサフルオログルタリルメチル、エチル−3−ヒドロキシ−4,4,4−トリフルオロブチレート、エチル−2−メチル−4,4,4−トリフルオロアセトアセテート、エチルペンタフルオロベンゾエート、エチルペンタフルオロプロピオネート、エチルペンタフルオロプロピニルアセテート、エチルパーフルオロオクタノエート、エチル−4,4,4−トリフルオロアセトアセテート、エチル−4,4,4−トリフルオロブチレート、エチル−4,4,4−トリフルオロクロトネート、エチルトリフルオロスルホネート、エチル−3−(トリフルオロメチル)ブチレート、エチルトリフルオロピルベート、S−エチルトリフルオロアセテート、フルオロシクロヘキサン、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノール、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−7,7−ジメチル−4,6−オクタンジオン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタフルオロペンタン−2,4−ジオン、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−ペンタノール、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−ペンタノン、イソプロピル4,4,4−トリフルオロアセトアセテート、メチルパーフルオロデナノエート、メチルパーフルオロ(2−メチル−3−オキサヘキサノエート)、メチルパーフルオロノナノエート、メチルパーフルオロオクタノエート、メチル−2,3,3,3−テトラフルオロプロピオネート、メチルトリフルオロアセトアセテート、1,1,1,2,2,6,6,6−オクタフルオロ−2,4−ヘキサンジオン、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−デカノール、パーフルオロ(2,5−ジメチル−3,6−ジオキサンアニオニック)酸メチルエステル、2H−パーフルオロ−5−メチル−3,6−ジオキサノナン、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロノナン−1,2−ジオール、1H,1H,9H−パーフルオロ−1−ノナノール、1H,1H−パーフルオロオクタノール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタノール、2H−パーフルオロ−5,8,11,14−テトラメチル−3,6,9,12,15−ペンタオキサオクタデカン、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリヘキシルアミン、パーフルオロ−2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサドデカン酸メチルエステル、パーフルオロトリペンチルアミン、パーフルオロトリプロピルアミン、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロウンデカン−1,2−ジオール、トルフルオロブタノール1,1,1−トリフルオロ−5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノール、1,1,1−トリフルオロ−2−プロピルアセテート、パーフルオロブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロ(ブチルテトラヒドロフラン)、パーフルオロデカリン、パーフルオロ(1,2−ジメチルシクロヘキサン)、パーフルオロ(1,3−ジメチルシクロヘキサン)、プロピレングリコールトリフルオロメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルトリフルオロメチルアセテート、3−トリフルオロメトキシプロピオン酸メチル、パーフルオロシクロヘキサノン、プロピレングリコールトリフルオロメチルエーテル、トリフルオロ酢酸ブチル、1,1,1−トリフルオロ−5,5−ジメチル−2,4−ヘキサンジオン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノール、2−トリフルオロメチル−2−プロパノール,2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール等が挙げられる。
そこで、本発明者らは、極性基を有してかつレジストポリマーを溶解させない溶媒としてフルオロアルキル基を有するエステル化合物を考案した。
フルオロアルキル基を有するエステル化合物として前述の2,2,2−トリフルオロエチルブチレートが挙げられるが、このものは沸点が116℃であり、蒸発しやすい性質を持つ。溶媒が蒸発しやすい場合、スピンコート後の膜厚均一性が低下したり、保存中に固形分濃度が変化することにより膜厚が変化する。より炭素数が多く、沸点が高い溶媒が望まれている。
特に一般式(1)に示される化合物は、エステル化前の原料となるフルオロアルキル基を有するアルコールが安価で工業的に大量生産されている。フルオロアルキルの(メタ)アクリル酸エステルも工業的に大量生産されており、(メタ)アクリルのオレフィンを水素添加することによっても得ることも出来る。
αトリフルメチルヒドロキシ基としては一般的には下記一般式(2)に示される。
一般式(2)に示されるαトリフルオロメチルアルコールを有する繰り返し単位a(aはモル分率も表す。)を得るためのモノマーAとしては下記に例示することが出来る。
レジスト保護膜用ポリマーのアルカリ溶解性の繰り返し単位としてのカルボキシル基を有する繰り返し単位b(bはモル分率も表す。)を得るためのモノマーBとしては、具体的には下記に例示することができる。
フルオロアルキル基を有する繰り返し単位c(cはモル分率も表す。)を得るためのモノマーCとしては、下記に例示することが出来る。
この場合、繰り返し単位a、bによって水への溶解速度が0.1Å(オングストローム)/s以下であり、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液からなる現像液の溶解速度が300Å/s以上のレジスト保護膜を形成することができる。繰り返し単位c、d、eによって撥水性や滑水性を向上させることが出来る。
アルカリ可溶性ポリマーは、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解度が300Å/s以上のポリマーを意味する。
まず、フォトレジスト層の上に非水溶性でかつアルカリ可溶性のレジスト保護膜(上層膜)材料をスピンコート法等で成膜する。膜厚は10〜500nmの範囲が好ましい。露光方法はレジスト保護膜と投影レンズの間が空気あるいは窒素などの気体であるドライ露光でもよいが、レジスト保護膜と投影レンズ間が液体で満たされている液浸露光でもよい。液浸露光では、好ましくは、180〜250nmの範囲の露光波長を用い、投影レンズとウエハーの間に、水やアルカン等の露光波長に対して透明な液体を挿入させたものを用いることができるが、安全性の点から水が好ましく用いられる。また、液体として、シリカやアルミナ等のナノパーティクル、界面活性剤、アルカリ金属塩、又はアルカリ土類金属塩等の溶液を用いてもよい。
液浸露光において、ウエハー裏面への水の回り込みや、基板からの溶出を防ぐために、ウエハーエッジや裏面のクリーニングの有無、及びそのクリーニング方法は重要である。例えばレジスト保護膜をスピンコート後に40〜130℃の範囲で10〜300秒ベークすることによって溶媒を揮発させる。レジストや、ドライ露光の場合はスピンコート時にエッジクリーニングを行うが、液浸露光の場合、親水性の高い基板面が水に接触すると、エッジ部分の基板面に水が残ることがあり、好ましいことではない。そのためレジスト保護膜のスピンコート時にはエッジクリーニングをしない方法が挙げられる。
実施例1〜12と比較例1〜5
ラジカル重合によって下記レジスト保護膜用ポリマー1〜9を得た。
表1に示す組成で溶媒100重量部、保護膜用ポリマー1〜9が3.5重量部の割合で混合し、0.1ミクロン高密度ポリエチレンフィルターで濾過し、レジスト保護膜材料を作成した。
レジストは下記レジスト用ポリマー100重量部、酸発生剤(PAG)6重量部、クエンチャー0.8重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)1300重量部に溶解させ、0.1ミクロン高密度ポリエチレンフィルターで濾過し、レジスト溶液を作成した。
Si基板上に作製した日産化学社製反射防止膜ARC−29Aの80nm膜厚上にレジスト溶液を塗布し、110℃で60秒ベークして膜厚200nmのレジスト膜を作製した。その上にレジスト保護膜を塗布し、110℃で60秒間ベークした。擬似的な液浸露光を再現するために、露光後の膜の純水リンスを5分間行った。ニコン製ArFスキャナーS307E(NA0.85、σ0.93、6%ハーフトーン位相シフトマスク)で露光し、純水をかけながら5分間リンスを行い、110℃で60秒間ポストエクスポジュアーベーク(PEB)を行い、2.38質量%TMAH現像液で60秒間現像を行った。
ウエハーを割断し、ピッチ240nm、直径120nmホールのパターン形状を比較した。結果を表1に示す。
保護膜なしで露光、純水リンス、PEB、現像を行った比較例6〜10の結果を表2に示す。露光後純水リンスを行わない通常のプロセスを行った比較例11〜15の結果を表3に示す。
Claims (6)
- さらに、アルカリ可溶性ポリマーを含有する請求項1記載のレジスト保護膜材料
- ウエハーに形成したフォトレジスト層上にレジスト上層膜材料による保護膜を形成する工程と、該保護膜形成工程後の露光工程と、該露光工程後の現像工程と含んでなるリソグラフィーによるパターン形成方法であって、上記レジスト上層膜材料が、請求項1又は請求項2に記載のレジスト保護膜材料であることを特徴とするパターン形成方法。
- 上記露光工程が、液体中で露光を行うことを含む、液浸リソグラフィーによるパターン形成方法である請求項3に記載のパターン形成方法。
- 上記露光工程が、180〜250nmの範囲の露光波長を用い、投影レンズとウエハーの間に水又は該露光波長に対して透明な溶体を挿入させたものを用いる請求項4に記載のパターン形成方法。
- 上記現像工程が、アルカリ現像液により上記フォトレジスト層の現像と上記レジスト上層膜材料の保護膜の剥離とを同時に行うことを含む請求項3〜5のいずれかに記載のパターン形成方法。
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